JP2018021659A - 断熱材とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリカキセロゲル断熱材に対し、断熱性の低下や部材の脱落を起こさずに、輻射防止機能を持たせること。【解決手段】第1シリカキセロゲルと第1輻射防止材とを含む第1断熱層と、第3シリカキセロゲルと第2繊維とを含み、上記第1断熱層と積層された第3断熱層と、を有する断熱材を用いる。上記第1断熱層と上記第3断熱層との間に配置され、第2シリカキセロゲルと第2輻射防止材と第1繊維とを含む第2断熱層を有する上記断熱材を用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、断熱材とその製造方法に関する。特に、高温環境にて使用する断熱材とその製造方法に関するものである。
(短いのが好ましいので一部削除しました)
シリカエアロゲルは、汎用的な断熱材である発泡ウレタン(PU)や発泡スチロール(EPS)、あるいは、真空断熱材(VIP)とは異なり、その断熱性能には経年変化がほとんどみられない。さらに、シリカエアロゲルは、400℃以上の耐熱性を有していることから、次世代の断熱材として注目を集めている。
シリカエアロゲルは、経年劣化や耐熱性で既存の断熱材よりも優れており、15mW/mK前後の優れた熱伝導率を有している。しかしながら、シリカエアロゲルは、数10nmオーダーのシリカ粒子が点接触でつながった数珠のようなネットワーク構造を形成している。このため、シリカエアロゲルは、機械的強度があまりない。そこで、その脆さを克服するために、シリカエアロゲルは、繊維や不織布、そして樹脂などとの複合化により強度向上を図る検討がなされている。
シリカエアロゲルの断熱材は、100℃を越えるような高温環境では、この断熱材は、輻射率が高いシリカ粒子の表面(輻射率0.95)で輻射熱が発生しやすくなる。
結果、シリカ粒子の持つ細孔によって得られた断熱性に対して、輻射伝熱の影響が大きくなり、断熱性を失う(断熱材の見かけの熱伝導率が大きくなる)傾向にある。つまり、外部からの赤外線を吸収し、外部へ放出する。このことで熱を伝達してしまう。
これに対する従来の技術として、特許文献1がある。不織布またはマット状繊維材にシリカ骨格を有するシリカエアロゲルを付着させた基材の表面の少なくとも一部が、アルミナ(輻射率が低い)からなるコーティング層で被覆されている。このコーティング層により輻射伝熱の影響を抑制させている。
特許第3854645号公報
しかしながら、特許文献1では、どのようにフィラーをコーテイング層で被覆し断熱材に留めておくかの開示がなされていない。コーテイング層が良くなければ、フィラーが容易に着脱され、輻射防止の効果が低減する。
そこで、本発明は、断熱性の低下や部材の脱落を起こさずに、また、輻射防止材を効果的に配合し、輻射を防止した断熱材とその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1シリカキセロゲルと第1輻射防止材とを含む第1断熱層と、第3シリカキセロゲルと第2繊維とを含み、上記第1断熱層と積層された第3断熱層と、を有する断熱材を用いる。
上記断熱材が、上記第1断熱層が発熱部品へ向けて配置された電子機器を用いる。
水ガラス、または、珪酸水溶液をゾルとするゾル化工程と、不織布繊維に、輻射防止材を含む上記ゾルと、輻射防止材を含まない上記ゾルとを挿入する含浸工程と、上記輻射防止材を含む上記ゾルと上記輻射防止材を含まない上記ゾルとをゲルとするゲル化工程と、上記ゲルを養生する養生工程と、上記ゲルを酸性水溶液に浸す浸漬工程と、上記ゲルを疎水化する疎水化工程と、上記ゲルを乾燥させる乾燥工程と、を含む断熱材の製造方法を用いる。
本発明によれば、断熱材の断熱性の低下や部材の脱落を起こさないように、熱源側の断熱材の表層に輻射防止材を添加した。このことにより、赤外線の散乱が表層部分で発生し、赤外線が内部まで浸透することもない。結果、本願発明の断熱材は、伝熱を効果的に抑制し、輻射防止機能を持ち、高い断熱性能を有する。
実施の形態の輻射防止機能を持つ断熱材の断面構造図 実施の形態の第1断熱層の走査電子顕微鏡による表面観察写真を示す図 実施の形態の第2断熱層の走査電子顕微鏡による表面観察写真を示す図 実施の形態の第3断熱層の走査電子顕微鏡による表面観察写真を示す図 実施例1と比較例1との温度比較結果を示す図 実施の形態の断熱材を電子機器へ応用した例を示す電子機器の断面図
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(断熱材100の構成)
図1は、実施の形態1における輻射防止機能を持つ断熱材100の断面図である。断熱材100は、3層構造である。表1に各層の含有物を示す。
第1断熱層101は、シリカキセロゲル104と輻射防止材105を含む。
第2断熱層102は、シリカキセロゲル104と輻射防止材105と繊維106を含む。第3断熱層103は、シリカキセロゲル104と繊維106を含む。
第3断熱層103が、断熱材100の本体(中心)であり、第1断熱層101と第2断熱層102とは、第3断熱層103からの赤外線の輻射を抑える層である。
Figure 2018021659
<第1断熱層101>
第1断熱層101は、10nmオーダーのシリカ粒子が点接触で連結したシリカキセロゲルのネットワーク構造中に、輻射防止材105を内包している。第1断熱層101の厚みが、1μm以上あればよい。第1断熱層101の厚みを厚くするとよいが、強度的に弱い。厚みが、100μm以下までなら、脱離はなく好ましい。断熱材100に赤外線が入射された場合、まず第1断熱層101の輻射防止材105にて赤外線の散乱を行い、伝熱を防止する。
なお、第1断熱層101は、繊維106を含まない。繊維106があると、熱伝導性が良くなり断熱性能が悪くなるためである。また、繊維106により赤外線を吸収、放出してしまうためである。
<第2断熱層102>
第2断熱層102は、厚み0.1mm以上、5mm以下であり、第1断熱層101とともに、赤外線の放出を防止する。第1断熱層101との差異は、繊維106を含有することである。繊維106により第2断熱層102は、強度が強い。
厚さを厚くすると、必要となる輻射防止材105の使用量も増加し、コストが増大してしまう。
一方、第2断熱層102には繊維106が存在し、赤外線が繊維106に一定量吸収される。そのため、より多くの赤外線を散乱させるため、繊維106を含まない第1断熱層101を設けている。
この第2断熱層102は、第1断熱層101と第3断熱層103とを機械的に接合している。かつ、第2断熱層102は、赤外線の吸収、放射も、ある範囲で抑えている。
なお、第2断熱層102は、必須でなく、あれば好ましい。断熱性は、第3断熱層103で確保でき、赤外線の散乱、伝熱を防止は、第1断熱層101で確保できる。第2断熱層102は、それらの機能をより向上させ、第1断熱層101と第3断熱層103とをしっかり接合できる。
<第3断熱層103>
第3断熱層103は、断熱材100の本体である。その厚みは、断熱材100として求められる輻射以外の固体の熱伝導、気体の対流の熱伝導率により算出され、0.1mmから数mmとなる。
<断熱材100>
なお、第1断熱層101、第2断熱層102、第3断熱層103のシリカキセロゲル104は、それぞれ異なる種類でもよいが、同じシリカキセロゲルが好ましい。
なお、第1断熱層101、第2断熱層102の輻射防止材105は、それぞれ異なるものでもよいが、同じものが好ましい。
なお、第2断熱層102、第3断熱層103の繊維106は、それぞれ異なるものでもよいが、同じものが好ましい。
第1断熱層101、第2断熱層102、第3断熱層103の順に厚みが厚いのが好ましい。第1断熱層101は上記のように厚くできず、第3断熱層103で断熱性を確保する必要があるためである。
<シリカキセロゲル104>
シリカキセロゲル104は、水ガラス(珪酸ナトリウム水溶液)を原料として、それをイオン交換樹脂もしくは電気透析法でイオン交換して脱ナトリウムした珪酸水溶液に塩基を加えて生成する脱水縮合物からなる。もしくは、原料として、粒径が水ガラスとコロイダルシリカの中間サイズ(1〜10nm)である高モル珪酸水溶液に酸を加えて生成する脱水縮合物からなる。
シリカキセロゲル104は、平均細孔が10〜55nm、細孔容積3.0〜10cc/gを有する。平均細孔は、10〜55nmより好ましい。平均細孔が10nmより小さいとキセロゲルの嵩密度が大きくなり、結果的に固体(シリカ粒子)の熱伝導成分の割合が増える。このため、熱伝導率の値が大きくなってしまう。平均細孔が55nmより大きいとキセロゲルの嵩密度が小さくなり固体の熱伝導率の成分は減少するものの、キセロゲルの空隙割合が増えるために空気(窒素分子)の対流の影響が強くなり、熱伝導率の値が大きくなってしまう。
細孔容積は、2.5〜10cc/gが好ましい。細孔容積が2.5cc/g未満の場合は、平均細孔が10nm未満のときと同様で固体熱伝導成分の比率が増すため、熱伝導率の値が大きくなる。細孔容積が10cc/gより大きい場合は、固体の熱伝導率の成分は減少するものの、キセロゲルの空隙割合が増えるため対流の影響が増えるため、熱伝導率の値が大きくなる。
シリカキセロゲル104の平均細孔、及び、細孔容積が上記範囲であれば、断熱性に優れるので断熱材100として好適である。
シリカキセロゲル104の平均細孔、細孔容積を制御するためには、原料である水ガラスの珪酸濃度、またゾル化時に使用する塩基性コロイダルシリカの種類(pH、分散媒、粒子径、粒子形状、粒子濃度)、添加量、ゾルのゲル化条件(温度、時間)、及び養生条件(温度、時間)などを調整することで容易に制御できる。
シリカキセロゲル104を製造する際の出発原料として、水ガラス(珪酸ソーダ水溶液)を用い、調製は水ガラスの珪酸濃度、またゲル化時に使用する酸の種類と濃度、ゲル化条件(温度、時間、pH)を調整することで制御できる。また疎水化条件としてシリル化剤の量、溶媒の量、温度、時間を調整することで制御できる。乾燥条件は、乾燥温度、時間などを調整することで制御できる。
<輻射防止材105>
輻射防止材105の形態としては、酸化チタンなどの、屈折率が高く赤外線反射率が高いフィラーを用いる。波長2μm以下の赤外線を遮蔽するためには、酸化チタンの場合、一次平均粒子径として1μmが好ましい。
<繊維106>
繊維106の形態としては断熱性、耐熱性、難燃性、寸法安定性の観点から、ガラスウール、ロックウール、アルミナ繊維が好ましい。炭素繊維は、熱伝導率が高く、断熱性に乏しいため、好ましくない。ガラスウール、ロックウール、アルミナ繊維の繊維径としては、1〜20um、繊維長は、3〜25mmである。この範囲の繊維は、熱伝導率が小さく、好ましい。また、この範囲の繊維径、繊維長の繊維は、不織布単体の熱伝導率として0.03〜0.05W/mKの範囲となる。
繊維径が20umもしくは繊維長が25mmより大きくなると、無機繊維の固体熱伝導成分が増大し、熱伝導率が0.05W/mKより大きくなる。結果、繊維にシリカキセロゲル104を含有させても、最終できる断熱材の熱伝導率が、0.025W/mKを越えてしまい、好ましくない。
繊維径が1mm未満、繊維長が3mm未満の繊維は、繊維同士の絡み合いが著しく減少し、シートとしての形態を維持することができなくなるので好ましくない。
<断熱材100の全体として>
第1断熱層101と第2断熱層102での輻射防止材105の濃度は同じであることが好ましい。
第2断熱層102の重量濃度は以下である。シリカエアロゲル:輻射防止材:繊維=35〜60:5〜20:20〜55である。
第3断熱層103の重量濃度は以下である。シリカエアロゲル:繊維=40〜75:25〜60である。
第1断熱層101の重量濃度は以下である。シリカエアロゲル:輻射防止材=70〜95:5〜30である。
輻射防止材は、5%以上での効果が生じる。30%以上となると、固体熱伝導率が上がるのでよくない、好ましくは、10%〜20%である。
第2断熱層102と第3断熱層103とでシリカキセロゲルは同じであることが好ましい。第2断熱層102と第3断熱層103とでシリカキセロゲル:繊維の重量比は同じであるのが好ましい。
(断熱材100の製造方法)
断熱シートの製造方法は、(1)〜(7)の7工程からなる。(1)ゾル調製工程、(2)含浸工程、(3)ゲル化工程、(4)養生工程、(5)酸性水溶液浸漬工程、(6)疎水化工程、(7)乾燥工程、の7つの工程である。以下にそれぞれを説明する。
(1)ゾル調製工程
ゾル調製工程では、原料として水ガラスを用いる場合と、高モル珪酸水溶液を用いる場合とがある。水ガラスを用いる場合は、水ガラス中のナトリウムをイオン交換樹脂もしくは電気透析法により除去、酸性にし、ゾルとした後、触媒として塩基を添加して重縮合させ、ヒドロゲルとする。高モル珪酸ソーダを用いる場合は、高モル珪酸水溶液に触媒として酸を加えて重縮合させ、ヒドロゲルとする。
第1断熱層101および第2断熱層102を作成するには、この水ガラスもしくは高モル珪酸水溶液に輻射防止材105を添加する。この添加割合は、珪酸濃度の重量に対して、5重量%から40重量%が望ましい。添加割合が5重量%より小さいと赤外線を散乱させる効果が小さくなり、輻射の影響を防止する効果が小さくなってしまう。また、添加割合が40重量%より大きいと、添加した輻射防止材の影響により固体熱伝導率が増加してしまう。
(2)含浸工程
0.2〜1.0mm厚みのガラスウール、ロックウールなどの不織布に、(1)で調製したゾル溶液を不織布重量の6.5〜10倍量注ぎ、ゾル溶液を不織布に含浸させる。
はじめに、第1断熱層101および第2断熱層102を作成するため、輻射防止材105を添加したゾル溶液を不織布に含浸する(第1含浸工程)。含浸方法は、あらかじめゾル溶液をフィルム上などに一定の厚みにて広げ、その上より不織布を覆うことにより、ゾル溶液を不織布に浸透させる。さらに、第3断熱層103を作成するため、その上より輻射防止材105を添加していないゾル溶液を含浸する(第2含浸工程)。
第1断熱層101および第2断熱層102の合計の厚みを断熱材100の10%としたい場合は、輻射防止材105を添加したゾル溶液と輻射防止材105を添加しないゾル溶液の比率を10:90とする。20%としたい場合は、比率を20:80とする。
これにより、断熱材100の下側で、輻射防止材105を添加されたゾル溶液の一部は、繊維106にとどまらないで外部へでる。この外部へ出たゾル溶液により、第1断熱層101が作製できる(被覆工程)。一方、輻射防止材105を添加されたゾル溶液が繊維106に浸透したままの部分で第2断熱層102が作製できる。その上には、輻射防止材105を添加されていないゾル溶液で、第3断熱層103が作製される。
なお、第2断熱層102を設けない断熱材100を作製する場合は、上記の第3断熱層103の一方の表面を、少し、(1)で調製したゾル溶液に浸すことで作製できる。この場合、以降は同様の工程となる。
(3)ゲル化工程
(2)の後、ゾルをゲル化する。ゾルのゲル化温度は、20〜90℃が好ましい。ゲル化温度が20℃未満であると、反応の活性種である珪酸モノマーに必要な熱が伝わらない。このため、シリカ粒子の成長が促進されない。その結果、ゾルのゲル化が十分に進行するまでに時間を要する。その上に、生成されるゲル(ヒドロゲル)の強度が低く、乾燥時に大きく収縮する場合があり、所望の強度のヒドロゲルが得られない場合がある。
また、ゲル化温度が90℃を越えると、シリカ粒子の成長は著しく促進されてしまう。結果、水の揮発が急速に起こり、水とヒドロゲルとが分離する現象がみられる。これにより得られるヒドロゲルの体積が減少して、所望のシリカキセロゲル104が得られない場合がある。
なお、ゲル化時間は、ゲル化温度や後述するゲル化後の養生時間により異なるが、ゲル化時間と後述する養生時間とを合計して、0.1〜12時間が好ましく、性能(熱伝導率)と生産タクトを両立させるという観点から0.1〜1時間が、さらに、好ましい。
ゲル化時間12時間より長い場合、でシリカネットワークの強化は十分に行われているが、より養生に時間をかけると生産性を損なうだけでなく、ゲルの収縮が起こり、嵩密度が上がるため、熱伝導率が上昇してしまうという問題がある。
このようにして、ゲル化及び養生を行うことで、ヒドロゲルの壁の強度や剛性が向上し、乾燥時に収縮し難いヒドロゲルを得ることができる。
(4)養生工程
養生工程は、ゲル化後にシリカの骨格を、強化させた骨格強化ヒドロゲルにする工程である。養生温度は、50〜100℃が好ましい。養生温度が50℃未満の場合、脱水縮合反応が相対的に遅くなるため、生産性を考慮した際の目標のタクト時間内にシリカネットワークを十分に強化させることが難しくなる。
養生温度が、100℃より高い場合は、ゲル中の水分が著しく蒸発してしまうため、ゲルの収縮、乾燥が起こり、熱伝導率が上昇してしまう。
養生時間は、0.1〜12時間が好ましく、性能(熱伝導率)と生産タクトを両立させるという観点から0.1〜1時間がより好ましい。
養生時間が12時間より長い場合、シリカネットワークの強化は十分に行われているが、より養生に時間をかけると生産性を損なうだけでなく、ゲルの収縮が起こり、嵩密度が上がるため、熱伝導率が上昇してしまうという問題がある。
養生時間を0.1〜6時間の範囲で養生を行うことで、生産性を確保しつつ、シリカ粒子のネットワークを十分に強化することができる。
(5)酸性水溶液浸漬工程
ゲルシートを塩酸(6〜12規定)に浸漬後、常温23℃で45分以上放置してゲルシートの中に塩酸を取り込む。
(6)疎水化工程
ゲルシートを例えば、シリル化剤であるオクタメチルトリシロキサンとアルコールとして2−プロパノール(IPA)の混合液に浸漬させて、55℃の恒温槽に入れて2時間反応させる。トリメチルシロキサン結合が形成され始めると、ゲルシートから塩酸水が排出され、2液分離する(上層にシロキサン、下層に塩酸水)。
(7)乾燥
ゲルシートを150℃の恒温槽に移して2時間乾燥させる。
<実施例1>
高モル珪酸水溶液(東曹産業株式会社)をゾル溶液とし、輻射防止材105として酸化チタン(テイカ株式会社製)を添加したゾル溶液と輻射防止材105を添加しないゾル溶液との比率を1:2として、上記の方法で、第1断熱層101、第2断熱層102、第3断熱層103とを作製した。輻射防止材105の添加割合は、珪酸濃度の30重量部とした。
第2断熱層102の重量濃度は以下である。シリカエアロゲル:輻射防止材:繊維=55:18:27である。
第3断熱層103の重量濃度は以下である。シリカエアロゲル:繊維=67:33である。
第1断熱層101の走査電子顕微鏡による表面観察写真を図2(倍率1500倍)に示す。シリカキセロゲル104に輻射防止材105である酸化チタンが白く点在していることがわかる。
第2断熱層102の走査電子顕微鏡による表面観察写真を図3(倍率2000倍)に示す。シリカキセロゲル104に輻射防止材105である酸化チタンが白く点在し、さらに繊維106が存在していることがわかる。
第3断熱層103の走査電子顕微鏡による表面観察写真を図4(倍率2000倍)に示す。図4では、シリカキセロゲル104に繊維106が存在しているが、図2、図3で白く存在していた酸化チタンは、存在していないことがわかる。
<比較例1>
高モル珪酸水溶液(東曹産業株式会社)をゾル溶液とし、輻射防止材105として酸化チタン(テイカ株式会社)を添加したゾル溶液と輻射防止材105を一様に添加した断熱材(一層構造)を作成した。輻射防止材105の添加割合は、珪酸濃度の10重量部とし、実施例1と同量の酸化チタンを使用した。
(断熱材100の効果)
断熱性能を比較するため、実施例1と比較例1の断熱材をホットプレート上で加熱し、表面と裏面の温度を熱電対で測定し、その温度差を確認した。実施例1の断熱材は、図1の構造であり、第1断熱層101をホットプレートに接触させた。
図5にその結果を示す。図5より実施例1の方が、断熱効果が高いことがわかる。
すなわち、図1の構造により輻射防止材105をシリカキセロゲル104に内包することにより輻射防止材105の着脱を防止できる。熱源側の断熱材の表層(第1断熱層)に輻射防止材105を添加することにより、赤外線の散乱を表層部分で防止できる。このことで、赤外線が断熱材の内部まで浸透することがないため、断熱材による伝熱を効果的に抑制し、輻射防止機能を持たせることができる。これにより、断熱材100は高い断熱性能を得ることができる。
(電子機器109への応用)
上記断熱材100を電子機器109へ用いた例を図6で説明する。図6は、実施の形態の電子機器109である。回路基板108上に実装された発熱部品107がある。発熱部品107上に、上記の断熱材100が位置する。断熱材100は、発熱部品107の熱を電子機器109の外枠110へ伝達しない。外枠110を人が長時間触っていても、低温やけどなど害がない。
断熱材100において、第1断熱層101が発熱部品107側に位置する。なお、断熱材100は、薄い樹脂性のフィルム111に包んで用いているのが好ましい。フィルム111で断熱材100を包むと、取り扱い性がよい。
(全体として)
上記断熱材100は、電子機器内で、発熱部品側に第1断熱層101が来るように配置される。
本発明の断熱材は、断熱材料として広く利用される。特に、100℃あるいはそれ以上の、輻射伝熱が支配的である温度域で利用される。あらゆる機器の断熱用途に利用される。
100 断熱材
101 第1断熱層
102 第2断熱層
103 第3断熱層
104 シリカキセロゲル
105 輻射防止材
106 繊維
107 発熱部品
108 回路基板
109 電子機器
110 外枠
111 フィルム

Claims (9)

  1. 第1シリカキセロゲルと第1輻射防止材とを含む第1断熱層と、
    第3シリカキセロゲルと第2繊維とを含み、前記第1断熱層と積層された第3断熱層と、を有する断熱材。
  2. 前記第1断熱層と前記第3断熱層との間に配置され、第2シリカキセロゲルと第2輻射防止材と第1繊維とを含む第2断熱層
    を有する請求項1記載の断熱材。
  3. 前記第1断熱層は、前記第1繊維を含まない請求項1または2記載の断熱材。
  4. 前記第1繊維と前記第2繊維とは同じ繊維である請求項2または3記載の断熱材。
  5. 前記第1輻射防止材と前記第2輻射防止材とは同じ輻射防止材である請求項2〜4のいずれか1項に記載の断熱材。
  6. 前記第1断熱層と前記第2断熱層は、前記第3断熱層に比べ、薄い請求項2〜5のいずれか1項に記載の断熱材。
  7. 前記第1断熱層、前記第2断熱層、前記第3断熱層の順に厚みが厚い請求項2〜6のいずれか1項に記載の断熱材。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の前記断熱材が、前記第1断熱層が発熱部品へ向くように配置された電子機器。
  9. 水ガラス、または、珪酸水溶液をゾルとするゾル化工程と、
    不織布繊維に、輻射防止材を含む前記ゾルと、輻射防止材を含まない前記ゾルとを挿入する含浸工程と、
    前記輻射防止材を含む前記ゾルと前記輻射防止材を含まない前記ゾルとをゲルとするゲル化工程と、
    前記ゲルを養生する養生工程と、
    前記ゲルを酸性水溶液に浸す浸漬工程と、
    前記ゲルを疎水化する疎水化工程と、
    前記ゲルを乾燥させる乾燥工程と、を含む断熱材の製造方法。
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