JP6281197B2 - 蓄熱積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、各種使用態様に応じた適温保持、省エネルギー化が可能な蓄熱積層体に関する。特に、住宅等の居住空間や自動車等の室内の適温保持に有用な蓄熱積層体に関する。
近年、住宅やオフィス等の居住空間において省エネルギー化の要請が高まっており、住宅等に使用される建築材料にも省エネルギー化に貢献する材料が求められている。一般的には、床、天井、壁面等に断熱材を用いて冷暖房の効率化が図られているが、さらなる省エネルギー化のために各種材料の検討がなされている。また、自動車や航空機等の閉空間や、冷蔵車等の冷蔵庫内においても同様に省エネルギー化の要請が高い。
このような材料としては、例えば、石膏ボードに潜熱蓄熱材をカプセル化したものを混ぜ合わせた材料が開示されている(特許文献1参照)。当該材料は壁面等に使用することで、壁面等の熱容量を増加させて省エネルギー化を図るものである。しかし、当該材料は石膏ボード中に蓄熱材が含有されており、また、壁材として使用する際には、当該石膏ボード表面に壁紙や化粧紙等の他の部材が設けられる場合も多いことから、蓄熱材への熱伝導が阻害されやすく、蓄熱性能が十分に得られない場合があった。このため、好適に居住空間の省エネルギー化に貢献する部材が求められていた。
特開2003−284939号公報
本発明が解決しようとする課題は、使用態様に応じた適温保持に好適に貢献し、省エネルギー化が可能な蓄熱積層体を提供することにあり、特に、好適に居住空間の省エネルギー化に貢献する蓄熱積層体を提供することにある。
本発明においては、熱伝導率が5〜400W/m・Kの熱拡散層、蓄熱材を含有する蓄熱層及び熱伝導率が0.1W/m・K未満の断熱層とが順に積層された蓄熱積層体により、上記課題を解決した。
本発明の蓄熱積層体は、熱拡散層、蓄熱材を含有する蓄熱層及び断熱層を順に積層した構成により、蓄熱材料への好適な熱伝導が得られやすく、また居住空間内外間の熱伝導を効果的に抑制できる。このため、居住空間内の冷暖房による熱効率を好適に高めることができ、省エネルギー化に極めて有用である。また、住宅等の居住空間に限らず、自動車、電車、航空機等の室内や、冷蔵車や冷蔵設備の冷蔵庫内、航空機の庫内等の閉空間における適切な温度維持においても同様な省エネルギー化が可能となる。さらには、パソコンのCPUや蓄電池などの熱を発生する電気部品に適用する低温維持材料としても適用可能である。
本発明の蓄熱積層体の実施態様の一例を示す断面概略図である。 本発明の蓄熱積層体の実施態様の一例を示す断面概略図である。
本発明の蓄熱積層体は、熱伝導率が5〜400W/m・Kの熱拡散層、蓄熱材を含有する蓄熱層及び熱伝導率が0.1W/m・K未満の断熱層とが順に積層された断熱積層体である。当該構成においては、熱拡散層で室内の熱を均一化する効果を持たせるとともに、室内(本発明においては、住宅等の居住空間や、自動車、電車、航空機等の室内、さらには、冷蔵車の冷蔵庫内、航空機の庫内等の閉空間を総称して室内と称することがある。)からの熱を分散して熱抵抗が少なく蓄熱層へ伝える事ができる。蓄熱層では蓄熱粒子により室内の熱吸収及び室内への熱放出がなされ、室内の温度環境下を適温に制御する。蓄熱層に断熱層を積層することで、蓄熱層の熱吸収及び熱放出が室内側と効果的になされ、室内の適温維持効果を特に好適に発揮することができる。また、室内の熱の流出を防ぐ、もしくは、外気からの熱の影響の軽減にも有効である。本発明の蓄熱積層体は、これら複合作用により、室内の温度変化を抑制し、室内を適温に保つ事ができる。また、エアコンや冷蔵設備等の空調機器を使用した場合に、その消費エネルギーを低減することもできる。これにより、好適に室内の省エネルギー化に貢献できる。
[熱拡散層]
本発明に使用する熱拡散層は、熱伝導率が5〜400W/m・Kの高い熱伝導率を有する層である。高い熱伝導率により、局所に集中した熱を拡散して蓄熱層へ伝えて熱効率を向上し、かつ室温を均一化する。
熱拡散層の材料としては、例えば、アルミニウム、銅、鉄、グラファイトなどが挙げられる。本発明では、特にアルミニウムを好適に用いることができる。アルミニウムが好適な理由として、放射熱の反射による断熱効果も発現することが挙げられる。特に、放射熱による暖房器具では、断熱効果により暖房効率を向上する事ができる。放射熱を主とした暖房器具としては、例えば、電気式床暖房、温水式床暖房、赤外線ヒーターなどが挙げられる。また、防災の視点からも難燃性能を向上させる事ができる。
熱拡散層の形態としては、上記材料のシートからなる層や、上記材料の蒸着層等の適宜な形態を使用できる。材料としてアルミニウムを使用する場合には、たとえば、アルミ箔、アルミ蒸着層などの湾曲性があるものを好ましく使用できる。
熱拡散層の層厚は、特に限定されないが、3〜500μm程度とすることで、好適な熱拡散性や取扱い性を確保しやすくなるため好ましい。
[蓄熱層]
本発明に使用する蓄熱層は、蓄熱材を含有する層であり、室内を適温に制御する効果を発揮するものである。この蓄熱層に使用する蓄熱材は、蓄熱性を有する材料であれば特に限定されないが、固体−液体の相変化による潜熱蓄熱材を使用する事が好ましい。
潜熱蓄熱材は、相変化による溶融時の染み出し等の問題や、混入時の分散性を考慮して、有機マイクロカプセル中にパラフィンなどの潜熱蓄熱材料を含有した、マイクロカプセル化された蓄熱粒子が好ましい。この蓄熱粒子は、公知のものを用いればよい。蓄熱粒子の粒径は、限定される事はないが、1〜500μm程度である。
潜熱蓄熱材は、特定の温度の融点において相変化する。すなわち、室温が融点を超えた場合は、固体から液体へ相変化し、室温が融点より下がった場合は、液体から固体へ相変化する。潜熱蓄熱材の融点は、その使用態様に応じて調整すればよく、−20℃〜120℃程度の温度範囲にて固/液相転移を示すものを適宜使用できる。例えば、住宅等の居住空間や、自動車、電車、航空機等の室内等の適温維持し、省エネルギー化を図る場合には、この融点を日常生活に適した温度、具体的には10〜35℃、好ましくは15〜30℃に設計した潜熱蓄熱材を混入する事により、適温維持性能を発揮する事ができる。より詳細に冬季又は夏季の適温維持性能を調整する場合には、冬場の暖房効果を持続させる事を目的とすれば25〜28℃程度を融点とした潜熱蓄熱材を混入する。もしくは、夏場の冷房効率を持続させる事を目的とすれば20〜23℃程度を融点とした潜熱蓄熱材を混入する事ができる。両方の効果を発現するには融点設計の異なる2種類以上の潜熱蓄熱材を混入すればよい。また、冷蔵設備等の庫内の省エネルギー化を図る場合には、−10℃〜5℃程度の融点の潜熱蓄熱材を使用すればよい。
本発明に使用する蓄熱層は、取扱いが容易となるため、蓄熱粒子を含有する樹脂をシート化した蓄熱層を使用することが好ましい。当該蓄熱層は潜熱蓄熱材を、ベースとなる樹脂材料に混入してシート成形を行うことで形成できる。樹脂材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、又はアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂などが挙げられる。ポリエステルとしては、A−PET、PET−G等を使用できる。なかでも、火災時の低燃焼性の面から、自己消化性である塩化ビニル樹脂を好適に用いる事ができる。
シートの成形方法としては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂と可塑剤と潜熱蓄熱材を、押出し成形、カレンダー成形などの成形機を用いてシートの成形を行う。このシート成形時において、高い熱量(150℃以上)を加えると、潜熱蓄熱材のマイクロカプセルが材質によっては溶融してしまい、カプセル内のパラフィン等の蓄熱材が染み出す問題がある。この為、ベースとなる樹脂材料は溶融温度が低いものが好ましく、この面でもポリ塩化ビニル樹脂は好適といえる。
蓄熱層中の蓄熱材の含有量は、蓄熱層中の20質量%以上であることが好ましく、20〜90質量%であることがより好ましく、30〜80質量%であることが更に好ましく、40〜80質量%であることが特に好ましい。蓄熱材の含有量を当該範囲とすることで、好適に蓄熱効果を発揮でき、また、蓄熱層を形成しやすくなる。
蓄熱層中には、必要に応じて、可塑剤、難燃剤等の添加剤を配合してもよい。
蓄熱層の層厚は、特に限定されないが、50〜2000μm程度である事が好ましい。
[断熱層]
本発明に使用する断熱層は、熱伝導率が0.1W/m・K未満の層である。当該断熱層は、蓄熱層から外気への熱の流出を防ぎ、かつ、外気の温度影響を低減させる効果を発揮するものである。断熱層は、熱伝導率が0.1W/m・K未満の層を形成できるものであれば特に限定されず、例えば、発泡樹脂シート、断熱材料を含有する樹脂シート等の断熱シートや、押出し法ポリスチレン、ビーズ法ポリスチレン、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム、フェノールフォーム等の断熱ボード等を適宜使用できる。なかでも、断熱シートは施工性を確保しやすいため好ましく、断熱材料を含有した樹脂シートである事が熱伝導率を低減できるためより好ましい。また、発泡シートは入手が容易であり、安価であるため好ましい。
断熱層はシート状とすることで施工性を確保しやすくなるが、なかでも、円筒形マンドレル屈曲試験機(JIS K 5600)による測定値が、マンドレル直径で2〜32mmであることが好ましい。
断熱層に使用する断熱材料は、蓄熱積層体の断熱性を高めるものであり、例えば、多孔質シリカ、多孔質アクリル、中空ガラスビーズ、真空ビーズ、中空ファイバーなどが挙げられる。この断熱材料5は、公知のものを用いればよい。本発明では、特に、多孔質アクリルを好適として用いる事ができる。断熱材料の粒径は、限定される事はないが、1〜300μm程度である事が好ましい。
断熱層として断熱材料を含有する樹脂シートを使用する場合には、断熱材料を、ベースとなる樹脂材料に混入してシート成形を行う。樹脂材料としては、前述と同様に、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、又はアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂などが挙げられる。ポリエステルとしては、A−PET、PET−G等を使用できる。なかでも、火災時の低燃焼性の面から、自己消化性である塩化ビニル樹脂を好適に用いる事ができる。
シートの成形方法としては、例えば、塩化ビニル樹脂と可塑剤と断熱材料を、押出し成形、カレンダー成形などの成形機を用いてシートの成形を行う。
断熱層中の断熱材料の含有量は、断熱層中の20質量%以上であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましく、30〜80質量%であることが更に好ましく、40〜80質量%であることが特に好ましい。断熱材の含有量を当該範囲とすることで、好適に断熱効果を発揮でき、また、断熱層を形成しやすくなる。
蓄熱層中には、必要に応じて、可塑剤、難燃材等の添加剤を配合してもよい。
断熱層の層厚は、特に限定されないが、厚みが増す程室内の保温性が上がる。シートとしての湾曲性や施工性を保有する為には、50〜3000μm程度である事が好ましい。
[蓄熱積層体]
本発明の蓄熱積層体は、上記熱拡散層、蓄熱層及び断熱層が順に積層された構成を有する。当該構成により、上記のとおり、好適に居住空間の省エネルギー化に貢献する。
各層の積層方法は特に制限されるものではないが、ドライラミ方式やウエットラミ方式、熱ラミ方式などが挙げられる。ドライラミ方式はシート状にした層の積層面に、接着剤を塗布し、乾燥後に加熱ロールで加圧して他の層と貼り合わせる方式である。ウエットラミ方式は、接着剤を乾燥させずにドライラミと同様に貼り合わせる方式である。熱ラミ方式は、接着剤を使用せずに、シートを溶融して他のシートと貼り合わせる方式である。本積層体においては、材種の制限が少ないドライラミ方式が好ましい。
本発明の蓄熱積層体の具体的な実施形態の例を示す。本発明の蓄熱積層体の好適な実施形態の一例としては、図1に示すように、アルミ箔又は銅箔製の熱拡散層2と、マイクロカプセル潜熱蓄熱材3を混入した樹脂製の蓄熱層4と、多孔アクリルビーズや中空シリカビーズなどの断熱材料5を混入した樹脂製の断熱層6が順に積層された蓄熱積層体1を例示できる。また、他の好適な例としては、図2に示すように、断熱層が、発泡シートや発泡ボード等の発泡材7からなる構成を例示できる。
これら蓄熱積層体は、熱拡散層が室内側になるようにして住宅等の壁面に貼りつける事ができる。熱拡散層の表面には、壁紙等との接着を容易にする為に紙を配するなど用途に応じて適宜設計しても良い。また、熱拡散層上に、化粧層を設けたり、壁紙等の化粧材を貼ってもよく、予め紙や樹脂製の化粧シートを貼ったものを壁面に貼ってもよい。また、断熱材が壁面として施工されている場合には、当該断熱材上に蓄熱層及び熱拡散層を積層し、本発明の蓄熱積層体を構成してもよい。この場合には、熱拡散層と蓄熱層とが積層されたシートを、断熱材に貼り付けることで容易に構成できる。
このような蓄熱積層体構成とする事により、熱拡散層で室内の熱を均一化する効果を持たせるとともに、室内からの熱を分散して熱抵抗が少なく蓄熱層へ伝える事ができる。蓄熱層では潜熱蓄熱材により適温に制御し、断熱層で蓄熱層の熱排出熱吸収を室内側との熱のやり取りを効果的に行うことができ、また、室内の熱の流出を防ぐ、もしくは、外気からの熱の影響を軽減する事ができる。このような複合作用により、室内の温度変化を最小限に抑えて適温に保つ事ができ、エアコン等の空調機器の消費エネルギーを低減することもできる。
本発明の適温維持性を有する積層シートは、主に建築物の内壁、天井、床などにおける内装材として好適に用いられるが、窓のサッシ枠の被服材や、車両等の内装材としても適用可能である。
以上、本発明の実施形態に係る蓄熱積層体について説明したが、本発明は実施形態に記載したものに限られることはなく、請求の範囲に記載した事項の範囲内での設計変更が可能である。例えば、蓄熱積層体を構成する各層の厚さや大きさなどは適宜変更する事ができる。本発明の断熱シートの用途は、建築物の壁、床、天井に限らず、自動車、電車、飛行機などの室内に使用する事も可能である。また、冷蔵設備の低温保持材料や、パソコンのCPUや蓄電池など熱を発生する電気部品の低温維持材料としても使用することも可能である。また、面状発熱体等のヒーターを併用して、蓄熱による省エネルギー効果を発現しても良い。
(実施例1)
ポリ塩化ビニル樹脂と可塑剤と潜熱蓄熱材を、40%:20%:40%の質量比で加熱混合し、プレス機でシート成形し、蓄熱材含有ポリ塩化ビニルシート(厚さ1.5mm×100mm×200mm)を形成した。潜熱蓄熱材は、パラフィンをポリメタクリル酸メチルでカプセル化したもの(融点26℃、平均粒径100μm)を含有した。発泡ポリスチレンからなる断熱層上に、得られた蓄熱材含有ポリ塩化ビニルシートを蓄熱層として接着剤にて積層した後、当該蓄熱層上に熱拡散層としてアルミ箔(厚さ50μm×100mm×200mm)を接着剤にて積層して、蓄熱積層体(1)を形成した。
(比較例1)
ポリ塩化ビニル樹脂と可塑剤とを、65%:35%の質量比で加熱混合し、プレス機でシート成形し、ポリ塩化ビニルシート(厚さ1.5mm×100mm×200mm)を形成した。実施例1と同様の発泡ポリスチレンからなる断熱層上に、当該ポリ塩化ビニルシートを接着剤にて積層して、積層体(H1)を形成した。
(比較例2)
アルミ箔を積層しないこと以外は実施例1と同様にして積層体(H2)を形成した。
(比較例3)
実施例1と同様の発泡ポリスチレンからなる断熱層上に、実施例1と同様のアルミ箔を接着剤にて直接積層して積層体(H3)を形成した。
(比較例4)
実施例1と同様にして形成した蓄熱材含有ポリ塩化ビニルシート上に、実施例1と同様のアルミ箔を接着剤にて積層して積層体(H4)を形成した。
上記実施例及び比較例にて形成した蓄熱積層体及び積層体につき、以下の評価を行った。得られた結果を下表に示した。
<熱拡散性評価試験>
実施例及び比較例にて作成した幅100mm×長さ200mmの蓄熱積層体及び積層体からなる試験体を、10℃環境室内に設置した。当該試験体の長さ方向の中間位置に試験体の表面領域が2分割されるように風防を設置した。風防で分割された一方の領域の中点位置と、他方の領域の中点位置の表層部に熱電対を設置した。一方の中点近傍をドライヤーで加熱して、加熱側の表層温度を50℃まで上昇させた後、加熱側の表層温度を50℃で30分間保持した。当該試験において、加熱から5分経過した時点で、加熱側とは他方の領域の表層温度を測定し、加熱開始時から上昇した温度により熱拡散性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:上昇した温度が15℃以上
○:上昇した温度が10℃以上15℃未満
△:上昇した温度が5℃以上10℃未満
×:上昇した温度が5℃未満
<適温維持性評価試験>
上記熱拡散性評価試験と同様にして、加熱側の表層温度を50℃で30分間保持した後、10℃環境室内で静置した。加熱終了後、静置した際に、加熱側の温度が28℃〜20℃の温度を保持した時間を測定し、適温維持性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:保持時間が600秒以上
○:保持時間が300秒以上600秒未満
△:保持時間が180秒以上300秒未満
×:保持時間が180秒未満
Figure 0006281197
上記表から明らかなとおり、本発明の蓄熱積層体は、熱拡散性及び適温維持性に優れるため、室内の温度環境の維持に好適に貢献でき、省エネルギー化に有用である。一方、比較例1の積層体は熱拡散性及び適温維持性を有しないものであった。また、比較例2の積層体は、熱源近傍の適温維持性は有するものの熱拡散性に乏しいことから、積層体全域での適温維持性が図れず、室内の適温維持性能に乏しいものであった。また、比較例3及び比較例4の積層体は、適温維持性に乏しいものであった。
1 蓄熱積層体
2 熱拡散層
3 潜熱蓄熱材
4 蓄熱層
5 断熱材料
6 断熱層
7 断熱層(発泡材)

Claims (6)

  1. 熱伝導率が5〜400W/m・Kの熱拡散層、蓄熱材を含有する蓄熱層及び熱伝導率が0.1W/m・K未満の断熱層とが順に積層され、前記蓄熱層が蓄熱材を含有する樹脂からなる層であり、前記蓄熱層を形成する樹脂がポリ塩化ビニル樹脂であることを特徴とする蓄熱積層体。
  2. 前記蓄熱材が、−20℃〜120℃の温度範囲で固/液相転移を示す潜熱蓄熱材料を含有するマイクロカプセル粒子である請求項1に記載の蓄熱積層体。
  3. 前記熱拡散層が、アルミニウム、銅又はグラファイトからなる熱拡散層である請求項1又は2に記載の蓄熱積層体。
  4. 前記断熱層が、真空ビーズ、中空ビーズ、多孔質ビーズ、又は中空ファイバーを含有する樹脂からなる断熱層である請求項1〜3のいずれかに記載の蓄熱積層体。
  5. 前記断熱層を形成する樹脂が、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、又はアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂である請求項4に記載の蓄熱積層体。
  6. 前記熱拡散層上に、化粧層を有する請求項1〜5のいずれかに記載の蓄熱積層体。
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