本出願は、2014年7月1日に出願された「APPARATUSES, SYSTEMS, AND METHODS FOR DETECTING AND REACTING TO EXPOSURE OF AN ELECTRONIC DEVICE TO MOISTURE」と題する米国特許出願第14/320799号明細書(「799出願」とも称する)の一部継続出願でもある。「799出願」は、2014年7月8日に米国特許第8773271号として既に特許発行済みの2014年1月8日に出願された「APPARATUSES, SYSTEMS, AND METHODS FOR DETECTING AND REACTING TO EXPOSURE OF AN ELECTRONIC DEVICE TO MOISTURE」と題する米国特許出願第14/150534号明細書(「534出願」とも称する)の継続出願である。「799出願」および「534出願」の開示内容はすべて参照により本明細書に援用される。
一態様では、本開示は水分(例えば液体や蒸気など)への電子デバイスの曝露(例えば、ポートや継ぎ目、割れ目などの入口点を介した水分の電子デバイスへの進入)を検知するシステムに関する。水分検知に加え、本システムは電子デバイスの動作を変更または変動させるように構成することもできる。同様に、水分への電子デバイスの曝露を検知する方法では、所定量の水分が検出された場合、電子デバイスの動作手法を変動または変更させることができる。水分への電子デバイスの曝露を検知するシステムおよび方法に関する様々な態様を開示する。
本開示全体を通して「水分」という用語を使用するが、これは様々な液体および蒸気を意味する。限定はしないが、水分には、水、水溶液(例えば塩溶液、酸性溶液、塩基性溶液、飲料類など)、水蒸気、またはその他の水性物質(例えば湿気、霧、ミストなど)を含めることができる。導電性有機物質を含めた有機液体・蒸気(例えば有機溶媒や低分子量有機化合物など)も水分に含めることができ、さらに、電子デバイスまたはそのコンポーネントに危害を与えうるその他の様々な物質または状態も含めることができる。
水分検知システムは、様々な異なるタイプの電子デバイスと併せて用いられるか、あるいはそれら電子デバイスに組み込むこともできる。電子デバイスとしては、限定はしないが、携帯電話、スマートフォン、電子書籍リーダー、タブレット型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータなどの携帯用電子デバイス;農業用設備、灌漑、公衆安全、軍隊、石油・ガス産業、(鉄道やトラックなどによる)運送、海事用途などで用いられる電子デバイスなど水分に曝される可能性があるまたはさらにはその可能性が高い環境での使用が予想される電子デバイス;およびその他様々な用途で用いられる電子デバイスなどが挙げられる。
いくつかの実施形態では、水分検知システムには、水分センサ、制御素子、加熱素子、警告素子、スイッチ、またはそれらの任意の組み合わせを含めることができる。制御素子、加熱素子、警告素子、スイッチ、これら機構への電源、ならびに水分検知システムの電気接続およびその他のコンポーネントは、(例えば耐水分性コーティングなどを施すことにより)耐水分性を有するよう構成することができる。水分センサも(例えば、水分センサの各部分を封止する、耐水分性コーティングなどを施す、などして)耐水分性を有するよう構成することができる。
水分センサを用いることで水分センサおよび水分センサが関連する(または水分センサがその一部をなす)任意の電子デバイスが置かれている環境での水分検知が可能になる。水分センサは電子デバイス内に配置することもできるし、電子デバイスの内面に露出させることもできるし、電子デバイスの外面に露出させることもできるし、またはそれらのいくつかを組み合わせることもできる。水分センサには、電子デバイスが曝される周囲条件の誘電特性を測定する(すなわち水分を検知する)ように構成された静電容量センサ、電子デバイスの磁気特性を測定する(すなわち水分を検知する)ための誘導センサ、またはその両方を含めることができる。ある1つの具体的な実施形態では、水分センサは1つまたは複数の静電容量センサを備えており、各静電容量センサはそれぞれ集積回路に組み込まれている。別の実施形態では、水分センサは1つまたは複数の静電容量センサを備えており、各静電容量センサはそれぞれ、集積回路の入力ポートに接続されたセンサ素子およびシールドを有している。静電容量センサは、2つの平行電極間の誘電率の変化を検出するように構成することができる。さらに別の実施形態では、水分センサは、集積回路に接続され磁場を発生するとともに透磁率の変化を検出するように構成されているコイルを備えた誘導センサを備えている。さらに別の実施形態では、水分センサには誘導コンポーネントおよび/または容量コンポーネントを含めることができ、それらは水分検知に加え1つまたは複数のその他の機能を実現する際に用いることもできる。より具体的には、一例だが、電子デバイスの1つまたは複数のアンテナを用いて、(例えば容量検知方法および/または誘導検知方法により)水分検知を行うこともできる。
制御素子は、水分検知システムのその他のコンポーネントの動作を制御することができる。制御素子は水分検知システム専用であってもよいし、または水分検知システムとともに使用される電子デバイスの処理素子を含むこともできる。
警告素子は制御素子の制御下で動作させることができ、電子デバイスが水分に曝されたことを示す1つまたは複数の信号を生成するように構成されうる。いくつかの実施形態では、警告素子は、電子デバイスを使用する個人に通知を行うように構成することができる。通知内容としては、電子デバイスが周囲水分量を上回る水分量に曝されたこと、電子デバイスが曝された水分量が水分への一回当たりの曝露閾値を超えたこと、一定期間(例えば、電子デバイスの寿命、過去一年間、過去6ヶ月間、過去1ヶ月間など)にわたって電子デバイスが曝された累積水分量が合計許容曝露量を超えたこと、電子デバイスが曝された水分量(例えば、電子デバイスが今現在曝されている水分の種類、電子デバイスが今現在曝されている水分量、特定の水分曝露イベント中に電子デバイスが水分に曝される/曝された時間の長さ、一定期間(例えば、電子デバイスの寿命、過去一年間、過去6ヶ月間、過去1ヶ月間など)にわたって電子デバイスが水分に曝された時間の合計、電子デバイスが水分に曝された回数など)、水分への電子デバイスの曝露に関するその他の情報、またはそれらの任意の組み合わせなどが挙げられる。本明細書では上記した水分閾値のいずれも「水分イベント閾値」と称されうる。電子デバイスが無線通信用に構成された実施形態(例えば、移動電話、スマートフォン、タブレット型コンピュータ器機、携帯型デジタル音楽プレーヤ、ラジオ、無線自動車エントリー器機(すなわち自動車キー)など)では、警告素子は、水分イベント閾値を満たすまたは超える水分量に電子デバイスが曝されたことを遠隔監視サービスに通知するように構成することもできる。
スイッチは水分センサまたは制御素子の制御下で動作させることができ、通常位置と水分イベント位置の間を動くように構成してもよい。スイッチが通常位置にあるとき、電子デバイスは通常動作を行いうる。この場合、電子デバイスの電源からその主電子コンポーネント(例えば電子デバイスが意図通りに機能することを可能にする電子コンポーネントなど)への電力の流れがスイッチにより可能になる。スイッチが水分イベント位置にある場合は、電源から電子デバイスの少なくともいくつかの回路(例えば電子デバイスが意図通りに機能することを可能にする電子コンポーネントなど)への電力の伝達はスイッチにより停止させられうる。いくつかの実施形態では、スイッチが水分イベント位置にあるとき、電源から水分検知システムの残りの部分への電力の伝達がスイッチにより可能な場合もある。
いくつかの実施形態では、スイッチの向きの変化により電子デバイス内に機械的作用が生じ、それにより電子デバイスのコンポーネントのうち水分の影響を受けやすい1つまたは複数が一時的に封止され、検出された水分への曝露を回避することができる。
別の態様では、水分イベント閾値を満たすまたは超える水分量に電子デバイスが曝されることに応答する方法は、電子デバイスが曝される水分量を監視することを含む。監視は連続的または周期的に行ってもよい。水分量が所定の水分イベント閾値を超えた場合、電子デバイスの通常動作モードを停止させ、電子デバイスの水分イベントモードを開始させてもよい。
電子デバイスがその通常動作モードを終了すると、電源(例えば、電池、超コンデンサ、燃料電池、光電池など)から電子デバイスの1つまたは複数のコンポーネントへの電力供給は停止されうる。この電力供給の停止によりこれらコンポーネントを損傷(例えば、短絡による損傷、水やその他の種類の水分によって生じうる促進腐食など)から守ることができる。いくつかの実施形態では、電子デバイスのこの水分イベントモードは、電子デバイスの完全な動作停止を含むこともある。その他の実施形態では、電子デバイスの水分イベントモードには安全モードを含めることができ、このモードでは、電子デバイスの所定のコンポーネント(例えば耐水分性を有するように構成されたコンポーネントや水分に曝されても故障しにくいコンポーネントなど)は動作を継続することが可能となる。いくつかの実施形態では、安全モードで電子デバイスが動作することにより、電子デバイスのその他のすべてのコンポーネント(すなわち水分検知システムに関与しないコンポーネント)が停止している間でも水分検知システムは動作を継続することが可能な場合もある。
電子デバイスが安全モードまたは水分イベントモードに入ると、電子デバイスまたは電子デバイスに関連する水分検知システムは通知を生成することができる。限定はしないが、通知には、ユーザが認知可能な警告、信号の生成およびその信号の遠隔監視サービスへの送信(例えばEメール、SMSテキストメッセージ、MMSテキストメッセージなどを介する)、またはこれらサービスの組み合わせを含めることができる。
電子デバイスが水分イベントモードにある間水分監視が継続される実施形態では、電子デバイスが曝される水分量が許容レベルまで下がると電子デバイスのフル稼働の再開が可能となりうる。そのような実施形態では、水分イベント閾値と同じでも異なっていてもよい所定のリセット閾値を検出水分量が下回ったとき、電子デバイスの水分イベントモードを停止させ、電子デバイスの通常動作モードを再度開始させてもよい。
水分イベント閾値を満たすまたは超える水分量の検出に応答して起動または実行されるプログラムまたはアプリケーション(すなわち「アプリ」)も開示する。そのようなプログラムまたはアプリケーションにより、水分への電子デバイスの曝露に関係する各機能を実行することができる。非限定的な例だが、電子デバイスの曝露に伴い実行または起動されるプログラムまたはアプリケーションにより、水分への電子デバイスの曝露についての情報をユーザは提供されうる。そのような情報としては、限定はしないが、電子デバイスが曝された水分量についての情報、水分への電子デバイスの以前の曝露についての情報、累積水分曝露情報、診断情報および/または履歴情報などが挙げられる。別の非限定的な例として、所定の水分イベント閾値を満たすまたは超える水分量への電子デバイスの曝露に伴って起動または実行されるプログラムまたはアプリケーションにより、電子デバイスの耐水分性素子についての情報(例えば、電子デバイスのコンポーネントが最後に耐水分性コーティングを施された時期など)をユーザは提供される場合もある。
以下の説明、添付図面、および添付の特許請求の範囲を考慮することにより、当業者であれば、開示された主題のその他の態様ならびに様々な態様の特徴および利点も見出すであろう。
図1を参照してシステム10の実施形態を例示する。本明細書では、システム10は「水分検知システム」とも称される。電子デバイス(例えば、携帯電子デバイスや、水分への曝露が起こり易いまたはさらには予想される環境での使用が予想される電子デバイスなど)との使用を意図して構成されている水分検知システム10は、その電子デバイスが水分に曝されているかどうかを検知するように構成することができる。図1で例示する実施形態では、水分検知システム10は、水分センサ12、制御素子14、警告素子16、およびスイッチ18を備えている。以下でより詳しく説明するが、システム10は、電子デバイス内で水分が検知されたこと(すなわち「水分イベント」)に応答して熱を発生する加熱素子19も備えることができる。いくつかの実施形態では、水分検知システム10には専用の電源(例えばコンデンサ、超コンデンサ、電池など)を含めることもできる。
水分センサ12により、水分センサ12が置かれた環境での水分の検知および水分量の監視が可能になる。水分センサ12は電子デバイスと組み合わせて使用することを意図して構成されている場合もある。水分センサ12(および水分検知システム10のその他のコンポーネント)は、電子デバイスの電源の入切にかかわらず動作するように構成することができる(例えば、水分検知システム10が電子デバイスの予備電源や専用電源などから電力供給を受ける場合の実施形態がこれに該当)。本開示の教示を組み込む水分検知システム10では、様々な実施形態の水分センサ12を用いることができる。非限定的な例だが、水分センサ12には、1つまたは複数の静電容量センサ、1つまたは複数の誘導センサ、またはそれらの任意の組み合わせを含めることができる。
水分センサ12は制御素子14と通信可能であり、制御素子14は、水分センサ12からの信号を処理するとともに、ある条件(例えば、所定の水分イベント閾値を満たすまたは超える水分量や所定のリセット閾値以下の水分量など)を示す信号の検出に伴い、水分検知システム10のその他のコンポーネントの動作を制御する命令を実行するように構成することができる。制御素子14には専用の処理素子(例えば埋込み型ファームウェアを有するマイクロコントローラなど)を含めることもできるし、または水分検知システム10が関連する電子デバイスのプロセッサを含めることもできる。制御素子14には、図4に示す論理回路212などの論理回路をさらに含めることもできる。
水分検知システム10のうち、制御素子14の制御下で動作しうるコンポーネントの1つは警告素子16である。警告素子16は、電子デバイスのユーザに、水分への電子デバイスの曝露を警告するように構成することができる。そのような実施形態では、警告素子16には、可視警報、可聴警報、振動警報などを含めることができる。いくつかの実施形態では、警告素子16には、警告の表示が可能なディスプレイまたはモニタ(例えば、水分検知システム10が関連する電子デバイスのディスプレイもしくはモニタ、または水分検知システム10がその一部をなす電子デバイスのディスプレイもしくはモニタなど)を含めることができる。警告素子16がディスプレイまたはモニタを備えている実施形態では、水分イベント閾値を満たすまたは超える水分量が水分センサ12よって検出されたことに応答して制御素子14がプログラムまたはアプリケーション(すなわち「アプリ」)を実行している間、警告素子16は制御素子14と協働してユーザ・インターフェイスとして機能することができる(例えば画像を表示したり、(ディスプレイまたはモニタがタッチセンシティブな場合)入力を受信したりする)。水分イベント閾値を満たすまたは超える水分量の検知に応答して制御素子14がプログラムまたはアプリケーションを起動する実施形態では、警告素子16は、水分への電子デバイスの曝露に関する情報を表示することもできる。非限定的な例だが、電子デバイスの曝露に伴って実行または起動されるプログラムまたはアプリケーションにより、水分への電子デバイスの曝露についての情報がユーザに提供されうる。そのような情報としては、限定はしないが、電子デバイスが曝された水分量についての情報、水分曝露の深度、水分への電子デバイスの以前の曝露についての情報、累積水分曝露情報、診断情報、履歴情報、水分への電子デバイスの曝露に関するその他の情報、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。ユーザに提供された情報は電子デバイス上で局所的に保存可能であり、その電子デバイスのユーザによる次回のアクセス時にも利用可能である。別の例として、水分イベント閾値を満たすまたは超える量の水分への電子デバイスの曝露に伴って起動されるプログラムまたはアプリケーションにより、電子デバイスの1つまたは複数の耐水分特性についての情報(例えば、電子デバイスのコンポーネントに耐水分性コーティングが最後に施された時期など)がユーザに提供されうる。別の例では、制御素子14は、水分検知システム10が関連する電子デバイスへの水分関連の損傷を最小限に抑える方法についての指示をユーザに提供するプログラムまたはアプリケーションを実行する場合もある。そのような指示としては、例えば、水分検知システム10が関連する特定の電子デバイスから水分を除去するまたは乾燥させるためのプロトコルについての指示が挙げられる。制御素子14によって警告素子16からユーザに提供される情報のその他の例としては、限定はしないが、保証情報、修理情報、電子デバイスが水分に曝されることから生じうる損傷の影響を緩和することに関する広告、その他の水分関連情報が挙げられる。
警告素子16には無線通信素子を含めることができ、遠隔監視サービスに信号を送信するように構成してもよい。無線通信素子には、水分検知システム10が関連する電子デバイスの主通信素子を含めるか、または専用の無線通信システムを含めることもできる。いずれの実施形態であっても、警告素子16は制御素子14の制御下で周囲水分量を上回る水分量への電子デバイスの曝露についての情報の適切な受信者を特定し、その情報をその意図する受信者に送信することができる。無線通信素子は、GSM、TDMA(時分割多元接続)、CDMA(符号分割多元接続)、LTE(long term evaluation)、3G、4G、NFC(近距離無線通信)などの無線周波数(RF:radiofrequency)通信方式によって通信を行うように構成してもよい。あるいは、無線通信素子は、赤外線(IR:infrared)信号、光学ローカル・エリア・ネットワーク(LAN:local area network)システム、光パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN:personal area network)システムなどの光学手段によって通信を行うように構成してもよい。無線通信素子の例としては、限定はしないが、セルラ送信機、ブルートゥース送信機等、WiFi送信機(すなわちIEEE802.xxxプロトコルに基づくシステム)などの無線周波数(RF:radiofrequency)通信コンポーネントが挙げられる。
スイッチ18も制御素子14からの信号にしたがって動作させることができる。あるいは、スイッチ18は水分センサ12からの信号によって直接制御してもよい。いずれの場合でも、スイッチ18により、電源816(図9参照)(例えば一次電池、充電式電池、予備電池、専用電池、超コンデンサ、燃料電池、光電池など)から水分検知システム10が関連するまたは水分検知システム10がその一部をなす電子デバイスの水分検知コンポーネント(例えば電子コンポーネントなど)への電力の伝達を制限することができる。いくつかの実施形態では、制御素子14は、スイッチ18の向き、ひいては電子デバイスおよび/または水分検知システム10のうち電力が停止されるべき部分を決定するように構成することができる(例えばプログラム設定することができる)。
スイッチ18は、正常位置または向き、および少なくとも1つの水分イベント位置または向きを有することができる。スイッチ18が正常位置にあるとき電子デバイスは通常動作を行うことができる。すなわち、電子デバイスの電源からその主電子コンポーネント(例えば電子デバイスが意図通りに機能することを可能にする電子コンポーネントなど)へ電力が流れることがスイッチにより可能になる。水分イベント位置にあるとき、電源816から電子デバイスの回路の少なくとも一部(例えば、電子デバイスが意図通りに機能することを可能にする電子コンポーネント、1つまたは複数の通信ポート、ディスプレイ、センサ、カメラ、スピーカ、マイクロフォンなど)への電力の伝達はスイッチ18により停止されうる。いくつかの実施形態では、スイッチ18が水分イベント位置にあるとき、電源20から水分検知システム10の残りの部分への電力伝達が可能になる場合もある。電子デバイスの主電源の動作が水分から悪影響を受けた場合、予備電池、コンデンサ、超コンデンサ、または水分検知システム10専用の電池などによって水分検知システム10の残りの部分に電力が伝達されることもある。
制御素子14、警告素子16、スイッチ18、電源816、加熱素子19、および水分検知システム10の電気接続・その他のコンポーネントのうちの1つはまたは複数は、1種類または複数種類の水分(例えば水、水溶液、水蒸気、水溶液の蒸気、有機液体または有機蒸気など)に対して耐性を有するよう構成することもできる。例えば、水分を通さないまたは実質的に通さないコーティング(例えば、置換または非置換ポリ(p−キシリレン)ポリマ(すなわちパリレンなど)など)や撥水分性コーティングなどの耐水分性コーティングを上記コンポーネントのうちの1つまたは複数に施してもよい。水分センサ12も耐水分性を有するよう構成することができる(例えば、水分センサの全体または一部に耐水分性コーティングなどを施してもよい)。
様々な実施形態によれば、水分検知システム10は1つまたは複数のパラメータに基づいて較正することができる。より具体的には、1つまたは複数のパラメータに基づいて、水分イベントを規定しうる1つまたは複数の閾値レベル設定を再較正することができる。例えば、水分検知システム10は、その置かれた湿度や温度などの環境条件に基づいて較正されうる。より具体的には、乾燥した環境(例えば砂漠)から比較的湿度の高い環境に移されたときなど、環境変化にさらされた場合に再較正されるように水分検知システム10を構成することができる。水分検知システム10の較正としては、ユーザ起動の較正、ユーザ検証の較正、自動較正、手動較正などが挙げられることに留意されたい。さらに、水分検知システム10はヒステリシスを利用して、水分イベント「オン」レベルと水分イベント「オフ」レベルの間の不必要に素早い切換えを防止することができる。言い換えると、水分イベントが第1の水分レベルでいったん検出されると、水分検知システム10によって検知された水分レベルは水分イベントが軽減する前に第1の水分レベルを下回る必要がある。
当業者であれば理解するであろうが、水分(例えば水)は空気とは異なる(すなわち空気より強力な)誘電特性を示しうる。さらにこれも理解するであろうが、静電容量センサは誘電強度を測定するように構成可能であり、したがって静電容量センサを用いて水分検知を行うことができる。非限定的な例だが、静電容量センサには2つの平行電極(例えば2枚の平行プレート)を含めることができ、うち一方の電極における電圧は他方の電極へ交流電圧が運ばれることに応答して検知されうる。検知した電圧値を用いることで、どちらの物質または両物質が2つの平行電極間に存在するかどうかを判定することができる。例えば、平行電極間に空気のみが存在する場合に検知される電圧値は、平行電極間に空気と液体の両方が存在する場合に検知される電圧値とは異なることになる。
本開示の一実施形態によれば、水分センサ12には静電容量センサを含めることができ、静電容量センサはその近傍の水分を示すことができる出力を生成するように構成してもよい。また、静電容量センサの出力はその近傍の水分量に応じて変動しうることに留意されたい。ある1つの具体例によれば、水分センサ12には少なくとも1つの静電容量センサを含めることができ、静電容量センサは集積回路(IC:integrated circuit)の一部であってもよいし集積回路と接続されていてもよい。より具体的には、一実施形態では、静電容量センサをIC内部に配置し、これによりIC近傍にある(例えば真上にある)誘電体を測定するようにICを構成することもできる。
別の実施形態では、水分センサ12に少なくとも1つの静電容量センサを含めることができ、静電容量センサの少なくとも一部分はICの外部にあるとともにICの1つまたは複数の入力ポートに接続されている。この実施形態では、水分センサ12は、センサ素子を少なくとも部分的に取り囲むシールドを備えることができ、センサ素子とシールドの間にはギャップがあり、水分はそこで検出されることになる。
一実施形態によれば、ICは加熱素子(例えば加熱素子19)と接続され、水分検知に伴い駆動するように加熱素子を構成することができる。加熱素子は熱を発生するように構成することができ、これにより電子デバイスの少なくとも一部の乾燥が促進される(すなわち水分の残存が防止される)。
図2に、複数のポート102を備えたIC101の実施形態を示す。一実施形態によれば、ポート102には複数の入力ポート102A〜102Gと少なくとも1つの出力ポート102Hとを含めることができる。図ではIC101のポートの数を8としたが、ICの入力ポートおよび出力ポートの数は任意とすることができる。以下でより詳細に説明するが、IC101はその近傍の水分を検知するためのセンサを備えることもできるし、またはそのようなセンサに接続することもできる。
図3は、複数の入力ポート202A〜202Gおよび出力ポート202Hを有するIC201を備えた水分検知システム200の実施形態を示すブロック図である。IC201には、ポート202Aに接続された入力を有する発振器206をさらに含めることもでき、ポート202Aは抵抗器RとコンデンサCを介して対地電圧GRNDへさらに接続されている。一例では、発振器206には正弦波を運ぶように構成された低電力RC発振器を含めてもよい。IC201は、一方の入力がポート202Bに接続され、もう一方の入力がポート202Cに接続されている静電容量センサ208も備えている。以下でより詳細に説明するが、ポート202Bをセンサ素子に接続し、ポート202Cをシールドに接続することができる。当業者であれば理解するであろうが、交流測定回路を備えうる静電容量センサ208は、RC時定数崩壊率に基づいて2つの電極間の誘電率を測定するように構成することもできる。静電容量センサ208は、2つの電極(例えばセンサ素子とシールド)間の誘電率を示す出力信号を運ぶように構成することもできる。
IC201には、一方の入力がポート202Eに接続され、もう一方の入力がポート202Fに接続されている通信モジュール210をさらに含めることができる。IC201には、静電容量センサ208からの信号、発振器206からのクロック信号、および通信モジュール210からの信号を受信するように構成された論理回路212もさらに含めることができる。加えて、IC201には、論理回路212の出力に接続されたゲート、ポート202Dを介して対地電圧GRNDに接続されたソース、および出力ポート202Hに接続されたドレインを有するトランジスタM1を含めることもできる。ドレインはポート202Gを介して供給電圧VCCにさらに接続されている。
水分検知システム200には加熱素子214も含めることができ、加熱素子214としては任意かつ既知の適切な加熱素子を用いることができる。一実施形態によれば、加熱素子214には図3に例示されるように1本または複数本の加熱線を含めることができる。上記したように、加熱素子214は水分イベントに応答して熱を発生するように構成することができ、これにより電子デバイスの少なくとも一部の乾燥を促進することができる(すなわち水分の残存を防止できる)。当業者であれば理解するであろうが、デバイス部の腐食は、デバイス部が水分に曝された時間の長さの関数となりうる。したがって、長期にわたる損傷を防止するためには、電子デバイスの重要だが保護されていない部分(例えば、スピーカ、露出している接触点を有するコネクタ、および防水プロセス時にマスキングしなくてはならないその他の半保護コンポーネント)を素早く乾燥させることが有利となりうる。
論理回路212は、水分イベントがいつ発生し、いつ軽減したかを判定するように構成することができる。より具体的には、静電容量センサ208から受信した信号に基づいて、1つまたは複数の条件に基づいて較正されうる論理回路212は、水分が静電容量センサの近傍にあるかどうかを判定することができる。水分イベントが発生していると判定したら、論理回路212はトランジスタM1を導通させうる制御信号を生成することができる。これは留意すべきことだが、論理回路212は、例えば集積回路間(I2C)バスまたはシリアル・ペリフェラル・インタフェース(SPI)バスを介して通信モジュール210を通じて外部からプログラム可能な場合もある。これも留意すべきだが、通信モジュール210は、水分イベントが発生していないとき、遠隔操作によって加熱素子214をオン・オフするように構成することもできる。IC201には、(例えば水分イベントの検出に伴い)回路を無効にするようプログラム可能な1つまたは複数の出力をさらに含めてもよい。
図4は、IC(例えば図2に示すIC101)の複数の入力ポート102に接続された静電容量センサ308を備えた水分検知システム300の実施形態を示す図である。静電容量センサ308はセンサ素子310とシールド312を備え、シールドはセンサ素子310を少なくとも部分的に取り囲んでいる。また、センサ素子310とシールド312の間にエアギャップ309を設けることもでき、水分はそこで検出されうる。交流電圧を受けるように構成することができる静電容量センサ308の少なくとも一部はシールド312によって囲まれており、シールド312は対地電圧に接続することができる。シールド312は水分検出が望まれる場所以外においてセンサ素子310を取り囲んでいる。留意すべきことだが、センサ素子310とシールド312のサイズを大きくすることによって(すなわち表面積を増加させることによって)、静電容量センサ308の検知度を高めることができる。
一実施形態によれば、電子デバイスには、その内部に配置されるとともに1つまたは複数のICに接続されている1つまたは複数のセンサ素子およびシールドを含めることができる。さらに、図4に例示した静電容量センサは少なくとも部分的にはICの外側に(すなわちICから離れて)配置されているが、本発明はこれに限定されないことに留意されたい。センサ素子およびシールドを備えた静電容量センサはむしろICの内部に存在する場合もある。これもさらに留意すべきだが、水分検知システム300には、図2の水分検知システム200で例示したコンポーネントと類似のコンポーネントを含めることができる。より具体的には、水分検知システム300には例えば通信モジュール、論理回路、発振器、および/または加熱素子を含めることができる。
静電容量センサは誘電強度を測定することによって水分を検出することができる一方、誘導センサは透磁率(すなわち空気対液体)の変化を測定することによって水分を検出することができる。理解されるように、コイルに電流が誘導されるとコイルは磁場を発生しうる。磁場の形成と崩壊は高透磁率物質の存在により遅延しうる。本開示の別の実施形態によれば、水分センサ12(図1参照)には誘導センサを含めることもできる。図5に、基板402と、基板402上に配置されたIC404と、複数のワイヤボンド406(すなわちIC404を導電線410に接続するため)と、誘導コイル408とを備えたシステム400の実施形態を示す。誘導コイル408の各終端はIC404にワイヤボンディング可能であることに留意されたい。一実施形態によれば、誘導コイル408は、基板402の境界を越えて延在しうる磁場を発生するように構成することができる。予定動作時、IC404は誘導コイル408にパルス出力を行い(すなわち電圧パルスによって)、磁場の形成・崩壊速度に応じて変動可能な電流応答を測定することができる。磁場の崩壊速度は、液体および/または空気など1つまたは複数の物質の存在に依存しうる(すなわち液体対空気誘電体によって磁場応答は変化しうる)。一実施形態によれば、IC404には較正ピンを含めることができ、これを用いて較正システム400のための周囲応答を判定することができる。理解されるように、システム400の温度は磁場の崩壊速度に影響することがあるため、システム400には温度検知用の温度センサ(図5には図示せず)を含めることもでき、これは水分イベントが発生したかどうかを判定する際に制御素子によって用いられうる。
図6に、基板502と、基板上502に配置されたIC504と、IC504に接続されている複数のワイヤボンド506と、誘導コイル508とを備えたシステム500の別の実施形態を示す。誘導コイル508の各終端はIC504にワイヤボンディング可能であることに留意されたい。さらにこの実施形態では、誘導コイル508によってワイヤボンド506と導電線510を少なくとも部分的に取り囲むことができる。
図7は、基板602と、基板602上に配置されたIC604と、IC604に接続されている複数のワイヤボンド606とを備えたシステム600の断面図である。さらに図7には、誘導コイル(例えばコイル260またはコイル280)によって発生しうる磁場611を示す。誘導コイルは、電流が紙面内へ流れ込んでいる状態の導電体(「○」609で示す)および電流が紙面外へ流れ出している状態の導電体(「×」607で示す)として示されていることに留意されたい。
図8は、本開示の一実施形態に係る例示的パッケージ701を備えたシステム700の断面図である。一実施形態によれば、パッケージ701にはボール・グリッド・アレイ(BGA:ball grid array)・パッケージを含めることができる。当業者であれば理解するであろうがBGAは有利な場合がある。なぜなら、BGA基板には信号をルーティングするためのプリント基板を含めることができ、検出コイルをより大きくつくることができ(すなわち検知度をより高めることができ)、かつ検出コイルはプリント基板に単純にエッチングを施した部品とすることができるからである。パッケージ701は、1つまたは複数のはんだボール705を介してプリント基板702に接続されているBGA基板703を備えている。パッケージ701には、IC704と、ワイヤボンド706と、封止710(例えばエポキシ封止)とをさらに含めることもできる。誘導コイルは、電流が紙面内へ流れ込んでいる状態の導電体(「○」709で示す)および電流が紙面外へ流れ出している状態の導電体(「×」707で示す)として示されていることに留意されたい。
図5〜8に示した実施形態ではオンチップの誘導コイルを対象としたが、本発明はそれに限定されないことに留意されたい。本開示の実施形態にはむしろ、外部ループセンサや空気誘電インダクタにパルス出力を与えることによって達成される遠隔(オフチップ)検知を含めることもできる。
本開示の別の実施形態には、静電容量センサを備えたメモリカード(例えばSDカードやSIMカードなど)を含めることもできる。より具体的には、メモリカードには例えば図1に示した水分検知システム10を含めることができる。メモリカードは電子デバイスに挿入可能に構成してもよい。したがって、メモリカードの使用により、以前は水分を検知できなかった電子デバイスでも水分を検知できるようになる場合がある。この実施形態には電子デバイスと相互作用するためのアプリケーションも含まれうることに留意されたい。
図9に、水分センサ12と、ハウジング802と、ディスプレイ804と、その主電子コンポーネント(例えば、プロセッサ、無線通信素子、入力および/または出力素子、変換素子など、電子デバイスが意図通りに機能することを可能にする電子コンポーネント)と、その他の任意の電子コンポーネントおよび/または機械的コンポーネントとを備えた電子デバイス800の実施形態を示す。図9に示すようないくつかの実施形態では、水分センサ12は図1で示したもののように水分制御システム10の一部である。
電子デバイス800には、携帯型電子デバイス、水分への曝露が起こり易いまたはさらには予想される環境での使用が予想される電子デバイス、またはその他様々なタイプの任意の電子デバイスを含めることができる。ハウジング802とディスプレイ804により電子デバイス800の外面の少なくとも一部が画定される。水分センサ12は、いくつかの実施形態では、電子デバイス800の外面に配置されるまたは少なくとも外面に露出させることができる。その他の実施形態では、水分センサ12は、水分制御システム10(図1参照)のその他のコンポーネントならびにもしあれば電子デバイス800の主電子コンポーネントおよび電子デバイス800の様々な電子コンポーネントに電力を供給する電源816とともに、電子デバイス800の内側に配置することもできる。限定はしないが、電子デバイスの主電子コンポーネントには、処理素子806(例えばマイクロプロセッサなど)と、無線通信システム808(少なくとも1つのアンテナを含みうる)と、その他の電子コンポーネントおよび/または機械的コンポーネント812(例えば、スピーカやマイクロフォンなどの変換器、バイブレータ、ファンなど)とを含めることができる。例示した実施形態では、電源816と主電子コンポーネントとの間、電源816と水分センサ12の間、および電源816と水分検知システム10のその他の任意のコンポーネントとの間にスイッチ818が配置されている。
いくつかの実施形態では、電子デバイス800には1つまたは複数の耐水分性コーティング814も含めることができる。耐水分性コーティング814により、電子デバイス800の外面全体または一部、電子デバイス800の内部に囲われた表面全体または一部(例えば電子デバイス800の内部にあるコンポーネントまたは複合コンポーネントの各表面など)、または外表面と内表面の両方を覆ってもよい。
水分イベント閾値を満たすまたは超える水分量への電子デバイス800の曝露(例えば、95%以上の相対湿度など所定の危険レベルにある水分や、水や液体の状態にあるその他の導電性物質への曝露など)を検知し、それに応答する方法のさまざまな実施形態は、電子デバイスが曝された水分量を(例えば水分センサ12などを用いて)検知することを含みうる。検知は連続的または周期的に行ってもよい。検出水分量(例えば水分センサ12などによって検出)が水分イベント閾値を満たすまたは超える場合、電子デバイス800の通常動作モードは停止し、電子デバイス800の水分イベントモードが開始する場合がある。
電子デバイス800がその通常動作モードを終了すると、電源816から電子デバイス800の1つまたは複数の電子コンポーネントへの電力供給が停止される場合がある。電子デバイス800の水分イベントモードにより電子デバイス800の電源の充電が妨げられることがある。いくつかの実施形態では、電子デバイス800のこの水分イベントモードは、電子デバイス800の完全な動作停止を含む場合もある。その他の実施形態では、電子デバイス800の水分イベントモードに安全モードを含めることができ、安全モードでは、電子デバイス800の所定のコンポーネント(例えば、耐水分性を付与された主電子コンポーネントや水分に曝されても故障しにくいコンポーネントなど)は動作を継続することができる。いくつかの実施形態では、水分検知システムに関与しない任意の主電子コンポーネントへの電源816からの電力伝達が停止している間でも、安全モードでデバイスを動作させることにより、水分センサ12またはもしあれば水分検知システム10のその他のコンポーネントは動作を継続することが可能な場合もある。
電子デバイス800が安全モードまたは水分イベントモードに入ると、電子デバイス800または電子デバイス800に関連する水分検知システム10は通知を生成することができる。通知には、ユーザから認知可能な警告、信号の生成およびその信号の遠隔監視サービスへの送信、またはこれらサービスの組み合わせを含めることができる。限定はしないが、遠隔監視サービスには、製造業者、電子デバイスの売主・所有者・ユーザ、電子デバイスの監視・更新・点検・修理に従事している関係者、電子デバイスの保証範囲を提供するか保証する関係者、またはその他の任意の適切な関係者を含めることができる。
ユーザから認知可能な警告は、電子デバイス上の物理的表示(例えば視覚、音、動きなど)によって提供することができる。あるいは、警告は遠隔操作によってユーザまたは監視サービスに送信することもできる(例えば、テキストメッセージ、Eメール、インスタントメッセージ、通話、またはその他の任意かつ適切な形態の自動電子通信として送信される)。そのような警告は、特定の電子デバイスが水分に曝されたということを単に示す場合もあれば、その他の情報を含む場合もある。その他の情報としては、電子デバイスが水分に曝された時刻、電子デバイスが曝された水分の種類、曝露度合い、曝露の継続時間、電子デバイスが水分に曝された回数(すなわち計数)、水分への電子デバイスの曝露の累積持続時間、曝露時における電子デバイスの地理的位置、保証内容、電子デバイスのユーザおよび/または所有者のための連絡先、以前にも電子デバイスは水分に曝されたことがあるかについての情報、水分への電子デバイスの曝露に関するその他の任意の関連情報などが挙げられる。そのような情報をもとに、受領者は、情報自体を用いるかもしくは電子デバイスのユーザを補助する、受領した情報を記録する、かつ/またはユーザに再度リマインダを送る予定を決めることができる。
電子デバイス800が水分イベントモードにある間水分監視が継続される実施形態では、許容可能レベルの水分(例えば所定のリセット閾値や所定の水分イベント閾値を下回る水分量など)が検出されると電子デバイス800はフル稼働の再開を許可される場合がある。そのような実施形態では、検出水分量が所定のリセット閾値もしくは所定の水分イベント閾値以下まで減少したら、またはその他の任意の適切なリセット条件もしくは複合リセット条件が満たされたら、電子デバイス800の水分イベントモードは終了し、電子デバイス800の通常動作モードが再開される場合がある。電子デバイス800の通常動作またはフル稼働の再開はリセット条件が整ったときに自動的に始まる場合もあるし、または電子デバイス800のリセットは、個人(例えばユーザや管理者など)が電子デバイス30の通常動作を再開させたとき(例えば検査などの後)に行われることもある。
水分センサは、誘導センサ、容量センサ、振動加速度計(デバイスの落下や投擲を記録する)、光センサ(例えば内蔵カメラや赤外線エミッタ/センサのペア)、圧電センサ、マイクロフォン、スピーカ(圧力計として利用される)、伝導度センサ、温度センサ、湿度センサ(例えば機械的、電気的、ゲル状)、特定の閾値を超える水分が存在した場合に回路接続を遮断する犠牲素子またはヒューズのような素子、無線通信回路(例えばGPS受信器回路、WIFI・ブルートゥース受信器回路、セルラ電話受信器回路、アンテナ)のうちの1つまたは複数から構成される。これらデバイスはどれも制御回路とともに用いて、検知デバイスによって検出される1つまたは複数のトリガー・イベントにブール論理を適用することができる。水分イベントの性質および物質特性は、上述のデバイスのうち1つまたは複数を組み合わせで用いるか、または制御回路とともにブール構成として用いることにより確認されることになる。
上述の説明において多くの細部を示したが、これらは添付の特許請求の範囲を限定すると解釈されるべきではない。むしろ、添付の特許請求の範囲に該当しうるいくつかの特定の実施形態に関連する情報を単に提供していると解釈されるべきである。異なる各実施形態の特徴も組み合わせて用いることができる。また、添付の特許請求の範囲に包含される限りその他の実施形態を考案してもよい。したがって、各請求項で規定される範囲はその通常の言葉の意味および記載される要素の法律上の均等物によってのみ示されかつ限定される。開示した主題へのすべての付加・削除・修正は、請求項の意味および範囲に該当する限り請求項の範囲に包含されるべきである。