JP2018006394A - レーザ駆動光源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ発振部とプラズマ容器とを備えたレーザ駆動光源装置において、大きなパワーのレーザビームを照射することなく、点灯開始後の高温プラズマ状態を安定に維持して、発光を安定に維持させることができ、またプラズマ容器の加熱による点灯寿命の低下を抑制することができるレーザ駆動光源装置を提供する。【解決手段】レーザ発振部2は、共振器内に配置されたレーザ媒質と、該レーザ媒質に光を供給するように配置された第1及び第2のポンピング器とを備え、該各ポンピング器にそれぞれ個別に給電する第1及び第2の給電装置31を備え、前記第1のポンピング器が連続光を発生するように上記第1の給電装置を制御するとともに、前記第2のポンピング器がパルス光を発生するように前記第2の給電装置を制御する制御部30を備えてなり、前記レーザ発振部からは、連続レーザ光とパルスレーザ光が出射されることを特徴とする。【選択図】図1
Description
この発明は、レーザ駆動光源装置に関するものであり、特に、プラズマ容器内にパルスレーザ光と連続レーザ光を集光照射してプラズマを生成するレーザ駆動光源装置に係わるものである。
レーザ発振器からのレーザ光を発光ガスが封入されたプラズマ容器に照射して、ガスを励起させて発光させるようにした光源装置が、例えば、特開昭61−193358号公報(特許文献1)などで知られている。
図6にその構造が示されていて、レーザ駆動光源装置200は、レーザ発振部210と、このレーザ発振部210からのレーザ光を拡大する凹レンズ220と、この凹レンズ220によって拡大されたレーザ光を平行光にする凸レンズ230と、その平行光になったレーザ光を集光する凸レンズ240と、その集光されたレーザ光が入射されるプラズマ容器250と、プラズマ容器250を通過したレーザ光を集光するように反射する凹面鏡260と、を備えている。
前記プラズマ容器250の内部には、発光元素が封入されており、このプラズマ容器250内に集光されたレーザ光が入射されることで、発光元素が励起されてプラズマが生成されて、励起光が得られるものである。
そして、特許文献1の2頁目の右上欄16〜18行には上記レーザ発振器は封入ガスの放電励起に十分な強度の連続またはパルス状のレーザ光を発振すると記載されている。
図6にその構造が示されていて、レーザ駆動光源装置200は、レーザ発振部210と、このレーザ発振部210からのレーザ光を拡大する凹レンズ220と、この凹レンズ220によって拡大されたレーザ光を平行光にする凸レンズ230と、その平行光になったレーザ光を集光する凸レンズ240と、その集光されたレーザ光が入射されるプラズマ容器250と、プラズマ容器250を通過したレーザ光を集光するように反射する凹面鏡260と、を備えている。
前記プラズマ容器250の内部には、発光元素が封入されており、このプラズマ容器250内に集光されたレーザ光が入射されることで、発光元素が励起されてプラズマが生成されて、励起光が得られるものである。
そして、特許文献1の2頁目の右上欄16〜18行には上記レーザ発振器は封入ガスの放電励起に十分な強度の連続またはパルス状のレーザ光を発振すると記載されている。
ところで、かかる光源装置においては、プラズマ容器に封入した発光ガスを励起させるレーザ光としては、当該特許文献1に記載されるように、連続あるいはパルス状のレーザ光が考えられるが、いずれのレーザ光を用いても、以下のような問題があることが判明した。
(イ)パルス状のレーザ光の場合、発光ガスの放電励起に十分な強度のパルス状のレーザ光を発振するので点灯は開始されるが、封入ガスに断続的にレーザ光が入射されるので、高温プラズマ状態はレーザ光が断ち切れるときに、共に断ち切れてしまう場合があり、常時、高温プラズマ状態を維持することが困難であった。すなわち、放電維持が不安定であるという問題があった。
(ロ)連続のレーザ光の場合、発光ガスの放電開始に十分な強度の連続のレーザ光を発振すれば、点灯は開始されるが、高温プラズマ状態を維持するときも点灯開始時と同じエネルギーを入力すると、プラズマ容器が加熱されてしまい、この熱によって管球にひずみが生じ破損するものがあった。すなわち点灯寿命が短いという問題があった。
また、放電開始に必要なレーザ光のパワーは数十から数百kWとなるが、このような大出力のレーザ光を連続して出力するレーザ装置は大型でコストも高く、実用的でない。
(イ)パルス状のレーザ光の場合、発光ガスの放電励起に十分な強度のパルス状のレーザ光を発振するので点灯は開始されるが、封入ガスに断続的にレーザ光が入射されるので、高温プラズマ状態はレーザ光が断ち切れるときに、共に断ち切れてしまう場合があり、常時、高温プラズマ状態を維持することが困難であった。すなわち、放電維持が不安定であるという問題があった。
(ロ)連続のレーザ光の場合、発光ガスの放電開始に十分な強度の連続のレーザ光を発振すれば、点灯は開始されるが、高温プラズマ状態を維持するときも点灯開始時と同じエネルギーを入力すると、プラズマ容器が加熱されてしまい、この熱によって管球にひずみが生じ破損するものがあった。すなわち点灯寿命が短いという問題があった。
また、放電開始に必要なレーザ光のパワーは数十から数百kWとなるが、このような大出力のレーザ光を連続して出力するレーザ装置は大型でコストも高く、実用的でない。
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて、レーザ発振部と、該レーザ発振部からのレーザ光が入射されてプラズマを生成して光を出射するプラズマ容器と、を備えたレーザ駆動光源装置において、大きなパワーのレーザ光を照射することなく、点灯開始後の高温プラズマ状態を安定に維持して、発光を安定に維持させることができ、またプラズマ容器の加熱による点灯寿命の低下を抑制することができるレーザ駆動光源装置を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明に係わるレーザ駆動光源装置は、前記レーザ発振部は、一対の反射鏡からなる共振器内に配置されたレーザ媒質と、該レーザ媒質に連続光を供給するように配置されたポンピング器とを備え、前記レーザ媒質と前記共振器の出射側の反射鏡との間にはQスイッチが配置されてなり、前記ポンピング器に給電する給電装置を備えるとともに、前記給電装置と前記Qスイッチに接続された制御部を備え、該制御部は、前記給電装置による前記ポンピング器への給電を開始し、前記ポンピング器から前記レーザ媒質に連続光を供給した後に、前記Qスイッチを閉じた状態から一部閉じた状態となるように制御することを特徴とする。
また、前記プラズマ容器の外方に、該プラズマ容器内からの励起光を受光する光センサーを配置し、前記プラズマ容器内のプラズマの維持を検知して、前記Qスイッチを一部閉じた状態に維持することを特徴とする。
また、前記プラズマ容器の外方に、該プラズマ容器内からの励起光を受光する光センサーを配置し、前記プラズマ容器内のプラズマの維持を検知して、前記Qスイッチを一部閉じた状態に維持することを特徴とする。
本発明によれば、レーザ発振部におけるレーザ媒質と共振器の出射側の反射鏡との間にQスイッチを配置したので、レーザ媒質に連続光を供給した後に、前記Qスイッチを全閉状態から一部が閉じられた状態に開放することにより、パルス状のレーザ光を出射するとともに、当該パルスレーザ光に続いて連続レーザ光を途切れることなく出射することができるので、プラズマ容器でパルスレーザ光によって生成された高温プラズマが、連続レーザ光によって維持されて、安定的な点灯が維持できるものである。
そして、このようなパルスレーザ光と連続レーザ光を、Qスイッチを用いることで、単一のレーザ発振部によって発生できるので、全体の装置構造が大型化せず簡略化できる。
また、パルスレーザ光と連続レーザ光が、一対の反射部材からなる共振器を備えた単一のレーザ発振器から照射されるので、パルスレーザ光と連続レーザ光の光路が重なり、プラズマ容器の内部で、パルスレーザ光と連続レーザ光の高エネルギー状態の領域を確実に重ね合わせることができる。このため、高温プラズマ状態の生成と、高温プラズマ状態の維持を確実に行うことができ、高温プラズマ状態の断ち切れを抑制し、安定に放電させることができる。
また、プラズマ容器内からの励起光を受光する光センサーを配置したので、前記プラズマ容器内のプラズマの維持を検知することにより、前記Qスイッチを一部閉じた状態にして、連続レーザ光の供給を維持するので、安定的なプラズマ状態が維持できる。
そして、このようなパルスレーザ光と連続レーザ光を、Qスイッチを用いることで、単一のレーザ発振部によって発生できるので、全体の装置構造が大型化せず簡略化できる。
また、パルスレーザ光と連続レーザ光が、一対の反射部材からなる共振器を備えた単一のレーザ発振器から照射されるので、パルスレーザ光と連続レーザ光の光路が重なり、プラズマ容器の内部で、パルスレーザ光と連続レーザ光の高エネルギー状態の領域を確実に重ね合わせることができる。このため、高温プラズマ状態の生成と、高温プラズマ状態の維持を確実に行うことができ、高温プラズマ状態の断ち切れを抑制し、安定に放電させることができる。
また、プラズマ容器内からの励起光を受光する光センサーを配置したので、前記プラズマ容器内のプラズマの維持を検知することにより、前記Qスイッチを一部閉じた状態にして、連続レーザ光の供給を維持するので、安定的なプラズマ状態が維持できる。
図1に本発明のレーザ駆動光源装置の第1の実施例の模式図が示されていて、プラズマ容器は断面を示している。
図1のレーザ駆動光源装置は、レーザ光Bを出射するレーザ発振部2と、該レーザ光Bが入射されるプラズマ容器1と、前記レーザ発振部2に給電する給電装置31と、該給電装置31を制御する制御部30とを備えている。
プラズマ容器1の内部には、発光元素が封入されるが、その用途によって、様々な発光元素が用いられる。例えば、露光用の光源としては、発光元素として水銀とキセノンガスやアルゴンガスの混合したものが用いられる。また、例えば、映写機用の光源としては、発光元素としてキセノンガスが用いられる。
図1のレーザ駆動光源装置は、レーザ光Bを出射するレーザ発振部2と、該レーザ光Bが入射されるプラズマ容器1と、前記レーザ発振部2に給電する給電装置31と、該給電装置31を制御する制御部30とを備えている。
プラズマ容器1の内部には、発光元素が封入されるが、その用途によって、様々な発光元素が用いられる。例えば、露光用の光源としては、発光元素として水銀とキセノンガスやアルゴンガスの混合したものが用いられる。また、例えば、映写機用の光源としては、発光元素としてキセノンガスが用いられる。
プラズマ容器1は、レーザ発振部2からのレーザ光Bが入射されると共に、発光元素からの励起光ELを出射することから、レーザ発振部2からのレーザ光Bを透過し、且つ、発光元素の励起光ELを透過する部材で構成される。具体的には、レーザ発振部2からのレーザ光の波長が1064nmであって、発光元素が水銀でその励起光のうち波長365nmを利用する場合においては、プラズマ容器1は、1064nmの波長を透過し、且つ、365nmの波長を透過する、例えば石英ガラスで構成される。
集光手段4は、レーザ発振部2とプラズマ容器1との間であって、レーザ発振部2からのレーザ光Bの光路上に配置される。この集光手段4は、例えば集光レンズや回折光学素子(DOE:Diffractive Optical Element)などの集光機能を有するものであって、その焦点はプラズマ容器1の内部に位置する。なお、図1における集光手段4は、レーザ光Bを透過する集光レンズを図示したが、集光機能があれば良く、レーザ光Bを反射することで集光する集光楕円ミラーや集光放物面ミラー等であってもかまわない。
また、集光手段4がプラズマ容器1の近傍に配置される場合、プラズマ容器1からの励起光ELが照射されることがあり、集光手段4が励起光を透過できない部材のとき、その励起光を吸収して発熱し、破損することが有る。このため、集光手段4は、プラズマ容器1からの励起光も透過する部材、即ちプラズマ容器1と同一の部材又は、励起光を反射する部材で構成することが好ましい。
また、集光手段4がプラズマ容器1の近傍に配置される場合、プラズマ容器1からの励起光ELが照射されることがあり、集光手段4が励起光を透過できない部材のとき、その励起光を吸収して発熱し、破損することが有る。このため、集光手段4は、プラズマ容器1からの励起光も透過する部材、即ちプラズマ容器1と同一の部材又は、励起光を反射する部材で構成することが好ましい。
なお、図1において、点線で示すように、プラズマ容器1の外方に該プラズマ容器1からの励起光ELを受光する光センサー32が設けられているが、これについては後述する。
次に、図2を用いて、本発明の第1の実施例に係るレーザ駆動光源装置に具備されるレーザ発振部について説明する。
図2は、レーザ発振部2の構成を示す模式図である。
レーザ発振部2は、共振器24と、該共振器24内に配置されたレーザ媒質23と、該レーザ媒質23に光を供給するポンピング器21とを備えている。
このポンピング器21には、給電装置31が接続され、この給電装置31には、制御部30が接続される。
共振器24は、一対の反射鏡24a,24bからなり、一方の出射側の第1の反射鏡24aが部分反射鏡で構成され、他方の第2の反射鏡24bが全反射鏡で構成される。
そして、この共振器24内での光路上には、1つのレーザ媒質23が配置される。
このレーザ媒質23を構成する部材としては、固体レーザに用いられるレーザ媒質であって、例えばNd:YAG結晶、Yb:YAG結晶、Nd:ガラスなどが挙げられる。
図2は、レーザ発振部2の構成を示す模式図である。
レーザ発振部2は、共振器24と、該共振器24内に配置されたレーザ媒質23と、該レーザ媒質23に光を供給するポンピング器21とを備えている。
このポンピング器21には、給電装置31が接続され、この給電装置31には、制御部30が接続される。
共振器24は、一対の反射鏡24a,24bからなり、一方の出射側の第1の反射鏡24aが部分反射鏡で構成され、他方の第2の反射鏡24bが全反射鏡で構成される。
そして、この共振器24内での光路上には、1つのレーザ媒質23が配置される。
このレーザ媒質23を構成する部材としては、固体レーザに用いられるレーザ媒質であって、例えばNd:YAG結晶、Yb:YAG結晶、Nd:ガラスなどが挙げられる。
レーザ媒質23の外方には、当該レーザ媒質23に光を供給するように、ポンピング器21が配置される。
このポンピング器21としては、レーザ媒質23を励起させる光を供給するものが用いられ、例えばランプや、複数のレーザダイオード(LD)などが用いられる。このポンピング器21には、給電装置31が接続され、この給電装置31は制御部30によって制御される。
そして、前記レーザ媒質23と、前記共振器24の出射側の第1の反射鏡24aとの間には、Qスイッチ25が配置されていて、その開閉動作は制御部30によって制御される。
このポンピング器21としては、レーザ媒質23を励起させる光を供給するものが用いられ、例えばランプや、複数のレーザダイオード(LD)などが用いられる。このポンピング器21には、給電装置31が接続され、この給電装置31は制御部30によって制御される。
そして、前記レーザ媒質23と、前記共振器24の出射側の第1の反射鏡24aとの間には、Qスイッチ25が配置されていて、その開閉動作は制御部30によって制御される。
図3に、本発明のレーザ駆動光源装置に具備されるレーザ発振部2の始動後の一動作例のタイミングチャートが示されている。
図3(A)に示すように、制御部30は、給電装置31を制御して、ポンピング器21へ、連続的な電流の供給を行なう。これにより、図3(B)に示すように、ポンピング器21は、レーザ媒質23に連続的な光を供給する。
一方、制御部30は、図3(C)に示すように、給電装置31から所定の電流値によるポンピング器21への連続的な電流供給が開始されて、該ポンピング器21からレーザ媒質23に連続的な光の供給がなされてから所定時間経過後に、Qスイッチ25を作動して、全閉状態から、一部が閉じられた状態になるように制御する。
つまり、Qスイッチ25は、全閉状態から開かれるが、全開とされることなく、一部が閉じられた状態にまで開かれる。
図3(A)に示すように、制御部30は、給電装置31を制御して、ポンピング器21へ、連続的な電流の供給を行なう。これにより、図3(B)に示すように、ポンピング器21は、レーザ媒質23に連続的な光を供給する。
一方、制御部30は、図3(C)に示すように、給電装置31から所定の電流値によるポンピング器21への連続的な電流供給が開始されて、該ポンピング器21からレーザ媒質23に連続的な光の供給がなされてから所定時間経過後に、Qスイッチ25を作動して、全閉状態から、一部が閉じられた状態になるように制御する。
つまり、Qスイッチ25は、全閉状態から開かれるが、全開とされることなく、一部が閉じられた状態にまで開かれる。
図3(D)に示すように、Qスイッチ25が開かれることにより、レーザ媒質23中に貯められた光子が誘導放出によって取り出される。このとき、取り出される光子の量は、Qスイッチ25を完全に閉めた状態と一部閉じた状態との開閉度に比例する。
従って、誘導放出によって、レーザ媒質23中の光子が取り出され、パルス状のレーザ光が発せられることにより、レーザ媒質23の励起状態の強度は、一時的に低下するが、Qスイッチ25は一部が閉じた状態(「半閉状態」)であって、ポンピング器21からの連続光は供給され続けられていることから、レーザ媒質23中の励起状態の強度が途切れない状態にあるので、レーザ媒質23中の励起状態は、断ち切れることがない。
従って、誘導放出によって、レーザ媒質23中の光子が取り出され、パルス状のレーザ光が発せられることにより、レーザ媒質23の励起状態の強度は、一時的に低下するが、Qスイッチ25は一部が閉じた状態(「半閉状態」)であって、ポンピング器21からの連続光は供給され続けられていることから、レーザ媒質23中の励起状態の強度が途切れない状態にあるので、レーザ媒質23中の励起状態は、断ち切れることがない。
これにより、図3(E)に示すように、レーザ発振部2からは、パルス状のレーザ光に引き続いて途切れることなく連続レーザ光が発振される。
このようなパルスレーザ光とこれに続く連続レーザ光の照射により、プラズマ容器1内では、図3(F)に示すように、パルスレーザ光によりプラズマが生成され、これに続く連続レーザ光によってその点火状態が維持されて点灯する。この点灯状態の維持は、1回のパルスレーザ光と連続レーザ光の供給によってなされることもあるが、通常は、この様なパルスレーザ光と連続レーザ光の供給を複数回繰り返すことにより、プラズマが安定的に維持されて点灯状態が維持される。図3(F)は、2回の動作によって点灯維持された例が示されている。
このようなパルスレーザ光とこれに続く連続レーザ光の照射により、プラズマ容器1内では、図3(F)に示すように、パルスレーザ光によりプラズマが生成され、これに続く連続レーザ光によってその点火状態が維持されて点灯する。この点灯状態の維持は、1回のパルスレーザ光と連続レーザ光の供給によってなされることもあるが、通常は、この様なパルスレーザ光と連続レーザ光の供給を複数回繰り返すことにより、プラズマが安定的に維持されて点灯状態が維持される。図3(F)は、2回の動作によって点灯維持された例が示されている。
なお、上記の実施例においては、レーザ発振部2は固体レーザを示したが、これに限られず、公知のファイバレーザであってもよい。
再び図1を参照して、前記レーザ発振部2におけるQスイッチ25の作動を制御するために、プラズマ容器1のプラズマ状態を検知して、これに基づいて制御する場合について説明する。
図1において、プラズマ容器1の近傍外方に光センサー32を配置し、Qスイッチ25によるパルスレーザ光と連続レーザ光の供給によりプラズマ容器1内に発生するプラズマに基づく、プラズマ容器1からの励起光ELを検知して点灯状態を確認するものである。
プラズマ容器1の点灯維持が確認されたときに、Qスイッチ25の開閉動作を停止して、該Qスイッチ25を一部が閉じられた状態に維持し、ポンピング器21からの連続光を供給し続けることにより、レーザ発振部2からのパルス状のレーザ光の照射を停止し、連続レーザ光を発振し続けて、プラズマ容器1内でのプラズマを維持して安定的な点灯を維持するものである。
図1において、プラズマ容器1の近傍外方に光センサー32を配置し、Qスイッチ25によるパルスレーザ光と連続レーザ光の供給によりプラズマ容器1内に発生するプラズマに基づく、プラズマ容器1からの励起光ELを検知して点灯状態を確認するものである。
プラズマ容器1の点灯維持が確認されたときに、Qスイッチ25の開閉動作を停止して、該Qスイッチ25を一部が閉じられた状態に維持し、ポンピング器21からの連続光を供給し続けることにより、レーザ発振部2からのパルス状のレーザ光の照射を停止し、連続レーザ光を発振し続けて、プラズマ容器1内でのプラズマを維持して安定的な点灯を維持するものである。
ところで、以上の実施例においては、プラズマ容器1は、管球形状を持ったものが示されている。しかしながら、プラズマ容器1の形状はこれ以外に種々の形態を採用でき、図4以下には管球形状以外の構造を持つプラズマ容器1の実施例が示されている。
図4の第2の実施例においては、プラズマ容器1は、円柱形状の本体11を有しており、その内面に凹面反射面12が形成されている。この凹面反射面12は、楕円形状、放物面形状等適宜に選択される。
本体11には後方開口11aと前方開口11bが形成されていて、この後方開口11aに対応して入射窓13が設けられ、また、前方開口11bに対応して出射窓14が設けられている。
そして、本体11の後方開口11aに対応した入射窓13は、金属製の窓枠部材15に装着されていて、この窓枠部材15が、金属筒体16によって本体11に取り付けられている。これら本体11と、入射窓13と、出射窓14とによって密閉空間が形成されていてプラズマ容器1を形成し、この密閉空間内に発光元素が封入されている。
図4の第2の実施例においては、プラズマ容器1は、円柱形状の本体11を有しており、その内面に凹面反射面12が形成されている。この凹面反射面12は、楕円形状、放物面形状等適宜に選択される。
本体11には後方開口11aと前方開口11bが形成されていて、この後方開口11aに対応して入射窓13が設けられ、また、前方開口11bに対応して出射窓14が設けられている。
そして、本体11の後方開口11aに対応した入射窓13は、金属製の窓枠部材15に装着されていて、この窓枠部材15が、金属筒体16によって本体11に取り付けられている。これら本体11と、入射窓13と、出射窓14とによって密閉空間が形成されていてプラズマ容器1を形成し、この密閉空間内に発光元素が封入されている。
レーザ発振部2からのレーザ光Bは、集光手段4によって集光されつつ、プラズマ容器1の背面側の入射窓13から入射して、凹面反射面12の焦点位置Fに集光する。これにより当該焦点位置Fを中心としてプラズマが生成され、発光元素が励起されて生じる励起光ELは、凹面反射面12により反射されて、前面側の出射窓14から外部に出射されていくものである。
上記の図4の第2の実施例は、プラズマ容器1を構成する本体11の凹面反射面12の背面側からレーザ光が入射する構造を持ったものであるが、図5には、前面側からレーザ光が入射する構造を有するものが示されている。
図5の第3の実施例では、プラズマ容器1が、凹面反射面12を有する本体11と、その前面開口に設けられた前面窓18とからなり、その内部が密閉空間とされている。このプラズマ容器1は、その前面窓18をレーザ発振部2側に向けて配置されていて、前面窓18は、レーザ光入射窓であるとともに励起光出射窓でもある。
そして、レーザ発振部2とプラズマ容器1の間には、更に具体的には、集光手段4とプラズマ容器1の間には、ダイクロイックミラー33が配置されている。このダイクロイックミラー33は、レーザ光Bを透過し、プラズマ容器1からの励起光ELは反射するものである。
図5の第3の実施例では、プラズマ容器1が、凹面反射面12を有する本体11と、その前面開口に設けられた前面窓18とからなり、その内部が密閉空間とされている。このプラズマ容器1は、その前面窓18をレーザ発振部2側に向けて配置されていて、前面窓18は、レーザ光入射窓であるとともに励起光出射窓でもある。
そして、レーザ発振部2とプラズマ容器1の間には、更に具体的には、集光手段4とプラズマ容器1の間には、ダイクロイックミラー33が配置されている。このダイクロイックミラー33は、レーザ光Bを透過し、プラズマ容器1からの励起光ELは反射するものである。
上記構成において、レーザ発振部2からのレーザ光Bはダイクロイックミラー33を透過してプラズマ容器1の前面窓18を介してプラズマ容器1内に入射し、凹面反射面12の焦点位置に集光する。これにより、焦点位置にプラズマが生成され、それにより発生する励起光ELは、凹面反射面12で反射されて前面窓18を介して出射される。凹面反射面12が放物面形状であるとき、出射光は平行光となる。
この出射された励起光ELは、ダイクロイックミラー33によって反射されて光路を変更し外部に出射するものである。
この出射された励起光ELは、ダイクロイックミラー33によって反射されて光路を変更し外部に出射するものである。
勿論、図4の第2の実施例および図5の第3の実施例においても、レーザ発振部25内にQスイッチ25が設けられていることは、図1,2の実施例と同様である。
以上のように、本発明のレーザ駆動光源装置では、レーザ発振部におけるレーザ媒質と共振器の出射側の反射鏡との間にQスイッチを配置したので、レーザ媒質に連続光を供給した後に、前記Qスイッチを全閉状態から一部が閉じられた状態に開放することにより、パルス状のレーザ光を出射するとともに、当該パルスレーザ光に続いて連続レーザ光を途切れることなく出射することができるので、プラズマ容器でパルスレーザ光によって生成された高温プラズマが、連続レーザ光によって維持されて、安定的な点灯が維持できるものである。
そして、このようなパルスレーザ光と連続レーザ光を、Qスイッチを用いることで、単一のレーザ発振部によって発生できるので、全体の装置構造が大型化せず簡略化できる。
そして、このようなパルスレーザ光と連続レーザ光を、Qスイッチを用いることで、単一のレーザ発振部によって発生できるので、全体の装置構造が大型化せず簡略化できる。
1 プラズマ容器
11 本体
12 凹面反射面
13 入射窓
14 出射窓
18 前面窓
2 レーザ発振部
21 ポンピング器
23 レーザ媒質
24 共振器
24a 第1の反射鏡(部分反射鏡)
24b 第2の反射鏡(全反射鏡)
25 Qスイッチ
30 制御部
31 給電装置
32 光センサー
33 ダイクロイックミラー
4 集光手段(集光レンズ)
B レーザ光
EL 励起光
11 本体
12 凹面反射面
13 入射窓
14 出射窓
18 前面窓
2 レーザ発振部
21 ポンピング器
23 レーザ媒質
24 共振器
24a 第1の反射鏡(部分反射鏡)
24b 第2の反射鏡(全反射鏡)
25 Qスイッチ
30 制御部
31 給電装置
32 光センサー
33 ダイクロイックミラー
4 集光手段(集光レンズ)
B レーザ光
EL 励起光
Claims (2)
- レーザ発振部と、該レーザ発振部からのレーザ光が入射されてプラズマを生成して光を出射するプラズマ容器と、を備えたレーザ駆動光源装置において、
前記レーザ発振部は、一対の反射鏡からなる共振器内に配置されたレーザ媒質と、該レーザ媒質に連続光を供給するように配置されたポンピング器とを備え、前記レーザ媒質と前記共振器の出射側の反射鏡との間にはQスイッチが配置されてなり、
前記ポンピング器に給電する給電装置を備えるとともに、
前記給電装置と前記Qスイッチに接続された制御部を備え、
該制御部は、前記給電装置による前記ポンピング器への給電を開始し、前記ポンピング器から前記レーザ媒質に連続光を供給した後に、前記Qスイッチを閉じた状態から一部閉じた状態となるように制御することを特徴とするレーザ駆動光源装置。 - 前記プラズマ容器の外方に、該プラズマ容器内からの励起光を受光する光センサーを配置し、前記プラズマ容器内のプラズマの維持を検知して、前記Qスイッチを一部閉じた状態に維持することを特徴とする請求項1に記載のレーザ駆動光源装置。
Priority Applications (1)
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- 2016-06-28 JP JP2016127376A patent/JP2018006394A/ja active Pending
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