JP2008039550A - 湿度センサ - Google Patents

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輝夫 小田
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Abstract

【課題】 センサ特性の変動の影響を排除することができ、湿度の検出精度を向上させることができる湿度センサを実現する。
【解決手段】
基板11と、検出電極15,15と、湿度に応じた量の水分を保持して静電容量が変化する感湿膜17と、各電極15と電気的に接続され、感湿膜17の静電容量を検出し、その検出された静電容量に対応する出力値Vを出力する出力部18とを備えた湿度センサにおいて、出力値Vが予め設定された閾値Vsを超えた場合に、ヒータ制御部19によりヒータ13を作動させて、感湿膜17に保持された水分を除去することができるので、相対湿度が高い領域においてセンサ特性が変動した場合でも、センサ特性を初期状態に再現性よく戻すことができるので、センサ特性の変動の影響を排除することができ、湿度センサ1の検出精度を向上させることができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、雰囲気の湿度を検出する湿度センサに関する。
従来より、雰囲気湿度を検出する湿度センサとして、例えば、特許文献1に記載されているように、吸湿性を有する高分子材料で形成された感湿膜を備えた湿度センサが知られている。この感湿膜は、数ナノオーダーの細孔を多数有しており、細孔内に雰囲気の水分が吸脱着することにより誘電率が変化する。通常、水の誘電率は高分子材料よりも大きいため、感湿膜に水分が吸着すると誘電率が大きくなる。そのため、感湿膜の静電容量を検出することにより、雰囲気湿度を検出することができる。
特開平2−140654号公報
図5は、従来の湿度センサのセンサ特性を示す説明図である。横軸は雰囲気の相対湿度、縦軸はセンサの出力を示す。雰囲気の相対湿度が低いドライな環境から徐々に加湿し、相対湿度がほぼ100%RHのウェットな環境に到達した後に徐々に水分除去した場合の出力の変化を調べたものである。
ここで、「センサ特性」とは、雰囲気の相対湿度に対するセンサ出力の関係をいう。
加湿領域では、相対湿度がRH1を超えると、出力Vが急激に上昇するセンサ特性Xを示す。これは、相対湿度の上昇により、細孔表面の表面吸着による水分の保持ができなくなり、細孔内で水分が凝縮するいわゆる毛管凝縮の状態に移行するためである。湿度センサは、製造時にはセンサ特性Xに設定されていたものとする。
一方、水分除去領域では、毛管凝縮により細孔内に保持された水分は、脱離速度が遅く完全には除去されないため、雰囲気の相対湿度が低下しても、加湿領域よりも多い水分が細孔内で保持されたままとなる。そのため、加湿領域と雰囲気の湿度が同じであっても、細孔内の水分量が多くなり、感湿膜の静電容量が高くなる。その結果、センサの出力が増大し、センサ特性がセンサ特性Xより高出力側のセンサ特性Yに変動する。つまり、相対湿度が高い領域において、センサ特性にヒステリシスが生じる。この現象は、感湿膜として無機膜を用いたときに顕著である。
このように、センサ特性が変動すると、以下のような問題が生じる。
例えば、雰囲気の湿度がRH1であった場合、あらかじめ設定されたセンサ特性Xによれば、出力がV1となる。しかし、実際には、感湿膜が雰囲気の水分を吸着して、センサ特性Yに変動しているため、出力はV2に上昇する。このとき、湿度センサはセンサ特性Xで設定されているので、出力V2に対応する湿度RH2が検出されることになり、実際の湿度RH1に比べて高い値が得られてしまう。
つまり、上記のような湿度センサでは、相対湿度が高い領域における水分の毛管凝縮により、センサ特性が変動してしまうため、湿度の検出誤差が生じるおそれがあった。
そこで、この発明は、センサ特性の変動の影響を排除することができ、湿度の検出精度を向上させることができる湿度センサを実現することを目的とする。
この発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、基板と、前記基板の同一基板面において相互間に間隔を置いて配置された一組の電極と、前記基板面において少なくとも前記電極間の領域に形成され、湿度に応じた量の水分を保持して静電容量が変化する感湿部材と、前記各電極と電気的に接続され、前記感湿部材の静電容量を検出し、その検出された静電容量に対応するレベルの信号を出力する出力手段とを備え、前記湿度の変化及び前記レベルの変化が特定の関係となるように設定された湿度センサにおいて、前記感湿部材に保持された水分を除去する水分除去手段と、前記出力手段により出力されたレベルが、予め設定された閾値を超えた場合に、前記水分除去手段を作動させる制御手段と、を備えた、という技術的手段を用いる。
請求項1に記載の発明によれば、基板と、基板の同一基板面において相互間に間隔を置いて配置された一組の電極と、基板面において少なくとも電極間の領域に形成され、湿度に応じた量の水分を保持して静電容量が変化する感湿部材と、各電極と電気的に接続され、感湿部材の静電容量を検出し、その検出された静電容量に対応するレベルの信号を出力する出力手段とを備え、湿度の変化及びレベルの変化が特定の関係となるように設定された湿度センサにおいて、出力手段により出力されたレベルが、予め設定された閾値を超えた場合に、制御手段により水分除去手段を作動させて、感湿部材に保持された水分を除去することができるので、相対湿度が高い領域においてセンサ特性が変動した場合でも、湿度センサのセンサ特性を特定の関係設定時の初期状態に再現性よく戻すことができる。これにより、センサ特性の変動の影響を排除することができ、湿度の検出精度を向上させることができる湿度センサを実現することができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の湿度センサにおいて、前記閾値は、前記レベルが前記湿度の変化に対して急増し始めるレベルに設定された、という技術的手段を用いる。
請求項2に記載の発明によれば、閾値は、レベルが湿度の変化に対して急増し始めるレベルに設定されているため、感湿部材に保持される水分が急増するレベルに対応して設定されているので、必要最小限の湿度範囲において水分除去部材を作動させることができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の湿度センサにおいて、前記水分除去手段は、前記感湿部材を加熱する加熱部材である、という技術的手段を用いる。
請求項3に記載の発明によれば、水分除去手段は、感湿部材を加熱する加熱部材であるため、感湿部材の水分を蒸発させて効率よく除去することができる。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の湿度センサにおいて、前記加熱部材は、前記基板面と前記感湿部材との間に備えられている、という技術的手段を用いる。
請求項4に記載の発明によれば、加熱部材は、基板面と感湿部材との間に備えられており、感湿部材に近接して設けられているので、効率的に感湿部材を加熱して水分を除去することができる。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の湿度センサにおいて、前記感湿部材は、細孔を有する無機膜である、という技術的手段を用いる。
請求項5に記載の発明によれば、感湿部材は、細孔を有する無機膜であるため、有機膜に比べて、熱や腐食性雰囲気など環境負荷に対する耐久性を高くすることができる。これにより、例えば、加熱部材により高温まで加熱することが可能となり、短時間で効率的に感湿部材の水分を蒸発させて除去することができる。
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の湿度センサにおいて、前記無機膜は、メソポーラスシリカである、という技術的手段を用いる。
請求項6に記載の発明によれば、細孔径の制御が容易で、半導体基板表面に作製可能なメソポーラスシリカを用いることができる。
請求項7に記載の発明では、請求項5または請求項6に記載の湿度センサにおいて、前記閾値は、前記細孔内に水分が毛管凝縮する湿度に対応したレベルである、という技術的手段を用いる。
請求項7に記載の発明によれば、閾値は、細孔内に水分が毛管凝縮する湿度に対応したレベルであるため、毛管凝縮が起こりやすい無機膜に適用することにより、閾値が感湿部材に保持される水分が急増するレベルに対応して設定されていることになるので、必要最小限の湿度範囲において水分除去部材を作動させることができる。
請求項8に記載の発明では、請求項1ないし請求項7のいずれか1つに記載の湿度センサにおいて、前記一組の検出電極は、櫛歯状に形成された櫛歯部をそれぞれ備えており、前記櫛歯部が互いにかみ合うように配置されている、という技術的手段を用いる。
請求項8に記載の発明によれば、一組の電極は櫛歯状に形成された櫛歯部をそれぞれ備えており、櫛歯部が互いにかみ合うように配置されているため、それぞれの櫛歯部間の対向する面積の合計を大きくすることができる。また、感湿部材は櫛歯部間の凹んだ部分にも形成されるため、櫛歯部間に介在する感湿部材の体積が増大し、湿度の変化に対する静電容量の変化が増大するので、湿度センサの感度を向上させることができる。
請求項9に記載の発明では、請求項3に記載の湿度センサにおいて、前記加熱部材は、前記基板内の配線層として設けられている、アルミニウム配線、Poly−Si配線、拡散層の何れかにより形成されている、という技術的手段を用いる。
請求項9に記載の発明によれば、加熱部材を基板内の配線層として設けることができる。更に、加熱部材を構成する配線の種類として、アルミニウム配線、Poly−Si配線、拡散層を好適に用いることができる。
請求項10に記載の発明では、請求項3に記載の湿度センサにおいて、前記加熱部材は、前記感湿部材表面にポーラスな金属層により形成されている、という技術的手段を用いる。
請求項10に記載の発明によれば、加熱部材はポーラスな金属層により形成されているため、感湿部材表面に水分を透過可能に形成することができる。
この発明に係る湿度センサの実施形態について、図を参照して説明する。図1は、湿度センサを基板の基板面上方から見た平面説明図である。図2は、図1のX−X矢視断面の一部を拡大した拡大断面図である。図3は、感湿膜の水分量による湿度センサのセンサ特性の変動を示す説明図である。図4は、感湿膜の水分除去処理を示すフローチャートである。
なお、図1及び図2では、説明のために一部を拡大して誇張して示している。
(湿度センサの構造)
図1に示すように、湿度センサ1は、湿度検出素子10と、出力部18と、ヒータ制御部19と、から構成されている。
図1及び図2に示すように、湿度検出素子10は、基板11の基板面上に、第1絶縁膜12、ヒータ13、第2絶縁膜14、検出電極15、保護膜16、感湿膜17を順に積層して構成されている。
ヒータ13はヒータ電極パッド13aを介してヒータ制御部19と電気的に接続されている。検出電極15は、電極パッド15bを介して、感湿膜17の静電容量を検出し、その検出された静電容量に対応するレベルの電圧信号を出力する出力部18と電気的に接続されている。
ヒータ制御部19は、出力部18と電気的に接続されており、出力部18から出力された出力値Vと後述する閾値とを比較し、ヒータ出力を制御する。
本実施形態では、基板11として、シリコンからなる半導体基板を用いる。基板11の基板面には、例えば、酸化けい素からなる第1絶縁膜12が形成されている。第1絶縁膜12上には、ヒータ13が、例えば、Poly−Si薄膜により、後述する検出電極15の櫛歯部15aの直下に、それぞれの櫛歯部15aとほぼ同じ幅の配線層として蛇腹状に形成されている。その他、ヒータ13を構成する配線層の種類として、アルミニウム配線、拡散層などを好適に用いることができる。
ヒータ13及び第1絶縁膜12の上面を覆って、例えばプラズマCVD法により、酸化けい素からなる第2絶縁膜14が形成されている。ここで、第2絶縁膜14は、ほぼ同じ厚さでヒータ13及び第1絶縁膜12を覆っているため、隣接するヒータ13の間には凹部14aが形成される。
図1に示すように、第2絶縁膜14の上面には、櫛歯状に形成された櫛歯部15aを有する一組の検出電極15、15が設けられている。櫛歯部15aは互いにかみ合うように配置されているため、それぞれの櫛歯部15a間の対向する面積の合計を大きくすることができる。
各検出電極15は、第2絶縁膜14の上面にスパッタリング法によりアルミニウムを付着させ、ヒータ13の上方に、櫛歯状にパターニングして形成されている。ここで、一方の検出電極15の櫛歯部15aが、他方の検出電極15の櫛歯部15a間の間隙に配置されている。検出電極15には、アルミニウム以外にも、銅、金、白金等の低抵抗金属材料を用いることができる。
第2絶縁膜14の上面には、検出電極15を覆って、検出電極15を水分による腐食等から保護するための保護膜16が形成されている。保護膜16は、例えばプラズマCVD法により形成された窒化けい素膜である。ここで、保護膜16は、ほぼ同じ厚さで第2絶縁膜14の上面を覆っているため、隣接する検出電極15の間に凹部16aが形成される。
保護膜16の上面には、検出電極15、15間を覆って、湿度に応じて静電容量が変化する感湿膜17が形成されている。
本実施形態では、感湿膜17として、細孔径の制御が容易で、半導体プロセスで作製可能な数μmの厚さに形成されたメソポーラスシリカを用いる。他にはゼオライトなどを用いることができる。感湿膜17として、細孔を有する無機膜を使用すると、有機膜に比べて、熱や腐食性雰囲気など環境負荷に対する耐久性を高くすることができる。これにより、例えば、ヒータ13により高温まで加熱することが可能となり、短時間で効率的に感湿膜17の水分を蒸発させて除去することができる。
感湿膜17は、ナノオーダーの細孔、例えば、5〜50nmの細孔を多数有しており、細孔内に雰囲気の水分が吸脱着することにより誘電率が変化する。水の誘電率は感湿膜17の誘電率よりも大きいため、感湿膜17の細孔内に、雰囲気の湿度に応じて水分が吸着すると、吸着した水分量に応じて誘電率が大きくなる。そのため、隣接する検出電極15とこの検出電極15の間に介在する感湿膜17とにより構成されるコンデンサの静電容量が変化する。この静電容量は、出力部18において検出され、静電容量に対応するレベルの電圧信号が出力される。この出力された電圧信号から、センサ特性に基づいて、雰囲気の湿度が検出される。ここで、センサ特性は、湿度センサ1の製造時に、湿度を変化させながら出力電圧を測定し、両者の関係より出力部18において設定されている。
感湿膜17は、櫛歯部15a間の凹んだ部分にも形成されるため、櫛歯部15a間に介在する感湿膜17の体積が増大し、湿度の変化に対する静電容量の変化が増大するので、湿度センサ1の感度を向上させることができる。
(湿度センサのセンサ特性)
図3に、雰囲気の相対湿度が低いドライな環境から徐々に加湿し、相対湿度がほぼ100%RHのウェットな環境に到達した後に徐々に水分除去した場合の湿度センサ1のセンサ特性を示す。横軸は雰囲気の相対湿度、縦軸はセンサの出力を示す。
加湿領域では、相対湿度がRHsを超えると、出力Vが急激に上昇するセンサ特性Aを示す。これは、相対湿度の上昇により、細孔表面の表面吸着による水分の保持ができなくなり、細孔内で水分が凝縮するいわゆる毛管凝縮の状態に移行するためである。このときの出力を閾値Vsとすると、出力Vがこの閾値Vsを超えたか否かにより毛管凝縮の発生を判定することができる。
一方、水分除去領域では、毛管凝縮により細孔内に保持された水分は、脱離速度が遅く完全には除去されないため、雰囲気の相対湿度が低下しても、加湿領域よりも多い水分が細孔内で保持されたままとなる。そのため、加湿領域と雰囲気の湿度が同じであっても、細孔内の水分量が多くなり、感湿膜17の静電容量が高くなる。その結果、湿度センサ1の出力が増大し、センサ特性がセンサ特性Aより高出力側のセンサ特性Bに変動する。湿度センサ1の製造時において、センサ特性Aにより設定されている場合、センサ特性が変動すると、湿度の検出誤差が生じるため、毛管凝縮が生じた場合に、センサ特性Bをセンサ特性Aに戻すために、以下の水分除去処理を行う。
(湿度検出素子の水分除去処理)
まず、ステップS1により、出力部18において感湿膜17の静電容量を検出し、その検出された静電容量に対応する出力値Vを出力する。
出力値Vは、検出電極15、15間に生じる静電容量に比例して蓄積された電荷を、出力部18に備えられた図示しないスイッチトキャパシタ構成のC−V変換部において電圧に変換して、増幅して容量変化に応じた電圧であるとして出力される。
続いて、ステップS2により、ヒータ制御部19において、出力部18から出力された出力値Vと、湿度センサ1の製造時にあらかじめ設定されている閾値Vsとを比較し、出力値Vが閾値Vsを超えているか(V>Vs)否かを判断する。出力値Vが閾値Vsを超えていると判断すると(S2:YES)、ステップS3に処理を移行する。
出力値Vが閾値Vsを超えていないと判断すると(S2:No)、本水分除去処理は終了する。
続いて、ステップS3では、ヒータ制御部19によりヒータ出力をONにして、あらかじめ設定されている時間tの間、ヒータ13により感湿膜17を加熱する。このとき、ヒータ13は、毛管凝縮により感湿膜17に保持された水分が、細孔内から脱離するために必要な温度となるように、ヒータ制御部19により定電流で制御される。例えば、ヒータ温度150℃で、5分間加熱される。
続いて、ステップS4では、ヒータ出力をONにしてから時間tの経過後に、ヒータ制御部19によりヒータ出力をOFFにし、本水分除去処理を終了する。
上述した水分除去処理により、感湿膜17に毛管凝縮により保持された水分を、細孔内から脱離させることができるため、センサ特性Bをセンサ特性Aに戻すことができる。これにより、センサ特性Aに基づいた湿度の検出が可能となるので、センサ特性の変動の影響を排除することができる。
また、湿度センサ1自体の出力値Vに基づいて、ヒータ13のON−OFFを制御することができるため、ヒータ13のON−OFFを制御するためのセンサ、例えば、結露センサを別に用意する必要がない。
ここで、ステップS3では、ヒータ13の温度を、例えば、サーミスタにより計測し、所定の温度となるようにヒータ出力をヒータ制御部19により制御してもよい。このとき、ステップS1において検出された出力Vに応じて、ヒータ出力を制御してもよい。例えば、ROMに格納されているテーブルを参照して、ヒータ出力の制御を行う構成を用いることができる。
本実施形態の湿度センサ1は、車両の窓の曇り防止のため、エアコンシステムにおいて、デフロスターの起動、停止を行う場合などに用いることができる。
例えば、ステップS3において、ヒータ制御部19によりヒータ出力がON状態となった場合に、デフロスターをON操作することができる。これにより、相対湿度が上昇し、結露する可能性がある状態になったときに、デフロスターをON操作することができるので、窓の曇りを確実に防止することができる。
デフロスターをOFF操作は、ヒータ出力のOFFと同時に行うことができる。また、デフロスターのOFF操作は、湿度センサの出力値Vが、閾値Vsより低く設定された出力Vd(湿度RHd(<RHs)に対応)以下になったときに行ってもよい。
基板11としては、ガラス基板、樹脂基板等の絶縁基板を適用することが可能である。
検出電極15が腐食などの環境劣化を起こさない場合には、保護膜16を形成しない構成を採用することもできる。また、検出電極15は、櫛歯構造に限定されるものではなく、例えば、平板型の電極を1枚ずつ対向させる構造としてもよい。
ヒータ13を形成する場所は第1絶縁膜12上に限定されるものではない。例えば、基板11の下面側に絶縁膜を形成し、この絶縁膜を介して配置してもよいし、感湿膜17の上面に形成することもできる。ヒータ13を感湿膜17の上面に形成する場合には、例えば、ポーラスな金属層により形成すると、水分を透過可能に形成することができる。
感湿膜17は少なくとも検出電極15の櫛歯部15a間の領域に形成されていればよい。
出力部18及びヒータ制御部19は、湿度検出素子10と、同一の基板に構成してもよいし、別に設けてもよい。
[最良の形態による効果]
(1)本実施形態の湿度センサ1によれば、出力部18により出力された出力値Vが、予め設定された閾値Vsを超えた場合に、ヒータ制御部19によりヒータ13を作動させて、感湿膜17に保持された水分を除去することができるので、相対湿度が高い領域においてセンサ特性が変動した場合でも、湿度センサ1のセンサ特性を初期状態(センサ特性A)に再現性よく戻すことができるので、センサ特性の変動の影響を排除することができ、湿度の検出精度を向上させることができる湿度センサ1を実現することができる。
(2)感湿膜17として、細孔径の制御が容易で、半導体基板表面に作製可能なメソポーラスシリカを用いることができる。このように細孔を有する無機膜を使用すると、有機膜に比べて、熱や腐食性雰囲気などの環境負荷に対する耐久性を高くすることができる。これにより、例えば、ヒータ13により高温まで加熱することが可能となり、短時間で効率的に感湿膜17の水分を蒸発させて除去することができる。
(3)閾値Vsは、出力値が湿度の変化に対して急増し始める値に設定されているため、感湿膜17に保持される水分が急増する出力値に対応して設定されているので、必要最小限の湿度範囲においてのみヒータ13を作動させることができる。また、感湿膜17として無機膜を使用した場合、閾値Vsは、細孔内に水分が毛管凝縮する湿度に対応した出力値であるため、必要最小限の湿度範囲においてのみ水分除去部材を作動させることができる。
(4)検出電極15は、櫛歯部15aが互いにかみ合うように配置されているため、それぞれの櫛歯部15a間の対向する面積の合計を大きくすることができる。また、櫛歯部15a間に凹部16aが形成されるため、櫛歯部15a間に介在する感湿膜17の体積が増加し、湿度の変化に対する静電容量の変化が増大するので、湿度センサ1の感度を向上させることができる。
〈その他の実施形態〉
(1)検出電極15をヒータとして用いる回路構成をしてもよい。この構成を用いると、検出電極15をヒータとして兼用できるため、ヒータ13及び第2絶縁膜14を形成する必要がなく、湿度検出素子10の製造工程を短縮することができる。
(2)本実施例では、感湿膜17から水分除去する手段として湿度検出素子10に備えられたヒータ13を用いたが、ヒータ13は、湿度検出素子10に備えられていなくてもよく、例えば、感湿膜17の上方に対向して設けてもよい。感湿膜17から水分除去する手段として、感湿膜17に送風する送風部材や高周波加熱などの手段を用いることもできる。
[各請求項と実施形態との対応関係]
ヒータ13が請求項1に記載の水分除去手段に、検出電極15が一組の電極に、感湿膜17が感湿部材に、出力部18が出力手段に、ヒータ制御部19が制御手段に、出力値Vがレベルにそれぞれ対応する。
湿度センサを基板の基板面上方から見た平面説明図である。 図1のX−X矢視断面の一部を拡大した拡大断面図である。 感湿膜の水分量による湿度センサのセンサ特性の変動を示す説明図である。 感湿膜の水分除去処理を示すフローチャートである。 従来の湿度センサのセンサ特性を示す説明図である。
符号の説明
1 湿度センサ
10 湿度検出素子
11 基板
13 ヒータ(水分除去手段)
15 検出電極(一組の電極)
15a 櫛歯部
17 感湿膜(感湿部材)
18 出力部(出力手段)
19 ヒータ制御部(制御手段)
V 出力値(レベル)
Vs 閾値

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板の同一基板面において相互間に間隔を置いて配置された一組の電極と、
    前記基板面において少なくとも前記電極間の領域に形成され、湿度に応じた量の水分を保持して静電容量が変化する感湿部材と、
    前記各電極と電気的に接続され、前記感湿部材の静電容量を検出し、その検出された静電容量に対応するレベルの信号を出力する出力手段とを備え、
    前記湿度の変化及び前記レベルの変化が特定の関係となるように設定された湿度センサにおいて、
    前記感湿部材に保持された水分を除去する水分除去手段と、
    前記出力手段により出力されたレベルが、予め設定された閾値を超えた場合に、前記水分除去手段を作動させる制御手段と、を備えたことを特徴とする湿度センサ。
  2. 前記閾値は、前記レベルが前記湿度の変化に対して急増し始めるレベルに設定されたことを特徴とする請求項1に記載の湿度センサ。
  3. 前記水分除去手段は、前記感湿部材を加熱する加熱部材であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の湿度センサ。
  4. 前記加熱部材は、前記基板面と前記感湿部材との間に備えられていることを特徴とする請求項3に記載の湿度センサ。
  5. 前記感湿部材は、細孔を有する無機膜であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の湿度センサ。
  6. 前記無機膜は、メソポーラスシリカであることを特徴とする請求項5に記載の湿度センサ。
  7. 前記閾値は、前記細孔内に水分が毛管凝縮する湿度に対応したレベルであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の湿度センサ。
  8. 前記一組の検出電極は、櫛歯状に形成された櫛歯部をそれぞれ備えており、前記櫛歯部が互いにかみ合うように配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1つに記載の湿度センサ。
  9. 前記加熱部材は、前記基板内の配線層として設けられている、アルミニウム配線、Poly−Si配線、拡散層の何れかにより形成されていることを特徴とする請求項3に記載の湿度センサ。
  10. 前記加熱部材は、前記感湿部材表面にポーラスな金属層により形成されていることを特徴とする請求項3に記載の湿度センサ。
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