JP5192199B2 - 蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体に関し、より詳しくは、合成皮革、建築材料(壁、床材)、蓄熱ボード、電子機器部品用の蓄熱材、衣類またはアウトドア製品などに用いられる保冷、保温材を目的とした潜熱性の蓄熱性素材として用いることができる蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体に関する。
従来から、潜熱蓄熱材は、相変化による潜熱だけでなく顕熱も利用できることから多量の熱を蓄え、放出することが出来る為、様々な用途への利用が提案されている。具体的には、電子機器内の発熱部分の表面温度を任意の温度域に長時間保持させて熱による部品の破損防止や安定作動を確保するための蓄熱性樹脂成形体、あるいは繊維や衣料(例えば、ユニホーム、スラックス、スポーツウェア、スキーウェア、高齢者用衣料、介護用衣料等)、カーテン、カーペット、床材、壁材等の形成素材であってこれらの表面温度を任意の温度領域に長時間保持させて保温、保冷を可能とする蓄熱性成形体が提案されている。
より具体的には、蓄熱材自体を基材樹脂に混合して形成される蓄熱成形体の例として、例えば、下記特許文献1において、結晶化度が40%未満の低結晶性ポリオレフィンと分子量が2万以下のポリエチレンワックス基材に有機系蓄熱材を混合してなる蓄熱成形体が開示されている。
また別の例では、潜熱蓄熱性物質を封入した、粒径分布が1μm以上5μm以下の範囲内で、かつ平均粒径が1μm以上2μm以下のマイクロカプセルが、成形物の重量に対し20重量%以下の割合で練り込まれているマイクロカプセル保有の蓄熱成形体(下記特許文献2)、また蓄熱材を内包するマイクロカプセルを樹脂内に含有することを特徴とする蓄熱性基材樹脂組成物(下記特許文献3)が開示されている。
特開平8−60143号公報 特開2003−246931号公報 特開2005−23229号公報
蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体は、使用目的にあった高い蓄熱性能を有していること、及びその蓄熱性能が長期に亘り維持されることが重要である。ところが従来の蓄熱成形体は、その使用において、いずれも温度環境の厳しい状態で繰り返し蓄熱と放熱を繰り返すことから、以下の問題点を有していた。
即ち、一般的に蓄熱材は、基材樹脂層を構成する熱可塑性樹脂との相溶性があまり良くないため、厳しい熱環境下で長期間使用することにより、蓄熱材の一部が基材樹脂層外に染み出してしまう場合があった。そして基材樹脂層から染み出した蓄熱材は、空気に直接晒されて酸化劣化し、結果として、蓄熱性能が低下するという問題があった。また蓄熱材が基材樹脂層から染み出さない場合であっても、長期間の使用あるいは厳しい熱環境下により基材樹脂層に酸素が浸透し、基材樹脂層に担持される蓄熱材が酸化劣化してしまい、蓄熱性能が次第に低下してしまう場合があり問題であった。
上述のとおり、蓄熱材の一部あるいは全部の蓄熱性能が低下すると、蓄熱性シート状成形体の製造時において有していた蓄熱性能が長期間に亘り良好に維持されず、問題であった。
ここで本発明者は、これまでの研究により、ポリ塩化ビニル系樹脂シートは、経済性、取扱い容易性、樹脂シートの好ましい柔軟性を容易に獲得することができる等のメリットを有する上、ポリ塩化ビニル系樹脂層に蓄熱材を担持させた場合には、該蓄熱材の酸化劣化が起こり難い傾向にあることを見出した。ただし、ポリ塩化ビニル系樹脂シートに蓄熱材を担持させた場合に、蓄熱材がシートの表面に染み出す傾向が強く、この染み出した蓄熱材が空気と接触することによって、上記問題と同様に酸化劣化による蓄熱性能の低下が観察された。
尚、基材樹脂層に蓄熱材を直接、練り込んで担持させるのではなく、蓄熱材を内包するマイクロカプセルを基材樹脂に混合してシート化することにより、基材樹脂層内外において、蓄熱材が空気と接することを防ぐことができ、上記酸化劣化の問題を防止することが可能である。しかしながらマイクロカプセルは、蓄熱成形体の製造時あるいは使用時における外圧によって物理的に破壊される場合がある。また上述するとおり、蓄熱成形体は、厳しい熱環境下で使用されるので、マイクロカプセルの皮膜が熱劣化により破壊する虞もある。そしてマイクロカプセルが破壊すると、内包されていた蓄熱材がカプセル外に流出してしまい、上述と同様に酸化劣化による蓄熱性能の低下の問題が生ずるのである。
例えば上記特許文献1に記載の発明では、蓄熱材の染み出しの問題を踏まえ、特殊な基材樹脂を使用することによって、蓄熱材の染み出しを減少させることが試みられている。しかしながら、該発明では、基材樹脂中における蓄熱材の酸化劣化については、何ら示唆されておらず、また蓄熱材の染み出し防止のために特殊な基材樹脂に限定しているので、使用目的にあった好ましい基材樹脂を選択することができないという問題があった。
また特許文献2及び3には、蓄熱材が内包されたマイクロカプセルが用いられているため、蓄熱材自体が基材樹脂に混合されている蓄熱成形体に比べて、シート外に染み出し難く、また例えマイクロカプセル自体が基材樹脂に表面に染み出したとしても、蓄熱材がカプセル内に内包されている状態では、理論的には該蓄熱材は酸化劣化することがない。ただし、マイクロカプセルの皮膜は、上述のとおり、物理的な圧力や、熱環境下において破壊することがある。そしてカプセル外に流出した蓄熱材は、上述に述べたとおり、酸化劣化して蓄熱性能の低下を引き起こし問題であった。またマイクロカプセルがシート表面に染み出たことにより該シート表面にべたつきが生じてしまう場合がある。
本発明は、上述する問題に鑑みなされたもので、蓄熱性能が高く、且つ、その蓄熱性能が良好に維持することができる蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体を提供することを目的とするものである。
本発明者は、蓄熱材を担持した基材樹脂層の少なくとも片面側に保護層を設けることにより、基材樹脂層内に空気(酸素)が浸透し難い構造とし、同時に、蓄熱材が基材樹脂層の外に染み出した場合であっても、この染み出した蓄熱材を保護層と基材樹脂層との間に留めて空気と直接接触することを防止することによって、蓄熱材が酸化劣化し難い構造を実現し、蓄熱性能を長期間維持することが可能な蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体を完成した。
即ち本発明は、
(1)熱可塑性樹脂中に蓄熱材が添加されて形成される基材樹脂層と、上記基材樹脂層の少なくとも片面側に設けられるJIS K 7126で測定される酸素ガス透過度が3500(CC/m ・24hr・atm)以下である表面保護層とを有し、示差走査熱量計(DSC)で測定される融解熱量が10〜70℃の間で10J/g以上であることを特徴とする蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体、
(2)上記基材樹脂層中に、上記熱可塑性樹脂100質量部に対して、上記蓄熱材40乃至260質量部が添加されていることを特徴とする上記(1)に記載の蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体、
(3)上記熱可塑性樹脂がポリ塩化ビニル系樹脂であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体、
を要旨とするものである。
本発明の蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体において、表面保護層を設けたことによる第一の効果は、基材樹脂層から蓄熱材が染み出した場合であっても、染み出した蓄熱材を基材樹脂層と保護層との境界に留めることが可能であるという点にある。このように2つの層間に存在する蓄熱材は、空気に直接晒されることがなく酸化劣化が抑制される。したがって基材樹脂層から染み出した蓄熱材であっても、良好に蓄熱性能を発揮することが可能であり、結果として本発明の蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体の蓄熱性能を良好に維持することができる。
本発明の蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体は、表面保護層を設けたことによる第二の効果として、基材樹脂層への空気(酸素)の浸透防止効果を挙げることができる。これにより、基材樹脂層中に担持される蓄熱材の酸化劣化を効果的に防止することができる。これは直接、基材樹脂中に練り込まれた蓄熱材、あるいは、マイクロカプセルの皮膜の破壊により流出した蓄熱材のどちらにおいても享受される効果である。
特に、上記表面保護層が、JIS K 7126で測定される酸素ガス透過度が3500(CC/m2・24hr・atm)以下である本発明の蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体であれば、表面保護層を介して基材樹脂層に到達する酸素濃度を著しく低下させることができるので、基材樹脂層内に担持される蓄熱材、あるいは基材樹脂層から染み出して基材樹脂層と保護層間に留まっている蓄熱材が酸素と接触して酸化劣化することを非常に効果的に防止することができる。
また表面保護層を設けることにより、基材樹脂層一層よりなる従来の蓄熱性シート状成形体に比べて、成形体自体の耐熱性向上が図られている。これにより、特に、蓄熱材をマイクロカプセルに内包させて用いる実施態様において、熱環境の要因によるマイクロカプセルの皮膜の破壊が効果的に防止される。
また特に、基材樹脂層を構成する熱可塑性樹脂としてポリ塩化ビニル系樹脂を用いる本発明では、さらなる効果が発揮される。
即ち、基材樹脂層に蓄熱材を内包するマイクロカプセルを高比率で含有させる場合であっても、シート状成形体の加工適性を損なうことがない。より詳しく述べると、マイクロカプセルを高比率で基材樹脂に練り込む際に、基材樹脂(即ちポリ塩化ビニル系樹脂)の粘度があまり高くならず、練り込み作業を容易に行うことができる。加えて、上記練り込み作業時に、マイクロカプセル同士が凝集して早期に沈降してしまうことがない。したがって、マイクロカプセルの含有率の高いシート成形体であっても、成形工程が容易であり、加工適性に優れている。
また、上記熱可塑性樹脂としてポリ塩化ビニル系樹脂を用いる本発明では、基材樹脂層中に充填剤を多量に添加することが可能であり、所望の性状のシート成形体を設計し易いというメリットを有する。例えば、基材樹脂層中に可塑剤を添加することにより硬いシートから柔軟性を有するシートまで、広範囲に、用途に合ったシート成形体を提供することが可能となる。
その上、ポリ塩化ビニル系樹脂により成形されたシートは一般に印刷適正に優れているため、ポリ塩化ビニル系樹脂により構成される基材樹脂層の表面に所望の図柄を印刷し、且つ、透明あるいは半透明の保護層を該印刷面に積層することにより、意匠性をもたせた蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体を提供することができる。
本発明の蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体は、上述のとおり、熱可塑性樹脂中に蓄熱材が添加されて形成される基材樹脂層と、上記基材樹脂層の少なくとも片面側に設けられる表面保護層とから構成され、示差走査熱量計(DSC)で測定される融解熱量が10〜70℃の間で10J/g以上であることを特徴とする。以下、本発明の最良の形態について、詳細に説明する。
(基材樹脂層について)
熱可塑性樹脂:
まず本発明における基材樹脂層を構成する熱可塑性樹脂について説明する。上記熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合、スチレン・ブタジエン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、1,2−ポリブタジエン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、酢酸セルロース樹脂、セロファン、セルロイド樹脂等が挙げられる。これらは2種以上を組み合わせて用いても良い。この中でも特に加工特性が良く、蓄熱材を内包したマイクロカプセルの分散性が良好であるなどの観点からはポリ塩化ビニル系樹脂を用いることが好ましい。
上記ポリ塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルモノマーの単独重合体、塩化ビニルモノマーと、酢酸ビニルモノマー、アクリロニトリルモノマーなどのポリ塩化ビニルモノマーと共重合可能なモノマーとの共重合体を使用することができる。
これらポリ塩化ビニル系樹脂の調整方法は、例えば、エマルジョン重合法(乳化重合法)、マイクロサスペンジョン重合法、ソープフリーエマルジョン重合法、サスペンジョン重合法(懸濁重合法)などを例示することができる。中でも、樹脂中に充填剤を多量に入れることができ、可塑剤との混合によりペーストプラスチゾルを形成することが可能であるという観点からはエマルジョン重合法により調整されることが好ましい。
尚、上記熱可塑性樹脂は、シート状成形体を製造する際にボイドの発生をより確実に防止するという観点から、溶剤分を含有しないものを使用することが好ましい。
蓄熱材:
蓄熱材は単位体積当たりの蓄熱量が大きく、安全で腐食しにくく、融解と凝固を繰り返しても安定して放熱と蓄熱作用が得られるとともに、安価であるパラフィン、有機酸、アルコール、シクロパラフィン系及び芳香族系等を用いることが好ましく、特に熱への安定性の観点からパラフィン系のテトラデカン、オクタデカン、エイコサン、ペンタコサン、トリコンタン、有機酸系(脂肪酸)のステアリン酸、アルコール系セチルアルコール等を用いることがより好ましい。このような蓄熱材は、使用目的に応じて適宜選択可能であり、例えば、目的の温度範囲に融点を有する1種の蓄熱材を選択して用いたり、2種以上の蓄熱材を混合して用いたりすることも可能である。
マイクロカプセル:
上記蓄熱材は、基材樹脂層を構成する熱可塑性樹脂に直接練り込んで使用することもできるし、あるいは、マイクロカプセル内に上記蓄熱材を内包させ、これを熱可塑性樹脂に混合させることもできる。
上記マイクロカプセルとは、皮膜の内側に蓄熱材を内包することのできる微小な粒子である。マイクロカプセルの皮膜を形成する膜材としては特に制限されず、例えば、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアクリルアミド、エチルセルロース、ポリウレタン、アミノプラスト樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。これらの膜剤は、単独であるいは混合して皮膜を形成することができる。特にユリア樹脂及び/またはメラミン樹脂により形成された皮膜が好ましい。また、蓄熱材をマイクロカプセル化する方法としては特に制限されず、適宜公知の方法を採用することができる。なお、このような蓄熱材を内包したマイクロカプセルとしては、市販されている蓄熱材を内包したマイクロカプセルを適宜用いてもよい。
蓄熱材を内包するマイクロカプセルは、一般的には平均粒子径が1〜100μm、好ましくは5〜50μm程度のサイズのものが用いられる。マイクロカプセルの平均粒子径が1μm未満では、シート状成形体を構成する基材樹脂中に混合せしめた際に、該樹脂の粘度が高くなり過ぎて加工性が低下する傾向にあり、他方、マイクロカプセルの平均粒子径が100μmを超えると、基材樹脂中に均一に混合させることが困難であるためシート状成形体に均一に分散し難くなる傾向にある。
蓄熱材の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して40〜260質量部であることが好ましく、50〜200質量部であることがより好ましい。蓄熱材の添加量が40質量部未満では、得られるシート状成形体において充分な蓄熱性が得られず、他方、260質量部を超えると、シート状成形体を成形するために調製される蓄熱性熱可塑樹性脂組成物の粘度が高くなってシート加工適性が低下する傾向にある。上記蓄熱材の好適な添加量の範囲は、蓄熱材がマイクロカプセルに封入されているか否かにかかわらず同様である。
蓄熱性熱可塑樹性脂組成物:
上述する熱可塑性樹脂及び蓄熱材を用いて本発明のシート状成形体を成形する場合には、これらをまず配合し、蓄熱性熱可塑樹性脂組成物として扱うことが一般的である。上記樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、蓄熱材及び任意の他成分を好ましい含有量となるように計量して配合し、混合攪拌することで製造することができる。このような混合攪拌の方法は特に制限されるものではなく、樹脂の組成、粘度、各成分の添加量等により適宜選定することができ、具体的には、ディゾルバーミキサー、ホモミキサー等の攪拌機を用いる方法が例示される。
また、前述のようにして混合攪拌された樹脂組成物に対し、必要に応じて未分散のマイクロカプセル等の固まりを除去するために濾過を行ってもよい。このような濾過を行うことで、より均質な蓄熱性熱可塑樹性脂組成物を得ることができる。さらに、前述のような混合攪拌で液中に生じた気泡は減圧下で脱泡を行うことがより好ましい。このような脱泡を行うことで、得られる蓄熱性熱可塑樹性脂組成物を用いて製造される蓄熱性熱可塑樹性脂シート状成形体に気泡が生じることを防止することが可能となる。
蓄熱性熱可塑性樹脂組成物における他の添加剤:
上記蓄熱性熱可塑樹性脂組成物には、熱可塑性樹脂及び蓄熱材以外の他の成分を適宜、配合させることができる。例えば、シート状成形体に難燃性を付与するために難燃剤を含有させても良い。難燃剤としては、金属水酸化物、赤燐、ポリ燐酸アンモニウム、燐酸エステル系化合物、燐酸アンモン、炭酸アンモン、錫酸亜鉛、トリアジン化合物、メラニン化合物、グアニジン化合物、硼酸、硼酸亜鉛、炭酸亜鉛、モリブデン化合物、ハイドロタルサイト等が挙げられる。これら難燃剤は単独で使用しても、2種以上組み合わせて使用してもよい。
上記難燃剤の中でも特に、金属水酸化物が好ましい。金属水酸化物は、他の難燃剤と比較して樹脂との相溶性が高く、200℃以上で結晶水の解離反応が起こり、大きな吸熱を伴うことにより自己消化性を示すことから難燃性が高く、好ましい。金属水酸化物は具体的には水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム等が挙げられる。
このような金属水酸化物の大きさ、形状等は特に制限されるものではないが、形状としては球状又は擬球状であることが好ましい。
さらに、上記樹脂組成物には、これを用いて成形されるシート状成形体の要求性能に応じて、触媒、可塑剤、酸化防止剤、耐候安定剤、耐熱安定剤などの充填剤をその充填量を調整して配合することが可能であり、またシート加工性を向上させるための湿潤分散剤、減粘剤等を適宜添加してもよい。
上記可塑剤としては、通常の熱可塑性樹脂の可塑剤として用いられる化合物を適宜、用いることができる。例えば基材樹脂層を構成する熱可塑性樹脂としてポリ塩化ビニル系樹脂を選択する場合には、フタル酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤等が使用できる。
上記フタル酸エステル系可塑剤としては、具体的にはジ−2−エチルヘキシルフタレート(DEHP、DOP)、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジウンデシルフタレート(DUP)、ジブチルベンジルフタレート(DBBP)等が挙げられる。
上記リン酸エステル系可塑剤として具体的にトリクレジルフォスフェート(TCP)、トリキシレニルフォスフェート(TXP)、トリエチルホスフェート(TEP)、トリブチルホスフェート(TBP)、トリオクチルトリメリテート(TOTM)等が挙げられる。
また、上記エポキシ系可塑剤としては植物油エポキシ化物、エポキシ樹脂等が使用でき、植物のエポキシ化物としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等が挙げられ、エポキシ樹脂としては、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシステアリン酸メチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸エチルヘキシル、トリス(エポキシプロピル)イソシアヌレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビニルジシクロヘキセンジエポキサイド、2,2−ビス(4−ヒドロキフェニル)プロパンとエピクロルヒドリンの重縮合物等が挙げられる。
また、上記のフタル酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤の他、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジオクチルアジペート等のアジピン酸エステル系可塑剤、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルセバケート等のセバチン酸エステル系可塑剤、ジ-2−エチルヘキシルアゼレート、ジオクチルアゼレート等のアゼラインエステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ポリプロピレンアジペート等のポリエステル系可塑剤、塩素化パラフィン等の可塑剤も使用できる。
上述する可塑剤は、単独で使用しても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。
上記可塑剤の添加量は、特に制限されるものではないが、ポリ塩化ビニル系樹脂などの基材樹脂層構成樹脂100質量部に対し、25〜150質量部、好ましくは60〜100質量部である。可塑剤の添加量が25質量部未満では、ペーストの粘度が高くなって、シート成形あるいは保護層の積層作業が困難になり、良好なシート状成形体が得られにくく、可塑剤の添加量が150質量部を越えると、シートそのものが柔らかくなりすぎ、使用時に軟化し、耐熱性を悪化させる場合がある。
上記安定剤としては、ポリ塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂に一般的に使用されている化合物を使用することができ、具体的にはBa-Zn系、Ca-Zn系、Mg-Zn系、Na-Zn系、K-Zn系、オクチル錫系、ブチル錫系、ホスファイト系、エポキシ系、酸化亜鉛系などの金属安定剤を広範囲に使用することができる。
また上記樹脂組成物に配合される他の添加剤として湿潤分散剤を配合させてもよい。湿潤分散剤としては、熱可塑性樹脂との相溶性を向上させることが可能な官能基と、蓄熱材、蓄熱材が内包されたマイクロカプセルあるいは難燃剤に吸着することが可能な官能基とを有している湿潤分散剤を好適に用いることができる。このような湿潤分散剤を用いると、蓄熱材、蓄熱材が内包されたマイクロカプセルあるいは難燃剤の粒子の表面に湿潤分散剤が吸着され、それにより大きな電荷を持たせることができ、蓄熱材、蓄熱材が内包されたマイクロカプセルあるいは難燃剤同士の静電反発力を高めて凝集を防止できる。さらに、粒子表面に吸着されている湿潤分散剤同士の立体反発力によっても、蓄熱材、蓄熱材が内包されたマイクロカプセルあるいは難燃剤の凝集が防止できる。その結果、蓄熱材、蓄熱材が内包されたマイクロカプセルあるいは難燃剤を高比率で含有することができるのである。
このような湿潤分散剤としては、硼酸基及び/又は燐酸基を有する飽和ポリエステル系コポリマー、多価アルコール有機酸エステル、特殊アルコール有機酸エステル、ウレタン変性アクリルコポリマー、高分子量ポリエステル、ポリカルボン酸共重合体、アリルアルコールと無水マレイン酸とスチレン共重合物とポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとのグラフト化物、ポリアクリル酸アンモニウム塩、アクリル共重合物アンモニウム塩、シリコン系ポリマーエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
このような湿潤分散剤の中でも、蓄熱材、蓄熱材が内包されたマイクロカプセルあるいは難燃剤に吸着して、蓄熱材、蓄熱材が内包されたマイクロカプセルあるいは難燃剤と熱可塑性樹脂組成物との相溶性をより向上させることが可能となるという観点から、硼酸基及び/又は燐酸基を有する飽和ポリエステル系コポリマーを用いることが好ましい。
湿潤分散剤の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.05〜3.0質量部、好ましくは0.1〜2.0質量部である。湿潤分散剤の添加量が0.05質量部未満では、蓄熱材、蓄熱材が内包されたマイクロカプセルあるいは難燃剤等の添加剤との相溶性が低く混練りが困難となり、加工性が低下する。また、湿潤分散剤の添加量が3.0質量部を超えると、蓄熱材、蓄熱材が内包されたマイクロカプセルあるいは難燃剤との相溶性が高く混練りが容易になるが、これ以上入れても効果は変わらないため特に経済的な観点からは湿潤分散材の添加量は上限3.0質量部程度で充分である。
さらに、蓄熱性熱可塑性樹脂組成物には熱伝導性充填剤を組み合わせて用いることも可能である。熱伝導性充填剤としては、金属酸化物、窒化硼素、窒化アルミ等の窒化物、銅、銀、アルミ等の金属粉末、天然黒鉛(燐状、土状、燐片状、塊状等)、人造黒鉛、膨張黒鉛等の黒鉛系を添加することも可能である。
また熱伝導的には必ずしも優れない炭酸カルシウム等の炭酸金属や、クレー、カオリン等の充填剤等を添加することも可能である。
加えて、上記樹脂組成物は、これを用いて成形されるシート状成形体の要求性能に応じて、触媒、酸化防止剤、耐候安定剤、耐熱安定剤等を適宜添加することが可能である。
(表面保護層について)
本発明における表面保護層は、上述のとおり、基材樹脂層から染み出した蓄熱材、あるいは基材樹脂層中に担持されている蓄熱材の酸化劣化を防止することを主目的として、基材樹脂層の少なくとも一方側に積層されるものである。表面保護層が、基材樹脂層の片側面にだけ積層されるか、あるいは両面に積層されるかは、シート状成形体の使用目的、用途分野によって適宜決定してよい。
例えば、壁紙などの化粧シートとして本発明のシート状成形体を用いる場合には、シート状成形体の一方の面は、壁などの対象物と接触することにより使用時において空気と直接に接触することがない。したがって、表面保護層は、基材樹脂層の片側面にのみ設けておき、該保護層面側が、壁面などの対象物とは接触しない側に位置するよう用いることによって、蓄熱材の酸化劣化を充分に防止することができる。
一方、衣料素材、テントシートなど、両面が空気層と接触することが予定される使用態様では、基材樹脂層の両面側に表面保護層が設けられていることが望ましい。
表面保護層のガスバリヤ性:
本発明における表面保護層は、JIS K 7126に基づいて測定される酸素ガス透過度が3500(CC/m・24hr・atm)以下であるが、50(CC/m・24hr・atm)以下であることが望ましい。本発明における表面保護層は、その存在により、基材樹脂層と表面保護層との境界面にとどまる蓄熱材あるいは、基材樹脂層内に担持される蓄熱材の酸化劣化を防止することができるが、該表面保護層の酸素ガス透過度が上記好ましい範囲にあることにより、この酸化劣化防止効果をより好ましく享受することができる。
表面保護層形成用組成物:
上記表面保護層は、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アルキド系樹脂、エポキシ系樹脂、などの塗料を用いて、これを表面保護層形成用組成物として使用することができる。上記塗料としては無溶剤塗料、溶剤系塗料、水系塗料のいずれを用いてもよく、熱硬化型または紫外線硬化型の塗料であることが望ましい。
上記アクリル樹脂系塗料を用いて形成された表面保護層は、耐候性に優れており、且つ耐アルカリ性が良好である。特に、熱硬化あるいは紫外線硬化により架橋構造を形成することが可能なアクリル系樹脂塗料により形成された表面保護層は、耐熱性、耐候性、ガスバリヤ性に優れている。
上記セルロース系樹脂塗料を用いて形成された表面保護層は、耐熱性、耐アルカリ性が良好である。
上記ウレタン系樹脂塗料を用いて形成された表面保護層は、上記アクリル系樹脂塗料により形成された表面保護層の特徴である、耐候性、耐熱性に加えて密着性の点でも優れている。
上記シリコーン系樹脂塗料は、ウレタン系樹脂の特徴に加えてより密着性に優れ、架橋構造である為、耐候性、耐汚性に優れている。
上記フッ素系樹脂塗料により形成された表面保護層は、密着性に優れ、熱、紫外線、耐候性、耐薬品性に優れている。
上記アルキド系樹脂塗料により形成された表面保護層は、速乾性であり耐油性、耐候性に優れている。
上記エポキシ系樹脂塗料により形成された表面保護層は、耐薬品性、耐摩耗性に優れ、高強度である。
上述する塗料は、本発明の蓄熱性熱可塑性シート状成形体の用途に応じた望ましい性質が表面保護層において発揮されるよう、適宜選択して使用することができる。特に耐熱性、耐候性の優れた表面保護層を形成できるという観点からは、架橋型アクリル系樹脂塗料、ウレタン系樹脂塗料、またはシリコーン系樹脂塗料が好ましく用いられ、中でも架橋型アクリル系樹脂塗料が特に好ましい。架橋型アクリル系樹脂は、一般的に溶剤への分散性が良いため均一な塗料(組成物)が得られ、その結果、架橋型アクリル系樹脂塗料により形成された表面保護層は、性状が均一であり好ましい。またその架橋構造により耐熱性に優れ、本発明のシート状成形体の表面保護層として好適である。
上記表面保護層成形用組成物には、必要に応じて、本発明の蓄熱性能を損なわない範囲において、上記蓄熱性熱可塑樹性脂組成物に添加されるものと同様の触媒、可塑剤、酸化防止剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、充填剤、加工性を向上させるための湿潤分散剤、減粘剤等の添加剤を適宜添加することが可能である。
表面保護層成形用組成物の調製は、上記蓄熱性熱可塑樹性脂組成物の場合と同様、デイゾルバーミキサーなどの混合攪拌機で均質混合させることにより行われる。必要に応じて、未分散物を取り除く目的で濾過することも、気泡を取り除く目的で減圧脱泡することも任意に実施できる。
また、本発明にかかる表面保護層として、シートを用い、これを基材樹脂層に積層させることもできる。基材樹脂層へ積層するシートとしては、上述する塗料に用いられる樹脂材料により形成されるシートの他に、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリイミド系、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ナイロン系、アクリロニトリル共重合体などから成形されたシートを挙げることができる。
(蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体の成形方法について)
本発明のシート状成形体は、少なくとも基材樹脂層と表面保護層とからなる2層の積層構造を有する。以下に、基材樹脂層の成形方法、表面保護層の成形方法、これら2層の積層方法について順に説明する。
基材樹脂層の成形方法:
本発明における基材樹脂層は、上記蓄熱性熱可塑性樹脂組成物を用いて、押出成形、カレンダー成形、プレス成形等の公知の手段によってシート状に加工すればよく、あるいは、ポリ塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂を主成分とするペーストプラスチゾルを、基材(離型性を有する紙またはフィルム)にコーティングして加熱固化させる方法などによりシート状に形成してもよい。特に、蓄熱材をマイクロカプセルに内包させて用いる場合には、シート成形時において加圧工程を経ると、該マイクロカプセルの皮膜が破壊する虞があるので、上記後段に記載するように樹脂剤を基材にコーティングして固化させる方法が好ましい。より具体的には、上記蓄熱性熱可塑性樹脂組成物をポリエステルフィルム等のセパレータフィルムの上にコーティングし、140℃〜190℃の温度条件下で1〜5分間加熱することによって固化させる方法を挙げることができる。またコーティング後、紫外線を照射して、樹脂を重合させることによって硬化させてもよい。
本発明における基材樹脂層の厚さは、求められる蓄熱性能や本発明の用途などによって適宜決定することができるが、一般的には、0.5mm以上であることが好ましい。上記厚さが0.5mm未満では、充分な蓄熱性を達成できない虞があるからである。一方、基材樹脂層の厚みの上限は、その用途分野において適宜決定される。
表面保護層の成形方法:
本発明における表面保護層は、上記表面保護層成形用組成物を用いて、押出成形、カレンダー成形、プレス成形等の公知の手段によってシート成形することができ、あるいは、上記樹脂から選ばれる少なくとも1つを主成分とする塗料を、基材(離型性を有する紙またはフィルム)にコーティングし、加熱固化させることにより塗膜成形してもよい。
上記表面保護層の厚みは、0.1μm以上100μm以下であることが好ましく、1μm以上70μm以下であることがより好ましい。表面保護層の厚みを1μm以上とすることで、シート状成形体に好ましい耐熱性を付与することが可能であり、また、基材樹脂層から染み出してきた蓄熱材が、さらに保護層を介してシート状成形体の表面に染み出すことを防止することができる。また蓄熱材の酸化劣化を防止し、あるいは蓄熱材の染み出しを防止するという観点では、表面保護層は厚く形成されるほうが良いが、電子機器における発熱部分などにシート状成形体を被覆させて使用する場合などには、表面保護層の厚みが70μmを超えると、作業性が悪くなる上、被覆部分との密着性が悪くなり、充分な蓄熱性能が発揮されない虞がある。したがって、表面保護層の厚みは、本発明のシート状成形体の用途分野などを勘案し、適した厚みに設計されることが望ましい。
基材樹脂層と表面保護層の積層方法:
上述のとおり、基材樹脂層及び表面保護層は、それぞれ組成物を、押出成形方法などの従来公知の方法によりシート成形するか、あるいは、基材面に塗布してこれを固化させて塗膜を形成する方法により成形することができる。加えて、表面保護層としては、本発明に好適な樹脂で構成される市販のシートを適宜選択して用いることもできる。これら基材樹脂層と表面保護層とを積層させる方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の樹脂層を積層する方法を適宜選択して実施することができる。
例えば、一つの積層方法としては、基材樹脂層あるいは表面保護層のどちらか一方を、押出成形等によってシート状に成形しておき、これを基材として、その一方の面に、他方の層を成形するための組成物をコーティングして固化させて両者を積層させることができる。もちろん、基材樹脂層の両面に表面保護層を備える本発明を作成する場合には、一層の表面保護層と基材樹脂層とからなる2層構造を作成した後、さらに基材樹脂層の露出する側の面に、表面保護層成形用組成物をコーティングして固化させ、3層のシート状成形体を作成することができる。
また別な方法として、基材樹脂層と表面保護層とをそれぞれ押出成形等によってシート状に成形し、これらを接着剤を用いて接着させて積層させ、あるいは各層を軟化点以上に加熱した後、両者を重ね合わせて熱融着させることによっても積層形成することができる。また、共押出により基材樹脂層と保護層との積層体を1工程で作成することも可能である。
またさらなる別の積層方法として、離型性を有する紙またはフィルム上に表面保護層成形用組成物を適宜手法により所定厚みにコーティングし、加熱固化して表面保護層の塗膜を成形した後、この表面保護層上に、蓄熱性熱可塑樹性脂組成物を適宜手法により所定厚みにコーティングし、加熱固化して基材樹脂層を成形し、その後、上記の剥離紙またはフィルムより剥離することにより、2層積層体を成形することもできる。もちろん、さらに上記基材樹脂層の上面に表面保護層成形用組成物を適宜手法により所定厚みにコーティングし、加熱固化して表面保護層を積層し、基材樹脂層の両面に表面保護層が積層されてシート状成形体を成形することもできる。
また逆に、はじめに離型性を有する紙またはフィルム上に蓄熱性熱可塑樹性脂組成物を適宜手法により所定厚みにコーティングし、加熱固化して基材樹脂層の塗膜を成形した後、この基材樹脂層上に、表面保護層成形用組成物を適宜手法により所定厚みにコーティングし、加熱固化して基材樹脂層を成形し、その後、上記の剥離紙またはフィルムより剥離することにより、2層積層体を成形することもできる。
さらに別な方法として、基材樹脂層にアクリル系樹脂またはウレタン系樹脂を用いる場合、表面保護層のみを離型性を有する紙またはフィルムにコーティングし、加熱固化させた後に剥離して、表面保護層をシート状に作成した後、この表面保護層の片側面に、別行程で、基材樹脂層をラミネーターなどにより積層させることも可能である。
機能層の追加:
また、本発明の蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体において、その用途に合わせて、表面保護層と基材樹脂層との間に、あるいは、表面保護層と基材樹脂層を積層したものの基材樹脂層側あるいは表面保護層側に、編布、織布、不織布などの繊維質基材による補強層を設けてもよい。
この補強層は、表面保護層と基材樹脂層とからなる積層体の基材樹脂層側に接着剤等で積層させても良いし、補強層の両面に表面保護層、基材樹脂層を順次あるいは同時に積層させることも可能である。この際、表面保護層と基材樹脂層とを軟化点以上に加熱し、熱融着させることもできる。あるいは、表面保護層または基材樹脂層を形成するための組成物を繊維質基材に含浸させた後、固化させて、表面保護層または基材樹脂層を補強形成することもできる。
このような補強層を設ける(あるいは層自体を補強する)ことにより、シート状成形体自体の引裂き強度や引張強度が高まり、使用時の耐久性や寸法安定性を向上させることができる。
また上記補強層の代わりに、あるいは補強層とは別に、また補強層とあわせて、さらにハードコート層、あるいは表面滑性層などの種々の機能層を設けることもできる。
上記ハードコート層は、鉛筆硬度でH以上の硬度を示すものであることが好ましい。ハードコート層により表面が硬質化される為、実使用の際や使用時の擦り傷や打痕などの損傷が発生することを防止することが出来る。また上記表面滑性層は輸送時、使用時のキズ防止に効果がある。尚、ハードコート層、表面滑性層は当該蓄熱性熱可塑性シート状成形体の最外層に設けることが好ましい。積層方法は前記、表面保護層と同様な方法で積層することが可能である。
上述のとおり成形されるシート状成形体は、必要に応じて切断することが可能であり、任意な大きさにカットすることにより蓄熱が必用な部位に用いることが出来る。
シート状成形体の融解熱量:
本発明の蓄熱性熱可塑性樹脂シート成形体は、示差走査熱量計(DSC)で測定される融解熱量が10〜70℃の間で10J/g以上である。これによって、シート状成形体に充分な蓄熱性能が確保される。シート成形体の融解熱量が上記範囲を下回る場合には、例えば厚さ0.1mm、面積1mのシート状成形体では1,000J/枚(0.28Wh)程度の蓄熱量しか発揮されず、蓄熱性能として一般的に、不充分である。
融解熱量が10〜70℃の間で10J/g以上の蓄熱性能を示すシート状成形体を得るためには、基材樹脂層中の蓄熱材の含有量の調整、単位面積当たりの蓄熱材の量の調整、基材樹脂層における他の添加剤との相関関係、保護層と基材樹脂層との層厚みの調整など、種々の要因を挙げられるが、主として基材樹脂層中の蓄熱材の含有量に起因する。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜4)
表1に示す基材樹脂層構成材料と、表2に示す蓄熱材を、表5における基材樹脂層(実施例1〜4)の欄において示す割合で配合して混合攪拌した後、減圧下において充分に脱泡し蓄熱性熱可塑樹性脂組成物を調製し、コーティングにより厚み100μmの基材樹脂層を成形した。次いで、表3に示す表面保護層成形用組成物1を表5における表面保護層(実施例1〜4)の欄において示す割合でそれぞれ調整し、上記基材樹脂層の一方の面にコーティングし、180℃のオーブン中で3分間加熱することにより硬化させ、その後、常温にて24時間放置することにより養生して、厚み15μmの表面保護層を成形し、蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体を作成し、実施例1〜4とした。
(実施例5及び6)
表1に示す基材樹脂層構成材料と、表2に示す蓄熱材を、表5における基材樹脂層(実施例5、6)の欄において示す割合で配合して混合攪拌した後、減圧下において充分に脱泡し蓄熱性熱可塑樹性脂組成物を調製し、コーティングにより厚み100μmの基材樹脂層を成形した。次いで、上記基材樹脂層の片側面に表4に示す表面保護層用シート1を各層の軟化点以上に加熱した後、両者を重ね合わせて熱融着させて積層させ、2層構造のシート状成形体を作成し実施例5及び実施例6とした。
(実施例7)
表1に示す基材樹脂層構成材料と、表2に示す蓄熱材を、表5における基材樹脂層(実施例7)の欄において示す割合で配合して混合攪拌した後、減圧下において充分に脱泡し蓄熱性熱可塑樹性脂組成物を調製し、コーティングにより厚み100μmの基材樹脂層を成形した。次いで、上記基材樹脂層の両側面に表4に示す表面保護層用シート1を各層の軟化点以上に加熱した後、基材樹脂と表面保護層を重ね合わせて熱融着させて積層させ、基材樹脂層の両側面に表面保護層が積層された3層構造のシート状成形体を形成し、実施例7とした。
(実施例8)
表1に示す基材樹脂層構成材料と、表2に示す蓄熱材を、表5における基材樹脂層(実施例8)の欄において示す割合で配合して混合攪拌した後、減圧下において充分に脱泡し蓄熱性熱可塑樹性脂組成物を調製し、コーティングにより厚み100μmの基材樹脂層を成形した。次いで、上記基材樹脂層の片側面に表4に示す表面保護層用シート2を各層の軟化点以上に加熱した後、両者を重ね合わせて熱融着させて積層させ、2層構造のシート状成形体を作成し実施例8とした。
(実施例9)
表1に示す基材樹脂層構成材料と、表2に示す蓄熱材を、表5における基材樹脂層(実施例9)の欄において示す割合で配合して混合攪拌した後、減圧下において充分に脱泡し蓄熱性熱可塑樹性脂組成物を調製し、コーティングにより厚み100μmの基材樹脂層を成形した。次いで、上記基材樹脂層の片側面に表4に示す表面保護層用シート3を各層の軟化点以上に加熱した後、両者を重ね合わせて熱融着させて積層させ、2層構造のシート状成形体を作成し実施例9とした。
(実施例10)
表1に示す基材樹脂層構成材料と、表2に示す蓄熱材を、表5における基材樹脂層(実施例10)の欄において示す割合で配合して混合攪拌した後、減圧下において充分に脱泡し蓄熱性熱可塑樹性脂組成物を調製し、コーティングにより厚み100μmの基材樹脂層を成形した。次いで、上記基材樹脂層の片側面に表4に示す表面保護層用シート3を各層の軟化点以上に加熱した後、両者を重ね合わせて熱融着させて積層させ、2層構造のシート状成形体を作成し実施例10とした。
(比較例1〜2)
表1に示す基材樹脂層構成材料と、表2に示す蓄熱材を、表6における基材樹脂層(比較例1、2)の欄において示す割合で配合して混合攪拌した後、減圧下において充分に脱泡し蓄熱性熱可塑樹性脂組成物を調製し、コーティングにより厚み100μmの基材樹脂層を成形し、これに保護層を積層することなしに、1層のみからなる蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体を作成し、比較例1及び比較例2とした。
(比較例3)
また表1に示す基材樹脂層構成材料と、表2に示す蓄熱材を、表6における基材樹脂層(比較例3)の欄において示す割合で配合して混合攪拌した後、減圧下において充分に脱泡し蓄熱性熱可塑樹性脂組成物を調製し、コーティングにより厚み100μmの基材樹脂層を成形した。次いで、表3に示す表面保護層成形用組成物1を表6における表面保護層(比較例3)の欄において示す割合で調整し、上記基材樹脂層の一方の面にコーティングし、180℃のオーブン中で3分間加熱することにより硬化させ、その後、常温にて24時間放置することにより養生して、厚み15μmの表面保護層を成形し、蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体を作成し、比較例3とした。
(実施例及び比較例の評価)
上述のとおり作成した実施例1〜10及び比較例1〜3について、その蓄熱性能の評価及び、加熱試験前後の蓄熱性能維持率の評価を下記のとおり行った。尚、実施例の評価結果については表5において、比較例の評価結果については表6において、それぞれ示した。
(評価1)シート状成形体の蓄熱性能の評価
実施例1〜10及び比較例1〜3それぞれを、200mm角の大きさにカットして試験片を作成した。そして該試験片について、DSC6200(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)を用いて走査により融解熱量(J/g)を測定した。このような測定の結果、蓄熱量が10〜70℃の間で10(J/g)以上となる蓄熱性シート状成形体を合格とし、それ以外のものを不合格とした。
(評価2)蓄熱性能の維持率の評価試験
蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体が、加熱環境下において長期間使用されることによっても、その蓄熱性能が維持されるか否かを評価するために以下の試験を行った。
まず、実施例1〜10及び比較例1〜3それぞれを、200mm角の大きさにカットした。そして、DSC6200(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)を用いて走査により融解熱量(J/g)を測定し、10〜70℃の間での融解熱量Aを得た。
一方、実施例1〜10及び比較例1〜3それぞれを、同様にシート状成形体を同様に200mm角の大きさにカットし、これを60℃のオーブン中に500時間置いて加熱試験に供した。加熱試験終了後、オーブンから試験片を取り出してDSC6200(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)を用いて走査により融解熱量(J/g)を測定し、10〜70℃の間での融解熱量Bを得た。このようにして得られた融解熱量Aおよび融解熱量Bを用いて以下の式1により算出することによって、上記加熱試験前後の融解熱量(J/g)を比較し、実施例及び比較例各々の融解熱量(J/g)変化率を求め、耐熱性を評価した。評価基準は下記の通りである。
変化率(%)=(A−B)/A×100 (式1)
〔評価基準〕
◎:融解熱量(J/g)変化率が10%以下であった
○:融解熱量(J/g)変化率が11〜20%以下であった
△:融解熱量(J/g)変化率が21〜40%以下であった
×:融解熱量(J/g)変化率が41%以上であった
(表1)
基材樹脂層構成材料
Figure 0005192199
(表2)
Figure 0005192199
(表3)
表面保護層形成用組成物1
Figure 0005192199
* 表3において示される酸素ガス透過度は、アクリル系樹脂100質量部、架橋剤5質量部を含有する表面保護層形成用組成物1を用いて成形された厚さ15μmのシートの酸素ガス透過度を測定した結果である。
(表4)
Figure 0005192199
Figure 0005192199
(表6)
Figure 0005192199
*表中、数値はいずれも質量部を表す。
実施例1〜10は、いずれの蓄熱性能も高く、評価1において合格であった。またその高い蓄熱性能は、加熱試験を受けても良好に維持されることが評価2において示された。特に、酸素ガス透過度の低い表面保護層を設けた実施例1〜8においては、長期に亘って使用した場合においても初期の蓄熱性能が維持されるため好ましい。
一方、比較例1、2は、蓄熱性能が高いことが評価1で示された。しかしながら、保護層を備えず、基材樹脂層1層から構成される比較例1及び2は、いずれも、加熱試験によって蓄熱性能が著しく低下することが評価2で示された。この結果により、保護層を有しない比較例1及び2では、加熱試験を経ることで蓄熱材が酸化劣化し、蓄熱性能が低下したことが示唆された。比較例3は、基材樹脂層中に含有される蓄熱材の量が少量であることから、充分な蓄熱性能は示されなかった。

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂中に蓄熱材が添加されて形成される基材樹脂層と、
    上記基材樹脂層の少なくとも片面側に設けられるJIS K 7126で測定される酸素ガス透過度が3500(CC/m ・24hr・atm)以下である表面保護層とを有し、
    示差走査熱量計(DSC)で測定される融解熱量が10〜70℃の間で10J/g以上であることを特徴とする蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体。
  2. 上記基材樹脂層中に、上記熱可塑性樹脂100質量部に対して、上記蓄熱材40乃至260質量部が添加されていることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体。
  3. 上記熱可塑性樹脂がポリ塩化ビニル系樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の蓄熱性熱可塑性樹脂シート状成形体。
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