JP5041859B2 - 直線カット性ポリアミド系熱収縮積層フィルム及びその製造方法 - Google Patents
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Description
上記の直線カット性や易開封性が劣るフィルムを用いた包装袋を開封する場合、引き裂くのに大きな力を要したり、直線的に引き裂けないというトラブルがしばしば発生する。このような場合には内容物を取り出すことができなくなったり、開封と同時に内容物が飛散して無駄になるばかりでなく、特に内容物が液状、半流動性あるいは粉状の場合には、衣服などを汚したりする事故が起きやすい。
そこで、充填する包装袋に使用するフィルムに熱水収縮性を付与し、充填後に収縮をさせることにより包装袋の形を整える方法が用いられている。この方法によれば、縦ピロー包装や三方シール包装等の従来の液体用充填機にて、容易に充填製袋ができ、金属を使用する必要がないため、金属探知器による異物の検査が可能である。
しかし、熱収縮性を付与した包装袋の場合、内容物が袋内に充満しているため、開封時、引裂方向が曲がり反対側のシール部分まで十分に開けることができないなど内容物の取り出しが難しく、また、取り出すことができても内容物を破損してしまうなどの問題点があり、このような熱収縮性を付与した包装においても易開封性、特に直線カット性が求められている。
しかし、チューブラー式同時二軸延伸法で作製したフィルムは幅方向の厚み変動率が大きく、この厚み変動により、シワが発生したり、タルミが発生して印刷見当がずれたり、フィルムパスが蛇行して印刷ピッチがずれる等の問題となり印刷やラミネート時でのトラブルが発生しやすい。
厚み精度の良いフィルムの製膜方法のひとつとして、逐次二軸延伸法が知られているが、上記のポリアミド系フィルムを逐次二軸延伸法で、MD、TDともに2.8倍以上の延伸倍率で延伸を行うと、ボーイング現象が主な原因で、得られたフィルムの端部での直線カット性が低下するという問題があった。
さらに、特許文献1では、各層のMXD6の含有量が少ないため、十分なガスバリア性が得られず、内容物の保存性、シェルライフの向上の観点より高度なガスバリア性が必要な用途には使用できないフィルムとなる。
即ち、本発明は、以下の直線カット性ポリアミド系熱収縮積層フィルム及びその製造方法を提供するものである。
1.脂肪族ポリアミド重合体(A)を55〜79質量%と、芳香族ポリアミド重合体(B)を21〜45質量%とを含む(a)層と、バリア樹脂(C)を90〜100質量%含む(b)層とをそれぞれ少なくとも一層有する積層フィルムであり、直線カット性(MDに直線を引き、200mm裂いたときの直線からのズレ量の絶対値)が5.0mm以下、95℃×5分における熱水収縮率がフィルムの流れ方向(MD)、フィルムの幅方向(TD)ともに15%以上、フィルムの幅方向(TD)の厚み変動率が平均厚みの10%以下であり、さらに25℃×50%RHの条件下における酸素透過率が30fmol/(m2・sec・Pa)以下であることを特徴とする直線カット性ポリアミド系熱収縮積層フィルム。
2.脂肪族ポリアミド重合体(A)がナイロン6、芳香族ポリアミド重合体(B)がポリメタキシリレンアジパミド、ガスバリア樹脂(C)がエチレン含有量20〜50モル%のエチレン-酢酸ビニル共重合体鹸化物からなることを特徴とする上記1記載の直線カット性ポリアミド系熱収縮積層フィルム。
3.(b)層の厚みが、1〜7μmであることを特徴とする上記1又は2のいずれかに記載の直線カット性ポリアミド系熱収縮積層フィルム。
4.フラットダイから押出された未延伸フィルムをMDに2.8倍未満、TDに2.8倍以上の延伸倍率でテンター式逐次二軸延伸法により延伸した後、100℃以上、且つ上記脂肪族ポリアミド重合体(A)の補外融解開始温度(JIS K 7121に準拠して測定)より35℃低い温度以下で熱固定を行う事を特徴とする上記1乃至3のいずれかに記載の直線カット性ポリアミド系熱収縮積層フィルムの製造方法。
5.上記4記載のMDの延伸倍率が2.4倍以上であることを特徴とする直線カット性ポリアミド系熱収縮積層フィルムの製造方法。
6.上記1乃至3のいずれかに記載の直線カット性ポリアミド系熱収縮積層フィルムが、積層体の構成成分であることを特徴とするラミネートフィルム。
7.請求項1乃至3のいずれかに記載の直線カット性ポリアミド系熱収縮積層フィルムの両面に、同一材料からなるシーラントが積層されたことを特徴とするラミネートフィルム。
8.上記6又は7のいずれかに上記6記載のラミネートフィルムからなる袋体。
まず、本発明の直線カット性ポリアミド系熱収縮積層フィルムは、(a)層と(b)層とをそれぞれ少なくとも一層有する積層フィルムであり、(a)層は、脂肪族ポリアミド重合体(A)と、芳香族ポリアミド重合体(B)とを特定比率で含み、(b)層はバリア樹脂(C)を特定比率で含んでいる。
ここで、層構成としては、特に制限はないが、(a)/(b)の2層構成、(a)/(b)/(a)、(b)/(a)/(b)の3層構成、さらに、後述する接着層である(c)層を有する(a)/(c)/(b)/(c)/(a)、(b)/(c)/(a)/(c)/(b)等の5層構成などが挙げられるが、積層フィルムの生産性や袋体へのラミネートなどの二次加工性の点等から(a)/(b)/(a)の3層構成が好適に用いられる。
具体的には、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリレンピメラミド、ポリメタキシリレンアゼラミド、ポリパラキシリレンアゼラミド、ポリパラキシリレンデカナミドなどの単独重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアジパミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンピメラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアゼラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンセパカミド共重合体などの共重合体が挙げられるが、ポリメタキシリレンアジパミド(以下、「MXD6」という)が強度やガスバリア性等の基本特性に優れ、工業的にも比較的入手しやすい点から好ましい。
ナイロン塩の成分であるジアミン類には、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、ピペラジンビスプロピルアミン、ネオペンチルグリコールビスプロピルアミンなどの異節環または異原子含有ジアミン等があり、また、ジカルボン酸類には、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジガルボン酸などの環状脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
ここで、脂肪族ポリアミド重合体(A)と芳香族ポリアミド重合体(B)の混合物は、原料重合体(ペレットなど)同士を混合したものや、これらに本発明のポリアミド系フィルムを製造する際に発生する規格外フィルムや切断端材(耳トリム)を混合したものであってもよい。
このような積層フィルムのガスバリア層の材料としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物(以下、「EVOH」という。)やポリグリコール酸やポリアクリロニトリル等が挙げられるが、中でもEVOHが好適である。この層の素材として使用するEVOHは特に限定されず、従来公知の方法によって製造されるものであればよい。
これらのEVOHの中では特にエチレン含有量20〜50モル%の範囲、好ましくは24〜35モル%の範囲であり、鹸化度が95モル%以上、好ましくは98モル%以上のものが適している。エチレン含有率が20モル%未満のものは溶融押出し時の溶融押出し性が劣り、また着色し易く好ましくない。エチレン含有率が50モル%を超えるものでは、酸素ガスバリア性が低下する傾向があり好ましくない。
また、エチレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化度が98モル%未満のものは、酸素ガスバリア性や耐湿性に劣り、95モル%未満ではその傾向が顕著となるので好ましくない。さらに上記EVOHは、エチレンと酢酸ビニル二元共重合体の鹸化物の他に、共重合成分として少量のプロピレン、イソブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセンなどのα−オレフィン;不飽和カルボン酸、またはその塩、部分アルキルエステル、完全アルキルエステル、ニトリル、アミド、無水物;不飽和スルホン酸、その塩などを含むものであってもよく、またEVOHには、上記のものに少量のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂を混合したものであっても良い。
ポリオレフィン類としては、主鎖中にポリエチレン単位及び/又はポリプロピレン単位を50質量%以上含むものが挙げられ、無水マレイン酸等でグラフト変性していてもよい。ポリエチレン単位、ポリプロピレン単位以外の構成単位としては、酢酸ビニルあるいはその部分けん化物、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、あるいはこれらの部分金属中和物(アイオノマー類)、ブテン等の1−アルケン類、アルカジエン類、スチレンなどが挙げられる。ポリオレフィン類としては、これらの構成単位を複数含むものでもよい。
また、ポリエステルエラストマー類としては、ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールを組み合わせたポリエーテル・エステルエラストマーや、ポリブチレンテレフタレートとポリカプロラクトンを組み合わせたポリエステル・エステルエラストマーなどがあげられる。
これらの耐屈曲ピンホール性改良材は単独でも2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
ここで、(b)層の厚みが1μm以上であれば、25℃×50%RHの条件下における酸素透過率が30fmol/(m2・sec・Pa)以下が達成されやすく、また7μm以下であれば直線カット性の低下が少なく、機械強度も良好であるため好ましい。
(1)直線カット性(MDに直線を引き、200mm裂いたときの直線からのズレ量の絶対値)が5.0mm以下であることが必要である。ここで、直線カット性が5.0mm以下であれば、包装袋などの開封時に直線的に引き裂くことができ、内容物を取り出せなくなったり、開封と同時に内容物が飛散することも抑えることができる。
(2)95℃×5分における熱水収縮率がMD、TDともに15%以上、好ましくは20%以上であることが必要である。ここで、MDの熱水収縮率が15%以上であれば、熱収縮包装材としての収縮率が充分に大きく、種々の内容物に密着させる事ができる。一方、MD、TDの熱水収縮率の上限としては、通常40%以下のものが用いられる。該収縮率が40%を超えるようなフィルムは、ロール状フィルムのスリット工程などでフィルムが非常に裂け易くなってしまうという問題が発生しやすい。
(3)フィルムの幅方向(TD)の厚み変動率が平均厚みの10%以下であることが必要である。ここで、厚み変動率が平均厚みの10%以下であれば、厚みムラに起因するシワの発生や、タルミが発生して印刷見当がずれたり、フィルムパスが蛇行して印刷ピッチがずれる等のトラブルの発生を抑えることができる。
(4)25℃×50%RHの条件下における酸素透過率が30fmol/(m2・sec・Pa)以下であることが必要である。ここで、酸素透過率が30fmol/(m2・sec・Pa)以下であれば十分なガスバリア性が得られ、内容物の保存性、シェルライフの向上の観点等より高度なガスバリア性が必要な用途に使用できる。
すなわち、ポリアミド系重合体、を原料として用いて、まず、実質的に無定形で配向していないフィルム(以下、「未延伸フィルム」という)を、通常、共押出法で製造する。この未延伸フィルムの製造は、例えば、上記原料を1〜7台の押出機(相分離構造の制御の点などから単軸押出機が好ましい)により溶融し、フラットダイから押出した後、急冷することによりフラット状の未延伸フィルムとする共押出法を採用することができる。押出機に供給する原料は、上記した脂肪族ポリアミド重合体(A)と芳香族ポリアミド重合体(B)の両樹脂のペレットを二軸混練機等であらかじめ溶融、混練して作製したペレットでも、両樹脂のペレットを単にブレンダでドライブレンドした混合ペレットでもよい。
二軸延伸の方法としては、テンター式逐次二軸延伸方法にて延伸することが本発明において重要である。テンター式逐次二軸延伸方法の場合には、未延伸フィルムを50〜110℃の温度範囲に加熱しロール式縦延伸機によって縦方向に2.8倍未満、好ましくは、2.4倍以上、2.8倍未満、より好ましくは、2.60倍以上、2.74倍以下に延伸することが重要である。
ここで、縦延伸倍率が2.4倍未満では、延伸ムラが発生し厚みが不均一になったり、配向不足のためにフィルムの強度が低下したり、直線カット性も低下する。さらに、延伸ムラが著しい場合は製膜できないこともある。一方、縦延伸倍率が2.8倍以上では、ボーイング現象が主な原因で、得られた二軸延伸フィルムの端部での直線カット性が低下するという問題が発生しやすい。
ここで、横延伸倍率が2.8倍未満では横延伸倍率が低すぎ、未延伸部分が残る等の延伸ムラが発生し、厚みが不均一になったり、配向不足のためにフィルムの強度が低下するという問題がある。
ここで、熱処理温度が100℃以上であれば、自然収縮(常温よりやや高い温度、例えば夏場においてフィルムが本来の使用前に少し収縮してしまうこと)がある程度抑制されるため、得られるロール状フィルムが保管中の巻締まりでブロッキングしてしまうなどの問題も生じにくいため好ましい。また、ロール状フィルムのスリット工程でフィルムが頻繁に破断し、安定したスリットが出来なくなるなどのトラブルも生じにくいため好ましい。
一方、熱処理温度が上記脂肪族ポリアミド重合体(A)の補外融解開始温度(JIS K 7121に準拠して測定)より35℃低い温度以下であれば熱水収縮率をMD、TDともに15%以上のフィルムを得ることができる。
なお、上記した補外融解開始温度とは、JIS K 7121:1987に記載されている示差走査熱量測定(DSC)における融解ピークの低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、融解ピークの低温側の曲線に勾配が最大になる点で引いた接線の交点から求められる温度のことである。
製袋した袋体に内容物を充填し、その後熱融着により袋体を密閉し製袋する。この際、中に空気が入らないようにすることが、袋体の熱処理時の破袋を防ぐことが出来るために、好ましい。
内容物を充填し、密閉した袋体を、ボイル等の熱処理工程にて上記直線カット性ポリアミド系熱収縮積層フィルムを収縮させ、袋体に張りを持たせる。潰れやすい内容物でも外力から保護されるまた、豆腐やゼリー、ソーセージ等の充填後に固化する内容物でも、均一かつ、外観の良好な製品を得ることが出来る。
袋のシール部のカット部分には、切り込み(ノッチ)をいれて、裂け易くするのがよい。切り込みの形態は、Vノッチ、Uノッチ、マジックカット等、一般的に採用されている形であれば、特に制限はない。
また、袋体の内容物としては、酸素による変質を嫌う食品、医薬品、薬品、香料等を挙げることができる。
得られたフィルムの両端部、及び中央の三点から、MDに300mm×TDに180mmに、各2枚ずつ切り出し、MDと正確に平行な線を、30mm間隔でひく、次にこの線の上にフェザー刃を用いて端から50mmのところまで切れ目を入れ、短冊状にし、試験片を作製する。次に、試験片を測定者の正面に、MDが真っ直ぐ前を向く方法に、平らなすりガラスの上に置く。ここで、右手引きの場合は右手で試験片の右端の短冊部分を持ち、左手はその隣の短冊部分を押さえる。短冊部分を持った右手を、ゆっくり、真っ直ぐに手前に引く。この動作を右端から順に5回行う。左引きの場合は逆の動作を行う。
引裂はじめから200mmのところでの、予めMDに引いた線からずれた幅、すなわち、MDに直線を引き、200mm裂いたときの直線からのズレ量の絶対値をL(mm)とし、直線カット性の指標とした。
以上の試験を、右手引き、左手引きそれぞれについて試験を行い、平均値(平均値の少数第ニ位を四捨五入)を取り、両端部、及び中央の六点のうち、最も大きいものについて以下の評価を行った。
L(mm)が5.0mm以下のものは(○)、5.0mmを超えるものは(×)
得られたフィルムの両端部、及び中央の三点から、MDに120mm×TDに120mmに切り出し、このサンプルのMDに約100mmの基準線を三本引く。このサンプルを23℃、50%RH雰囲気下に24時間放置し基準線を測長する。測長した熱処理前の長さをFとする。このサンプルを95℃に保持した熱水中に浸し、5分間加熱した後取り出す。さらに23℃、50%RH雰囲気下に30分放置した後、前記基準線を測長し、熱処理後の長さをGとする。
熱水収縮率を、下式で算出し、三本の平均値(平均値の少数第二位を四捨五入)をMDの熱水収縮率とし、両端部、及び中央の三点のうち、最大のものに関して、以下の評価を行った。
熱水収縮率=[(F―G)/F]×100(%)
MD、及びTDの熱水収縮率のいずれもが15%以上のものは(○)
MD、及びTDの熱水収縮率のいずれかが15%未満のものは(×)
打点式厚み計を用い、得られたフィルムの幅方向に20mm間隔で厚みを測定し、そのときの最大値をTmax、最小値をTmin、全測定点を合計し測定点数で割った平均値をTaveとした。
厚み変動率を下式で算出(少数第一位を四捨五入)し、以下の評価を行った。
厚み変動率=[(Tmax−Tmin)/Tave]×100(%)
厚み変動率が10%以下のものは(○)、10%を超えるものは(×)
モダンコントロール社製の「OXY−TRAN100型酸素透過率測定装置」を使用し、温度25℃、50%RH(相対湿度50%)の条件下で測定(n=3)し、得られた平均値の少数第一位を四捨五入して以下の評価を行った。
酸素透過率が30fmol/(m2・sec・Pa)以下のものは(○)、
酸素透過率が30fmol/(m2・sec・Pa)を超えるものは(×)
(a)/(b)/(a)の3層構成のフィルムを得るために、(a)層を構成する脂肪族ポリアミド重合体(A)として、ナイロン6「三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名ノバミッド 1022、補外融解開始温度:215℃」を、芳香族ポリアミド重合体(B)としてMXD6「三菱ガス化学(株)製、商品名MXナイロン S6007」を、ガスバリア樹脂(C)としてEVOH「クラレ(株式会社)製、商品名エバールF101(エチレン含有量32モル%、けん化度99%以上)」を用いた。
(a)層を構成するナイロン6を65質量%と、MXD6を35質量%とを、ドライブレンドにて混合し、これを65mmφ単軸押出機(L/D=28)に投入し、設定温度260℃にて溶融、混練した。また、(b)層を構成する上記EVOHを100質量%を、別の65mmφ単軸押出機(L/D=28)に投入し、設定温度220℃にて溶融、混練した。
さらに前記(a)層を構成する混合ポリアミドについてはそれぞれ分配ブロックでほぼ半々に分割し、設定温度250℃の共押出Tダイ内で積層させて3層構造の積層フィルムとして押出し、30℃のキャストロールに密着急冷し、(a)/(b)/(a)≒51μm/38μm/51μmの未延伸積層フィルムを得た。
得られた未延伸積層フィルムを60℃の条件下でロール式延伸機にて縦方向に2.7倍延伸し、次いで、この縦延伸フィルムの端部をテンタークリップで保持し、テンターオーブン内で100℃の条件下で横方向に3.4倍に延伸した後、140℃で6秒間の熱固定を行った。熱固定を行った後のフィルムは、クリップの把持部に相当する両端部分はトリミングし、トリミング後のフィルムをロール状に巻き取り、(a)/(b)/(a)≒5.5μm/4μm/5.5μmの3層構成で、全体の厚さが約15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムを用いて評価した結果を表1に示した。
実施例1で、(a)層のMXD6の比率を21質量%とした以外は同様の方法でフィルムを得、同様の評価を行った。その結果を表1に示した。
実施例1で、(a)層のMXD6の比率を45質量%とした以外は同様の方法でフィルムを得、同様の評価を行った。その結果を表1に示した。
実施例1で、縦方向の延伸倍率を2.4倍とした以外は同様の方法でフィルムを得、同様の評価を行った。その結果を表1に示した。
実施例1で、延伸後の熱固定温度を100℃とした以外は同様の方法でフィルムを得、同様の評価を行った。その結果を表1に示した。
実施例1で、延伸後の熱固定温度を180℃とした以外は同様の方法でフィルムを得、同様の評価を行った。その結果を表1に示した。
実施例1で、延伸後の内層である(b)層の厚みが2μmとなるように押出量を変更した以外は同様の方法でフィルムを得、同様の評価を行った。その結果を表1に示した。
実施例1で、(a)層のMXD6の比率を15質量%とした以外は同様の方法でフィルムを得、同様の評価を行った。その結果を表1に示した。
実施例1で、(a)層のMXD6の比率を50質量%とした以外は同様の方法でフィルムを得、同様の評価を行った。その結果を表1に示した。
実施例1で、縦方向の延伸倍率を2.3倍とした以外は同様の方法で検討を行ったが、テンター内でフィルムの破断が頻発し、連続して製膜することができなかった。その結果を表1に示した。
実施例1で、縦方向の延伸倍率を3.0倍とした以外は同様の方法でフィルムを得、同様の評価を行った。その結果を表1に示した。
実施例1で、延伸後の熱固定温度を190℃とした以外は同様の方法で検討を行ったが、テンター内でフィルムの破断が頻発し、連続して製膜することができなかった。その結果を表1に示した。
実施例1で、延伸後の内層である(b)層の厚みが0.5μmとなるように押出量を変更した以外は同様の方法でフィルムを得、同様の評価を行った。その結果を表1に示した。
実施例1で、延伸後の内層である(b)層の厚みが8μmとなるように押出量を変更した以外は同様の方法でフィルムを得、同様の評価を行った。その結果を表1に示した。
(a)/(b)/(a)の3層構成のフィルムを得るために、(a)層を構成する脂肪族ポリアミド重合体(A)として、ナイロン6「三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名ノバミッド 1022、補外融解開始温度:215℃」を、芳香族ポリアミド重合体(B)としてMXD6「三菱ガス化学(株)製、商品名MXナイロン S6007」を、ガスバリア樹脂(C)としてEVOH「クラレ(株式会社)製、商品名エバールF101(エチレン含有量32モル%、けん化度99%以上)」を用いた。
(a)層を構成するナイロン6を65質量%と、MXD6を35質量%とを、ドライブレンドにて混合し、これを65mmφ単軸押出機(L/D=28)に投入し、設定温度260℃にて溶融、混練した。また、(b)層を構成する上記EVOHを100質量%を、別の65mmφ単軸押出機(L/D=28)に投入し、設定温度220℃にて溶融、混練した。
得られた未延伸積層フィルムを一対のニップロール間に挿通した後、中にエアーを圧入しながらヒータで加熱すると共に、延伸開始点にエアーリングよりエアーを吹き付けてバブル状に膨張させ、下流側の一対のニップロールで引き取ることにより、チューブラー法によるMD方向及びTD方向の同時二軸延伸を行った。この延伸の際の倍率は、MD方向が3.0倍、TD方向が3.3倍であった。
次いで、この延伸フィルムの端部をテンタークリップで保持し、テンターオーブン内にて140℃で6秒間の熱固定を行った。熱固定を行った後のフィルムは、クリップの把持部に相当する両端部分はトリミングし、トリミング後のフィルムをロール状に巻き取り、(a)/(b)/(a)≒5.5μm/4μm/5.5μmの3層構成で、全体の厚さが約15μmの積層二軸延伸フィルムを得、同様の評価を行った。その結果を表1に示した。
これに対して、MXD6の含有率が本件発明の範囲外である比較例1、比較例2についてはいずれも直線カット性に劣ることが分かる。
縦延伸倍率が低い比較例3は、延伸ムラが発生し、安定して製膜することが不可能であった。縦延伸倍率が高い比較例4については直線カット性に劣る。
熱固定温度が高い比較例5では熱水収縮率が低く、本件の用途には使用できない。ガスバリアー層である(b)層の厚みが薄い比較例6では、酸素透過度に劣り、一方、(b)層の厚みが厚い比較例7では直線カット性に劣ることが分かる。
チューブラー式同時二軸延伸法にて製膜した比較例8は、厚み変動率が大きいため、シワやタルミが発生して印刷見当がずれたり、フィルムパスが蛇行して印刷ピッチがずれる等の原因となり印刷やラミネート時でのトラブルが発生しやすいという問題がある。
Claims (8)
- 脂肪族ポリアミド重合体(A)を55〜79質量%と、芳香族ポリアミド重合体(B)を21〜45質量%とを含む(a)層と、ガスバリア樹脂(C)を90〜100質量%と、ポリオレフィン類、ポリアミドエラストマー類及びポリエステルエラストマー類から選ばれる耐屈曲ピンホール性改良材を0〜10質量%とを含む(b)層とをそれぞれ少なくとも一層有し、フィルムの流れ方向(MD)の延伸倍率が2.4倍以上2.8倍未満、フィルムの幅方向(TD)の延伸倍率が2.8倍以上5.0倍以下の積層フィルムであり、直線カット性(MDに直線を引き、200mm裂いたときの直線からのズレ量の絶対値)が5.0mm以下、95℃×5分における熱水収縮率がフィルムの流れ方向(MD)、フィルムの幅方向(TD)ともに15%以上、フィルムの幅方向(TD)の厚み変動率が平均厚みの10%以下であり、さらに25℃×50%RHの条件下における酸素透過率が30fmol/(m2・sec・Pa)以下であることを特徴とする直線カット性ポリアミド系熱収縮積層フィルム。
- 延伸後の熱固定の温度が、100℃以上、且つ上記脂肪族ポリアミド重合体(A)の補外融解開始温度(JIS K 7121に準拠して測定)より35℃低い温度以下であることを特徴とする請求項1記載の直線カット性ポリアミド系熱収縮積層フィルム。
- 脂肪族ポリアミド重合体(A)がナイロン6、芳香族ポリアミド重合体(B)がポリメタキシリレンアジパミド、ガスバリア樹脂(C)がエチレン含有量20〜50モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物からなることを特徴とする請求項1又は2記載の直線カット性ポリアミド系熱収縮積層フィルム。
- (b)層の厚みが、1〜7μmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の直線カット性ポリアミド系熱収縮積層フィルム。
- フラットダイから押出された未延伸フィルムの前記延伸をテンター式逐次二軸延伸法により行い、延伸の後、100℃以上、且つ上記脂肪族ポリアミド重合体(A)の補外融解開始温度(JIS K 7121に準拠して測定)より35℃低い温度以下で熱固定を行う事を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の直線カット性ポリアミド系熱収縮積層フィルムの製造方法。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の直線カット性ポリアミド系熱収縮積層フィルムが、積層体の構成成分であることを特徴とするラミネートフィルム。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の直線カット性ポリアミド系熱収縮積層フィルムの両面に、同一材料からなるシーラントが積層されたことを特徴とするラミネートフィルム。
- 請求項6又は7に記載のラミネートフィルムからなる袋体。
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JP2007107043A JP5041859B2 (ja) | 2007-04-16 | 2007-04-16 | 直線カット性ポリアミド系熱収縮積層フィルム及びその製造方法 |
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