JP6060349B1 - サファイア単結晶部材製造装置およびサファイア単結晶部材の製造方法 - Google Patents

サファイア単結晶部材製造装置およびサファイア単結晶部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】サファイア単結晶部材の生産性に優れること。【解決手段】ダイを内部に配置した坩堝および加熱部材を収納する第一容器100と、連通口102を介して第一容器100と連通する第二容器200と、下端部に平板状の種結晶300を保持するシャフト210と、種結晶300を覆うようにシャフト210に固定された板状の傘部220と、第二容器200の下部に配置された開閉扉230と、開口部162を有し、開口部162が連通口102の下方側に位置するように第一容器100内に配置された仕切板160とを備え、鉛直方向Zと直交する平面方向において、(i)開口部162の開口面積が、連通口102の開口面積よりも小さく、かつ、(ii)開口部162の内周輪郭線が、傘部220の外周輪郭線よりも外側に位置するサファイア単結晶部材製造装置およびこれを用いたサファイア単結晶部材の製造方法。【選択図】図2

Description

本発明は、サファイア単結晶部材製造装置およびサファイア単結晶部材の製造方法に関するものである。
サファイア単結晶部材などの高融点の単結晶部材の製造方法としては、様々な方法が知られているが、その中でも、板状などの所望の形状の単結晶部材の製造が容易な方法として、EFG(Edge−defined Film−fed Growth)法が知られている。このEFG法では、一般的に次の手順で単結晶部材を結晶成長させる。まず、坩堝内に、アルミナ等の原料を供給し、溶解する。次に、溶解した原料融液が、毛細管現象により坩堝内に配置されたダイのスリットを上昇し、ダイの上部において種結晶と接触する。そして、この種結晶を徐々に上方へと引き上げることで、種結晶と接触した原料融液を結晶化させて単結晶部材を製造する。
このEFG法を利用した単結晶部材製造装置としては、たとえば、特許文献1に開示の製造装置が知られている。特許文献1記載の単結晶部材製造装置においては、複数のスリットを備えたダイと、平板上の種結晶(シード基板)とを組み合わせて用いることで、育成容器内にて1度に複数枚の平板状の単結晶部材を育成する。また、育成された単結晶部材は、シード基板を保持するシャフトを上方へと移動させることで、育成容器から育成容器の上部に設けられた引き上げ容器内へと移送される。その後、引き上げ容器の側面部に設けられた取出口から単結晶部材が取り出される。
特許第4465481号
一方、近年、平板状のサファイア単結晶部材に対して各種の加工を施して作製されるサファイア基板としては、よりサイズの大きなものが求められている。このため、特許文献1記載の単結晶部材製造装置を用いてサファイア単結晶部材を製造する場合においても、シャフト下端に保持されたシード基板を引き上げることによって育成される複数枚のサファイア単結晶部材のサイズもより大きくなりつつある。しかしながら、サファイア単結晶部材の製造に用いるアルミナは極めて高い融点(融点:2072℃)を持つため、育成容器内や育成直後のサファイア単結晶部材は極めて高温になる。これに加えて、育成容器内にて育成するサファイア単結晶部材のサイズが大型化するに伴い、サファイア単結晶部材自体の熱容量も大きくなる。それゆえ、EFG方式を利用したサファイア単結晶部材の製造においては、育成直後の高温のサファイア単結晶部材を放冷して取り出すまでの期間が長時間となりやすく、生産性の低下を招いている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、サファイア単結晶部材の生産性に優れたサファイア単結晶部材製造装置およびこれを用いたサファイア単結晶部材の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、
本発明のサファイア単結晶部材製造装置は、複数のスリットを備えたダイ、ダイを内部に配置した坩堝および加熱部材を収納し、上部に連通口を備えた第一容器と、連通口を介して第一容器と連通し、かつ、第一容器の上部に配置された第二容器と、第一容器および第二容器内を鉛直方向に移動可能であり、中心軸が鉛直方向に平行を成すようにダイの上方に配置され、かつ、下端部に平板状の種結晶を保持するシャフトと、種結晶の上方側に、種結晶を覆うようにシャフトに固定された板状の傘部と、第二容器の下部に配置された開閉扉と、開口部を有し、開口部が連通口の下方側に位置するように第一容器内に配置された仕切板と、を少なくとも備え、鉛直方向と直交する平面方向において、(i)開口部の開口面積A1が、連通口の開口面積A0よりも小さく、かつ、(ii)開口部の内周輪郭線が、傘部の外周輪郭線よりも外側に位置することを特徴とする。
本発明のサファイア単結晶部材製造装置の一実施形態は、鉛直方向と直交する平面方向において、傘部および開口部は、シャフトの中心軸に対して点対称を成すように設けられていることが好ましい。
本発明のサファイア単結晶部材製造装置の他の実施形態は、鉛直方向と直交する平面方向において、開口部の内周輪郭線と、傘部の外周輪郭線との最短距離が25mm以下であることが好ましい。
本発明のサファイア単結晶部材製造装置の他の実施形態は、開口部の開口面積A1を100%とした際の仕切板と平行を成す平面方向における傘部上面の面積A2が80%〜97%の範囲内であることが好ましい。
本発明のサファイア単結晶部材製造装置の他の実施形態は、仕切板が、第一容器に対して脱着可能に取り付けられていることが好ましい。
本発明のサファイア単結晶部材製造装置の他の実施形態は、開閉扉が、ゲートバルブを含むことが好ましい。
本発明のサファイア単結晶部材製造装置の他の実施形態は、開閉扉が、ゲートバルブと、内部に冷却媒体が流通可能な流路を有する仕切弁を備えた液冷式シャッタとを含み、鉛直方向において、液冷シャッタは、ゲートバルブの下方側に配置されていることが好ましい。
本発明のサファイア単結晶部材の製造方法は、本発明のサファイア単結晶部材製造装置を用い、開閉扉を開けた状態で、シャフトの下端に保持される種結晶を、内部にアルミナ融液が満たされた坩堝内に配置されたダイの上端部に接触させた後、種結晶を上方へと徐々に引き上げることで、種結晶の下方側に複数枚のサファイア単結晶部材を形成するサファイア単結晶部材形成工程と、複数枚のサファイア単結晶部材の下端が、開閉扉よりも上方側に達するまで、複数枚のサファイア単結晶部材を第一容器内から第二容器内へと移送するサファイア単結晶部材移送工程と、複数枚のサファイア単結晶部材の下端が、開閉扉よりも上方側に達した後に、開閉扉を閉鎖する開閉扉閉鎖工程と、開閉扉が閉鎖された状態の第二容器内において、複数枚のサファイア単結晶部材を冷却する冷却工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、サファイア単結晶部材の生産性に優れたサファイア単結晶部材製造装置およびこれを用いたサファイア単結晶部材の製造方法を提供することができる。
本実施形態のサファイア単結晶部材製造装置の一例を示す概略模式図である。 本実施形態のサファイア単結晶部材製造装置を用いた製造プロセスの一工程(サファイア単結晶部材移送工程)を示す概略模式図である。 本実施形態のサファイア単結晶部材製造装置を用いた製造プロセスの一工程(開閉扉閉鎖工程)を示す概略模式図である。 本実施形態のサファイア単結晶部材製造装置を構成する仕切板および傘部が、鉛直方向に対して同じ高さに位置する状態の一例を示す拡大模式図である。 図4中の符号X1−X2間の断面について示す拡大端面図である。 仕切板を備えないサファイア単結晶部材製造装置を用いた製造プロセスの一工程(サファイア単結晶部材移送工程)を示す概略模式図である。 本実施形態のサファイア単結晶部材製造装置の他の例を示す拡大模式図である。
図1は、本実施形態のサファイア単結晶部材製造装置の一例を示す概略模式図であり、具体的にはサファイア単結晶部材育成中の状態について示した図である。ここで、図1を含む各図中において、矢印XYZは互いに直交する方向であり、X方向は水平方向(第一水平方向)を意味し、Y方向はX方向と直交する水平方向(第二水平方向)を意味し、Z方向はXY平面(水平面)と直交する方向(鉛直方向)を意味する。
図1に示す本実施形態のサファイア単結晶部材製造装置10は、その主要部として、上部に連通口102を備えた第一容器100と、連通口102を介して第一容器100と連通し、かつ、第一容器100の上部に配置された第二容器200と、を有する。第一容器100および第二容器200としては、内部に空間を有する容器状の部材であれば特に限定されないが、通常、円柱状容器あるいは四角柱状容器などの多角柱状容器を用いることができる。また、第一容器100には、ガス導入口およびガス排気口が設けられていてもよい。この場合、ガス導入口は、アルゴンガスなどを供給するガス供給源に接続されていてもよく、ガス排出口は、真空ポンプに接続されていてもよい。
第一容器100内には、複数のスリット112を備えたダイ110を内部に配置した坩堝120および加熱部材130が少なくとも収納される。図1に示す例では、有底円筒状の坩堝120内に、ダイ110の上面中心部がシャフト210の中心軸Cと一致するようにダイ110が配置されている。また、このダイ110には、ダイ110を鉛直方向Zに貫通する複数のスリット112が、水平方向Xに沿って略等間隔に設けられている。各々のスリット112は、YZ平面(図中、Z方向と平行かつ紙面に垂直を成す平面)と平行を成すように設けられており、X方向の幅(スリット厚み)は一定とされている。このダイ110の上面は方形を成しており、上面の縦横各々の辺はX方向またはY方向と平行を成す。また、ダイ110は支持部材(図中、不図示)などを用いて、坩堝120内の所定の位置に固定されてもよい。なお、製造する平板状のサファイア単結晶部材310のサイズ等に応じて、種々のサイズのダイ110が利用される。
また、坩堝120の外周面を囲うように円筒状のカーボンヒーターからなる加熱部材130が配置されており、加熱部材130は不図示の電極および配線を介してサファイア単結晶部材製造装置10の外部に配置された電源等に接続されている。なお、加熱部材130としては、カーボンヒーターなどの抵抗発熱体以外に、高周波加熱コイルなどを用いることもできる。
坩堝120は、第一容器100の底部上面に配置された断熱材からなる円盤状の支持台140の上面に設置されている。そして、支持台140の側面、加熱部材130の外周側および加熱部材130の上方側を少なくとも囲うように、断熱材からなる断熱部材150が設けられている。
また、サファイア単結晶部材製造装置10は、第一容器100および第二容器200内を鉛直方向Zに移動可能であり、中心軸Cが鉛直方向Zに平行を成すようにダイ110の上方に配置され、かつ、下端部に平板状の種結晶(シード基板300)を保持するシャフト210と、シード基板300の上方側に、シード基板300を覆うようにシャフト210に固定された板状の傘部220と、第二容器200の下部に配置された開閉扉(ゲートバルブ230)と、開口部162を有し、開口部162が連通口102の下方側に位置するように第一容器100内に配置された仕切板160とを、さらに備えている。
ここで、図1に例示するように、シャフト210、シード基板300、傘部220および仕切板160としては、具体的には以下に説明する部材を用いることができる。まず、シャフト210としては、金属製の棒状部材が用いられる。棒状部材の材質としては、アルミナの融点よりも高い融点をもつ金属材料(合金材料を含む)が利用でき、具体的には、モリブデン、タングステン、タンタル、イリジウムなどが利用できるが、特にモリブデンを用いることが好ましい。また、シャフト210の下端部には、通常、1つ以上の各種の固定部材を介して間接的にシード基板300が保持されると共に、傘部220が固定されるが、シャフト210の下端部に直接、シード基板300が保持されると共に、傘部220が固定されていてもよい。なお、図1に示す例では、シャフト210の下端部に、取付けられたアタッチメント212を介して傘部220が固定されると共に、アタッチメント212、傘部220および傘部220の下面に取付けられたクランプ214を介して、シード基板300が保持されている。
シード基板300としては、長方形状のサファイア単結晶からなる板材が用いられる。そして、シード基板300は、シード基板300のZX平面の長手方向がX方向と平行を成し、シード基板300のZX平面の短手方向が鉛直方向Zと平行を成し、かつ、シード基板300の長手方向の中心点がシャフト210の中心軸Cと略一致するように、シャフト210の下端部に保持される。なお、シード基板300の長手方向両端側には、必要に応じて切欠き部あるいは切欠き穴が設けられていてもよい。また、シード基板300の長手方向の長さは、ダイ110のX方向の一端側のスリット112と他端側のスリット112と間の距離と同等またはこの距離よりも若干大きめに設定される。
傘部220としては、方形状の板材が用いられる。方形板状の傘部220の四隅は、必要に応じて適宜面取り加工が施されていてもよい。板材の材質としては、アルミナの融点よりも高い融点をもつ金属材料(合金材料を含む)が利用でき、具体的には、モリブデン、タングステン、タンタル、イリジウムなどが利用できるが、特にモリブデンを用いることが好ましい。これにより、傘部220が坩堝120側からの輻射熱あるいは高温の上昇気流に直に曝されても、傘部220が変形あるいは劣化するのを抑制できる。また、傘部220は、上面および下面がXY平面と平行を成し、縦横各々の辺がX方向またはY方向と平行を成し、かつ、傘部220の中心点がシャフト210の中心軸Cと一致するようにシャフト210に固定される。また、傘部220のサイズは、ダイ110に対しては、上面が方形状のダイ110の上面と同サイズか、あるいはこれよりも若干大きいサイズとされる。また、X方向において、傘部220の両端は、シード基板300の両端とほぼ同じ位置あるいはシード基板300の両端よりも外側に位置するように設定される。このため、シード基板300の下方側にサファイア単結晶部材310が成長していくに際して、傘部220により、坩堝120側からの輻射熱がさらに上方へと伝達されたり、坩堝120側からの高温の上昇気流がさらに上方へ移動するのを阻害する。それゆえ、サファイア単結晶部材310を製造する際の熱効率を高めることができる。また、XY平面において、傘部220の下方側には、傘部220をはみ出ないように、傘部220の外周側の近くまで成長した複数枚のサファイア単結晶部材310が形成されることになる。
仕切板160としては、ステンレス等の金属材料からなる円板状の板材が用いられ、この板材の中央部近傍には、各々の辺がX方向またはY方向と平行を成す方形状の開口部162が設けられる。なお、仕切板160は、図1に示す例では1枚の円板状の板材であるが、方形状等であってもよく、2枚以上の板材を組み合わせて開口部162を形成するものであってもよい。仕切板160は、XY平面と平行を成すと共に、開口部162が連通口102の下方側に位置するように第一容器100内に配置される。なお、仕切板160は、第一容器100の上部内壁面あるいは第一容器100の側部内壁面の上部側に対して一体的かつ脱着不可能に設けられてもよいが、通常は、ネジ、ナット、支持棒などの取付部材を適宜用いることにより、第一容器100上部内壁面あるいは第一容器100の側部内壁面の上部側などに対して脱着可能に設けられることが特に好ましい。脱着式の仕切板160を用いることにより、製造するサファイア単結晶部材310のサイズに合わせて、適切な開口サイズを持つ開口部162を有する仕切板160を用いることができる。また、仕切板160が第一容器100内に位置するように配置されるのであれば、仕切板160は、取付部材を介して第二容器200の下部近傍(但し、通常はゲートバルブ230等の開閉扉よりもさらに下側部分)の側部内壁面に対して固定されていてもよい。
なお、第一容器100内においてサファイア単結晶部材310を形成する場合、ダイ110が配置された坩堝120内部はアルミナ融液320が満たされると共に、ダイ110は、その上部側を除いてアルミナ融液320中に浸漬する。また、シャフト210は、図1に例示したように第二容器200の上部に設けられたシャフト駆動部240により、鉛直方向Zに沿って上下に移動できる。また、第二容器200の側面であって、かつ、ゲートバルブ230等の開閉扉とシャフト駆動部240との間には、サファイア単結晶部材310の取出口にもなる出入口250が設けられている。
次に、図1〜図3により本実施形態のサファイア単結晶部材製造装置10を用いたサファイア単結晶部材310の製造方法について説明する。なお、図2および図3中において、サファイア単結晶部材製造装置10を構成する各部材のうち、各工程を説明する上で関連性の乏しい部材については適宜記載を省略してある。
サファイア単結晶部材310の製造に際しては、まず、坩堝120内にアルミナ原料を供給した後、これを溶解させてアルミナ融液320を得るために坩堝120を加熱部材130により加熱する。この際、第一容器100および第二容器200内は、必要に応じて、減圧したり、減圧後にアルゴンガスなどの不活性ガスを導入してガス置換しておく。また、出入口250は、サファイア単結晶部材310の取出しまでの間は、終始閉鎖状態とされる。次に、サファイア単結晶部材形成工程と、サファイア単結晶部材移送工程と、開閉扉閉鎖工程と、冷却工程とを順次実施する。
−サファイア単結晶部材形成工程−
サファイア単結晶部材形成工程では、ゲートバルブ230を開けた状態で、シャフト210の下端部に保持されるシード基板300を、内部にアルミナ融液320が満たされた坩堝120内に配置されたダイ110の上端部に接触させる。その後、シード基板300を上方へと徐々に引き上げることで、シード基板300の下方側に複数枚のサファイア単結晶部材310を形成する(図1)。
なお、サファイア単結晶部材形成工程においては、加熱部材130および坩堝120内のアルミナ融液320などに起因する熱が、高温の上昇気流H1や輻射熱H2として、仕切板160の開口部162および連通口102を介して、第二容器200内へと伝達され、第二容器200内も高温状態となる。
−サファイア単結晶部材移送工程−
サファイア単結晶部材形成工程を終えた後は、サファイア単結晶部材移送工程を実施する。このサファイア単結晶部材移送工程では、傘部220の下方に形成された複数枚のサファイア単結晶部材310の下端が、ゲートバルブ230よりも上方側に達するまで、複数枚のサファイア単結晶部材310を第一容器100内から第二容器200内へと移送する。なお、図2は、サファイア単結晶部材移送工程の途中の段階を示している。また、サファイア単結晶部材移送工程における高温の上昇気流H1や輻射熱H2に起因する熱の移動については後述する。
−開閉扉閉鎖工程−
開閉扉閉鎖工程では、傘部220、シード基板300およびサファイア単結晶部材310を含む部分(垂下部400)を構成する複数枚のサファイア単結晶部材310の下端が、ゲートバルブ230よりも上方側に達した後に、ゲートバルブ230(開閉扉)を閉鎖する(図3)。これにより、高温の上昇気流H1や輻射熱H2に起因する熱の、第一容器100内から第二容器200内への伝達が完全に遮断される。
−冷却工程−
次に、冷却工程では、ゲートバルブ230等の開閉扉が閉鎖された状態の第二容器200内にて、複数枚のサファイア単結晶部材310を冷却する。そして、サファイア単結晶部材310が十分に冷却されたら、出入口250を開けてサファイア単結晶部材310を取り出す。これによりサファイア単結晶部材310を得る。
図4および図5は、仕切板160と、傘部220とが、鉛直方向Zに対して同じ高さに位置する状態の一例を示す拡大模式図である。ここで、図4は、サファイア単結晶部材310の形成を終えて、シャフト210を上方へと上昇させた際に、仕切板160と、傘部220とが、鉛直方向Zに対して同じ高さに位置する場合について示した拡大図である。また、図5は、図4中の符号X1−X2間の断面について示す拡大端面図であり、図中には、鉛直方向と直交するXY平面方向における仕切板160の開口部162、連通口102、傘部220およびサファイア単結晶部材310の相対的な位置関係およびサイズ等についても示してある。ここで、図5中において、点線で示される部分は、図4中のX1−X2断面の下方側に位置するサファイア単結晶部材310を示しており、一点鎖線で示される部分は、図4中のX1−X2断面の上方側に位置する連通口102の内周輪郭線102Eを示すものである。
図4および図5に示すように、鉛直方向Zと直交するXY平面方向において、(i)開口部162の開口面積A1は、連通口102の開口面積A0よりも小さく、かつ、(ii)開口部162の内周輪郭線162Eは、傘部220の外周輪郭線220Eよりも外側に位置する。このため、仕切板160と、傘部220とが、鉛直方向Zに対して同じ高さに位置する場合において、仕切板160および傘部220とを用いないときと比べて、仕切板160および傘部220を組み合わせて用いたときは、第二容器200内の空間への入り口となる連通口102の内周輪郭線102Eよりも内側の領域において、鉛直方向Zに対する高温の上昇気流H1の移動や輻射熱H2の伝熱が著しく阻害される。なお、第二容器200内への伝熱の阻害と、垂下部400(特に傘部220)と仕切板160との接触・衝突による搬送トラブル防止とをバランスよく両立させる観点からは、図5に例示したように、鉛直方向Zと直交するXY平面方向において、傘部220および仕切板160の開口部162は、シャフト210の中心軸Cに対して点対称を成すように設けられていることが特に好ましい。
また、生産性向上の観点から、通常、図5中の点線で示されるように、(a)傘部220の下方側に形成されたサファイア単結晶部材310のY方向長さは、傘部220のY方向両端をはみ出ない範囲で、可能な限り大きく設定されると共に、(b)X方向において互いに隣り合う2枚のサファイア単結晶部材310間の距離は、両者が互いにくっつくなどの品質トラブルを起こさない範囲内でできる限り小さく設定される。それゆえ、傘部220が仕切板160よりもさらに上方側に移動した後においても、XY平面方向において、傘部220の下方に位置するX方向の一方の端側に位置するサファイア単結晶部材310のシャフト210の中心軸Cと反対側の面のY方向両端S1およびS2、ならびに、傘部220の下方に位置するX方向の他方の端側に位置するサファイア単結晶部材310のシャフト210の中心軸Cと反対側の面のY方向両端S3およびS4のうち、S1−S2、S2−S3、S3−S4およびS4−S1の各々を結ぶラインで囲まれた方形の領域と、開口部162の内周輪郭線162Eとの隙間も小さい状態が維持される。
一方、サファイア単結晶部材形成工程を終えた後に加熱部材130による加熱を停止したとしても、しばらくの間は、第一容器100内は、余熱等により極めて高温状態が維持され、第一容器100内においては高温の上昇気流H1や輻射熱H2が発生し続ける。しかし、図2に示すように、サファイア単結晶部材310を上方へと移動させるために、垂下部400が、仕切板160の開口部162を通過中は、XY平面方向において、開口部162の大部分が垂下部400により占有されることになる。そして、上述したように垂下部400と開口部162との隙間も極めて小さくなる。このため、高温の上昇気流H1や輻射熱H2に起因する熱が、第一容器100内から第二容器200内へと伝達されるのが著しく阻害される。
これに対して、図6に示すように、仮に、仕切板160および傘部220を設けない場合、サファイア単結晶部材移送工程では、XY平面方向において、連通口102の内周輪郭線102Eと、シード基板300および複数のサファイア単結晶部材310を含む垂下部410との間には非常に大きな隙間が形成される。これに加えて、X方向において隣り合う2枚のサファイア単結晶部材310間に侵入した高温の上昇気流H1が、垂下部410の上方側の第二容器200の空間内へとさらに移動するのを阻害する部材(傘部220)も無い。
このため、サファイア単結晶部材移送工程が完了するまでの間、第二容器200内は、第一容器100側からの高温の上昇気流H1および輻射熱H2に加えて、垂下部410自体から発せられる輻射熱H3によっても常に加熱され続ける。これに加えて、垂下部410の底部および側面側も、高温の上昇気流H1および輻射熱H2によって常に加熱され続ける。それゆえ、ゲートバルブ230を閉鎖した後、冷却工程を開始する時点においては、第二容器200内および垂下部410は極めて高温になっているため、サファイア単結晶部材310を取出し可能な温度まで冷却するのに必要な時間が極めて長くなる。また、製造するサファイア単結晶部材310のサイズが大型化した場合、垂下部410自体の熱容量も大きくなるため、冷却工程においてサファイア単結晶部材310を取出し可能な温度まで冷却するのに必要な時間はより増大する。
しかし、本実施形態のサファイア単結晶部材製造装置10では、図2に示されるように、垂下部400が開口部162を通過中、垂下部400と開口部162との間を介して、第一容器100内の熱が、高温の上昇気流H1や輻射熱H2として、第二容器200内へと伝達されるのが阻害される。また、高温の上昇気流H1は、X方向に互いに隣り合うように配置された2枚のサファイア単結晶部材310間の隙間に侵入できたとしても、その上方に位置する傘部220の存在により、さらなる上方への移動が大幅に阻害される。これに加えて、2枚のサファイア単結晶部材310間の隙間も生産性向上の観点から可能な限り狭く設定されるため、2枚のサファイア単結晶部材310間を通過する高温の上昇気流H1の流動抵抗も大きくなり易い。さらに、垂下部400の側面部うち、開口部162よりも上方に位置する部分については、高温の上昇気流H1や輻射熱H2による加熱が大幅に抑制される。
したがって、垂下部400が開口部162を通過中、第二容器200内は、実質的に垂下部400自体から放射される輻射熱H3によって主に加熱されるものの、高温の上昇気流H1や輻射熱H2による加熱効果は、図6に示す場合と比べて大幅に抑制される。言い換えれば、垂下部400が開口部162を通過中は、実質的に、吸熱源である第二容器200が、垂下部400自体が持つ熱のみを主に奪うことで、ゲートバルブ230の閉鎖により、高温の上昇気流H1や輻射熱H2を完全に遮断した状態で実施される冷却工程の開始前から垂下部400を予備的に冷却できる。
また、ゲートバルブ230は、第二容器200の下部、言い換えれば、連通口102や仕切板160の直ぐ真上に配置されている。このため、垂下部400を構成する複数のサファイア単結晶部材310の下端が、開口部162を通過後、ゲートバルブ230よりも上方側に達するまでの距離(時間)は非常に短時間である。したがって、この期間内において、開口部162を経由して、垂下部400と第二容器200の側部内壁面との間を通過する高温の上昇気流H1や輻射熱H2による第二容器200内の加熱効果も極めて小さい。
このため、垂下部400の傘部220が開口部162に到達した後からサファイア単結晶部材移送工程が完了するまでの間、第二容器200内は、主に垂下部410自体から発せられる輻射熱H3によってのみ常に加熱され続ける。それゆえ、ゲートバルブ230を閉鎖した後、冷却工程を開始する時点においては、図6に示した場合と比較して、第二容器200内の温度はより低温になっている上に、垂下部400自体の温度もより低温になっている。このため、サファイア単結晶部材形成工程の完了から冷却工程を終えてサファイア単結晶部材310を取出し可能な温度まで冷却するのに必要となる時間を大幅に短縮でき、結果的に、サファイア単結晶部材の生産性を向上させることができる。
なお、本実施形態のサファイア単結晶部材製造装置10において、開口部162と連通口102とは、鉛直方向Zと直交するXY平面方向において、(i)開口部162の開口面積A1は、連通口102の開口面積A0よりも小さくなる関係にあれば、その面積比(開口面積A1/開口面積A0)は、製造するサファイア単結晶部材310のサイズ(言い換えれば、傘部220のサイズ)に応じて適宜選択することができる。しかしながら、サファイア単結晶部材製造装置10内にて製造可能なサファイア単結晶部材310のサイズのうち、できる限り大きなサイズのサファイア単結晶部材310を製造する場合、開口面積A1/開口面積A0は、0.5〜0.97が好ましく、0.70〜0.95がより好ましく、0.80〜0.95がさらに好ましい。
また、上記(i)に示す関係を満たす限り、連通口102の内周輪郭線102Eよりも内側に開口部162の内周輪郭線162Eの全てが存在してもよく、連通口102の内周輪郭線102Eよりも外側に開口部162の内周輪郭線162Eの一部分が存在していてもよい。なお、連通口102の内周輪郭線102Eよりも外側に開口部162の内周輪郭線162Eの一部分が存在する場合としては、たとえば、方形を成す開口部162の四隅部分のみが、円形を成す連通口102の内周輪郭線102Eよりも外側にはみ出る態様が挙げられる。
また、鉛直方向Zと直交するXY平面方向において、(ii)開口部162の内周輪郭線162Eは、傘部220の外周輪郭線220Eよりも外側に位置する関係にあれば、開口部162の内周輪郭線162Eと、傘部220の外周輪郭線220Eとの距離は特に限定されない。しかしながら、開口部162の内周輪郭線162Eと、傘部220の外周輪郭線220Eとの距離Gは、25mm以下が好ましく、20mm以下がより好ましく、15mm以下がさらに好ましい。距離Gを25mm以下とすることにより、開口部162と、垂下部400との隙間を介して、高温の上昇気流H1および輻射熱H2に起因する熱が、第一容器100内から第二容器200内へと伝達されるのをより効果的に阻害できる。また、熱が第二容器200内へと伝達されるのを阻害するという観点では、距離Gは小さいほど好ましいが、距離Gが小さすぎる場合は、傘部220が開口部162を通過する際に、仕切板160と傘部220とが接触・衝突しやすくなる。また、最悪の場合、垂下部400の搬送トラブルが生じるおそれもある。したがって、距離Gは、5mm以上であることが好ましく、10mm以上であることがより好ましい。
また、同様の観点からは、仕切板160の開口部162の開口面積A1を100%とした際の仕切板160と平行を成す平面方向における傘部220の上面の面積A2は80%〜97%の範囲内であることが好ましく、85%〜95%の範囲内であることがより好ましい。
なお、距離Gは、XY平面方向において、開口部162の内周輪郭線162E上の任意の点から傘部220の外周輪郭線220Eまでの最短距離を意味する。たとえば、図5を例に挙げて説明すれば、(a)図5中において、開口部162の内周輪郭線162Eを構成する右辺上のY方向中央部近傍の点を基準にした場合は、開口部162の内周輪郭線162Eを構成する右辺と、傘部220の外周輪郭線220Eを構成する右辺との最短距離Gaを意味する。また、(b)図5中において、開口部162の内周輪郭線162Eを構成する右辺と下辺とが交差する角を基準にした場合は、開口部162の内周輪郭線を構成する右辺と下辺とが交差する角と、傘部220の外周輪郭線220Eを構成する右辺と下辺とが交差する角との最短距離Gbを意味する。距離Gは、上述したように5mm〜25mmの範囲が望ましいが、この数値範囲は、距離Gを決定する際の基準点が存在する開口部162の内周輪郭線162Eの全周長さの80%以上において満たされていればよく、90%以上において満たされていることが好ましく、100%において満たされていることが最も好ましい。たとえば、上記(b)に該当する最短距離Gbが25mmを超えている場合であっても、距離Gを決定する際の基準点が存在する開口部162の内周輪郭線の全周長さの80%以上において、距離Gが5mm〜25mmの範囲内であればよい。なお、本願明細書において、「距離GがXmm以上」、「距離GがYmm以下」、あるいは、「距離GがXmm〜Ymm」であるとは、距離Gを決定する際の基準点が存在する開口部162の内周輪郭線の全周長さの80%以上において、上述した数値範囲を満たすことを意味する。
また、開口部162を垂下部400が通過中、サファイア単結晶部材310と開口部162との隙間もより小さい方が望ましい。この隙間をより小さくする観点からは、傘部220の上面の面積A2を100%とした場合、S1−S2、S2−S3、S3−S4およびS4−S1の各々を結ぶラインで囲まれた領域の面積A3は、100%に近いほどよく、具体的には、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
なお、サファイア単結晶部材310の形成完了後から、サファイア単結晶部材310を第二容器200の出入口250から取り出すまでの時間を短縮する観点では、サファイア単結晶部材形成工程の実施中においてゲートバルブ230等の開閉扉を閉めた状態としておく方がより有利である。サファイア単結晶部材310が開閉扉を通過する前後においてのみ開閉扉を開けた状態とすることで、第二容器200内が加熱されるのを容易に抑制できるためである。しかしながら、以下に説明する理由から、本実施形態のサファイア単結晶部材製造装置10を用いたサファイア単結晶部材310の製造方法では、敢えて、サファイア単結晶部材形成工程およびサファイア単結晶部材移送工程の実施中においてはゲートバルブ230等の開閉扉は開けた状態としている。
まず、サファイア単結晶部材形成工程の実施中においてゲートバルブ230等の開閉扉を閉めた状態とするためには、より複雑な構造の開閉扉を用いる必要がある。サファイア単結晶部材形成工程の実施中においては、開閉扉の閉鎖位置にシャフト210が存在するためである。このため、ゲートバルブ230であれば、1枚の仕切弁では無く、たとえば、2枚の仕切弁を組み合わせて用いる必要がある。
また、サファイア単結晶部材形成工程の実施中において開閉扉を閉めておく場合、開閉扉を構成する仕切弁が長時間に渡り高温に曝され易くなる。それゆえ、仕切弁の熱変形、熱膨張などに起因する開閉扉の開閉不良や故障が生じやすくなる。これに加えて、開閉扉が故障した場合、開閉扉の構造がより複雑化している分だけ、開閉扉の修理時間も増大する。また、これらの問題は、製造するサファイア単結晶部材310のサイズが大きい場合、言い換えれば、サファイア単結晶部材310のサイズに応じた大きな坩堝120が用いられる場合、第一容器100内の熱源(加熱部材130や坩堝120内のアルミナ融液320など)の熱容量が大きくなるに従い深刻になる。そして開閉扉の開閉不良・故障は製造中断やメンテナンス時間の増大を招き、結果的に、サファイア単結晶部材製造装置の稼働率の低下をもたらすことになる。
それゆえ、アルミナ原料を坩堝120内に供給してからサファイア単結晶部材310を出入口250から取り出すまでの1バッチ当たりのプロセス時間の短縮という点では、(i)サファイア単結晶部材形成工程の実施中においてゲートバルブ230等の開閉扉を閉めた状態としておく方が有利であるものの、サファイア単結晶部材製造装置の稼働率向上という点では、(ii)サファイア単結晶部材形成工程およびサファイア単結晶部材移送工程の実施中においてはゲートバルブ230等の開閉扉は開けた状態としておく方が有利であると考えられる。それゆえ、サファイア単結晶部材の生産が1バッチ程度と少量な場合は実施形態(i)を採用した方が有利であるが、サファイア単結晶部材310を多量に量産する場合は、1つのサファイア単結晶部材製造装置を用いてバッチ生産を連続的に繰り返す必要があるため、実施形態(i)よりも実施形態(ii)を採用した方がより有利になると考えられる。
さらに、実施形態(i)において、冷却時間を短縮すべく、第一容器100内にてサファイア単結晶部材310を十分に冷却しないうちに、常温に近い第二容器200内へとサファイア単結晶部材310を移動させた場合、急激な温度差に起因する熱衝撃により、サファイア単結晶部材310に割れ・ヒビが発生して歩留まりが低下しやすくなる。しかし、実施形態(ii)であれば、第二容器200内は予め余熱されているため、1バッチ当たりの歩留まり低下も抑制できる。
それゆえ、本発明者らは、上述した点を比較検討した結果、トータルでの生産量の増大という観点では、1バッチ当たりのプロセス時間を短縮できる実施形態(i)よりも、バッチ当たりの歩留まり向上やサファイア単結晶部材製造装置の稼働率向上が図りやすい実施形態(ii)を採用する方が有利と判断し、上述した本実施形態のサファイア単結晶部材製造装置10およびこれを用いたサファイア単結晶部材310の製造方法を見出した。
次に、第二容器200の下部に配置されるゲートバルブ230等の開閉扉についてより詳細に説明する。開閉扉としては、少なくとも1つの開閉扉(通常は1つのゲートバルブ230)を用いる。ゲートバルブ230は、金属板からなる仕切弁を備えており、仕切弁をXY平面方向に移動させることで開閉を行う。また、ゲートバルブ230を閉めることにより、第一容器100内の気密を保つことができる。開閉扉は1つ以上用いることもできるが、通常、1つまたは2つの開閉扉を用いることが好ましい。開閉扉を2つ用いる場合、開閉扉としては、ゲートバルブ230と、内部に冷却媒体が流通可能な流路を有する仕切弁を備えた液冷式シャッタとを用いることが好ましい。
図7は、第二容器200の下部に、開閉扉としてゲートバルブ230および液冷式シャッタ232が設けられた実施形態について示す拡大模式図である。ここで、図7は、第二容器200の下方近傍部分について拡大して示しており、シャフト210や垂下部400については記載を省略してある。この場合、図7に示すように、鉛直方向Zにおいて、液冷式シャッタ232は、ゲートバルブ230の下方側に配置することが好ましい。なお、図7は、ゲートバルブ230および液冷式シャッタ232の双方が開いた状態について示しており、これらの開閉扉を全閉する場合は、図中の点線で示される位置にゲートバルブ230および液冷式シャッタ232が移動する。また、液冷式シャッタ232において使用される冷却媒体としては、公知の液体であれば特に制限されないが、通常は水が用いられる。また、液冷式シャッタ232は、不図示のホースを介してポンプや冷却媒体供給源などに接続される。
なお、開閉扉の構造を簡略化して故障抑制やメンテナンスを容易にする観点からは、ゲートバルブ230を構成する仕切弁は1枚のみからなることが特に好ましく、液冷式シャッタ232を構成する仕切弁も1枚のみからなることが特に好ましい。
また、2つ以上の開閉扉を用いる場合、各工程における開閉扉の開閉は以下のように実施される。まず、サファイア単結晶部材形成工程では、全ての開閉扉が開けた状態とされる。また開閉扉閉鎖工程では、垂下部400を構成する複数枚のサファイア単結晶部材310の下端が、複数の開閉扉のうち、最も上方に位置する開閉扉(最上部開閉扉。図7に示す例ではゲートバルブ230)よりも上方側に達した後に、最上部開閉扉を閉鎖する。最上部開閉扉以外の開閉扉(非最上部開閉扉。図7に示す例では液冷式シャッタ232)については、最上部開閉扉と同時に閉鎖してもよいし、垂下部400を構成する複数枚のサファイア単結晶部材310の下端が非最上部開閉扉の上方側に達した後に、最上部開閉扉の閉鎖よりも先に閉鎖してもよい。
10 :サファイア単結晶部材製造装置
100 :第一容器
102 :連通口
102E :内周輪郭線
110 :ダイ
112 :スリット
120 :坩堝
130 :加熱部材
140 :支持台
150 :断熱部材
160 :仕切板
162 :開口部
162E :内周輪郭線
200 :第二容器
210 :シャフト
212 :アタッチメント
214 :クランプ
220 :傘部
220E :外周輪郭線
230 :ゲートバルブ
232 :液冷式シャッタ
240 :シャフト駆動部
250 :出入口
300 :シード基板
310 :サファイア単結晶部材
320 :アルミナ融液
400 :垂下部
410 :垂下部

Claims (8)

  1. 複数のスリットを備えたダイ、前記ダイを内部に配置した坩堝および加熱部材を収納し、上部に連通口を備えた第一容器と、
    前記連通口を介して前記第一容器と連通し、かつ、前記第一容器の上部に配置された第二容器と、
    前記第一容器および前記第二容器内を鉛直方向に移動可能であり、中心軸が鉛直方向に平行を成すように前記ダイの上方に配置され、かつ、下端部に平板状の種結晶を保持するシャフトと、
    前記種結晶の上方側に、前記種結晶を覆うように前記シャフトに固定された板状の傘部と、
    前記第二容器の下部に配置された開閉扉と、
    開口部を有し、前記開口部が前記連通口の下方側に位置するように前記第一容器内に配置された仕切板と、を少なくとも備え、
    鉛直方向と直交する平面方向において、(i)前記開口部の開口面積A1が、前記連通口の開口面積A0よりも小さく、かつ、(ii)前記開口部の内周輪郭線が、前記傘部の外周輪郭線よりも外側に位置することを特徴とするサファイア単結晶部材製造装置。
  2. 前記鉛直方向と直交する平面方向において、前記傘部および前記開口部は、前記シャフトの中心軸に対して点対称を成すように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のサファイア単結晶部材製造装置。
  3. 前記鉛直方向と直交する平面方向において、前記開口部の内周輪郭線と、前記傘部の外周輪郭線との距離Gが25mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のサファイア単結晶部材製造装置。
  4. 前記開口部の開口面積A1を100%とした際の前記仕切板と平行を成す平面方向における前記傘部上面の面積A2が80%〜97%の範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のサファイア単結晶部材製造装置。
  5. 前記仕切板が、前記第一容器に対して脱着可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のサファイア単結晶部材製造装置。
  6. 前記開閉扉が、ゲートバルブを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のサファイア単結晶部材製造装置。
  7. 前記開閉扉が、前記ゲートバルブと、内部に冷却媒体が流通可能な流路を有する仕切弁を備えた液冷式シャッタとを含み、
    鉛直方向において、前記液冷シャッタは、前記ゲートバルブの下方側に配置されていることを特徴とする請求項6に記載のサファイア単結晶部材製造装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載のサファイア単結晶部材製造装置を用い、
    前記開閉扉を開けた状態で、前記シャフトの下端に保持される前記種結晶を、内部にアルミナ融液が満たされた前記坩堝内に配置された前記ダイの上端部に接触させた後、前記種結晶を上方へと徐々に引き上げることで、前記種結晶の下方側に複数枚のサファイア単結晶部材を形成するサファイア単結晶部材形成工程と、
    前記複数枚のサファイア単結晶部材の下端が、前記開閉扉よりも上方側に達するまで、前記複数枚のサファイア単結晶部材を前記第一容器内から前記第二容器内へと移送するサファイア単結晶部材移送工程と、
    前記複数枚のサファイア単結晶部材の下端が、前記開閉扉よりも上方側に達した後に、前記開閉扉を閉鎖する開閉扉閉鎖工程と、
    前記開閉扉が閉鎖された状態の前記第二容器内において、前記複数枚のサファイア単結晶部材を冷却する冷却工程と、
    を含むことを特徴とするサファイア単結晶部材の製造方法。
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