JP2018024102A - ポリアミドフィルムおよびこれを用いた積層体、包装材 - Google Patents
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Description
近年、内容物の品質保持の観点から、より優れたガスバリア性や防湿性を付与するために、アルミニウム箔などの金属箔が積層されている。アルミニウム箔などの金属箔は、単体では延展性に乏しく、成形性に劣るため、ポリアミドフィルムを基材層として、基材層/金属箔層/シーラント層からなる構成とすることにより、金属箔に延展性が付与され、金属箔の成形性が高められた冷間成型用積層体が使用されている。
下記式で求められる厚み精度が1.5%以下であることを特徴とするポリアミドフィルム。
厚み精度(%)=〔(フィルムの最大厚み−フィルムの最小厚み)/2/フィルムの平均厚み〕×100
(2)平均厚みが20μm以上であることを特徴とする(1)記載のポリアミドフィルム。
(3)冷間成型に用いられる(1)または(2)記載のポリアミドフィルム。
(4)上記(1)記載のポリアミドフィルムを製造するための方法であって、ポリアミド樹脂を含む溶融混練物をシート状に成形して未延伸フィルムを得た後、未延伸フィルムを水分率が2.0〜5.0質量%になるように吸水させ、次いで175〜210℃で予熱した後、縦方向および横方向にそれぞれ2.5〜4.0倍の延伸倍率で、テンター法により二軸延伸することを特徴とするポリアミドフィルムの製造方法。
(5)二軸延伸後に、180〜230℃で、縦方向および横方向にそれぞれ1〜10%のリラックス率で、リラックス処理することを特徴とする(4)記載のポリアミドフィルムの製造方法。
(6)上記(1)または(2)記載のポリアミドフィルムと、その上に積層された金属箔とを含む積層体。
(7)上記(6)記載の積層体を含む包装材。
本発明のポリアミドフィルムは、生産性や厚み精度、寸法安定性について有利なテンター法で二軸延伸を行って得られる。テンター法は、薄膜化しても厚み精度がよく二軸延伸することが可能であり、さらに延伸条件を最適化することで、4方向の物性バランスに顕著に優れたフィルムを製造することができる。
本発明のポリアミドフィルムを構成するポリアミド樹脂としては、たとえば、ε−カプロラクタムを主原料としたナイロン6を挙げることができる。また、その他のポリアミド樹脂としては、3員環以上のラクタム、ω−アミノ酸、二塩基酸とジアミン等の重縮合によって得られるポリアミド樹脂を挙げることができる。
ω−アミノ酸類としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸などを挙げることができる。
二塩基酸類としては、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカジオン酸、ヘキサデカジオン酸、エイコサンジオン酸、エイコサジエンジオン酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、キシリレンジカルボン酸などを挙げることができる。
ジアミン類としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、2,2,4(または2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4,4′−アミノシクロヘキシル)メタン、メタキシリレンジアミン、ノナンジアミン、デカンジアミン等を挙げることができる。
本発明のポリアミドフィルムは、上記したポリアミド樹脂単独からなるものでも、あるいは、2種以上を混合または複層にしたものでもよい。
厚み精度(%)=〔(フィルムの最大厚み−フィルムの最小厚み)/2/フィルムの平均厚み〕×100
また、本発明のポリアミドフィルムは、フィルムのスリップ性などの向上のために、各種無機系滑剤や有機系滑剤を含有してもよい。滑剤の具体例としては、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイド、層状ケイ酸塩、エチレンビスステアリン酸アミド等が挙げられる。
まず、ポリアミド樹脂を押出機にて溶融した後、溶融シートとしてTダイより押し出し、表面温度0〜25℃に温調した冷却ドラム上に密着させて急冷し、連続した未延伸フィルムを得る。
延伸倍率は、縦方向(MD)および横方向(TD)にそれぞれ2.5〜4.0倍であることが必要であり、3.0〜3.5倍であることが好ましい。MD、TDの延伸倍率が2.5倍未満であると、延伸後のフィルムは、厚みムラができてしまい厚み精度が低下する。一方、MD、TDの延伸倍率が4.0倍を超えると、延伸後のフィルムは、収縮応力が高くなり、成型の際に破断の原因となる。
また、MDの延伸倍率とTDの延伸倍率の比(MD/TD)は、0.80〜1.25であることが好ましく、0.9〜1.1であることがより好ましい。
未延伸フィルムの二軸延伸は、テンター式二軸延伸法で行うことが必要である。テンター式二軸延伸法では、チューブラー式二軸延伸法に比較して、厚み制御に優れたポリアミドフィルムを得ることができる。本発明の製造方法においては、テンター式同時二軸延伸法を採用することがより好ましい。
テンター式同時二軸延伸は、パンタグラフ方式テンター、スクリュー方式テンター、リニアモーター方式テンターなどを用いて行うことができる。本発明においては、沸水収縮率と、沸水収縮率の最大値と最小値の差とを同時に満足させる上で、延伸倍率およびリラックス率を容易に変更できるリニアモーター方式テンターを用いることが好ましい。
リラックス率は、MDおよびTDのいずれにも1〜10%であることが好ましく、5〜8%であることがより好ましい。ポリアミドフィルムは、リラックス率が10%を超えるように設定しても、十分にリラックスせず、生産機台に接触してスリキズや切断が発生することがある。これを解消するには長時間のリラックス処理が必要となり、生産効率が著しく低下する。一方、リラックス率が1%未満であると、ポリアミドフィルムの沸水収縮率を十分に低減するために、高温でリラックス処理することが必要となり、ポリアミドフィルムは、機械的物性が低下することがある。また、MDのリラックス率およびTDのリラックス率の比(MD/TD)は0.66〜1.50であることが好ましく、0.80〜1.25であることがより好ましい。リラックス率の比(MD/TD)が0.66未満や1.50を超えると、ポリアミドフィルムは、MDとTDの沸水収縮率のバランスが劣り、得られる積層体は成形性が低下する。
リラックス処理の温度は、180〜230℃であることが好ましく、190〜215℃であることがより好ましく、200〜210℃であることがさらに好ましい。リラックス処理の時間は、1〜10秒間であることが好ましい。リラックス処理は、MDとTDに同時におこなってもよく、前後しておこなってもよい。
本発明の積層体は、本発明のポリアミドフィルムと、その上に積層された金属箔とを含むものである。具体的には、ポリアミドフィルム/金属箔/シーラントフィルムの順に積層した積層体であることが好ましい。
金属箔の厚みは15〜80μmであることが好ましく、20〜60μmであることがより好ましい。
(1)水分率
未延伸フィルムから100gの試験片を切り出し、この試験片の質量Wと、この試験片を0.01atm以下の減圧下、80℃で24時間乾燥した後の質量Wdとから、次式により水分率を求めた。測定は、未延伸フィルムのMDに沿った両端部と中央部の3箇所から切り出した試験片3点についてそれぞれ行い、それらの平均値を水分率とした。
水分率(%)=(W−Wd)/W×100
得られたポリアミドフィルム(ロール状に巻き取られたフィルム)における、巻幅の中心付近であって、かつ、巻量の半分にあたる位置(a)と、巻幅の右端付近であって、かつ、巻量の半分にあたる位置(b)と、巻幅の左端付近であって、かつ、巻終わり付近の位置(c)の3位置から、それぞれ、縦50cm、横50cmのサイズのポリアミドフィルムを試料として切り出した。
3位置から切り出した試料それぞれについて、縦、横5cm間隔の格子状の交点(81点)において、厚みを測定した。これらの値より、各位置の試料について平均厚みを算出し、また下記式で厚み精度を算出した。なお厚み測定は、ハイデンハイン社製のHEIDENHAIN−METOR MT1287を用いた。
厚み精度(%)=((フィルムの最大厚み−フィルムの最小厚み)/2/フィルムの平均厚み)×100
得られたポリアミドフィルム(ロール状に巻き取られたフィルム)における、巻幅の中心付近であって、かつ、巻量の半分にあたる位置(a)から切り出した、縦50cm、横50cmのサイズのポリアミドフィルムを試料とし、試料を23℃×50%RHの雰囲気下で、2時間調湿した。フィルム面における縦方向(MD)、MDに対して時計回りに45度の方向、90度(TD)の方向および135度の方向の4方向において、短冊状の試験片(各方向に150mm×幅10mm)をそれぞれ3試験片ずつ切り出した。試験片の長さ方向に沿って約100mmの間隔をおいて一対の標点をつけ、標点間距離(L0(mm))を測定した。
試験片を100℃の沸騰水で5分間処理し、処理後再度23℃×50%RHの雰囲気下で2時間以上調湿した後、標点間距離(L(mm))を測定し、下記式により収縮率を算出した。なお、測定は各方向それぞれについて3試験片で行ない、平均値を沸水収縮率とした。
沸水収縮率(%)={(L0−L)/L0}×100
4方向の沸水収縮率における最大値と最小値とから、その差を算出した。
得られた積層体のうち、積層体を構成するポリアミドフィルムが、ロール状に巻き取られたフィルムの巻幅の中心付近であって、かつ、巻量の半分にあたる位置(a)である積層体について、縦10cm、横10cmのサイズの試験片を15枚切り出した。
JISZ2247に基づいて、エリクセン試験機(安田精機製作所社製No.5755)を用い、試験片に鋼球ポンチを所定の押し込み深さで押し付け、エリクセン値を求めた。エリクセン値は0.5mmごとに測定した。エリクセン値が8mm以上である場合、深絞り成型に好適であり、「○」と評価し、エリクセン値が5mm以上、8mm未満である場合、「△」と評価し、エリクセン値が5mm未満である場合、「×」と評価した。
(ポリアミドフィルムの製造)
ポリアミド樹脂として、ポリアミド6樹脂(ユニチカ社製A1030BRF、相対粘度3.0)を用いて、温度260℃でTダイより溶融押出しし、15℃のドラム上で冷却して、厚さ150μmの実質的に無配向の未延伸フィルムを得た。
得られた未延伸フィルムを40℃の温水槽に110秒間浸漬して吸水処理を行ない、未延伸フィルムの水分率を3.0%とした。
吸水処理された未延伸フィルムを、リニアモーター駆動のテンター式同時二軸延伸機に導き、190℃で予熱した後、延伸温度196℃、MD延伸倍率3.3倍、TD延伸倍率3.3倍の条件で同時二軸延伸した。
次に、同時二軸延伸後のフィルムを、前半部の温度が200℃、後半部の温度が210℃に設定された熱処理ゾーンで4秒間熱処理し、熱処理中に、フィルムのMD、TDにそれぞれ6.0%のリラックス率でリラックス処理を施し、厚さ25μmのポリアミドフィルム得て、片面にコロナ処理を行いロール状に採取した。
得られたポリアミドフィルムのコロナ処理を施した面に、二液型ポリウレタン系接着剤(東洋モートン社製TM−K55/CAT−10L)を塗布量が5g/m2となるように塗布し、80℃で10秒間乾燥した。その接着剤塗布面とアルミニウム箔(厚み50μm)を貼り合せた。
次にポリアミドフィルムとアルミニウム箔とからなる積層体のアルミニウム箔側に、上記接着剤を同じ条件で塗布し、未延伸ポリプロピレンフィルム(三井化学東セロ社製 GHC 厚み50μm)を貼り合わせ、40℃の雰囲気下で72時間エージング処理を実施し、積層体を作製した。
製造条件を表1のように変更した以外は実施例1と同様にしてポリアミドフィルムを得た。また得られたポリアミドフィルムを使用して実施例1と同様にして積層体を作製した。
比較例3では、予熱温度が低すぎるため、未延伸フィルムは、十分に乾燥せず、延伸工程において切断して延伸することができなかった。比較例4では、未延伸フィルムの予熱温度が高すぎるため、得られたポリアミドフィルムは厚み精度に劣るものとなり、該ポリアミドフィルムを用いて得られた積層体は、成形性に劣るものであった。
比較例5、6では、MDまたはTDの延伸倍率が低かったため、比較例7、8では、MDまたはTDの延伸倍率が高かったため、比較例10では、MDとTDの延伸倍率が両方とも高かったため、いずれも得られたポリアミドフィルムは、沸水収縮率の最大値と最小値の差が大きく、バランスが劣り、得られた積層体は、成形性に劣るものであった。
比較例9では、MDとTDの延伸倍率が低かったため、比較例11では、リラックス処理時の熱処理温度が高すぎたため、いずれも得られたポリアミドフィルムは、厚み精度に劣るものとなり、該ポリアミドフィルムを用いて得られた積層体は、成形性に劣るものであった。
比較例12では、リラックス処理時の熱処理温度が低すぎたため、比較例13では、リラックス率をかけずにリラックス処理を行ったため、いずれも得られたポリアミドフィルムは、沸水収縮率の最大値と最小値の差が大きく、バランスが劣り、得られた積層体は、成形性に劣るものであった。
比較例14のポリアミドフィルムは、チューブラー式同時二軸延伸により得られたものであったため、厚み精度に劣るものとなり、得られた積層体は成形性に劣っていた。
Claims (7)
- 100℃の沸騰水中で5分間処理した際に測定される沸水収縮率が、フィルムの製膜時の縦方向、横方向、縦方向に対して時計回りに45度の方向、および135度の方向の4方向において、いずれも5.0%以下であり、これらの沸水収縮率の最大値と最小値の差が2.0%以下であり、
下記式で求められる厚み精度が1.5%以下であることを特徴とするポリアミドフィルム。
厚み精度(%)=〔(フィルムの最大厚み−フィルムの最小厚み)/2/フィルムの平均厚み〕×100 - 平均厚みが20μm以上であることを特徴とする請求項1記載のポリアミドフィルム。
- 冷間成型に用いられる請求項1または2記載のポリアミドフィルム。
- 請求項1記載のポリアミドフィルムを製造するための方法であって、ポリアミド樹脂を含む溶融混練物をシート状に成形して未延伸フィルムを得た後、未延伸フィルムを水分率が2.0〜5.0質量%になるように吸水させ、次いで175〜210℃で予熱した後、縦方向および横方向にそれぞれ2.5〜4.0倍の延伸倍率で、テンター法により二軸延伸することを特徴とするポリアミドフィルムの製造方法。
- 二軸延伸後に、180〜230℃で、縦方向および横方向にそれぞれ1〜10%のリラックス率で、リラックス処理することを特徴とする請求項4記載のポリアミドフィルムの製造方法。
- 請求項1または2記載のポリアミドフィルムと、その上に積層された金属箔とを含む積層体。
- 請求項6記載の積層体を含む包装材。
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