JP2004154413A - 止血器具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の止血器具1は、肢体の止血すべき部位に巻き付けるための帯体2と、帯体2を肢体に巻き付けた状態で固定する面ファスナー3(固定手段)と、帯体2に連結された、流体を注入することにより拡張するバルーン5と、バルーン5を止血すべき部位に位置合わせするためのマーカー7とを備えている。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、穿刺部位を圧迫して止血する止血器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
腕または脚に形成された穿刺部位に導入されたイントロデューサーシースの内腔を介してカテーテル等を経皮的に血管等の病変部に挿入して治療・検査などを行った場合、そのイントロデューサーシースを抜去した後の穿刺部位を止血する必要がある。この止血を行うために、腕または脚の穿刺部位に巻き付けるためのベルトと、このベルトを穿刺部位に巻き付けた状態で固定する固定手段と、流体を注入することにより拡張し、穿刺部位を圧迫するバルーンとを備えた止血器具が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このような止血器具は、従来は医師や看護士等の術者が目視で感覚的にバルーンを穿刺部位に位置合わせしていた。このため、バルーンの位置合わせがしにくいことが指摘されており、実際にバルーンの位置ズレを原因として血腫を発生させたり、止血できずに血液が漏れたりすることがあった。
【0004】
【特許文献1】
実用新案登録第3031486号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、穿刺部位(止血すべき部位)を圧迫するためのバルーンを穿刺部位に容易に位置合わせすることができ、バルーンの位置ズレによる血液の漏れや血腫の発生を抑制する止血器具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(8)の本発明により達成される。
【0007】
(1)肢体の止血すべき部位に巻き付けるための帯体と、
前記帯体を前記肢体に巻き付けた状態で固定する固定手段と、
前記帯体に連結された、流体を注入することにより拡張するバルーンと、
前記バルーンを前記止血すべき部位に位置合わせするためのマーカーとを備えていることを特徴とする止血器具。
【0008】
(2)前記帯体および前記バルーンは、前記止血すべき部位を視認できる材料で形成されていることを特徴とする(1)に記載の止血器具。
【0009】
(3)前記マーカーは、前記バルーンに設けられていることを特徴とする(1)に記載の止血器具。
【0010】
(4)前記マーカーは、前記帯体に設けられていることを特徴とする(1)に記載の止血器具。
【0011】
(5)前記帯体は、前記帯体より硬質な材料で形成された湾曲板を前記バルーンと重なるように保持していることを特徴とする(1)に記載の止血器具。
【0012】
(6)前記マーカーは、前記湾曲板に設けられていることを特徴とする(5)に記載の止血器具。
【0013】
(7)前記湾曲板と前記バルーンとの間に、前記バルーンを押圧する押圧部材が、前記バルーンと重なるように設けられていることを特徴とする(5)に記載の止血器具。
【0014】
(8)前記押圧部材は、内部に充填された流体の圧力により前記バルーンを押圧する補助バルーンで構成されていることを特徴とする(7)に記載の止血器具。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の止血器具を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の止血器具の実施形態を示す底面図(手首に装着したときの内面側が見える状態)、図2は、図1に示す止血器具の使用状態を示す断面図である。
【0017】
図1および図2に示す止血器具は、治療・検査などを行うカテーテル等を血管内に挿入する目的で手首500(肢体)に形成された穿刺部位510(止血すべき部位)に留置していたイントロデューサーシースを抜去した後、その穿刺部位510を止血するのに使用するものであり、手首500に巻き付けるための帯体2と、帯体2を手首500に巻き付けた状態で固定する固定手段としての面ファスナー3と、湾曲板4と、バルーン5と、補助バルーン6と、マーカー7を備えている。
【0018】
帯体2は、可撓性を有する帯状の部材である。図2に示すように、帯体2は、手首500の外周を一周するように巻き付けられ、その両端付近の部分を互いに重ね合わせるようにして、手首500に装着される。そして、帯体2は、この重ね合わせ部分が後述する面ファスナー3によって固定(接合)される。
【0019】
帯体2の構成材料は、穿刺部位510を視認できる材料であれば特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)が挙げられる。
【0020】
なお、帯体2は実質的に透明であることが好ましい。これにより、穿刺部位510を外側から確実に視認することができ、後述するマ−カー7を穿刺部位510に容易に位置合わせすることができる。
【0021】
帯体2の中央部には、後述する湾曲板4を保持する湾曲板保持部21が形成されている。湾曲板保持部21は、外面側(または内面側)に別個の帯体の部材が融着(熱融着、高周波融着、超音波融着等)または接着(接着剤や溶媒による接着)等の方法により接合されることにより、二重になっており、それらの隙間に挿入された湾曲板4を保持する。
【0022】
帯体2の図1中の左端付近の部分の内面側(図1の紙面の表側)には、一般にマジックテープ(登録商標)などと呼ばれる面ファスナー3の雄側(または雌側)31が設置(固定)されており、帯体2の図1中の右端付近の部分の外面側(図1の紙面の裏側)には、面ファスナー3の雌側(または雄側)32が設置(固定)されている。図2に示すように、この面ファスナー3の雄側31と雌側32とが接合することにより、帯体2が手首500に装着される。なお、帯体2を手首500に巻き付けた状態で固定する固定手段としては、面ファスナー3に限らず、例えば、スナップ、ボタン、クリップ、帯体2の端部を通す枠部材であってもよい。
【0023】
湾曲板4は、帯体2の二重に形成された湾曲板保持部21の間に挿入されることにより帯体2に保持されている。
【0024】
湾曲板4は、その少なくとも一部が内周側に向かって湾曲した形状をなしている。この湾曲板4は、帯体2よりも硬質な材料で構成されており、ほぼ一定の形状を保つようになっている。
【0025】
図1に示すように、本実施形態では、湾曲板4は、帯体2の長手方向に長い形状をなしている。図2に示すように、この湾曲板4の長手方向の中央部41は、ほとんど湾曲せずに平板状になっており、この中央部41の両側には、それぞれ、内周側に向かって、かつ、帯体2の長手方向(手首500の周方向)に沿って湾曲した湾曲板42が形成されている。すなわち、湾曲板42の曲率半径R2は、中央部41の曲率半径R1(図示の構成では、R1は、ほぼ無限大)より小さい。
【0026】
湾曲板4の構成材料としては、穿刺部位510を視認できる材料であれば特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(特に硬質ポリ塩化ビニル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、芳香族または脂肪族ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等が挙げられる。
【0027】
なお、湾曲板4は実質的に透明であることが好ましい。これにより、穿刺部位510を外側から確実に視認することができ、後述するマ−カー7を穿刺部位510に容易に位置合わせすることができる。
【0028】
なお、湾曲板4は、中央部41のような湾曲していない部分を有さないもの、すなわち、その全長に渡り湾曲しているものであってもよい。
【0029】
帯体2には、可撓性を有する材料で構成されたバルーン5が連結されている。バルーン5は、流体(空気等の気体もしくは液体)を注入することにより拡張し、手首500の穿刺部位510を圧迫する。
【0030】
バルーン5は、帯体2に保持されている湾曲板4の長手方向の一端側に片寄って位置している。すなわち、図示の構成では、バルーン5は、湾曲板4の図2中のほぼ右半分側と重なるように位置している。
【0031】
バルーン5の構成材料は、穿刺部位510を視認できる材料であれば特に限定されず、例えば、前述した帯体2の構成材料と同様のものを用いることができる。また、バルーン5は、帯体2と同質または同種の材料で構成されるのが好ましい。これにより、融着による帯体2との接合を容易に行うことができ、容易に製造することができる。
【0032】
なお、バルーン5は実質的に透明であることが好ましい。これにより、穿刺部位510を外側から確実に視認することができ、後述するマ−カー7を穿刺部位510に容易に位置合わせすることができる。
【0033】
バルーン5の構造は、例えば、前述したような材料からなるシート材の縁部を融着または接着等の方法によりシールして袋状に形成したものとすることができる。図示の構成では、バルーン5は、拡張していない状態では、四角形をなしている。
【0034】
このようなバルーン5は、可撓性を有する連結部11を介して、帯体2に連結されている。本実施形態では、バルーン5は、湾曲板4に対し片寄った側、すなわち、図2中の右側のみが連結部11を介して帯体2に連結されている。この連結部11は、その実質的な長さが比較的短くされ、これにより、バルーン5が湾曲板に対し片寄った位置に繁留される。なお、連結部11は、バルーン5と同材質で構成されているのが好ましい。
【0035】
バルーン5の内面側、すなわち穿刺部位510と接触する面側(図1の紙面の表側)にはマーカー7が設けられている。バルーン5にこのようなマーカー7を設けることによって、バルーン5を穿刺部位510に容易に位置合わせすることができる。そして、バルーン5の位置ズレによる血液の漏れや血腫の発生が抑制される。
【0036】
図1に示すように、マーカー7はバルーン5の中心部、すなわちバルーン5の四角形の対角線の交点を中心として設けることが好ましい。これにより、バルーン5の中心部を穿刺部510に位置合わせすることが可能であるため、バルーン5を拡張させた際に、バルーン5の押圧(圧迫)力が穿刺部位510に対して確実に作用する。
【0037】
マーカー7の形状は、特に限定されず、例えば、円、三角形、四角形等が挙げられ、図1では四角形をなしている。
【0038】
マーカー7の大きさは、特に限定されないが、例えば、マーカー7の形状が四角形をなしている場合、その一辺の長さが1〜4mmの範囲であることが好ましい。一辺の長さが5mm以上であると、穿止部位510の大きさに対してマーカー7の大きさが大きくなるため、バルーン5の中心部を穿止部位510に位置合わせし難くなる。
【0039】
マーカー7の材質は、特に限定されず、例えば、インキ等の油性着色料、色素を混練した樹脂等が挙げられる。
【0040】
マーカー7の色は、バルーン5を穿刺部位510に位置合わせすることができる色できれば特に限定されないが、緑色系が好ましい。緑色系にすることにより、マーカー7を血液や皮膚上で容易に視認することができるため、バルーン5を穿刺部位510に位置合わせすることがより容易となる。
【0041】
また、マーカー7は半透明であることが好ましい。これにより、穿刺部位510をマーカー7の外側から視認することができる。
【0042】
バルーン5にマーカー7を設ける方法は特に限定されないが、例えばマーカー7をバルーン5に印刷する方法、マーカー7をバルーン5に融着する方法、マーカー7の片面に接着剤を塗布してバルーン5に貼り付ける方法等が挙げられる。
【0043】
なお、マーカー7はバルーン5の外面側、すなわちバルーン5の穿刺部位510と接触する面と反対側(図1の紙面の裏側)に設けてもよい。
【0044】
また、マーカー7をバルーン5に設けるのではなく、帯体2もしくは湾曲板4あるいは後述する補助バルーン6に設けてもよい。この場合も、マーカー7がバルーン5の中心部に重なるように設けることが好ましい。
【0045】
図1に示すように、バルーン5には、バルーン5内に流体を注入するための注入部8が接続されている。注入部8は、その基端部がバルーン5に接続され、その内腔がバルーン5の内部に連通する可撓性を有するチューブ81と、チューブ81の先端部に設置された袋体82と、袋体82に接続された管状のコネクタ83とで構成されている。
【0046】
バルーン5を拡張(膨張)させる際には、コネクタ83にシリンジ(図示せず)の先端突出部を挿入し、このシリンジの押し子を押して、シリンジ内の流体を注入部8を介してバルーン5内に注入する。バルーン5内に流体を注入した後、コネクタ83からシリンジの先端突出部を抜去すると、コネクタ83に内臓された逆止弁が閉じて流体の露出が防止され、バルーン5が膨張した状態が維持される。
【0047】
図2に示すように、湾曲板4とバルーン5との間には、可撓性を有する材料で構成された補助バルーン6が、バルーン5と重なるようにして設けられている。この補助バルーン6は、バルーン5を押圧する押圧部材として機能するものである。
【0048】
補助バルーン6は、内部に充填された流体の圧力により、図2中の矢印fで示すように、バルーン5をほぼ手首500の中心部520に向かう方向に押圧する。このような補助バルーン6からの押圧力を受けることにより、バルーン5は、図2中の矢印Fで示すように、穿刺部材510を上から下へ垂直な方向(手首500の表面に対して垂直な方向)ではなく、傾斜した方向(手首500の中心部520に向かうような方向)に押圧(圧迫)する。これにより、本発明は、穿刺部材510を上から下へ垂直な方向に押圧(圧迫)する場合と比べ、より優れた止血効果が得られる。
【0049】
補助バルーン6の構成材料としては、穿刺部位510を視認できる材料であれば特に限定されず、例えば、前述した帯体2の構成材料と同様のものを用いることができる。そして、補助バルーン6は実質的に透明であることが好ましい。これにより、穿刺部位510を外側から確実に視認することができ、マ−カー7を穿刺部位510に容易に位置合わせすることができる。
【0050】
また、本実施形態では、補助バルーン6は、帯体2の長手方向についての幅がバルーン5よりも小さくされていることにより、その大きさがバルーン5よりも小さくなっており、バルーン5を局所的に押圧する。これにより、バルーン5から穿刺部位510への押圧力Fの方向をより確実に傾斜させることができる。
【0051】
さらに、本実施形態では、前述したように、湾曲板4は、バルーン5が片寄った側(図2中の右側)に、その中央部41よりも曲率半径が小さい湾曲部42を有している。そして、補助バルーン6は、湾曲板4の湾曲部42またはそれより図2中の右側の部分に(帯体2を介して)接触する。これにより、補助バルーン6が湾曲板4から受ける力の方向、換言すれば、補助バルーン6が(帯体2を介して)接触する部分の湾曲板4の法線方向は、手首500の中心部520に向かうような方向に傾斜することになる。その結果、押圧力fや押圧力Fの方向をより確実に傾斜させることができる。
【0052】
また、本実施形態では、バルーン5の一部と補助バルーン6の一部とは、互いに融着または接着等の方法により接合されている。そして、その接合部には、バルーン5の内部と補助バルーン6の内部とを連通する連通部(開口部)12が形成されている。これにより、前述したようにしてバルーン5に液体を注入すると、注入された流体の一部が連通部12を介して補助バルーン6内に流入し、バルーン5の拡張に伴って補助バルーン6が拡張する。これにより、1回の操作で両者を拡張させることができ、操作性に優れる。
【0053】
このような補助バルーン6は、固着部13を介して、バルーン5の連結部11と同じ側(図2中の右側)で帯体2に連結されている。これにより、補助バルーン6がより容易かつ確実に傾斜した姿勢になるため、バルーン5に対する押圧力fが傾斜した方向(バルーン5をほぼ手首500の中心部520に向かわせるような方向)により作用し易くなり、より優れた止血効果が得られる。
【0054】
なお、本発明ではバルーン5を押圧する押圧部材は、補助バルーン6に限らず、例えば、スポンジ状の物質、弾性材料、綿(わた)のような繊維の集合体、またはこれらの組み合わせなどによって形成されたパッドのような部材であっても良い。
【0055】
次に、止血器具1の使用方法について説明する。
【0056】
[1] 止血器具1を手首500に装着する前は、バルーン5および補助バルーン6は、拡張していない状態とされている。手首500の場合、通常、動脈への穿刺部位510は、手首500の内側(腱がある側)の親指側へ片寄った位置にある。通常、穿刺部位510にはイントロデューサーシースが留置されている。このイントロデューサーシースが留置されたままの状態の手首500に帯体2を巻き付け、バルーン5に設けられたマーカー7が穿刺部位510上に重なるようにバルーン5(帯体2)を位置合わせして、帯体2の両端部付近を面ファスナー3にて固定(接合)する。
【0057】
[2] 止血器具1を手首500に装着した後、注入部8のコネクタ83にシリンジ(図示せず)を接続し、前述したようにして流体をバルーン5および補助バルーン6内に注入し、バルーン5および補助バルーン6を拡張させる。本発明では、このときの液体の注入量により、症例に応じて、バルーン5および補助バルーン6の拡張度合い、すなわち、穿刺部位510への圧迫力を容易に調整することができ、操作性に優れる。
【0058】
[3] バルーン5および補助バルーン6を拡張させたら、コネクタ83からシリンジを離脱させる。そして穿刺部位510からイントロデューサーシースを抜去する。これにより、バルーン5および補助バルーン6は、拡張状態を維持し、穿刺部位510への圧迫状態が維持される(図2参照)。この状態では、バルーン5が穿刺部位510(およびその周辺)を局所的に押圧するとともに、バルーン5および補助バルーン6の拡張により、湾曲板4は、手首500の表面から離間して、手首500に接触し難くなる。これにより、穿刺部位510(およびその周辺)が集中して圧迫力を受けるので、止血効果が高いとともに、止血を必要としない他の血管や神経等を圧迫するのを回避することができ、手のしびれや血行不良などを生じるのを有効に防止することができる。
【0059】
以上、本発明の止血器具を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、止血器具を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていても良い。
【0060】
また、本発明の止血器具は、手首に装着して使用するものに限らず、腕または脚(本明細書では、これらを総称して「肢体」という)のいかなる部分に装着して使用する止血器具にも適用することができる。
【0061】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の止血器具は、肢体の止血すべき部位に巻き付けるための帯体と、前記帯体を前記肢体に巻き付けた状態で固定する固定手段と、前記帯体に連結された、流体を注入することにより拡張するバルーンと、前記バルーンを前記止血すべき部位に位置合わせするためのマーカーとを備えていることを特徴とするため、止血すべき部位を圧迫するためのバルーンを止血すべき部位に容易に位置合わせすることができ、バルーンの位置ズレによる血液の漏れや血腫の発生を抑制する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の止血器具の実施形態を示す底面図(手首に装着したときの内面側が見える状態)である。
【図2】図1に示す止血器具の使用状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 止血器具
11 連結部
12 連通部
13 固着部
2 帯体
21 湾曲板保持部
3 面ファスナー
31 雄側
32 雌側
4 湾曲板
41 中央部
42 湾曲部
5 バルーン
6 補助バルーン
7 マーカー
8 注入部
81 チューブ
82 袋体
83 コネクタ
500 手首
510 穿刺部位
520 中心部
Claims (8)
- 肢体の止血すべき部位に巻き付けるための帯体と、
前記帯体を前記肢体に巻き付けた状態で固定する固定手段と、
前記帯体に連結された、流体を注入することにより拡張するバルーンと、
前記バルーンを前記止血すべき部位に位置合わせするためのマーカーとを備えていることを特徴とする止血器具。 - 前記帯体および前記バルーンは、前記止血すべき部位を視認できる材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の止血器具。
- 前記マーカーは、前記バルーンに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の止血器具。
- 前記マーカーは、前記帯体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の止血器具。
- 前記帯体は、前記帯体より硬質な材料で形成された湾曲板を前記バルーンと重なるように保持していることを特徴とする請求項1に記載の止血器具。
- 前記マーカーは、前記湾曲板に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の止血器具。
- 前記湾曲板と前記バルーンとの間に、前記バルーンを押圧する押圧部材が、前記バルーンと重なるように設けられていることを特徴とする請求項5に記載の止血器具。
- 前記押圧部材は、内部に充填された流体の圧力により前記バルーンを押圧する補助バルーンで構成されていることを特徴とする請求項7に記載の止血器具。
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