JP2021139235A - 断熱材および建具 - Google Patents

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享 和田
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隆志 久保
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Shigeaki Sakatani
茂昭 酒谷
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Abstract

【課題】より優れた断熱性能を実現できる断熱材および建具を提供すること。【解決手段】部屋の開口部分に設けられる建具であって、建具枠と、部屋の外側に面して建具枠に設けられる外側部材と、外側部材と対向して建具枠に設けられる断熱材と、を有し、建具枠、外部部材、および断熱材に囲まれた空気層が設けられている。断熱材は、シリカキセロゲルおよび繊維を含む断熱層と、フィルムを含む接合層と、繊維を含む表面化飾層と、が順に積層されて成る。【選択図】図2

Description

本開示は、断熱材および建具に関する。
従来、汎用的な断熱材として、例えば、発泡ウレタン(PU)、発泡スチロール(EPS)、真空断熱材(VIP)等が知られている。
低熱伝導率のガスで発泡させた発泡ウレタンや発泡スチロールは、経時的にガスが抜けていくことで断熱性能が劣化する上、耐熱性に乏しいという課題があった。
真空断熱材は、数mW/mKの優れた断熱性能を有しているものの、芯材を真空封入する際に熱融着で接着させた部分から、時間の経過とともに空気分子が少しずつ混入していき、真空度の低下を招くという問題や、耐熱性が100℃程度であるといった問題があった。
また、断熱材としては、15mW/mK前後の優れた熱伝導率を有するシリカエアロゲルが知られている。シリカエアロゲルは、断熱性能に経年変化がほとんどみられず、さらに400℃以上の耐熱性を有していることから、上述した既存の断熱材によりも優れた、次世代の断熱材として注目を集めている。
しかしながら、シリカエアロゲルは、数10nmオーダーのシリカ粒子が点接触でつながった数珠のようなネットワーク構造を形成しているため、機械的強度があまりない。そこで、その脆さを克服するために、シリカエアロゲルは、繊維や不織布、そして樹脂などとの複合化により強度向上を図る検討がなされている。
例えば、平行に対向させた一対の透明板の外周部間に枠を介設して透明板間に空間を設けた中空パネルを形成し、枠に設けた投入口から粒子状に形成されるシリカエアロゲルを供給して、透明板間の空間にシリカエアロゲルを充填することによって、シリカエアロゲルパネルを製造する方法が知られている。さらに、シリカエアロゲルパネルを効率的に製造するために、シリカエアロゲルの粒子を袋に充填した後、その袋を透明板間の空間に配置することも知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−160721号公報
しかしながら、特許文献1の製造方法では、経時的にシリカエアロゲルの偏りが発生するため、断熱性能が損なわれるおそれがある。
本開示の一態様の目的は、より優れた断熱性能を実現できる断熱材および建具を提供することである。
本開示の一態様に係る断熱材は、シリカキセロゲルおよび繊維を含む断熱層と、フィルムを含む接合層と、繊維を含む表面化飾層と、が順に積層されて成る。
本開示の一態様に係る建具は、部屋の開口部分に設けられる建具であって、建具枠と、前記部屋の外側に面して前記建具枠に設けられる外側部材と、前記外側部材と対向して前記建具枠に設けられる、請求項1に記載の断熱材と、を有し、前記建具枠、前記外部部材、および前記断熱材に囲まれた空気層が設けられている。
本開示の一態様に係る断熱材および建具によれば、より優れた断熱性能を実現することができる。
本開示の実施の形態1に係る障子の分解斜視図 本開示の実施の形態1に係る障子の断面図 本開示の実施の形態1に係る断熱材の断面図 本開示の実施の形態2に係る障子の断面図 本開示の実施の形態2に係るヒータの配線図 本開示の実施の形態3に係る障子の断面図 本開示の実施の形態3に係る障子の外観図 本開示の実施の形態4に係る障子の断面図
以下、本開示の各実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において共通する構成要素については同一の符号を付し、それらの説明は適宜省略する。また、各図では、各構成要素が模式的に示されている。
(実施の形態1)
実施の形態1に係る障子100について説明する。実施の形態1では、本開示の建具の一例として、部屋等の開口部分に設けられる障子を例に挙げて説明する(実施の形態2、3も同様)。
<障子100の構成>
本実施の形態の障子100の構成について、図1、図2を用いて説明する。図1は、障子100の分解斜視図である。図2は、障子100の断面図である。
図1、図2に示すように、障子100は、障子枠101、断熱材102、障子枠103、和紙104を有する。なお、明細書において「障子枠」とは、建具枠の一例に相当する。
障子枠101は、例えば、木材で構成された格子状の枠体である。障子枠101は、従来の障子と同じ外観を有する。障子枠101は、断熱材102を保持する。
断熱材102は、障子枠101側から順に、断熱層201と、接合層202と、表面化飾層203とを備えた3層構造である。断熱層201、接合層202、および表面化飾層203については、図3を用いて後述する。
断熱材102と障子枠101とは、例えば、金属針、接着剤、またはタッカー等で接合されるが、それらに限定されない。同様に、断熱材102と障子枠103とは、例えば、金属針、接着剤、またはタッカー等で接合されるが、それらに限定されない。
障子枠103は、木材で構成された格子状の枠体である。障子枠103は、従来の障子と同じ外観を有する。また、図1に示すように、障子枠103の厚みは、障子枠101の厚みよりも大きくてもよい。
図2に示す空間層204は、断熱材102と和紙104とにより密閉された障子枠103内の空間である。この空間層204により、伝熱が防止される。
和紙104は、例えば、障子枠103に糊付けされる。なお、劣化や破れを防止するため、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)の両面に和紙104をラミネートしたもの(以下、PVCを用いた和紙104という)を用いてもよい。なお、和紙104は、部屋の外側に面して設けられる「外側部材」の一例に相当する。
和紙104と障子枠103とは、例えば、障子のりまたは接着剤等で接合されるが、それらに限定されない。
上述した障子枠101は、部屋の内部側に向けて配置され、和紙104は部屋の外部側に向けて配置されることが好ましい。これにより、部屋の内部からは、障子枠101の格子状の枠部分を見ることができる一方で、部屋の外部からは、和紙104に覆われた障子枠103の格子状の枠部分が見えないため、従来の障子と同じ外観を保つことが可能となる。
<断熱材102の構成>
次に、図3を用いて、断熱材102の構成について説明する。図3は、図1、図2に示した断熱材102の断面図である。
図3に示すように、断熱材102は、断熱層201、接合層202、表面化飾層203を備えた3層構造である。
断熱層201は、断熱材102の本体(中心)である。
接合層202は、一方の面に断熱層201が接合され、他方の面に表面化飾層203が接合される層である。
表面化飾層203は、表面(接合層202と接合される面とは反対側の面)を和紙調に化飾する層である。
接合層202および表面化飾層203により、断熱層201のシリカキセロゲルの脱落(粉落ち)を防止することができる。
下記表1に断熱材102の各層の含有物を示す。断熱層201は、繊維301およびシリカキセロゲル302を含む。接合層202は、フィルム303を含む。表面化飾層203は、繊維301を含む。
Figure 2021139235
断熱層201の厚みは、断熱材102として求められる固体の熱伝導や気体の対流の熱伝導率により算出される。断熱層201の厚みは、例えば、0.1mm〜数mmである。
熱伝導率を下記式(1)に示す。
λ=λs+λg+λr・・・・(1)
λs:固体、λg:気体、λr:輻射
断熱層201におけるシリカエアロゲル302と繊維301との重量比は、例えば、65:35〜55:45である。
接合層202は、断熱層201と表面化飾層203とを接合する層であるため、薄い方が好ましい。そのため、接合層202の厚みは、例えば、50μm〜100μmであることが好ましい。
表面化飾層203は、表面を和紙調に化飾する層であるため、薄い方が好ましい。そのため、表面化飾層203の厚みは、10μm〜100μmであることが好ましい。
図3に示した繊維301の例について説明する。
繊維301としては、断熱性、耐熱性、難燃性、および寸法安定性等の観点から、例えば、ガラスウール、ロックウール、またはアルミナ繊維を用いることが好ましい。炭素繊維は、熱伝導率が高く、断熱性に乏しいため、好ましくない。耐熱性、難燃性が不要であれば、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維も安価であり、好ましい。
ガラスウール、ロックウール、アルミナ繊維、またはPET繊維において、繊維径は、例えば1〜20μmであること好ましく、繊維長は、例えば3〜25mmであることが好ましい。繊維径および繊維長が上記範囲内である場合、熱伝導率が小さくなるため、好ましい。また、上記範囲内の繊維径および繊維長を有する繊維は、不織布単体の熱伝導率として0.03〜0.05W/mKの範囲となる。
繊維径が20μmより大きい場合、または、繊維長が25mmより大きい場合、無機繊維の固体熱伝導成分が増大し、熱伝導率が0.05W/mKより大きくなる。その結果、繊維にシリカキセロゲル302を含有させても、最終的な断熱材102の熱伝導率が0.025W/mKを越えてしまうため、好ましくない。
繊維径が1μm未満であり、繊維長が3mm未満である繊維は、繊維同士の絡み合いが著しく減少し、シートとしての形態を維持することができなくなるため、好ましくない。
表面化飾層203に含まれる繊維301は、和紙に似た風合いが必要とされるため、PET繊維であることが好ましい。
図3に示したシリカキセロゲル302の例について説明する。
シリカキセロゲル302は、例えば、原料としての水ガラス(珪酸ナトリウム水溶液)をイオン交換樹脂または電気透析法によりイオン交換を行い、脱ナトリウムされた珪酸水溶液に塩基を加えて生成される脱水縮合物からなる。
または、シリカキセロゲル302は、例えば、原料としての高モル珪酸水溶液に酸を加えて生成される脱水縮合物からなる。高モル珪酸水溶液とは、二酸化ケイ素の一次粒子の粒度分布がおよそ2〜20nmの範囲にあり、水ガラスとコロイダルシリカの中間サイズ(例えば、1〜10nm)に位置するシリカ原料であり、通常の水ガラスよりもナトリウム成分が1重量%以下に低減されている。
シリカキセロゲル302の平均細孔は、例えば、10〜55nmである。
平均細孔が10nmより小さい場合では、シリカキセロゲルの嵩密度が大きくなり、結果的に固体(シリカ粒子)の熱伝導成分の割合が増えるため、熱伝導率の値が大きくなってしまう。一方、平均細孔が55nmより大きい場合では、シリカキセロゲルの嵩密度が小さくなり、固体の熱伝導率の成分は減少するものの、シリカキセロゲルの空隙割合が増える。そのため、空気(窒素分子)の対流の影響が強くなり、熱伝導率の値が大きくなってしまう。
シリカキセロゲル302の細孔容積は、例えば、2.5〜10cc/gである。
細孔容積が2.5cc/gより小さい場合では、平均細孔が10nmより小さい場合と同様に、シリカキセロゲルの嵩密度が大きくなり、結果的に固体の熱伝導成分の比率が増えるため、熱伝導率の値が大きくなってしまう。一方、細孔容積が10cc/gより大きい場合では、平均細孔が55nmより大きい場合と同様に、固体の熱伝導率の成分は減少するものの、シリカキセロゲルの空隙割合が増える。そのため、空気の対流の影響が強くなり、熱伝導率の値が大きくなってしまう。
以上のことから、シリカキセロゲル302の平均細孔が10〜55nmであり、シリカキセロゲル302の細孔容積が2.5〜10cc/gであれば、優れた断熱性を得ることができる。
シリカキセロゲル302の平均細孔および細孔容積は、原料である水ガラスの珪酸濃度、ゾル化時に使用する塩基性コロイダルシリカの種類(pH、分散媒、粒子径、粒子形状、粒子濃度)、添加量、ゾルのゲル化条件(温度、時間)、および、養生条件(温度、時間)などを調整することにより容易に制御できる。
シリカキセロゲル302を製造する際の出発原料として、水ガラス(珪酸ソーダ水溶液)を用い、ゲル化時間は、水ガラスの珪酸濃度、ゲル化時に使用する酸の種類と濃度に基づいて、ゲル化条件(温度、時間、pH)を調整することで制御できる。また、ゲル化時間は、疎水化条件としてのシリル化剤の量、溶媒の量、温度、時間を調整することで制御できる。また、ゲル化時間は、乾燥条件としての乾燥温度、時間などを調整することで制御できる。
フィルム303について説明する。
フィルム303としては、耐熱性や光の透過性の観点から、例えば、PP(ポリプロピレン)またはPETを用いることが好ましい。
フィルム303の厚みは、断熱性の観点から薄い方が好ましい。フィルム303の厚みは、例えば、50μm〜100μmであることが好ましい。
<断熱層201の製造方法>
シート状の断熱層201の製造方法について説明する。この製造方法は、以下に示す7つの工程からなる。
(1)ゾル調製工程
(2)含浸工程
(3)ゲル化工程
(4)養生工程
(5)酸性水溶液浸漬工程
(6)疎水化工程
(7)乾燥工程
以下、各工程について説明する。
(1)ゾル調製工程
ゾル調製工程では、ゾル溶液を調製する。ゾル調製工程は、原料として、水ガラスを用いる場合と高モル珪酸水溶液を用いる場合とで異なる。
例えば、原料として水ガラスを用いる場合では、水ガラス中のナトリウムをイオン交換樹脂または電気透析法により除去、酸性にし、ゾルとした後、触媒としての塩基を添加して重縮合させ、ヒドロゲルとする。
また、例えば、原料として高モル珪酸水溶液を用いる場合では、高モル珪酸水溶液に、触媒としての酸を加えて重縮合させ、ヒドロゲルとする。
断熱層201を作成するためには、水ガラスまたは高モル珪酸水溶液をそのまま使用する。
(2)含浸工程
含浸工程では、まず、厚みが例えば0.2〜1.0mmである不織布(例えば、ガラスウール、ロックウール、アルミナ繊維、またはPET繊維等)のみで構成された層(断熱層201となる層。以下、単に不織布という)と、接合層202と、表面化飾層203とを積層させた基材を用意する。そして、その基材の不織布に対して(1)ゾル調製工程で調製した不織布重量の6.5〜10倍量のゾル溶液を注ぎ、不織布にゾル溶液を含浸させる。
このとき、表面化飾層203にはゾル溶液が含浸しないため、適量のゾル溶液を不織布に含浸させることが必要である。
(3)ゲル化工程
ゲル化工程では、(2)含浸工程で含浸させたゾルをゲル化する。ゾルのゲル化温度は、例えば、20〜90℃であることが好ましい。
ゲル化温度が20℃より低い場合、反応の活性種である珪酸モノマーに必要な熱が伝わらないため、シリカ粒子の成長が促進されない。その結果、ゾルのゲル化が十分に進行するまでに時間を要する。その上、生成されるゲル(ヒドロゲル)の強度が低く、乾燥時に大きく収縮する場合があり、所望の強度のヒドロゲルが得られない場合がある。
一方、ゲル化温度が90℃より高い場合、シリカ粒子の成長が著しく促進されてしまう。その結果、水の揮発が急速に起こり、水とヒドロゲルとが分離する現象がみられる。これにより得られるヒドロゲルの体積が減少して、所望のシリカキセロゲル302が得られない場合がある。
ゲル化時間は、ゲル化温度や後述するゲル化後の養生時間により異なるが、ゲル化時間と養生時間との合計が、例えば、0.1〜12時間であることが好ましい。さらに言えば、性能(熱伝導率)と生産タクトとを両立させるという観点から、ゲル化時間は、例えば、0.1〜1時間であることが好ましい。
なお、ゲル化時間と養生時間との合計が12時間より長い場合、シリカネットワークを十分に強化することができるが、養生に時間をかけ過ぎると生産性を損なうだけでなく、ゲルの収縮が起こり、嵩密度が上がる。そのため、熱伝導率が上昇してしまうという問題がある。
(4)養生工程
養生工程では、(3)ゲル化工程後のシリカの骨格を強化し、骨格強化ヒドロゲルにする。
養生温度は、例えば、50〜100℃であることが好ましい。
養生温度が50℃より低い場合、脱水縮合反応が相対的に遅くなるため、生産性を考慮した際の目標のタクト時間内にシリカネットワークを十分に強化させることが難しくなる。
一方、養生温度が100℃より高い場合、ゲル中の水分が著しく蒸発してしまうため、ゲルの収縮、乾燥が起こり、熱伝導率が上昇してしまう。
養生時間は、例えば、0.1〜12時間が好ましい。さらに言えば、性能(熱伝導率)と生産タクトとを両立させるという観点から、養生時間は、例えば、0.1〜1時間であることがより好ましい。
なお、ゲル化時間と養生時間との合計が12時間より長い場合、シリカネットワークを十分に強化することができるが、養生に時間をかけ過ぎると生産性を損なうだけでなく、ゲルの収縮が起こり、嵩密度が上がる。そのため、熱伝導率が上昇してしまうという問題がある。
よって、養生時間を0.1〜6時間の範囲とすることで、生産性を確保しつつ、シリカ粒子のネットワークを十分に強化することができる。
以上説明したように、(3)ゲル化工程および(4)養生工程を行うことにより、ヒドロゲルの壁の強度や剛性が向上し、乾燥時に収縮し難い骨格強化ヒドロゲルを得ることができる。
(5)酸性水溶液浸漬工程
酸性水溶液浸漬工程では、ゲルシートを塩酸(6〜12規定)に浸漬後、常温23℃で45分以上放置する。これにより、ゲルシートの中に塩酸を取り込む。ゲルシートとは、(4)養生工程の結果得られた骨格強化ヒドロゲルと不織布のコンポジットシートである。
(6)疎水化工程
疎水化工程では、ゲルシートを、例えば、シリル化剤であるオクタメチルトリシロキサンと、アルコールである2−プロパノール(IPA)との混合液に浸漬させ、55℃の恒温槽に入れて2時間反応させる。
トリメチルシロキサン結合が形成され始めると、ゲルシートから塩酸水が排出され、2液分離する(上層にシロキサン、下層に塩酸水)。この場合、フィルムにより排出が阻害されるため、ゲル溶液を含浸した側を下側にする、または、縦方向にて疎水することが好ましい。
(7)乾燥工程
乾燥工程では、ゲルシートを150℃の恒温槽に移して2時間乾燥させる。
<実施例1と比較例1との比較>
以下、実施例1の障子と、比較例1の障子との比較について説明する。
実施例1の障子の作成方法は、以下の通りである。
まず、PETの不織布(断熱層201となる層)と、接合層202と、表面化飾層203とを積層させた基材を作成した。そして、その基材の不織布に、ゾル溶液としての高モル珪酸水溶液(東曹産業株式会社製)を含浸させた。その後、上述した(3)ゲル化工程〜(7)乾燥工程を行い、図3に示した断熱材102を作成した。この断熱材102の厚みは、例えば1.46mmである。
そして、上記断熱材102を障子枠101(厚みは、例えば8mm)と障子枠103(厚みは、例えば8mm以上)とで挟持し、障子枠103に対してPVCを用いた和紙104(厚みは、例えば0.32mm)を貼り付けることによって、図1、図2に示した断熱構造を持つ障子100を作成した。この障子100では、図2に示したように、断熱材102(断熱層201)と和紙104との間の障子枠103の組子内において空気層204が構成されている。
比較例1の障子の作成方法は、以下の通りである。
障子枠101の厚み(例えば8mm)と障子枠103の厚み(例えば8mm以上)との合計の厚みを有する障子枠に対して、PVCを用いた和紙104(厚みは、例えば0.32mm)を貼り付けることによって、障子を作成した。
断熱性能を比較するため、実施例1の障子100および比較例1の障子のそれぞれから熱性能に起因する部分を抜き出し、熱抵抗を測定した。熱性能に起因する部分とは、実施例1の障子100では、断熱材102、障子枠103、和紙104であり、比較例1の障子では、和紙104である。熱抵抗の測定には、熱流計HFM 436Lambda(NETZCH社製)を用いた。
熱抵抗の測定結果を下記表2に示す。実施例1の障子100は、比較例1の障子に比べて、約13倍の断熱性能を持つことがわかる。すなわち、実施例1の障子100では、非常に優れた断熱性能が実現された。
Figure 2021139235
(実施の形態2)
実施の形態2に係る障子400について説明する。
<障子400の構成>
本実施の形態の障子400の構成について、図4、図5を用いて説明する。図4は、障子400の断面図である。図5は、障子400に設けられるヒータ402の配線図である。
図4、図5に示すように、障子400は、実施の形態1の障子100(図1、図2参照)と比べて、障子枠101の代わりに、ヒータ402およびスイッチ701を備えた障子枠401を備える点が異なる。その他の構成は、障子100と同様であるので、ここでの説明は省略する。
障子枠401は、木材または樹脂で構成された格子状の枠体である。障子枠401は、従来の障子と同じ外観を有する。障子枠401は、断熱材102を保持する。
障子枠401の内部には、ヒータ402が設けられている。図5に示すように、ヒータ402は、障子枠401の外周部分に配置されている。ヒータ402としては、例えば、ニクロム線をシリコンゴムで被覆したコード状のヒータを用いることができる。
また、図5に示すように、障子枠401には、ヒータ402と電気的に接続され、ヒータ402のオン/オフを制御する回路としてスイッチ701が設けられている。スイッチ701には、有線コネクタまたは無線給電により電力が供給される。
スイッチ701は、ヒータ402が予め定められた第1の設定温度に達した場合、ヒータ402に電流を供給する。これにより、ヒータ402は、オン状態となり、放熱が行われる。
一方、スイッチ701は、ヒータ402が予め定められた第2の設定温度(第1の設定温度より高い温度)に達した場合、ヒータ402への電流の供給を停止する。これにより、ヒータ402は、オフ状態となり、放熱が停止される。
このように本実施の形態では、障子400が暖房装置としての機能を備える。
なお、障子枠103にはヒータ402を配置しない。その理由として、障子枠103は部屋の内部からみて断熱材102の外側にあるため、暖房効率が落ちてしまうからである。
<実施例2>
上述した障子400を以下のように作成した。
まず、PETの不織布(断熱層201となる層)と、接合層202と、表面化飾層203とを積層させた基材を作成した。そして、その基材の不織布に、ゾル溶液としての高モル珪酸水溶液(東曹産業株式会社製)を含浸させた。その後、上述した(3)ゲル化工程〜(7)乾燥工程を行い、図4に示した断熱材102を作成した。
そして、上記断熱材102を、ヒータ402およびスイッチ701を備えた障子枠401と障子枠103とで挟持し、障子枠103に対してPVCを用いた和紙104を貼り付けることによって、図4に示した断熱構造を持つ障子400を作成した。
このようにして作成された障子400は、ヒータ402がオン状態となることにより、放熱を行う暖房装置として機能する。ヒータ402から発せられた熱は、断熱材102により遮断されるため、部屋の内部にのみ伝熱される。
以上説明したように、本実施の形態の障子400は、他の暖房装置を用いる必要がなく、部屋内の温度を温めることが可能となる。よって、部屋内における省スペース化を実現することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3に係る障子500について説明する。
<障子500の構成>
本実施の形態の障子500の構成について、図6、図7を用いて説明する。図6は、障子500の断面図である。図7は、障子500の外観図である。
図6、図7に示すように、障子500は、実施の形態1の障子100(図1、図2参照)と比べて、障子枠103の代わりに、障子枠503を備える点が異なる。その他の構成は、障子100と同様であるので、ここでの説明は省略する。
障子枠503は、木材または樹脂で構成された格子状の枠体である。障子枠503は、従来の障子と同じ外観を有する。障子枠401は、障子枠101および断熱材102を保持する。
図7は、断熱材102が設けられた障子枠101と、和紙104が設けられた障子枠503とが分離された状態を示している。障子枠101と断熱材102とは、例えば、金属針、接着剤、またはタッカー等で接合されている。また、障子枠101と接合された断熱材102は、障子枠503に嵌め込まれる。また、障子枠503と和紙104とは、例えば、障子のりまたは接着剤等で接合されている。
断熱材102が接合された障子枠101は、図6に示した空気層204が形成されるように、障子枠503の外周部分の内側に嵌め込まれる。
<実施例3>
上述した障子500を以下のように作成した。
まず、PETの不織布(断熱層201となる層)と、接合層202と、表面化飾層203とを積層させた基材を作成した。そして、その基材の不織布に、ゾル溶液としての高モル珪酸水溶液(東曹産業株式会社製)を含浸させた。その後、上述した(3)ゲル化工程〜(7)乾燥工程を行い、図6に示した断熱材102を作成した。
そして、上記断熱材102を障子枠101に接合し、その障子枠101を障子枠503に嵌め込み、その障子枠103に対してPVCを用いた和紙104を貼り付けることによって、図6に示した断熱構造を持つ障子500を作成した。
このようにして作成された障子500は、障子枠101および断熱材102を嵌め込み可能な障子枠503を備えるため、障子枠101および断熱材102を、例えば釘または接着剤等を用いることなく、保持することが可能となる。
また、障子500では、障子枠101および断熱材102が障子枠503に対して着脱自在である。よって、断熱が必要な冬場では、障子枠101および断熱材102を障子枠503に取り付けて使用し、断熱が不要な夏場では、障子枠101および断熱材102を障子枠503から取り外して使用することができ、利便性が向上する。
(実施の形態4)
実施の形態1〜3では、本開示の建具の一例として、部屋等の開口部分に設けられる障子を例に挙げて説明したが、これに限定されない。本実施の形態では、障子以外の建具である建具600(例えば、扉等)について説明する。
<建具600の構成>
本実施の形態の建具600の構成について、図8を用いて説明する。図8は、建具600の断面図である。
図8に示すように、建具600は、建具枠601、断熱材102、建具枠603、表面層604、表面層605を有する。断熱材102は、実施の形態1〜3と同様であるので、ここでの説明は省略する。
建具枠601および建具枠603は、木材もしくは樹脂で構成された枠体である。建具枠601および建具枠603は、断熱材102を保持する。
表面層604および表面層605は、木材もしくは樹脂で構成された部材である。表面層604および表面層605は、従来の建具(例えば、扉等)と同じ外観を有する。
表面層604は、空気層204が形成されるように、建具枠603の表面(断熱材102と接する面の反対側の面)に接合される。また、表面層605は、空気層205が形成されるように、建具枠601の表面(断熱材102と接する面の反対側の面)に接合される。なお、表面層604は、部屋の外側に面して設けられる「外側部材」の一例に相当する。表面層605は、部屋の内側に面して設けられる「内側部材」の一例に相当する。
<実施例4>
上述した建具600を以下のように作成した。
まず、PETの不織布(断熱層201となる層)と、接合層202と、表面化飾層203とを積層させた基材を作成した。そして、その基材の不織布に、ゾル溶液としての高モル珪酸水溶液(東曹産業株式会社製)を含浸させた。その後、上述した(3)ゲル化工程〜(7)乾燥工程を行い、図8に示した断熱材102を作成した。
そして、上記断熱材102を建具枠601と建具枠603とで挟持し、建具枠601の表面に表面層605を取り付け、建具枠603の表面に表面層604を取り付けることによって、図8に示した断熱構造を持つ建具600を作成した。
このようにして作成された建具600は、2つの空気層204、205を備えるため、1枚の木材板または樹脂板(各板の厚みは、図8に示した建具600の厚みと同じ)のみで構成された従来一般的な建具と比べて、同等以上の断熱性能を持ちつつ、重量が半分以下となる。
以上説明したように、実施の形態1〜4の断熱材102は、シリカキセロゲル302および繊維301を含む断熱層201と、フィルム303を含む接合層202と、繊維301を含む表面化飾層203と、が順に積層されて成ることを特徴とする。これにより、より優れた断熱性能を実現することができる。
また、実施の形態1〜4の断熱材102は、接合層202および表面化飾層203を含むため、断熱層201の粉落ちを防止することができる。
また、実施の形態1〜4の断熱材102は、断熱層201が不織布により構成されるため、断熱性能を均質化することができる。
また、実施の形態1〜4の断熱材102は、特許文献1のような透明板間の空間に充填するための大量のシリカエアロゲルを必要としないため、コストがかからない。
また、実施の形態1〜3の障子および実施の形態4の建具は、部屋の開口部分に設けられる建具(例えば、障子100、障子400、障子500、または建具600)であって、建具枠(例えば、障子枠103、障子枠503、または建具枠603)と、部屋の外側に面して建具枠に設けられる外側部材(例えば、和紙104、または表面層604)と、外側部材と対向して建具枠に設けられる断熱材102と、を有し、建具枠、外部部材、および断熱材に囲まれた空気層204が設けられたことを特徴とする。これにより、より優れた断熱性能を実現することができる。
なお、本開示は、上記各実施の形態の説明に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。また、上記各実施の形態は、適宜組み合わせることが可能である。
本開示の建具は、従来の建具の置き換えとして広く用いることができ、住居等の建物内の部屋の断熱性を高めることが可能となる。
100、400、500 障子
101、103、401、503 障子枠
102 断熱材
104 和紙
201 断熱層
202 接合層
203 表面化飾層
204、205 空気層
301 繊維
302 シリカキセロゲル
303 フィルム
402 ヒータ
600 建具
601、603 建具枠
604、605 表面層
701 スイッチ

Claims (9)

  1. シリカキセロゲルよび繊維を含む断熱層と、
    フィルムを含む接合層と、
    繊維を含む表面化飾層と、が順に積層されて成る、
    断熱材。
  2. 部屋の開口部分に設けられる建具であって、
    建具枠と、
    前記部屋の外側に面して前記建具枠に設けられる外側部材と、
    前記外側部材と対向して前記建具枠に設けられる、請求項1に記載の断熱材と、を有し、
    前記建具枠、前記外部部材、および前記断熱材に囲まれた空気層が設けられた、
    建具。
  3. 前記断熱材における前記建具枠が設けられた面とは反対側の面に、別の建具枠をさらに有する、
    請求項2に記載の建具。
  4. 前記建具枠および前記別の建具枠は、格子状の枠体であり、
    前記外側部材は、和紙であり、
    前記建具は、障子である、
    請求項3に記載の建具。
  5. 前記別の建具枠には、ヒータが設けられている、
    請求項3または4に記載の建具。
  6. 前記別の建具枠および前記断熱材は、前記建具枠に嵌め込まれている、
    請求項3から5のいずれか1項に記載の建具。
  7. 前記別の建具枠および前記断熱材は、前記建具枠に対して着脱自在である、
    請求項6に記載の建具。
  8. 前記部屋の内側に面して前記別の建具枠に設けられる内側部材をさらに有し、
    前記別の建具枠、前記断熱材、および前記内側部材に囲まれた空気層が設けられた、
    請求項3から7のいずれか1項に記載の建具。
  9. 前記建具枠と前記断熱材とは、金属針によって接合されている、
    請求項2から8のいずれか1項に記載の建具。
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