JP2018003049A - 占積率に優れる電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】板厚0.27mm以下の電磁鋼板おいて、Si、Al、Mn、P添加量を十分に高め、鋼板の板面と平行な面における{100}面の集積度を2.0倍超にしても高い占積率と高い真円度を確保する。【解決手段】質量%で、2.0≦Si≦4.0%、0.1≦Mn≦2.0%、0.1≦Al≦2.0%、0.03≦P≦0.2%、S≦0.0035%、0.01≦Cr≦1.4%、0.001≦Ni≦0.5%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物である電磁鋼板において、鋼板の板面と平行な面における{100}<uvw>方位の集積度が、結晶方位がランダムである粉末試料中{100}<uvw>の集積度の2.0倍超かつ、板厚が0.27mm以下で、表面平均粗さRaが0.35μm以下で、かつ十点平均粗さRzが0.50μm以下であることを特徴とする占積率に優れる絶縁被膜付き電磁鋼板。【選択図】図1

Description

本発明は、占積率に優れる電磁鋼板およびその製造方法に関する。
近年の地球環境問題の高まりから、ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車に搭載される駆動モーターや二輪車、および家庭用コージェネレーションシステムに搭載される小型発電機やトランスなどの電気機器においては小型、高出力、高エネルギー効率が要求され、これらの電気機器に使用される鉄心材料である電磁鋼板には低鉄損と高磁束密度の高位両立が強く求められている。
従来、鉄損低減手段としては、SiやAl、Mnの含有量を増加させて電気抵抗を増大させて渦電流損失を低下させる手段や、磁気特性を低下させる不純物元素の低減、板厚の薄手化による渦電流損を低下させる手段が採用されてきた。鉄損低減手段の中でも、高周波域での鉄損を最も効果的に低減する手段は板厚の薄手化であり、ハイブリッド自動車や電気自動車の駆動モーターに代表される低鉄損への要求の強い用途には、板厚が0.30mm以下の薄手の電磁鋼板が使用されている。
また、高磁束密度化手段としては再結晶集合組織制御が採用されてきた。磁束密度を向上させるための再結晶集合組織制御の基本は、板面内に磁化容易軸を含まない{111}方位を減じ、板面内に磁化容易軸を含む{110}方位や{100}方位を増加させることである。板面内に二方向の磁化容易軸を有する{100}<001>方位(Cube方位)や磁化容易軸が板面内で一方向に揃った{110}<001>方位(Goss方位)の集積度増加については、電磁鋼板の分野においても盛んに検討がなされている。
たとえば、特許文献1には、Cr:1.5質量%以上、20質量%以下、Si:2.5質量%以上、10質量%以下、P:0.12質量%以下含有された鋼であり、{100}<001>方位の集積度がランダム組織の2.0倍以下である板厚0.30mm以下の高周波磁気特性に優れる旨の無方向性電磁鋼板が開示されている。
一方、特許文献2には、Si:2.8〜4.0質量%およびAl:0.3〜2.0質量%を含有する鋼に、200〜500℃の温度範囲で温間圧延を施し、{100}方位を発達させる方法について記載されており、特許文献3において磁束密度の改善が不足しており、加工性およびリサイクル性の点でも問題を残していた旨記載されている。そこで、特許文献3においては、0.03質量%≦P≦0.2質量%かつ0.002質量%≦Mo≦0.03質量%を含有し、N雰囲気中で1000℃×30sの焼鈍を施した後、7%HCl溶液に80℃で60s浸漬した後の酸洗減量が40g/m以上、100g/m以下である熱延鋼板とすることで、鉄損や磁束密度等の磁気特性に優れ、リサイクル性や鋼板の表面外観に優れる無方向性電磁鋼板とする旨記載されている。
ところで、実際にモーターを組み立てる場合には、鉄心材料である電磁鋼板を積層したものをモーター等の鉄心とする。この電磁鋼板を積層した断面において、積層した断面に占める電磁鋼板の割合である占積率が高くなければならない。占積率を高くするということは、積層した際に、電磁鋼板同士に隙間となる空間があってはならないことを意味する。占積率が低いと、空間を占める磁気材料である電磁鋼板の実質的な割合が低下するので、モータートルクが低下する。特に、電磁鋼板の厚さが0.3mm以下と薄い場合は、同じ厚さとするにも積層数を多くしなければならず、電磁鋼板同士の密着面の数が増加するため、占積率の低下がより起こりやすい。そして、この結果としてモーター特性が劣化する。
特許文献4には、板厚0.42mm以下、特に0.30mm以下、占積率96%以上かつ1点当たり自動かしめ強度10MPa以上である高周波励磁特性に優れた無方向性電磁鋼板とその製造方法が開示されている。この特許文献4では、C:0.01%以下、Si:3.5%以下、Mn:0.2〜1.5%、S:0.035以下%、sol.Al:0.0005〜2.5%、P:0.005〜0.15%、N:0.005%以下、ただし、1.5<[Si]+[Al]+0.5[Mn]≦5.5残部Feおよび不可避不純物より成る鋼を1250℃以下の温度に加熱して熱間圧延を行い、ワークロールの表面粗さが0.8μmで冷延して得られた冷延材に700〜1050℃の温度で仕上げ焼鈍を行う旨記載されている。この工程により、鋼板表面粗さRaを0.5μm以下とでき、前記冷延材を平均表面粗さRa0.5μm以下に仕上げることにより占積率96%以上が確保される旨記載されている。
さらにSi、Al含有量が高い鋼板では、打ち抜き加工後の製品の外縁にダレやカエリが増加し、鋼板の打ち抜き精度が低下する。モーターコアとして使う際の真円度が低下するため、ステータとロータの空隙間隔が不均一になり、モーター効率が低下する問題が発生する。この点を鑑みて特許文献5には質量百分率でC:0〜0.010%、Siおよび/またはAl:0.03%〜0.5%、または0.5%超〜2.5%以下Mn:0.5%以下、P:0.10%以上、0.26%以下、S:0.015%以下およびN:0.010%以下を含有させることにより、優れた打ち抜き寸法精度を有し、さらに低Si鋼では優れた高磁束密度−低鉄損磁性バランスを有し、中〜高Si鋼では優れた高磁束密度−高強度バランスを有する無方向性電磁鋼板が記載されている。
特開2001−303212号公報 特開昭58−181822号公報 特開2014−080654号公報 特開2000−234155号公報 特許4329538号
上記のように、近年、さらなる磁気特性の向上が求められ、鉄心材である電磁鋼板にはさらなる鉄損の低下と、磁束密度の向上が求められている。そのためには、{100}方位の集積度をさらに上昇させ、Si、Al、Mnの含有添加量を向上させて、鉄損を低下させ、さらに0.3mm以下の厚さの電磁鋼板を積層した際の占積率を上昇させなければならない。特にPの添加は{100}方位の集積度を上昇させる手段として有効である。しかしながら、図1に示したように、0.3mm以下の厚さの薄板について、後述する鋼板の板面と平行な面における{100}方位の集積度が2.0を超えると、0.35mmの厚さの板とは異なり、急激に占積率が下落する。
特許文献1においても、{100}<001>方位の集積度が2.0超で板厚0.30mm以下では、占積率が急激に劣化することが開示されている。この理由について明らかではないが、特許文献1では、{100}<001>方位にはBCC金属のすべり方向である<111>方向を板面内に含有していないためLおよびC方向のいずれの方向で打抜いてもせん断変形が生じにくくダレ形状が悪化し、占積率が劣化すると述べられている。しかしながら、この解決手段では磁気特性に好ましくない<111>を板面内に増加させる上に磁気特性に好ましい{100}<001>方位を減じているために磁束密度B50を損なっている。さらに板厚0.20mm以下では中間焼鈍を挟む2回以上の冷延を行うため、製造コスト大幅増加は否めない。
特許文献3に開示された技術おいては、{100}方位の集積度を上昇させる点については言及がなく、また、Alの量は0.005%に制限されているので、十分に鉄損を低下することができない。
特許文献4においても、{100}方位の集積度を上昇させる点については言及がなく、板厚0.2mm以下の材料では、冷延率が増加するため磁束密度B50が低下することは否めない。
特許文献5に開示された技術では、Pを活用して打ち抜き寸法精度の向上を図っているものの、Si量が2.5%以上での打ち抜き精度の改善は未だ達成できていない。
本発明は、板厚0.27mm以下の電磁鋼板おいて、Si、Al、Mn、P添加量を十分に高め、鋼板の板面と平行な面における{100}方位の集積度をランダム組織のそれの2.0倍超にしても高い占積率かつ打ち抜き加工後の高い真円度かつ高い磁束密度かつ低鉄損かつ低コストで確保することを課題とする。
本発明者らは前記課題を解決するため、鋼板を積層した際の鋼板の接触状況と鋼板表面状態の関係について検討し、P添加鋼は、鋼板の接触面に微細な空隙が生じてしまい、占積率が低下しやすいことを確認した。さらにその原因について検討し、この不具合は、{100}方位の集積度を上昇させるために実施する熱延後のPの粒界偏析が、その後の酸洗において特徴的な粒界腐食挙動を引き起こすためであることを知見した。そしてさらに、好ましい鋼板表面とするための酸洗条件の検討を進めた。その結果、Pが結晶粒界に偏析した状態であっても、Si、Al、Mnを適当量含有し、特定の酸洗を実施した場合は、冷延焼鈍後の鋼板表面が鋼板同士の良好な接触に好ましいものとなり占積率が向上することがわかった。結果としてこの鋼板は、{100}方位が強く発達するにもかかわらず、従来から言われているように占積率はそれほど低下せず比較的良好になる。また、高Siで{100}方位が強く発達した場合にこのような製法で得られた表面状態とすることで打ち抜き後の真円度が良好となることを見出した。このような表面状態を定量化できる特性値を種々検討し、本発明の完成に至った。
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)質量%で、2.0≦Si≦4.0%、0.1≦Mn≦2.0%、0.1≦Al≦2.0%、0.03≦P≦0.2%、S≦0.0035%、0.01≦Cr≦1.4%、0.001≦Ni≦0.5%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物である電磁鋼板において、鋼板の板面と平行な面における{100}方位の集積度が、2.0超であり、かつ板厚が0.27mm以下で、表面平均粗さRaが0.35μm以下で、かつ十点平均粗さRzが0.50μm以下であることを特徴とする絶縁被膜つき電磁鋼板。
(2)熱延後に酸洗工程を有し、前記酸洗直前の750℃超から室温までの冷却過程の熱履歴において、750℃から600℃の温度域の滞留時間が3秒以上であり、さらに前記酸洗工程が、温度、濃度、時間を制御した酸洗槽からなり、酸洗液について温度を70〜90℃、酸濃度を3〜15%、1槽あたり酸洗時間を10〜60秒、かつ合計酸洗時間を20秒〜120秒として浸漬した後、酸洗完了から水洗開始までの時間を30秒以内とし、水洗温度を10〜30℃、ラインスピード90mpm以下として1〜5分水洗することを特徴とする、(1)に記載の占積率に優れる電磁鋼板の製造方法。
(3)熱延後に酸洗工程を有し、前記酸洗工程が、温度、濃度、時間を制御した複数段の酸洗槽からなり、1段目の酸洗槽の酸洗液の濃度をC1、最終段の酸洗槽の酸洗液の濃度をCfとしたとき、C1>Cfとすることを特徴とする、(2)に記載の占積率に優れる電磁鋼板の製造方法。
本発明によれば、{100}方位の集積度が高くても、板厚が0.27mm以下の薄手電磁鋼板で、磁気特性と占積率を低コストで高位両立できる。
板厚0.15mmにおける、鋼板の板面と平行な面における{100}方位の集積度と占積率の関係を示した図である。 板厚0.30mmにおける、鋼板の板面と平行な面における{100}面の集積度と占積率の関係を示した図である。 板厚0.15mmのRaとRzをの発明範囲を示した図である。
本発明における各事項を限定した意義について以下に述べる。
以下の説明において、本発明鋼板の表面粗度RaまたはRzについては、特に断りのない限り、絶縁被膜を有する最終製品での表面粗度を意味する。特に酸洗条件の説明においては、酸洗挙動が表面状態に影響を及ぼすことを記述しているが、その説明においても、RaまたはRzについては酸洗板のRaやRzではなく、酸洗後、さらに冷延、仕上焼鈍、絶縁被膜塗布が行われた最終製品での表面粗度との関係を説明しているものである。
合金成分としては、質量%で、2.0≦Si≦4.0%、0.1≦Mn≦2.0%、0.1≦Al≦2.0%、0.03≦P≦0.2%、S≦0.0035%、0.01≦Cr≦1.4%、0.001≦Ni≦0.5%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物である。各成分の種類と量を限定した理由を以下に述べる。
2.0≦Si≦4.0%
Siは、電気抵抗を増大させ、渦電流損失による鉄損を改善する有用元素である。また、熱延後の酸洗挙動に強い影響を及ぼす元素であり、2.0%未満であれば適正な範囲でないと本発明の特徴である鋼板の表面粗度を好ましく制御することができないため、占積率が低下するうえ鉄損が劣化する。一方、4.0%を超えて含まれると、鋼自体が硬くなり、打ち抜き精度が劣ってしまうため真円度が劣化するうえ、圧延性が悪化し冷延時に割れが生じる。好ましくは2.5〜3.5%である。
0.1≦Mn≦2.0%
Mnは、Siと同様に電気抵抗を高めて渦電流損失による鉄損を低減する効果があるため0.1%以上含有させる。0.1%未満では熱延後の酸洗挙動に大きな影響を及ぼし、後述する本発明が特徴とする酸洗後の表面状態を得ることが困難になり、占積率が低下するうえ鉄損が劣化する。一方、2.0%を超えて含まれると、鋼自体が硬くなり、打ち抜き精度が劣ってしまうため真円度が劣化するうえ、圧延性が悪化し冷延時に割れが生じる。好ましくは0.2〜1.5%である。
0.1≦Al≦2.0%
Alは電気抵抗を高めて渦電流損失による鉄損を低減する元素であり、製品板集合組織における{100}方位の集積度を増加させる効果も有する。0.1%未満では熱延後の酸洗挙動に大きな影響を及ぼし、後述する本発明が特徴とする酸洗後の表面状態を得ることが困難になり、占積率が低下するうえ鉄損が劣化する。一方、2.0%を超えて含まれると、鋼自体が硬くなり、打ち抜き精度が劣ってしまうため真円度が劣化するうえ、圧延性が悪化し冷延時に割れが生じる。好ましくは0.5〜1.2%である。
0.03≦P≦0.2%
Pは、冷延前の鋼板において粒界に偏析することで、冷延焼鈍後の鋼板における{100}方位の集積度を高めることが知られる元素である。しかし、この粒界偏析が最終製品での表面状態の変化およびそれに伴う占積率低下を招く。0.03%未満では、{100}方位の集積度を高める効果が得られず、また占積率低下の問題も発生しないので、0.03%以上を本発明の対象とする。一方、0.2%を超えると鋼板が脆化し、粒界割れや圧延性の低下をもたらす。好ましくは、0.04%以上0.15%以下である。
S≦0.0035%
Sは鋼板の打ち抜き後の破面凹凸を減少するのに必要な元素であり、真円度に影響を及ぼす。真円度が高いと、ロータ・ステータ間の空隙が均一となりモーター効率を増加させる。真円度確保の観点からS量は0.0035%以下、好ましくは0.0025%以下である。
0.01≦Cr≦1.4%
Crは、熱延後の酸洗挙動に大きな影響を及ぼす元素であり、適切な範囲で含有させることで本発明にとって有用な効果を示す。0.01%未満では本発明における鋼板表面粗度制御への効果は充分でない。1.4%を超えると占積率は満足するが、酸洗後の表面状態を得ることができず、さらに不可避的不純物として含まれるCと炭化物を形成し、鉄損が悪くなる。好ましくは、0.05%以上0.5%以下である。
0.001≦Ni≦0.5%
Niは、鋼の腐食挙動に影響を及ぼす元素である。0.001%以上の範囲で含有させることで本発明の酸洗挙動を好ましく制御することが可能である。ただし、0.5%を超えると上記の効果は飽和する。好ましくは、0.1%以上0.3%以下である。
上述の添加元素、特にP偏析による酸洗挙動への影響のメカニズムについては、酸洗条件の項で後述する。またこれら以外に、公知の効果が知られている元素を公知の範囲で添加することは本発明の効果を損なうものではない。
上記成分以外の残部は、製造工程において混入する不可避的不純物、およびFeである。その含有量は、公知の無方向電磁鋼板において磁気特性または各種の特性を制御するために適用される通常の量が許容される。代表的な不可避的不純物元素である、C、S、Nについて以下に例示する。
Cは0.01%を越えて含有すると磁気時効を引き起こし、磁気特性を劣化させるため0.01%以下が好ましい。
NはAlと結合し結晶粒を微細化するなど磁気特性に有害な元素であるため0.005%以下が好ましい。
次に本発明の電磁鋼板の組織を限定した理由を以下に述べる。
鋼板の板面と平行な面における{100}面の集積度が、2.0超
測定方法は、X線回折装置(リガク製RINT−2500)によって測定対象とする試料について、{110}面、{200}面、{211}面の反射極点図(pole figure)を測定する。次にこれらの反射極点図を用いて結晶方位分布関数(ODF)を計算する。ODFは3つのオイラー角(φ1、Φ、φ2)で表示され、{100}方位は、φ2=45°、Φ=0°、φ1=0〜90°の領域に表示される。本発明はこの領域における集積度の平均値を{100}方位の集積度と定義し、その値が2.0を超えることを特徴とする。
磁束密度を向上させるためには、{100}方位の集積度が、十分に高くなければならない。また、前述のように一般的に{100}方位の集積を高めた電磁鋼板では占積率が低下しやすいため、占積率が高いにも関わらず{100}方位の集積が高いことは本発明技術の一つの特徴ともなっている。この観点から2.0超とした。
また、板厚が0.30mmを超えるような厚い板である場合は、占積率の低下が起こりにくいので(図2)、そもそも本発明の課題が発生しない。このため本発明は、厚さが0.27mm以下の電磁鋼板を対象とし、好ましくは0.25mm以下、より好ましくは0.20mm以下とする。
本発明の電磁鋼板は、表面平均粗さRaが0.35μm以下、かつ十点平均粗さRzが0.50μm以下で規定する。表面平均粗さRaは粗さ曲線において、平均線からの変化量を面積で表したものである。また、十点平均粗さRzは、長さ範囲1mmの粗さ曲線を板幅方向に10か所測定し、粗さ曲線から、その高さの平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から、最も高い山頂(Yp1)から5番目までの山頂の標高(Yp5)の絶対値の平均値と、最も低い谷底(Yv1)から5番目までの谷底の標高(Yv5)の絶対値の平均値との和である。すなわち、以下の式で表される。
Rz=(|Yp1+Yp2+Yp3+Yp4+Yp5|+|Yv1+Yv2+Yv3+Yv4+Yv5|)/5
本発明のような、Si、Al、Mnの含有率が高い成分組成の鋼板は、鋼板表面の状態が鋼板の接触に好ましいものになりにくく、鋼板を積層した際に隙間ができて、占積率が低下しやすい。鋼板同士の接触を好ましいものにするには、まず表面平均粗さRaが0.35μm以下であることが必要である。好ましくは0.30μm以下、さらに好ましくは0.20μm以下である。基本的にRaが小さいことは鋼板表面の凹凸が小さくなることになるため、鋼板の接触面での空隙が小さくなることは直感的にも理解でき、本発明のメカニズムとしてもこのような理解であると考えている。ただし、Raをこの範囲で小さくするだけでは、鋼板を積層した際の接触の状態、つまり鋼板間の微小の隙間を小さくし占積率を向上させるには不十分である。本発明の効果を得るにはさらに十点平均粗さRzを0.50μm以下とする必要がある。好ましくは0.40μm以下、さらに好ましくは0.30μm以下である。
本発明が対象とするPを適当量含有し、さらに{100}方位の集積度が高い鋼板における占積率の向上のためには、従来行われていたRaの制御のみでは不十分で、Rzの制御が重要になる(図3)。その理由は、明確ではないが以下のように考えている。
Raは粗さ曲線において、平均線からの変化量を面積で表したものである。このため、局所的に平均線の方向に短い距離で大きな縦倍率の変化があった場合と、平均線の方向に広い範囲にわたって縦倍率の小さな変化が持続する場合の区別はできない。本発明が対象とするPを比較的多量に含有し、さらにそのPが結晶粒界に偏析する鋼板は特に粒界と粒内での酸洗挙動が大きく異なり、粒界近傍で局所的に鋼板表面状態が大きく変化すると考えられる。さらに{100}方位は特殊な面方位であり鋼の腐食においても特殊な挙動を示すと考えられ、粒界部と粒内部は、酸洗での腐食挙動においてさらに大きな差異を生じていると考えられる。つまり本発明が対象とする鋼板は粒界と粒内の酸洗挙動に大きな差があり、表面状態は粒界近傍の局所的な狭い領域で特殊な縦倍率の変化を生じていると考えられる。このため、従来、占積率との関連が知られていたRaでは鋼板同士の接触状態を十分には評価できなくなる。
これに対して、Rzは粗さ曲線において、縦倍率の変動領域について平均線の方向にわたる範囲の大きさとは無関係に、縦倍率の変動のピーク値によって規定される指標である。このような指標は、本発明鋼板のような、粒界近傍の局所領域で大きな縦倍率の変動を示す鋼板においては、鋼板同士の接触状態、ひいては占積率を左右する指標として最適となる。結果として、P含有鋼において占積率を向上させるには、Si、Al、Mnを適度に含有させ、さらにPの粒界偏析を考慮した上で適切な酸洗を行うことでRzを適切に制御することが必要になっていると考えられる。
このような表面状態とすることで占積率は、98%以上になる。
具体的な占積率は、下記式で計算される。

占積率(%)=m/(blDh)
m:測定試料の質量(g)
b:試料の幅(cm)
l:試料の長さ(cm)
D:試料の密度(g/cm
h:圧力を加えて測定した積層厚(cm)

幅3.0cm、長さ25.0〜32.0cmの長方形状試料を規定枚数積層して、3.5kgf/cmの圧力を加えたときの積層厚hを測定し、計算する。
また、本発明ではRa、Rzを制御することで、占積率のみならず鉄損も低減できる。その理由はRa、Rzを小さくすると、表面近傍の磁壁移動のピン止め効果が小さくなり、鉄損が低減される。
次に、本発明の電磁鋼板の製造方法について述べる。
本発明は、熱間圧延、酸洗、水洗、冷間圧延、仕上げ焼鈍を順に施す。このうち、酸洗および水洗工程を好ましく制御することで発明効果を十分に得ることができる。さらに熱間圧延、必要に応じた熱延板焼鈍工程を好ましく制御すれば発明効果はより顕著になる。各工程条件の数値範囲を限定した理由について以下に述べる。なお、以下に示す条件は製造法の一例であり、本発明鋼板の製造条件がこれらに限定されるものでないことは言うまでもない。また、特に本発明で規定する酸洗および水洗条件以外の条件は、公知の条件を適用すれば良いものである。
スラブ加熱時の温度を1050℃以上1200℃以下
スラブ加熱時の温度が1050℃未満では、スラブが硬すぎ、十分に目的の平坦度に成形することができない。一方、1200℃を超えると、磁気特性が低下しやすく、スケールが厚くなりすぎて、スケール除去しにくくなり表面粗さが悪化する。
仕上げ熱延終了温度を850℃以上950℃以下
仕上げ熱延終了温度を850℃以上950℃以下とすることで、素材成分の効力とあいまって、熱延板焼鈍後における鋼板表層部に生成するスケールの除去性が良好となる。
以降の工程は、本発明における重要な特徴である酸洗挙動に特に強く関連する製造条件であり、以下に示す熱延から酸洗にかけての製造条件は本発明の製造法においては重要な意味を持つ。本発明で酸洗前の鋼板において、鋼板組織の結晶粒界でのP偏析を制御する理由は3つある。一つは集合組織改善のため、一つは脆化回避のため、もう一つは酸洗挙動制御のためである。このうち、集合組織と脆化については公知のものであり、本発明に特徴的なものとしては、この工程での適度なP偏析が、その後の特定条件での酸洗挙動を変化させ、さらに冷延焼鈍後の鋼板の表面状態を鋼板同士の接触に好ましいものとして、結果として鋼板を積層して使用される鉄心の占積率を向上させることである。
まず、発明効果に特に好ましい影響を及ぼす熱延条件について説明する。
以下に3つの条件を示しているが、重要なのは酸洗直前の750℃から600℃への冷却の熱履歴である。750℃超ではPが溶体化して粒界に偏析せず、600℃未満では粒界に偏析するためのPの拡散に長時間を要する。このため、750℃と600℃の間の温度域での滞留時間が重要となる。熱延板焼鈍を実施しない場合は、仕上圧延が完了した後の、巻取り温度を含めた冷却制御が重要となる。熱延板焼鈍を実施する場合は、鋼板が750℃超まで再加熱されるので、仕上圧延後の冷却制御やコイル巻取温度といった熱延板焼鈍前の冷却履歴に関わらず、熱延板焼鈍工程の冷却における750℃以下の冷却が重要となる。
熱延後の750℃からの冷却過程において、750℃から600℃までの温度域での滞留時間を3秒以上
Pの粒界偏析促進のため、750℃から600℃の温度域での滞留時間を3秒以上とする。これは、この温度域を平均冷却速度50℃/s以下で冷却することに相当する。Pの粒界偏析を促進させることで、冷間圧延および焼鈍後に得られる集合組織が前述のような磁束密度にとって好ましいものとなるとともに本発明範囲内の酸洗条件において酸洗挙動を好ましく制御できる。より好ましくは8秒以上、さらに好ましくは30秒以上である。
この温度域の冷却は熱延コイルを600℃以上の適当な温度で巻き取り、コイル状態での冷却で実現することが、滞留時間を長時間とする上で非常に好ましい。コイル状態での冷却を適用しない場合、連続的に進行する仕上圧延後の冷却ゾーンで上記温度域での滞留時間を1分以上にすることは、工業的にはほぼ不可能とも言える。好ましくはコイルの巻取り温度を630℃以上、さらに好ましくは650℃以上とする。コイル巻取り後の冷却は空冷、水冷または、適当な温度の焼鈍炉内での保持など、公知の手段を適用できる。製造コストを考慮すると、巻き取り後の空冷で行うことが好ましい。
熱延板焼鈍からの冷却における750℃から600℃までの温度域での滞留時間を3秒以上
熱延板焼鈍を適用する場合は熱延板焼鈍からの冷却する際に、750℃から600℃までの温度域での滞留時間を3秒以上とすることでPの粒界偏析量を制御する。これによっても電磁鋼板の集合組織を改善効果、酸洗挙動改善効果を得ることができる。より好ましくは8秒以上、さらに好ましくは30秒以上である。
酸洗直前の鋼板の粒界のP偏析量を1.0at%以上、20.0at%以下
上記のような熱延工程または熱延板焼鈍工程の冷却工程を制御し、鋼板の結晶粒界にPを偏析させることで、冷間圧延および焼鈍後に得られる集合組織が前述のような磁束密度にとって好ましいものとなるとともに、本発明の酸洗条件において酸洗挙動を好ましく制御できる。酸洗直前の鋼板におけるPの粒界偏析量が1.0at%以上であれば、磁束密度が十分に高くなり、また本発明の特徴である表面状態についても十分に好ましい効果を得ることができ、Ra、Rzを適正範囲に制御できるので鉄損も低減できる。20.0at%を超えると、鋼が脆化し、酸洗工程やその後の冷間圧延工程などで割れが問題となる場合がある。なお、粒界P偏析量はオージェ電子分光法(AES)によりそのピークを測定し、得られた原子比率をat%として算出できる。
次に、本発明効果の発現にとって最も重要である酸洗および水洗工程について説明する。
本発明効果を得るには、熱延後の酸洗工程が、温度、濃度、時間を制御した酸洗槽からなり、酸洗液について温度を70〜90℃、酸濃度を3〜15質量%、1槽あたり酸洗時間を10〜60秒、合計酸洗時間を20秒以上120秒以内として浸漬した後、酸洗完了から水洗開始までの時間を30秒以内とし、水洗温度を10〜30℃、ラインスピード90m/分以下、1〜5分水洗する。
酸洗液の温度が70℃未満では短時間でスケールが除去できず、スケールが残存すると表面粗度Raを発明範囲に制御できない。一方、温度が90℃超になると粒界近傍の溶解が過剰に進行してRzを発明範囲に制御できない。酸洗液の酸濃度が3%未満では短時間でスケールが除去できず、スケールが残存するとRaを発明範囲に制御できない。一方、酸洗液の濃度が15%超になると粒界近傍の溶解が過剰に進行し、Ra、Rzが増大し発明範囲に制御できない。ここで酸洗液の種類は特に限定せず、公知のとおり塩酸、硫酸、硝酸などを用いればよい。本発明における酸洗液の濃度とは、酸と水の混合液中に含まれる酸の質量%とする。
1槽あたりの酸洗時間は10〜60秒とし、複数の酸洗槽による合計酸洗時間を20〜120秒以内とする。1槽あたりの酸洗時間が10秒未満では粒界近傍の溶解が十分進行せず、スケールが残存する。このためRaを発明範囲に制御できない。一方、1槽あたりの酸洗時間が60秒超では粒界近傍の溶解が過剰に進行してRzが増大するため発明範囲に制御できない。また、複数の酸洗槽による合計酸洗時間が20秒未満では粒界近傍の溶解が十分進行せず、スケールが残存する。このためRaを発明範囲に制御できない。一方、合計酸洗時間が120秒超では粒界近傍の溶解が過剰に進行してRzが増大するため発明範囲に制御できない。
酸洗完了から水洗開始までの時間を30秒以内、水洗温度10〜30℃、ライン速度90m/分以下で1〜5分洗浄
本発明において酸洗完了後、水洗工程の制御も非常に重要である。酸洗の後、単純に水洗をしてしまうと本発明の効果は得られない。特に、水洗完了後に粒界が酸化されてその一部が鉄酸化物(FeOOH、Fe)に覆われてしまうと、Rzを発明範囲に制御できなくなるため、これを回避する条件とすることが重要である。
酸洗完了から水洗開始の間も、鋼板に付着した酸によって粒界腐食が進行する。酸洗完了から水洗開始までの間の時間を30秒超であると粒界腐食が進行し過ぎ、Rzは増大し発明範囲に制御できない。このため酸洗完了から水洗開始までの時間を30秒以内とする。好ましくは25秒以内とする。
水洗槽の水温は10〜30℃とする。水温が30℃を超えると、水洗完了後に粒界の一部が酸化して鉄酸化物(FeOOH、Fe)に覆われる。このためRzを発明範囲に制御できない。水温の下限は一般的な温度から10℃とした。
水洗槽のラインスピードは90m/分以下とする。ラインスピードが90m/分超では、鋼板表面への水中に溶存している酸素の供給頻度が増加し、水洗完了後に粒界の一部が酸化して鉄酸化物(FeOOH、Fe)に覆われる。このため、Rzを発明範囲に制御できなくなる。水洗槽のラインスピードが90m/分以下であれば水洗完了後の粒界の酸化を回避できる。下限値は特に設けないが、例えば生産性の観点から10mpm以上を目安とする。
水洗時間は1〜5分とする。水洗時間が1分未満では鋼板に付着した酸が十分除去できず、粒界腐食はこのまま進行する。このためRzを発明範囲に制御できない。水洗時間が5分超では水洗完了後に粒界の一部が酸化して鉄酸化物(FeOOH、Fe)に覆われる。このため、Rzを発明範囲に制御できない。
濃度の高い酸による酸洗の後、濃度の低い酸による酸洗
酸洗過程で酸洗液の濃度を変化させることで、鋼板表面状態はさらに好ましいものとなる。前記酸洗工程が、各槽について前記のように温度、濃度、時間を制御した複数段の酸洗槽からなり、1段目の酸洗槽の酸洗液の濃度をC1、最終段の酸洗槽の酸洗液の濃度をCfとしたとき、C1>Cfとすることが好ましい。
この理由は明確ではないが以下のように考えている。本発明が想定している、酸洗前に結晶粒界にPが偏析した鋼板においては、酸洗において粒界近傍の腐食が進行しやすくなっている。このような鋼板を、酸洗初期で濃度の低い酸洗液で酸洗を行うと、粒界近傍のみが酸洗されてしまう。その後、粒内部分を酸洗するに十分な高い濃度の酸洗液で酸洗を行ってとしても、すでにスケールが剥離した粒界近傍はますます腐食してしまい、表面粗度の局所的な変動は非常に大きくなってしまう。これを避けるには、酸洗初期において、まず、濃度の高い酸による酸洗により、表面の全面で一気にスケール除去を完了させる。その後は濃度の低い酸による酸洗を実施し、酸洗を必要な量に留めるように調整する。最終段を濃度の薄い酸洗液で酸洗することで、それまでの酸洗で局所的な腐食で形成された激しい凹凸もなだらかにする作用もあると思われる。なお、酸洗槽が三段以上の場合、途中の酸洗槽の濃度は特に規定はしないが、上記のようなメカニズムで表面粗度の局所的な変動が抑えられると考えられることから、酸洗液の濃度は一段目から最終段に向かって徐々に低くしていくことが好ましいことは言うまでもない。
上記の工程を経たのち、冷間または温間圧延、仕上げ焼鈍および絶縁被膜を塗布して焼き付けといった通常の工程を施すことで本発明の電磁鋼板が得られる。
酸洗後は、冷間圧延を実施する。冷延率は70〜90%とすることで、次工程の仕上げ焼鈍後に磁気特性にとって好ましい集合組織を得ることが可能となる。
冷間圧延後には、仕上焼鈍を実施して冷延組織を再結晶させる。これにより高い磁束密度と低い鉄損を備えた組織とする。焼鈍は箱焼鈍でも連続焼鈍でも構わないが、連続焼鈍の一般的な条件は800〜1100℃である。
また二回冷延焼鈍工程としても良い。
仕上げ焼鈍後には鋼板表面に絶縁被膜を形成する。公知の無機、有機または半有機のいずれか1種のコーティング液を塗布し、300〜400℃で熱処理を実施する。
本発明の電磁鋼板は、絶縁被膜を塗布した鋼板であり、前述までのRaやRzも絶縁被膜の上から測定される数値である。これは鉄心における鋼板の接触は絶縁被膜を有した鋼板の積層による接触であるため当然でもある。一方、本発明で規定すべき酸洗条件は、絶縁被膜、さらには冷延前の鋼板に対する条件であり、前述の粗度の変化も酸洗挙動との関連で記述している。これは、酸洗による表面状態は、冷延、仕上焼鈍、さらには絶縁被膜後の表面状態にまで明確な影響を及ぼしていることを示している。
実施例の成分組成を表1、表2に示す。また、熱延条件を表3、表4に、酸洗条件を、表5、表6に示した。200mm厚さの鋼片を熱間圧延、一部の材料については1000℃30秒の熱延板焼鈍を実施し、2.0mm厚さの熱延板を得る。この熱延板について結晶粒界でのP偏析量を表3、4に示す。さらに酸洗、水洗、冷間圧延、1000℃30秒の仕上げ焼鈍、絶縁被膜を形成してNo.1〜87の鋼板を得る。発明のポイントの一つである酸洗は、2つの酸洗槽と1つの水洗槽を備えた酸洗ラインで実施した。酸洗液は塩酸水溶液である。これらの鋼板について、{100}面の集積度、表面粗さRa、Rz、占積率、真円度、1.0T、400Hzにおける鉄損W10/400、5000A/mにおける磁束密度B50を測定し、発明効果を評価する。なお、真円度は打ち抜き試験は、直径:21mmφの円形金型を用いて鋼板を打ち抜き、クリアランスは板厚の8%で行う。圧延方向となす角度が0°、45°、90°、135°の4方向の打ち抜き円形の直径(内径)を測定して、4点中最大径および最小径の差を取り、真円度の指標とする。結果を表7、表8に示す。
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No.1は、Si量が低く酸洗条件が適正であってもRa、Rzは本発明で規定する範囲に制御できず占積率が低い。No.4、8、12、16は合金成分が本発明で規定する範囲を超過し、冷延で破断した。No.5は、Mn量が低く、酸洗条件が適正であってもRzが本発明で規定する範囲に制御できず占積率が低く、鉄損も高い。No.9は、Al量が低く、酸洗条件が適正であってもRzが本発明で規定する範囲に制御できず占積率が低い。No.93はSi、Al、Mn量が低いため、鉄損と磁束密度のバランスが不適切である。No.13はP量が低いため、Pの偏析量が低く、{100}集積度が上昇せず占積率は高いが磁束密度は低い。No.17はCr量が低く、酸洗条件が適正であってもRa、 Rzが本発明で規定する範囲に制御できず占積率、鉄損が高い。No.20はCrが高く、{100}面集積度が上昇せず占積率は満足するが、磁束密度は低い。No.24はS量が本発明で請求する範囲よりも高かったので打ち抜き径の値が大きくなり、真円度が悪かった。
No.29〜33は熱延板焼鈍を実施しておらず、熱延仕上げ後の750℃から600℃の滞留時間の影響を直接確認できる。No.29、30は巻取り温度が低いため、600℃以上の温度域は熱延ラインの冷却ゾーンで処理されるが、750℃から600℃の滞留時間が短いNo.29は、P偏析が十分でなく{100}集積度が低く磁束密度が上昇しない。No.34、35は熱延板焼鈍の冷却条件の影響を確認できる。熱延板焼鈍で鋼板は1000℃まで加熱されており、熱延でのコイル巻取りまでで形成されていたはずのPの粒界偏析は一旦消失し、この過程で750℃から600℃の滞留時間が短いNo.34では、P偏析が十分でなくなり、特性も向上しない。
No.36〜91は酸洗条件の影響を確認したものである。No.36は酸洗液の温度が低いのでRaが本発明で規定する範囲に制御できず占積率が低い。No.40は酸洗液の温度が高いのでRzが本発明で規定する範囲に制御できず、占積率が低い。No.28、41〜45、50〜53、58〜61、68〜72、75、76、80〜82、85、86、90〜92は板厚が0.30mmであり、Ra、Rzが本発明で規定する範囲に制御できなくても占積率は低下しないため、課題が発生しない。また、板厚が厚いために鉄損も高くなっている。板厚0.15mmであるNo.46〜49、54〜57では第1酸洗槽(第1酸洗)と第2酸洗槽(第2酸洗)の酸洗液濃度を別々に変化させた。No.46は、第1槽の酸洗液濃度が本発明の規定より低いので、Raが高く、その結果、占積率が低い。No.49は、第1槽の酸洗液濃度が本発明の規定より高いので、Rzが高く、その結果、占積率が低い。No.54は、第2槽の酸洗液濃度が本発明の規定より低いので、Rzが高く、その結果、占積率が低い。No.57は、第2槽の酸洗液濃度が本発明の規定より高いので、Ra、Rzが高く、その結果、占積率が低い。各槽の酸洗液濃度が発明範囲内であっても、第1槽の酸洗液濃度が第2槽の酸洗液濃度より低いかほぼ同程度の濃度である、No.47、56、62は、表面粗度および占積率の向上が比較的小さく留まっている。No.63は1槽当たりの酸洗時間および酸洗合計時間が本発明で規定する範囲を下回り、Raが本発明で規定する範囲に制御できず占積率が低い。No.67は1槽当たりの酸洗時間および酸洗合計時間が本発明で規定する範囲を上回り、Rzが本発明で規定する範囲に制御できず占積率が低い。No.74は水洗開始までの時間が本発明で規定する範囲を超えたためRzが高くなり占積率が低い。No.78、79は水洗槽の水温が本発明で規定する範囲を上回り、Rzが本発明で規定する範囲に制御できず占積率が低い。No.84は水洗槽のラインスピードが本発明で規定する範囲を上回り、Rzが本発明で規定する範囲に制御できず占積率が低い。No.87、89は水洗時間が本発明で規定する範囲外にあり、Rzが本発明で規定する範囲に制御できず占積率が低い。一方、本発明の規定を満たすNo.2、3、6、7、10、11、14、15、18、19、21〜23、25〜27、30〜33、35、37〜39、47、48、55、56、62、64〜66、73、77、83、88は所定の板厚、{100}集積度、Ra、Rzを満たすことにより、高い占積率と磁束密度、低い鉄損を兼ね備え、打ち抜き性も良好な製品とすることができた。
本発明の電磁鋼板により、積層した際の占積率が高く、磁束密度の高い鉄心が得られるため、小型、高出力、高エネルギー効率のモーター、トランス、発電機を製造することができるという産業上の利用性を有する。

Claims (3)

  1. 質量%で、2.0≦Si≦4.0%、0.1≦Mn≦2.0%、0.1≦Al≦2.0%、0.03≦P≦0.2%、S≦0.0035%、0.01≦Cr≦1.4%、0.001≦Ni≦0.5%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物である電磁鋼板において、鋼板の板面と平行な面における{100}方位の集積度が、2.0超であり、かつ板厚が0.27mm以下で、表面平均粗さRaが0.35μm以下で、かつ十点平均粗さRzが0.50μm以下であることを特徴とする絶縁被膜つき電磁鋼板。
  2. 熱延後に酸洗工程を有し、前記酸洗直前の750℃超から室温までの冷却過程の熱履歴において、750℃から600℃の温度域の滞留時間が3秒以上であり、さらに前記酸洗工程が、温度、濃度、時間を制御した酸洗槽からなり、酸洗液について温度を70〜90℃、酸濃度を3〜15%、1槽あたり酸洗時間を10〜60秒、かつ合計酸洗時間を20秒〜120秒として浸漬した後、酸洗完了から水洗開始までの時間を30秒以内とし、水洗温度を10〜30℃、ラインスピード90m/分以下として1〜5分水洗することを特徴とする、請求項1に記載の占積率に優れる電磁鋼板の製造方法。
  3. 熱延後に酸洗工程を有し、前記酸洗工程が、温度、濃度、時間を制御した複数段の酸洗槽からなり、1段目の酸洗槽の酸洗液の濃度をC1、最終段の酸洗槽の酸洗液の濃度をCfとしたとき、C1>Cfとすることを特徴とする、請求項2に記載の占積率に優れる電磁鋼板の製造方法。
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