JP2014013955A - 携帯端末 - Google Patents

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Tatsunori Yamamoto
達典 山本
Hiroshi Tashiro
博史 田代
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Abstract

【課題】製品の大型化を伴うことなく、板金から効率的に放熱を行うことができる携帯端末を提供する。
【解決手段】携帯端末1は、表示パネル2と、底部に板金13がインサート成形され、上記表示パネル2を嵌め込むキャビネット4と、キャビネット4の表示パネル2とは反対側に設けられた回路基板5と、を備え、板金13は、表面がアルマイト処理されて酸化被膜で覆われている。
【選択図】図2

Description

本発明は、表示パネル及び該表示パネルを内包するキャビネットを備えた携帯端末に関する。
従来、携帯電話機に代表される携帯端末は、軽量化の観点から、ポリカーボネート等の樹脂により成形されたキャビネットが使用されている。そして、キャビネットの剛性を高めるために、底部に板金がインサート成形されている。板金には、集積回路等が実装された基板が接地接続されており、集積回路等から発生した熱が板金に伝えられ、放熱されている。
ところで、近年、携帯端末においては高速処理化が要求されており、この高速処理化に伴い、集積回路駆動時の発熱量が増加しており、板金に伝えられた熱を効率よく放出するための放熱対策が必要となっている。
例えば、特許文献1には、ノート型パソコン等の携帯型情報処理装置において、発熱体であるCPUの熱を外部に伝達するための放熱構造として、蓋部の外側の面に露出して設けられた放熱板にサーモサイホンを組み合わせた構造が開示されている。
特開2000−020171号公報
ところで、携帯電話機等の小型の携帯端末においては、製品の小型化の要求が大きい。そのため、特許文献1のように、別部品によって放熱構造を設ける方法は好ましくない。
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、製品の大型化を伴うことなく、板金から効率的に放熱を行うことができる携帯端末を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、この発明では、板金の放熱効率を高めることとした。
具体的には、本発明の携帯端末では、表示パネルと、底部に板金がインサート成形され、上記表示パネルを嵌め込むキャビネットと、キャビネットの上記表示パネルとは反対側に設けられた回路基板と、を備え、上記板金の表面は、アルマイト処理されて酸化被膜で覆われていることを特徴とする。
上記の構成によれば、板金にアルマイト処理が行われることにより板金の表面に酸化被膜が形成されているので、酸化被膜に存在する微細な孔により表面積が大きくなり、優れた放熱効率が得られ、携帯端末の内部に熱がこもって製品の温度が上昇しすぎるのが抑制される。
また、上記の構成によれば、板金の表面をアルマイト処理することのみによって板金の表面積を大きくし、放熱効率を高めているので、他の部品等により放熱構造を設置する必要が無く、製品のセットサイズの変更や製品の大型化は生じない。
また、本発明の携帯端末では、アルマイト処理が黒色アルマイト処理であることが好ましい。
上記の構成によれば、板金に黒色アルマイト処理が行われているので、板金は、回路部品で発生した熱を効率よく吸収することができる。すなわち、回路部品で発生した熱が効率よく板金に吸収された後に、板金の表面から効率よく放出され、携帯端末の内部に熱がこもって製品の温度が上昇しすぎるのが抑制される。
また、本発明の携帯端末では、板金の表面は、エンボス加工されていることが好ましい。
上記の構成によれば、板金の表面がエンボス加工されていることにより、板金の表面積を大きく確保することができ、板金からの放熱効率がさらに向上する。
本発明の携帯端末は、板金がアルミニウム又はアルミニウム合金で構成されている場合に特に好適である。
本発明の携帯端末は、回路基板が上記板金に接地接続されている場合に特に好適である。この場合には、回路基板に設けられた回路部材から発生する熱がキャビネットの板金に直接伝わることとなり、本発明の構成を適用することにより、板金から効率的に放熱することができる。
本発明によれば、製品の大型化を伴うことなく優れた効率で放熱可能な携帯端末を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機の平面図である。 図1のA−A断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機における電池の配置を説明するための分解斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機の断面図であり、図1のA−A線の断面に相当する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
本実施形態の携帯電話機1は、タッチパネル付携帯端末であり、図1、図2に示すように、表示パネル2と、表示パネル2の表側(図2に示す矢印X側であって、携帯電話機1の表示側)に、表示パネル2を収容するための表示用凹部3を有する表側キャビネット4と、矩形板状の電池20と、矩形板状の回路基板5と、この回路基板5を収容する矩形皿状の裏側キャビネット6とを備えている。
また、図1、図2に示すように、携帯電話機1は、例えば、複数の画素等で構成される表示領域Dと、表示領域Dの周辺に設けられた額縁領域Fとを備えている。
また、表側キャビネット4における表示用凹部3の周壁には、矩形枠状にタッチパネル用段部7が形成されている。このタッチパネル用段部7には、表示パネル2を表側から覆うように矩形板状の保護パネルであるタッチパネル8が収容されており、図2に示すように、タッチパネル8が、額縁領域Fに設けられた両面テープ9により、表側キャビネット4に貼り付けられている。
また、本実施形態においては、図2に示すように、表側キャビネット4と裏側キャビネット6には、額縁領域Fにおいて、表側キャビネット4と裏側キャビネット6とが嵌合した状態で、ネジ(不図示)等を使用して締結することにより、表側キャビネット4に裏側キャビネット6が取り付けられる構成となっている。
また、本実施形態においては、図2に示すように、回路基板5を収容する裏側キャビネット6を覆うカバー21が設けられている。
表側キャビネット4、裏側キャビネット6、及びカバー21は、例えば、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリアミド等の樹脂や、これらの樹脂とガラスフィラーの混合物により成形されている。
また、表側キャビネット4は、表側キャビネット4を成形する樹脂と一体的に形成された板金13を備えている。この板金13は、携帯電話機1の剛性を向上させるためのものである。板金13は、アルミニウムで形成され、例えば厚さが100〜400μmである。板金13は、表面が黒色アルマイト処理されて黒色の酸化被膜で覆われている。酸化被膜は、酸化アルミニウム(Al)の皮膜であり、例えば厚さが5〜20nmである。
また、本実施形態においては、図2に示すように、回路基板5は、板金13の裏側(図2に示す矢印Y側であって、携帯電話機1の表示側と反対側)に配置されている。回路基板5は、図3に示すように、基板5aと、この基板5aに取り付けられた複数の回路部品5bとにより構成されている。そして、回路基板5の回路部品5bは、板金13に接地接続されている(接続箇所は不図示)。
また、本実施形態における表示パネル2としては、例えば、液晶表示パネルや有機EL表示パネル等を使用することができる。
本実施形態によれば、板金13にアルマイト処理が行われることにより板金13の表面に酸化被膜が形成されているので、酸化被膜に存在する微細な孔により板金13の表面積が大きくなり、優れた放熱効率が得られ、携帯電話機1の内部に熱がこもって製品の温度が上昇しすぎるのが抑制される。
また、本実施形態では、板金13に黒色アルマイト処理が行われているので、板金13は、回路部品5bで発生した熱を効率よく吸収することができる。すなわち、回路部品5bで発生した熱が効率よく板金13に吸収された後に、板金13の表面から効率よく放出され、携帯電話機1の内部に熱がこもって製品の温度が上昇しすぎるのが抑制される。
さらに、本実施形態では、板金13の表面をアルマイト処理することのみによって板金13の表面積を大きくし、放熱効率を高めているので、他の部品等により放熱構造を設置する必要がなく、製品のセットサイズの変更や製品の大型化は生じない。
次に、携帯電話機1の組み立て手順の一例について簡単に説明する。
まず、アルミニウム板からプレス成形により板金13を成形する。そして、板金13の表面に黒色アルマイト処理を行う。具体的には、アルミニウム板をアルマイト処理し、この処理により発生した微細な孔を黒色クロメート処理することにより、アルミニウム板の表面に黒色の酸化被膜を形成する。
アルマイト処理としては、例えば、硫酸濃度10〜20%、電流密度1〜2A/dm、電解液温度15〜30℃、通電時間10〜30分の範囲で行われる。このアルマイト処理により、アルミニウム板の表面には、例えば直径が50〜200Å及びピッチ500〜1500Åの微細な孔が多数形成される。なお、アルマイト処理を行うときには、予め、板金13と回路基板5との接地接続部分をマスクしておき、酸化被膜で覆われないようにする。
微細な孔の黒色化処理としては、例えば、染色、電解着色等が挙げられる。染色は、黒色の染料を溶解した液の中に浸漬することでこの孔に染料を吸着させ色調を得る方法であり、例えば、染料濃度3〜10g/L、染色液温度50〜65℃にて行う。また、電解着色は、微細な孔に電気的に金属元素を析出させ色調を得る方法である。
次いで、補強フレーム10を成形型(不図示)内に載置してABS樹脂などを流し込むことにより、板金13及び表側キャビネット4をインサート成形する。
次いで、表側キャビネット4の表示用凹部3に表示パネル2を嵌め込み、さらに、表側キャビネット4に形成されたタッチパネル用段部7に収容されるように、両面テープ9を介して、表側キャビネット4にタッチパネル8を貼り付ける。
次いで、表側キャビネット4と裏側キャビネット6とを嵌合し、表側キャビネット4と裏側キャビネット6とが嵌合した状態で、ネジ等を使用して締結することにより、表側キャビネット4に裏側キャビネット6を取り付ける。この際、裏側キャビネット6に収容された回路基板5は、板金13の裏側に配置される。回路基板5bは、予め、板金13とのクリアランス無しで配置される。或いは、回路基板5bと板金13とが放熱樹脂等を介してより確実に接続するように配置される。
続いて、板金13の裏側のうち回路基板5が配置されていない部分に電池20を嵌め込む。そして、裏側キャビネット6に、回路基板5を収容する裏側キャビネット6を覆うカバー21を取り付けることにより、図2に示す携帯電話機1が製造される。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図4は、本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機の断面図である。なお、本実施形態においては、上記第1の実施形態と同様の構成部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の携帯電話機1においては、図4に示すように、板金13に、黒色アルマイト処理に加えてエンボス加工が施されている点に特徴がある。ここで設けるエンボス形状としては、例えば、断面が三角波や矩形波や正弦波のような凹凸形状、部分的に円柱状の突起が設けられた凹凸形状等が挙げられる。
板金13のエンボス形状は、凸部の山高さが例えば50〜100μmであり、製品厚さに影響を与えない範囲で凹凸高さを選定する。ここで、凸部の山高さとは、凹部の底から凸部の頂点までの高さを意味するものとする。エンボス形状の山ピッチは、できるだけ小さくすることが好ましい。
本実施形態によれば、板金13がエンボス加工されていることにより、板金13の表面積が実施形態1よりも大きくなり、より優れた放熱効率の板金13とすることができる。
本実施形態の携帯電話機1の板金13は、エンボス加工を行ったアルミニウム板に黒色アルマイト処理を行うことにより作製される。具体的には、例えば、凹凸を有するロールとゴムロールとで板金13を圧延することにより板金13の表面をエンボス加工する。
また、本実施形態の携帯電話機1は、エンボス加工を行った板金13を用いて、実施形態1と同一の方法により製造される。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態においては、板金13が、アルミニウムで形成されているとして説明したが、アルミニウムに限定されず、例えば、アルミニウムの合金や、ステンレス(例えば、SUS304)、マグネシウム等で形成されていてもよい。例えば、板金13をステンレスで形成する場合には、ステンレス表面にアルマイト処理を行って鉄酸化被膜で板金13の表面を被覆するとよい。
また、上記実施形態においては、板金13の表面が黒色アルマイト処理により黒色の酸化被膜で覆われるとして説明したが、黒色アルマイト処理に限定されず、板金13が他の色(例えば、白色や黄色)の酸化被膜で覆われていてもよい。
上記実施形態においては、板金13をプレス成形した後にアルマイト処理を行うとして説明したが、アルマイト処理を行ったアルミニウム板をプレス成形して板金13を成形してもよい。
また、上記実施形態においては、アルマイト処理を行うときには板金13と回路基板5との接地接続部分にマスクをしておくとして説明したが、アルミニウム板の全面にアルマイト処理を行った後に、切削により接地接続部分の酸化被膜を除去してアルミニウムを露出されてもよい。
上記実施形態においては、携帯電話機としてストレートタイプのものを例に挙げて説明したが、その形状は特に限定されず、一方の筐体が他方の筐体に対してスライド移動するスライド式携帯電話機や一方の筐体が他方の筐体に対して折畳み開閉される折畳み式の携帯電話機でもよい。
また、上記実施形態においては、保護パネルとしてタッチパネル8を例に挙げて説明したが、このタッチパネルの代わりに、ガラスや透明な樹脂により形成された保護パネルを使用する構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、携帯電話機を例に挙げて説明したが、本発明は、これに限定されず、例えば、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、パソコン、モバイルツール、電子辞書、ゲーム機等の表示パネルを有するものに適用することができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、表示パネル及び該表示パネルを内包するキャビネットを備えた携帯端末について有用である。
1 携帯電話機(携帯端末)
2 表示パネル
4 表側キャビネット(キャビネット)
5 回路基板
6 裏側キャビネット(キャビネット)
8 タッチパネル(保護パネル)

Claims (5)

  1. 表示パネルと、
    底部に板金がインサート成形され、上記表示パネルを嵌め込むキャビネットと、
    上記キャビネットの上記表示パネルとは反対側に設けられた回路基板と、
    を備え、
    上記板金の表面は、アルマイト処理されて酸化被膜で覆われていることを特徴とする携帯端末。
  2. 請求項1に記載された携帯端末において、
    上記アルマイト処理は、黒色アルマイト処理であることを特徴とする携帯端末。
  3. 請求項1又は2に記載された携帯端末において、
    上記板金の表面は、エンボス加工されていることを特徴とする携帯端末。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載された携帯端末において、
    上記板金は、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成されていることを特徴とする携帯端末。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載された携帯端末において、
    上記回路基板は、上記板金に接地接続されていることを特徴とする携帯端末。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019089285A (ja) * 2017-11-16 2019-06-13 株式会社パワーバンクシステム 蓄冷/蓄熱シート及び蓄冷/蓄熱シート生成方法

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