JP6517909B1 - 蓄冷/蓄熱シート及び蓄冷/蓄熱シート生成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
やプレスの際にできる空気層により、表面にクレータ状の大きな孔が形成されてしまい、処理対象物との接触面積の減少や製品の性能低下の原因となってしまう。上記に示す特許文献2は、エンボスシートでラミネートすることで空気を排除するものであるが、この技術は、太陽電池モジュールを製造するためのものであり、蓄熱/蓄冷に関するものではない。
本実施形態に係る蓄冷/蓄熱シートについて、図1ないし図4を用いて説明する。本実施形態に係る蓄冷/蓄熱シートは、熱可塑性樹脂に、状態変化により蓄冷及び蓄熱を可能とする蓄冷/蓄熱材料が内包されたマイクロカプセルと、このマイクロカプセルよりも熱伝導率が高い熱伝導材料とが混合されて形成されるシート体と、シート体の一方の面に配設され、マイクロカプセル及び熱伝導材料よりも熱伝導率が高い熱伝導シートとを備えるものである。なお、熱可塑性樹脂として、例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン樹脂等を用いることができる。また、熱伝導材料として、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等を用いることができる。
残留した空気が表面に出現した場合であっても、その空気を排除してクレータ状の孔をなくすことができる。また、シートで押圧する際に生じる空気層も同様に排除することが可能となる。
(本発明の第2の実施形態)
本実施形態に係る蓄冷/蓄熱シートについて説明する。本実施形態に係る蓄冷/蓄熱シートは、熱可塑性樹脂をゲル状のシリコーン樹脂とし、それにマイクロカプセルと熱伝導性材料とを混合して形成されるものである。このとき、マイクロカプセルの混合比率をシリコーン樹脂の80%以下(シリコーン樹脂の重量に対して、マイクロカプセルの重量を80%以下)とすることで、シートに自己粘着性を生じさせるものである。なお、本実施形態において、前記第1の実施形態と重複する説明は省略する。
本実施形態に係る蓄冷/蓄熱シートについて、図5ないし図7を用いて説明する。なお、本実施形態において、前記各実施形態と重複する説明は省略する。
マイクロカプセル11の混合割合に対する蓄冷効果を確認した。図8は、マイクロカプセルの混合割合を変えた場合の室温に対する蓄冷効果を示すグラフである。室温を60度に保った状態で、マイクロカプセル11の混合比率をシリコンに対して、0%、10%、20%、30%、40%、50%、60%と異ならせたシートを作成し、それぞれの温度変化を測定した。
シート体の一方の面に熱伝導シートを貼着した場合の蓄冷効果を確認した。図9は、熱伝導シートの有無に応じた室温に対する蓄冷効果を示すグラフである。室温を60度から0度まで下げた場合に、
(A)マイクロカプセル11の混合比率50%のシート体の一方の面にアルミシートを貼着したもの(以下、「Alシート」という)
(B)マイクロカプセル11の混合比率50%のシート体の一方の面にアルミシートを貼
着して窒化アルミニウムを10%混合したもの(以下、「Alシート+Al10%」とい
う)
(C)マイクロカプセル11の混合比率50%のシート体としたもの(以下、「なし」と
いう)
のそれぞれについて、温度変化を測定した。
、(A)「Alシート」、(C)「なし」の順に冷却され、最終的な温度もこの順に低く
なっていることがわかる。
粘度が低いポッティング用シリコーンにマイクロカプセル11のフィラーを混合して感触による吸着力を確認した。シリコーンだけの場合は柔らか過ぎて破れてしまうが、マイクロカプセルフィラーを混合することで硬度が上がり破れにくくなる。図10は、マイクロカプセルフィラーの混合率に対する蓄冷効果及び吸着力の結果を示す図である。蓄冷効果は、マイクロカプセル11の割合が増えるに連れて効果が上がり、80%以上になると、マイクロカプセルの混合自体が困難となる。一方、吸着力はマイクロカプセル11の割合が増えるに連れて下がり、80%程度以上になるとほぼ自己粘着力がなくなってしまう。
11 マイクロカプセル
12 窒化アルミニウム
15 シート体
16 伝熱シート
Claims (10)
- ゲル状のシリコーン樹脂で構成される熱可塑性樹脂に、状態変化により蓄冷及び蓄熱を可能とする蓄冷/蓄熱材料が内包されたマイクロカプセルと、当該マイクロカプセルよりも熱伝導率が高い熱伝導材料とが混合されて形成されるシート体と、
前記シート体における熱源側と反対側の面に配設され、前記マイクロカプセル及び前記熱伝導材料よりも熱伝導率が高い熱伝導シートとを備え、
前記マイクロカプセルが前記シリコーン樹脂に対して80%以下の割合で混合されていることを特徴とする蓄冷/蓄熱シート。 - 請求項1に記載の蓄冷/蓄熱シートにおいて、
少なくとも前記熱伝導シートが配設される側の面にエンボス加工がなされていることを特徴とする蓄冷/蓄熱シート。 - 請求項1又は2に記載の蓄冷/蓄熱シートにおいて、
前記熱伝導性材料が前記熱可塑性樹脂に対して10%以下の割合で混合されていることを特徴とする蓄冷/蓄熱シート。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の蓄冷/蓄熱シートにおいて、
前記マイクロカプセルの周囲に前記熱伝導材料が付着していることを特徴とする蓄冷/蓄熱シート。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の蓄冷/蓄熱シートにおいて、
前記熱伝導材料が、前記蓄冷/蓄熱シートの深さ方向に異なる割合で混合されていることを特徴とする蓄冷/蓄熱シート。 - 請求項5に記載の蓄冷/蓄熱シートにおいて、
前記熱伝導材料の割合に応じて、前記マイクロカプセルの混合割合が前記蓄冷/蓄熱シートの深さ方向に異なることを特徴とする蓄冷/蓄熱シート。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載の蓄冷/蓄熱シートにおいて、
前記マイクロカプセルの粒径と前記熱伝導性材料の粒径との比率が50:1〜50:1.5であることを特徴とする蓄冷/蓄熱シート。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の蓄冷/蓄熱シートにおいて、
前記熱伝導シートが、前記マイクロカプセルよりも熱伝導率が高い熱伝導材料で形成される繊維であることを特徴とする蓄冷/蓄熱シート。 - ゲル状のシリコーン樹脂で構成される熱可塑性樹脂とマイクロカプセルと当該マイクロカプセルよりも熱伝導率が高い熱伝導材料とを混合して蓄冷/蓄熱シートを生成する蓄冷/蓄熱シート生成方法において、
前記熱可塑性樹脂、粉末状の前記マイクロカプセル及び前記熱伝導材料とを脱気しながら前記マイクロカプセルが前記シリコーン樹脂に対して80%以下の割合となるように混合してシート体を形成し、当該シート体における熱源側と反対側の面に前記マイクロカプセル及び前記熱伝導材料よりも熱伝導率が高い熱伝導シートを配設することを特徴とする蓄冷/蓄熱シート生成方法。 - 請求項9に記載の蓄冷/蓄熱シート生成方法において、
混合された前記熱可塑性樹脂、前記マイクロカプセル及び前記熱伝導材料を表面がエンボス加工された成形板に押圧することを特徴とする蓄冷/蓄熱シート生成方法。
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