JP3741418B2 - シリコン単結晶引上装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はチョクラルスキー法を用いたシリコン単結晶引上装置に関し、特に、単結晶インゴットのクラウン部(肩部)形状が良好で、無転位の単結晶インゴットが安定的に得られるシリコン単結晶引上装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、チョクラルスキー法を用いた従来のシリコン単結晶引上装置は、図6に示すように、水冷チャンバー100と、前記水冷チャンバー100内に配置された石英ルツボ101と、前記石英ルツボ101を保持するカーボンサセプタ102と、前記サセプタ102の側面外周部を囲うカーボンヒータ103と、前記カーボンヒータ103の熱放散ロスを防止する保温筒104(熱遮蔽筒)とを備えている。
また、前記カーボンサセプタ102の底面にはルツボ支持軸105が配設され、外部の図示しない駆動機構によって上下動可能、回転可能に構成されている。したがって、このルツボ支持軸105により、サセプタ102を介して石英ルツボ101が回転、及び上下動する。
【0003】
また、前記水冷チャンバー100には、その天壁面を貫通してルツボ101内に垂下する引上げ用ワイヤー107が配置されている。前記引上げ用ワイヤー107は、水冷チャンバーの外部にあるプルヘッド106を介して図示しない引上げ制御機構に連結されると共に、その先端部にシードチャック(図示しない)を介してシード単結晶108が取り付けられている。このシード単結晶108は、引上げ用ワイヤー107によって上下動、及び回動する。なお、図6中の符号109は水冷チャンバー100内を監視するための監視窓である。
【0004】
このように構成されたシリコン単結晶引上装置では、石英ルツボ101内に収容された多結晶シリコン等の原料をヒータ103で加熱溶融し、その融液L1中にシード単結晶108の先端部を懸垂させて浸ける。そして、充分になじませた後、シード単結晶108の引上げを開始する。
このとき、単結晶を無転位成長させる条件として、シード単結晶108の先端部に直径数mm程度のシードネック110を作成する(この工程を「ネッキング」工程と呼ぶ)。
その後、シード単結晶108を引き上げながら、単結晶を太らせてクラウン部111(この部分を「シードコーン部」または「肩部」とも呼ぶ)を成長させ、引き続いて直胴部(図示しない)を成長させることにより、全体として棒状の単結晶インゴットを育成する。
【0005】
このシリコン単結晶引上げ過程では、クラウン部111の成長工程は最も重要な工程とされている。即ち、このクラウン部のテーパ形状は、無転位成長に影響を及ぼすことが文献等に指摘され、また、円形断面の単結晶インゴットを得るためには、この工程での引上げ速度やシード回転数の適切な調整が重要であることも指摘されている(例えば、W.Zulehner,D.Huber,in;J.Grabmaier(Ed.),Crystals 8,Silicon 、Chemical Etching, Springer,Berlin 、1982,p.7-10 )。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようにチョクラルスキー法を用いたシリコン単結晶製造においては、クラウン部(肩部)の成長工程が重要である。
このクラウン部(肩部)について、所望のテーパ形状及び断面形状を得るためには、引上装置の構造、特に、前記装置の引上げ部やホットゾーン(ヒータ、保温筒、熱遮蔽筒、サセプタ、石英ルツボ等から構成される原料溶融のための構成部)の構造に合わせて、引上速度、シード回転数、ルツボ回転数、ヒータ加熱の消費電力、ルツボ位置等の多数の引上パラメータを調整する必要がある。
【0007】
しかしながら、従来のシリコン単結晶引上装置では、引上げる単結晶インゴットの径やそれに伴うホットゾーン容積が大きくなるに従い、このクラウン部成長工程での調整が困難になる傾向がある。
その結果、ホットゾーンの構造やパラメータ調整の如何によっては、例えば、図7(a)に示すように、前記クラウン部111の成長途中でその直径が急激に張り出し拡大したフラッシュアウト112が発生する。そして、その横断面形状は図7(b)に示すように花びら状に変形する。なお、図7(b)は図7(a)のa−a’断面図である。
このようにフラッシュアウト112が発生し、その横断面が花びら状に変形した場合には、シリコン単結晶の無転位成長が崩れる確率が非常に高くなり好ましくない。
【0008】
前記したフラッシュアウトが発生すると、その矯正は、前記パラメータ調整だけでは充分に達成できない場合が多く、この場合には、過去の経験を頼りに試行錯誤によるホットゾーン構成の変更が必要となる。
【0009】
本発明者等は、上記課題の解決を目的として、先ず、前記クラウン部成長工程で生ずるフラッシュアウトの発生原因を究明すべく、前記工程時におけるルツボ内シリコン融液の温度分布の測定と融液流れの計算機解析を実施した。
この結果、図8に示すように、引上げられるシリコン単結晶の凝固界面近傍の位置に、局所的に周辺よりも低温となる領域(図8において符号Aで示された部分)が認められた。そして、このような局所的に低温領域を有する状態の融液から単結晶を引上げると、前記したフラッシュアウトが発生することが判明した。
本発明者等は、上記知見に基づき、凝固界面近傍に局所的に出現する低温領域の発生解消手段を鋭意検討した結果、本発明を完成するに至ったものである。
【0010】
本発明は、チョクラルスキー法によるシリコン単結晶の引上げ過程で最も重要とされる単結晶インゴットのクラウン部成長工程においてフラッシュアウトの発生を抑制し、所望形状で欠陥のないシリコン単結晶インゴットを製造することができるシリコン単結晶引上装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、チョクラルスキー法を用いたシリコン単結晶引上装置であって、シリコン融液自由表面上からの輻射放熱及びルツボ上部からの輻射放熱を抑制する輻射カバーを、前記融液自由表面とルツボ側壁面の夫々に近接して配設すると共に、前記ルツボ内の底部融液を保温する下部ヒータをルツボ底面の近傍に配設したシリコン単結晶引上装置において、前記輻射カバーが、引上げられるシリコン単結晶の直胴部径より大径の開口を有する基底板部と、前記基底板部の外周縁から垂直上方に延びる筒部と、前記筒部の上端に基底板部と並行に設けられたフランジ部とを備え、前記輻射カバーの基底板部の下面と前記融液自由表面との距離が10〜50mmの範囲に、かつ前記輻射カバーの筒部の外周面とルツボ側壁面との距離が10〜50mmの範囲に夫々位置するように、輻射カバーが配設され、シリコン単結晶引き上げ工程において、ルツボ内のシリコン融液がルツボ底部からルツボ内壁に沿って上方に流動し、凝固界面近傍にあってはルツボ半径方向外方よりルツボの中心に向かって流れる融液状態になされることを特徴とする。
【0012】
このように、輻射カバーが前記融液自由表面とルツボ側壁面の夫々に近接して配設され、前記ルツボ内の底部融液を保温する下部ヒータをルツボ底面の近傍に配設したため、シリコン単結晶引上げ過程のクラウン部(肩部)成長工程において、フラッシュアウトの発生が抑制され、所望のテーパ及び円形の横断面形状に制御することができる。その結果、結晶欠陥の生成が抑制された良品質のシリコン単結晶を得ることができる。
【0013】
即ち、シリコン単結晶引上装置におけるルツボ中心から径方向のシリコン融液面温度分布を示した線図(図8)を参照することにより明らかなように、従来の装置では、凝固界面近傍で局所に周囲よりも低温となる領域(図8において符号Aで示された部分)が見られる。そして、前記融液の温度分布を有する従来の装置からシリコン単結晶を引上げた場合、そのクラウン部引上げ工程において高確率でフラッシュアウト及び花びら変形が発生する。
【0014】
この局所的な低温領域は、図9から明らかように、ルツボ壁の高温部(図9において符号Bで示された部分)から内側(中心部)ヘ移動しつつ上昇し、凝固界面で温度低下した後に、融液自由表面を外周に向かう流動が、ルツボ壁に沿って上昇し融液自由表面で中心に向かう別の流動と衝突して滞留する結果生じる。
従って、上記の局所的な低温領域の発生を抑制するには、凝固界面近傍の融液自由表面で衝突する上記二つの流動(融液表面を外周に向かう流動とルツボ壁に沿って上昇し融液表面で中心に向かう流動)を生じさせないことが必要である。
【0015】
従来の装置のルツボ内融液が図9に示したような複数の流動セルに分岐した流動状態を示す原因にとしては、以下のことが推定される。
即ち、図6に示した装置にあっては、ヒータの発熱分布及びヒータからルツボ内部側への入熱分布が均一ではなく、ヒータの発熱中心に近い部分の入熱が最大となる。その結果、入熱最大の部分にあたるルツボ壁及びその壁に接触する融液の温度が高くなる(例えば、図9でのB部)。
【0016】
この高温部(図9のB部)とルツボ中心部、ルツボ上部との温度差が大きい場合には、融液の対流は前記高温部(B部)を起点として融液内側に向かって上昇し、凝固界面で温度低下した後に、融液表面を外周に向かう流動が発生する。同時に、同じ高温部(B部)を起点として、ルツボ壁に沿って上昇し融液表面で中心に向かう流動も発生する。
そして、上記二つの流動が衝突する結果、融液が表面近傍に部分的に滞留する部分が生じ、これが局所的な低温領域(図9でのA部)となる。
【0017】
従って、図9のB部を起点とする分岐流動する複数の流動セルの発生を抑え、凝固界面近傍の局所的な低温領域(A部)の生成を抑制するには、高温部であるB部に対する局所的な過加熱を低減することが必要である。
その方法として、ヒータからの入熱を、融液自由表面、ルツボ上部、ルツボ底部から放熱させないことが効果的である。即ち、上記放熱を抑制することによって、ルツボと融液の接触部の温度が均一になり、その結果、B部のような過加熱による高温部が解消される。
【0018】
以上のように、本発明は、融液自由表面上及び石英ルツボ上部からの輻射放熱を抑制するための輻射カバーと、ルツボ底部の融液を保温するための下部ヒーターとを組み合わせ、夫々を前記所定位置に設けることにより上記作用効果を奏させ、本発明の目的を達成したものである。
【0019】
特に、前記輻射カバーは、引上げられるシリコン単結晶の直胴部径より大径の開口を有する基底板部と、前記基底板部の外周縁から垂直上方に延びる筒部と、前記筒部の上端に基底板部と並行に設けられたフランジ部とを備え、前記輻射カバーの基底板部の下面と前記融液自由表面との距離が10〜50mmの範囲に、かつ前記輻射カバーの筒部の外周面とルツボ側壁面との距離が10〜50mmの範囲に夫々位置するように配設されている。このため、前記融液自由表面からの輻射放熱と石英ルツボ上部からの輻射放熱をいずれも効果的に抑制することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるシリコン単結晶引上装置の実施の形態を図面を参照して更に詳細に説明する。なお、図1は、本発明のチョクラルスキー法を用いたシリコン単結晶引上装置の構成を示す概略図である。
図1に示されたシリコン単結晶引上装置は、水冷チャンバー1と、前記水冷チャンバー1内部に収容された石英ルツボ2と、前記石英ルツボ2を保持するカーボンサセプタ3と、前記カーボンサセプタ3の側壁外側に設けられた溶融加熱用主ヒータ4と、前記主ヒータ4の外側に設けられた放熱を防止するための保温筒5と、前記石英ルツボ2に収容されたシリコン融液の自由表面上及び石英ルツボ上部からの輻射放熱を抑制するための輻射カバー6と、前記石英ルツボ2の底部保温するための下部ヒータ7と、下部ヒータ7の下方に設けられた放熱を防止する下部保温板8とを備えている。
【0022】
また、前記カーボンサセプタ3の底面にはルツボ支持軸9が配設され、外部の図示しない駆動機構によって上下動可能、回転可能に構成されている。したがって、このルツボ支持軸9により、サセプタ3を介して石英ルツボ2が回転、及び上下動する。
【0023】
前記水冷チャンバー1には、その天壁面を貫通して石英ルツボ2内に垂下する引上げ用ワイヤー10が配置されている。前記引上げ用ワイヤー10は、水冷チャンバー1の外部にあるプルヘッド11を介して図示しない引上げ制御機構に連結されると共に、その先端部にシードチャック(図示しない)を介してシード単結晶12が取り付けられている。このシード単結晶12は、引上げ用ワイヤー10によって上下動、及び回動する。なお、図1中の符号13は水冷チャンバー100内を監視するための監視窓である。
【0024】
また、前記輻射カバー6の好適な形態を、図4、図5に示す。図示したように、前記輻射カバーが、引上げられるシリコン単結晶の直胴部径より大径の開口を有する円環状の基底板部41、51と、前記基底板部の外周縁から上方に延びる筒部42、52と、前記筒部42、52の上端に設けられた円環状フランジ部43、53とから構成されている。
なお、図4に示した輻射カバー6は、筒部42の上方にテーパ面42aを有する点において、図5に示した輻射カバー6と異なる。
【0025】
この装置を稼働してシリコン単結晶を引上げるには、先ず、石英ルツボ2内にシリコン多結晶等の原料を入れ、これを主ヒータ4で加熱溶融させてシリコン融液L1を形成する。このとき、下部ヒータ7を加熱溶融のための補助ヒータとして用いても、用いなくても良いが、溶融後のシード付け以前には通電しておき、石英ルツボ2の底部の融液を保温する。また、加熱溶融時には原料多結晶のチャージ面よりも充分に上方に待機させていた輻射カバー6を、融液自由表面と石英ルツボ2の側壁面の夫々に近接して配設する。
【0026】
この状態における融液流動状態の解析結果は、図2に示すように石英ルツボ2の底部から石英ルツボ壁に沿って上方に流動する大きなセル流が認められるだけで、図9に見られたような二つの流動セルの衝突現象は見られない。
しかも、シリコン融液の温度分布の測定においても、図3に示されているように、図8に見られたような凝固界面近傍の局所的な低温領域(図8のA部)も発生していない。
【0027】
上記のように、二つの流動セルの衝突現象及び局所的な低温領域が抑制されたのは、輻射カバー6と下部ヒータ7とを共に設置したためと考えられ、図1の装置において、例えば下部ヒータがなく、輻射カバー6のみを配設した場合には、図9に示されたB部が石英ルツボ2上部に移動するだけで、局所的な低温領域A部が凝固界面近傍に発生する状態は変わらない。
他方、輻射カバー6がなく、下部ヒータ7のみを使用した場合には、過加熱されたB部は上記の場合とは逆に石英ルツボ2下部に移動し、局所的な低温領域A部が凝固界面近傍に発生する状態は、同様に変わらない。即ち、本発明の目的とする効果を充分に奏するためには、図1に示すように輻射カバー6と下部ヒータ7とを共に、夫々の所定位置に配設することが必須である。
【0028】
また、融液自由表面及び石英ルツボ上部からの輻射放熱を効果的に抑制するためには、前記輻射カバー6を、融液自由表面上及び石英ルツボ2側壁に近接して配置することが好ましく、例えば、融液自由表面に対向する輻射カバー6基底部下面と融液表面との距離は50mm以下であることが好ましい。
但し、前記輻射カバー6の基底部下面を融液表面に近接し過ぎると、融液表面に波立ちが生じた場合に融液と接触してしまう危険があるため、両者間には10mm以上の距離をおくことが好ましい。
【0029】
また、上記と同様な理由により、前記輻射カバー6の側壁部(短筒外周部)と石英ルツボ側壁部との間隔も50mm以下が好ましく、更に、10mm以下に近づけると石英ルツボ2が加熱軟化して変形した場合に、輻射カバー6と石英ルツボ2が接触する危険があるため、両者の間は10mm以上の距離をおくことが好ましい。
【0030】
また、下部ヒータ7は、可能な限り石英ルツボ2の底部に近接させて配設するのが保温効果上好ましいが、石英ルツボ2自身が引上工程中に上下動するため、水冷チャンバー1下部の有効空間やカーボンサセプタ3の底部形状、肉厚等との関係からその設置位置は自ずと限定される。一般的には、石英ルツボ2の底部外面と前記下部ヒータ7上面との距離は、引上開始時200〜300mm程度に設定される。
また、下部ヒータ7は、ルツボ支持軸を中心にして対称に配設され、石英ルツボ2の底部を均一に保温するように構成されている。
【0031】
更に、下部ヒータ7の保温熱量の調整は、主としてその消費電力を調整制御することにより達成される。
一般に、この下部ヒータの消費電力は主ヒータ4の消費電力の10〜40%程度に制御されることが保温が適正かつ効果的に奏される点から好ましい。
前記下部ヒータ7の消費電力が大きすぎると石英ルツボ2下部が過加熱状態となり、その結果、石英ルツボ2内の融液L1 の上下方向の対流が増加し、単結晶中の酸素濃度の増加や不均一な取り込みが起こる。
具体的に、主ヒータ4と下部ヒータ7について述べると、例えば、
円筒形主ヒータ :内径675mm×高さ540mm、発熱長400mm、1600℃での抵抗値73mΩ
円板形下部ヒータ:直径465mm、厚さ32mm、1600℃での抵抗値32mΩであって、ヒータ部が渦巻き状(蚊取り線香型に形成されたものを用いることができる。
【0032】
【実施例】
「実施例1」
図1の構成を備えた本発明のシリコン単結晶引上装置により、石英ルツボ(内径610mm)内に150kgのシリコン多結晶原料を投入し、次いで溶融して、深さ240mmの融液を調製した。
輻射カバー6の基底板部と融液表面との距離は30mm、輻射カバー6の外周面(側壁部)と石英ルツボ2の側壁部との距離は40mm、主ヒータ4の加熱電力(消費電力)は100kw、下部ヒータ7は、石英ルツボ2の底部の下方200mmに配設され、その加熱電力(消費電力)は20kwであった。
【0033】
図2に、その際の石英ルツボ内の融液流動状態の解析結果を、図3に石英ルツボ内の融液自由表面のルツボ中心から径方向の温度分布測定の結果を、夫々示した(図2、図3は、いずれも石英ルツボ縦断面右半分の状態を示す)。
【0034】
この状態で、シード付け工程、ネッキング工程と順次工程を以降させた後、クラウン部(肩部)成長工程に進み、前記工程を引上速度を調整しながら行った。シード回転、ルツボ位置等、その他のパラメータの全てについて、通常インゴットの直胴部を育成するときの値(従来値)に設定した。
その結果、引上げられた単結晶インゴットのクラウン部にはフラッシュアウトや花びら変形は発生せず、所望のテーパ形状を得ることができた。そして、そのまま無転位で直胴部に移行し、最終的に目的とする直径300mmの無転位の単結晶インゴットを作製した。
更に、上記と同様の条件で同様の操作工程を繰り返し30回実施したが、いずれも極めて良好な結果を得ることができ、再現性が極めて良好であった。
【0035】
【発明の効果】
上述したとおり、本発明のシリコン単結晶引上装置によれば、クラウン部成長工程でのフラッシュアウトや花びら変形の発生を抑制でき、形状の良好なインゴットを無転位で容易に育成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかるシリコン単結晶引上装置の実施形態を示す概略図である。
【図2】図2は、図1に示したシリコン単結晶引上装置のクラウン部成長工程での流動融液の流速ベクトルを示した図である。
【図3】図3は、図1に示したシリコン単結晶引上装置のクラウン部成長工程での融液表面の温度分布を示す図である。
【図4】本発明にかかるシリコン単結晶引上装置で用いられる輻射カバーの一例を示す概略図であって、(a)は斜視図、(b)は縦断面図である。
【図5】本発明にかかるシリコン単結晶引上装置で用いられる輻射カバーの他の例を示す概略図であって、(a)は斜視図、(b)は縦断面図である。
【図6】図6は、従来のシリコン単結晶引上装置の全体の構成を示す概略図である。
【図7】図7は、従来装置のクラウン部引上げの際に生ずる変形を示す図であって、(a)はフラッシュアウト、(b)はその横断面を示す図である。
【図8】図8は、従来装置のクラウン部成長工程での融液表面の温度分布を示す図である。
【図9】図9は、従来装置のクラウン部成長工程での流動融液の流速ベクトルを示す図である。
【符号の説明】
1 水冷チャンバー
2 石英ルツボ
3 カーボンサセプタ
4 主ヒータ
5 保温筒
6 輻射カバー
7 下部ヒータ
8 下部保温板
9 ルツボ支持軸
10 引上げ用ワイヤー
11 プルヘッド
12 シード単結晶
13 監視窓
14 シードネック
15 クラウン部
41、51 基底板部
42、52 筒部
43、53 フランジ部
L1 融液

Claims (1)

  1. チョクラルスキー法を用いたシリコン単結晶引上装置であって、
    シリコン融液自由表面上からの輻射放熱及びルツボ上部からの輻射放熱を抑制する輻射カバーを、前記融液自由表面とルツボ側壁面の夫々に近接して配設すると共に、前記ルツボ内の底部融液を保温する下部ヒータをルツボ底面の近傍に配設したシリコン単結晶引上装置において、
    前記輻射カバーが、引上げられるシリコン単結晶の直胴部径より大径の開口を有する基底板部と、前記基底板部の外周縁から垂直上方に延びる筒部と、前記筒部の上端に基底板部と並行に設けられたフランジ部とを備え、
    前記輻射カバーの基底板部の下面と前記融液自由表面との距離が10〜50mmの範囲に、かつ前記輻射カバーの筒部の外周面とルツボ側壁面との距離が10〜50mmの範囲に夫々位置するように、輻射カバーが配設され、
    シリコン単結晶引上げ工程において、ルツボ内のシリコン融液がルツボ底部からルツボ内壁に沿って上方に流動し、凝固界面近傍にあってはルツボ半径方向外方よりルツボの中心に向かって流れる融液状態になされることを特徴とするシリコン単結晶引上装置。
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