JP2018010249A - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

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孝治 高橋
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直晃 市橋
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Abstract

【課題】電荷輸送層用塗布液に非ハロゲン系溶剤を使用した場合においても、耐摩耗性と繰り返し使用後の電位安定性とを両立する電子写真感光体を製造する方法を提供することである。
【解決手段】支持体および該支持体上に電荷発生層と電荷輸送層と保護層(表面保護層)を有する電子写真感光体の製造方法であって、該製造方法が該電荷発生層上に電荷輸送層用塗布液を塗布して電荷輸送層用塗布液の塗膜を形成し、該電荷輸送層用塗布液の塗膜を乾燥して該電荷輸送層を形成する工程を有し、さらに該電荷輸送層上に保護層用塗布液を塗布して保護層用塗布液の塗膜を形成し、電子線を照射する工程と、加熱して硬化させる工程を順次行うことにより該保護層を形成する電子写真感光体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は電子写真感光体の製造方法に関する。
電子写真装置に搭載される電子写真感光体は、有機光導電性物質(電荷発生物質)を含有する電子写真感光体がよく用いられている。電子写真装置が繰り返し画像形成するのに伴い、電子写真感光体の表面には、帯電、露光、現像、転写およびクリーニングなどの電気的や機械的外力が直接加えられるため、表面層が摩耗してしまう。そのため、電子写真感光体の表面には、耐摩耗性の表面保護層を設けることが行われている。また、電子写真感光体を製造する際、溶解性の観点から感光層形成用の塗布液に用いられる溶剤はモノクロロベンゼンなどのハロゲン系溶剤を含有している。しかし、近年、化学物質と環境に対する関連性が注目され、化学物質の管理や排出量規制が強化されてきており、その一環としてハロゲン系溶剤からキシレンやトルエンなどの非ハロゲン系溶剤への代替が進んでいる。また、ハロゲン系溶剤は廃液回収の際に非ハロゲン系溶剤と分けて回収しなくてはならないため、生産性が低下しやすいことからも非ハロゲン系溶剤への代替が求められている。たとえば、特許文献1には、感光層形成用の塗布液であって、ポリアリレート樹脂と非ハロゲン系溶剤とを含有することを特徴とする塗布液が記載されている。
特開2006−293391号公報
しかしながら、非ハロゲン系溶剤は、ハロゲン系溶剤に比べ電荷輸送層に用いられる材料や配合比によっては溶解性が劣ることがある。たとえば、特許文献1の感光層形成用の塗布液は、電荷輸送層用塗布液として用いて感光体を作成した場合、耐摩耗性や表面滑り性等には優れるものの、感光体の電位変動が悪化するという課題を有していた。そこで、本発明が解決しようとする課題は、保護層を有する電子写真感光体を製造する方法において、電荷輸送層用塗布液に非ハロゲン系溶剤を使用した場合においても、耐摩耗性と繰り返し使用後の電位安定性とを両立する電子写真感光体を製造する方法を提供することである。
本発明は、支持体および該支持体上に電荷発生層と電荷輸送層と保護層を有する電子写真感光体の製造方法であって、該製造方法が該電荷発生層上に電荷輸送層用塗布液を塗布して電荷輸送層用塗布液の塗膜を形成し、該電荷輸送層用塗布液の塗膜を塗布して該電荷輸送層を形成する工程を有し、さらに該電荷輸送層上に保護層用塗布液を塗布して保護層用塗布液の塗膜を形成し、電子線を照射する工程と、加熱して硬化させる工程を順次行うことにより該保護層を形成する電子写真感光体の製造方法であって、
該電荷輸送層用塗布液が、
樹脂(α)としてのポリカーボネート樹脂およびポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂、
溶剤(β)としてのトルエンおよびキシレンからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤、並びに
溶剤(γ)としての安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸ベンジル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、シクロヘキサノン、およびシクロペンタノンからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤を含有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法を提供する。
本発明によれば、耐摩耗性と繰り返し使用後の電位安定性とを両立する電子写真感光体の製造方法を提供することができる。
本発明の電子写真感光体の表面処理手段の概略図である。 本発明の電子写真感光体の表面処理手段の概略図である。 本発明の電子写真感光体の表面処理手段の概略図である。 本発明の電子写真感光体の表面処理手段に用いるモールドの概略図である。 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
本発明者らは、上記製造方法により製造された電子写真感光体が、電位変動を効果的に抑制する理由を以下のように推測している。
特許文献1に記載される感光層形成用の塗布液を電荷輸送層用塗布液として用いる場合、非ハロゲン系溶剤は電荷輸送層用塗布液に使用する材料を溶解しているかのように見える。しかし、材料の種類や配合比によっては、材料は非ハロゲン系溶剤に完全に溶解することができず、マイクロドメインのような状態が発生している。このため、このマイクロドメインが電荷のトラップとなって、特許文献1に記載される感光層形成用の塗布液を電荷輸送層用塗布液として用いた感光体では、電位変動が引き起こされると推測している。
本発明の電子写真感光体の製造方法において、本発明に係る電荷輸送層用塗布液が、これら樹脂(α)、溶剤(β)および溶剤(γ)を含有することにより、電荷輸送層用塗布液中の成分を完全に溶解するために、本発明の製造方法により製造された電子写真感光体の電位変動が抑制されると推測している。
すなわち本発明は、支持体および該支持体上に電荷発生層と電荷輸送層と保護層を有する電子写真感光体の製造方法であって、該製造方法が該電荷発生層上に電荷輸送層用塗布液を塗布して電荷輸送層用塗布液の塗膜を形成し、該電荷輸送層用塗布液の塗膜を乾燥して該電荷輸送層を形成する工程を有し、さらに該電荷輸送層上に保護層用塗布液を塗布して保護層用塗布液の塗膜を形成し、電子線を照射する工程と、加熱して硬化させる工程を順次行うことにより該保護層を形成する電子写真感光体の製造方法であって、該電荷輸送層用塗布液が、樹脂(α)としてのポリカーボネート樹脂およびポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂、溶剤(β)としてのトルエンおよびキシレンからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤、並びに溶剤(γ)としての安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸ベンジル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、シクロヘキサノン、およびシクロペンタノンからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤を含有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
<樹脂(α)について>
本発明に係る電荷輸送層用塗布液に含まれる樹脂(α)はポリカーボネート樹脂およびポリエステル樹脂よりなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を示す。
本発明において、ポリカーボネート樹脂は式(A)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂であることが好ましい。また、本発明において、ポリエステル樹脂は式(B)で示される繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂であることが好ましい。
Figure 2018010249
式(A)中、R11〜R14はそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。Xは単結合、シクロヘキシリデン基、または式(C)で示される構造を有する2価の基を示す。
式(B)中、R21〜R24はそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。Xは単結合、シクロヘキシリデン基、または式(C)で示される構造を有する2価の基を示す。Yは、m−フェニレン基、p−フェニレン基または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。
Figure 2018010249
式(C)中、R31およびR32はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、フェニル基を示す。
以下に、式(A)で示されるポリカーボネート樹脂の繰り返し構造単位の具体例を示す。
Figure 2018010249
ポリカーボネート樹脂Aは上記の(A−1)〜(A−8)の構造単位のうち、1種の重合体でも、2種以上の共重合体であってもよい。これらの中でも、式(A−1)、(A−2)、および(A−4)で示される構造単位からなるポリカーボネート樹脂が好ましい。
以下に、式(B)で示されるポリエステル樹脂Bの繰り返し構造単位の具体例を示す。
Figure 2018010249
Figure 2018010249
ポリエステル樹脂は上記の(B−1)〜(B−9)の構造単位のうち、1種の重合体でも、2種以上の共重合体であってもよい。これらの中でも、式(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−6)、(B−7)、(B−8)で示される繰り返し構造単位からなるポリエステル樹脂が好ましい。
本発明に係るポリカーボネート樹脂およびポリエステル樹脂は、いかなる合成方法で合成されてもよいが、例えば従来からのホスゲン法で合成することができる。また、エステル交換法によって合成することも可能である。
本発明に係るポリカーボネート樹脂およびポリエステル樹脂が共重合体である場合、ブロック共重合、ランダム共重合、交互共重合等いずれの形態であってもよい。
これらのポリカーボネート樹脂、およびポリエステル樹脂の重量平均分子量としては20000以上300000以下が好ましく、より好ましくは50000以上250000以下が好ましい。
本発明における樹脂の重量平均分子量は、ポリスチレン換算の重量平均分子量であり、特開2007−79555号公報に記載の方法により測定することができる。
また、樹脂(α)の、ポリカーボネート樹脂およびポリエステル樹脂は、上記の式(A)または式(B)で示される構造単位の末端に式(D)で示される構造を有する共重合体であってもよい。
Figure 2018010249
式(D)で示される構造において、シロキサン単位の繰り返し数を示すaは10以上200以下の整数であり、好ましくは20以上100以下である。また、式(D)で示される構造において、メチレン単位の繰り返し数を示すbは1以上10以下の整数であり、好ましくは2以上5以下である。
さらに、樹脂(α)の、ポリカーボネート樹脂およびポリエステル樹脂は、末端に式(D)で示される構造を有していてもよい式(A)または式(B)で示される構造単位に加えて、シロキサン構造を含む繰り返し構造を有する共重合体であってもよい。シロキサン構造として、具体的には、式(D−1)および式(D−2)で示される構造単位が挙げられる。
またさらに、樹脂(α)として、ポリカーボネート樹脂およびポリエステル樹脂は、上記の式(D)で示される構造を有していても良い式(A)または式(B)で示される構造単位に加えて、式(D−3)で示される繰り返し構造単位を有してもよい。
Figure 2018010249
以下に樹脂(α)として用いられる具体的な樹脂を示す。
Figure 2018010249
<電荷輸送物質について>
本発明の電子写真感光体の電荷輸送層に含まれる電荷輸送物質は、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、エナミン化合物等が挙げられる。電荷輸送物質としては、式(E)で示される構造を有する電荷輸送物質であることが好ましい。
式(E)中、R41〜R46およびR41’〜R45’はそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基、エチル基、置換基を有するフェニル基、ブタジエンのような不飽和結合を有する置換基等の任意の構造を選択することができる。式(E)で示される構造を有する電荷輸送物質としては、分子量が3000以下であることが好ましい。
Figure 2018010249
より好ましくは式(E−1)〜(E−9)で示される化合物である。
Figure 2018010249
<溶剤(β)について>
本発明に係る電荷輸送層用塗布液に含まれる溶剤(β)は、トルエン、およびキシレンからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤である。キシレンは、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレンのいずれを用いてもよいが、好ましくはo−キシレンである。
<溶剤(γ)について>
本発明に係る電荷輸送層用塗布液に含まれる溶剤(γ)は、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸ベンジル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、シクロヘキサノン、およびシクロペンタノンからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤である。
<溶剤(δ)について>
本発明に係る電荷輸送層用塗布液に任意に含まれる溶剤(δ)は、ジメトキシメタンおよびテトラヒドロフランの少なくとも1種の溶剤である。
<電子写真感光体の構成>
次に本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
本発明の電子写真感光体は、支持体、支持体上に形成された感光層、および保護層を有する電子写真感光体である。
感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)感光層である。また、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層である。
支持体としては、導電性を示すもの(導電性支持体)であることが好ましい。支持体の材質としては、例えば、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウム、クロム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属(合金)が挙げられる。また、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金を用いて真空蒸着によって形成した被膜を有する金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。この他にも、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子をプラスチックや紙に含浸させた支持体や、導電性結着樹脂で形成された支持体を用いることもできる。
支持体の表面は、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制を目的として、例えば、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理を施してもよい。
支持体と、後述の下引き層との間には、例えば、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の被覆を目的として、導電層を設けてもよい。導電層は、カーボンブラック、導電性顔料、抵抗調節顔料を結着樹脂とともに溶剤に分散処理することによって得られる導電層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、導電層用塗布液には、例えば、加熱、紫外線照射、放射線照射により硬化重合する化合物を添加してもよい。
導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリレート、ポリアセタール、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリアリルエーテル、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレンが挙げられる。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電性顔料および抵抗調節顔料としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀、ステンレスなどの金属(合金)の粒子や、これらをプラスチックの粒子の表面に蒸着したものが挙げられる。また、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズがドープされている酸化インジウム、アンチモンやタンタルがドープされている酸化スズなどの金属酸化物の粒子を用いることもできる。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、導電性顔料および抵抗調節顔料には、表面処理を施すことができる。表面処理剤としては、例えば、界面活性剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤が用いられる。
導電層用塗布液には、さらに、光散乱を目的として、シリコーン樹脂微粒子やアクリル樹脂微粒子などの粒子を添加してもよい。また、レベリング剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、整流性材料等の添加剤を含有させても良い。
導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、1μm以上35μm以下であることがより好ましく、5μm以上30μm以下であることが最も好ましい。
支持体または導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、感光層の接着性改良、支持体からの電荷注入性改良を目的として、下引き層(中間層)を設けてもよい。下引き層は、結着樹脂、および溶剤を混合することによって得られる下引き層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって下引き層を形成することができる。
下引き層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロンおよびN−アルコキシメチル化ナイロンなど)、ポリウレタン、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
下引き層の膜厚は、0.05μm以上40μm以下であることが好ましい。
下引き層には、金属酸化物粒子を含有させてもよい。下引き層に用いられる金属酸化物粒子は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1種を含有する粒子であることが好ましい。上記の金属酸化物を含有する粒子の中でも、酸化亜鉛を含有する粒子がより好ましい。
金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子の表面がシランカップリング剤などの表面処理剤で処理されている粒子であってもよい。
分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
下引き層には、例えば、下引き層の表面粗さの調整、または下引き層のひび割れ軽減を目的として、有機樹脂粒子や、レベリング剤をさらに含有させてもよい。有機樹脂粒子としては、シリコーン粒子等の疎水性有機樹脂粒子や、架橋型ポリメタクリレート樹脂(PMMA)粒子等の親水性有機樹脂粒子を用いることができる。
下引き層には、各種添加物を含有させることができる。添加物としては、例えば金属、導電性物質、電子輸送性物質、金属キレート化合物、シランカップリング剤等の有機金属化合物が挙げられる。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、これを乾燥させることによって形成することができる。感光層に用いられる電荷発生物質としては、例えば、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、スクワリリウム色素、チアピリリウム塩、トリフェニルメタン色素、キナクリドン顔料が挙げられる。アズレニウム塩顔料、シアニン染料、アントアントロン顔料、ピラントロン顔料、キサンテン色素、キノンイミン色素、スチリル色素が挙げられる。
これら電荷発生物質は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これらの中でも、感度の観点から、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。さらに、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの中でも、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.3°および28.2°±0.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル樹脂、尿素樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアセタールおよび塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体が好ましい。これら結着樹脂は、単独で若しくは混合して、または1種若しくは2種以上の共重合体として、用いることができる。
分散方法としては、例えば、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、アトライターを用いた方法が挙げられる。
電荷発生層における電荷発生物質と結着樹脂との割合は、結着樹脂1質量部に対して電荷発生物質が0.3質量部以上10質量部以下であることが好ましい。電荷発生層には、必要に応じて、例えば、増感剤、レベリング剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、整流性材料を添加することもできる。電荷発生層の膜厚は、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解させて得られる電荷輸送層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
電荷輸送物質としては、前述したトリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、エナミン化合物の他に、ピレン化合物、N−アルキルカルバゾール化合物、ヒドラゾン化合物、N,N−ジアルキルアニリン化合物、ジフェニルアミン化合物、トリフェニルアミン化合物、トリフェニルメタン化合物、ピラゾリン化合物、ブタジエン化合物が挙げられる。これら電荷輸送物質は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これら電荷輸送物質の中でも、式(E)で示される構造を有するものが電荷輸送層のクラック防止の観点から好ましい。より好ましくは式(E−1)〜(E−9)で示す化合物を含むことが好ましい。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、式(A)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂および式(B)で示される繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂よりなる群より選択される少なくとも1種の樹脂つまり樹脂(α)であることが好ましい。また、樹脂(α)とともにこのほかの樹脂、例えば、アクリル樹脂、ポリビニルカルバゾール、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリサルホン、塩化ビニリデン、アクリロニトリル共重合体、ポリビニルベンザールなどを電荷輸送層中に含有しても構わない。これら結着樹脂は、単独で若しくは混合して、または1種若しくは2種以上の共重合体として、用いることができる。
電荷輸送層における電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、結着樹脂1質量部に対して電荷輸送物質が0.3質量部以上3質量部以下であることが好ましい。電荷輸送層の膜厚は、5μm以上40μm以下であることが好ましく、8μm以上40μm以下であることがより好ましい。
電荷輸送層用塗布液には、溶剤(β)としてのトルエンおよびキシレンからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤、並びに溶剤(γ)としての安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸ベンジル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、シクロヘキサノン、およびシクロペンタノンからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤が含まれる。
また、本発明の電荷輸送層用塗布液は、溶剤(δ)ジメトキシメタンおよびテトラヒドロフランからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤を含有していてもよい。必要に応じて、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤などの劣化防止剤、可塑剤、レベリング剤、有機微粒子、無機微粒子を添加することもできる。
劣化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、硫黄原子含有酸化防止剤、およびリン原子含有酸化防止剤など、並びにヒンダードアミン系耐光安定剤などが挙げられる。
有機微粒子としてはフッ素原子含有樹脂微粒子、ポリスチレン微粒子、ポリエチレン樹脂粒子のような高分子樹脂粒子が挙げられる。無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナのような金属酸化物が挙げられる。
本発明の電子写真感光体の製造方法では、電子写真感光体の耐摩耗性やクリーニング性の向上を目的として、電荷輸送層上に保護層を形成する。保護層は、結着樹脂を溶剤に溶解させて得られる保護層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させ、電子線を照射する工程と、加熱して硬化させる工程を順次行うことによって形成することができる。
保護層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、フェノール樹脂などが挙げられる。
また、保護層は、重合性のモノマーあるいはオリゴマーを溶剤に溶解させて得られる保護層用塗布液の塗膜を形成し、塗膜を架橋または重合反応を用いて硬化(重合)させて保護層を形成してもよい。重合性のモノマーあるいはオリゴマーとしては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基やスチリル基などの連鎖重合性官能基を有する化合物や、ヒドロキシ基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、エポキシ基などの逐次重合性官能基を有する化合物が挙げられる。
硬化方法としては、例えば、ラジカル重合、イオン重合、熱重合、光重合、放射線重合(電子線重合)、プラズマCVD法、光CVD法などが挙げられる。
また、保護層には、導電性粒子や電荷輸送物質を添加してもよい。導電性粒子としては、上記導電層に用いられる導電性顔料を用いることができる。電荷輸送物質としては、上記の電荷輸送物質を用いることができる。
さらに、耐摩耗性と電荷輸送能力の両立の観点から、重合性官能基を有する電荷輸送物質を用いることがより好ましい。重合性官能基としてはアクリロイルオキシ基が好ましい。また、同一分子内に重合性官能基を2つ以上有する電荷輸送物質が好ましい。
また、保護層には、有機樹脂粒子や無機粒子を含有させてもよい。有機樹脂粒子としては、フッ素原子含有樹脂粒子、アクリル樹脂粒子が挙げられる。無機粒子としては、アルミナ、シリカ、チタニアが挙げられる。さらに、導電性粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤などを添加してもよい。
さらに、保護層の表面を、粗面化、ブラスト加工、圧接形状転写などにより加工しても良い。
保護層の膜厚は、0.1〜30μmであることが好ましく、1〜10μmであることがより好ましい。
上記各層の塗布液を塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法を用いることができる。
図1に、本発明の電子写真感光体の保護層表面の粗面化の一例として、粗面化手段として研磨シートを用いた研磨機を用いた例を示す。研磨シート1−1とは、シート状基材上に研磨砥粒が結着樹脂中に分散された層を設けてなるシート状の研磨部材のことである。研磨シート1−1は中空の軸1−9に巻かれており、軸1−9に研磨シート1−1が送られる方向と逆方向に、研磨シート1−1に張力が与えられるようモーター(不図示)が配置されている。研磨シート1−1は矢印方向に送られ、ガイドローラー1−2および1−3を介してバックアップローラー1−6を通り、研磨後の研磨シート1−1はガイドローラー1−4および1−5を介してモーター(不図示)により巻き取り手段1−8に巻き取られる。研磨は、研磨シート1−1が電子写真感光体(周面の粗面化(研磨)を行う前の電子写真感光体、または、周面の粗面化(研磨)および清掃を行う前の電子写真感光体)1−7に常時圧接され、電子写真感光体1−7の周面を粗面化することで行われる。研磨シート1−1は絶縁性であることが多いので、研磨シート1−1の接する部位には、アースに接地されたものまたは導電性を有するものを用いることが好ましい。
被処理体である電子写真感光体1−7は、研磨シート1−1を介してバックアップローラー1−6と対向した位置に置かれる。この際、研磨シート1−1の基材側からバックアップローラー1−6が電子写真感光体1−7に対して所望の設定値(圧力)で所定の時間押し当てられ、電子写真感光体1−7の周面が粗面化される。電子写真感光体1−7の回転方向は、研磨シート1−1の送られる方向と同一であってもよいし、対向であってもよい。また、粗面化の途中で電子写真感光体1−7の回転方向を変更してもよい。
図2に、本発明の電子写真感光体の保護層表面のブラスト加工用の装置の一例を示す。容器(不図示)に貯留されている研磨材であるブラスト砥粒2−5は、研磨材経路であるブラスト砥粒供給管2−4より噴射ノズル2−1に導かれ、突出エア供給管2−3より導入された圧縮エアを用いて噴射ノズル2−1より噴射され、ワーク支持体2−6により支持され自転している電子写真感光体2−7に衝突する。
このとき噴射ノズル2−1とワーク支持体2−6の距離はノズル固定冶具2−2およびノズル固定アーム2−9により調整されて決められる。噴射ノズル2−1は通常ワーク支持体2−6の回転軸方向に対して移動しながら粗面化処理を行い、ノズル支持体2−8がワーク支持体2−6の回転軸方向に移動することによりワーク支持体2−6に対してムラ無く粗面化処理を施すことができる。
この時、噴射ノズル2−1と電子写真感光体表面の最短距離は適当な間隔に調整する必要がある。この距離が過剰に近い若しくは遠いと加工効率が落ちる、または所望の粗面化が行えない場合がある。噴射の動力に用いる圧縮空気の圧力も適度な圧力に調整する必要がある。このように、電子写真感光体の保護層の表面を製膜完成後に粗面化することで生産性の良い製造法が確立できる。
本発明の表面形状、または粗面化は電子写真感光体の下地の導電性基体の面形状とは無関係である。特に、有機感光層の成膜法が浸漬塗布法の場合、しばしば成膜された面は非常に平滑で、仮に下地を粗面化したとしてもその面形状を反映することはない。
図3に、本発明の電子写真感光体の保護層表面の圧接形状転写のための加工装置の一例を示す。被加工物である電子写真感光体3−1を回転させながら、その表面(周面)に連続的にモールド3−2を接触させ、加圧することにより、電子写真感光体3−1の表面に凹部や平坦部を形成することができる。
加圧部材3−3の材質としては、例えば、金属、金属酸化物、プラスチック、ガラスなどが挙げられる。これらの中でも、機械的強度、寸法精度、耐久性の観点から、ステンレス鋼(SUS)が好ましい。加圧部材3−3は、その上面にモールドが設置される。また、加圧部材3−3の下面側の支持部材(不図示)および加圧システム(不図示)により、支持部材3−4に支持された電子写真感光体3−1の表面に、モールド3−2を所定の圧力で接触させることができる。また、支持部材3−4を加圧部材3−3に対して所定の圧力で押し付けてもよいし、支持部材3−4および加圧部材3−3を互いに押し付けてもよい。
図3に示す例は、加圧部材3−3を移動させることにより、電子写真感光体3−1が従動または駆動回転しながら、その表面を連続的に加工する例である。さらに、加圧部材3−3を固定し支持部材3−4を移動させることにより、または、支持部材3−4および加圧部材3−3の両者を移動させることにより、電子写真感光体3−1の表面を連続的に加工することもできる。
なお、形状転写を効率的に行う観点から、モールド3−2や電子写真感光体3−1を加熱することが好ましい。
モールドとしては、例えば、微細な表面加工された金属や樹脂フィルムや、シリコンウエハーなどの表面にレジストによりパターニングをしたものや、微粒子が分散された樹脂フィルムや、微細な表面形状を有する樹脂フィルムに金属コーティングを施したものなどが挙げられる。
また、電子写真感光体に押し付けられる圧力を均一にする観点から、モールドと加圧部材との間に弾性体を設置することが好ましい。
図4には、図3の圧接形状転写加工装置に用いる型(モールド)の一例を示す。電子写真感光体の表面に凹部や平坦部を形成するため、凸部や平坦部を有する。材質は金属、樹脂、ガラスなどが使用できるが、対摩耗性や強度から金属が適し、中でもニッケルが最適である。
<プロセスカートリッジ、電子写真装置>
図5に、本発明の電子写真感光体1を有するプロセスカートリッジ9を備えた電子写真装置の例を示す。
図5において、円筒状の本発明の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、回転過程において、帯電手段(一次帯電手段:例えば、帯電ローラーなど)3により、正または負の所定電位に均一に帯電される。次いで、露光手段(画像露光手段)(不図示)から照射される露光光(画像露光光)4を受ける。このようにして、電子写真感光体1の表面には、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。
本発明は、放電を利用した帯電手段3を用いた場合において、効果が特に大きい。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、次いで現像手段5内のトナー(不定形トナーまたは球形トナー)で現像(正規現像または反転現像)されてトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像が、転写手段(例えば、転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材上に転写されていく。このとき、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送される。また、転写手段には、トナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧がバイアス電源(不図示)から印加される。
トナー像が転写された転写材Pは、電子写真感光体の表面から分離されて定着手段8へ搬送されてトナー像の定着処理を受けることにより、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、電子写真感光体1の表面に接触配置(当接)されたクリーニング部材(クリーニングブレードなど)を有するクリーニング手段7によって転写残トナーなどの付着物の除去を受けて清浄面化される。さらに、前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図5に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上記の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6、およびクリーニング手段7などの構成要素の中から複数のものを選択し、これらを容器に納めてプロセスカートリッジ9として一体に支持して構成してもよい。そして、このプロセスカートリッジ9を複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図5では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5、およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
以下、具体的な実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。また、電子写真感光体を、以下単に「感光体」ともいう。
(感光体1の製造例)
直径30mm、長さ357.5mmのアルミニウムシリンダーを電子写真感光体1の支持体とした。
<導電層1の作製>
酸化スズで被覆されている硫酸バリウム粒子(商品名:パストランHPC、彦島製錬株式会社製)40部、酸化チタン粒子(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)10部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、DIC(株)(旧:大日本インキ化学工業(株))製、固形分70質量%)29部、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)(旧:東レシリコーン(株))製)0.01部、シリコーン樹脂粒子(商品名:KMP−590、信越アステック株式会社製)4.8部、2−メトキシ−1−プロパノール50部、および、メタノール50部を、ボールミルに入れ、20時間分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を1時間140℃で加熱し、硬化させることによって、厚さ18μmの導電層1を形成した。
<下引き層の作成>
次に、共重合ナイロン(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10部およびメトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)30部を、メタノール400部/n−ブタノール200部の混合溶剤に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層1上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、厚さ0.45μmの下引き層を形成した。
<電荷発生層の作成>
次に、電荷発生物質としてCuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.2°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶20部、式(1)で示されるカリックスアレーン化合物0.2部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)10部、および、シクロヘキサノン600部を、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、4時間分散処理した後、酢酸エチル700部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を15分間80℃で乾燥させることによって、厚さ0.17μmの電荷発生層を形成した。
Figure 2018010249
<電荷輸送層の作成>
次に、式(E−1)で示される電荷輸送物質(正孔輸送性化合物)4部、式(E−4)で示される電荷輸送物質(正孔輸送性化合物)4部、および、表1に示す樹脂A1を10部、o−キシレン27.9部、安息香酸メチル16.4部、ジメトキシメタン37.7部を混合し、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を60分間120℃で乾燥させることによって、厚さ18μmの電荷輸送層を形成した。
<表面保護層1の作製>
フッ素原子含有樹脂(商品名:GF−300、東亞合成(株)社製)1.5部を、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)社製)45部および1−プロパノール45部の混合溶剤に溶解した。その後、四フッ化エチレン樹脂粉体(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)30部を加えた液を、高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、(株)パウレック製)に通し、分散液を得た。その後、式(F)で示される正孔輸送性化合物70部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン30部および1−プロパノール30部を前記分散液に加え、ポリフロンフィルター(商品名:PF−040、アドバンテック東洋(株)製)で濾過を行い、保護層用塗布液を調製した。
Figure 2018010249
この保護層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を5分間50℃で乾燥させた。乾燥後、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、吸収線量8000Gyの条件で1.6秒間電子線を塗膜に照射した。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜の温度が120℃になる条件で1分間加熱処理を行った。なお、電子線の照射から1分間の加熱処理までの酸素濃度は30ppmであった。次に、大気中において、塗膜が110℃になる条件で1時間加熱処理を行い、厚さ5μmである保護層を形成した。
<表面処理1の方法>
図1に示す研磨機を用いて、下記条件で感光体表面の研磨を行った。
研磨シートの送りスピード:400mm/min
感光体の回転数:240rpm
バックアップローラーの電子写真感光体に対する押し当て圧:2.0N/m
研磨砥粒:炭化珪素
研磨砥粒の平均粒径:6μm
研磨時間:20秒
さらに、感光体表面に残存付着した削れ粉などを圧縮エアを吹き付けることによって除去した。
以上の方法で、感光体1を製造した。
(感光体2〜11、24〜34の製造例)
感光体1の製造例において導電層、樹脂(α)、溶剤(β)、溶剤(γ)、溶剤(δ)、表面保護層、表面処理を表2に示したように変更した以外は感光体1の製造例と同様にして電子写真感光体を作製した。得られた電子写真感光体を「感光体2〜11、24〜34」とする。
(感光体12〜23の製造例)
感光体1の製造例において導電層、樹脂(α)、溶剤(β)、溶剤(γ)、溶剤(δ)、表面保護層、表面処理を表2に示したように変更し、下引き層を設けなかった以外は感光体1の製造例と同様にして電子写真感光体を作製した。得られた電子写真感光体を「感光体12〜23」とする。
なお、感光体2〜34の製造例において、導電層2の成膜、表面保護層2の成膜、並びに表面処理2の方法および表面処理3の方法は、以下に示す方法で行った。
<導電層2の作製>
酸化亜鉛粒子(比表面積:19m/g、粉体抵抗:4.7×10Ω・cm)100部をトルエン500部と撹拌混合し、これにシランカップリング剤(化合物名:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、商品名:KBM602、信越化学工業(株)製)0.8部を添加し、6時間攪拌した。その後、トルエンを減圧留去して、130℃で6時間加熱乾燥し、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。
次に、前記表面処理された酸化亜鉛粒子80部と、式(2)で示される化合物0.8部と、式(3)で示される化合物の1質量%メチルエチルケトン溶液1.6部と、硬化剤としてブロックイソシアネート(商品名:スミジュール3175、住化バイエルウレタン(株)製)15部と、ポリオール樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業(株)製)15部をメチルエチルケトン72部と1−ブタノール72部の混合液に溶解した溶液とを、混合した。これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニング(株)製)0.01部、架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子(商品名:テクポリマーSSX−103、積水化成品工業(株)製)5.6部を加えて撹拌し、導電層用塗布液を得た。
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを40分間160℃で乾燥させることによって、膜厚が18μmの導電層2を形成した。
Figure 2018010249
Figure 2018010249
<表面保護層2の作製>
式(F)で示される正孔輸送性化合物70部を、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)社製)45部および1−プロパノール45部の混合溶剤に溶解し、ポリフロンフィルター(商品名:PF−040、アドバンテック東洋(株)製)で濾過を行い、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を5分間50℃で乾燥させた。乾燥後、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、吸収線量8600Gyの条件で1.6秒間電子線を塗膜に照射した。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜の温度が120℃になる条件で1分間加熱処理を行った。なお、電子線の照射から1分間の加熱処理までの酸素濃度は30ppmであった。次に、大気中において、塗膜が110℃になる条件で1時間加熱処理を行い、膜厚5μmである保護層を形成した。
<表面処理2の方法>
図2に示す乾式ブラスト装置(不二精機製造所製)を用いて、下記条件にてブラスト処理を行った。
研磨材砥粒:球状ガラスビーズ、平均粒径が30μm(商品名:UB−01L (株)ユニオン製)
エア吹き付け圧力:3.5kgf/cm
ブラストガン移動速度:430mm/min
ワーク(感光体)回転速度:288rpm
噴射ノズルの先端と感光体の距離:100mm
砥粒吐出角度:90°
砥粒供給量:200g/min
ブラスト回数:片道×2回
さらに、感光体表面に残存付着した研磨材などを圧縮エアを吹き付けることによって除去した。
<表面処理3の方法>
電子写真感光体に対して、図3に示した装置において、図4に示した形状転写用のモールドを設置し表面処理を行なった。加工時の電子写真感光体およびモールドの温度は110℃に制御し、50kg/cmの圧力で加圧しながら、感光体を周方向に回転させ形状転写を行なった。
Figure 2018010249
〔実施例1〕
<初期画像評価>
感光体1を、評価装置であるキヤノン(株)製の電子写真装置(複写機)(商品名:iR−ADV C5255)の改造機のシアンステーションに装着し、以下のように試験および評価を行った。
まず、23℃/50%RH環境下で、電子写真感光体の暗部電位(Vd)が−580V、明部電位(Vl)が−120Vになるように帯電装置および画像露光装置の条件を設定し、電子写真感光体の初期電位を調整した。
次に、シアン濃度30%のスクリーン画像をハーフトーン画像として出力し、画像欠陥の無いことを確認した。
<電位変動評価>
電子写真感光体の表面電位(暗部電位および明部電位)の測定は上記評価装置のカートリジを改造し、電子写真感光体の端部から178mm位置(およそ中央部)に電位測定用プローブが位置するように固定された冶具と現像機を交換して現像位置で行った。電子写真感光体の非露光部の暗部電位が−580Vになるように印加バイアスを設定し、レーザー光(0.26cJ/m)を照射して暗部電位から光減衰させた明部電位を測定した。また、A4サイズの普通紙を用い、連続して画像出力を100000枚行い、その後の明部電位を測定した。さらに画像出力後の明部電位と画像出力前の明部電位との差をΔとして算出した。結果を表3に示す。
<摩耗量評価>
電位変動評価で用いた感光体の初期と耐久後の表面保護層の膜厚を瞬間マルチ測定システムMCPD−3000を用いた干渉膜厚計(大塚電子製)で測定し、差分を計算して、摩耗量とした。結果を表3に示す。
〔実施例2〜34〕
実施例1において感光体1を感光体2〜34に変更した以外はすべて実施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2018010249
これら実施例の結果より、本発明の電子写真感光体が耐摩耗性と繰り返し使用後の電位安定性とを両立することが分かった。
1−1 研磨シート
1−2 ガイドローラー
1−3 ガイドローラー
1−4 ガイドローラー
1−5 ガイドローラー
1−6 バックアップローラー
1−7 電子写真感光体
1−8 巻き取り手段
1−9 軸
2−1 噴射ノズル
2−2 ノズル固定冶具
2−3 突出エア供給管
2−4 ブラスト砥粒供給管
2−5 ブラスト砥粒
2−6 ワーク支持体
2−7 電子写真感光体
2−8 ノズル支持体
2−9 ノズル固定アーム
3−1 電子写真感光体
3−2 モールド
3−3 加圧部材
3−4 支持部材
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材

Claims (7)

  1. 支持体および該支持体上に電荷発生層と電荷輸送層と保護層を有する電子写真感光体の製造方法であって、該製造方法が該電荷発生層上に電荷輸送層用塗布液を塗布して電荷輸送層用塗布液の塗膜を形成し、該電荷輸送層用塗布液の塗膜を乾燥して該電荷輸送層を形成する工程を有し、さらに該電荷輸送層上に保護層用塗布液を塗布して保護層用塗布液の塗膜を形成し、電子線を照射する工程と、加熱して硬化させる工程を順次行うことにより該保護層を形成する電子写真感光体の製造方法であって、
    該電荷輸送層用塗布液が、
    樹脂(α)としてのポリカーボネート樹脂およびポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂、
    溶剤(β)としてのトルエンおよびキシレンからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤、並びに
    溶剤(γ)としての安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸ベンジル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、シクロヘキサノン、およびシクロペンタノンからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤
    を含有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 前記電荷輸送層用塗布液が、さらに、
    溶剤(δ)としてのジメトキシメタンおよびテトラヒドロフランからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤をさらに含有することを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 前記ポリカーボネート樹脂が式(A)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂であることを特徴とする、請求項1または2に記載の電子写真感光体の製造方法。
    Figure 2018010249
    (式(A)中、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。Xは、単結合、シクロヘキシリデン基、または式(C)で示される構造を有する2価の基を示す。)
    Figure 2018010249
    (式(C)中、R31およびR32は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、またはフェニル基を示す。)
  4. 前記ポリエステル樹脂が式(B)で示される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂である請求項1から3のいずれか一項に記載の電子写真感光体の製造方法。
    Figure 2018010249
    (式(B)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。Xは、単結合、シクロヘキシリデン基、または式(C)で示される構造を有する2価の基を示す。Yは、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。)
    Figure 2018010249
    (式(C)中、R31およびR32は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、またはフェニル基を示す。)
  5. 前記ポリカーボネート樹脂が式(A)で示される繰り返し構造の末端に式(D)で示される構造を有するポリカーボネート樹脂である請求項3または4に記載の電子写真感光体の製造方法。
    Figure 2018010249
    (式(D)中、aはシロキサン単位の構造の繰り返し数を示す10以上200以下の整数であり、bはメチレン単位の構造の繰り返し数を示す1以上10以下の整数である。)
  6. 前記ポリエステル樹脂が式(B)で示される繰り返し構造の末端に式(D)で示される構造を有するポリエステル樹脂である請求項4または5に記載の電子写真感光体の製造方法。
    Figure 2018010249
    (式(D)中、aはシロキサン単位の繰り返し数を示す10以上200以下の整数であり、bはメチレン単位の構造の繰り返し数を示す1以上10以下の整数である。)
  7. 前記溶剤(β)が、キシレンである請求項1から6のいずれか一項に記載の電子写真感光体の製造方法。
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