以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
また、図面において、大きさ、層の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状または値などに限定されない。
また、本明細書にて用いる「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
また、本明細書において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。また、構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。従って、明細書で説明した語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、本明細書等において、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイン領域またはドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域またはソース電極)の間にチャネル領域を有しており、ドレインとチャネル領域とソースとを介して電流を流すことができるものである。なお、本明細書等において、チャネル領域とは、電流が主として流れる領域をいう。
また、ソースやドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
また、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極や配線をはじめ、トランジスタなどのスイッチング素子、抵抗素子、インダクタ、キャパシタ、その他の各種機能を有する素子などが含まれる。
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
本明細書等において、金属酸化物膜(metal oxide)とは、広い表現での金属の酸化物である。金属酸化物膜は、酸化物絶縁膜、酸化物導電膜(透明酸化物導電膜を含む)、酸化物半導体膜(Oxide Semiconductorまたは単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの半導体層に金属酸化物膜を用いた場合、当該金属酸化物膜を酸化物半導体膜と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物膜が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有する場合、当該金属酸化物膜を、金属酸化物膜半導体(metal oxide semiconductor)、略してOSと呼ぶことができる。また、OS FETと記載する場合においては、金属酸化物膜または酸化物半導体膜を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物膜も金属酸化物膜(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物膜を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
また、本明細書等において、CAAC(c−axis aligned crystal)、及びCAC(cloud aligned complementary)と記載する場合がある。なお、CAACは結晶構造の一例を表し、CACは機能、または材料の構成の一例を表す。
また、本明細書等において、CAC−OSまたはCAC−metal oxideとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC−OSまたはCAC−metal oxideを、トランジスタの半導体層に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC−OSまたはCAC−metal oxideに付与することができる。CAC−OSまたはCAC−metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
また、本明細書等において、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、導電性領域、及び絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC−OSまたはCAC−metal oxideをトランジスタのチャネル領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、及び高い電界効果移動度を得ることができる。
すなわち、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、または金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置および当該表示装置の作製方法について、図1乃至図13を用いて説明を行う。
<1−1.表示装置の構成例>
まず、表示装置の構成例について、図1を用いて説明する。図1に示す表示装置500は、画素部502と、画素部502の外側に配置されるゲートドライバ回路部504a、504bと、画素部502の外側に配置されるソースドライバ回路部506a、506bと、を有する。図1に示す表示装置500は、ソースドライバ回路部506a、506bに電気的に接続されている演算回路部20を有する。また、図1に示す表示装置500は、配線CL_Lを介してゲートドライバ回路部504aと電気的に接続され、配線CL_Eを介してゲートドライバ回路部504bと電気的に接続されている制御回路部21を有する。
[画素部]
画素部502は、X行(Xは2以上の自然数)、Y列(Yは2以上の自然数)に配置される画素10(X,Y)を有する。また、画素10(X,Y)は、2種類の表示素子を有し、当該2種類の表示素子は、それぞれ異なる機能を有する。2種類の表示素子の一方は、例えば入射する光を反射する機能を有し、これにより画像を表示する機能を有する。2種類の表示素子の他方は、例えば光を発する機能を有し、これにより画像を表示する機能を有する。例えば、2種類の表示素子の一方は、液晶層を有し、2種類の表示素子の他方は、発光層を有する。なお、当該2種類の表示素子の詳細については後述する。
なお、詳細は後述するが、1つの画素10(X,Y)は、2種類の表示素子の一方を1個有する。一方、1つの画素10(X,Y)は、2種類の表示素子の他方を複数有する。例えば、1つの画素10(X,Y)は、2種類の表示素子の他方を3個または4個有する。
[演算回路部]
演算回路部20、制御回路部21、ゲートドライバ回路部504a、504bおよびソースドライバ回路部506a、506bの一部または全部は、画素部502と同一基板上に形成されていることが望ましい。これにより、部品数や端子数を減らすことができる。演算回路部20、制御回路部21、ゲートドライバ回路部504a、504b、およびソースドライバ回路部506a、506bの一部または全部が画素部502と同一基板上に形成されない場合には、COG(Chip On Glass)またはTAB(Tape Automated Bonding)によって、別途用意された駆動回路基板(例えば、単結晶半導体膜または多結晶半導体膜で形成された駆動回路基板)を、表示装置500に形成してもよい。
演算回路部20は、2種類の表示素子の一方により表示される画像の輝度の階調、および2種類の表示素子の他方により表示される画像の輝度の階調などの情報を有するデジタルデータ(表示データ)を生成する機能を有する。演算回路部20により生成された表示データのうち、2種類の表示素子の一方により表示される画像に関する情報を有するデータはソースドライバ回路部506aに送信することができ、2種類の表示素子の他方により表示される画像に関する情報を有するデータはソースドライバ回路部506bに送信することができる。
本明細書等において階調とは、各表示素子により表示される画像の輝度をデジタル値で表した場合における当該デジタル値を意味する。例えば、各表示素子により表示される画像の輝度を256段階で表す場合、最も輝度が低い場合は例えば0であり、最も輝度が高い場合は例えば255である。なお、階調が同じであっても、表示される画像の輝度は異なる場合がある。例えば、2種類の表示素子の一方と、2種類の表示素子の他方と、では階調が同じであっても表示される画像の輝度が異なる場合がある。
演算回路部20として、例えばCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)GPU(Graphics Processing Unit)等を用いることができる。またこれらをFPGA(Field Programmable Gate Array)やFPAA(Field Programmable Analog Array)といったPLD(Programmable Logic Device)によって実現した構成としてもよい。
[ソースドライバ回路部]
ソースドライバ回路部506a、506bは、演算回路部20から送信された表示データをD/A変換し、画素10(X,Y)が有する表示素子を駆動するためのアナログ信号(データ信号)を生成する機能を有する。
ソースドライバ回路部506aは、表示データを元に画素10(X,Y)に書き込むデータ信号を生成する機能、データ信号が与えられる配線(信号線SL_L[n]、信号線SL_L[n+1]および信号線SL_L[Y])の電位を制御する機能、または初期化信号を供給する機能を有する。ソースドライバ回路部506bは、表示データを元に画素10(X,Y)に書き込むデータ信号を生成する機能、データ信号が与えられる配線(信号線SL_E1[n]、信号線SL_E1[n+1]、信号線SL_E1[Y]、信号線SL_E2[n]、信号線SL_E2[n+1]、および信号線SL_E2[Y])の電位を制御する機能、または初期化信号を供給する機能を有する。なお、上記において、nはY以下の自然数を表す。
ただし、ソースドライバ回路部506a、506bは、上記の機能に限定されず、別の信号を生成、制御または供給する機能を有していてもよい。
また、ソースドライバ回路部506a、506bは、複数のアナログスイッチなどを用いて構成される。ソースドライバ回路部506a、506bは、複数のアナログスイッチを順次オン状態にすることにより、表示データを時分割してD/A変換を行うことにより生成した信号をデータ信号として出力する。
なお、図1においては、ソースドライバ回路部を2つ設ける構成について例示したが、これに限定されず、1つのソースドライバ回路部、または3つ以上のソースドライバ回路部を設ける構成としてもよい。例えば、ソースドライバ回路部を1つだけ設け、当該ソースドライバ回路部により信号線SL_L[n]、信号線SL_L[n+1]、信号線SL_L[Y]、信号線SL_E1[n]、信号線SL_E1[n+1]、信号線SL_E1[Y]、信号線SL_E2[n]、信号線SL_E2[n+1]、および信号線SL_E2[Y]を制御してもよい。
[ゲートドライバ回路部]
ゲートドライバ回路部504a、504bは、画素10(X,Y)を選択する信号(走査信号)を出力する機能を有する。
また、ゲートドライバ回路部504aは、走査信号が与えられる配線(以下、走査線GL_L[m]、走査線GL_L[m+1]、および走査線GL_L[X])の電位を制御する機能、または初期化信号を供給する機能を有する。また、ゲートドライバ回路部504bは、走査信号が与えられる配線(以下、走査線GL_E1[m]、走査線GL_E1[m+1]、走査線GL_E2[m]、走査線GL_E2[m+1]、走査線GL_E1[X]、および走査線GL_E2[X])の電位を制御する機能、または初期化信号を供給する機能を有する。なお、上記において、mはX以下の自然数を表す。
ただし、ゲートドライバ回路部504a、504bは、上記の機能に限定されず、別の信号を制御または供給する機能を有していてもよい。
なお、図1においては、ゲートドライバ回路部として、ゲートドライバ回路部504aと、ゲートドライバ回路部504bと、2つ設ける構成について例示したが、これに限定されず、1つのゲートドライバ回路部、または3つ以上のゲートドライバ回路部を設ける構成としてもよい。
[制御回路部]
制御回路部21は、クロック信号を生成する機能を有する。配線CL_Lを介してゲートドライバ回路部504aにクロック信号が供給され、配線CL_Eを介してゲートドライバ回路部504bにクロック信号が供給される。
[画素]
また、画素10(X,Y)は、走査線GL_L[m]、走査線GL_L[m+1]、および走査線GL_L[X]の一つを介してパルス信号が入力され、信号線SL_L[n]、信号線SL_L[n+1]、信号線SL_L[Y]、信号線SL_E1[n]、信号線SL_E1[n+1]、信号線SL_E1[Y]、信号線SL_E2[n]、信号線SL_E2[n+1]、および信号線SL_E2[Y])の一つを介してデータ信号が入力される。
例えば、m行n列目の画素10(m,n)は、走査線GL_L[m]を介してゲートドライバ回路部504aからパルス信号が入力され、走査線GL_L[m]の電位に応じて信号線SL_L[n]を介してソースドライバ回路部506aからデータ信号が入力される。
また、m行n列目の画素10(m,n)は、走査線GL_E1[m]および走査線GL_E2[m]を介してゲートドライバ回路部504bからパルス信号が入力され、走査線GL_E1[m]および走査線GL_E2[m]の電位に応じて信号線SL_E1[n]および信号線SL_E2[n]を介してソースドライバ回路部506bからデータ信号が入力される。
また、画素10(m,n)は、先の説明の通り、2種類の表示素子を有する。走査線GL_L[m]、走査線GL_L[m+1]、および走査線GL_L[X]は、2種類の表示素子の一方の電位を制御する配線であり、走査線GL_E1[m]、走査線GL_E1[m+1]、走査線GL_E1[X]、走査線GL_E2[m]、走査線GL_E2[m+1]、および走査線GL_E2[X]は、2種類の表示素子の他方の電位を制御する配線である。
また、信号線SL_L[n]、SL_L[n+1]、およびSL_L[Y]は、2種類の表示素子の一方に与えられるデータ信号の電位を制御する配線であり、信号線SL_E1[n]、SL_E1[n+1]、SL_E1[Y]、信号線SL_E2[n]、SL_E2[n+1]、およびSL_E2[Y]は、2種類の表示素子の他方に与えられるデータ信号の電位を制御する配線である。
[外部回路]
表示装置500には、外部回路508が接続される。なお、表示装置500が外部回路508を有する構成としてもよい。
外部回路508は、図1に示すように、アノード電位が与えられる配線(以下、ANODE、または配線AONDE)と電気的に接続されている。
<1−2.画素の回路構成>
次に、画素10(m,n)、画素10(m,n+1)、画素10(m+1,n)および画素10(m+1,n+1)の回路構成の一例について、図2を用いて説明する。
図2は、表示装置500が有する画素10(m,n)、画素10(m,n+1)、画素10(m+1,n)および画素10(m+1,n+1)の一例を説明する回路図である。
画素10(m,n)は、走査線GL_L[m]、走査線GL_E1[m]、走査線GL_E2[m]、信号線SL_E1[n]、信号線SL_L[n]、および信号線SL_E2[n]を有する。画素10(m,n+1)は、走査線GL_L[m]、走査線GL_E1[m]、走査線GL_E2[m]、信号線SL_E1[n+1]、信号線SL_L[n+1]、および信号線SL_E2[n+1]を有する。画素10(m+1,n)は、走査線GL_L[m+1]、走査線GL_E1[m+1]、走査線GL_E2[m+1]、信号線SL_E1[n]、信号線SL_L[n]、および信号線SL_E2[n]を有する。画素10(m+1,n+1)は、走査線GL_L[m+1]、走査線GL_E1[m+1]、走査線GL_E2[m+1]、信号線SL_E1[n+1]、信号線SL_L[n+1]、および信号線SL_E2[n+1]を有する。
また、画素10(m,n)、画素10(m,n+1)、画素10(m+1,n)および画素10(m+1,n+1)は、それぞれトランジスタMA1乃至MA4と、トランジスタMA5と、トランジスタMB1乃至MB4と、容量素子Cs_Lと、表示素子12と、表示素子14と、を有する。なお、図2において、画素10(m,n)、画素10(m,n+1)、画素10(m+1,n)および画素10(m+1,n+1)は、それぞれ表示素子12を1個ずつ有し、表示素子14を4個ずつ(表示素子14B、表示素子14G、表示素子14R、表示素子14W)有する。また、図2などにおいて、画素10(m,n)が有する表示素子12を表示素子12Bと表記し、画素10(m,n+1)が有する表示素子12を表示素子12Gと表記し、画素10(m+1,n)が有する表示素子12を表示素子12Rと表記し、画素10(m+1,n+1)が有する表示素子12を表示素子12Wと表記している。
表示素子12は、2種類の表示素子の一方に該当し、例えば入射する光を反射することにより画像を表示する機能を有する。表示素子14は、2種類の表示素子の他方に該当し、例えば光を発することにより画像を表示する機能を有する。例えば、表示素子12は、液晶層を有し、表示素子14は、発光層を有する。なお、表示素子14は、例えば白色光を発する機能を有する。
画素10(m,n)、画素10(m,n+1)、画素10(m+1,n)および画素10(m+1,n+1)は、それぞれ表示素子12および表示素子14と電気的に接続される配線TCOMと、表示素子12と電気的に接続される配線CSCOMと、表示素子14と電気的に接続される配線ANODEおよび配線CATHODEと、を有する。
走査線GL_L[m]、走査線GL_L[m+1]、信号線SL_L[n]、信号線SL_L[n+1]、配線CSCOM、および配線TCOMは、それぞれ表示素子12を駆動するための配線である。また、走査線GL_E1[m]、走査線GL_E1[m+1]、走査線GL_E2[m]、走査線GL_E2[m+1]、信号線SL_E1[n]、信号線SL_E1[n+1]、信号線SL_E2[n]、信号線SL_E2[n+1]、配線ANODE、配線CATHODE、および配線CSCOMは、それぞれ表示素子14を駆動するための配線である。
なお、図2に示す表示素子12B、表示素子12G、表示素子12Rおよび表示素子12Wを有する画素10の位置関係はあくまで一例であり、本発明の一態様の目的を達成できる範囲で任意の画素10に表示素子12B、表示素子12G、表示素子12Rおよび表示素子12Wを設けることができる。例えば、画素10(m,n)に表示素子12Rを設け、画素10(m+1,n)に表示素子12Bを設けてもよい。
<1−3.表示素子12の構成例>
表示素子12は、光の反射または光の透過を制御する機能を有する。特に、表示素子12を光の反射を制御する、所謂反射型の表示素子とすると好適である。表示素子12を反射型の表示素子とすることで、外光を用いて表示を行うことが可能となるため、表示装置の消費電力を抑制することができる。例えば、表示素子12としては、反射膜と液晶素子と偏光板とを組み合わせた構成、またはマイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS)を用いる構成等とすればよい。なお、表示素子12として、反射膜を有しない透過型の表示素子としてもよい。
<1−4.表示素子14の構成例>
表示素子14は、光を発する機能、すなわち発光する機能を有する。よって、表示素子14を、発光素子として読み替えてもよい。例えば、表示素子14としては、OLED(Organic Light Emitting Diode)、LED(Light Emitting Diode)、QLED(Quantum−dot Light Emitting Diode)、半導体レーザなどの自発光性の発光素子を用いる構成等とすればよい。
このように、本発明の一態様の表示装置では、表示素子12および表示素子14に示すように、異なる機能を有する表示素子を用いる。例えば、表示素子の一方を液晶素子とし、他方をEL素子を用いることで、利便性または信頼性に優れた新規な表示装置を提供することができる。また、外光が明るい環境下においては、液晶素子を利用し、外光が暗い環境下においては、EL素子を用いることで、消費電力が低く、表示品位の高い表示装置を提供することができる。
<1−5.表示素子の駆動方法>
次に、表示素子12および表示素子14の駆動方法について、図2および図3を用いて説明する。なお、以下の説明においては、表示素子12に液晶素子を用い、表示素子14(表示素子14B、表示素子14G、表示素子14R、および表示素子14W)に発光素子を用いる構成とする。
[表示素子12の駆動方法]
画素10(m,n)において、トランジスタMA5のゲート電極は、走査線GL_L[m]に電気的に接続される。また、トランジスタMA5のソース電極またはドレイン電極の一方は信号線SL_L[n]に電気的に接続され、他方は表示素子12の一対の電極の一方に電気的に接続される。トランジスタMA5は、オン状態とオフ状態とを切り替えることにより、データ信号のデータの書き込みを制御する機能を有する。
本明細書等において、トランジスタをオン状態にするとは、当該トランジスタのゲートに高電位を印加することを表し、トランジスタをオフ状態にするとは、当該トランジスタのゲートに低電位を印加することを表す。なお、低電位とは、例えば接地電位とすることができる。
また、表示素子12の一対の電極の他方は、配線TCOMと電気的に接続される。
また、容量素子Cs_Lの一対の電極の一方は、トランジスタMA5のソース電極またはドレイン電極の他方、および表示素子12の一対の電極の一方に電気的に接続され、容量素子Cs_Lの一対の電極の他方は、配線CSCOMに電気的に接続される。容量素子Cs_Lは、画素10(m,n)に書き込まれたデータを保持する機能を有する。
例えば、図1に示すゲートドライバ回路部504aにより、各行の画素10(m,n)を順次選択し、トランジスタMA5がオン状態になることで、データ信号のデータを書き込む。データが書き込まれた画素10(m,n)は、トランジスタMA5がオフ状態になることで保持状態になる。これを行毎に順次行うことにより、画像を表示できる。
[表示素子14の駆動方法]
画素10(m,n)において、トランジスタMA1のゲート電極は、走査線GL_E1[m]に電気的に接続される。また、トランジスタMA1のソース電極およびドレイン電極の一方は、信号線SL_E1[n]に電気的に接続され、他方はトランジスタMB1のゲート電極および配線TCOMに電気的に接続される。トランジスタMA1は、オン状態とオフ状態とを切り替えることにより、データ信号のデータの書き込みを制御する機能を有する。
また、トランジスタMB1のソース電極およびドレイン電極の一方は、表示素子14Bの一対の電極の一方に電気的に接続され、トランジスタMB1のソース電極およびドレイン電極の他方は、配線ANODEに電気的に接続される。また、表示素子14Bの一対の電極の他方は、配線CATHODEに電気的に接続される。トランジスタMB1は、表示素子14Bに与えられる電流を制御する、所謂駆動トランジスタとしての機能を有する。
また、トランジスタMA1のソース電極およびドレイン電極の他方と、配線ANODEとの間には、容量素子が形成される。当該容量素子は、画素10(m,n)に書き込まれたデータを保持する機能を有する。また、トランジスタMB1は、バックゲート電極を有し、当該バックゲート電極は、トランジスタMB1のソース電極およびドレイン電極の一方と電気的に接続される。
また、画素10(m,n)において、トランジスタMA2のゲート電極は、走査線GL_E2[m]に電気的に接続される。また、トランジスタMA2のソース電極およびドレイン電極の一方は、信号線SL_E2[n]に電気的に接続され、他方はトランジスタMB2のゲート電極および配線TCOMに電気的に接続される。トランジスタMA2は、オン状態とオフ状態とを切り替えることにより、データ信号のデータの書き込みを制御する機能を有する。
また、トランジスタMB2のソース電極およびドレイン電極の一方は、表示素子14Gの一対の電極の一方に電気的に接続され、トランジスタMB2のソース電極およびドレイン電極の他方は、配線ANODEに電気的に接続される。トランジスタMB2は、表示素子14Gに与えられる電流を制御する、所謂駆動トランジスタとしての機能を有する。
また、トランジスタMA2のソース電極およびドレイン電極の他方と、配線ANODEとの間には、容量素子が形成される。当該容量素子は、画素10(m,n)に書き込まれたデータを保持する機能を有する。また、トランジスタMB2は、バックゲート電極を有し、当該バックゲート電極は、トランジスタMB2のソース電極およびドレイン電極の一方と電気的に接続される。
また、画素10(m,n)において、トランジスタMA3のゲート電極は、走査線GL_E1[m]に電気的に接続される。また、トランジスタMA3のソース電極およびドレイン電極の一方は、信号線SL_E1[n]に電気的に接続され、他方はトランジスタMB3のゲート電極および配線TCOMに電気的に接続される。トランジスタMA3は、オン状態とオフ状態とを切り替えることにより、データ信号のデータの書き込みを制御する機能を有する。
また、トランジスタMB3のソース電極およびドレイン電極の一方は、表示素子14Rの一対の電極の一方に電気的に接続され、トランジスタMB3のソース電極およびドレイン電極の他方は、配線ANODEに電気的に接続される。トランジスタMB3は、表示素子14Rに与えられる電流を制御する、所謂駆動トランジスタとしての機能を有する。
また、トランジスタMA3のソース電極およびドレイン電極の他方と、配線ANODEとの間には、容量素子が形成される。当該容量素子は、画素10(m,n)に書き込まれたデータを保持する機能を有する。また、トランジスタMB3は、バックゲート電極を有し、当該バックゲート電極は、トランジスタMB2のソース電極およびドレイン電極の一方と電気的に接続される。
また、画素10(m,n)において、トランジスタMA4のゲート電極は、走査線GL_E1[m]に電気的に接続される。また、トランジスタMA4のソース電極およびドレイン電極の一方は、信号線SL_E2[n]に電気的に接続され、他方はトランジスタMB4のゲート電極および配線TCOMに電気的に接続される。トランジスタMA4は、オン状態とオフ状態とを切り替えることにより、データ信号のデータの書き込みを制御する機能を有する。
また、トランジスタMB4のソース電極およびドレイン電極の一方は、表示素子14Wの一対の電極の一方に電気的に接続され、トランジスタMB4のソース電極およびドレイン電極の他方は、配線ANODEに電気的に接続される。トランジスタMB4は、表示素子14Wに与えられる電流を制御する、所謂駆動トランジスタとしての機能を有する。
また、トランジスタMA4のソース電極およびドレイン電極の他方と、配線ANODEとの間には、容量素子が形成される。当該容量素子は、画素10(m,n)に書き込まれたデータを保持する機能を有する。また、トランジスタMB3は、バックゲート電極を有し、当該バックゲート電極は、トランジスタMB4のソース電極およびドレイン電極の一方と電気的に接続される。
例えば、図1に示すゲートドライバ回路部504bにより、各行の画素10(m,n)を順次選択し、トランジスタMA1乃至MA4をオン状態にしてデータ信号のデータを書き込む。データが書き込まれた画素10(m,n)は、トランジスタMA1乃至MA4がオフ状態になることで保持状態になる。さらに、書き込まれたデータ信号の電位に応じてトランジスタMB1のソース電極とドレイン電極の間に流れる電流量が制御され、表示素子14は、流れる電流量に応じた輝度で発光する。これを行毎に順次行うことにより、画像を表示できる。
このように、本発明の一態様の表示装置においては、2つの表示素子を、異なるトランジスタを用いて、それぞれ独立に制御することができる。よって、表示品位の高い表示装置を提供することができる。
また、図2に示すように、表示素子14の駆動用トランジスタ(トランジスタMB1乃至MB4)がバックゲート電極を有する構成、すなわち、トランジスタが複数のゲート電極を有する構成とすることで、トランジスタの信頼性または駆動能力を向上させることができる。例えば、図2に示すように、バックゲート電極がソース電極またはドレイン電極のいずれか一方に接続されることで、トランジスタのバックチャネル側の電位を固定することができる。また、図面においては、図示しないが、バックゲート電極をゲート電極(第1のゲート電極またはフロントゲート電極ともいう)に接続することで、トランジスタの電流駆動能力を向上させることができる。
また、本発明の一態様の表示装置に用いるトランジスタ(トランジスタMA1乃至MA5、およびトランジスタMB1乃至MB4)は、金属酸化物膜を有すると好ましい。金属酸化物膜を有するトランジスタは、比較的高い電界効果移動度が得られるため、高速駆動が可能となる。また、金属酸化物膜を有するトランジスタのオフ電流は、極めて小さい。したがって、表示装置のリフレッシュレートを下げても、表示装置の輝度の維持が可能となり、消費電力を抑制することができる。
なお、表示装置500は、表示素子12および表示素子14の少なくともいずれか一方を用いて階調表示を行うことができる。例えば、表示素子12は、液晶素子であるため、外光の強度が強い環境下において視認性を向上させることができる。一方で表示素子14は、所謂発光素子のため、外光の強度が弱い環境下において視認性を向上させることができる。
なお、表示装置500は、表示素子12および表示素子14の双方を用いて階調表示を行ってもよい。表示素子12および表示素子14の双方を用いて階調表示を行うことで、表示素子12および表示素子14のいずれか一方を用いて階調表示を行う場合に比べ、視認性を向上させることができる。
画素10(m,n+1)、画素10(m+1,n)および画素10(m+1,n+1)が有する表示素子についても、画素10(m,n)が有する表示素子と同様の方法により駆動することができる。
図3は、画素10(m,n)が有する各要素の動作を示すタイミングチャートである。図3に示すタイミングチャートでは、配線SL_L[n]の電位、配線SL_E1[n]の電位、配線SL_E2[n]の電位、配線GL_L[m]の電位、配線GL_E1[m]の電位、配線GL_E2[m]の電位、配線CL_Lの電位および配線CL_Eの電位を示す。なお、配線SL_E1[n]について、Bは表示素子14Bにより表示される画像に対応したデータが画素10(m,n)に書き込まれていることを示し、Rは表示素子14Rにより表示される画像に対応したデータが画素10(m,n)に書き込まれていることを示す。また、配線SL_E2[n]について、Gは表示素子14Gにより表示される画像に対応したデータが画素10(m,n)に書き込まれていることを示し、Wは表示素子14Wにより表示される画像に対応したデータが画素10(m,n)に書き込まれていることを示す。
図3に示すように、配線GL_L[m]に高電位が印加されている期間は、配線GL_E1[m]および配線GL_E2[m]にも高電位が印加されている。つまり、表示素子12により表示される画像に対応したデータが画素10(m,n)に書き込まれている間は、配線GL_L[m]だけでなく、配線GL_E1[m]および配線GL_E2[m]にも高電位が印加されている。これにより、表示素子12により表示される画像に対応したデータが、表示素子14により表示される画像に影響を与えることを抑制することができる。これにより、本発明の一態様の表示装置により表示される画像の表示品位を高めることができる。
<1−6.表示素子の表示領域>
次に、表示素子12および表示素子14の画素10(m,n)、画素10(m,n+1)、画素10(m+1,n)および画素10(m+1,n+1)における表示領域について、図4および図5を用いて説明する。
図4は、画素10(m,n)、画素10(m,n+1)、画素10(m+1,n)および画素10(m+1,n+1)の表示領域を説明する上面図である。
画素10(m,n)、画素10(m,n+1)、画素10(m+1,n)および画素10(m+1,n+1)は、表示素子12の表示領域として機能する表示領域12dを有する。また、画素10(m,n)、画素10(m,n+1)、画素10(m+1,n)および画素10(m+1,n+1)は、表示素子14Bの表示領域として機能する表示領域14Bdと、表示素子14Gの表示領域として機能する表示領域14Gdと、表示素子14Rの表示領域として機能する表示領域14Rdと、表示素子14Wの表示領域として機能する表示領域14Wdと、を有する。
表示領域12dは、入射した光を反射する領域を有する。例えば、表示領域12dには、後述する反射電極としての機能を有する導電膜が設けられる。
表示領域14Bdは表示素子14Bが発した光を透過する領域を有し、表示領域14Gdは表示素子14Gが発した光を透過する領域を有し、表示領域14Rdは表示素子14Rが発した光を透過する領域を有し、表示領域14Wdは表示素子14Wが発した光を透過する領域を有する。
表示領域14Bd、表示領域14Gdおよび表示領域14Rdには、特定の色の光を透過する着色膜を設けることができる。例えば、表示領域14Bdには、青色(波長450nm以上500nm未満)の光を透過する着色膜を設けることができる。例えば、表示領域14Gdには、緑色(波長500nm以上570nm未満)の光を透過する着色膜を設けることができる。例えば、表示領域14Rdには、赤色(波長620nm以上750nm未満)の光を透過する着色膜を設けることができる。
以上により、表示領域14Bdは例えば青色の光を射出する機能を有し、表示領域14Gdは例えば緑色の光を射出する機能を有し、表示領域14Rdは例えば赤色の光を射出する機能を有する。なお、表示領域12dおよび表示領域14Wdには着色膜が設けられていない。したがって、表示領域12dは、表示素子12が発する白色光を射出する機能を有する。また、表示領域14Wdは、表示素子14Wが発する白色光を射出する機能を有する。なお、例えば紫色(380nm以上450nm未満)、黄色(570nm以上590nm未満)、橙色(590nm以上620nm未満)などの光を射出する領域を、表示領域14Bd、表示領域14Gd、表示領域14Rdおよび表示領域14Wdのいずれかと代えて設けてもよいし、上記表示領域に加えて設けてもよい。
図4など、画素10の表示領域を説明する上面図において、同様のハッチングが付された表示領域は、同様の色の光を射出する機能を有する。
なお、表示素子14が白色光を発する機能を有する場合について説明したが、例えば表示素子14Bが青色の光を発する機能を有し、表示素子14Gが緑色の光を発する機能を有し、表示素子14Rが赤色の光を発する機能を有し、表示素子14Wが白色光を発する機能を有してもよい。この場合、表示領域14Bd、表示領域14Gd、表示領域14Rdおよび表示領域14Wdに着色膜を設けない構成とすることができる。
図4では、表示領域12dに着色層を設けない構成としたが、着色層を設けてもよい。例えば、画素10(m,n)が有する表示領域12dに、表示領域14Bdと同様に青色の光を透過する着色膜を設けることができる。また、画素10(m,n+1)が有する表示領域12dに、表示領域14Gdと同様に緑色の光を透過する着色膜を設けることができる。また、画素10(m+1,n)が有する表示領域12dに、表示領域14Rdと同様に赤色の光を透過する着色膜を設けることができる。以上に示す構成とした場合の、画素10(m,n)、画素10(m,n+1)、画素10(m+1,n)および画素10(m+1,n+1)の表示領域を説明する模式図を図5に示す。
本明細書等において、表示素子12Bが設けられた表示領域12dを表示領域12Bdと表記する場合がある。また、表示素子12Gが設けられた表示領域12dを表示領域12Gdと表記する場合がある。また、表示素子12Rが設けられた表示領域12dを表示領域12Rdと表記する場合がある。また、表示素子12Wが設けられた表示領域12dを表示領域12Wdと表記する場合がある。
画素10を図5に示す構成とすることにより、表示領域12Bdは、表示領域14Bdと同様に青色の光を射出する機能を有することができる。また、表示領域12Gdは、表示領域14Gdと同様に緑色の光を射出する機能を有することができる。また、表示領域12Rdは、表示領域14Rdと同様に赤色の光を射出する機能を有することができる。なお、表示領域12Wdは、表示領域14Wdと同様に白色の光を射出する機能を有することができる。また、表示領域14Bd、表示領域14Gd、表示領域14Rdおよび表示領域14Wdと同様に、例えば紫色、黄色、橙色などの光を射出する領域を、表示領域12Bd、表示領域12Gd、表示領域12Rdおよび表示領域12Wdのいずれかと代えて設けてもよいし、上記表示領域に加えて設けてもよい。
画素10が図5に示す構成である場合、入射する光を反射する機能を有する表示素子12では1個の画素10で1色を表現する。例えば、画素10(m,n)では青色を表現し、画素10(m,n+1)では緑色を表現し、画素10(m+1,n)では赤色を表現し、画素10(m+1,n+1)では白色を表現する。一方、光を発する機能を有する表示素子14では、1個の画素10で複数(ここでは、青色、緑色、赤色、および白色)の色を表現する。つまり、すべての画素10が青色、緑色、赤色および白色を表現することができる。画素10を図5に示す構成とすることにより、表示素子12が表示素子14と同様に1個の画素10で複数の色を表現する場合より、表示領域12Bd、表示領域12Gd、表示領域12Rdおよび表示領域12Wdの面積を広くすることができる。このため、表示素子12が射出する光の取り出し効率を高めることができ、高輝度の画像を表示することができる。また、表示素子12では、1個の画素10で1色を表現すればよいため、表示素子12が表示素子14と同様に1個の画素10で複数の色を表現する場合より、表示装置500の駆動方法を簡易なものとすることができる。このため、表示装置500の消費電力を低減することができる。
<1−7.表示素子の駆動方法>
次に、図1に示す構成の表示装置500の駆動方法の一例について、図6(A)、(B)に示すフローチャートなどを用いて説明する。
本発明の一態様は、表示素子12により1個の画素10で表現する色の数と、表示素子14により1個の画素10で表現する色の数と、が異なる表示装置500の駆動方法に関する。本発明の一態様の駆動方法では、表示素子14により表示される画像に対応する表示データをもとに表示素子12により表示される画像に対応する表示データを生成する。つまり、表示素子12により表示される画像に対応する表示データと、表示素子14により表示される表示データと、を独立して生成する必要が無い。これにより、演算回路部20の駆動方法を簡略化することができ、表示装置500の消費電力を低減することができる。
図6(A)は、画素10が図4に示す構成、つまり表示領域12dが着色膜を有しない場合における表示装置500の駆動方法の一例を示すフローチャートである。まず、演算回路部20が、表示素子14B、表示素子14Gおよび表示素子14Rにより表示される画像の輝度の階調に関する情報を有する表示データV1を生成する。つまり、表示領域14Bd、表示領域14Gdおよび表示領域14Rdから射出される光の輝度の階調に関する情報を有する表示データV1を生成する(ステップS1)。
本明細書等において表示領域から射出される光の輝度の階調とは、当該表示領域に設けられた表示素子が所定の階調の輝度の画像を表示した場合に、当該表示領域から射出される光の輝度を意味する。例えば、表示領域から射出される光の輝度の階調が100であるとは、当該表示領域に設けられた表示素子により表示される画像の輝度の階調が100である場合に、当該表示領域から射出される光の輝度を表す。
次に、演算回路部20が、表示データV1などをもとに、表示素子14Wにより表示される画像の輝度の階調に関する情報を有する表示データV2を生成する。つまり、表示領域14Wdから射出される光の輝度の階調に関する情報を有する表示データV2を生成する(ステップS2)。
表示素子14Wにより表示される画像の輝度の階調、すなわち表示領域12dから射出される光の輝度の階調は、例えば当該表示素子14Wが設けられた画素10と同一の画素10に設けられた表示素子14B、表示素子14Gおよび表示素子14Rにより表示される画像の輝度の階調、すなわち表示領域14Bd、表示領域14Gdおよび表示領域14Rdから射出される光の輝度の階調をもとに、NTSC加重平均法により算出することができる。この場合、表示素子14Wにより表示される画像の輝度の階調Wは、例えば式(1)により計算し、小数第一位を四捨五入することで算出することができる。なお、表示素子14Bにより表示される画像の輝度の階調をB、表示素子14Gにより表示される画像の輝度の階調をG、表示素子14Rにより表示される画像の輝度の階調をRとする。
例えば、各表示素子により表示される画像の輝度の階調を、それぞれ256段階(階調0乃至255)で表す場合、例えばB=200、G=150、R=100とすると、式(2)に示すようにW=141となる。
なお、式(2)では、階調Wの計算値を小数第一位で四捨五入したが、階調Wの計算値は小数第一位以下を切り捨ててもよいし、小数第一位以下を切り上げてもよい。例えば、式(2)に示す場合において、階調Wの計算値を小数第一位以下切り上げる場合、階調Wは140となる。
また、NTSC加重平均法を用いずに表示素子14Wにより表示される画像の輝度の階調を算出してもよい。例えば、式(3)により表示素子14Wにより表示される画像の輝度の階調を算出することができる。
次に、演算回路部20が、表示データV2などをもとに、表示素子12により表示される画像の輝度の階調に関する情報を有する表示データV3を生成する。つまり、表示領域12dから射出される光の輝度の階調に関する情報を有する表示データV3を生成する(ステップS3a)。言い換えると、図4の矢印で示すように、表示領域14Wdから射出される光の輝度の階調をもとに、表示領域12dから射出される光の輝度の階調を算出する。
表示素子12により表示される画像の輝度の階調は、例えば当該表示素子12が設けられた画素10と同一の画素10に設けられた表示素子14Wにより表示される画像の輝度の階調と等しくすることができる。つまり、表示領域12dから射出される光の輝度の階調は、例えば当該表示領域12dが設けられた画素10と同一の画素10に設けられた表示領域14Wdから射出される光の輝度の階調と等しくすることができる。
または、例えば表示素子12により表示される画像の輝度の階調は、例えば当該表示素子12が設けられた画素10と同一の画素10に設けられた表示素子14Wにより表示される画像の輝度の階調から所定の値を引いたものとすることができる。つまり、表示領域12dから射出される光の輝度の階調は、例えば当該表示領域12dが設けられた画素10と同一の画素10に設けられた表示領域14Wdから射出される光の輝度の階調から所定の値を引いたものとすることができる。
または、例えば外光の照度をセンサなどにより検出し、上記方法により算出された、表示素子14Wにより表示される画像の輝度の階調、および/または上記方法により算出された、表示素子12により表示される画像の輝度の階調を調整してもよい。つまり、例えば外光の照度をセンサなどにより検出し、上記方法により算出された、表示領域14Wdから射出される光の輝度の階調、および/または上記方法により算出された、表示領域12dから射出される光の輝度の階調を調整してもよい。
例えば外光の照度が高い場合は表示素子14Wにより表示される画像の輝度の階調を低くし、および/または表示素子12により表示される画像の輝度の階調を高くすることができる。つまり、表示領域14Wdから射出される光の輝度の階調を低くし、および/または表示領域12dから射出される光の輝度の階調を高くすることができる。または、例えば外光の照度をセンサなどにより検出し、例えば外光の照度が低い場合は表示素子14Wにより表示される画像の輝度の階調を高くし、および/または表示素子12により表示される画像の輝度の階調を低くすることができる。つまり、表示領域14Wdから射出される光の輝度の階調を高くし、および/または表示領域12dから射出される光の輝度の階調を低くすることができる。以上により、表示装置500は外光の照度が低い場合においても高輝度の画像を表示することができ、さらに外光の照度が高い場合は表示装置500の消費電力を低減することができる。
次に、演算回路部20が表示データV1および表示データV2を図1に示すソースドライバ回路部506bに送信し、表示データV3を図1に示すソースドライバ回路部506aに送信する。その後、表示データV1、表示データV2および表示データV3に対応する画像を表示する(ステップS4)。以上が画素10が図4に示す構成、つまり表示領域12dが着色膜を有しない場合における表示装置500の駆動方法の一例である。
図6(A)に示す手順で図4に示す構成の画素10を有する表示装置500を駆動させることにより、表示素子14により表示される画像の輝度が低い、つまり表示素子14の発光強度が小さい場合であっても、入射する光を反射する機能を有する表示素子12により高輝度の画像を表示することができる。これにより、表示装置500は低消費電力で高輝度の画像を表示することができる。
図6(B)は、画素10が図5に示す構成、つまり表示領域12Wdを除いた表示領域12d(表示領域12Bd、表示領域12Gd、表示領域12Rd)が着色膜を有する場合における表示装置500の駆動方法の一例を示すフローチャートである。まず、図6(A)に示すステップS1と同様の操作を行った後、図6(A)に示すステップS2と同様の操作を行う。
次に、演算回路部20が、表示データV1および表示データV2などをもとに、表示領域12dから射出される光の色などに応じて、表示素子12により表示される画像の輝度の階調に関する情報を有する表示データV3を生成する。つまり、表示領域12dから射出される光の輝度の階調に関する情報を有する表示データV3を生成する(ステップS3b)。
表示素子12Bにより表示される画像の輝度の階調は、例えば当該表示素子12Bが設けられた画素10と同一の画素10に設けられた表示素子14Bにより表示される画像の輝度の階調をもとに算出することができ、例えば両者を同一とすることができる。また、表示素子12Gにより表示される画像の輝度の階調は、例えば当該表示素子12Gが設けられた画素10と同一の画素10に設けられた表示素子14Gにより表示される画像の輝度の階調をもとに算出することができ、例えば両者を同一とすることができる。また、表示素子12Rにより表示される画像の輝度の階調は、例えば当該表示素子12Rが設けられた画素10と同一の画素10に設けられた表示素子14Rにより表示される画像の輝度の階調をもとに算出することができ、例えば両者を同一とすることができる。また、表示素子12Wにより表示される画像の輝度の階調は、例えば当該表示素子12Wが設けられた画素10と同一の画素10に設けられた表示素子14Wにより表示される画像の輝度の階調をもとに算出することができ、例えば両者を同一とすることができる。
つまり、図5の矢印で示すように、表示領域12Bdから射出される光の輝度の階調は、例えば当該表示領域12Bdが設けられた画素10と同一の画素10に設けられた表示領域14Bdから射出される光の輝度の階調をもとに算出することができ、例えば両者を同一とすることができる。また、例えば表示領域12Gdから射出される光の輝度の階調は、例えば当該表示領域12Gdが設けられた画素10と同一の画素10に設けられた表示領域14Gdから射出される光の輝度の階調をもとに算出することができ、例えば両者を同一とすることができる。また、例えば表示領域12Rdから射出される光の輝度の階調は、例えば当該表示領域12Rdが設けられた画素10と同一の画素10に設けられた表示領域14Rdから射出される光の輝度の階調をもとに算出することができ、例えば両者を同一とすることができる。また、例えば表示領域12Wdから射出される光の輝度の階調は、例えば当該表示領域12Wdが設けられた画素10と同一の画素10に設けられた表示領域14Wdから射出される光の輝度の階調をもとに算出することができ、例えば両者を同一とすることができる。
また、表示素子12Bにより表示される画像の輝度の階調は、例えば当該表示素子12Bが設けられた画素10と同一の画素10に設けられた表示素子14Bおよび表示素子14Wにより表示される画像の輝度の階調をもとに算出することができ、例えば表示素子14Bにより表示される画像の輝度の階調から表示素子14Wにより表示される画像の輝度の階調を引いたものとすることができる。また、表示素子12Gにより表示される画像の輝度の階調は、例えば当該表示素子12Gが設けられた画素10と同一の画素10に設けられた表示素子14Gおよび表示素子14Wにより表示される画像の輝度の階調をもとに算出することができ、例えば表示素子14Gにより表示される画像の輝度の階調から表示素子14Wにより表示される画像の輝度の階調を引いたものとすることができる。また、表示素子12Rにより表示される画像の輝度の階調は、例えば当該表示素子12Rが設けられた画素10と同一の画素10に設けられた表示素子14Rおよび表示素子14Wにより表示される画像の輝度の階調をもとに算出することができ、例えば表示素子14Rにより表示される画像の輝度の階調から表示素子14Wにより表示される画像の輝度の階調を引いたものとすることができる。
つまり、表示領域12Bdから射出される光の輝度の階調は、例えば当該表示領域12Bdが設けられた画素10と同一の画素10に設けられた表示領域14Bdおよび表示領域14Wdから射出される光の輝度の階調をもとに算出することができ、例えば表示領域14Bdから射出される光の輝度の階調から表示領域14Wdから射出される光の輝度の階調を引いたものとすることができる。また、表示領域12Gdから射出される光の輝度の階調は、例えば当該表示領域12Gdが設けられた画素10と同一の画素10に設けられた表示領域14Gdおよび表示領域14Wdから射出される光の輝度の階調をもとに算出することができ、例えば表示領域14Gdから射出される光の輝度の階調から表示領域14Wdから射出される光の輝度の階調を引いたものとすることができる。また、表示領域12Rdから射出される光の輝度の階調は、例えば当該表示領域12Rdが設けられた画素10と同一の画素10に設けられた表示領域14Rdおよび表示領域14Wdから射出される光の輝度の階調をもとに算出することができ、例えば表示領域14Rdから射出される光の輝度の階調から表示領域14Wdから射出される光の輝度の階調を引いたものとすることができる。
または、例えば外光の照度をセンサなどにより検出し、上記方法により算出された、表示素子14B、表示素子14G、表示素子14Rおよび/または表示素子14Wにより表示される画像の輝度の階調、および/または上記方法により算出された、表示素子12B、表示素子12G、表示素子12Rおよび/または表示素子12Wにより表示される画像の輝度の階調を調整してもよい。つまり、例えば外光の照度をセンサなどにより検出し、上記方法により算出された、表示領域14Bd、表示領域14Gd、表示領域14Rdおよび/または表示領域14Wdから射出される光の輝度の階調、および/または上記方法により算出された、表示領域12Bd、表示領域12Gd、表示領域12Rdおよび/または表示領域12Wdから射出される光の輝度の階調を調整してもよい。
例えば外光の照度が高い場合は表示素子14B、表示素子14G、表示素子14Rおよび/または表示素子14Wにより表示される画像の輝度の階調を低くし、および/または表示素子12B、表示素子12G、表示素子12Rおよび/または表示素子12Wにより表示される画像の輝度の階調を高くすることができる。つまり、表示領域14Bd、表示領域14Gd、表示領域14Rdおよび/または表示領域14Wdから射出される光の輝度の階調を低くし、および/または表示領域12Bd、表示領域12Gd、表示領域12Rdおよび表示領域12Wdから射出される光の輝度の階調を高くすることができる。または、例えば外光の照度をセンサなどにより検出し、例えば外光の照度が低い場合は表示素子14B、表示素子14G、表示素子14Rおよび/または表示素子14Wにより表示される画像の輝度の階調を高くし、および/または表示素子12B、表示素子12G、表示素子12Rおよび/または表示素子12Wにより表示される画像の輝度の階調を低くすることができる。つまり、表示領域14Bd、表示領域14Gd、表示領域14Rdおよび/または表示領域14Wdから射出される光の輝度の階調を高くし、および/または表示領域12Bd、表示領域12Gd、表示領域12Rdおよび/または表示領域12Wdから射出される光の輝度の階調を低くすることができる。以上により、表示装置500は外光の照度が低い場合においても高輝度の画像を表示することができ、さらに外光の照度が高い場合は表示装置500の消費電力を低減することができる。
ステップS3bの終了後、図6(A)に示すステップS4と同様の操作を行う。以上が画素10が図5に示す構成、つまり表示領域12Bd、表示領域12Gdおよび表示領域12Rdが着色膜を有する場合における表示装置500の駆動方法の一例である。
図6(B)に示す手順で図5に示す構成の画素10を有する表示装置500を駆動させることにより、表示素子12により表示される画像の輝度の階調を、例えば当該表示素子12が設けられた画素10と同一の画素10に設けられた表示素子14により表示される画像の輝度の階調のみをもとに算出することができる。つまり、例えば画素10(m,n)が有する表示素子12Bにより表示される画像の輝度の階調は、画素10(m,n)が有する表示素子14により表示される画像の輝度の階調のみをもとに算出することができ、画素10(m,n+1)、画素10(m+1,n)および画素10(m+1,n+1)などが有する表示素子14により表示される画像の輝度の階調を参酌する必要が無い。これにより、表示装置500を簡易な手順で駆動させることができ、表示装置500の消費電力を低減することができる。
また、表示装置500において、表示素子12により1個の画素10で表現する色の数と、表示素子14により1個の画素10で表現する色の数と、が異なる。例えば、表示素子12では、1個の画素10で1色を表現するのに対し、表示素子14では、1個の画素10で複数(例えば、青色、緑色、赤色および白色)の色を表現する。この場合であっても、表示装置500を図6(A)、(B)に示す手順で駆動することにより、演算回路部20は、表示素子12により表示される画像に対応する表示データと、表示素子14により表示される表示データと、を独立して生成する必要が無い。つまり、表示素子14により表示される画像に対応する表示データをもとに表示素子12により表示される画像に対応する表示データを生成することができる。これにより、演算回路部20の駆動方法を簡略化することができ、表示装置500の消費電力を低減することができる。
なお、図6(A)、(B)に示した表示装置500の駆動方法はあくまで一例であり、本発明の一態様の目的を達成できる範囲で任意の駆動方法とすることができる。
図2、図4および図5では表示素子12Wおよび表示素子14Wを設ける場合の構成を示したが、表示素子12Wおよび表示素子14Wを省略した構成としてもよい。図7は、表示素子12Wおよび表示素子14Wを省略した構成における画素10の一例を説明する回路図である。図4に示すように、例えば画素10(m,n)が表示素子12Bを有し、画素10(m,n+1)が表示素子12Gを有し、画素10(m,n+2)が表示素子12Rを有する構成とすることができる。なお、画素10(m,n+2)は、走査線GL_L[m]、走査線GL_E1[m]、走査線GL_E2[m]、信号線SL_E1[n+2]、信号線SL_L[n+2]、および信号線SL_E2[n+2]を有する。
なお、図7に示す表示素子12B、表示素子12Gおよび表示素子12Rを有する画素10の位置関係はあくまで一例であり、本発明の一態様の目的を達成できる範囲で任意の画素10に表示素子12B、表示素子12Gおよび表示素子12Rを設けることができる。例えば、画素10(m,n)に表示素子12Rを設け、画素10(m,n+2)に表示素子12Bを設けてもよい。
図8は、画素10が図7に示す構成であり、表示領域12dに着色膜を設けない場合における、画素10(m,n)、画素10(m,n+1)および画素10(m,n+2)の表示領域を説明する模式図である。画素10(m,n)の構成および画素10(m,n+1)の構成は、図4と同様である。また、画素10(m,n+2)の構成は、図4に示す画素10(m+1,n)の構成と同様である。
図8に示す構成の画素10を有する表示装置500の駆動方法は、図6(A)を参照することができる。例えば、ステップS2を省略し、ステップS1終了後にステップS3aを行うことができる。また、ステップS3aにおいて、演算回路部20が、例えば表示データV1などをもとに、表示素子12により表示される画像の輝度の階調に関する情報を有する表示データV3を生成することができる。例えば、式(1)または式(3)などをもとに表示データV3を生成することができる。つまり、図4に示す構成の画素10を有する表示装置500において表示素子14Wにより表示される画像の輝度の階調を算出する手順と同様の手順により、表示素子12により表示される画像の輝度の階調を算出することができる。
また、ステップS4において、例えば演算回路部20が表示データV1を図1に示すソースドライバ回路部506bに送信し、表示データV3を図1に示すソースドライバ回路部506aに送信することができる。その後、例えば表示データV1および表示データV3に対応する画像を表示することができる。
図9は、画素10が図7に示す構成であり、表示領域12dに着色膜を設ける場合における、画素10(m,n)、画素10(m,n+1)および画素10(m,n+2)の表示領域を説明する模式図である。画素10(m,n)の構成および画素10(m,n+1)の構成は、図5と同様である。また、画素10(m,n+2)の構成は、図5に示す画素10(m+1,n)の構成と同様である。
図9に示す構成の画素10を有する表示装置500の駆動方法は、図6(B)を参照することができる。例えば、ステップS2を省略し、ステップS1終了後にステップS3bを行うことができる。また、ステップS4において、例えば演算回路部20が表示データV1を図1に示すソースドライバ回路部506bに送信し、表示データV3を図1に示すソースドライバ回路部506aに送信することができる。その後、例えば表示データV1および表示データV3に対応する画像を表示することができる。
画素10を図7乃至図9に示す構成とすることにより、画素10の1個あたりの占有面積を小さくすることができる。これにより、表示装置500は高解像度の画像を表示することができる。
画素10は、例えば表示素子12Wを有し、表示素子14Wを有さない構成としてもよい。また、画素10は、例えば表示素子14Wを有し、表示素子12Wを有さない構成としてもよい。
<1−8.表示装置の構成例(断面)>
次に、表示装置500が有する画素10の断面構造の一例について、図10乃至図13を用いて説明する。
なお、図10(A)は、図4および図8に示す構成の画素10の上面図の一例を表しており、図10(B)は、図10(A)に示す、一点鎖線A1−A2、A3−A4、およびA5−A6の切断面の断面図に相当する。なお、図10(A)に示す画素10の上面図において、煩雑になることを避けるため構成要素の一部を省略して示している。
図10(A)、(B)に示す画素10は、基板80と、基板90との間に表示素子12と、表示素子14と、トランジスタTr1と、トランジスタTr2と、トランジスタTr3と、を有する。
なお、トランジスタTr1は、先に示すトランジスタMA5に相当する。また、トランジスタTr2は、先に示すトランジスタMA1乃至MA4のいずれか一つに相当する。また、トランジスタTr3は、先に示すトランジスタMB1乃至MB4のいずれか一つに相当する。
また、表示素子12は、液晶層96を有し、表示素子14は、EL層76を有する。また、トランジスタTr1は、表示素子12を選択する機能を有し、トランジスタTr2は、表示素子14を選択する機能を有し、トランジスタTr3は、表示素子14の駆動を制御する機能を有する。また、トランジスタTr1と、トランジスタTr2とは、同一表面上に形成され、トランジスタTr3は、トランジスタTr1およびトランジスタTr2よりも上方に形成され、且つトランジスタTr2が有するソース電極またはドレイン電極のいずれか一方をゲート電極として有する。
なお、表示素子12は、第1の画素電極として機能する導電膜36、および導電膜38を有する。また、トランジスタTr1は、導電膜36と電気的に接続され、表示素子12を選択する機能を有する。また、トランジスタTr3は、導電膜70と電気的に接続され、表示素子14を選択する機能を有する。
また、画素10は、容量素子16を有する。容量素子16は、一対の電極を有し、一対の電極の一方は、容量電極として機能する導電膜42を有し、一対の電極の他方は、導電膜36を有する。なお、導電膜42は、トランジスタTr1およびトランジスタTr2のいずれか一方または双方の下方に配置される。
なお、容量素子16は、先に説明の容量素子Cs_Lに相当する。
容量電極として機能する導電膜42を、トランジスタTr1およびトランジスタTr2のいずれか一方または双方の下方に配置することで、表示素子12の書き換えに伴うノイズ、別言すると液晶の画素の書き換えに伴うノイズを低減することができる。
また、図10(B)に示すように、トランジスタTr1と、トランジスタTr2とは、同一表面上に形成され、トランジスタTr3が、トランジスタTr1およびトランジスタTr2よりも上方に形成されることで、回路面積を縮小させることができる。また、トランジスタTr3は、トランジスタTr2が有するソース電極またはドレイン電極のいずれか一方をゲート電極として有する構成であるため、製造工程を短縮することができる。
また、図10(B)に示すように、トランジスタTr1、トランジスタTr2、およびトランジスタTr3は、それぞれ逆スタガ型構造(ボトムゲート構造ともいう)のトランジスタであると好ましい。ボトムゲート構造のトランジスタとすることで、比較的簡単なプロセスでトランジスタを作製することができる。ただし、本発明の一態様は、これに限定されず、トップゲート構造のトランジスタを用いてもよい。
また、表示素子12は、入射する光を反射する機能を有する。なお、表示素子12は、所謂液晶素子であり、一対の電極間に液晶層96を有する。当該一対の電極の一方は導電膜36を有し、一対の電極の他方は導電膜92を有する。また、図10(B)に示すように、表示素子12は、液晶層96に接する配向膜94、98を有していてもよい。また、導電膜36は、反射電極としての機能を有する。図10(B)の破線の矢印のように外部から入射する光を導電膜36によって反射させることで、視認側に光を反射させることができる。つまり、表示素子12に入射した光を、表示素子12が表示を行う方向に反射する機能を有する。
表示素子14は、光を発する機能を有する。なお、表示素子14は、所謂発光素子であり、一対の電極間に発光層を有する。当該発光層として、例えばEL層76とすることができる。当該一対の電極の一方は導電膜70を有し、一対の電極の他方は導電膜78を有する。また、導電膜78は、反射電極としての機能を有する。図10(B)の二点鎖線の矢印のようにEL層76が発する光は、導電膜78によって反射され、導電膜70を通過して液晶層96側に取り出される。また、表示素子14から発せられる光は、導電膜36に設けられた開口部を通り基板90側に取り出される。なお、図10(B)においては、当該開口部を表示領域14dとして明示している。
表示領域14dと重なるように着色膜69が設けられ、表示素子14からの光は、着色膜69を通過して外部に取り出される。これにより、着色膜69を透過する色の光のみ外部に取り出される。また、図10(B)に示すように着色膜69は、トランジスタTr1の一部を覆う構成とすると好ましい。特に、トランジスタTr1のチャネル領域を覆う構成とすることで、チャネル領域に入り込む光の量を低減することができる。チャネル領域に入り込む光の量を低減することで、トランジスタTr1の耐光性を高めることが可能となる。
図11は、図10(B)に示す画素10から着色膜69を省略した構成の断面図である。当該構成の画素10では、表示素子14として、青色、緑色、赤色、白色などの光をそれぞれ発するEL層76が形成された発光素子とすればよい。また、表示素子14が表示素子14Wである場合も、画素10は図11に示す構成となる。なお、EL層76は、例えばFFM(Fine Metal Mask)を用いて作製することができる。
なお、図12(A)は、図5および図9に示す構成の画素10の上面図の一例を表しており、図12(B)は、図12(A)に示す、一点鎖線A1−A2、A3−A4、およびA5−A6の切断面の断面図に相当する。なお、図12(A)に示す画素10の上面図において、煩雑になることを避けるため構成要素の一部を省略して示している。
図12(B)に示す構成の画素10は、図10(B)に示す構成の画素10が有する各構成要素に加え、着色膜100およびオーバーコート膜104を有する。着色膜100は、基板90と接して設けられる。また、着色膜100は、導電膜36と重なる領域を有するように設けられる。当該構成とすることで、導電膜36により反射された光は、着色膜100を通過して外部に取り出される。これにより、着色膜100を透過する色の光のみ外部に取り出される。また、着色膜100は、表示領域14dと重ならないように設けられる。つまり、表示素子14と重ならないように設けられる。これにより、表示素子14から発せられる光が着色膜100に吸収され、色相などが変化することを抑制することができる。したがって、本発明の一態様の表示装置により表示される画像の表示品位を高めることができる。
基板90および着色膜100と接してオーバーコート膜104が設けられる。オーバーコート膜104は、平坦化膜としての機能を有する。また、オーバーコート膜104は、導電膜92と接する。オーバーコート膜104として、例えばポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などを用いることができる。
図13は、図12(B)に示す画素10から着色膜69を省略した構成の断面図である。図11に示す場合と同様に、当該構成の画素10では、表示素子14として、青色、緑色、赤色、白色などの光をそれぞれ発するEL層76が形成された発光素子とすればよい。また、表示素子14が表示素子14Wである場合も、画素10は図13に示す構成となる。なお、EL層76は、例えばFFM(Fine Metal Mask)を用いて作製することができる。
<1−9.表示装置の構成要素>
次に、図1乃至図13に例示した表示装置500の各構成要素について、以下説明を行う。
[基板]
基板30、80、90として、作製工程中の熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有する材料を用いることができる。
具体的には、無アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリガラス、クリスタルガラス、石英またはサファイア等を用いることができる。また、無機絶縁膜を用いてもよい。当該無機絶縁膜としては、例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等が挙げられる。
また、上記無アルカリガラスとしては、例えば、0.2mm以上0.7mm以下の厚さとすればよい。または、無アルカリガラスを研磨することで、上記の厚さとしてもよい。
また、無アルカリガラスとして、第6世代(1500mm×1850mm)、第7世代(1870mm×2200mm)、第8世代(2200mm×2400mm)、第9世代(2400mm×2800mm)、第10世代(2950mm×3400mm)等の面積が大きなガラス基板を用いることができる。これにより、大型の表示装置を作製することができる。
また、基板30、80、90として、シリコンや炭化シリコンからなる単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウム等の化合物半導体基板、SOI基板等を用いてもよい。
また、基板30、80、90として、金属等の無機材料を用いてもよい。金属等の無機材料としては、ステンレススチールまたはアルミニウム等が挙げられる。
また、基板30、80、90として、樹脂、樹脂フィルムまたはプラスチック等の有機材料を用いてもよい。当該樹脂フィルムとしては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、またはシロキサン結合を有する樹脂等が挙げられる。
また、基板30、80、90として、無機材料と有機材料とを組み合わせた複合材料を用いてもよい。当該複合材料としては、金属板または薄板状のガラス板と、樹脂フィルムとを貼り合わせた材料、繊維状の金属、粒子状の金属、繊維状のガラス、または粒子状のガラスを樹脂フィルムに分散した材料、もしくは繊維状の樹脂、粒子状の樹脂を無機材料に分散した材料等が挙げられる。
また、基板30、80、90としては、少なくとも上または下に形成される膜または層を支持できるものであればよく、絶縁膜、半導体膜、導電膜のいずれか一つまたは複数であってもよい。
[導電膜]
導電膜31、36、38、42、46a、46b、46c、52a、52b、52c、52d、52e、58a、58b、64、70、78、92としては、導電性を有する金属膜、可視光を反射する機能を有する導電膜、または可視光を透過する機能を有する導電膜を用いればよい。
導電性を有する金属膜として、アルミニウム、金、白金、銀、銅、クロム、タンタル、チタン、モリブデン、タングステン、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウムまたはマンガンから選ばれた金属元素を含む材料を用いることができる。または、上述した金属元素を含む合金を用いてもよい。
上述の導電性を有する金属膜として、具体的には、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、窒化タンタル膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜を形成する三層構造等を用いればよい。特に、銅元素を含む導電膜を用いることで、抵抗を低くすることが出来るため好適である。また、銅元素を含む導電膜としては、または、銅とマンガンとを含む合金膜が挙げられる。当該合金膜は、ウエットエッチング法を用いて加工できるため好適である。
また、上述の導電性を有する導電膜として、導電性高分子または導電性ポリマーを用いてもよい。
また、上述の可視光を反射する機能を有する導電膜としては、金、銀、銅、またはパラジウムから選ばれた金属元素を含む材料を用いることができる。特に、銀元素を含む導電膜を用いることで、可視光における反射率を高めることができるため好適である。
また、上述の可視光を透過する機能を有する導電膜としては、インジウム、錫、亜鉛、ガリウム、またはシリコンから選ばれた元素を含む材料を用いることができる。具体的には、In酸化物、Zn酸化物、In−Sn酸化物(ITOともいう)、In−Sn−Si酸化物(ITSOともいう)、In−Zn酸化物、In−Ga−Zn酸化物等が挙げられる。
また、上述の可視光を透過する機能を有する導電膜としては、グラフェンまたはグラファイトを含む膜を用いてもよい。グラフェンを含む膜としては、酸化グラフェンを含む膜を形成し、酸化グラフェンを含む膜を還元することにより、グラフェンを含む膜を形成することができる。還元する方法としては、熱を加える方法や還元剤を用いる方法等が挙げられる。
また、導電膜31、36、38、42、46a、46b、46c、52a、52b、52c、52d、52e、58a、58b、64、70、78、92を、無電解めっき法により形成することができる。当該無電解めっき法により形成できる材料としては、例えば、Cu、Ni、Al、Au、Sn、Co、Ag、およびPdの中から選ばれるいずれか一つまたは複数を用いることが可能である。特に、CuまたはAgを用いると、導電膜の抵抗を低くすることができるため、好適である。
また、無電解めっき法により導電膜を形成した場合、当該導電膜の構成元素が外部に拡散しないように、当該導電膜の下に、拡散防止膜を形成してもよい。また、当該拡散防止膜と、当該導電膜との間に、導電膜を成長させることが出来るシード膜を形成してもよい。上記拡散防止膜としては、例えば、スパッタリング法を用いて形成することができる。また、当該拡散防止膜としては、例えば、窒化タンタル膜または窒化チタン膜を用いることができる。また、上記シード膜としては、無電解めっき法により形成することができる。また、当該シート膜としては、無電解めっき法により形成することができる導電膜の材料と同様の材料を用いることができる。
また、上述の可視光を反射する機能を有する導電膜と、可視光を透過する機能を有する導電膜とを組み合わせて、反射する機能と透過する機能とを有する導電膜としてもよい。例えば、表示素子14が有する一対の電極の一方を反射する機能を有する導電膜とし、他方を反射する機能と透過する機能とを有する導電膜とする構成が挙げられる。当該構成とすることで、一対の電極間で光の共振効果を利用した微小光共振器(マイクロキャビティ)構造となるため、特定波長における光強度を増加させることができる。
なお、表示素子14が有する一対の電極の他方(例えば導電膜70)をIn−Sn−Si酸化物と、銀を含む合金との積層構造とすることができる。当該銀を含む合金としては、可視光を透過させるために、薄膜(例えば、50nm以下、さらに好ましくは30nm以下)とすればよい。
[絶縁膜]
絶縁膜32、34、40、44、48、54、60、62、68、72としては、絶縁性の無機材料、絶縁性の有機材料、または絶縁性の無機材料と絶縁性の有機材料とを含む絶縁性の複合材料を用いることができる。
上述の絶縁性の無機材料としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等が挙げられる。また、上述の無機材料を複数積層してもよい。
また、上述の絶縁性の有機材料としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、もしくはシロキサン結合を有する樹脂を含む材料が挙げられる。また、上述の絶縁性の有機材料としては、感光性を有する材料を用いてもよい。
[金属酸化物膜]
金属酸化物膜50a、50b、56は、In−M−Zn酸化物(Mはガリウム、アルミニウム、シリコン、チタン、ゲルマニウム、ホウ素、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、鉄、ニッケル、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウム)等の酸化物で形成される。また、金属酸化物膜50a、50b、56として、In−Ga酸化物、In−Zn酸化物を用いてもよい。当該物質を用いた金属酸化物は、シリコンよりもバンドギャップが大きい。したがって、トランジスタTr1、Tr2、Tr3のオフ状態における電流を低減できるため好ましい。なお、金属酸化物膜50a、50b、56に用いることのできる金属酸化物膜については、実施の形態3および実施の形態4にて詳細に説明を行う。
[液晶層]
液晶層96としては、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等が挙げられる。または、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す液晶材料を用いてもよい。または、ブルー相を示す液晶材料を用いてもよい。
また、液晶層96の駆動方法としては、IPS(In−Plane−Switching)モード、TN(Twisted Nematic)モード、FFSモード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モードなどが挙げられる。また、垂直配向(VA)モード、具体的には、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、CPA(Continuous Pinwheel Alignment)モード、ASV(Advanced Super−View)モードなどの駆動方法を用いてもよい。
[EL層]
EL層76としては、少なくとも発光材料を有する。当該発光材料としては、有機化合物、または量子ドットなどの無機化合物が挙げられる。
上述の有機化合物、および無機化合物としては、例えば、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷法等の方法を用いて形成することができる。
有機化合物に用いることのできる材料としては、蛍光材料または燐光材料が挙げられる。寿命の観点からは、蛍光材料を用いればよく、効率の観点からは燐光材料を用いればよい。発光色に応じ、効率と寿命を考慮し、蛍光材料および燐光材料を適宜選択して用いればよい。または、蛍光材料および燐光材料の双方を有する構成としてもよい。
また、量子ドットは、数nmサイズの半導体ナノ結晶であり、1×103個から1×106個程度の原子から構成されている。量子ドットはサイズに依存してエネルギーシフトするため、同じ物質から構成される量子ドットであっても、サイズによって発光波長が異なり、用いる量子ドットのサイズを変更することによって容易に発光波長を調整することができる。
また、量子ドットは、発光スペクトルのピーク幅が狭いため、色純度のよい発光を得ることができる。さらに、量子ドットの理論的な外部量子効率はほぼ100%であると言われており、蛍光発光を呈する有機化合物の25%を大きく上回り、燐光発光を呈する有機化合物と同等となっている。このことから、量子ドットを発光材料として用いることによって発光効率の高い発光素子を得ることができる。その上、無機化合物である量子ドットはその本質的な安定性にも優れているため、寿命の観点からも好ましい発光素子を得ることができる。
量子ドットを構成する材料としては、周期表第14族元素、周期表第15族元素、周期表第16族元素、複数の周期表第14族元素からなる化合物、周期表第4族から周期表第14族に属する元素と周期表第16族元素との化合物、周期表第2族元素と周期表第16族元素との化合物、周期表第13族元素と周期表第15族元素との化合物、周期表第13族元素と周期表第17族元素との化合物、周期表第14族元素と周期表第15族元素との化合物、周期表第11族元素と周期表第17族元素との化合物、酸化鉄類、酸化チタン類、カルコゲナイドスピネル類、各種半導体クラスターなどを挙げることができる。
具体的には、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、セレン化亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、テルル化亜鉛、硫化水銀、セレン化水銀、テルル化水銀、砒化インジウム、リン化インジウム、砒化ガリウム、リン化ガリウム、窒化インジウム、窒化ガリウム、アンチモン化インジウム、アンチモン化ガリウム、リン化アルミニウム、砒化アルミニウム、アンチモン化アルミニウム、セレン化鉛、テルル化鉛、硫化鉛、セレン化インジウム、テルル化インジウム、硫化インジウム、セレン化ガリウム、硫化砒素、セレン化砒素、テルル化砒素、硫化アンチモン、セレン化アンチモン、テルル化アンチモン、硫化ビスマス、セレン化ビスマス、テルル化ビスマス、ケイ素、炭化ケイ素、ゲルマニウム、錫、セレン、テルル、ホウ素、炭素、リン、窒化ホウ素、リン化ホウ素、砒化ホウ素、窒化アルミニウム、硫化アルミニウム、硫化バリウム、セレン化バリウム、テルル化バリウム、硫化カルシウム、セレン化カルシウム、テルル化カルシウム、硫化ベリリウム、セレン化ベリリウム、テルル化ベリリウム、硫化マグネシウム、セレン化マグネシウム、硫化ゲルマニウム、セレン化ゲルマニウム、テルル化ゲルマニウム、硫化錫、セレン化錫、テルル化錫、酸化鉛、フッ化銅、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、酸化銅、セレン化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、硫化コバルト、四酸化三鉄、硫化鉄、酸化マンガン、硫化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化タンタル、酸化チタン、酸化ジルコニウム、窒化ケイ素、窒化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、セレンと亜鉛とカドミウムの化合物、インジウムと砒素とリンの化合物、カドミウムとセレンと硫黄の化合物、カドミウムとセレンとテルルの化合物、インジウムとガリウムと砒素の化合物、インジウムとガリウムとセレンの化合物、インジウムとセレンと硫黄の化合物、銅とインジウムと硫黄の化合物およびこれらの組合せなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、組成が任意の比率で表される、いわゆる合金型量子ドットを用いても良い。例えば、カドミウムとセレンと硫黄の合金型量子ドットは、元素の含有比率を変化させることで発光波長を変えることができるため、青色発光を得るには有効な手段の一つである。
量子ドットの構造としては、コア型、コア−シェル型、コア−マルチシェル型などがあり、そのいずれを用いても良いが、コアを覆ってより広いバンドギャップを持つ別の無機材料でシェルを形成することによって、ナノ結晶表面に存在する欠陥やダングリングボンドの影響を低減することができる。これにより、発光の量子効率が大きく改善するためコア−シェル型やコア−マルチシェル型の量子ドットを用いることが好ましい。シェルの材料の例としては、硫化亜鉛や酸化亜鉛が挙げられる。
また、量子ドットは、表面原子の割合が高いことから、反応性が高く、凝集が起こりやすい。そのため、量子ドットの表面には保護剤が付着しているまたは保護基が設けられていることが好ましい。当該保護剤が付着しているまたは保護基が設けられていることによって、凝集を防ぎ、溶媒への溶解性を高めることができる。また、反応性を低減させ、電気的安定性を向上させることも可能である。保護剤(または保護基)としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、トリ(n−ヘキシル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン、トリ(n−デシル)アミン等の第3級アミン類、トリプロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリヘキシルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド、トリデシルホスフィンオキシド等の有機リン化合物、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類、また、ピリジン、ルチジン、コリジン、キノリン類等の含窒素芳香族化合物等の有機窒素化合物、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン等のアミノアルカン類、ジブチルスルフィド等のジアルキルスルフィド類、ジメチルスルホキシドやジブチルスルホキシド等のジアルキルスルホキシド類、チオフェン等の含硫黄芳香族化合物等の有機硫黄化合物、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸、アルコール類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイミン類等が挙げられる。
量子ドットは、サイズが小さくなるに従いバンドギャップが大きくなるため、所望の波長の光が得られるようにそのサイズを適宜調節する。結晶サイズが小さくなるにつれて、量子ドットの発光は青色側へ、つまり、高エネルギー側へとシフトするため、量子ドットのサイズを変化させることにより、紫外領域、可視領域、赤外領域のスペクトルの波長領域にわたって、その発光波長を調節することができる。量子ドットのサイズ(直径)は0.5nm乃至20nm、好ましくは1nm乃至10nmの範囲のものが通常良く用いられる。なお、量子ドットはそのサイズ分布が狭いほど、より発光スペクトルが狭線化し、色純度の良好な発光を得ることができる。また、量子ドットの形状は特に限定されず、球状、棒状、円盤状、その他の形状であってもよい。なお、棒状の量子ドットである量子ロッドはc軸方向に偏光した指向性を有する光を呈するため、量子ロッドを発光材料として用いることにより、より外部量子効率が良好な発光素子を得ることができる。
また、EL素子では多くの場合、発光材料をホスト材料に分散することによって発光効率を高めるが、ホスト材料は発光材料以上の一重項励起エネルギーまたは三重項励起エネルギーを有する物質であることが必要である。特に青色の燐光材料を用いる場合においては、それ以上の三重項励起エネルギーを有する材料であり、且つ、寿命の観点で優れたホスト材料の開発は困難を極めている。一方で、量子ドットはホスト材料を用いずに量子ドットのみで発光層を構成しても発光効率を保つことができるため、この点でも寿命という観点から好ましい発光素子を得ることができる。量子ドットのみで発光層を形成する場合には、量子ドットはコア−シェル構造(コア−マルチシェル構造を含む)であることが好ましい。
[配向膜]
配向膜94、98としては、ポリイミド樹脂等を含む材料を用いることができる。例えば、ポリイミド樹脂等を含む材料が、所定の方向に配向するようにラビング処理または光配向処理を行えばよい。
[着色膜]
着色膜69、100は、所謂カラーフィルタとしての機能を有する。着色膜69、100としては、所定の色の光を透過する材料(例えば、青色の光を透過する材料、緑色の光を透過する材料、赤色の光を透過する材料、黄色の光を透過する材料または白色の光を透過する材料など)を用いればよい。
[構造体]
構造体74としては、有機材料、無機材料、または有機材料と無機材料との複合材料を含む絶縁性材料を用いることができる。当該絶縁性材料としては、絶縁膜32、34、40、44、48、54、60、62、68、72に列挙した材料を用いることができる。
[封止材]
封止材82としては、無機材料、有機材料、または無機材料と有機材料との複合材料等を用いることができる。上述の有機材料としては、例えば、熱溶融性の樹脂または熱硬化性の樹脂を含む有機材料が挙げられる。また、封止材82としては、樹脂材料を含む接着剤(反応硬化型の接着剤、光硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤等)を用いてもよい。また、上述の樹脂材料としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、イミド系樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)系樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)系樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)系樹脂等が挙げられる。
また、図1乃至図13には明示しないが、表示装置500は、下記の構成要素を有していてもよい。
[機能膜]
表示装置500は、基板80および基板90のいずれか一方または双方に接して機能膜を有していてもよい。当該機能膜としては、偏光板、位相差板、拡散フィルム、反射防止フィルムまたは集光フィルム等を用いることができる。また、機能膜として、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくする撥水性の膜、使用に伴う傷の発生を抑制するハードコート膜等を用いることができる。
[遮光膜]
表示装置500は、隣接する画素間に光の透過を抑制する遮光膜を有していてもよい。当該遮光膜としては、金属材料、または黒色顔料を含んだ有機樹脂材料等が挙げられる。
このように、本発明の一態様の表示装置においては、2種類の表示素子を、異なるトランジスタを用いて、それぞれ独立に制御することができる。よって、表示品位の高い表示装置を提供することができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、フレーム構成の一例と、ゲートドライバ回路部504a、504bの構成の一例および駆動方法の一例と、について、図14乃至図18を用いて説明を行う。なお、本実施の形態において、図1に示す画素部502は1920行の画素10を有しているものとする。
<2−1.フレーム構成例>
図14は、フレーム構成図の一例である。図14に示すフレーム構成図において、Bと記載されている箇所は帰線期間を示す。
本明細書等において、配線GL_E1[a]および配線GL_E2[a]をまとめて配線GL_E[a]と記載する場合がある。例えば、配線GL_E[a]に高電位を印加するとは、配線GL_E1[a]および配線GL_E2[a]の両方に高電位を印加することを意味する。また、例えば配線GL_E[a]に高電位を印加するとは、配線GL_E1[a]および配線GL_E2[a]の両方に低電位を印加することを意味する。
上側のフレーム構成図は、配線GL_L[1]乃至配線GL_L[1920]の中で高電位が印加されている配線を示す。上側のフレーム構成図に記載されている数字は、高電位が印加されている配線GL_Lの行を示す。つまり、例えば2と記載されている場合、配線GL_L[2]に高電位が印加されていることを示す。
下側のフレーム構成図は、配線GL_E1[1]乃至配線GL_E1[1920]および配線GL_E2[1]乃至配線GL_E2[1920]の中で高電位が印加されている配線を示す。下側のフレーム構成図において、a−1(aは1以上1920以下の整数)と記載されている場合は、GL_E1[a]に高電位が印加されていることを示し、a−2と記載されている場合は、GL_E2[a]に高電位が印加されていることを示す。
図14に示すように、配線GL_L[p](pは2以上1920以下の整数)に高電位が印加されている期間に、配線GL_E2[p−1]または配線GL_E1[p]に高電位が印加される。
<2−2.ゲートドライバ回路部504aの構成例>
図15は、図1に示すゲートドライバ回路部504aの構成例を示すブロック図である。実施の形態1で示したように、ゲートドライバ回路部504aは配線GL_L[1]乃至配線GL_L[1922]の電位を制御する機能を有する。なお、配線GL_L[1921]および配線GL_L[1922]は、画素10と電気的に接続されていないダミー配線である。
ゲートドライバ回路部504aは、シフトレジスタ回路部22[1]乃至シフトレジスタ回路部22[1922]を有する。なお、シフトレジスタ回路部22[1921]およびシフトレジスタ回路部22[1922]は、ダミーのシフトレジスタ回路部22と呼ぶことができる。
図15乃至図18等において、ダミー配線およびダミーのシフトレジスタ回路部には、(DUM)と付記している。
シフトレジスタ回路部22[q](qは1以上1922以下の整数)には、配線GL_L[q]が電気的に接続されている。シフトレジスタ回路部22[q]には、配線PL1_L、配線PL2_L、配線PL3_Lおよび配線PL4_Lのいずれか1本が電気的に接続されている。シフトレジスタ回路部22[q]には、配線CL1_L、配線CL2_L、配線CL3_Lおよび配線CL4_Lのいずれか3本が電気的に接続されている。シフトレジスタ回路部22[1]には、配線SPL_Lが電気的に接続されている。
配線PL1_L乃至配線PL4_Lは、パルス幅制御信号をシフトレジスタ回路部22[1]乃至シフトレジスタ回路部22[1922]に供給する機能を有する。配線CL1_L乃至配線CL4_Lは、クロック信号をシフトレジスタ回路部22[1]乃至シフトレジスタ回路部22[1922]に供給する機能を有する。配線SPL_Lは、スタートパルスをシフトレジスタ回路部22[1]に供給する機能を有する。
<2−3.ゲートドライバ回路部504aの駆動方法>
図16は、配線CL1_L乃至配線CL4_L、配線PL1_L乃至配線PL4_L、配線SPL_L、配線GL_L[1]乃至配線GL_L[4]および配線GL_L[1919]乃至配線GL_L[1922]の電位の一例を示すタイミングチャートである。配線PL1_L乃至配線PL4_Lのいずれか1本が高電位となることにより配線GL_L[1]乃至配線GL_L[1922]のいずれか1本が高電位となる。また、配線PL1_L乃至配線PL4_Lの中の高電位の配線が低電位に切り替わることにより、配線GL_L[1]乃至配線GL_L[1922]の中の高電位の配線が低電位に切り替わる。
<2−4.ゲートドライバ回路部504bの構成例>
図17は、図1に示すゲートドライバ回路部504bの構成例を示すブロック図である。実施の形態1で示したように、ゲートドライバ回路部504bは配線GL_E1[1]乃至配線GL_E1「1922」および配線GL_E2[1]乃至配線GL_E2「1922」の電位を制御する機能を有する。なお、配線GL_E1[1921]、配線GL_E1[1922]、配線GL_E2[1921]および配線GL_E2[1922]は、画素10と電気的に接続されていないダミー配線である。
ゲートドライバ回路部504bは、シフトレジスタ回路部23[1]乃至シフトレジスタ回路部23[1922]を有する。なお、シフトレジスタ回路部23[1921]およびシフトレジスタ回路部23[1922]は、ダミーのシフトレジスタ回路部23と呼ぶことができる。
シフトレジスタ回路部23[q]には、配線GL_E1[q]および配線GL_E2[q]が電気的に接続されている。シフトレジスタ回路部23[q]には、配線PL1_E1、配線PL2_E1、配線PL3_E1および配線PL4_E1のいずれか1本が電気的に接続されている。シフトレジスタ回路部23[q]には、配線PL1_E2、配線PL2_E2、配線PL3_E2および配線PL4_E2のいずれか1本が電気的に接続されている。シフトレジスタ回路部23[q]には、配線CL1_E、配線CL2_E、配線CL3_Eおよび配線CL4_Eのいずれか3本が電気的に接続されている。シフトレジスタ回路部23[1]には、配線SPL_Eが電気的に接続されている。
配線PL1_E1乃至配線PL4_E1および配線PL1_E2乃至配線PL4_E2は、パルス幅制御信号をシフトレジスタ回路部23[1]乃至シフトレジスタ回路部23[1922]に供給する機能を有する。配線CL1_E乃至配線CL4_Eは、クロック信号をシフトレジスタ回路部23[1]乃至シフトレジスタ回路部23[1922]に供給する機能を有する。配線SPL_Eは、スタートパルスをシフトレジスタ回路部23[1]に供給する機能を有する。
<2−5.ゲートドライバ回路部504bの駆動方法>
図18は、配線CL1_E乃至配線CL4_E、配線PL1_E1乃至配線PL4_E1、配線PL1_E2乃至配線PL4_E2、配線SPL_E、配線GL_E1[1]乃至配線GL_E1[4]、配線GL_E2[1]乃至配線GL_E2[4]、配線GL_E1[1919]乃至配線GL_E1[1922]および配線GL_E2[1919]乃至配線GL_E2[1922]の電位を示すタイミングチャートである。
配線PL1_E1乃至配線PL4_E1のいずれか1本が高電位となることにより、配線GL_E1[1]乃至配線GL_E1[1922]のいずれか1本が高電位となり、配線PL1_E1乃至配線PL4_E1の中の高電位の配線が低電位に切り替わることにより、配線GL_E1[1]乃至配線GL_E1[1922]の中の高電位の配線が低電位に切り替わる。また、配線PL1_E2乃至配線PL4_E2のいずれか1本が高電位となることにより、配線GL_E2[1]乃至配線GL_E2[1922]のいずれか1本が高電位となり、配線PL1_E2乃至配線PL4_E2の中の高電位の配線が低電位に切り替わることにより、配線GL_E2[1]乃至配線GL_E2[1922]の中の高電位の配線が低電位に切り替わる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態においては、本発明の一態様の表示装置に入力装置を取り付ける構成について、図19乃至図23を用いて説明を行う。
<3−1.入出力装置に関する説明>
なお、本実施の形態において、表示装置500と、入力装置とを合わせたタッチパネル2000について説明する。また、入力装置の一例として、タッチセンサを用いる場合について説明する。
図19(A)、(B)は、タッチパネル2000の斜視図である。なお、図19(A)(B)において、明瞭化のため、タッチパネル2000の代表的な構成要素を示す。
タッチパネル2000は、表示装置500とタッチセンサ2595とを有する(図19(B)参照)。また、タッチパネル2000は、基板80、基板90、および基板2590を有する。
表示装置500は、基板80上に複数の画素および該画素に信号を供給することができる複数の配線2511を有する。複数の配線2511は、基板80の外周部にまで引き回され、その一部が端子2519を構成している。端子2519はFPC2509(1)と電気的に接続する。
基板2590は、タッチセンサ2595と、タッチセンサ2595と電気的に接続する複数の配線2598とを有する。複数の配線2598は、基板2590の外周部に引き回され、その一部は端子を構成する。そして、該端子はFPC2509(2)と電気的に接続される。なお、図19(B)では明瞭化のため、基板2590の裏面側(基板80と対向する面側)に設けられるタッチセンサ2595の電極や配線等を実線で示している。
タッチセンサ2595として、例えば静電容量方式のタッチセンサを適用できる。静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。
投影型静電容量方式としては、主に駆動方式の違いから自己容量方式、相互容量方式などがある。相互容量方式を用いると同時多点検出が可能となるため好ましい。なお、図19(B)に示すタッチセンサ2595は、投影型静電容量方式のタッチセンサを適用した構成である。
また、タッチセンサ2595には、指等の検知対象の近接または接触を検知することができる、様々なセンサを適用することができる。
投影型静電容量方式のタッチセンサ2595は、電極2591と電極2592とを有する。電極2591は、複数の配線2598のいずれかと電気的に接続し、電極2592は複数の配線2598の他のいずれかと電気的に接続する。
電極2592は、図19(A)、(B)に示すように、一方向に繰り返し配置された複数の四辺形が角部で接続される形状を有する。
電極2591は四辺形であり、電極2592が延在する方向と交差する方向に繰り返し配置されている。
配線2594は、電極2592を挟む二つの電極2591と電気的に接続する。このとき、電極2592と配線2594の交差部の面積ができるだけ小さくなる形状が好ましい。これにより、電極が設けられていない領域の面積を低減でき、透過率のバラツキを低減できる。その結果、タッチセンサ2595を透過する光の輝度のバラツキを低減することができる。
なお、電極2591および電極2592の形状はこれに限定されず、様々な形状を取りうる。例えば、複数の電極2591をできるだけ隙間が生じないように配置し、絶縁層を介して電極2592を、電極2591と重ならない領域ができるように離間して複数設ける構成としてもよい。このとき、隣接する2つの電極2592の間に、これらとは電気的に絶縁されたダミー電極を設けると、透過率の異なる領域の面積を低減できるため好ましい。
なお、電極2591、電極2592、配線2598などの導電膜、つまり、タッチパネルを構成する配線や電極に用いることのできる材料として、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛等を有する透明導電膜(例えば、ITOなど)が挙げられる。また、タッチパネルを構成する配線や電極に用いることのできる材料として、例えば、抵抗値が低い方が好ましい。一例として、銀、銅、アルミニウム、カーボンナノチューブ、グラフェン、ハロゲン化金属(ハロゲン化銀など)などを用いてもよい。さらに、非常に細くした(例えば、直径が数ナノメール)複数の導電体を用いて構成されるような金属ナノワイヤを用いてもよい。または、導電体を網目状にした金属メッシュを用いてもよい。一例としては、Agナノワイヤ、Cuナノワイヤ、Alナノワイヤ、Agメッシュ、Cuメッシュ、Alメッシュなどを用いてもよい。例えば、タッチパネルを構成する配線や電極にAgナノワイヤを用いる場合、可視光において透過率を89%以上、シート抵抗値を40Ω/□以上100Ω/□以下とすることができる。また、上述したタッチパネルを構成する配線や電極に用いることのできる材料の一例である、金属ナノワイヤ、金属メッシュ、カーボンナノチューブ、グラフェンなどは、可視光において透過率が高いため、表示素子に用いる電極(例えば、画素電極または共通電極など)として用いてもよい。
<3−2.タッチセンサに関する説明>
次に、図20を用いて、タッチセンサ2595の詳細について説明する。図20は、図19(B)に示す一点鎖線X1−X2間の断面図に相当する。
タッチセンサ2595は、基板2590上に千鳥状に配置された電極2591および電極2592と、電極2591および電極2592を覆う絶縁層2593と、隣り合う電極2591を電気的に接続する配線2594とを有する。
電極2591および電極2592は、透光性を有する導電材料を用いて形成する。透光性を有する導電性材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を用いることができる。なお、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例えば膜状に形成された酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。還元する方法としては、熱を加える方法等を挙げることができる。
例えば、透光性を有する導電性材料を基板2590上にスパッタリング法により成膜した後、フォトリソグラフィ法等の様々なパターニング技術により、不要な部分を除去して、電極2591および電極2592を形成することができる。
また、絶縁層2593に用いる材料としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、またはシロキサン結合を有する樹脂材料、あるいは酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料を用いることができる。
また、電極2591に達する開口が絶縁層2593に設けられ、配線2594が隣接する電極2591と電気的に接続する。透光性の導電性材料は、タッチパネルの開口率を高めることができるため、配線2594に好適に用いることができる。また、電極2591および電極2592より導電性の高い材料は、電気抵抗を低減できるため配線2594に好適に用いることができる。
電極2592は、一方向に延在し、複数の電極2592がストライプ状に設けられている。また、配線2594は電極2592と交差して設けられている。
一対の電極2591が1つの電極2592を挟んで設けられる。また、配線2594は一対の電極2591を電気的に接続している。
なお、複数の電極2591は、1つの電極2592と必ずしも直交する方向に配置される必要はなく、0度を超えて90度未満の角度をなすように配置されてもよい。
また、配線2598は、電極2591または電極2592と電気的に接続される。また、配線2598の一部は、端子として機能する。配線2598としては、例えば、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、チタン、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、またはパラジウム等の金属材料や、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。
なお、絶縁層2593および配線2594を覆う絶縁層を設けて、タッチセンサ2595を保護してもよい。
また、接続層2599は、配線2598とFPC2509(2)を電気的に接続させる。
接続層2599としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
<3−3.タッチパネルに関する説明>
次に、図21および図22を用いて、タッチパネル2000の詳細について説明する。図21および図22は、図19(A)に示す一点鎖線X3−X4間の断面図に相当する。
図21に示すタッチパネル2000は、図10(B)で説明した画素10を有する表示装置500と、図20で説明したタッチセンサ2595と、を貼り合わせた構成である。図22に示すタッチパネル2000は、図12(B)で説明した画素10を有する表示装置500と、図20で説明したタッチセンサ2595と、を貼り合わせた構成である。
また、図21に示すタッチパネル2000は、図10(B)で説明した画素10を有する表示装置500および図20で説明したタッチセンサ2595の他に、接着層2597と、反射防止層2569と、を有する。また、図22に示すタッチパネル2000は、図12(B)で説明した画素10を有する表示装置500および図20で説明したタッチセンサ2595の他に、接着層2597と、反射防止層2569と、を有する。
接着層2597は、配線2594と接して設けられる。なお、接着層2597は、タッチセンサ2595が表示装置500に重なるように、基板2590を基板90に貼り合わせている。また、接着層2597は、透光性を有すると好ましい。また、接着層2597としては、熱硬化性樹脂、または紫外線硬化樹脂を用いることができる。例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、またはシロキサン系樹脂を用いることができる。
反射防止層2569は、画素10に重なる位置に設けられる。反射防止層2569として、例えば円偏光板を用いることができる。
また、タッチパネル2000は、所謂アウトセル型のタッチパネルである。ただし、本発明の一態様は、上記構成に限定されず、インセル型のタッチパネル、またはオンセル型のタッチパネルとしてもよい。
<2−4.タッチパネルの駆動方法に関する説明>
次に、タッチパネルの駆動方法の一例について、図23を用いて説明を行う。
図23(A)は、相互容量方式のタッチセンサの構成を示すブロック図である。図23(A)では、パルス電圧出力回路2601、電流検出回路2602を示している。なお、図23(A)では、パルス電圧が与えられる電極2621をX1−X6として、電流の変化を検知する電極2622をY1−Y6として、それぞれ6本の配線で例示している。また、図23(A)は、電極2621と、電極2622とが重畳することで形成される容量2603を示している。なお、電極2621と電極2622とはその機能を互いに置き換えてもよい。
パルス電圧出力回路2601は、X1−X6の配線に順にパルスを印加するための回路である。X1−X6の配線にパルス電圧が印加されることで、容量2603を形成する電極2621と電極2622との間に電界が生じる。この電極間に生じる電界が遮蔽等により容量2603の相互容量に変化を生じさせることを利用して、被検知体の近接、または接触を検出することができる。
電流検出回路2602は、容量2603での相互容量の変化による、Y1−Y6の配線での電流の変化を検出するための回路である。Y1−Y6の配線では、被検知体の近接、または接触がないと検出される電流値に変化はないが、検出する被検知体の近接、または接触により相互容量が減少する場合には電流値が減少する変化を検出する。なお電流の検出は、積分回路等を用いて行えばよい。
次に、図23(B)には、図23(A)で示す相互容量方式のタッチセンサにおける入出力波形のタイミングチャートを示す。図23(B)では、1フレーム期間で各行列での被検知体の検出を行うものとする。また図23(B)では、被検知体を検出しない場合(非タッチ)と被検知体を検出する場合(タッチ)との2つの場合について示している。なおY1−Y6の配線については、検出される電流値に対応する電圧値とした波形を示している。
X1−X6の配線には、順にパルス電圧が与えられ、該パルス電圧にしたがってY1−Y6の配線での波形が変化する。被検知体の近接または接触がない場合には、X1−X6の配線の電圧の変化に応じてY1−Y6の波形が一様に変化する。一方、被検知体が近接または接触する箇所では、電流値が減少するため、これに対応する電圧値の波形も変化する。
このように、相互容量の変化を検出することにより、被検知体の近接または接触を検知することができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態においては、本発明の一態様の金属酸化物膜について、図24および図25を用いて説明を行う。
<4−1.金属酸化物膜>
以下に、本発明に係る金属酸化物膜について説明する。
金属酸化物膜は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどが含まれていることが好ましい。また、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
ここでは、金属酸化物膜が、インジウム、元素Mおよび亜鉛を有するInMZnOである場合を考える。なお、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどとする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウムなどがある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。
<4−2.金属酸化物膜の構造>
金属酸化物膜は、単結晶金属酸化物膜と、それ以外の非単結晶金属酸化物膜と、に分けられる。非単結晶金属酸化物膜としては、例えば、CAAC−OS(c−axis aligned crystalline oxide semiconductor)、多結晶金属酸化物膜、nc−OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質金属酸化物膜(a−like OS:amorphous−like oxide semiconductor)および非晶質金属酸化物膜などがある。
CAAC−OSは、c軸配向性を有し、かつa−b面方向において複数のナノ結晶が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。なお、歪みとは、複数のナノ結晶が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。
ナノ結晶は、六角形を基本とするが、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合がある。また、歪みにおいて、五角形、および七角形などの格子配列を有する場合がある。なお、CAAC−OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリーともいう)を確認することはできない。即ち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC−OSが、a−b面方向において原子配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
また、CAAC−OSは、インジウム、および酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛、および酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能であり、(M,Zn)層の元素Mがインジウムと置換した場合、(In,M,Zn)層と表すこともできる。また、In層のインジウムが元素Mと置換した場合、(In,M)層と表すこともできる。
nc−OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc−OSは、分析方法によっては、a−like OSや非晶質金属酸化物膜と区別が付かない場合がある。
a−like OSは、nc−OSと非晶質金属酸化物膜との間の構造を有する金属酸化物膜である。a−like OSは、鬆または低密度領域を有する。即ち、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて、結晶性が低い。
金属酸化物膜は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の金属酸化物膜は、非晶質金属酸化物膜、多結晶金属酸化物膜、a−like OS、nc−OS、CAAC−OSのうち、二種以上を有していてもよい。
<4−3.金属酸化物膜の原子数比>
次に、図24(A)、図24(B)、および図24(C)を用いて、本発明に係る金属酸化物膜が有するインジウム、元素Mおよび亜鉛の原子数比の好ましい範囲について説明する。なお、図24(A)、図24(B)、および図24(C)には、酸素の原子数比については記載しない。また、金属酸化物膜が有するインジウム、元素M、および亜鉛の原子数比のそれぞれの項を[In]、[M]、および[Zn]とする。
図24(A)、図24(B)、および図24(C)において、破線は、[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):1の原子数比(−1≦α≦1)となるライン、[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):2の原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):3の原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):4の原子数比となるライン、および[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):5の原子数比となるラインを表す。
また、一点鎖線は、[In]:[M]:[Zn]=5:1:βの原子数比(β≧0)となるライン、[In]:[M]:[Zn]=2:1:βの原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=1:1:βの原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=1:2:βの原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=1:3:βの原子数比となるライン、および[In]:[M]:[Zn]=1:4:βの原子数比となるラインを表す。
また、図24(A)、図24(B)、および図24(C)に示す、[In]:[M]:[Zn]=0:2:1の原子数比、およびその近傍値の金属酸化物膜は、スピネル型の結晶構造をとりやすい。
また、金属酸化物膜中に複数の相が共存する場合がある(二相共存、三相共存など)。例えば、原子数比が[In]:[M]:[Zn]=0:2:1の近傍値である場合、スピネル型の結晶構造と層状の結晶構造との二相が共存しやすい。また、原子数比が[In]:[M]:[Zn]=1:0:0の近傍値である場合、ビックスバイト型の結晶構造と層状の結晶構造との二相が共存しやすい。金属酸化物膜中に複数の相が共存する場合、異なる結晶構造の間において、結晶粒界が形成される場合がある。
図24(A)に示す領域Aは、金属酸化物膜が有する、インジウム、元素M、および亜鉛の原子数比の好ましい範囲の一例について示している。
金属酸化物膜は、インジウムの含有率を高くすることで、金属酸化物膜のキャリア移動度(電子移動度)を高くすることができる。従って、インジウムの含有率が高い金属酸化物膜はインジウムの含有率が低い金属酸化物膜と比較してキャリア移動度が高くなる。
一方、金属酸化物膜中のインジウムおよび亜鉛の含有率が低くなると、キャリア移動度が低くなる。従って、原子数比が[In]:[M]:[Zn]=0:1:0、およびその近傍値である場合(例えば図24(C)に示す領域C)は、絶縁性が高くなる。
従って、本発明の一態様の金属酸化物膜は、キャリア移動度が高く、かつ、結晶粒界が少ない層状構造となりやすい、図24(A)の領域Aで示される原子数比を有することが好ましい。
特に、図24(B)に示す領域Bでは、領域Aの中でも、CAAC−OSとなりやすく、キャリア移動度も高い優れた金属酸化物膜が得られる。
CAAC−OSは結晶性の高い金属酸化物膜である。一方、CAAC−OSは、明確な結晶粒界を確認することはできないため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、金属酸化物膜の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、CAAC−OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない金属酸化物膜ともいえる。従って、CAAC−OSを有する金属酸化物膜は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC−OSを有する金属酸化物膜は熱に強く、信頼性が高い。
なお、領域Bは、[In]:[M]:[Zn]=4:2:3から4.1、およびその近傍値を含む。近傍値には、例えば、[In]:[M]:[Zn]=5:3:4が含まれる。また、領域Bは、[In]:[M]:[Zn]=5:1:6、およびその近傍値、および[In]:[M]:[Zn]=5:1:7、およびその近傍値を含む。
なお、金属酸化物膜が有する性質は、原子数比によって一義的に定まらない。同じ原子数比であっても、形成条件により、金属酸化物膜の性質が異なる場合がある。例えば、金属酸化物膜をスパッタリング装置にて成膜する場合、ターゲットの原子数比からずれた原子数比の膜が形成される。また、成膜時の基板温度によっては、ターゲットの[Zn]よりも、膜の[Zn]が小さくなる場合がある。従って、図示する領域は、金属酸化物膜が特定の特性を有する傾向がある原子数比を示す領域であり、領域A乃至領域Cの境界は厳密ではない。
<4−4.金属酸化物膜を有するトランジスタ>
続いて、上記金属酸化物膜をトランジスタに用いる場合について説明する。
なお、上記金属酸化物膜をトランジスタに用いることで、結晶粒界におけるキャリア散乱等を減少させることができるため、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。また、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
また、トランジスタには、キャリア密度の低い金属酸化物膜を用いることが好ましい。金属酸化物膜のキャリア密度を低くする場合においては、金属酸化物膜中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性または実質的に高純度真性と言う。例えば、金属酸化物膜は、キャリア密度が8×1011/cm3未満、好ましくは1×1011/cm3未満、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×10−9/cm3以上とすればよい。
また、高純度真性または実質的に高純度真性である金属酸化物膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
また、金属酸化物膜のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い金属酸化物膜にチャネル領域が形成されるトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
従って、トランジスタの電気特性を安定にするためには、金属酸化物膜中の不純物濃度を低減することが有効である。また、金属酸化物膜中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
<4−5.金属酸化物膜中における不純物>
ここで、金属酸化物膜中における各不純物の影響について説明する。
金属酸化物膜において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、金属酸化物膜において欠陥準位が形成される。このため、金属酸化物膜におけるシリコンや炭素の濃度と、金属酸化物膜との界面近傍のシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
また、金属酸化物膜にアルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれると、欠陥準位を形成し、キャリアを生成する場合がある。従って、アルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれている金属酸化物膜を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、金属酸化物膜中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を低減することが好ましい。具体的には、SIMSにより得られる金属酸化物膜中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
また、金属酸化物膜に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている金属酸化物膜を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、金属酸化物膜中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、金属酸化物膜において、SIMSにより得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは1×1019atoms/cm3未満、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする。
不純物が十分に低減された金属酸化物膜をトランジスタのチャネル領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
<4−6.バンド図>
続いて、該金属酸化物膜を2層構造、または3層構造とした場合について述べる。金属酸化物膜S1、金属酸化物膜S2、および金属酸化物膜S3の積層構造、および積層構造に接する絶縁膜のバンド図と、金属酸化物膜S2および金属酸化物膜S3の積層構造、および積層構造に接する絶縁膜のバンド図と、金属酸化物膜S1および金属酸化物膜S2の積層構造、および積層構造に接する絶縁膜のバンド図と、について、図25を用いて説明する。
図25(A)は、絶縁膜I1、金属酸化物膜S1、金属酸化物膜S2、金属酸化物膜S3、および絶縁膜I2を有する積層構造の膜厚方向のバンド図の一例である。また、図25(B)は、絶縁膜I1、金属酸化物膜S2、金属酸化物膜S3、および絶縁膜I2を有する積層構造の膜厚方向のバンド図の一例である。また、図25(C)は、絶縁膜I1、金属酸化物膜S1、金属酸化物膜S2、および絶縁膜I2を有する積層構造の膜厚方向のバンド図の一例である。なお、バンド図は、理解を容易にするため絶縁膜I1、金属酸化物膜S1、金属酸化物膜S2、金属酸化物膜S3、および絶縁膜I2の伝導帯下端のエネルギー準位(Ec)を示す。
金属酸化物膜S1、金属酸化物膜S3は、金属酸化物膜S2よりも伝導帯下端のエネルギー準位が真空準位に近く、代表的には、金属酸化物膜S2の伝導帯下端のエネルギー準位と、金属酸化物膜S1、金属酸化物膜S3の伝導帯下端のエネルギー準位との差が、0.15eV以上、または0.5eV以上、かつ2eV以下、または1eV以下であることが好ましい。すなわち、金属酸化物膜S1、金属酸化物膜S3の電子親和力と、金属酸化物膜S2の電子親和力との差が、0.15eV以上、または0.5eV以上、かつ2eV以下、または1eV以下であることが好ましい。
図25(A)、図25(B)、および図25(C)に示すように、金属酸化物膜S1、金属酸化物膜S2、金属酸化物膜S3において、伝導帯下端のエネルギー準位はなだらかに変化する。換言すると、連続的に変化または連続接合するともいうことができる。このようなバンド図を有するためには、金属酸化物膜S1と金属酸化物膜S2との界面、または金属酸化物膜S2と金属酸化物膜S3との界面において形成される混合層の欠陥準位密度を低くするとよい。
具体的には、金属酸化物膜S1と金属酸化物膜S2、金属酸化物膜S2と金属酸化物膜S3が、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする)ことで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、金属酸化物膜S2がIn−Ga−Zn金属酸化物膜の場合、金属酸化物膜S1、金属酸化物膜S3として、In−Ga−Zn金属酸化物膜、Ga−Zn金属酸化物膜、酸化ガリウムなどを用いるとよい。
このとき、キャリアの主たる経路は金属酸化物膜S2となる。金属酸化物膜S1と金属酸化物膜S2との界面、および金属酸化物膜S2と金属酸化物膜S3との界面における欠陥準位密度を低くすることができるため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さく、高いオン電流が得られる。
トラップ準位に電子が捕獲されることで、捕獲された電子は固定電荷のように振る舞うため、トランジスタのしきい値電圧はプラス方向にシフトしてしまう。金属酸化物膜S1、金属酸化物膜S3を設けることにより、トラップ準位を金属酸化物膜S2より遠ざけることができる。当該構成とすることで、トランジスタのしきい値電圧がプラス方向にシフトすることを防止することができる。
金属酸化物膜S1、および金属酸化物膜S3は、金属酸化物膜S2と比較して、導電率が十分に低い材料を用いる。このとき、金属酸化物膜S2、金属酸化物膜S2と金属酸化物膜S1との界面、および金属酸化物膜S2と金属酸化物膜S3との界面が、主にチャネル領域として機能する。例えば、金属酸化物膜S1、金属酸化物膜S3には、図24(C)において、絶縁性が高くなる領域Cで示す原子数比の金属酸化物膜を用いればよい。なお、図24(C)に示す領域Cは、[In]:[M]:[Zn]=0:1:0、およびその近傍値、[In]:[M]:[Zn]=1:3:2およびその近傍値、および[In]:[M]:[Zn]=1:3:4、およびその近傍値である原子数比を示している。
特に、金属酸化物膜S2に領域Aで示される原子数比の金属酸化物膜を用いる場合、金属酸化物膜S1および金属酸化物膜S3には、[M]/[In]が1以上、好ましくは2以上である金属酸化物膜を用いることが好ましい。また、金属酸化物膜S3として、十分に高い絶縁性を得ることができる[M]/([Zn]+[In])が1以上である金属酸化物膜を用いることが好適である。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様で開示されるトランジスタに用いることができるCAC(Cloud Aligned Complementary)−OSの構成について説明する。
CAC−OSとは、例えば、金属酸化物膜を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物膜において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
なお、金属酸化物膜は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OS(CAC−OSの中でもIn−Ga−Zn酸化物を、特にCAC−IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、またはインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2OZ2(X2、Y2、およびZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、またはガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4OZ4(X4、Y4、およびZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、またはInX2ZnY2OZ2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
つまり、CAC−OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物膜である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、およびOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO3(ZnO)m1(m1は自然数)、またはIn(1+x0)Ga(1−x0)O3(ZnO)m0(−1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、またはCAAC構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa−b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
一方、CAC−OSは、金属酸化物膜の材料構成に関する。CAC−OSとは、In、Ga、Zn、およびOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。従って、CAC−OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
なお、CAC−OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれている場合、CAC−OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
CAC−OSは、例えば基板を意図的に加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC−OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、及び窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つまたは複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
CAC−OSは、X線回折(XRD:X−ray diffraction)測定法のひとつであるOut−of−plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折から、測定領域のa−b面方向、およびc軸方向の配向は見られないことが分かる。
またCAC−OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域と、該リング領域に複数の輝点が観測される。従って、電子線回折パターンから、CAC−OSの結晶構造が、平面方向、および断面方向において、配向性を有さないnc(nano−crystal)構造を有することがわかる。
また例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X−ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC−OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC−OSは、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
ここで、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域は、GaOX3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、金属酸化物膜としての導電性が発現する。従って、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域が、金属酸化物膜中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
一方、GaOX3などが主成分である領域は、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3などが主成分である領域が、金属酸化物膜中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
従って、CAC−OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3などに起因する絶縁性と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、および高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
また、CAC−OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。従って、CAC−OSは、ディスプレイをはじめとするさまざまな半導体装置に最適である。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置を有する表示モジュールおよび電子機器について、図26乃至図28を用いて説明を行う。
<6−1.表示モジュール>
図26に示す表示モジュール8000は、上部カバー8001と下部カバー8002との間に、FPC8003が接続されたタッチパネル8004、FPC8005が接続された表示パネル8006、フレーム8009、プリント基板8010、バッテリ8011を有する。
本発明の一態様の表示装置は、例えば、表示パネル8006に用いることができる。これにより、高輝度の画像を低消費電力で表示することができる。
上部カバー8001および下部カバー8002は、タッチパネル8004および表示パネル8006のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
タッチパネル8004は、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチパネルを表示パネル8006に重畳して用いることができる。また、表示パネル8006の対向基板(封止基板)に、タッチパネル機能を持たせるようにすることも可能である。また、表示パネル8006の各画素内に光センサを設け、光学式のタッチパネルとすることも可能である。
フレーム8009は、表示パネル8006の保護機能の他、プリント基板8010の動作により発生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。またフレーム8009は、放熱板としての機能を有していてもよい。
プリント基板8010は、電源回路、ビデオ信号およびクロック信号を出力するための信号処理回路を有する。電源回路に電力を供給する電源としては、外部の商用電源であっても良いし、別途設けたバッテリ8011による電源であってもよい。バッテリ8011は、商用電源を用いる場合には、省略可能である。
また、表示モジュール8000は、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を追加して設けてもよい。
<6−2.電子機器>
図27(A)乃至図27(E)、および図28(A)乃至図28(D)は、電子機器を示す図である。これらの電子機器は、筐体9000、表示部9001、カメラ9002、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、または操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9008等を有する。
図27(A)乃至図27(E)、および図28(A)乃至図28(D)に示す電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信または受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図27(A)乃至図27(E)、および図28(A)乃至図28(D)に示す電子機器が有する機能はこれらに限定されず、その他の機能を有していてもよい。
図27(A)乃至図27(E)、および図28(A)乃至図28(D)に示す電子機器の詳細について、以下説明を行う。
図27(A)は、テレビジョン装置9100を示す斜視図である。テレビジョン装置9100は、表示部9001を大画面とすることができる。例えば、50インチ以上、80インチ以上、または100インチ以上の表示部9001を組み込むことが可能である。
テレビジョン装置9100が有する表示部9001に本発明の一態様の表示装置を用いることにより、高輝度の画像を低消費電力で表示することができる。
図27(B)は携帯情報端末9101を、図27(C)は携帯情報端末9102を、図27(D)は携帯情報端末9103を、図27(E)は携帯情報端末9104を、それぞれ示す斜視図である。
図27(B)に示す携帯情報端末9101は、例えば電話機、手帳または情報閲覧装置等から選ばれた一つまたは複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとして用いることができる。なお、図示していないが、携帯情報端末9101には、スピーカ9003、接続端子9006、センサ9007等を設けてもよい。また、携帯情報端末9101は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。例えば、3つの操作ボタン9050(操作アイコンまたは単にアイコンともいう)を表示部9001の一の面に表示することができる。また、破線の矩形で示す情報9051を表示部9001の他の面(例えば、側面)に表示することができる。なお、情報9051の一例としては、電子メールやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や電話などの着信を知らせる表示、電子メールやSNSなどの題名、電子メールやSNSなどの送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、受信信号の強度などがある。または、情報9051が表示されている位置に、情報9051の代わりに、操作ボタン9050などを表示してもよい。また、携帯情報端末9101が有する表示部9001は、一部に曲面を有する。
携帯情報端末9101が有する表示部9001に本発明の一態様の表示装置を用いることにより、高輝度の画像を低消費電力で表示することができる。
図27(C)に示す携帯情報端末9102は、表示部9001の3面以上に情報を表示する機能を有する。ここでは、情報9052、情報9053、情報9054がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。例えば、携帯情報端末9102の使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末9102を収納した状態で、その表示(ここでは情報9053)を確認することができる。具体的には、着信した電話の発信者の電話番号または氏名等を、携帯情報端末9102の上方から観察できる位置に表示する。使用者は、携帯情報端末9102をポケットから取り出すことなく、表示を確認し、電話を受けるか否かを判断できる。また、携帯情報端末9102が有する表示部9001は、一部に曲面を有する。
携帯情報端末9102が有する表示部9001に本発明の一態様の表示装置を用いることにより、高輝度の画像を低消費電力で表示することができる。
図27(D)に示す携帯情報端末9103は、先に示す携帯情報端末9101、9102と異なり、表示部9001が曲面を有さない構成である。携帯情報端末9103が有する表示部9001に本発明の一態様の表示装置を用いることにより、高輝度の画像を低消費電力で表示することができる。
また、図27(E)に示す携帯情報端末9104は、表示部9001が湾曲している。また、図27(E)に図示するように、携帯情報端末9104にカメラ9002を設け、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を記録媒体(外部またはカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部9001に表示する機能等を有すると好ましい。携帯情報端末9104が有する表示部9001に本発明の一態様の表示装置を用いることにより、高輝度の画像を低消費電力で表示することができる。
図28(A)、(B)は携帯情報端末9105を、図28(C)はカメラ9106を、それぞれ示す斜視図である。図28(D)は、本発明の一態様の表示装置を車載用ディスプレイとして搭載した場合を示す図である。
図28(A)、(B)に示す携帯情報端末9105は、筐体9000がヒンジ部9055で連結されている。携帯情報端末9105は、図28(A)に示すように折り畳んだ状態から、図28(B)に示すように筐体9000を開くことができる。例えば表示部9001に、文書情報を表示することが可能であり、電子書籍端末としても用いることができる。また、表示部9001に静止画像や動画像を表示することもできる。このように、携帯情報端末9105は、持ち運ぶ際には折り畳んだ状態にできるため、汎用性に優れる。なお、図示していないが、携帯情報端末9105には、スピーカ9003、操作キー9005、接続端子9006およびマイクロフォン9008等を設けてもよい。
携帯情報端末9105が有する表示部9001に本発明の一態様の表示装置を用いることにより、高輝度の画像を低消費電力で表示することができる。
図28(C)に示すカメラ9106には着脱可能なレンズ9056が設けられ、シャッターボタン9057を押すことにより、静止画、または動画を撮像することができる。なお、レンズ9056と筐体9000が一体となっていてもよい。また、表示部9001はタッチパネルとしての機能を有し、表示部9001をタッチすることにより撮像することも可能である。さらに、カメラ9106は、ストロボ装置や、ビューファインダーなどを別途装着することができる。または、これらが筐体9000に組み込まれていてもよい。
カメラ9106が有する表示部9001に本発明の一態様の表示装置を用いることにより、高輝度の画像を低消費電力で表示することができる。
図28(D)に示す表示部9001には、ナビゲーション情報、スピードメーターやタコメーター、走行距離、給油量、ギア状態、エアコンの設定その他様々な情報を表示することができる。表示は使用者の好みに合わせて適宜その表示項目やレイアウトを変更することができる。
車載用ディスプレイとしての機能を有する表示部9001に本発明の一態様の表示装置を用いることにより、高輝度の画像を低消費電力で表示することができる。
本実施の形態において述べた電子機器は、何らかの情報を表示するための表示部を有することを特徴とする。ただし、本発明の一態様の半導体装置は、表示部を有さない電子機器にも適用することができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、図1に示す構成の表示装置500を作製し、表示装置500の表示結果について評価を行った。なお、画素10は図4に示す構成または図5に示す構成とした。
ゲートドライバ回路部504a、504bについて、クロック周波数は29.06kHz、信号電圧は−5V乃至17Vとした。ソースドライバ回路部506aについて、ビデオ信号の電位は1V乃至17V、1水平期間は8.6μs、反転駆動法はソースライン回転とした。ソースドライバ回路部506bについて、ビデオ信号の電位は1V乃至8V、1水平期間は8.6μsとした。また、図2に示す配線TCOMの電位は4.0V、配線CSCOMの電位は4.0V、配線ANODEの電位は10V、配線CATHODEの電位は−3.0Vとした。
また、キャノン製のEOS 70D(EF−S18−55mm F3.5−5.6 IS)を用いて写真を撮影し、当該写真を表示装置500において画像として表示した。なお、ISO感度は400、シャッタスピードは1/30、F値は1/5.6Vとした。
図29(A)、(B)に、画素10を図4に示す構成として、上記条件で表示装置500を駆動させた場合における表示結果を示す。図29(A)が、表示素子12を用いて表示を行った場合における表示結果であり、図29(B)が、表示素子14を用いて表示を行った場合における表示結果である。
図30(A)、(B)に、画素10を図5に示す構成として、上記条件で表示装置500を駆動させた場合における表示結果を示す。図30(A)が、表示素子12を用いて表示を行った場合における表示結果であり、図30(B)が、表示素子14を用いて表示を行った場合における表示結果である。
図29(A)、(B)および図30(A)、(B)に示すように、表示装置500は、良好な表示品位の画像を表示できることが確認された。