JP2005125654A - 空気圧成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 加熱軟化した樹脂板の取り扱いを画期的に向上する。
【解決手段】 トレー2に樹脂板1を載せた状態で前記樹脂板1を加熱軟化する工程と、前記トレー2に前記樹脂板1を載せた状態のまま前記トレー2を空気圧成形装置における保持台4に載せる工程と、前記トレー2に前記樹脂板1を載せた状態のまま前記樹脂板1を空気圧成形する工程とを備える。トレー2に樹脂板1を載せた状態で樹脂板1を加熱軟化させた後、トレー2に樹脂板1を載せた状態のままトレー2を空気圧成形装置における保持台4に載せ、空気圧成形するものであるため、加熱軟化した樹脂板1の取り扱いが画期的に向上され、樹脂板1を空気圧成形工程にスムーズに移行できる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、樹脂板を加熱軟化させてから空気圧で照明器具用グローブなどを成形する方法に関する。
樹脂板を加熱軟化させてから空気圧で成形して照明器具用グローブなどを製造する方法は、特許文献1などで開示されている。そのような公知の成形方法では、加熱装置にて樹脂板を加熱軟化させてから、その樹脂板を空気圧成形装置における保持台の上方まで移送してその保持台に載せ、その樹脂板を所望の形状に空気圧成形していた。
特許第3433921号公報
しかし、加熱軟化した樹脂板は保持台に対して位置精度良く載せにくい上、加熱軟化した樹脂板は部分的に垂れ下って変形しているため、保持台に載せたときにややもすれば局部的に変形しやすく、総じて加熱軟化した樹脂板の取り扱いが困難であった。本発明はこのような解決すべき課題を鑑み、加熱軟化した樹脂板の取り扱いを画期的に向上することを目的とする。
本発明を要約すると、トレーに樹脂板を載せた状態で前記樹脂板を加熱軟化する工程と、前記トレーに前記樹脂板を載せた状態のまま前記トレーを空気圧成形装置における保持台に載せる工程と、前記トレーに前記樹脂板を載せた状態のまま前記樹脂板を空気圧成形する工程とを備えた空気圧成形方法である。
本発明によれば、トレーに樹脂板を載せた状態で樹脂板を加熱軟化させた後、トレーに樹脂板を載せた状態のままトレーを空気圧成形装置における保持台に載せ、空気圧成形するものであるため、加熱軟化した樹脂板の取り扱いが画期的に向上され、樹脂板を空気圧成形工程にスムーズに移行できる。
次に、本発明の実施形態を説明するが、それはあくまで本発明に基づいて採択された例示的な実施形態であり、本発明をその実施形態に特有な事項に基づいて限定解釈してはならず、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の請求項に示した事項さらにはその事項と実質的に等価である事項に基づいて定めなければならない。
図1〜7は第一実施形態に関し、図1〜3は樹脂板1を載せるトレー2及び第二トレー3、図4は加熱軟化装置による加熱軟化工程、図5〜7は真空成形による空気圧成形装置を用いた成形工程を示す。
加熱軟化工程を含む空気圧成形方法について要約すれば、金属製が好ましいトレー2にアクリル樹脂などの樹脂板1を載せた状態で前記樹脂板1を加熱軟化する工程(図4参照)と、前記トレー2に前記樹脂板1を載せた状態のまま前記トレー2を空気圧成形装置(図5〜7参照)における金属製の保持台4に載せる工程(図5(A)参照)と、前記トレー2に前記樹脂板1を載せた状態のまま前記樹脂板1を空気圧成形する工程(図5〜7参照)とを備えている。このような工程によれば、トレー2に樹脂板1を載せた状態で樹脂板1を加熱軟化させた後、トレー2に樹脂板1を載せた状態のままトレー2を空気圧成形装置における保持台4に載せ、空気圧成形するものであるため、加熱軟化した樹脂板1の取り扱いが画期的に向上され、樹脂板1を空気圧成形工程にスムーズに移行できる。より具体的に言えば、トレー2を保持台4に対して位置精度良く載せやすい上、トレー2による支持により、加熱軟化した樹脂板1が部分的に垂れ下がることもないため、保持台4に載せたときに樹脂板1が局部的に変形するおそれも少なくなる。
また、トレー2に形成した窓孔5の周縁部にやはり金属製が好ましい第二トレー3が載せられ、前記樹脂板1を空気圧成形する工程中(図6参照)において、前記樹脂板1の膨らみ度合を測定するための測距装置6の上昇により前記第二トレー3が持ち上げられるものである。そうすると、測距装置6による測距が支障なく行われる。なお、測距装置6としては、レーザービームなどを発射することにより、膨らんだ樹脂板1の内面で反射して戻ってくる反射ビームを受光して、樹脂板1の内面までの距離を測定するものなどが好ましい。
そしてまた、測距装置6は、図5(B)で使用される上方測距機能と、図6で使用される側方測距機能を併せ備え、第二トレー3には上方測距時の測距ビーム(図5(B)の点線矢印参照)が通過する孔7が形成されている。これにより、測距装置6による測距が支障なく行われる。なお、測距装置6の側方測距機能は約90度間隔で水平4方向に向けられ、平面視形状としては十字形状を成すものが好ましい。これは第二トレー3を持ち上げた際の第二トレー3の位置安定性にも寄与する。また、上方測距が不要であれば孔7も不要となる。
次に、図1〜3を参照してさらに詳述すれば、第二トレー3の周縁部はトレー2の窓孔5の周縁部に形成した段差部8に載せられて横方向の位置決めが成され、かつ、第二トレー3の上面とトレー2の上面がほぼ面一に揃っている。
そして、図2にて分かるように、トレー2(第二トレー3を含む)の上面に不織布9を接着などの手段で設けており、トレー2(第二トレー3を含む)に不織布9を介して樹脂板1を載せるようにしている。このようにすれば、図4のように加熱軟化装置10の内部でヒーター11の発熱により樹脂板1を加熱軟化させる工程において、樹脂板1が金属製のトレー2(第二トレー3を含む)の表面に実質的に触れることがないため、樹脂板1下面の異常な温度上昇が回避され、樹脂板1は表裏とも、より均一な温度になりやすい。しかも、不織布9により保温性が優れているため、加熱軟化工程後の温度低下が少なくなり、空気圧成形工程における樹脂板1の成形性が良好になる。なお、不織布9としては、アラミド繊維、フッ素樹脂繊維、フェルトなどが好適である。また、加熱軟化装置10において、トレー2は支持装置12に支持されており、より具体的には、支持装置12の上面側に設けた凸部13の外周縁にトレー2の外周折曲縁14が位置決めされるなどして、支持装置12とトレー2とが的確に位置決めされている。
また、樹脂板1の外周縁近傍に対応してトレー2の上面に環状のリブ15を設けるとともに、このリブ15の上面を除きトレー2(第二トレー3を含む)の上面に実質的に不織布9が設けられている。なお、リブ15はトレー2と一体の金属製であると好ましい。そうすると、樹脂板1を図5〜6の工程で空気圧成形する場合に、リブ15と樹脂板1の外周縁近傍が直接的に接触されるため、両者の密着性を向上できて成形性が向上する。この詳細については、次に説明する空気圧成形工程において説明する。
図5〜7は真空成形による空気圧成形工程を示し、まず、その空気圧成形装置について説明する。この空気圧成形装置は、保持台4と、筒状の真空ボックス16と、真空ボックス16内にて可動とされた上金型17と、上金型17と対向配置され対を成す割型になっている半周リング形状の下金型18、18とを備えている。上金型17の外周付近には複数の吸引孔19…が形成されて、吸引孔19…の下端は上金型17の外周付近下面に開口され、吸引孔19…の上端は各々配管20…にて開閉弁21に集中結合され、開閉弁21からは図外の真空引きポンプにつながる配管22が引き出されている。なお、真空引きポンプは常時的に作動されており、開閉弁21を開制御すると金型17、18間の空気が真空引きされ、閉制御すると真空引きは成されない。また、測距装置6はサーボモータ23の作動によりアーム24を介して上下に移動可能とされている。
成形工程を順に説明すると、図5(A)のように、前工程にて加熱軟化された樹脂板1を載せた状態のままトレー2が保持台4に載せられる。ここでも、保持台4の外縁にトレー2の外周折曲縁14が位置決めされるなどして、トレー2は保持台4に対して的確に位置決めされている。次に、図5(B)のように、真空ボックス16と金型17、18を下降して、下金型18で樹脂板1の外周付近をクランプする。このとき、樹脂板1は、下金型18と図1〜3で明瞭に示したリブ15との間にクランプされて、下金型18と樹脂板1とが気密性よく密着される。そうすると、図5(B)のように上金型17を上昇させるときに金型17、18間の気圧が良好に減圧されて、樹脂板1を良好に膨らませることができる。なお、この時、開閉弁21を開けてあえて真空引きしなくても、開閉弁21を閉としたままでも樹脂板1を良好に膨らませることができる。また、樹脂板1の頂点高さは測距装置6で測定されて適切な高さになると、上金型17の上昇が止まるように制御され、樹脂板1の膨らみが維持される。
次に、図6(A)のように測距装置6が上昇されて第二トレー3を持ち上げた状態となる。そして、上金型17を下降させる。そうすると、樹脂板1の頂点付近は上金型17にて押し下げられてその分、横方向に張り出すように扁平に膨らみ始める。このとき、測距装置6は樹脂板1の張り出し方向の距離を測定(測距ビームは点線矢印で示す)しているので、張り出しが小さいと上金型17の下降速度を速くして、樹脂板1の温度が下がらないうちに張り出しを大きくする制御が成され、張り出しが大きいと上金型17の下降速度を遅くして、樹脂板1の温度低下を待つことにより張り出しが過度に大きくならないように制御される。そして、図6(B)のように上金型17がさらに下降して、上金型17の外周部下面が下金型18の外周部上面に当接した段階で、前記張り出しが上金型17と下金型18の内周面に略近接するようになる。そして、ここで開閉弁21が開けられて最終的な真空引きが行われ、樹脂板1は上金型17と下金型18の内周面にぴったりと沿うようになって、その膨張形状が決まり、しかる後、開閉弁21は閉じられる。なお、図6(B)の状態では、上金型17と下金型18間の微小な隙間(互いに当接しても、ごく微小な隙間はある)から吸引孔19を通じて真空引き可能である。
次に、測距装置6が下降されて第二トレー3も下降する。そして、図7のように保持台4が下降され、下金型18、18が外側に退避され、真空ボックス16と上金型17がともに上昇して、樹脂板1が張り出し部のある照明器具用グローブとして成形されて、取り出し可能となる。このようにして、トレー2に樹脂板1を載せた状態のまま樹脂板1が空気圧成形される。なお、前記照明器具用グローブにおいて下金型18とトレー2の間でクランプされていた箇所は、後工程にて切除されて照明器具用グローブとして完成する。
次に、本発明の第二実施形態を図8、9を参照して説明する。これは、よく知られた圧空成形による空気圧成形方法に適する。この実施形態では、単一のトレー2(金属製)を備えている。そして、トレー2に小さめの孔31が形成され、さらに、トレー2の上面に環状のリブ15が一体的に形成されている。また、トレー2の外縁には折曲縁14が第一実施形態と同様に形成される。さらにまた、図示に適さないものの前記不織布9と同様な不織布がリブ15の上面を除きトレー2の上面に付着される。この実施形態でも、トレー2に樹脂板1を載せた状態で樹脂板1を加熱軟化してから、トレー2に樹脂板1を載せた状態のままトレー2を空気圧成形装置(図9参照)における保持台32に載せ、そのまま樹脂板1を空気圧成形するものである。
そうすると、加熱軟化された樹脂板1を載せた状態のままのトレー2を保持台32に載せるものであるため、トレー2を保持台32に対して位置精度良く載せやすい上、トレー2による支持により、加熱軟化した樹脂板1が部分的に垂れ下がることもないため、保持台32に載せたときに樹脂板1が局部的に変形するおそれも少なくなり、総じて加熱軟化した樹脂板1の取り扱いが画期的に向上され、樹脂板1を空気圧成形工程にスムーズに移行できる。なお、図9は予張ブロー工程を示し、樹脂板1の外周を下金型18とトレー2との間でクランプして、上金型17を上方に離間した状態で保持台32に設けた孔33から保持台32内に空気を吹き込んでおり、トレー2の孔31を通じた空気圧により樹脂板1が膨らんだ状態となっている。なお、下金型18による樹脂板1のクランプにより前記リブ15と樹脂板1とが密着して、樹脂板1内からの空気もれが防止されている。
また、保持台32の内部空間において、トレー2の孔31の下方には樹脂板1の膨らみ度合(頂点高さ)を測定するための測距装置34が設けられているが、測距装置34の測距ビーム(点線矢印)はトレー2の孔31を通過して樹脂板1の頂点下面に到達し、そこからの反射光も孔31を通過するため、測距装置34による測距が支障なく行われる。なお、この予張ブローの後に上金型17を下降させて下金型18に当接させ、側方へ張り出した形状のグローブを成形することは第一実施形態の場合と別段変わりはない。また、この第二実施形態では前述の真空ボックス16は必要がない。
第一実施形態のトレーの分解時斜視図 (A) 同組立時部分断面図、(B) 同部分拡大断面図 図1の組立時断面図 加熱軟化装置の断面図 (A) 第一実施形態の空気圧成形装置による第1工程断面図、(B) 同第2工程断面図 (A) 同第3工程断面図、(B) 同第4工程断面図 同第5工程断面図 第二実施形態のトレーの分解時斜視図 第二実施形態の空気圧成形装置による予張ブロー工程断面図
符号の説明
1 樹脂板
2 トレー
3 第二トレー
4 保持台
5 窓孔
6 測距装置
7 孔
9 不織布
15 リブ
31 孔
34 測距装置

Claims (7)

  1. トレーに樹脂板を載せた状態で前記樹脂板を加熱軟化する工程と、前記トレーに前記樹脂板を載せた状態のまま前記トレーを空気圧成形装置における保持台に載せる工程と、前記トレーに前記樹脂板を載せた状態のまま前記樹脂板を空気圧成形する工程とを備えた空気圧成形方法。
  2. 請求項1において、トレーに形成した窓孔の周縁部に第二トレーが載せられ、樹脂板を空気圧成形する工程中において、前記樹脂板の膨らみ度合を測定するための測距装置の上昇により前記第二トレーが持ち上げられるものである空気圧成形方法。
  3. 請求項2において、測距装置は上方測距機能と側方測距機能を併せ備え、第二トレーには上方測距時の測距ビームが通過する孔が形成されている空気圧成形方法。
  4. 請求項1において、トレーには孔が形成されている空気圧成形方法。
  5. 請求項4において、空気圧成形工程において、孔の下面には樹脂板の膨らみ度合を測定するための測距装置を備えた空気圧成形方法。
  6. 請求項1において、樹脂板の外周縁近傍に対応してトレーの上面に環状のリブを設けるとともに、このリブの上面を除き前記トレーの上面に実質的に不織布を設け、前記樹脂板を空気圧成形する場合に前記リブと樹脂板の外周縁近傍を直接的に接触させて両者の密着性を向上した空気圧成形方法。
  7. 請求項2において、樹脂板の外周縁近傍に対応してトレーの上面に環状のリブを設けるとともに、このリブの上面を除き第二トレーを含む前記トレーの上面に実質的に不織布を設け、前記樹脂板を空気圧成形する場合に前記リブと樹脂板の外周縁近傍を直接的に接触させて両者の密着性を向上した空気圧成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104175542A (zh) * 2013-05-23 2014-12-03 李一波 一种塑料地球仪图纸的真空吸塑成型模具
JP2018024119A (ja) * 2016-08-08 2018-02-15 トヨタ自動車東日本株式会社 真空成型装置及び真空成型方法
CN111788054A (zh) * 2019-10-17 2020-10-16 吴江创源玩具有限公司 地形地球仪以及其相关的制造方法

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