JP2018002517A - 種結晶保持ジグ及びこれを用いた結晶育成装置 - Google Patents

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敏男 東風谷
Toshio Kochiya
敏男 東風谷
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Abstract

【課題】単結晶の育成から育成終了時の単結晶と原料融液を切離すまでの引き上げ軸の引き上げ過程において、炉内温度変動を生じさせず、結晶育成装置の引き上げ可動範囲が有効に使用でき、単結晶の長尺化が可能となる種結晶保持ジグ及びこれを用いた結晶育成装置の提供。【解決手段】種結晶160を保持するための種結晶保持部91と同一の断面形状を有し、種結晶保持部91と合わせた全長が引き上げ軸の上下移動のストロークの距離よりも長くなるように構成された延伸部92を有する種結晶保持ジグ90。【選択図】図3

Description

本発明は、種結晶保持ジグ及びこれを用いた結晶育成装置に関する。
従来から知られている単結晶を製造する方法として、チョクラルスキー法(以下、「Cz法」という。)に代表される引き上げ法が用いられており、例えば、シリコンやサファイアなどの多くの結晶がこの引き上げ法により製造されている。
チョクラルスキー法の場合、単結晶用原料を溶融した原料融液に、種結晶を接触させた後、種結晶を回転させながら徐々に引き上げることで単結晶を育成することができる。そして、種結晶は、単結晶育成装置内で移動させるため、通常は種結晶保持ジグにより保持されている。
そして、種結晶を保持するジグは各種検討がなされている。例えば、特許文献1では、シードチャック及びシード押え部材を用い、シードをシードチャックとシード押え部材で挟み保持する方式が開示されている。
特開昭63−295494号公報
ところで、近年、単結晶のコストダウンの要求が強く、これに伴い現状の単結晶育成装置を使用し、最大限の結晶の大型化、長尺化の開発が進められてきている。特に長尺化については、育成装置の引き上げ可動範囲を最大限利用し進められてきている。
しかしながら、長尺化を図るべく、可動範囲を最大限利用し結晶育成を行ったが、単結晶の引き上げ中、及び単結晶育成が終了した後に単結晶と原料融液を切離す際等、引き上げ軸を上方に移動させる過程において、結晶育成装置の引き上げ可動範囲内であるにもかかわらず、炉内の温度が急激に変動する現象が見られた。単結晶育成においては、精密な温度制御を行うことで結晶の形状制御を実施するため、炉内で急激な温度変動が生じると、結晶形状や品質に重大な不具合が発生する場合がある。また、冷却中においても、炉内温度変動による育成単結晶の再融解や、急激な温度変動による育成単結晶の割れ発生などの不具合が生じる可能性がある。
そこで、本発明は、上述の従来技術が有する問題に鑑み、結晶育成装置において、単結晶の引き上げ工程などで急激な炉内温度変動が生じず、結晶育成装置の引き上げ可動範囲を有効に使用し、単結晶の長尺化が可能な種結晶保持ジグ及びこれを用いた結晶育成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る種結晶保持ジグは、結晶育成装置の結晶引き上げの際に用いられる種結晶を保持するための種結晶保持ジグであって、
前記種結晶の断面を包含する断面形状を有し、前記結晶引き上げの際の引き上げストロークよりも長い距離において前記断面形状が一定である部分を有する。
本発明によれば、結晶育成装置において、結晶引き上げ工程等で炉内の温度変化を低減させることができる。
本発明の実施形態に係る結晶育成装置の構成例を示した断面図である。 従来の種結晶保持部の一例を示した図である。 本発明の実施形態に係る種結晶保持ジグの一例を示した図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
図1は、本発明の実施形態に係る結晶育成装置の構成例を示した断面図である。特に、図1は、結晶育成装置の内部に配置した坩堝の中心軸を通る面での断面図を模式的に示したものである。
本実施形態に係る結晶育成装置は、チャンバー(又は炉体)70と、チャンバー70の内部に設置された断熱材50と、を有する。
断熱材50で囲まれた断熱空間の中には、単結晶の育成方法に応じて必要な部材を配置することができる。結晶育成装置では、Cz法を用いた単結晶育成装置の構成例を示す。
結晶育成装置の断熱空間の中には、育成する単結晶の原料である単結晶用原料を充填して保持した坩堝10を配置する。坩堝10は、例えば、坩堝支持軸20上に載置してもよい。
そして、坩堝10内に充填した単結晶用原料150を加熱するための加熱体を坩堝10の周囲に配置することができる。加熱体として例えば坩堝10の側面に対向するように側面ヒータ30を配置することができる。なお、加熱体としては側面ヒータ30だけではなく、坩堝10の底面と対向するように配置した底面ヒータ40等を設けることもできる。また、発熱方式として高周波誘導加熱方式を用いる場合には、加熱体が坩堝10となり、高周波誘導コイルを坩堝10の周囲に設けることができる。その場合には、側面ヒータ30を高周波誘導コイルとして構成すればよい。
坩堝10内に充填した単結晶用原料を加熱することにより融解し、原料融液150を形成することができる。また、必要に応じて原料融液150等からの輻射熱を原料融液150に戻すための多層型の熱遮蔽板60を坩堝10の上方に配置してもよい。
断熱材50は、坩堝10の周囲を覆うが、坩堝10の中心の上方及び下方には、開口51、52を各々有する。断熱材50の上面の坩堝10の中心上に設けられた開口51は、種結晶保持ジグ90を貫通させるために設けられ、断熱材50の下面の坩堝10の中心上に設けられた開口52は、坩堝支持軸20を貫通させるために設けられる。炉体70の上面の坩堝10の中心の上方、つまり断熱材50の開口51と重なる位置にも、開口71が設けられる。開口71は、種結晶保持ジグ90及び引き上げ軸80を貫通させるために設けられる。
また、坩堝10の上方には、坩堝10側の先端に種結晶160を固定して保持できるように構成された種結晶保持ジグ90と、さらに上方に引き上げ軸80を配置することができる。引き上げ軸80は、断熱材50よりも上方にある。また、引き上げ軸80は、更に炉体70よりも上方にあってもよい。引き上げ軸80の下端部には、種結晶保持ジグ90が設けられる。種結晶保持ジグ90は、引き上げ軸80が単結晶140を引き上げる際、断熱材50の開口51との間の間隔を一定に保つべく、引き上げの際のストロークの距離よりも長く、断面形状が一定の部分を有する。同様に、種結晶保持ジグ90は、熱遮蔽板60が断熱材50内に設けられている場合には、熱遮蔽板60の開口61も貫通するため、単結晶140の引き上げの際、開口61との間隔を一定に保つ役割も果たす。このように、種結晶保持ジグ90は、断面形状が一定の部分を、単結晶140の引き上げの際のストロークの距離よりも長く有することにより、単結晶140の引き上げの際、開口51、61付近で単結晶140の温度変化を低減する役割を果たす。よって、図1に示される通り、種結晶保持ジグ90は、種結晶160を単に保持するのに必要な長さよりも大幅に長い長さを有する形状となっている。なお、種結晶保持ジグ90の構成の詳細については後述する。
なお、種結晶保持ジグ90は、炉体70の開口71までは必ずしも到達する必要は無く、炉体70の開口71は引き上げ軸80が通過する構成としてもよいし、種結晶保持ジグ90が炉体70の開口71まで到達する長さを有する構成としてもよい。
結晶育成装置は、引き上げ軸駆動モータ100と、坩堝軸駆動モータ110と、重量測定部120とを有する。引き上げ軸駆動モータ100は、引き上げ軸80を引き上げる駆動力を生み出すモータであり、単結晶140の引き上げの際には、引き上げ軸80を回転させながら上方に引き上げる。坩堝軸駆動モータ110は、坩堝軸20を回転させるためのモータである。また、重量測定部120は、引き上げた単結晶140の重量を測定するための重量測定手段である。
結晶育成装置は、更に、制御部130を備える。制御部130は、結晶育成装置の制御を行うための手段であり、例えば、側面ヒータ30及び底面ヒータ40の加熱温度や、引き上げ軸駆動モータ100及び坩堝軸駆動モータ110の駆動を制御する。また、制御部130は、重量測定部120からの測定重量に基づき、フィードバック制御等を行ってもよい。制御部130は、このような制御を行うための演算処理手段として構成されていればよく、例えば、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶手段を備え、プログラムにより動作するマイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)から構成されてもよいし、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の用途向けに複数機能の回路を1つにまとめた集積回路として構成されてもよい。
結晶育成装置には、図1に示した部材以外にも単結晶の育成に必要な各種部材を設けることができる。例えば、炉体(チャンバー)70内の雰囲気を制御するため、気体供給手段や、排気手段、圧力測定手段等を設けることができる。また、加熱体による出力等を制御するため、炉体70内の任意の場所に温度測定手段を設けることや、炉体70内の原料融液150や、種結晶160の状態を確認するための観察窓等を設けることもできる。
以上のような構成を有する結晶育成装置により単結晶140を育成する場合、まず、坩堝10内に充填した単結晶用原料を加熱体である側面ヒータ30により加熱して融解し、原料融液150とする。次いで、引き上げ軸80を下げ、引き上げ軸80の先端(下端)に設けられた種結晶保持ジグ90に固定した種結晶160を原料融液150に接触させるシーディングを実施できる。そして、引き上げ軸80を操作して種結晶160を回転させながら上昇させることで、単結晶140を育成することができる。単結晶140の育成が終了した後は、原料融液150と育成した単結晶140とを切り離した後、冷却し、炉体70内から育成した単結晶140を取出すことができる。
その際、上述のように、種結晶保持ジグ90は、引き上げ軸80により引き上げられるが、断面形状が一定の部分が引き上げのストロークよりも長いので、断熱材50の開口51との隙間の距離及び熱遮蔽板60の開口61との隙間の距離を引き上げ中一定にすることができ、単結晶140の温度変化を抑制することができる。
次に、本発明の特徴である種結晶保持ジグ90について、より詳細に説明する。本発明の実施形態に係る種結晶保持ジグ90は、融液面に対して水平方向外形が略一定であること、つまり断面形状が略一定であることを特徴としている。
これは、前述したように、従来の結晶育成装置を使用し単結晶140の長尺化を図った際、結晶育成装置の引き上げ可動範囲で使用したにもかかわらず、単結晶140の引き上げ中、及び単結晶育成が終了した後に単結晶140と原料融液150とを切離す際に、引き上げ軸80を上方に移動させる過程において、断熱材50内の温度が変動する現象が見られた。断熱材50内の温度が変動すると、単結晶140の温度も変動し、均一な品質を有する単結晶140の引き上げが困難となってしまう。
そこで、本発明者らは、かかる問題点を解決するために鋭意研究を重ね、単結晶140を引き上げている際に発生する温度変動の原因を調査した。その結果、単結晶140の引き上げ及び単結晶140と原料融液150を切離す際に、種結晶保持部の位置が変動し、種結晶保持部自身が種結晶160を融液表面へ到達するために設けられた断熱材50や熱遮蔽板60の貫通孔(開口)51、61を閉塞することで、断熱材50内の熱のバランスが崩れ、温度変動を生じさせている事を突き止めた。
単結晶140の引き上げの際、結晶育成装置の引き上げ軸80を上下に移動させるが、従来はある程度余裕をもって移動させていたため、種結晶保持部が断熱材50又は熱遮蔽板60の貫通孔(開口)51、61に到達することはなかった。しかし、単結晶140の長尺化のため、可動範囲を有効に活用した場合、種結晶保持部が断熱材50又は熱遮蔽板60の貫通孔に到達する事態が発生した。
引き上げ可動部の構成は、大きく分けて2つの部分に分かれている。1つ目は、種結晶160自身を保持するための種結晶保持ジグ部である。2つ目は、種結晶保持ジグ部と単結晶育成装置の上下駆動部を連結するための引き上げ軸部である。
図2は、従来の種結晶保持部190の一例を示した図である。種結晶保持部190は、種結晶160を保持するための筒状のものであり、種結晶160を挿入するための穴191と固定するためのピン192挿入の機構で構成されている。そのため、種結晶160よりも断面積が大きい構成となっている。一方で、種結晶保持部190の上方に設けられた引き上げ軸部180は、種結晶保持部190と断面積が異なる構成が一般的である。
そのため、種結晶190と融液を接触させた後に引き上げながら単結晶140を育成及び、又は単結晶140と原料融液150を切離す際に、種結晶保持部190が上方へ移動する。断熱材50又は熱遮蔽板60の貫通孔(開口)51、61において、引き上げ軸部180から種結晶保持部190に切り替わる時、種結晶保持部190の断面積が大きくなるため、貫通孔51、61を閉塞し貫通孔51、61の開口面積が小さくなる。このため、断熱材50で囲まれた領域からの熱の流出が小さくなり、温度が上昇する。
単結晶育成中に断熱材50で囲まれた領域の温度が上昇した場合には、育成した単結晶140の再融解や成長速度の変化による形状制御の不安定が生じる。また、種結晶160が融解した場合には、育成した単結晶140が落下することがある。また、切り離し操作時に断熱材50で囲まれた領域の温度が上昇した場合には、育成した単結晶140の再融解が生じる等、不具合が発生する。
また、逆に引き上げ軸部180の断面積が大きい場合は、断熱材50に囲まれた領域の温度が急激に降下する。結晶育成中に、この現象が発生すると、単結晶140が急成長し、急成長部分で多結晶化してしまい単結晶としては使用できない。また、結晶切離し時に、この現象が発生した場合には、急激な温度低下により育成結晶が割れることがある。
そこで、本発明では、種結晶160と原料融液150が接触する単結晶育成開始時から、育成した単結晶140と原料融液150を切り離して冷却を実施する単結晶育成終了までの間に、断熱材50又は熱遮蔽板60の開口51、61を通過する種結晶保持ジグ90の断面形状及び断面積が一定である種結晶保持ジグ90を見出した。
図3は、本発明の実施形態に係る種結晶保持ジグ90の一例を示した図である。種結晶保持ジグ90は、種結晶保持部91と、延伸部92と、連結部93と、溝94と、貫通穴95と、ピン96を有する。
種結晶保持部91は、種結晶160を保持する部分であり、種結晶160の上端及び側面を覆うことができる溝94を有する。延伸部91は、種結晶保持部91と同一の外形を有し、種結晶保持部91と合わせた全長が引き上げ軸80の上下移動のストロークの距離よりも長くなるように構成された部分である。なお、引き上げ軸80の上下に移動のストロークの距離は、種結晶160を原料融液150の接触させた位置から育成した単結晶140と原料融液150を切り離して冷却を実施する単結晶育成終了までに引き上げ軸80が移動する距離である。種結晶保持部91は、種結晶160を保持するため、種結晶160と係合する溝94が必要であるが、延伸部91は、同一の断面形状を有して延伸していればよいので、中空であってもよいし、中実であってもよい。水平断面の断面形状の外形が種結晶保持部91と同一であれば、内部構造は用途に応じて種々の構造とすることができる。
連結部93は、引き上げ軸80と連結するための部分である。なお、連結部93は、必ずしも設ける必要は無く、延伸部92の上面を直接引き上げ軸80に連結するような構成としてもよい。また、連結部93と引き上げ軸80との連結、又は連結部93が存在しない場合における延伸部92と引き上げ軸80の連結については、引き上げ軸部と一体加工、ネジ等による螺合連結、嵌合部材を用いた連結等、用途に応じて種々の連結構造を採用することができる。
種結晶160の形状は、加工の容易性や結晶の方向等の要因から、一般的に正方形の断面形状を有する直方体である。この種結晶160を保持する種結晶保持ジグ90は、種結晶160の形状に合わせた形状とすることが好ましい。一般的には、種結晶160は正方形の端面を有する直方体なので、水平方向の断面形状は正方形である。しかし、特に種結晶保持ジグ90の断面形状は限定されない。例えば、直方体の種結晶160に対して種結晶保持ジグ90の断面形状が円形でも良い。ただし、引き上げ軸80の垂直方向中心軸に対して対称性があることが好ましい。対称性が無い場合には、重量バランスにより引き上げ軸80の垂直方向中心軸に沿って種結晶160が上下動できない恐れがある。種結晶保持ジグ90の長さは、種結晶160と原料融液150が接触する単結晶育成開始時から、育成した単結晶140と原料融液150を切離して冷却を実施する単結晶育成終了までの引き上げるストロークの長さ以上に設定する。これにより、断熱材50又は熱遮蔽板60の開口(貫通孔)51、61を通過する種結晶保持ジグ90の断面積が一定となり、炉体70内の温度は安定する。種結晶160を種結晶保持ジグ90に固定する方法は、特に限定はないが、種結晶保持ジグ90の外形を変更しない形状とする。一般的には、図3に示すように、種結晶保持ジグ90の側面に貫通穴95が形成され、貫通穴95にピン96等を挿入して固定する。なお、このようなピン96を用いて種結晶160を種結晶保持ジグ90に固定する場合、種結晶160に予め貫通孔161を形成しておき、容易にピン96を挿入できるように種結晶160を加工しておくことが好ましい。
種結晶保持ジグ90の上方にある引き上げ軸80は、断熱材50の上面よりも上方で上下動し、開口51を通過せず、種結晶保持ジグ90のように制約は受けないため、自由な形状に設定できるが、結晶140を引き上げながら回転させるため、水平断面は円形が一般的である。
本発明の実施形態に係る種結晶保持ジグ90を使用することにより、結晶育成装置の引き上げ可動範囲を有効に活用し、炉体70内の温度を安定させ、単結晶140の長尺化を図ることが可能なる。なお、本発明の実施形態に係る種結晶保持ジグ90は、単結晶育成装置であれば単結晶の種類を選ばず、種々の単結晶140の育成に用いることができる。また、種結晶160が円柱形状等の場合であっても、種結晶保持ジグ90の溝94及び種結晶保持部91及び延伸部92の形状を、種結晶160の形状に合わせ、例えば円柱形状とすることにより、種々の形状の種結晶160に適用可能である。
[実施例]
以下に具体的な実施例、比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、理解の容易のため、上述の実施形態で説明した構成要素と同様の構成要素には、同一の参照符号を付して説明する。
図1に示した結晶育成装置を用いてサファイア単結晶の育成を実施した。坩堝10中に酸化アルミニウム原料を投入し、側面及び底面ヒータ30、40を作動させて原料融液150を作製した。
種結晶160は10mm角の角柱とし、種結晶保持部91及び延伸部92の外形は20mm角とした。種結晶保持部91と同じ20mm角の部分(延伸部92を合せた部分)が、種結晶保持部91から断熱材50の開口51の高さまでの長さを有する種結晶保持ジグ90を用いた。種結晶保持ジグ90の上端、つまり連結部93で引き上げ軸80と連結した。この構成により、シーディングから切離し操作まで、熱遮蔽板60及び断熱材50の開口61、51の開口面積(種結晶保持ジグ90に塞がれていない開口61、51の隙間面積)は一定となった。
この種結晶保持ジグ90を用いて原料融液150と種結晶160とを接触させサファイア単結晶140の育成を実施したところ、シーディングから切離し操作まで、結晶育成を行うために制御部130により実施した以外の温度変動は見られず、サファイア単結晶140が得られた。
[比較例1]
サファイア単結晶育成において、種結晶保持ジグ90の寸法を以下のように変更したこと以外は、実施例と同様の操作を行った。
種結晶保持部91と同じ20mm角の延伸部92を合せた部分が断熱材50の開口51よりも50mm下方までとし、それよりも上方は直径10mmの丸棒とした。丸棒部と引き上げ軸80とを連結し、単結晶育成を行った。
その結果、シーディングから50mm引き上げたところ、断熱材50で囲まれた領域の温度が上昇し、種結晶160が融解したことにより育成した単結晶が落下した。
[比較例2]
サファイア単結晶育成において、種結晶保持ジグ90の寸法を以下のように変更したこと以外は、実施例と同様の操作を行った。
種結晶保持部91と同じ20mm角の部分が断熱材50の開口51よりも50mm下方までとし、それよりも上方は25mm角とした。25mm角の部分と引き上げ軸80とを連結し、単結晶育成を行った。
その結果、シーディングから50mm引き上げたところ、断熱材50で囲まれた領域の温度が急激に低下し、結晶140が急成長した。結晶140を取り出したところ、急成長部分で多結晶化している事が分かった。
このように、本実施例に係る種結晶保持ジグ90は、延伸部の長さを十分に有しない比較例1、2に係る種結晶保持ジグと比較して、単結晶140及び炉体70内の温度変化を低減でき、均一な単結晶140を育成できることが示された。
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施形態及び実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態及び実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
10 坩堝
20 坩堝支持軸
30 側面ヒータ
40 底面ヒータ
50 断熱材
51、61、71 開口
60 熱遮蔽板
70 炉体
80 引き上げ軸
90 種結晶保持ジグ
91 種結晶保持部
92 延伸部
93 連結部
94 溝
95 貫通穴
96 ピン
100 引き上げ軸駆動モータ
110 ルツボ軸駆動モータ
120 重量測定部
130 制御部
140 単結晶
150 原料融液
160 種結晶
161 貫通孔

Claims (8)

  1. 結晶育成装置の結晶引き上げの際に用いられる種結晶を保持するための種結晶保持ジグであって、
    前記種結晶の断面を包含する断面形状を有し、前記結晶引き上げの際の引き上げストロークよりも長い距離において前記断面形状が一定である部分を有する種結晶保持ジグ。
  2. 前記断面形状は、前記種結晶の断面の形状に沿った形状である請求項1に記載の種結晶保持ジグ。
  3. 前記断面形状は、正方形である請求項1又は2に記載の種結晶保持ジグ。
  4. 前記種結晶保持ジグの下端部には、前記種結晶の上端及び側面を覆うことが可能な溝が設けられている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の種結晶保持ジグ。
  5. 前記種結晶保持ジグの下端部の側面には、前記種結晶を固定するためのピンを挿入可能な穴が設けられている請求項4に記載の種結晶保持ジグ。
  6. 前記断面形状が一定である部分の上端面には、前記結晶育成装置の前記結晶引き上げの際に用いられる引き上げ軸と同形の連結部が設けられた請求項1乃至5のいずれか一項に記載の種結晶保持ジグ。
  7. 結晶原料を保持可能な坩堝と、
    該坩堝の周囲に設けられ、該坩堝を加熱可能なヒータと、
    該ヒータ及び前記坩堝を覆うように設けられ、前記坩堝の中心の上方に開口が設けられた断熱材と、
    該断熱材の上方であって、前記開口に包含される水平位置に設けられ、上下動により結晶を引き上げる引き上げ軸と、
    種結晶を保持するために前記引き上げ軸の下端に連結され、前記開口を貫通して設けられた前記種結晶の断面を包含する断面形状を有し、結晶引き上げの際の前記引き上げ軸の引き上げストロークよりも長い距離において前記断面形状が一定である部分を有する種結晶保持ジグと、を有する結晶育成装置。
  8. 前記断熱材の上面と前記坩堝との間には、前記断熱材の前記開口と重なる位置に第2の開口を有する熱遮蔽板を有し、
    前記種結晶保持ジグは、前記第2の開口を貫通する請求項7に記載の結晶育成装置。
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