JP2018002786A - インク、インクセット及び画像形成セット - Google Patents
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Abstract
Description
特に、インクジェット記録方法は、容易にカラー画像の記録が可能であり、しかもランニングコストが低いなどの理由から、近年、急速に普及してきている。インクジェット記録用インクとしては、水性媒体中に染料を溶解させた水性染料インクや、有機溶剤中に油溶性染料を溶解した溶剤系インクが使用されている。一般に環境、安全面からオフィスや家庭では、水溶性染料を水または水と水溶性有機溶剤とに溶解させたものが使用されている。しかし、このような水溶性染料を含むインクにより形成された記録画像は耐水性や耐光性に劣ることが課題とされている。
本発明は、高い画像濃度と優れた抑泡性と消泡性による良好な吐出安定性を両立したインクの提供を目的とする。
また、以下では、主に本発明のインク(以下、インク組成物とも記載する)をインクジェット記録用インクとして用いる場合を例にとって説明するが、スプレー塗工、ローラー塗工など他の画像形成方法であっても使用できる。
C6F13−CH2CH2− …一般式(I)
ロスマイルス法は、泡の起泡力と安定度を評価する方法であり、前記流下直後の泡の高さは、泡の起泡力を示す。前記流下直後の泡の高さが5mm以下であることにより、低い起泡性と高い消泡性となり、ヘッド液室へのインク供給時の泡立ちによるノズルダウンを抑制することができ、高い吐出安定性が確保できる。
本発明では、インク中に「下記一般式(I)で表される基を有する界面活性剤(a)」、及び「下記一般式(II)で表されるHLB値が6以下である化合物(b)」を含有することで、普通紙上における高い画像濃度と、低い泡立ちによる良好な吐出安定性を両立することを可能にしている。
C6F13−CH2CH2− …一般式(I)
HLB値=20×(親水基の質量%)
=20×(親水基の式量の総和/界面活性剤の分子量)・・・数式(1)
本発明では、前記一般式(I)で表される基を有する界面活性剤(a)を使用することにより、表面張力の低下から、画像品質の向上(高発色性など)、部材に濡れ性を付与することができる。
前記一般式(I)で表される基を有する界面活性剤としては、下記一般式(III)で表される化合物であることが好ましい。
C6F13−CH2CH2O(CH2CH2O)nH …一般式(III)
前記一般式(III)において、nは1以上40以下の整数が好ましく、5以上30以下の整数がより好ましい。前記一般式(III)中のパーフルオロアルキル基C6F13は、部材への濡れ性の点から、直鎖であることが好ましい。
前記一般式(III)で表される化合物は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記市販品としては、例えば、Chemours社製のCapstone(キャップストーン、登録商標)FS−30(前記一般式(III)中、nが6〜22)、Capstone(キャップストーン、登録商標)FS−34(前記一般式(1)中、nが5〜20)、Capstone(キャップストーン、登録商標)FS−3100(前記一般式(III)中、nが7〜17及び25〜35)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、界面活性剤(a)は、インク中での安定性を担保するため、HLB値4以上であることが好ましく、6以上であることがより好ましい。
本発明では、下記一般式(II)で表されるHLB値6以下の化合物(b)を含有することで、インク界面の均一性を崩し低い起泡性と高い消泡性を付与し、良好な吐出安定性を確保することが可能である。
ここで、泡の生成(発泡)とは、液体が薄い膜になって空気を包むことである。この泡の生成にはインクの表面張力や粘度等の特性が関与する。即ち、水のように表面張力が高い液体は、液体の表面積をできるだけ小さくしようとする力が働くために、発泡し難い。これに対して、高粘度で高浸透性のインクは、表面張力が低いために発泡し易く、溶液の粘性により生成した泡が維持されやすく、消泡し難い。
尚、インクに難溶な消泡剤によりインクの安定性が低下することがあるが、本発明においては、前記化合物(b)の添加量を調整することによりインクの安定性を保つことができる。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はない。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
以下、インクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
次に本発明に使用される色材について説明する。
色材としては、耐候性の面から主として顔料を使用することが好ましいが、色調調整の目的で耐候性を劣化させない範囲内で染料を含有しても構わない。
色材の含有量は、固形分でインク全体の2〜15質量%が好ましく、3〜12質量%がより好ましい。含有量が2質量%未満では、インクの発色性及び画像濃度が低くなってしまうことがあり、15質量%を超えると、インクが増粘して吐出性が悪くなってしまうことがあるため好ましくない。
顔料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用又はカラー用の無機顔料や有機顔料が挙げられる。
(1)第1形態:色材は、水不溶乃至水難溶性の顔料を含有するポリマー微粒子の水分散体を含有する。
(2)第2形態:色材は、表面に少なくとも1種の親水性基を有し、分散剤の不存在下で水分散性を示す顔料(以下「自己分散顔料」と称することもある)を含有する。
前記第1形態の色材としては、上記顔料に加え、ポリマー微粒子に顔料を含有させたポリマーエマルジョンを使用することが好ましい。
ポリマー微粒子に顔料を含有させたポリマーエマルジョンとは、ポリマー微粒子中に顔料を封入したもの、又はポリマー微粒子の表面に顔料を吸着させたものである。
顔料を被覆する樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリウレア、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、多糖類、ゼラチン、アラビアゴム、デキストラン、カゼイン、タンパク質、天然ゴム、カルボキシポリメチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸の重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アルギン酸ソーダ、脂肪酸、パラフィン、ミツロウ、水ロウ、硬化牛脂、カルナバロウ、アルブミンなどが挙げられる。
これらの中ではカルボン酸基またはスルホン酸基などのアニオン性基を有する有機高分子材料を使用することが好ましい。また、ノニオン性有機高分子材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートまたはそれらの(共)重合体)、2−オキサゾリンのカチオン開環重合体などが挙げられる。特に、ポリビニルアルコールの完全ケン化物は、水溶性が低く、熱水には解け易いが冷水には解けにくいという性質を有しており特に好ましい。
前記カーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が、15〜40ミリミクロン、BET法による比表面積が、50〜300m2/g、DBP吸油量が、40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9を有するものが好ましい。このようなカーボンブラックとしては、例えば、No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(以上、三菱化学製)、Raven700、5750、5250、5000、3500、1255(以上、コロンビア製)、Regal400R、330R、660R、MogulL、Monarch700、800、880、900、1000、1100、1300、Monarch1400(以上、キャボット製)、カラーブラックFW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリンテックス35、U、V、140U、140V、スペシャルブラック6、5、4A、4(以上、デグッサ製)等を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
前記顔料の平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10nm〜150nmが好ましく、20nm〜100nmがより好ましく、30nm〜80nmが更に好ましい。前記平均粒径が150nmを超えると、印写画像の彩度が低下するのみならずインク保存時の増粘凝集や印写時のノズルの詰まりが生じやすくなることがある。一方、顔料の平均粒径が10nm未満であると、耐光性が低下するのみならず保存安定性も悪化する傾向がある。
直接性染料としては、例えば、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,26,33,44,50,86,120,132,142,144;C.I.ダイレクトレッド1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225,227;C.I.ダイレクトオレンジ26,29,62,102;C.I.ダイレクトブルー1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,87,90,98,163,165,199,202;C.I.ダイレクトブラック19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168,171などが挙げられる。
塩基性染料としては、例えば、C.I.べーシックイエロー1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,64,65,67,70,73,77,87,91;C.I.ベーシックレッド2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112;C.I.べーシックブルー1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47,54,62,65,66,6
7,69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129,137,141,147,155;C.I.ベーシックブラック2,8などが挙げられる。
反応性染料としては、例えば、C.I.リアクティブブラック3,4,7,11,12,17;C.I.リアクティブイエロー1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65,67;C.I.リアクティブレッド1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97;C.I.リアクティブブルー1,2,7,14,15,23,32,35,38,41,63,80,95などが挙げられる。
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
インクには、必要に応じて、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
本発明のインクは、カラーインク(A)であっても、ブラックインク(B)であってもよく、それぞれ独立に本発明のインクである、カラーインク(A)とブラックインク(B)とを有するインクセットとすることができる。前記カラーインク(A)及び前記ブラックインク(B)はいずれも、それぞれ独立に、本発明のインクであり、前記インク(A)中に含まれる前記化合物(b)の質量(WbA)と、前記インク(B)中に含まれる前記化合物(b)の質量(WbB)との質量比(WbA/WbB)が1以上20以下であることが好ましい。
多色のカラーインクを含む場合は、全てのカラーインクがブラックインクに対して前記質量比の範囲であることが好ましい。
上記の範囲を満たすことで、色間滲みの発生を抑えることができる。
本発明の画像形成セットは、インクと、前記インクを付着させる記録媒体とを有し、前記インクが、本発明のインクであり、前記記録媒体が、普通紙又は坪量50g/m2時におけるステキヒト・サイズ度が10秒以上の低吸液性印刷用紙である。
また、本発明の画像形成セットは、カラーインク(A)とブラックインク(B)とを有するインクセットと、前記インクセットの有する前記カラーインク(A)及びブラックインク(B)を付着させる記録媒体とを有し、前記インクセットが、本発明のインクセットであり、前記記録媒体が、普通紙又は坪量50g/m2時におけるステキヒト・サイズ度が10秒以上の低吸液性印刷用紙である。
本発明は、普通紙、専用紙、および低吸液性印刷用紙において良好な画像を実現することができるインクの提供をその目的としている。
そして、本発明によるインクは、低吸液性印刷用紙にも高画像品質で印字可能なインクである。
前記低吸液性印刷用紙にはトレーシングペーパ、パーチメント紙、硫酸紙、グラシン紙、パラフィン紙、またはろう紙の群から選択されるものがある。
本発明において、「普通紙」とは、広範な市販の紙、とりわけ静電コピーに用いられる紙であって、インクジェット記録方法の用途に最適化された構造、組成、または特性を意図して製造されていない紙を意味する。このような記録媒体の例としては、上質紙、中質紙、PPC用紙などが挙げられる。
本発明において、「専用紙」とは、インクジェット記録方法の用途に最適化された構造、組成、または特性を意図して製造された紙を意味する。
本発明において、「低吸液性印刷用紙」とは、「普通紙」や「専用紙」と比較して、吸液性が低くサイズが高いのでインクの浸透が極めて困難な用紙を意味する。具体的には、坪量50g/cm2時におけるステキヒト・サイズ度(JIS−P−8122「紙のステキヒト・サイズ度試験方法」)が10秒以上の用紙を意味する。
このような記録媒体の例としては、第2原図用紙(例えば、トレーシングペーパ)、パーチメント紙(羊皮紙)、硫酸紙、グラシン紙、パラフィン紙、ろう紙等が挙げられる。
本発明のインク記録物は、記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
前処理装置、後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
前処理液は、凝集剤、有機溶剤、水を含有し、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等を含有しても良い。
有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤は、インクに用いる材料と同様の材料を使用でき、その他、公知の処理液に用いられる材料を使用できる。
凝集剤の種類は特に限定されず、水溶性カチオンポリマー、酸、多価金属塩等が挙げられる。
後処理液は、透明な層を形成することが可能であれば、特に限定されない。後処理液は、有機溶剤、水、樹脂、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等、必要に応じて選択し、混合して得られる。また、後処理液は、記録媒体に形成された記録領域の全域に塗布しても良いし、インク像が形成された領域のみに塗布しても良い。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
<インクジェット記録用インクの調製>
(調製例1)
−Bk自己分散型顔料分散液の調製−
Cabot Corporation製Black Pearls(登録商標)1000(BET表面積343m2/gおよびDBPA105mL/100gを有するカーボンブラック)100gとスルファニル酸100ミリモルおよびイオン交換高純水1Lを室温環境下Silversonミキサー(6000rpm)で混合した。得られるスラリーのpHが4より高い場合は、硝酸100ミリモルを添加する。30分後に、少量のイオン交換高純水に溶解された亜硝酸ナトリウム(100ミリモル)を上記混合物にゆっくりと添加する。さらに、撹拌しながら60℃に加温し、1時間反応させた。カーボンブラックにスルファニル酸を付加した改質顔料が生成できた。次いで、10%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分後に改質顔料分散体が得られた。得られた少なくとも1つのスルファニル酸基またはスルファニル酸テトラブチルアンモニウム塩と結合した顔料を含んだ改質顔料分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行い、さらに超音波分散を行って顔料固形分を20%に濃縮した改質顔料分散体を得た。表面処理レベルは0.75mmol/gであり、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)で測定された粒子径(D50)は131nmであった。
−C自己分散型顔料分散液の調製−
SENSIENT製SMART Cyan 3154BA(Pigment Blue 15:4表面処理分散体、顔料固形分14.5%)顔料分散体1kgを0.1NHCl水溶液で酸析する。次いで、40%ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分後に改質顔料分散体が得られた。得られた少なくとも1つのアミノ安息香酸基またはアミノ安息香酸ベンジルトリメチルアンモニウム塩と結合した顔料を含んだ改質顔料分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行い、さらに超音波分散を行って顔料固形分を20%に濃縮した改質顔料分散体を得た。体積平均粒径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ92nmであった。
<Bk樹脂被覆型顔料分散液の調製>
−ポリマー溶液Aの調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃に昇温した。次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液Aを800g得た。
ポリマー溶液Aを28gと、C.I.カーボンブラック(デグサ社製、FW100)を42g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータ用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、更に粗大粒子を除くためにこの分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、顔料固形分15質量%、固形分濃度20質量%のカーボンブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液が得られた。カーボンブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液におけるポリマー微粒子について、粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ104nmであった。
―C樹脂被覆型顔料分散液の調製―
前記調製例3においてカーボンブラック顔料をピグメントブルー15:3に変更したほかは調製例3と同様にしてC樹脂被覆型顔料分散液を得た。顔料固形分15質量%、固形分濃度20質量%のC樹脂被覆型顔料分散液が得られた。C樹脂被覆型顔料分散液における樹脂被覆型顔料について、粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ89nmであった。
―M樹脂被覆型顔料分散液の調製―
前記調製例3においてカーボンブラック顔料をピグメントレッド122に変更したほかは調製例3と同様にしてM樹脂被覆型顔料分散液を得た。顔料固形分15質量%、固形分濃度20質量%のM樹脂被覆型顔料分散液が得られた。M樹脂被覆型顔料分散液における樹脂被覆型顔料について、粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ90nmであった。
―C界面活性剤分散型顔料分散液の調製―
ピグメントブルー15:3 ・・・200質量部
ポリオキシエチレン(n=40)βナフチルエーテル
(下記一般式(IV)でl=0、n=40としたノニオン性分散剤)・・・50質量部
蒸留水 ・・・750質量部
−ポリカーボネート系アニオン性ウレタン樹脂水分散体1の調製−
撹拌機及び加熱器を備えた簡易加圧反応装置に、Mn2,000の結晶性ポリカーボネートジオール[デュラノールT6002、旭化成ケミカルズ(株)製]287.9部、1,4ブタンジオール3.6部、DMPA8.9部、水添MDI98.3部及びアセトン326.2部を、窒素を導入しながら仕込んだ。
その後90℃に加熱し、8時間かけてウレタン化反応を行い、プレポリマーを製造した。反応混合物を40℃に冷却後、トリエチルアミン6.8部を添加・混合し、更に水568.8部を加え回転子−固定子式方式の機械乳化機で乳化することで水性分散体を得た。得られた水性分散体に撹拌下、10%のエチレンジアミン水溶液を28.1部加え、50℃で5時間撹拌し、鎖伸長反応を行った。
その後、減圧下に65℃でアセトンを除去し、水分調節をして、固形分40質量%のポリウレタン樹脂水分散体1を得た。ポリウレタン樹脂水分散体1について、粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ42nmであった。
<実施例1>
攪拌機を備えた容器に1.3−ブタンジオール15部と3−メチル−1.3−ブタンジオール10部とトリエチレングリコール8部と2−エチル−1.3−ヘキサンジオール2部とCapstone FS−30(Chemours社製)0.07部とBYK−028(ビックケミー・ジャパン社製)0.08部を入れ、30分程度攪拌して均一にする。次いで、Bk自己分散型顔料分散液(調製例1)を顔料固形分量で7.0部および高純水を最終的に全体が100部となるように加え、60分程度攪拌して均一にする。さらにポリカーボネート系アニオン性ウレタン樹脂水分散体(調製例7)を樹脂固形分量で2部加え、30分攪拌してインクを均一にする。このインクジェット記録用インクを平均孔径1.2μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子およびごみを除去して実施例1のインクジェット記録用インクを作製した。
実施例1と同様に、下記表1〜3に示した水溶性有機溶剤、界面活性剤を混合攪拌し、色材(顔料分散体)、高純水を加えて混合攪拌し、さらには水分散性樹脂を混合攪拌しインクを均一とする。このインクジェット記録用インクを平均孔径1.2μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子およびごみを除去して実施例2〜18および比較例1〜7のインクジェット記録用インクを作製した。
・DSN403N(ダイキン工業製):フッ素系界面活性剤
・TEGO WET270(エポニック デグサ社製):シリコーン系界面活性剤
・SM−5571 EMULSION(東レ・ダウコーニング社製):
シリコーン系消泡剤
・オルフィンAF−103(日信化学工業社製):炭化水素系界面活性剤
・SS−2801(日本ユニカー社製):シリコーン系界面活性剤
・FX−2105(日本ユニカー社製):シリコーン系界面活性剤
・サーフィノールMD−20(日信化学工業社製):アセチレングリコール系界面活性剤
<インク粘度測定>
インクの粘度は、粘度計(RE−550L、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
インクのpHは、pHメータ計(HM-30R型、TOA-DKK株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いて、固形分濃度が0.01質量%になるように純水で希釈し、顔料粒子径(D50)を測定した。
各インクをポリエチレン容器に入れ密封し、70℃で2週間保存した後の、粘度を測定し、初期物性との変化率により下記のように評価した。
A: ±5%以内
B:±10%未満
C:±10%以上
JIS K 3362に従い、起泡性および泡の安定性の評価(ロスマイルス法)をおこなった。
インク200mLを10℃環境下で900mmの高さから30秒間で液面上に落下させたときに生じる泡の高さ(mm)を目視によって測定して起泡力として,その5分後に、目視によって泡の高さ(mm)を泡の安定度として測定した。
23±0.5℃、50±5%RHに調整された環境条件下、インクジェット記録装置(IPSiO GXe−5500、株式会社リコー製)を用い、インクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、記録用メディアに同じ付着量のインクが付くように設定した。
マイペーパー(株式会社リコー製)上に印字を行い、印刷パターンは、ブラック、マゼンタ、シアンの各インクジェット記録用インクを印字条件は100%duty、記録密度は300dpi、ワンパス印字として印字した。
印字乾燥後、ブラック、マゼンタ、シアンの各単色ベタ画像部において、反射型カラー分光測定濃度計(X−Rite社製)により画像濃度を測定し、下記の基準で判定した。
〔評価基準〕
A:Black ・・・1.25以上
Magenta・・・1.05以上、又は
Cyan ・・・・1.05以上
B:Black ・・・1.2以上1.25未満
Magenta・・・1.0以上1.05未満、又は
Cyan ・・・・1.0以上1.05未満
C:Black ・・・1.15以上1.2未満
Magenta・・・0.95以上1.0未満、又は
Cyan ・・・0.95以上1.0未満
Microsoft Word2000にて作成した一色当りA4サイズ用紙の面積5%をベタ画像にて塗りつぶすチャートを連続200枚、MyPaper(株式会社リコー製)に打ち出し、打ち出し後の各ノズルの吐出乱れから評価した。印字モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準はやい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準〕
A:吐出乱れなし
B:若干吐出乱れあり
C:吐出乱れあり、もしくは吐出しない部分あり
前記吐出安定性の評価における200枚連続駆動後にノズルチェックパターンを印字し、ノズル抜け数をカウントした。
〔評価基準〕
A:ノズル抜けなし
B:抜けノズル数15%未満
C:抜けノズル数15%以上
次に、表5に示すように、上記実施例で作製したカラーインク(A)とブラックインク(B)とを組み合わせて、実施例19〜24のインクセットを作製し、以下に示す評価方法にて、各インクセットの色間滲み評価を行った。結果を表5に示す。
カラーインク(A)ベタ画像部中にブラックインク(B)の文字を印字する印刷パターンを用い、試験用紙としてマイペーパー(株式会社リコー製)およびインクジェット用トレーシングペーパーRJT(オストリッチダイヤ製、坪量50g/m2時におけるステキヒト・サイズ度が10秒以上の低吸液性印刷用紙)を用いて印字を行った。印字条件は100%duty、記録密度は300dpi、ワンパス印字とした。カラーインク(A)とブラックインク(B)の文字間のカラーブリード(にじみ)を目視にて、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。なお、本発明においては、Bが許容範囲である。
〔評価基準〕
A:カラーブリードの発生がなく、黒文字が鮮明に認識できる。
B:カラーブリードが若干発生し、黒文字が少しにじむ。
C:カラーブリードが発生し、黒文字の認識が困難である。
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
Claims (12)
- 前記界面活性剤(a)が、下記一般式(III)で表される化合物である請求項1に記載のインク。
C6F13−CH2CH2O(CH2CH2O)nH …一般式(III)
(一般式(III)中、nは1以上40以下の整数である。) - 前記インク中に含まれる前記界面活性剤(a)の質量(Wa)と、前記化合物(b)の質量(Wb)との質量比(Wa/Wb)が0.05以上5.00以下である請求項1又は2に記載のインク。
- 前記インク中に含まれる前記界面活性剤(a)の質量(Wa)と、前記化合物(b)の質量(Wb)との質量比(Wa/Wb)が0.05以上0.95以下である請求項1乃至3のいずれかに記載のインク。
- 前記色材が顔料である請求項1乃至4のいずれかに記載のインク。
- 前記顔料が自己分散顔料である請求項5に記載のインク。
- 前記顔料が樹脂被覆型顔料である請求項5に記載のインク。
- 水、有機溶剤、色材、界面活性剤を含有し、
ロスマイルス法(JIS K 3362)に従い測定した流下直後の泡の高さが5mm以下であるインク。 - カラーインク(A)とブラックインク(B)とを有するインクセットであって、前記カラーインク(A)及び前記ブラックインク(B)はいずれも、それぞれ独立に、請求項1乃至8のいずれかに記載のインクであるインクセット。
- 前記インク(A)中に含まれる前記化合物(b)の質量(WbA)と、前記インク(B)中に含まれる前記化合物(b)の質量(WbB)との質量比(WbA/WbB)が1以上20以下である請求項9に記載のインクセット。
- インクと、前記インクを付着させる記録媒体とを有する画像形成セットであって、
前記インクが、請求項1乃至8のいずれかに記載のインクであり、前記記録媒体が、普通紙又は坪量50g/m2時におけるステキヒト・サイズ度が10秒以上の低吸液性印刷用紙である画像形成セット。 - カラーインク(A)とブラックインク(B)とを有するインクセットと、前記インクセットの有するカラーインク(A)及びブラックインク(B)を付着させる記録媒体とを有する画像形成セットであって、
前記インクセットが、請求項9又は10に記載のインクセットであり、前記記録媒体が、普通紙又は坪量50g/m2時におけるステキヒト・サイズ度が10秒以上の低吸液性印刷用紙である画像形成セット。
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