JP2018019927A - 止血器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】止血器具とは別体の専用の器具を使用することなく、簡単な操作で拡張部の拡張および減圧を行うことが可能な止血器具を提供する【解決手段】止血器具10は、手首Wの穿刺部位Pに巻き付けるための帯体20と、帯体を手首に巻き付けた状態で固定する固定手段30と、帯体に連結され、かつ、空気を注入することにより拡張する拡張部40と、拡張部と連通し、かつ、拡張部の外部の空気を拡張部内の拡張空間40a内に注入可能な加圧ポンプ部70と、を備え、加圧ポンプ部は、回転軸C1を有し、かつ、螺旋状の凸部71gを有するローラー部71と、ローラー部が配置される内腔72aを有するステータ部72と、を有し、加圧ポンプ部は、ローラー部を回転させた際、ローラー部が回転しつつ、ステータ部の軸心C2に対して偏心運動を行うことで、拡張部の外部の空気を拡張空間内へ移動させる。【選択図】図2

Description

本発明は、穿刺した部位を圧迫して止血するための止血器具に関する。
近年、腕や脚等の血管を穿刺し、穿刺部位にイントロデューサーシースを導入し、イントロデューサーシースの内腔を介してカテーテル等の医療器具を病変部に送達する、経皮的な治療・検査等が行われている。このような治療・検査等を行った場合、術者は、イントロデューサーシースを抜去した後の穿刺部位を止血する必要がある。この止血を行うために、腕や脚等の肢体に巻き付けるための帯体と、帯体を肢体に巻き付けた状態で固定する固定手段と、帯体に連結されており、流体を注入することにより拡張して、穿刺部位を圧迫する拡張部と、を備えた止血器具が知られている。
特許文献1に記載されているように、止血器具を用いる際は、一般的に、医師や看護師が、止血器具の拡張部に連通するポートに、止血器具とは別体のシリンジ等の専用の器具を接続し、当該専用の器具を用いて拡張部に流体を注入することによって、止血器具の拡張部を拡張している。また、拡張部を減圧する際にも、医師や看護師は、シリンジ等の専用の器具をポートに接続し、当該専用の器具を用いて拡張部から流体を排出している。
実願平7−7965号公報
上記のように、止血器具とは別体の専用の器具を使用する場合、医師や看護師は、専用の器具を持ち運ぶ手間や、専用の器具を止血器具に接続する手間が掛かる。また、医師や看護師は、専用の器具を紛失してしまうと、拡張部に流体を注入できなくなったり、拡張部から流体を排出できなくなったりする事態が発生する可能性もある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、止血器具とは別体の専用の器具を使用することなく、簡単な操作で拡張部の拡張および減圧を行うことが可能な止血器具を提供することを目的とする。
上記目的を達成する止血器具は、肢体の止血すべき部位に巻き付けるための帯体と、前記帯体を前記肢体に巻き付けた状態で固定する固定手段と、前記帯体に連結され、かつ、気体を注入することにより拡張する拡張部と、前記拡張部と連通し、かつ、前記拡張部の外部の気体を前記拡張部の拡張空間内に注入可能な加圧ポンプ部と、を備え、前記加圧ポンプ部は、回転軸を有し、かつ、螺旋状の凸部を有するローラー部と、前記ローラー部が配置される内腔を有するステータ部と、を有し、前記加圧ポンプ部は、前記ローラー部を回転させた際、前記ローラー部が回転しつつ、前記ステータ部の軸心に対して偏心運動を行うことで、前記拡張部の外部の気体を前記拡張空間内へ移動させる。
上記のように構成した止血器具によれば、加圧ポンプ部は、ローラー部を回転させた際、ローラー部が回転しつつ、ステータ部の軸心に対して偏心運動を行うことで、拡張部の外部の気体を拡張空間内へ移動させる。また、加圧ポンプ部は、拡張部の外部の気体を拡張空間内へ移動させる際の方向と逆方向にローラー部を回転することによって、拡張空間内の気体を拡張部の外部へ排出することができる。このため、止血器具とは別体の専用の器具を使用することなく、加圧ポンプ部のローラー部を回転させる簡単な操作によって拡張部を拡張および減圧することができる。
実施形態に係る止血器具を内面側から見た平面図である。 図1の2−2線に沿う断面を示す部分断面図である。 止血器具が備える加圧ポンプ部を示す図であって、図3(A)は、加圧ポンプ部の操作部の回転操作が制限される前の状態を示す断面図、図3(B)は、加圧ポンプ部の操作部の回転操作が制限された状態を示す断面図である。 図3(B)の4−4線に沿う断面図である。 図5(A)〜図5(C)は、加圧ポンプ部の作用を説明するための断面図である。 図6(A)〜図6(E)は、加圧ポンプ部が気体を移動させる際の動作を説明するための部分断面図である。 実施形態に係る止血器具を手首に装着した状態を示す斜視図である。 図7の8−8線に沿う断面図であって、拡張部が拡張する前の様子を示す図である。 図7の8−8線に沿う断面図であって、拡張部が拡張した様子を示す図である。 止血器具の制限機構の変形例を示す図であって、図10(A)は、ローラー部に操作部が接続された様子を示す断面図、図10(B)は、操作部がローラー部から離脱した様子を示す断面図である。 変形例1に係る止血器具を内面側から見た平面図である。 変形例1に係る止血器具を手首に装着した状態を示す部分断面図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態およびその変形例を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
実施形態に係る止血器具10は、図7〜図9に示すように、治療・検査等を行うカテーテル等を血管内に挿入する目的で、手首W(「肢体」に相当)の橈骨動脈Rに形成された穿刺部位P(「止血すべき部位」に相当)に留置していたイントロデューサーシースを抜去した後、その穿刺部位Pを止血するために使用するものである。
止血器具10は、図1、図2に示すように、手首Wに巻き付けるための帯体20と、帯体20を手首Wに巻き付けた状態で固定する面ファスナー30(「固定手段」に相当)と、空気(「気体」に相当)を注入することにより拡張し、穿刺部位Pを圧迫する拡張部40と、拡張部40と帯体20との間に設けられた補助圧迫部50と、拡張部40を穿刺部位Pに位置合わせするためのマーカー部40cと、拡張部40と連通し、かつ、拡張部40の外部の空気を拡張部40の拡張空間40a内に注入可能な加圧ポンプ部70と、を有している。
なお、本明細書中では、帯体20を手首Wに巻き付けた状態のとき、帯体20において手首Wの体表面に向かい合う側の面(装着面)を「内面」と称し、その反対側の面を「外面」と称する。
帯体20は、可撓性を備える帯状の部材によって構成しているベルト21と、ベルト21よりも硬度の高い支持板22と、を備えている。
ベルト21は、図7〜図9に示すように、手首Wの外周を略一周するように巻き付けられる。図2に示すように、ベルト21の中央部には、支持板22を保持する支持板保持部21aが形成されている。支持板保持部21aは、外面側(または内面側)に別個の帯状の部材が融着(熱融着、高周波融着、超音波融着等)または接着(接着剤や溶媒による接着)等の方法によって接合されることにより、二重になっており、これらの隙間に挿入された支持板22を保持する。
ベルト21の図1中の左端付近の部分の外面側には、一般にマジックテープ(登録商標)などと呼ばれる面ファスナー30の雄側(または雌側)31が配置されており、ベルト21の図1中の右端付近の部分の内面側には、面ファスナー30の雌側(または雄側)32が配置されている。図7〜図9に示すようにベルト21を手首Wに巻き付け、雄側31および雌側32が接合することにより、帯体20が手首Wに装着される。なお、帯体20を手首Wに巻き付けた状態で固定する手段は、面ファスナー30に限らず、例えば、スナップ、ボタン、クリップ、またはベルト21の端部を通す枠部材であってもよい。
ベルト21の構成材料は、可撓性を備える材料であれば特に限定されない。そのような材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)が挙げられる。
また、ベルト21において少なくとも拡張部40と重なっている部分は、実質的に透明であることが好ましいが、透明に限定されず、半透明または有色透明であってもよい。これにより、医師や看護師は、穿刺部位Pを外面側から視認することができ、後述するマーカー部40cを穿刺部位Pに容易に位置合わせすることができる。
支持板22は、図2に示すように、ベルト21の二重に形成された支持板保持部21aの間に挿入されることによりベルト21に保持されている。支持板22は、その少なくとも一部が内面側(装着面側)に向かって湾曲した板形状をなしている。支持板22は、ベルト21よりも硬質な材料で構成されており、ほぼ一定の形状を保つようになっている。
支持板22は、ベルト21の長手方向(図1の左右方向)に長い形状をなしている。この支持板22の長手方向における中央部22aは、ほとんど湾曲せずに平板状になっており、この中央部22aの両側には、それぞれ、内周側に向かって、かつ、ベルト21の長手方向に沿って湾曲した第1湾曲部22b(図2の左側)および第2湾曲部22c(図2の右側)が形成されている。
支持板22の構成材料は、例えば、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(特に硬質ポリ塩化ビニル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、芳香族または脂肪族ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等が挙げられる。
支持板22は、ベルト21と同様に、拡張部40と重なる部分が実質的に透明であることが好ましいが、透明に限定されず、半透明または有色透明であってもよい。これにより、医師や看護師は、穿刺部位Pを外面側から確実に視認することができ、後述するマーカー部40cを穿刺部位Pに容易に位置合わせすることができる。なお、支持板22は、中央部22aのような湾曲していない部分を有さないもの、すなわち、その全長にわたり湾曲しているものであってもよい。
拡張部40は、空気を注入することにより拡張し、穿刺部位Pに圧迫力を付与する機能を備えている。本実施形態では、拡張部40は、図1および図2に示すように、略矩形状の2枚のシートを重ね合わせ、周縁を接着または融着した袋状の部材によって構成している。これにより、2枚のシートの間に拡張空間40aが形成されている。なお、拡張部40の構成は、空気を注入することにより拡張可能であれば特に限定されない。例えば、拡張部40は、1枚のシートを折り曲げ、縁部を接着または融着した袋状の部材によって構成してもよいし、縁部を備えない風船状の部材によって構成してもよい。また、拡張部40の外形形状は、特に限定されない。例えば、拡張部40は、拡張していない状態において、平面視した際に、円形、楕円形、多角形等の外形形状を備えていてもよい。
拡張部40は、図2に示すように、支持板22の第1湾曲部22bおよび中央部22aの間の近辺と重なるように配置されている。このため、図9に示すように、拡張部40を拡張させた際、ベルト21および支持板22により、拡張部40の手首Wの体表面から離れる方向への拡張が抑制され、拡張部40の圧迫力が手首W側に集中する。このため、拡張部40は、穿刺部位Pを好適に圧迫することができる。
また拡張部40は、図2に示すように、可撓性を備える保持部40bを介して、帯体20のベルト21に取り付けられている。なお、本実施形態では、保持部40bは、拡張部40においてマジックテープ(登録商標)の雄側31が配置されている側の縁部によって構成しているが、保持部40bは、拡張部40とは別の部材によって構成していてもよい。また、拡張部40において保持部40bを設ける位置および帯体20において保持部40bを取付ける位置は、拡張部40を帯体20に連結可能である限り、特に限定されない。また、例えば、帯体20と拡張部40の連結形態は特に限定されず、例えば、帯体20と拡張部40が直接固定(連結)されていなくてもよく、後述するチューブ体73を介して拡張部40が帯体20と連結されていてもよい。
拡張部40の構成材料は、可撓性を備える材料であれば特に限定されず、例えば、前述した帯体20の構成材料と同様のものを用いることができる。また、拡張部40は、帯体20と同質または同種の材料の熱可塑性材料で構成されるのが好ましい。これにより、融着による帯体20との接合を容易に行うことができ、止血器具10を容易に製造することができる。
拡張部40は、実質的に透明であることが好ましいが、透明に限定されず、半透明または有色透明であってもよい。これにより、医師や看護師は、穿刺部位Pを外面側から視認することができ、後述するマーカー部40cを穿刺部位Pに容易に位置合わせすることができる。
補助圧迫部50は、図9に矢印で示すように、拡張部40を押圧して、拡張部40が穿刺部位Pに付与する圧迫力の方向を調整する機能を備えている。
補助圧迫部50は、拡張部40と同様に、袋状の部材によって構成している。なお、補助圧迫部50は、例えば、スポンジ状の物質、弾性材料、綿のような繊維の集合体、またはこれらの組合せなどによって構成してもよい。
補助圧迫部50は、その内部空間が拡張部40の拡張空間40aと連通するように、拡張部40に取り付けられている。このため補助圧迫部50は、拡張部40に空気が注入されると拡張する。
マーカー部40cは、図2に示すように、拡張部40において帯体20に面する側の略中央に設けられている。拡張部40にこのようなマーカー部40cを設けることによって、拡張部40を穿刺部位Pに対して容易に位置合わせすることができるため、拡張部40の位置ズレが抑制される。なお、マーカー部40cは拡張部40において手首Wに面する側に設けてもよい。この際、マーカー部40cは、穿刺部位Pと直接接触しないように、拡張部40内の内表面に設けられることが好ましい。
マーカー部40cの形状は特に限定されず、例えば、円、三角形、四角形等が挙げられ、本実施形態では、四角形をなしている。
マーカー部40cの大きさは、特に限定されないが、例えば、マーカー部40cの形状が四角形をなしている場合、その一辺の長さが1〜4mmの範囲であることが好ましい。一辺の長さが5mm以上であると、穿刺部位Pの大きさに対してマーカー部40cの大きさが大きくなるため、拡張部40の中心部を穿刺部位Pに位置合わせし難くなる。
マーカー部40cの材質は、特に限定されず、例えば、インキ等の油性着色料、色素を混練した樹脂等が挙げられる。
マーカー部40cの色は、拡張部40を穿刺部位Pに位置合わせすることができる色であれば特に限定されないが、緑色系が好ましい。緑色系にすることにより、マーカー部40cを血液や皮膚上で容易に視認することができるため、拡張部40を穿刺部位Pに位置合わせすることがより容易となる。
また、マーカー部40cは半透明または有色透明であることが好ましい。これにより、医師や看護師は、穿刺部位Pをマーカー部40cの外面側から視認することができる。
拡張部40にマーカー部40cを設ける方法は特に限定されないが、例えば、マーカー部40cを拡張部40に印刷する方法、マーカー部40cを拡張部40に融着する方法、マーカー部40cの片面に接着剤を塗布して拡張部40に貼り付ける方法等が挙げられる。
加圧ポンプ部70は、拡張部40と連通し、拡張部40に空気を注入する機能を備えている。
加圧ポンプ部70は、図2に示すように、帯体20と重なるように帯体20の外面側に配置されている。このため、加圧ポンプ部70が帯体20から手首W側へ突出するように設けられている場合と比較すると、加圧ポンプ部70が装着者の手首Wと接触しにくく、装着者が感じる不快感を低減することができる。
また特に、本実施形態では、加圧ポンプ部70は、図2に示すように、帯体20の長手方向においてマーカー部40cと異なる位置(帯体20において拡張部40と重ならない位置)に配置されており、かつ、支持板22と重なる位置に配置されている。このため、加圧ポンプ部70を帯体20上に設けても、拡張部40の穿刺部位Pへの位置合わせを妨げず、かつ、硬度の高い支持板22上において拡張部40に空気を注入する注入動作を行うことができるため、注入動作が容易となる。
加圧ポンプ部70は、図3(A)、(B)に示すように、回転可能に構成されるローラー部71と、ローラー部71が配置される内腔72aを備えるステータ部72と、拡張部40の拡張空間40aとステータ部72の内腔72aとを繋ぐチューブ体73と、ローラー部71をステータ部72の内腔72aで保持する軸受部80と、ローラー部71に回転操作を加えるための操作部75と、操作部75とローラー部71を連結する接続部76と、を有している。
ローラー部71は、図5(A)〜(C)に示すように、操作部75が回転操作されると、操作部75に連動して回転する。この際、ローラー部71は、後述する回転軸(ローラー本体部71aの軸心)C1周りに回転しつつ、ステータ部72の軸心C2に対して偏心運動を行うことで、拡張部40の外部の空気を拡張部40の拡張空間40a内へ移動させる。なお、上記の偏心運動は、ローラー部71のローラー本体部71aの軸直交断面の中心位置にある回転軸C1を、ステータ部72の軸直交断面における中心位置にある軸心C2に対してステータ部72の軸直交断面の放射方向(径方向)に偏心させた状態で、ローラー部71がステータ部72の内腔72aで回転することを意味する(図6(A)〜図6(E)を参照)。
加圧ポンプ部70の各構成について説明する。
ローラー部71は、図3(A)、(B)に示すように、ローラー本体部71aと、ローラー本体部71aの先端側(チューブ体73側)に配置されたローラー先端部71bと、ローラー本体部71aの基端側(操作部75側)に配置されたローラー基端部71cと、ローラー本体部71aの外周に設けられた凸部71gと、を有している。
ローラー先端部71bは、図5(A)〜(C)に示すように、軸受部80に配置される。ローラー部71の回転軸C1は、ステータ部72の軸心C2に対して偏心した位置に配置されている。
ローラー本体部71aは、ローラー先端部71bおよびローラー基端部71cよりも外径が大きく構成されている。本実施形態において、ローラー先端部71bおよびローラー基端部71cは、ローラー本体部71aと一体的に構成されている。ただし、ローラー本体部71a、ローラー先端部71b、およびローラー基端部71cは、それぞれが別体として構成され、相互に固定(連結)された構造でもよい。この場合、ローラー本体部71a、ローラー先端部71b、およびローラー基端部71cは、例えば、接着剤や融着により固定してもよいし、機械的な方法(嵌合や挿入等)で固定してもよい。
凸部71gは、図5(A)〜図5(C)に示すように、ローラー本体部71aの外周に螺旋状に設けられている。凸部71gは、凸部71gの外表面がステータ部72の内表面と接触するように配置されている。凸部71gは、軸方向に沿う螺旋のピッチが先端側(チューブ体73側)に向けて小さくなるように形成されている。このため、ステータ部72の内腔72aを移動する空気は、先端側に向けて次第に加圧される。拡張部40は、加圧ポンプ部70から送られる圧縮した空気が拡張空間40a内に注入されることにより、拡張する。
凸部71gの螺旋のピッチ、凸部71gの突出長さ、螺旋角(ローラー本体部71aの軸方向に対する螺旋の角度)等は、ローラー71の回転により、拡張部40の外部の空気を拡張部40へ移動させることが可能である限りにおいて特に制限されることはない。例えば、凸部71gは、軸方向に沿う螺旋のピッチが一定、または螺旋のピッチが先端側(チューブ体73側)に向けて大きくなるように形成されていてもよい。
凸部71gは、ステータ部72の内腔72aに気密な空間Sを区画する。具体的には、凸部71gは、図5(B)、図5(C)に示すように、ローラー部71の軸方向に沿って隣り合う二つの螺旋部分71hとステータ部72の内表面との間に空間Sを形成する。後述するように、ローラー部71が回転すると、空間S内の空気がステータ部72の先端側へ移動する。
ステータ部72の先端部72bは、図3(A)に示すように、チューブ体73と連結される連結部を構成している。ステータ部72の先端部72bは、チューブ体73に挿入された状態でチューブ体73に固定されている。ステータ部72の先端部72bは、チューブ体73に挿入可能となるようにステータ部72の他の部位よりも外径が小さく形成されている。ステータ部72の先端部72bとチューブ体73は、例えば、接着剤により固定することができる。
ローラー部71およびステータ部72を構成する材料は特に限定されないが、例えば、硬質の樹脂材料や金属材料で形成することが可能である。ただし、ローラー部71の凸部71gは、凸部71gがステータ部72の内表面に接触した状態で気密な空間Sを形成することができるように、ある程度の弾性を備える材料で形成することが好ましい。
凸部71gは、例えば、前述したベルト21と同様の材料で形成することができる。なお、ローラー部71は、ローラー本体部71a、ローラー先端部71b、およびローラー基端部71cが別々の部材で構成される場合、上記各部材は同一の材料で形成してもよいし、部材ごとに異なる材料で形成してもよい。
ステータ部72の基端部は、図2に示すように、支持板22の湾曲部22cの形状に沿って湾曲した形状で形成されている。ステータ部72は、例えば、帯体20の支持板保持部21aに接着や融着で固定することができる。
チューブ体73は、図2に示すように、拡張部40の拡張空間40aとステータ部72の内腔72aとを連結する。操作部75を操作した際、ステータ部72の内腔72a内を先端側へ移動した空気は、チューブ体73を介して拡張部40の拡張空間40aに供給される。
チューブ体73は、図2に示すように、開口部が形成された一端部73aが拡張部40の拡張空間40a内に挿入されている。また、チューブ体73は、図3(A)に示すように、開口部が形成された他端部73b側にステータ部72の先端部が挿入されている。
チューブ体73は、例えば、可撓性を備える樹脂製の管状部材で構成することができる。
軸受部80は、図3(A)に示すように、チューブ体73が連結されたステータ部72の先端部72bよりもステータ部72の基端側に配置されている。
軸受部80は、ローラー部71の回転がステータ部72に伝達することを防止する。軸受部80は、図4に示すように、ローラー先端部71bを保持する保持部81aが形成された偏心ベアリング81と、偏心ベアリング81をステータ部72に対して回転可能に支持する台座部83と、を有している。軸受部80の保持部81aは、例えば、ローラー先端部71bを嵌め込み可能な凹部や孔部で構成することができる。
偏心ベアリング81の保持部81aは、ステータ部72の軸心C2から偏心した位置に形成されている。このため、ローラー本体部71aの回転軸C1は、ローラー先端部71bを保持部81aに保持すると、ステータ部72の軸心C2から偏心した位置に配置される。ローラー本体部71aは、ローラー先端部71bが保持部81aに保持されることにより、図4中の矢印で示すように、ステータ部72に対して偏心運動することが可能になる。
図4に示すように、軸受部80とステータ部72との間には、軸受部80の台座部83の外周方向に沿って間隔を空けて配置された4つの支持部74aが配置されている。4つの支持部74aは、互いに90度の間隔を空けて配置されている。各支持部74aは、例えば、接着剤により、軸受部80の台座部83およびステータ部72に固定することができる。また、各支持部74aは、例えば、弾性部材で構成することが可能である。支持部74aの断面形状、設置数、設置位置等は特に限定されることはなく、適宜変更することが可能である。
各支持部74aの間には、空気が流通可能な隙間g1が形成されている。図5(C)に示すように、ローラー部71からステータ部72の先端側へ送り込まれた空気は、隙間g1を経由してチューブ73の内腔へ移動する。
なお、ローラー先端部71bは、例えば、偏心ベアリング81を介さずにステータ部72に組み付けることも可能である。この場合、軸受部80の台座部83には、ローラー先端部71bの外径よりも大きな内径を備える孔や溝状の保持部が設けられる。また、ローラー先端部71bは、軸受部80の台座部83の保持部に保持された状態で、台座部83の保持部内を独立して回転するように配置される。さらに、ローラー先端部71bは、ローラー本体部71aの回転軸C1がステータ部72の軸心C2から偏心した位置に配置されるように、台座部83の保持部において保持される。そして、ローラー本体部71aは、ローラー先端部71bが台座部83の保持部内で回転することにより、ローラー本体部71aの回転軸C1がステータ部72の軸心C2から偏心した状態で、ステータ部72の内腔72a内を回転することが可能になる。
操作部75は、図3(A)に示すように、接続部76を介して、ローラー基端部71cに連結されている。
接続部76は、ローラー基端部71cに連結された第1接続部76aと、第1接続部76aと操作部75を連結する第2接続部76bと、を有している。接続部76は、操作部75の回転操作を制限する制限機構としての機能を有している。
第1接続部76aは、所定の軸部材78aを介してローラー基端部71cに連結されている。第1接続部76aは、軸部材78aにより、ローラー基端部71cに対して回転可能に構成されている。また、第1接続部76aは、所定の軸部材78bを介して第2接続部76bに連結されている。第2接続部76bは、軸部材78bにより、第1接続部76aに対して回転可能に構成されている。
ローラー部71を回転させる際、図3(A)に示すように、第1接続部76aは、ローラー基端部71cに対して直交するように配置され、第2接続部76bは、第1接続部76aに対して直交するように配置される。すなわち、操作部75は、ローラー基端部71cと同軸上に配置されず、かつ、ローラー基端部71cに対して平行に配置される。このため、ローラー部71を回転させる際、操作部75をローラー部71の回転軸C1周りに容易に回転させることができる。
ローラー部71を回転させない場合、図3(B)に示すように、ローラー基端部71c、第1接続部76a、第2接続部76b、および操作部75は、互いに直線上に重なるように配置される。このように各部を配置すると、操作部75は、ローラー部71の回転軸C1周りに回転し難くなる。そのため、拡張部40を拡張させた後にローラー部71が不用意に回転するのを防止することができる。
なお、ローラー部71を回転させる際、ローラー基端部71cに対する第1接続部76aの配置角度、および第1接続部76aに対する第2接続部76bの配置角度は、直角に限定されず、操作部75の回転を容易に行い得る限りにおいて適宜変更することが可能である。また、操作部75の回転操作を制限する制限機構は、接続部76の配置角度により回転を制限するような構造のものに限定されることはなく、例えば、接続部76や操作部75をステータ部72に対して仮固定(ロック)することにより操作部75の回転を制限するように構成されたものや、後述する改変例で説明する離脱機構によって構成されたものであってもよい。
次に、図5および図6を参照して、加圧ポンプ部70の動作例について説明する。図5(A)〜(C)には、ローラー部71を回転させた際の加圧ポンプ部70が示されており、図6(A)〜図6(E)には、ローラー部71が空気を移動させる際の加圧ポンプ部70の部分断面図が示される。なお、図6の各図には、ローラー部71の軸方向に沿う断面図と、ローラー部71の軸直交断面図を示している。
例えば、図6(A)に示すように、ローラー部71の回転軸C1がステータ部72の軸心C2に対して下側(軸直交断面図の下側)に偏心している状態から、図6(B)に示すように、ローラー部71を時計回りに90度回転させると、ローラー部71は、ローラー部71の回転軸C1がステータ部72の軸心C2に対して偏心した状態で回転し、空間S内に存在する空気を所定距離(1/4周分)分だけローラー部71の先端側へ移動させる。
図6(C)に示すように、ローラー部71を時計回りにさらに90度回転させると、ローラー部71は、同様にして、空間S内に存在する空気を所定距離(1/4周分)分だけローラー部71の先端側へ移動させる。
図6(D)に示すように、ローラー部71を時計回りにさらに90度回転させると、ローラー部71は、同様にして、空間S内に存在する空気を所定距離(1/4周分)分だけローラー部71の先端側へ移動させる。
そして、図6(E)に示すように、ローラー部71を時計回りにさらに90度回転させると、ステータ部72に対してローラー部71が合計で360°(1周分)回転し、空間Sに存在する空気は、凸部71gの1周分だけローラー部71の先端側へ移動する。
上記のようにしてローラー部71を回転させることによって、ステータ部72の内腔72aに存在する空気は、ステータ部72からローラー部71の先端側へ移動する。そして、空気は、各支持部74aの間に形成された隙間g1を経由してチューブ73内へ移動し、さらにチューブ73を経由して拡張部40の拡張空間40a内に注入される。
ローラー本体部71aの外表面に螺旋状に設けられた凸部71gは、拡張部40内に空気が注入された状態で、ローラー本体部71aの軸方向における複数の箇所でステータ部72の内表面に密着する。拡張部40と拡張部40の外部との流体的な連通は、凸部71gにより遮断された状態となるため、拡張部40内に注入された空気が拡張部40の外部に逆流するのを防止することができる。なお、拡張部40へ空気を注入する際の回転方向と逆方向へローラー部71を回転させることにより、拡張部40内の空気を外部へ排出させることが可能である。
次に、本実施形態に係る止血器具10の使用例について説明する。
止血器具10を手首Wに装着する前は、図2に示すように、拡張部40は、拡張していない状態となっている。図7に示すように、右手の手首Wの橈骨動脈Rに穿刺を行う場合、穿刺部位Pは、親指側へ片寄った位置にある。通常、穿刺部位Pにはイントロデューサーシースが留置されている。このイントロデューサーシースが留置されたままの状態の手首Wに帯体20を巻き付け、拡張部40に設けられたマーカー部40cが穿刺部位P上に重なるように拡張部40および帯体20を位置合わせして、面ファスナー30の雄側31および雌側32を接触させて接合し、帯体20を手首Wに装着する。
止血器具10を手首Wに装着した後、図8に示すように、操作部75を回転操作する。この操作によって、加圧ポンプ部70のステータ部72内の空気が拡張部40内に注入されて、拡張部40および補助圧迫部50が拡張する。拡張部40と一体の加圧ポンプ部70により、拡張部40の拡張が行えるため、医師や看護師は、拡張部40を拡張させるための別体の専用の器具(シリンジ等)を持ち運ぶ必要がない。
拡張部40を拡張させた後、穿刺部位Pからイントロデューサーシースを抜去する。
イントロデューサーシースを抜去した後、止血の進行具合や経過時間に応じて、操作部75の回転操作によって、拡張部40および補助圧迫部50への空気量を調整して、拡張部40が穿刺部位Pに付与する圧迫力を調整してもよい。例えば、拡張した拡張部40が、長時間にわたって穿刺部位Pおよびその周辺の血管や神経を圧迫し続けると、しびれや痛みを引き起こしたり、血管が閉塞したりすることがある。血管閉塞等を防ぐため、拡張部40の拡張後、拡張部40を拡張させる際に回転させた方向と逆方向に操作部75を回転させて、拡張部40内の空気を経時的に抜き、拡張部40の内圧を徐々に減圧する減圧操作を行うことで、穿刺部位Pに作用する圧迫力を経時的に低減させてもよい。このように、減圧操作は加圧ポンプ部70によって行うことができるため、医師や看護師は減圧操作を行うための専用の器具(シリンジ等)を持ち運ぶ手間をなくすことができる。
所定の時間が経過して、穿刺部位Pの止血が完了したら、止血器具10を取り外す。止血器具10は、面ファスナー30の雄側31および雌側32を剥がすことによって手首Wから取り外される。なお、加圧ポンプ部70によって拡張部40内の空気を抜いてから、止血器具10を取り外してもよい。
以上のように、本実施形態に係る止血器具10は、手首Wに巻き付けるための帯体20と、帯体20を手首Wに巻き付けた状態で固定する固定手段30と、帯体20に連結され、かつ、空気を注入することにより拡張する拡張部40と、拡張部40と連通し、かつ、拡張部40の外部の空気を拡張部40の拡張空間40a内に注入可能な加圧ポンプ部70と、を備える。加圧ポンプ部70は、回転軸C1を有し、かつ、螺旋状の凸部71gを有するローラー部71と、ローラー部71が配置される内腔72aを有するステータ部72と、を有し、加圧ポンプ部70は、ローラー部71を回転させた際、ローラー部71が回転しつつ、ステータ部72の軸心C2に対して偏心運動を行うことで、拡張部40の外部の空気を拡張空間40a内へ移動させる。
上記のように構成した止血器具10によれば、加圧ポンプ部70は、ローラー部71を回転させた際、ローラー部71が回転しつつ、ステータ部72の軸心に対して偏心運動を行うことで、拡張部40の外部の空気を拡張空間40a内へ移動させることができる。また、加圧ポンプ部70は、拡張部40の外部の空気を拡張空間40a内へ移動させる際の方向とは逆方向にローラー部71を回転することによって拡張部40の拡張空間40aから空気を排出することができる。このため、止血器具10とは別体の専用の器具を使用することなく、加圧ポンプ部70のローラー部71を回転させる簡単な操作によって拡張部40を拡張および減圧することができる。
また、加圧ポンプ部70は、拡張部40の拡張空間40aとステータ部72の内腔72aとを繋ぐチューブ体73と、ローラー部71のローラー先端部71bが配置される軸受部80と、を有し、軸受部80は、チューブ体73が連結されたステータ部72の先端部72bよりもステータ部72の基端側に配置されている。上記のように、軸受部80は、チューブ体73とステータ部72の先端部72bとの連結を妨げることのないように、ステータ部72の内腔72aに配置される。このため、ステータ部72の先端部72bの内腔が軸受部80により狭められるのを防止することができ、ステータ部72の先端部72bからチューブ体73へ空気を円滑に移動させることができる。
また、拡張部40は、穿刺部位Pに位置合わせするためのマーカー部40cを有し、加圧ポンプ部70は、帯体20に固定され、かつ、帯体20の長手方向において、マーカー部40cと異なる位置に配置される。このため、医師や看護師は、穿刺部位Pを帯体20の外面側から目視で容易に視認することができ、マーカー部40cを穿刺部位Pに容易に位置合わせすることができる。
また、加圧ポンプ部70は、ローラー部71に回転操作を加えるための操作部75を有する。このため、操作部75を回転させる簡単な操作によって、ローラー部71を容易に回転させることができる。
また、止血器具10は、操作部75の回転操作を制限可能な接続部(制限機構)76を有する。このため、接続部76によりローラー部71が不用意に回転するのを防止することができる。
(制限機構の改変例)
図10(A)、(B)は、ローラー部の回転操作を制限する制限機構の改変例を示す図である。本改変例の説明において、前述した実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
改変例に係る制限機構は、ローラー部71から操作部75を離脱させることにより、操作部75を不用意に回転させる誤操作等がなされるのを防止するように構成されている。
制限機構は、ローラー部71の基端に設けられた凹状の溝部79aと、操作部75の先端に設けられた凸部79bとにより構成されている。凸部79bは、溝部79aに対して嵌合および分離可能に構成されている。凸部79bが溝部79aに対して嵌合すると、ローラー部71と操作部75が連結される。また、凸部79bが溝部79aから分離すると、ローラー部71と操作部75の連結が解除される。
ローラー部71を回転させる際、図10(A)に示すように、ローラー部71は、操作部75に連結される。操作部75は、ローラー部71と連結されることにより、ローラー部71の回転操作を行うことが可能になる。なお、本改変例においては、操作部75と接続部76は一体的に構成している。
ローラー部71の回転を制限する際、図10(B)に示すように、ローラー部71は、操作部75から分離される。操作部75は、ローラー部71から分離されることにより、ローラー部71を回転させることができなくなる。したがって、ローラー部71が不用意に回転するのを防止することが可能になる。
なお、本改変例に係る制限機構は、ローラー部71と操作部75を着脱可能に構成されていれば、その具体的な構造は特に限定されない。例えば、制限機構は、磁力等でローラー部71と操作部75を着脱させる構造であってもよい。また、制限機構は、機械的な接続を採用する場合においても、凹状の溝部と凸部との形態に限定されず、例えば、ネジ込み等の接続形態であってもよい。
(変形例1)
図11および図12は、前述した実施形態の変形例1に係る止血器具100の説明に供する図である。以下、図11および図12を参照して、変形例1に係る止血器具100について説明する。なお、図12は、変形例1に係る止血器具100を手首Wに装着した状態を示す図であり、図11に示す矢印12方向から見た部分断面図である。
変形例1に係る止血器具100は、加圧ポンプ部170の構成が前述した実施形態と相違する。本変形例の説明において、前述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
加圧ポンプ部170は、図11に示すように、回転可能に構成されるローラー部71と、ローラー部71が配置されるステータ部72と、拡張部40の拡張空間40aとステータ部72の内腔とを繋ぐチューブ体73と、ローラー部71のローラー先端部71bが配置される軸受部80と、ローラー部71に回転操作を加えるための操作部175と、を有している。
ローラー部71は、ローラー部71の長手方向が帯体20の長手方向(図11の左右方向)と直交する幅方向に沿って配置されている。チューブ体73は、帯体20の幅方向から突出して、帯体20の外側を経由して拡張部40とステータ部72とを連結している。なお、チューブ体73は、例えば、帯体20の幅方向に突出しないように帯体20の内面側に配置してもよい。
操作部175は、図11に示すように、回転軸C3を備え、かつ、回転可能な駆動部175aと、ローラー部71の基端側に配置され、駆動部175aの外周と係合する係合部175bと、を有している。
駆動部175aは、歯車形状を備えており、係合部175bの外周の凹凸と係合可能に構成されている。駆動部175aの回転軸C3は、ローラー部71の回転軸C1と平行に配置している。
駆動部175aは、所定の固定部材176に回転可能に取り付けている。固定部材176は、例えば、接着剤により帯体20の側面に固定することができる。係合部175bは、ローラー基端部71cの外表面に形成している。係合部175bは、帯体20の幅方向に沿うように帯体20から突出している。
図12に示すように、手指等により駆動部175aを所定の方向に回転させると、駆動部175aの回転に連動して係合部175bが回転する。ローラー部71は、係合部175bの回転に連動してステータ部72内で回転する。ローラー部71が回転することにより、前述した実施形態と同様に、拡張部40の拡張空間40a内へ空気を注入することができる。(図12に示す点線の矢印を参照)。なお、駆動部175aが図中の矢印方向と逆回転すると、拡張部40から拡張部40の外部へ空気を排出することができる。
以上のように変形例1に係る止血器具100によれば、駆動部175aを回転させる簡単な操作によって拡張部40を拡張および減圧させることができる。
また、ローラー部71の長手方向が帯体20の長手方向と直交する幅方向に沿って配置されており、ローラー部71およびステータ部72が帯体20の幅方向に突出しにくいように配置されているため、止血器具100をコンパクトに構成することができる。
なお、変形例1に係る止血器具100においても前述した実施形態と同様に、操作部175の回転操作を制限する制限機構を備えさせることが可能である。この場合、制限機構は、例えば、駆動部175aを覆うカバー部材で構成することが可能である。カバー部材で駆動部175aを覆うことにより、手指や周囲の物品等が駆動部175aに不用意に接触するのを防止することができ、駆動部175aが意図せずに回転するのを防止することができる。
以上、実施形態および変形例を通じて本発明に係る止血器具を説明したが、本発明は説明した各構成のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、止血器具を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明は、手首に装着して使用する止血器具に限らず、脚等に装着して使用する止血器具にも適用することができる。
また、実施形態では、止血器具は補助圧迫部を備えている場合を説明したが、止血器具は補助圧迫部を備えていなくてもよい。
また、加圧ポンプ部は、ローラー部とステータ部とを有し、ローラー部が回転しつつステータ部の軸心に対して偏心運動を行うことで気体を拡張部へ移動させることが可能である限りにおいて具体的な構成が限定されることはない。
10、100 止血器具、
20 帯体、
30 面ファスナー(固定手段)、
40 拡張部、
40a 拡張空間、
40c マーカー部、
50 補助圧迫部、
70 加圧ポンプ部、
71 ローラー部、
71a ローラー本体部、
71b ローラー先端部、
71c ローラー基端部、
71g 凸部、
72 ステータ部、
72a 内腔、
72b 先端部(連結部)、
73 チューブ体、
73a チューブ体の一端、
73b チューブ体の他端、
74a 支持部、
75 操作部、
76 接続部(制限機構)、
76a 第1接続部、
76b 第2接続部、
78a、78b 軸部材、
79a 溝部、
79b 凸部、
80 軸受部、
81 偏心ベアリング、
83 台座部、
170 加圧ポンプ部、
175 操作部、
175a 駆動部、
175b 係合部、
C1 ローラー部の回転軸(軸心)、
C2 ステータ部の軸心、
C3 駆動部の回転軸、
g1 隙間、
S 空間、
P 穿刺部位(止血すべき部位)。
W 手首(肢体)、
R 橈骨動脈。

Claims (6)

  1. 肢体の止血すべき部位に巻きつけるための帯体と、
    前記帯体を前記肢体に巻きつけた状態で固定する固定手段と、
    前記帯体に連結され、かつ、気体を注入することにより拡張する拡張部と、
    前記拡張部と連通し、かつ、前記拡張部の外部の気体を前記拡張部の拡張空間内に注入可能な加圧ポンプ部と、を備え、
    前記加圧ポンプ部は、回転軸を有し、かつ、螺旋状の凸部を有するローラー部と、前記ローラー部が配置される内腔を有するステータ部と、を有し、
    前記加圧ポンプ部は、前記ローラー部を回転させた際、前記ローラー部が回転しつつ、前記ステータ部の軸心に対して偏心運動を行うことで、前記拡張部の外部の気体を前記拡張空間内へ移動させる、止血器具。
  2. 前記加圧ポンプ部は、前記拡張部の拡張空間と前記ステータ部の内腔とを繋ぐチューブ体と、前記ローラー部の先端部が配置される軸受部と、を有し、
    前記軸受部は、前記チューブ体が連結された前記ステータ部の連結部よりも前記ステータ部の基端側に配置される、請求項1に記載の止血器具。
  3. 前記拡張部は、前記肢体の止血すべき部位に位置合わせするためのマーカー部を有し、
    前記加圧ポンプ部は、前記帯体に固定され、かつ、前記帯体の長手方向において、前記マーカー部と異なる位置に配置される、請求項1または請求項2に記載の止血器具。
  4. 前記加圧ポンプ部は、前記ローラー部に回転操作を加えるための操作部を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の止血器具。
  5. 前記操作部の回転操作を制限する制限機構を有する請求項4に記載の止血器具。
  6. 前記加圧ポンプ部は、
    回転軸を備え、かつ、回転操作可能な駆動部と、
    前記ローラー部の基端側に配置され、前記駆動部の外周と係合する係合部と、を有し、
    前記ローラー部は、前記駆動部の回転に連動して回転可能に構成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の止血器具。
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