JP5322217B2 - 光源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体や液晶基板、更には、カラーフィルタ等の製造工程で利用される露光装置用の光源装置に関わり、特に、紫外線波長域の光を放射する光源に対してエネルギービームを供給する手段を備えた光源装置に関する。
近年、半導体や液晶基板、更には、カラーフィルタ等の製造工程においては、入力電力の大きな紫外線光源を使うことにより、処理時間の短縮化や、大面積の被処理物への一括露光等が進められている。これに伴い、紫外線光源である高圧放電ランプには、より高輝度の光を放射することが求められている。しかし、高圧放電ランプへの入力電力を単純に大きくすれば、放電容器内部に配置された電極への負荷が増大し、電極からの蒸発物が原因となって、高圧放電ランプ内が黒化し、短寿命化の原因となる。
このような問題を解決するために、種々の提案がなされており、例えば、特許文献に1には、希ガスや水銀が封入された放電容器を配置し、該放電容器の内部空間に配置された種火生成用の一対の電極間の中心に対して連続状又はパルス状のレーザービームを照射するためのレーザー源を備えた光源が開示されている。この特許文献1に開示されている光源によれば、レーザービームによってプラズマが高温状態になるよう加熱され、この高温状態になったプラズマから高輝度の紫外光を放射させることができる。
上記の光源は、チャンバー内に照射されたレーザービームによって、チャンバー内に対向して配置された一対の電極間に生じる高温プラズマ(Discharge Produced Plasma、以下DPPともいう)とは独立に、高温プラズマ(Laser Produced plasma、以下LPPともいう)が生成される。しかしながら、この高温プラズマ(LPP)は、レーザービームの光軸に沿って振動して、高温プラズマ(LPP)がレーザービームの光軸方向に沿って位置変動するという問題があった。特に、放電容器内に水銀及びキセノンガスが封入されている場合は、高温プラズマ(LPP)の位置変動が顕著であった。そのため、光源から放出される光にチラツキが生じるという不具合があった。なお、上記特許文献1には、放電容器内のどこにレーザービームを入射するかについては明らかにされていない。
米国特許2007/0228300号公報
本発明の目的は、上記の問題点に鑑み、高温プラズマ(LPP)が光軸方向に沿って継続的に振動していても光源のチラツキを防止することのできる光源装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような手段を採用した。
第1の手段は、一対の電極が対向して配置されると共に、放電媒体が封入された放電ランプと、前記一対の電極間に向けてエネルギービームを照射するエネルギービーム照射手段とを備えた光源装置であって、前記エネルギービーム照射手段は、前記電極に給電して前記放電ランプ点灯している状態のときに前記電極の先端付近に形成される輝点に向けて、前記放電ランプの管軸に対し直交する方向からエネルギービームを照射することを特徴とする光源装置である。
第2の手段は、第1の手段において、前記エネルギービーム照射手段の位置を調整する位置調整手段を備え、該位置調整手段は、前記放電ランプを点灯させたとき、前記エネルギービーム照射手段から照射されるエネルギービームを前記電極の先端付近に形成される輝点に向けて照射するように調整することを特徴とする光源装置である。
本発明によれば、入射される高温プラズマ(LPP)等のエネルギービームが継続的に振動していても光源のチラツキを防止することができる。また、放電ランプの電極間に形成される高温プラズマ(DPP)の輝点と高温プラズマ(LPP)等のエネルギービームとを重複させることにより、極めて高輝度のプラズマを得ることができる。
本発明の第1の実施形態を図1ないし図4を用いて説明する。
図1は、本実施形態の発明に係る光源装置の概略構成を示す斜視図、図2は、図1に示した光源装置の直流点灯方式で点灯する場合の放電ランプの構成を示す正面断面図である。
図1に示すように、本実施形態の発明に係る光源装置は、放電ランプ1と、放電ランプ1を取り囲むように配置された集光反射鏡2と、レーザービーム等のエネルギービームを照射するエネルギービーム照射手段3と、エネルギービーム照射手段3を可動してエネルギービームの照射位置を調整するためのエネルギービーム位置調整手段4とを備えている。
放電ランプ1は、図2に示すように、例えば、発光媒体として水銀が封入されたショートアーク型の高圧水銀ランプである。同図に示すように、直流点灯方式では、放電ランプ1が、略球状の発光部11とその両端に続く封止部12からなる発光管13で構成され、発光部11内に陽極14及び陰極15が対向配置されており、陽極14と陰極15との間に直流電圧を印加することによって点灯駆動するものである。発光管13は、石英ガラス等の紫外線を透過する材料で構成され、発光部11内には、水銀、キセノンガス等の放電媒体が封入されている。陽極14は、円錐台形状を有する先端部141とこれに続く円柱状の胴部142とで構成され、胴部142の根元部分が封止部12で保持されている。陰極15は、先端部に形成される鋭利な尖頭部151とこれに続く円柱状の胴部152とで構成され、胴部152の根本部分が封止部12で保持されている。陽極14及び陰極15は、例えば、タングステン等の高融点材料で構成される。
図1において、集光反射鏡2は、全体として椀型形状を有する、例えば、回転楕円面反射鏡、放物反射面鏡であり、その第1焦点が放電ランプ1の電極間中心に一致するとともに放電ランプ1の周囲を取り囲むようにして配置される。集光反射鏡2は、HfO(酸化ハフニウム)とSiO(酸化シリコン)を交互に積層してなる多層膜や、Ta(酸化タンタル)とSiO(酸化シリコン)を交互に積層してなる多層膜等からなる光反射面21で形成されており、放電ランプ1から出射した紫外光を光反射面21で反射して光出射開口22から出射する。また、集光反射鏡2の側面には、エネルギービーム照射手段3から放射されたレーザービーム8を集光反射鏡2内に入射させるための開口23、及び放電寄与後のレーザービームを透過するための開口24が形成されている。
エネルギービーム照射手段3は、放電ランプ1の一対の電極間14、15に向けて、例えば、レーザービームを照射するためのレーザー発振器31を備え、レーザー発振器31から放射されたレーザービーム8は、レーザー発振器31の前方側に配置された光学系5によってビーム径が最適な大きさとなるように調整され、集光反射鏡2の側面に設けられた開口23を通って放電ランプ1の一対の電極14、15間に照射される。エネルギービーム照射手段3から出射する、連続波レーザーとしては、半導体レーザーやファイバーレーザー、パルスレーザーとしては、YAGレーザーやCOレーザー等を例示することができる。レーザービーム8は、例えば、波長が1065nmであり、連続発振出力が500Wのファイバーレーザーである。
図2に示すように、電極14,15間に直流電圧を印加して放電ランプ1を点灯駆動すると、一対の電極14、15間に放電が発生することにより高温プラズマ(DPP)6が形成され、輝点61が陰極15の尖頭部151の先端付近に形成される。エネルギービーム位置調整手段4は、レーザー発振器31をX軸、Y軸、及びZ軸方向の3次元方向に可動させ、レーザービーム8の光軸9が放電ランプ1の管軸10に対して直交すると共にレーザービーム8が陰極15の尖頭部151の先端付近の輝点61に集光する状態となるように、レーザー発振器31を位置決めする。なお、ここで輝点とは、極間中心を通りランプ管軸に直交する直線より陰極側の領域を指し、大凡陰極の先端付近に形成される領域である。
本発明の光源装置は、図2に示すように、レーザービーム8の光軸9が放電ランプ1の管軸10に対して直交するように放電ランプ1の輝点61に対して照射することによって、次のような効果が期待できる。
まず、放電ランプ1における一対の電極14、15間には、放電ランプ1の管軸10に沿って伸びる高温プラズマ(DPP)6が形成される。また、レーザービーム8を放電ランプ1の発光部11内に入射させることによって、レーザービーム8の光軸方向に沿って高温プラズマ(LPP)7が形成される。放電ランプ1の管軸10とレーザービーム8の光軸9とが直交していることから、高温プラズマ(DPP)6と高温プラズマ(LPP)7とは互いに直交するように形成される。かくして、放電ランプ1の輝点61は高温プラズマ(DPP)6のうちで輝度が最も高い箇所であり、輝点61にレーザービーム8が照射されるように高温プラズマ(LPP)7を形成して、高温プラズマ(DPP)6の輝点61と高温プラズマ(LPP)7とを重複させることにより、極めて高輝度のプラズマを得ることができる。つまり、集光反射鏡2で集光される光を利用する光源装置においては、光の取り込み領域が局所的となり、この光取り込み領域の光強度を向上させることができる。
ここで、高温プラズマ(LPP)7がレーザービーム8の光軸方向に沿って継続的に振動したとしても、光源のチラツキを可及的に小さくすることができる。なぜなら、放電ランプ1の輝点61において高温プラズマ(DPP)6と高温プラズマ(LPP)7とを重複させて形成した混合プラズマは、高温プラズマ(DPP)6の輝点61における輝度が極めて高く、混合プラズマ全体として見れば混合プラズマの輝度に占める高温プラズマ(LPP)7の輝度の割合が低いために、高温プラズマ(LPP)7の振動による光源のチラツキが殆ど問題にならないからである。
図3は、図2に示した放電ランプ1の比較例としての放電ランプ1の正面断面図である。同図に示すように、この放電ランプ1は、一対の電極14、15の極間中心、言い換えると、一対の電極14、15間に形成される高温プラズマ(DPP)6の中心にレーザービーム8が照射されており、このような場合は、放電ランプ1から放出される光のチラツキを抑制することができない。つまり、高温プラズマ(DPP)6のうち輝度の低い箇所にレーザービーム8が照射されて高温プラズマ(LPP)7が形成されているため、混合プラズマ全体として見れば、混合プラズマの輝度に占める高温プラズマ(LPP)7の輝度の割合が、図2に示した放電ランプ1のものより高い。したがって、高温プラズマ(DPP)6と高温プラズマ(LPP)7との混合プラズマに対する高温プラズマ(LPP)7の振動による影響が大きくなり、光源のチラツキが大きくなるものと考えられる。
図4は、図1に示した光源装置の交流点灯方式で点灯する場合の放電ランプ1の構成を示す正面断面図である。
同図に示すように、交流点灯方式は、放電ランプ1が、略球状の発光部11とその両端に続く封止部12からなる発光管13で構成され、発光部11内に電極16及び電極17が対向配置されており、電極16と電極17との間に交流電圧を印加することによって点灯駆動するものである。発光管13は、石英ガラス等の紫外線を透過する材料で構成され、発光部11内には、水銀、キセノンガス等の放電媒体が封入されている。電極16、17は、先端部に形成される鋭利な尖頭部161、171とこれに続く円柱状の胴部162、172とで構成され、胴部162、172の根本部分が封止部12で保持されている。電極16、17は、例えば、タングステン等の高融点材料で構成される。
同図に示すように、交流点灯する場合、発光部11内に形成される高温プラズマ(DPP)6の輝点62,63が、印加電圧の極性が変わる毎に各々の電極16、17の先端付近に形成される。エネルギービーム照射手段3から照射されたレーザービーム8は、一対の電極16、17のうち何れか一方の電極16(17)の先端付近に形成される輝点62(63)に向けて照射される。こうすることにより、直流点灯方式の場合と同様の理由で高温プラズマ(LPP)7が振動して継続的に位置変動しても、光源のチラツキを防止することができる。なお、ここで輝点とは、極間中心を通りランプ管軸に直交する直線より各電極側の領域である、つまり、各電極の先端付近に形成される領域である。
本発明の第2の実施形態を図5ないし図7を用いて説明する。
図5は、本実施形態の発明に係る光源装置の概略構成を示す斜視図であり、図6は、図5に示した光源装置の直流点灯方式で点灯する場合の放電ランプの構成を示す正面断面図図7は、図5に示した光源装置の交流点灯方式で点灯する場合の放電ランプの構成を示す正面断面図である。
図5において、本実施形態の発明に係る光源装置は、図1に示した同符号の構成に対応するので、詳細な説明は省略する。なお、図5において、θ1はX軸の回りの回転角、θ2はY軸の回りの回転角、θ3はZ軸の回りの回転角を示している。
図6に示すように、陽極14と陰極15間に直流電圧を印加して放電ランプ1を点灯駆動すると、電極14,15間に放電が発生することにより高温プラズマ(DPP)6が形成されて、輝点61が陰極15の尖頭部151の先端付近に形成される。図5に示すように、エネルギービーム位置調整手段4は、X軸、Y軸、及びZ軸方向の3次元方向、並びにX軸の回りにθ1、Y軸の回りにθ2、及びZ軸の回りにθ3の回転方向にレーザー発振器31から放射されるレーザービーム8の位置を調整する。これによって、エネルギービーム位置調整手段4は、レーザービーム8の光軸9が放電ランプ1の管軸10に対して斜交するように入射されると共にレーザービーム8が陰極15の尖頭部151の先端付近の輝点61に集光する状態となるように、レーザー発振器31を位置決めする。
本発明の光源装置は、図6に示すように、レーザービーム8の光軸9が放電ランプ1の管軸10に対して斜交するようにレーザービーム8を放電ランプ1の輝点61に対して照射することによって、次のような効果が期待できる。
放電ランプ1における一対の電極14、15間には、放電ランプ1の管軸10に沿って伸びる高温プラズマ(DPP)が形成され、また、レーザービーム8を放電ランプ1の発光部11内に入射させることによって、レーザービーム8の光軸方向に沿って高温プラズマ(LPP)が形成される。放電ランプ1の管軸10とレーザービーム8の光軸9とが斜交していることから、高温プラズマ(DPP)6に対して高温プラズマ(LPP)7が斜め方向に形成される。かくして、放電ランプ1の輝点61は高温プラズマ(DPP)6のうちで輝度が最も高い箇所であるため、輝点61にレーザービーム8を照射して高温プラズマ(LPP)7を形成することによって、高温プラズマ(DPP)6の輝点61と高温プラズマ(LPP)7とを重複させることにより、極めて高輝度のプラズマを得ることができる。
ここで、高温プラズマ(LPP)7がレーザービーム8の光軸方向に沿って継続的に振動したとしても、光源のチラツキを可及的に小さくすることができる。なぜなら、放電ランプ1の高温プラズマ(DPP)6の輝点61と高温プラズマ(DPP)7とを重複させて形成した混合プラズマは、高温プラズマ(DPP)6の輝点61における輝度が極めて高く、混合プラズマ全体として見れば混合プラズマの輝度に占める高温プラズマ(LPP)7の輝度の割合が低くなるため、高温プラズマ(LPP)7の振動による光源のチラツキが殆ど問題にならなくすることができる。
また、図7に示すように、交流点灯する場合、発光部11内に形成される高温プラズマ(DPP)6の輝点62,63が、印加電圧の極性が変わる毎に各々の電極16、17の先端付近に形成される。エネルギービーム照射手段3から照射されたレーザービームは、一対の電極16、17のうち何れか一方の電極16(17)の先端付近に形成される輝点62(63)に向けて斜め方向から照射される。こうすることにより、直流点灯方式の場合と同様の理由により高温プラズマ(LPP)7が振動して継続的に位置変動しても、光源のチラツキを防止することができる。
第1の実施形態の発明に係る光源装置の概略構成を示す斜視図である。 図1に示した光源装置の直流点灯方式で点灯する場合の放電ランプの構成を示す正面断面図である。 図2に示した放電ランプ1の比較例としての放電ランプ1の正面断面図である。 図1に示した光源装置の交流点灯方式で点灯する場合の放電ランプ1の構成を示す正面断面図である。 第2の実施形態の発明に係る光源装置の概略構成を示す斜視図である。 図5に示した光源装置の直流点灯方式で点灯する場合の放電ランプの構成を示す正面断面図である。 図5に示した光源装置の交流点灯方式で点灯する場合の放電ランプの構成を示す正面断面図である。
符号の説明
1 放電ランプ
11 発光部
12 封止部
13 発光管
14 陽極
141 先端部
142 胴部
15 陰極
151 尖頭部
152 胴部
16、17 電極
161、171 尖頭部
162、172 胴部
2 集光反射鏡
21 光反射面
22 光出射開口
23 開口
24 開口
3 エネルギービーム照射手段
31 レーザー発振器
4 エネルギービーム位置調整手段
5 光学系
6 高温プラズマ(DPP)
61 輝点
62、63 輝点
7 高温プラズマ(LPP)
8 レーザービーム
9 光軸
10 管軸

Claims (2)

  1. 一対の電極が対向して配置されると共に、放電媒体が封入された放電ランプと、前記一対の電極間に向けてエネルギービームを照射するエネルギービーム照射手段とを備えた光源装置であって、
    前記エネルギービーム照射手段は、前記電極に給電して前記放電ランプ点灯している状態のときに前記電極の先端付近に形成される輝点に向けて、前記放電ランプの管軸に対し直交する方向からエネルギービームを照射することを特徴とする光源装置。
  2. 前記エネルギービーム照射手段の位置を調整する位置調整手段を備え、該位置調整手段は、前記放電ランプを点灯させたとき、前記エネルギービーム照射手段から照射されるエネルギービームを前記電極の先端付近に形成される輝点に向けて照射するように調整することを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
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