JP7128074B2 - 靴成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
真空圧空成形機(布施真空(株)製、NGF-0406-T)を用いて、以下の条件で成形用シートを靴成形体に成形した。
・成形用シート:0.08dtexのポリエステル繊維の長繊維の絡合不織布にポリウレタンを含浸させた厚さ1.0mmの繊維基材の表面にポリウレタンの樹脂層を積層してなる、厚さT=1.1mm、引張弾性率E=5MPa(引張方向:MD方向)である銀付調人工皮革であって、440×294mmの断片。
・型:成人用25cmのスポーツシューズ形状を有する樹脂製のラスト型であって、型の最高点の高さ(H1)を台座で87.6mmに調整した型。
・成形条件 :加熱温度150℃、圧空圧力300kPa
・枠形状:厚さ(H2)40mmで内側輪郭の形状が、(L1)69mm、(L2)167mmに調整した648×448mmのステンレス製の枠。
その結果、成形された靴成形体にはシワが全く発生しなかった。
枠厚さH2を60mmに変更した以外は実施例1と同様にして真空圧空成形機を用いて成形用シートを靴成形体に成形した。その結果、成形された靴成形体にはシワが全く発生しなかった。
枠形状を下記の枠形状に変更した以外は実施例1と同様にして真空圧空成形機を用いて成形用シートを靴成形体に成形した。
・枠形状:厚さ(H2)40mmで内側輪郭の形状が440×285mmの矩形であり、縁厚みが87.6mmであるステンレス製の枠。
その結果、成形された靴成形体のかかと部にシワが発生した。
非線形構造解析ソフトウェアMARC(エムエスシーソフトウェア株式会社)を用いて、型の高さ(H1)、枠の厚さ(H2)、枠の内側輪郭の形状(L1,L2)を変更したときのシワの発生状態をシミュレーション実験した。より具体的には、成形用シートを直方体要素(要素数:32340)に切り、台座・型・枠に該当する箇所を剛体(変形しない物体)として定義し、台座上昇、成形用シートの型の非対面側への荷重付与(面圧300kPa)に伴い、成形用シートが型に押し付けられる際に、シワが発生するか否かを解析完了時点にて確認/評価した。材料物性には、成形温度における成形用シートの引張弾性率(MD方向)を設定した。シミュレーション実験の結果を下記表1に示す。
A:靴成形体にシワが発生しなかった。
B:靴成形体に10mm未満のシワが発生した。
C:靴成形体に10mm以上のシワが発生した。
2 下ボックス
3,23 ヒータ
4 テーブル
5,25 第一通気口
6,26 第二通気口
7,27 型
8 基台
8a 台座
9,19 成形用シート
10,10’,110 枠
11 上空間
12 下空間
15,115 靴成形体
16,116 周辺部
16b 周縁部
17 靴底
20 真空圧空成形機の本体
22 ボックス
25,35 靴成形体
30 型27を収容した真空成形機
C 内側輪郭
P 投影線
S 中央部
Claims (15)
- 熱軟化させた成形用シートを気圧により成形して靴成形体を製造する方法であって、
テーブルの上に靴形状を有する型を配する工程と、
枠に成形用シートを固定する工程と、
成形用シートを加熱して軟化させる工程と、
前記型を覆うように前記枠に固定された前記成形用シートを配置する工程と、
前記テーブルを上昇させて軟化された前記成形用シートに前記型を当接させて一次成形する工程と、
前記成形用シートの前記型の非対面側から軟化された前記成形用シートに気圧をかけて、及び/または、前記型に形成した真空孔から減圧することにより、該成形用シートに型をさらに密着させて二次成形することにより、前記成形用シートに前記靴形状を転写した靴成形体を形成する工程と、を備え、
前記枠は前記型を投影した投影線を膨張させた内側輪郭を有し、
前記枠の厚さ(H2)に対する、前記型の高さ(H1)の比(H1/H2)が3以下であり、前記枠の形状を調整することにより靴成形体のシワの発生状態を調整することを特徴とする靴成形体の製造方法。 - 前記枠の形状の調整は、前記靴成形体にシワを発生させず、前記靴成形体の周囲に形成される周辺部にシワを発生させる調整である請求項1に記載の靴成形体の製造方法。
- 前記投影線上の各点から前記内側輪郭へ垂線を引いたとき、前記靴形状を有する型のかかと部分を投影した部分から引いた前記垂線の距離(L2)が最も長い請求項1または2に記載の靴成形体の製造方法。
- 前記距離(L2)に対する、前記投影線上の各点から前記内側輪郭へ垂線を引いたときの前記靴形状を有する型の側面の中央部の平均距離(L1)の比(L1/L2)が0.4~1である請求項3に記載の靴成形体の製造方法。
- 前記平均距離(L1)に対する、前記型の高さ(H1)の比(H1/L1)が0.9~1.8である請求項4に記載の靴成形体の製造方法。
- 前記成形用シートは、繊維基材の表面に樹脂層を積層した皮革様シートである請求項1~5の何れか1項に記載の靴成形体の製造方法。
- 前記成形用シートは、繊維基材の表面に保護フィルムを積層した積層シートである請求項1~5の何れか1項に記載の靴成形体の製造方法。
- 前記気圧による成形は真空圧空成形機を用いた真空圧空成形であって、
前記真空圧空成形機は、
それぞれ上下駆動し、互いに対面する開口を有する上ボックス及び下ボックスと、前記上ボックスと前記下ボックスとの境界面に配されて前記成形用シートを支持する前記枠と、前記上ボックスに配されたヒータと、前記上ボックス及び前記下ボックスが閉じて形成されるチャンバーボックス内で上下駆動するテーブルと、前記上ボックスに接続された第一通気口及び前記下ボックスに接続された第二通気口とを備え、
前記枠に前記成形用シートを固定する工程と、
前記テーブルの上に前記型を配する工程と、
前記成形用シートを固定した前記枠を介在させて前記上ボックスと前記下ボックスとを閉じることにより、前記成形用シートを境界として気密な上空間及び下空間を形成させるとともに前記チャンバーボックスを形成する工程と、
前記チャンバーボックス内で前記ヒータで前記成形用シートを加熱して軟化させる工程と、
前記上空間を前記第一通気口を通じて真空状態にし、前記下空間を前記第二通気口を通じて真空状態にする工程と、
前記下ボックスから前記上ボックスに向けて前記テーブルを上昇させて軟化された前記成形用シートに前記型を当接させて一次成形する工程と、
前記上空間を前記第一通気口を通じて圧空状態にすることにより、前記上空間と前記下空間との気圧差により前記成形用シートの前記非対面側から軟化された前記成形用シートに気圧をかけて前記型に該成形用シートをさらに密着させて二次成形することにより、前記成形用シートに前記靴形状を転写した靴成形体を形成する工程と、を備える、請求項1~7の何れか1項に記載の靴成形体の製造方法。 - 熱軟化させた成形用シートを気圧により成形して靴成形体を製造する方法であって、
テーブルの上に靴形状を有する型を配する工程と、
枠に成形用シートを固定する工程と、
成形用シートを加熱して軟化させる工程と、
前記型を覆うように前記枠に固定された前記成形用シートを配置する工程と、
前記テーブルを上昇させて軟化された前記成形用シートに前記型を当接させて一次成形する工程と、
前記成形用シートの前記型の非対面側から軟化された前記成形用シートに気圧をかけて、及び/または、前記型に形成した真空孔から減圧することにより、該成形用シートに型をさらに密着させて二次成形することにより、前記成形用シートに前記靴形状を転写した靴成形体を形成する工程と、を備え、
前記枠は前記型を投影した投影線を膨張させた内側輪郭を有し、
前記投影線上の各点から前記内側輪郭へ垂線を引いたとき、前記靴形状を有する型のかかと部分を投影した部分から引いた前記垂線の距離(L2)が最も長くなるように、前記枠の形状を調整することにより靴成形体のシワの発生状態を調整することを特徴とする靴成形体の製造方法。 - 前記枠の形状の調整は、前記靴成形体にシワを発生させず、前記靴成形体の周囲に形成される周辺部にシワを発生させる調整である請求項9に記載の靴成形体の製造方法。
- 前記距離(L2)に対する、前記投影線上の各点から前記内側輪郭へ垂線を引いたときの前記靴形状を有する型の側面の中央部の平均距離(L1)の比(L1/L2)が0.4~1である請求項9または10に記載の靴成形体の製造方法。
- 前記平均距離(L1)に対する、前記型の高さ(H1)の比(H1/L1)が0.9~1.8である請求項11に記載の靴成形体の製造方法。
- 前記成形用シートは、繊維基材の表面に樹脂層を積層した皮革様シートである請求項9~12の何れか1項に記載の靴成形体の製造方法。
- 前記成形用シートは、繊維基材の表面に保護フィルムを積層した積層シートである請求項9~12の何れか1項に記載の靴成形体の製造方法。
- 前記気圧による成形は真空圧空成形機を用いた真空圧空成形であって、
前記真空圧空成形機は、
それぞれ上下駆動し、互いに対面する開口を有する上ボックス及び下ボックスと、前記上ボックスと前記下ボックスとの境界面に配されて前記成形用シートを支持する前記枠と、前記上ボックスに配されたヒータと、前記上ボックス及び前記下ボックスが閉じて形成されるチャンバーボックス内で上下駆動するテーブルと、前記上ボックスに接続された第一通気口及び前記下ボックスに接続された第二通気口とを備え、
前記枠に前記成形用シートを固定する工程と、
前記テーブルの上に前記型を配する工程と、
前記成形用シートを固定した前記枠を介在させて前記上ボックスと前記下ボックスとを閉じることにより、前記成形用シートを境界として気密な上空間及び下空間を形成させるとともに前記チャンバーボックスを形成する工程と、
前記チャンバーボックス内で前記ヒータで前記成形用シートを加熱して軟化させる工程と、
前記上空間を前記第一通気口を通じて真空状態にし、前記下空間を前記第二通気口を通じて真空状態にする工程と、
前記下ボックスから前記上ボックスに向けて前記テーブルを上昇させて軟化された前記成形用シートに前記型を当接させて一次成形する工程と、
前記上空間を前記第一通気口を通じて圧空状態にすることにより、前記上空間と前記下空間との気圧差により前記成形用シートの前記非対面側から軟化された前記成形用シートに気圧をかけて前記型に該成形用シートをさらに密着させて二次成形することにより、前記成形用シートに前記靴形状を転写した靴成形体を形成する工程と、を備える、請求項9~14の何れか1項に記載の靴成形体の製造方法。
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