JP2017502177A - オンデマンド接着用マイクロカプセルを含む物品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

第1の主表面を有し、不織材、織材又は発泡体を含む基材を含む物品が提供される。物品は、外表面を有するマイクロカプセルであって、マイクロカプセルに封入された可塑剤を更に有し、基材の第1の主表面にポリマー材料で付着された複数のマイクロカプセルを更に含む。物品を製造する方法も提供され、この方法は、第1の主表面を有する基材を準備する工程と、外表面を有するマイクロカプセルであって、マイクロカプセルに封入された可塑剤を更に有するマイクロカプセルを準備する工程と、を含む。方法は、マイクロカプセルを基材の第1の主表面にポリマー材料で付着させ、これにより、基材の第1の主表面に付着された高分子マトリックスを形成する工程を更に含む。【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
[分野]
オンデマンド接着用マイクロカプセルを含む物品が提供され、また、その物品を製造する方法が提供される。
[背景]
典型的には、感圧性接着剤(PSA:pressuresensitive adhesive)の表面は、剥離ライナー又はバックサイズされた支持体(backsizedbacking)で保護され、適用前にPSAが望ましくない基材に粘着することを防ぐ。いくつかの用途では、これらのライナー及び支持体の使用を回避することが望ましいであろう。例えば、いくつかの場合には、ライナーは製品に大幅なコストを追加するが、ライナーは接着剤の使用前に廃棄されるので、このコストは直接の価値を製品に追加しておらず、ライナーの除去により、コストが大幅に節約されるであろう。他の場合には、ライナーの使用は、技術的課題を引き起こす。例えば、接着剤が不織断熱(insulation)材料などの繊細な支持体上にある場合、ライナーを接着剤から除去するのに必要な力が、支持体を損傷することがある。産業用途では、作業者は多くの場合、手袋を着用しなければならず、このことがライナーの除去をより難しく、かつ/又は時間の掛かるものにして、作業の効率を低下させる。更に、いくつかの用途では、基材上の接着剤の場所が非常に重要であり、十分に制御される必要がある。PSAは、用途の要件に合う様々なパターンで噴霧され得るが、ライナーの形状/領域は最適化がより難しく、多くの場合、接着剤の領域だけを被覆する代わりに、基材の表面全体をライナーで被覆することになるので、コストを増加させる。
可塑剤含有マイクロカプセルを感圧性接着剤内に導入することは、感圧性接着剤層の厚み内に完全に含まれるマイクロカプセルを含むものとして、これまでに記載されている。このような一般的な物品の断面概略図は、図1に示される。しかし、この種類の構成体は、いくつかの不利益を有する。第1に、物品10は、接着のきっかけ(triggering)を引き起こすために、非常に高い圧力を必要とする傾向がある。マイクロカプセル12は、マイクロカプセルのシェル14が破壊点を越えてひずんだ時に破裂する。カプセルが完全に流体状マトリックス16内に埋め込まれている場合、図1の先行技術の物品の場合のように、マトリックス上の圧力は、カプセルの等方圧縮(isostatic compression)を生じる傾向がある。しかし、等方圧縮は、カプセルの変形に効率的につながらないので、カプセルの破裂を引き起こしてその内容物17を放出するために、高い圧力が必要とされる。接着を活性化するためのこのような高い圧力は、ある種の用途、例えば、壊れやすくかつ/又は圧縮性の基材材料18を構成体が含む用途では、実用的でない。第2に、PSAは、典型的には、時間−温度換算則(time-temperature superposition principle)に従う。これは、材料が、長い時間スケールでは、短い時間スケールで振る舞うように見えるよりも、大幅に柔らかい材料として振る舞うことを一般に意味する。図1に描写される物品でのマイクロカプセル含有PSAの場合、この特性は、マイクロカプセル12の破裂がなくても、長い期間を掛けて、マトリックス16の表面に接着を作らせる。これは、基材への望ましくない早すぎる(premature)接着につながり得る。 したがって、望まれる時にのみ、粘着性になることができ、保護ライナー又は接着させるための高い圧力の必要性のない物品へのニーズが残っている。
[概要]
オンデマンド接着用マイクロカプセルを含む物品が提供される。第1の態様では、第1の主表面を有し、不織材(nonwoven material)、織材(woven material)又は発泡体を含む基材を含む物品が提供される。物品は、外表面を有する複数のマイクロカプセルであって、マイクロカプセルに封入された可塑剤を更に含み、基材の第1の主表面にポリマー材料で付着された複数のマイクロカプセルを更に含む。
第2の態様では、物品を製造する方法が提供される。方法は、第1の主表面を有し、不織材、織材又は発泡体を含む基材を準備する工程と、外表面を有する複数のマイクロカプセルであって、マイクロカプセルに封入された可塑剤を更に含む複数のマイクロカプセルを準備する工程と、を含む。方法は、複数のマイクロカプセルを基材の第1の主表面にポリマー材料で付着させ、これにより、基材の第1の主表面に付着された高分子マトリックスを形成する工程を更に含む。
基材上に配設された感圧性接着剤に埋め込まれたマイクロカプセルを含む、先行技術の物品の断面概略図である。 基材にポリマー材料で付着されたマイクロカプセルを含む物品の例示的な断面概略図である。 不織基材にポリマー材料で付着されたマイクロカプセルを含む物品の別の例示的な断面概略図である。 基材にポリマー材料で付着されたマイクロカプセルを含む物品の更なる例示的な断面概略図である。
上記の図面(一定の縮尺で描かれているわけではない)は、本開示の様々な実施形態を示すが、「発明を実施するための形態」において記載されるように、他の実施形態も企図される。
[詳細な説明]
オンデマンドで基材への接着を提供する物品及び方法が提供される。より具体的には、物品は、基材にポリマー材料で付着された可塑剤を含む複数のマイクロカプセルを有する。マイクロカプセルの破裂時、可塑剤はポリマー材料を軟化させて、ポリマー材料が接着特性を有するように、例えば粘着性になるようにする。
端点による任意の数値範囲の列挙は、いずれも、その範囲の端点、その範囲内の全ての数値、及び述べられた範囲内の任意のより狭い範囲を含むことを意味する(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.8、4、及び5を含む)。本明細書及び実施形態において使用される量又は成分、特性の測定値等を表す全ての数値は、別段指定のない限り、全ての場合において「約」という用語によって修正されることを理解されたい。したがって、特にそれとは反対の指示がない限り、先の明細書及び添付した実施形態の一覧に記述されている数値パラメータは、当業者が本開示の教示を利用して得ようとする所望の性質に応じて変化し得る。最低限でも、また、請求される実施形態の範囲への同等物の原則の適用を限定する試行としてではなく、少なくとも各数値パラメータは、報告された有効数字の数を考慮して、そして通常の概算方法を適用することによって解釈されなければならない。
以下の用語集の定義された用語について、請求項又は明細書の他の箇所で異なる定義が提供されない限り、これらの定義が出願全体に適用されるものとする。
用語集
明細書及び特許請求の範囲の全体を通して特定の用語が使用されており、大部分は周知であるが、いくらか説明を必要とするものもある。本明細書で使用するとき、以下の通りであると理解すべきである。
用語「a」、「an」、及び「the」は、「少なくとも1つ」と互換的に使用され、説明される要素のうちの1つ以上を意味する。
用語「及び/又は」とは、一方又は両方を意味する。例えば、表現「A及び/又はB」は、A、B、又はAとBとの組み合わせを意味する。
用語「ポリマー材料」は、少なくとも1つのポリマーで構成される物質を指す。
用語「発泡体」は、連続気泡(open-cell)ポリマー材料を指す。
用語「マイクロカプセル」は、壊れやすいポリマーシェルを含むポリマー材料であって、このシェルが、シェル(すなわち壁)材料を破砕し砕くのに十分な力を受けるまで、内容物をマイクロカプセル内に閉じ込めるポリマー材料を指す。
用語「(メタ)アクリレート」は、メタクリレートとアクリレートの両方を指す。
第1の態様では、物品が提供される。特に、第1の主表面を有し、不織材、織材又は発泡体を含む基材を含む物品が提供される。物品は、外表面を有する複数のマイクロカプセルであって、マイクロカプセルに封入された可塑剤を更に含み、基材の第1の主表面にポリマー材料で付着された複数のマイクロカプセルを更に含む。図2を参照すると、このような物品の例示的な断面概略図が提供される。物品20は第1の主表面21を有する基材28を含み、複数のマイクロカプセル22が、基材28の第1の主表面21にポリマー材料26で付着するように図示される。図2の実施形態では、基材28は発泡体を含む。それぞれのマイクロカプセル22は、外表面25と、マイクロカプセル22内に配設された可塑剤27と、可塑剤27を取り囲むシェル24と、を含む。図2の実施形態では、ポリマー材料26は、基材28の第1の主表面21を被覆する平均厚さTを有し、複数のマイクロカプセル22のそれぞれは、基材28の第1の主表面21上のポリマー材料26のコーティングの上面23よりも上に配置される部分を含む。ポリマー材料26のコーティングの上面23とそれぞれのマイクロカプセル22の上部における外表面25との間の距離は「P」と呼ばれ、それぞれのマイクロカプセル22が平均ポリマー材料26のコーティング厚みの上に突出する程度の指標である。Pの大きさは、それぞれのマイクロカプセル22の正確な直径によって異なるであろう。また、図2は、それぞれのマイクロカプセルの外表面25がポリマー材料26で完全にコーティングされた実施形態を図示する。しかし、ある種の実施形態では、複数のマイクロカプセルの外表面の一部のみがポリマー材料で被覆されるであろう。
第2の態様では、方法が提供される。より具体的には、方法は、第1の主表面を有する基材を準備する工程と、外表面を有する複数のマイクロカプセルであって、マイクロカプセルに封入された可塑剤を更に含む複数のマイクロカプセルを準備する工程と、を含む。基材は、不織材、織材又は発泡体を含む。方法は、複数のマイクロカプセルを基材の第1の主表面にポリマー材料で付着させ、これにより、基材の第1の主表面に付着された高分子マトリックスを形成する工程を更に含む。
以下の本開示の実施形態の説明は、上記の態様のいずれか一方又は両方に関する。
好適な基材としては、典型的には、圧縮性及び/又は多孔質の材料が挙げられ、具体的には不織材、織材、又は発泡体が挙げられる。有利には、圧縮性及び/又は多孔質基材を用いることで、物品をロールの形態で保管、輸送、又はその両方をすることが可能になる。例えば、10〜数100メートルの長さで連続的に形成された物品は、取扱いを容易にするために、単一のロールに巻き上げられる。基材の圧縮性及び/又は多孔質の特徴は、付着されたマイクロカプセルが巻かれた物品の重量の力で破裂することを防ぐが、それでも、所望の際にマイクロカプセルを破裂させて、物品を別の材料に接着させるために、大きな力を用いる必要はない。ある種の実施形態では、基材の圧縮性は、圧縮強度の点から特徴付けられる。好適な基材は、一般に、少なくとも10パスカル(Pa)、又は少なくとも25Pa、又は少なくとも50Pa、又は更に少なくとも100Pa、及び最大20,000Pa、又は最大50,000Pa、又は最大75,000Pa、又は更に最大100,000Paの圧縮強度を有する。一実施形態では、基材は、10Pa〜100,000又は50Pa〜20,000Paの圧縮強度を有する。密度に関して、ある種の実施形態では、好適な基材は、少なくとも0.01グラム/ミリリットル(g/mL)、又は少なくとも0.02g/mL、又は更に少なくとも0.03g/mL、及び最大0.5g/mL又は最大0.60g/mL、又は最大0.75g/mLの密度を含む。基材は、任意で、0.01g/mL〜0.75g/mL、又は0.02g/mL〜0.60g/mLの密度を含む。
ある種の実施形態では、基材は、フェルトなどの不織材を含み、また、任意で湿式材料(wetlaid material)又は乾式材料(drylaid material)を含む。典型的には、不織基材は、無機繊維、有機繊維、又はこれらの組み合わせを含む。基材は、好ましくは、ガラス繊維、シリカ繊維、バサルト(basalt)繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、セルロース繊維、ウール繊維、レーヨン繊維、炭素繊維、又はこれらの組み合わせを含む。好適な不織基材は、絡み合わされているが、編織物におけるように特定可能な様式では絡み合っていない個々の繊維又はフィラメントの構造を有するウェブを含む。不織布又はウェブは、例えば、メルトブロー法、スパンボンド法、結合カードウェブ(bonded carded web)法、湿式(wetlaid)法、及び乾式(drylaid)法などの多くの方法から形成される。
1つの好適な乾式法では、約3〜約52ミリメートル(mm)の典型的な長さを有する小繊維の束が分離されて給気に混入された後、通常、真空供給の助けで形成スクリーンの上に配置される。次に、ランダムに配置された繊維は、例えば、熱点結合、自己結合、熱風結合、ニードルパンチング、カレンダー加工、スプレー接着及びこれらに類するものを使用して、互いに結合されてもよい。このような例示的なエアレイ法は、例えば、米国特許第4,640,810号(Laursenら)において教示される。
1つの好適な湿式法では、約3〜約52ミリメートル(mm)の典型的な長さを有する小繊維の束が分離されて給液に混入された後、通常、真空供給の助けで形成スクリーンの上に配置される。水は、一般的に好ましい液体である。ランダムに配置された繊維は、更に交絡(例えば、水流交絡)されてもよく、又は例えば、熱点結合、自己結合、熱風結合、超音波結合、ニードルパンチング、カレンダー加工、スプレー接着の適用及びこれに類するものを使用して、互いに結合されてもよい。例示的湿式及び結合法は、例えば、米国特許第5,167,765号(Nielsenら)において教示される。また例示的な結合法は、例えば、米国特許出願公開第2008/0038976 A1号(Berriganら)においても開示されている。
図3を参照すると、不織材を含む基材を含む物品の断面概略図が提供される。物品30は第1の主表面31を有する不織基材38を含み、複数のマイクロカプセル32が、基材38の第1の主表面31にポリマー材料36で付着するように図示される。それぞれのマイクロカプセル32は、外表面35と、マイクロカプセル32内に配設された可塑剤37と、可塑剤37を取り囲むシェル34と、を含む。ポリマー材料36は、基材38の第1の主表面31を被覆する平均厚さTを有し、複数のマイクロカプセル32のそれぞれは、基材38の第1の主表面31上のポリマー材料36のコーティングの上面33よりも上に配置される部分を含む。ポリマー材料36のコーティングの上面33とそれぞれのマイクロカプセル32の上部における外表面35との間の距離Pは、それぞれのマイクロカプセル32が平均ポリマー材料36のコーティング厚みの上に突出する程度を示す。また、図3は、それぞれのマイクロカプセルの外表面35がポリマー材料36で完全にコーティングされた実施形態を図示する。
ある種の実施形態では、基材は織材、例えば布地を含む。典型的には、基材は、無機繊維、有機繊維、又はこれらの組み合わせを含む。不織材と同様に、基材が織材を含む実施形態では、基材は、好ましくは、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、セルロース繊維、ウール繊維、レーヨン繊維、炭素繊維、又はこれらの組み合わせを含む。
ある種の実施形態では、基材は発泡体、例えばスポンジ(天然若しくは合成)、クッション、又は断熱材を含む。好適な発泡体としては、例えば、限定せずに、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート、又はネオプレンを含むポリマー発泡体が挙げられる。
有利には、ポリマー材料は非粘着性材料を含み、この非粘着性材料は、可塑剤がマイクロカプセルから放出されるまで、基材が別の材料に接着することを防ぐ。本開示による非粘着性ポリマーは、ガラス転移温度(T)が約0℃よりも高い。ある種の実施形態では、ポリマー材料は、0℃より高い、又は5℃より高い、又は10℃より高い、又は15℃より高い、又は20℃より高い、又は25℃より高い、又は30℃より高い、又は40℃より高い、又は更に50℃より高いTを有する。Tが高いほど、ポリマー材料が、マイクロカプセル内からの可塑剤と接触する前に、経時的に接着剤として振る舞う可能性が低くなるであろう。このポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、若しくはポリマーの配合物、又はポリマー及び粘着付与剤の配合物であってもよい。いくつかの場合には、Tが0℃より高いホモポリマーを使用してもよく、例えば、(メタ)アクリレートホモポリマー又は非晶質ポリエステルを使用してもよい。多くの場合、コモノマーのうちの少なくとも1つが高Tモノマーであるコポリマーが好ましい。これらのコポリマーは、(メタ)アクリレート又はポリウレタンであってもよい。
非粘着性(メタ)アクリレートポリマーを処方するための方法は、米国特許第6,624,273号に開示されている。例えば、本質的に非粘着性のポリマー材料が、感圧性接着剤へと可塑化される。可塑化ポリマー系感圧性接着剤は、任意で、約100重量部のTが約0℃より高いベースコポリマーと、ベースコポリマーに基づいて約1〜約100部の非反応性、不揮発性、非アクリル系の可塑剤と、を含む。ベースコポリマーは、(1)約50〜70重量%の高Tコモノマー成分であって、高Tコモノマー成分から形成されるホモポリマーは、Tが低くとも約20℃である高Tコモノマー成分と;(2)任意で、ベースコポリマーの総重量に基づいて最大約20重量%の酸性コモノマーと;(3)約30〜50重量%の1つ以上の低T(メタ)アクリレートコモノマーであって、低TコモノマーのホモポリマーのTが約20℃未満である低T(メタ)アクリレートコモノマーと、から形成され、これらを含む。このような実施形態の可塑化された感圧性接着剤組成物のベースコポリマーは、室温(すなわち約20〜25℃)で、粘着性が低く、又は全体として粘着性がない。ベースコポリマーは、室温で、その低い粘着性又は非粘着性を、その高いT及び高い剪断貯蔵弾性率から導く。一般に、高いT及び高い弾性率のベースコポリマーは、著しいガラス性を有し、性質が非エラストマー性である。ベースコポリマーのTは、分析法、例えば既知の熱量測定若しくは動的/機械的技術によって決定でき、又はコポリマーを形成するために使用されたコモノマーの種類及び割合に基づいて計算され得る。本出願の目的では、ベースコポリマーのTは、それぞれのコモノマーのホモポリマーのT及びコモノマーの重量分画を使用して、下記のFox,T.G.,Bull.Am.Phys.Soc.(Ser.2)1:123(156)の式で示されるように計算される:
1/T=W/Tga+W/Tgb+W/Tgc
(式中、T、Tga、Tgb、Tgcは、コモノマーa、b及びcのターポリマー、コモノマーaのホモポリマー、コモノマーbのホモポリマー、並びにコモノマーcのホモポリマーのガラス転移温度(ケルビン(K))をそれぞれ示す。W、W及びWは、それぞれコモノマーa、b、及びcの重量分画であり、W+W+W=1である)。Tが低くとも約0℃であることに加えて、低い粘着性又は非粘着性のベースコポリマーは、典型的には、剪断貯蔵弾性率が23℃及び1ヘルツ(Hz)で少なくとも5×10パスカルである。この閾値(D.SatasによってThe Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology,2nd ed.,Von Nostrand Reinhold:New York,p.172〜173(1989)に記載され、この文献は参照により本明細書に援用される)は、Dahlquist基準(Criterion)を超える。これは、室温で感圧性接着特性を呈するために(すなわち「粘着性」であるために)、当該感圧性接着剤は、1秒クリープコンプライアンスが1×10−6cm/ダイン(1×10−5/N)より大きくなければならないことを記述する。このクリープコンプライアンス値は、23℃及び1Hzで、最大剪断貯蔵弾性率5×10ダイン/cm又は5×10パスカルに換算される。したがって、ベースコポリマーを、感圧性接着特性を呈する材料に変換するために、可塑剤は、ベースコポリマーのTを約10℃未満、好ましくは0℃未満に低下させるように、かつ剪断貯蔵弾性率をDahlquist基準未満に低下させるように選択されるべきである。
他の場合では、ポリマーと粘着付与剤との配合物が使用され得る。この場合では、ポリマーは単独で、Tが約0℃未満であってもよいが、十分な粘着付与剤が、配合物のTを、約0℃よりも高い温度にするために加えられる。この場合のポリマーは、(メタ)アクリレートポリマー、ウレタン、天然ゴム、又はブロックコポリマーであってもよく、また、粘着付与剤は典型的な粘着付与剤であろう。
好適なポリマー材料は、(メタ)アクリレートホモポリマー、非晶質ポリエステルホモポリマー、(メタ)アクリレートコポリマー、ポリウレタンコポリマー、又はこれらの組み合わせを含む。
一実施形態では、ポリマー材料は、基材に接着剤で付着する。例えば、物品は、任意で、ポリマー材料と基材との間に配設された感圧性接着剤を含む。図4は、不織基材にポリマー材料で付着されたマイクロカプセルを含む物品の例示的な断面概略図を提供する。物品40は第1の主表面41を有する基材48を含み、複数のマイクロカプセル42が、基材48の第1の主表面41にポリマー材料46で付着するように図示される。これは、今度は、基材48の第1の主表面41に接着剤49で直接付着する。図4の実施形態では、基材48は発泡体を含む。それぞれのマイクロカプセル42は、外表面45と、マイクロカプセル42内に配設された可塑剤47と、可塑剤47を取り囲むシェル44と、を含む。好適な感圧性接着剤は、(メタ)アクリレート接着剤を含む。感圧テープ協議会(Pressure-Sensitive Tape Council)によると、感圧性接着剤(PSA)は以下を含む特性を有することが知られている。すなわち、(1)強力かつ永久的な粘着性、(2)指圧以下での接着、(3)被着体に対する十分な保持力、及び(4)被着体からきれいに除去されるための十分な凝集強さ、である。PSAとして良好に機能することが見出されている材料としては、必要な粘弾性特性を呈し、粘着、剥離接着、及び剪断保持力の所望のバランスをもたらすように設計及び処方されたポリマーが挙げられる。PSAは、室温(例えば、20℃)で通常、粘着性があることを特徴とする。PSAは、べたっとしていること、又は表面に接着することのみであるため、組成物を抱持するわけではない。これらの要件は、概ね、A.V.PociusによりAdhesion and Adhesives Technology:An Introduction,2nd Ed.,Hanser Gardner Publication,Cincinnati,Ohio,2002に記載されている、粘着性、接着(剥離強度)、及び凝集(剪断保持力)を個々に測定するように設計された試験によって評価される。これらの測定値は全体として、PSAを特徴付ける上でしばしば使用される特性のバランスを構成する。
本開示の態様によると、マイクロカプセルは可塑剤を供給するように機能し、この可塑剤は、マイクロカプセルから放出される際に、ポリマー材料を軟化させ、接着のための粘着性を材料に付与するであろう。したがって、マイクロカプセルは、接着が要求されるまで、可塑剤をマイクロカプセル内に固定するように設計され、多くの場合、ポリ尿素ホルムアルデヒド、セルロース系材料、イソボルニルメタクリレートと(メタ)アクリル酸とのコポリマー、ナイロン、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリカーボネート、並びに尿素、ホルムアルデヒド及びメラミンモノマーから得られたポリマーを含むシェルを含む。好適なマイクロカプセルは、これらのモノマー種を含む、連続壁、非多孔質のマイクロカプセルを作製するための既知の界面重合技術を使用して調製できる。
マイクロカプセルサイズは、特に限定されない。多くの実施形態では、複数のマイクロカプセルは、少なくとも10マイクロメートル(μm)、又は少なくとも15μm、又は少なくとも25μm、又は少なくとも50μm、又は少なくとも75μm、又は少なくとも100μm、又は更に少なくとも125μmの平均マイクロカプセル直径を有する。複数のマイクロカプセルは、最大150マイクロメートル(μm)、又は最大200μm、又は最大300μm、又は最大400μm、又は最大500μm、又は最大750μm、又は更に最大1000μmの平均マイクロカプセル直径を有する。任意で、複数のマイクロカプセルは、25μm〜1000μm、又は50μm〜500μm、又は100μm〜300μmの平均マイクロカプセル直径を有する。
ポリマー材料を軟化させ、粘着付与するための使用のために選択される可塑剤は、様々な特性を有する。一般に、可塑剤は、液体又は固体であってもよく、様々な分子量及び構造を有し、ベースコポリマーと相溶性であり、モノマー又はポリマーであり、不揮発性かつ非反応性である。更に、固体と液体との混合物、モノマー及びポリマー、並びにその他の組み合わせの可塑剤を本発明で使用することができる。本開示の態様での使用に適する可塑剤としては、例えば、限定せずに、リン酸エステル、ベンゾイル官能化ポリエーテル、ポリアルキレンオキシド、アルキル若しくはアリール官能化ポリアルキレンオキシド、ポリエチレンオキシドのモノメチルエーテル、モノマー性アジペート、ポリマー性アジペート、シトレート、グルタレート、トリメリテート、セバケート、ポリエステル、又はこれらの組み合わせが挙げられる。特に有用な可塑剤としては、重量平均分子量が約150〜約5,000、好ましくは約150〜約1,500のポリアルキレンオキシド、例えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレングリコール;アルキル又はアリール官能化ポリアルキレンオキシド、例えば、PYCAL 94(ポリエチレンオキシドのフェニルエーテル、ICI Chemicalsから市販されている);ベンゾイル官能化ポリエーテル、例えば、Benzofiex 400(ポリプロピレングリコールジベンゾエート、Velsicol Chemicalsから市販されている)及びポリエチレンオキシドのモノメチルエーテル;モノマー性アジペート、例えば、ジオクチル10アジペート、ジブトキシエトキシエチルアジペート及びジブトキシプロポキシプロピルアジペート;ポリマー性アジペート、例えば、ポリエステルアジペート;シトレート、例えば、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、フタレート、例えば、ブチルベンジルフタレート、トリメリテート、セバケート、ポリエステル、例えば、商品名Paraplex(C.P.Hall Coから入手可能)で知られるもの;リン酸エステル、例えば、商品名Santicizer(Monsantoから入手可能)で知られるもの、例えば、2−エチルヘキシルジフェニルジホスフェート及びt−ブチルフェニルジフェニルホスフェート;グルタレート、例えば、Plasthall 7050(ジアルキルジエーテルグルタレート、C.P.Hall Co.から入手可能);並びにこれらの混合物が挙げられる。
選択実施形態では、複数のマイクロカプセルは、マイクロカプセルに封入された溶媒を更に含み、この溶媒は、典型的には、非プロトン性溶媒である。1種以上の溶媒は、マイクロカプセルの破裂前に、マイクロカプセル外に漏洩又は蒸発するのではなく、マイクロカプセルのシェル内に残るように選択される。溶媒は、多くの場合、炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、置換された芳香族溶媒、ケトン、エステル、アミド、ニトリル、スルホキシド、又はこれらの組み合わせを含む。好適な溶媒としては、例えば、限定せずに、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、メシチレン、ジクロロメタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、フェニルアセテート、エチルフェニルアセテート、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、溶媒は、キシレン、トルエン、メシチレン、酢酸ブチル、ヘプタン、ヘキサン、クロロベンゼン、又はこれらの組み合わせを含む。有利に、溶媒が存在する場合、基材の不織材、織材、又は発泡材料は、基材が別の材料に接着する際に、ポリマー材料の乾燥及び/又は硬化中に、効率的な溶媒の蒸発を可能にする。これは、不織材、織材、又は発泡材料の一般に多孔質の性質に起因し、典型的には、溶媒は、第1の主表面と反対の基材の第2の主表面を通じて、基材外に蒸発し得る。
基材に付着させるマイクロカプセルの量は、具体的な用途に依存するであろう。基材の選択部分でのみ接着が要求される物品では、より少ないマイクロカプセルが必要とされるであろう。また、所望される場合、それらはパターンで適用されてもよい。ある種の実施形態では、基材は平均で少なくとも1%の複数のマイクロカプセルによる第1の主表面上の面積被覆率(area coverage)を含み、又は、少なくとも2%、又は少なくとも3%、又は少なくとも4%、又は少なくとも5%、又は少なくとも10%、又は少なくとも15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも30%、又は更に少なくとも35%の複数のマイクロカプセルによる第1の主表面上の面積被覆率を有する。ある種の実施形態では、基材は最大20%、又は最大25%、又は最大30%、又は最大35%、又は最大40%、又は最大50%、又は最大60%、又は最大75%の複数のマイクロカプセルによる第1の主表面上の面積被覆率を有する。任意で、基材は1%〜50%、4%〜25%、又は30%〜50%の複数のマイクロカプセルによる第1の主表面上の面積被覆率を有する。
用いられるポリマー材料の量は、被覆された基材の面積当たりの乾燥ポリマー材料の重量として、便宜上記載される。ポリマー材料の好適な量としては、乾燥ポリマー材料の平均コーティング重量が、被覆される基材1平方メートル当たり少なくとも5グラム(gsm:gram per square meter)、又は被覆される基材1平方メートル当たり少なくとも10gsm、又は少なくとも15gsm、又は少なくとも20gsm、又は少なくとも25gsm、及び被覆される基材1平方メートル当たり最大30gsm、又は最大40gsm、又は最大50gsm、又は最大75gsm、又は最大100gsm、又は最大150gsm、又は最大200gsmであることが挙げられる。ある種の実施形態では、基材は、基材の被覆面積の5gsm〜200gsm、又は10gsm〜100gsm、又は15gsm〜50gsmの乾燥ポリマー材料の平均コーティング重量を有する。マイクロカプセルの量及びポリマー材料の量は、一般に相互に関係があるので、一実施形態では、基材は、平均4%〜25%の複数のマイクロカプセルによる第1の主表面上の面積被覆率、及び基材の被覆面積の15〜50gsmの乾燥ポリマー材料の平均コーティング重量を含み、又は基材は、平均30%〜50%の複数のマイクロカプセルによる第1の主表面上の面積被覆率、及び基材の被覆面積の30〜200gsmの乾燥ポリマー材料の平均コーティング重量を有する。また、乾燥ポリマー材料の平均コーティング重量は、下記の式を使用して、平均コーティング厚さに転換され得る:(平均コーティング重量(gsm)/(乾燥コーティングの密度(g/cm)))(0.0001m/cm)=厚さ(センチメートル)。
基材の第1の主表面へのマイクロカプセルの付着のモードは、厳密には限定されない。例えば、ある種の実施形態では、付着させる工程は、複数のマイクロカプセルを基材の第1の主表面上に配置することと、ポリマー材料を、複数のマイクロカプセルの大部分及び基材の第1の主表面の少なくとも一部の上にコーティングすることと、を含む。当該実施形態では、コーティングは典型的には、スプレーコーティング、トランスファーコーティング、又はロールコーティングを含む。他の実施形態では、付着させる工程は、複数のマイクロカプセルをポリマー材料と混合して混合物を形成することと、混合物を基材の第1の主表面上にコーティングすることと、を含む。当該実施形態におけるポリマー材料に対するマイクロカプセルの量の比は、基材の表面上にコーティングされ、ポリマー材料が乾燥及び/又は硬化された際に、マイクロカプセルの平均高さ(すなわち直径)が、ポリマー材料の平均厚さよりも高くなるように選択される。ある種の実施形態では、付着させる工程は、複数のマイクロカプセルをポリマー材料上に配置することと、基材の第1の主表面を配置した複数のマイクロカプセル及びポリマー材料に接触させることと、を含む。典型的には、マイクロカプセルはポリマー材料の表面上に残り、基材の表面はポリマー材料に浸漬されて、マイクロカプセル及び十分なポリマー材料の両方を移し、マイクロカプセルを基材表面に付着させる。複数のマイクロカプセルを基材の第1の主表面に付着させるモードにかかわらず、方法は、好ましくは、ポリマー材料を硬化させる工程を更に含む。
大抵の実施形態では、複数のマイクロカプセルは、それぞれのマイクロカプセルの外表面の少なくとも一部の上に、ポリマー材料のコーティングを含む。それぞれのマイクロカプセルの少なくとも多少の部分の外表面上にコーティングされたポリマー材料の提供は、マイクロカプセルの基材への付着の強度を改善することが発見されている。更に、マイクロカプセルの破裂後に、ポリマー材料でコーティングされたマイクロカプセルシェル材料は、ポリマー材料でコーティングされておらず、その代わりにポリマー材料の表面上に配設されたマイクロカプセルシェル材料よりも簡単に、可塑剤によって軟化されたポリマー材料内へと埋め込まれるであろう。
所望の際に、マイクロカプセルを破砕する能力を向上させるために、マイクロカプセルのサイズ及びポリマー材料のコーティングの厚さは、マイクロカプセルのうちのいくつかの少なくとも一部分が、基材の表面上のポリマー材料のコーティングの上面を越えて延びるように選択される。より大きな平均直径を有するマイクロカプセルでは、ポリマー材料のより厚いコーティングが使用され得るのに対し、より小さな平均直径を有するマイクロカプセルでは、ポリマー材料のより薄いコーティングが使用され得る。したがって、ある種の実施形態では、基材上のポリマー材料の平均コーティング厚さに対する複数のマイクロカプセルの平均直径の比は、少なくとも1.1、又は少なくとも1.2、又は少なくとも1.3、又は少なくとも1.5、又は少なくとも1.8、又は少なくとも2、又は少なくとも5、又は更に少なくとも8、及び最大2、又は最大3、又は最大4、又は最大5、又は最大6、又は最大8、又は最大10、又は最大25、又は最大50、又は最大75、又は更に最大100を有する。態様では、基材上のポリマー材料の平均コーティング厚さに対する複数のマイクロカプセルの平均直径の比は、1.1〜100、又は1.3〜10、又は2〜6を有する。
物品又は物品を製造する方法である様々な項目が説明される。
項目1は、第1の主表面を有し、不織材、織材又は発泡体を含む基材を含む物品である。物品は、外表面を有する複数のマイクロカプセルであって、マイクロカプセルに封入された可塑剤を更に含み、基材の第1の主表面にポリマー材料で付着された複数のマイクロカプセルを更に含む。
項目2は、ポリマー材料が、0℃よりも高いガラス転移温度(T)を有する、項目1に記載の物品である。
項目3は、ポリマー材料が、25℃よりも高いTを有する、項目1又は項目2に記載の物品である。
項目4は、複数のマイクロカプセルが、それぞれのマイクロカプセルの外表面の少なくとも一部の上に、ポリマー材料のコーティングを含む、項目1〜3のいずれか一項に記載の物品である。
項目5は、ポリマー材料が、(メタ)アクリレートホモポリマー、非晶質ポリエステルホモポリマー、(メタ)アクリレートコポリマー、ポリウレタンコポリマー、又はこれらの組み合わせを含む、項目1〜4のいずれか一項に記載の物品である。
項目6は、基材が不織材を含む、項目1〜5のいずれか一項に記載の物品である。
項目7は、基材がフェルトを含む、項目1〜6のいずれか一項に記載の物品である。
項目8は、基材が湿式材料を含む、項目1〜7のいずれか一項に記載の物品である。
項目9は、基材が乾式材料を含む、項目1〜7のいずれか一項に記載の物品である。
項目10は、基材が、無機繊維、有機繊維、又はこれらの組み合わせを含む、項目1〜9のいずれか一項に記載の物品である。
項目11は、基材が、ガラス繊維、シリカ繊維、バサルト繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、セルロース繊維、ウール繊維、レーヨン繊維、炭素繊維、又はこれらの組み合わせを含む、項目1〜10のいずれか一項に記載の物品である。
項目12は、基材が織材を含む、項目1〜5のいずれか一項に記載の物品である。
項目13は、基材が布地を含む、項目1〜5又は12のいずれか一項に記載の物品である。
項目14は、基材が、無機繊維、有機繊維、又はこれらの組み合わせを含む、項目1〜5又は12〜13のいずれか一項に記載の物品である。
項目15は、基材が、ガラス繊維、シリカ繊維、バサルト繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、セルロース繊維、ウール繊維、レーヨン繊維、炭素繊維、又はこれらの組み合わせを含む、項目1〜5又は11〜13のいずれか一項に記載の物品である。
項目16は、基材が発泡体を含む、項目1〜5のいずれか一項に記載の物品である。
項目17は、基材が、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート、又はネオプレンを含むポリマー発泡体を含む、項目1〜5又は16のいずれか一項に記載の物品である。
項目18は、基材がスポンジ、クッション、又は断熱材を含む、項目1〜5又は16のいずれか一項に記載の物品である。
項目19は、複数のマイクロカプセルが、25〜1000マイクロメートルの平均マイクロカプセル直径を有する、項目1〜18のいずれか一項に記載の物品である。
項目20は、複数のマイクロカプセルが、50〜500の平均マイクロカプセル直径を有する、項目1〜19のいずれか一項に記載の物品である。
項目21は、複数のマイクロカプセルが、100〜300の平均マイクロカプセル直径を有する、項目1〜20のいずれか一項に記載の物品である。
項目22は、複数のマイクロカプセルが、ポリ尿素ホルムアルデヒド、セルロース系材料、イソボルニルメタクリレートと(メタ)アクリル酸とのコポリマー、ナイロン、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリカーボネート、並びに尿素、ホルムアルデヒド及びメラミンモノマーから得られたポリマーを含むシェルを有する、項目1〜21のいずれか一項に記載の物品である。
項目23は、可塑剤が、リン酸エステル、ベンゾイル官能化ポリエーテル、ポリアルキレンオキシド、アルキル若しくはアリール官能化ポリアルキレンオキシド、ポリエチレンオキシドのモノメチルエーテル、モノマー性アジペート、ポリマー性アジペート、シトレート、グルタレート、トリメリテート、セバケート、ポリエステル、又はこれらの組み合わせを含む、項目1〜22のいずれか一項に記載の物品である。
項目24は、複数のマイクロカプセルが、マイクロカプセルに封入された溶媒を更に含む、項目1〜23のいずれか一項に記載の物品である。
項目25は、溶媒が非プロトン性溶媒を含む、項目24に記載の物品である。
項目26は、溶媒が、炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、置換された芳香族溶媒、ケトン、エステル、アミド、ニトリル、スルホキシド、又はこれらの組み合わせを含む、項目24又は項目25に記載の物品である。
項目27は、溶媒が、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、メシチレン、ジクロロメタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、フェニルアセテート、エチルフェニルアセテート、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、又はこれらの組み合わせを含む、項目24〜26のいずれか一項に記載の物品である。
項目28は、溶媒が、キシレン、トルエン、メシチレン、酢酸ブチル、ヘプタン、ヘキサン、クロロベンゼン、又はこれらの組み合わせを含む、項目24〜27のいずれか一項に記載の物品である。
項目29は、基材上のポリマー材料の平均コーティング厚さに対する複数のマイクロカプセルの平均直径の比が、1.1〜100を有する、項目1〜28のいずれか一項に記載の物品である。
項目30は、基材上のポリマー材料の平均コーティング厚さに対する複数のマイクロカプセルの平均直径の比が、1.3〜10を有する、項目1〜29のいずれか一項に記載の物品である。
項目31は、基材上のポリマー材料の平均コーティング厚さに対する複数のマイクロカプセルの平均直径の比が、2〜6を有する、項目1〜30のいずれか一項に記載の物品である。
項目32は、基材が、平均1%〜50%の複数のマイクロカプセルによる第1の主表面上の面積被覆率を有する、項目1〜31のいずれか一項に記載の物品である。
項目33は、基材が、平均4%〜25%の複数のマイクロカプセルによる第1の主表面上の面積被覆率を有する、項目1〜32のいずれか一項に記載の物品である。
項目34は、基材が、平均30%〜50%の複数のマイクロカプセルによる第1の主表面上の面積被覆率を有する、項目1〜32のいずれか一項に記載の物品である。
項目35は、基材が、基材の被覆面積の1平方メートル当たり5〜200グラムの乾燥ポリマー材料の平均コーティング重量を有する、項目1〜34のいずれか一項に記載の物品である。
項目36は、基材が、基材の被覆面積の1平方メートル当たり10〜100グラムの乾燥ポリマー材料の平均コーティング重量を有する、項目1〜35のいずれか一項に記載の物品である。
項目37は、基材が、基材の被覆面積の1平方メートル当たり15〜50グラムの乾燥ポリマー材料の平均コーティング重量を有する、項目1〜36のいずれか一項に記載の物品である。
項目38は、基材が、平均4%〜25%の複数のマイクロカプセルによる第1の主表面上の面積被覆率、及び基材の被覆面積の1平方センチメートル当たり15〜50グラムの乾燥ポリマー材料の平均コーティング重量を有する、項目1〜33のいずれか一項に記載の物品である。
項目39は、基材が、平均30%〜50%の複数のマイクロカプセルによる第1の主表面上の面積被覆率、及び基材の被覆面積の1平方センチメートル当たり30〜200グラムの乾燥ポリマー材料の平均コーティング重量を有する、項目1〜32のいずれか一項に記載の物品である。
項目40は、基材が、10パスカル(Pa)〜100,000Paの圧縮強度を有する、項目1〜39のいずれか一項に記載の物品である。
項目41は、基材が、50Pa〜20,000Paの圧縮強度を有する、項目1〜40のいずれか一項に記載の物品である。
項目42は、基材が、0.01グラム/ミリリットル(g/mL)〜0.75g/mLの密度を含む、項目1〜41のいずれか一項に記載の物品である。
項目43は、基材が、0.02g/mL〜0.60g/mLの密度を含む、項目1〜42のいずれか一項に記載の物品である。
項目44は、ポリマー材料と基材との間に配設された感圧性接着剤を更に含む、項目1〜43のいずれか一項に記載の物品である。
項目45は、感圧性接着剤が、(メタ)アクリレート接着剤を含む、項目43に記載の物品である。
項目46は、第1の主表面を有し、不織材、織材又は発泡体を含む基材を準備する工程と、外表面を有する複数のマイクロカプセルであって、マイクロカプセルに封入された可塑剤を更に含む複数のマイクロカプセルを準備する工程と、を含む、物品を製造する方法である。方法は、複数のマイクロカプセルを基材の第1の主表面にポリマー材料で付着させ、これにより、基材の第1の主表面に付着された高分子マトリックスを形成する工程を更に含む。
項目47は、ポリマー材料が、0℃よりも高いTを有する、項目46に記載の方法である。
項目48は、ポリマー材料が、25℃よりも高いTを有する、項目46又は項目47に記載の方法である。
項目49は、複数のマイクロカプセルが、それぞれのマイクロカプセルの外表面の少なくとも一部の上に、ポリマー材料のコーティングを含む、項目46〜48のいずれか一項に記載の方法である。
項目50は、ポリマー材料が、(メタ)アクリレートホモポリマー、非晶質ポリエステルホモポリマー、(メタ)アクリレートコポリマー、ポリウレタンコポリマー、又はこれらの組み合わせを含む、項目46〜49のいずれか一項に記載の方法である。
項目51は、ポリマー材料が、水系ラテックスポリマー材料、溶媒系ポリマー材料、又はホットメルトポリマー材料を含む、項目46〜50のいずれか一項に記載の方法である。
項目52は、付着させる工程が、複数のマイクロカプセルを基材の第1の主表面上に配置することと、ポリマー材料を、複数のマイクロカプセルの大部分及び基材の第1の主表面の少なくとも一部の上にコーティングすることと、を含む、項目46〜51のいずれか一項に記載の方法である。
項目53は、コーティングが、スプレーコーティング、トランスファーコーティング、又はロールコーティングを含む、項目52に記載の方法である。
項目54は、付着させる工程が、複数のマイクロカプセルをポリマー材料と混合して混合物を形成することと、混合物を基材の第1の主表面上にコーティングすることと、を含む、項目46〜51のいずれか一項に記載の方法である。
項目55は、付着させる工程が、複数のマイクロカプセルをポリマー材料上に配置することと、基材の第1の主表面を配置した複数のマイクロカプセル及びポリマー材料に接触させることと、を含む、項目46〜51のいずれか一項に記載の方法である。
項目56は、ポリマー材料を硬化させる工程を更に含む、項目46〜55のいずれか一項に記載の方法である。
項目57は、基材が不織材を含む、項目46〜56のいずれか一項に記載の方法である。
項目58は、基材がフェルトを含む、項目46〜57のいずれか一項に記載の方法である。
項目59は、基材が湿式材料を含む、項目46〜58のいずれか一項に記載の方法である。
項目60は、基材が乾式材料を含む、項目46〜58のいずれか一項に記載の方法である。
項目61は、基材が、無機繊維、有機繊維、又はこれらの組み合わせを含む、項目46〜60のいずれか一項に記載の方法である。
項目62は、基材が、ガラス繊維、シリカ繊維、バサルト繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、セルロース繊維、ウール繊維、レーヨン繊維、炭素繊維、又はこれらの組み合わせを含む、項目46〜61のいずれか一項に記載の方法である。
項目63は、基材が織材を含む、項目46〜56のいずれか一項に記載の方法である。
項目64は、基材が布地を含む、項目46〜56又は63のいずれか一項に記載の方法である。
項目65は、基材が、無機繊維、有機繊維、又はこれらの組み合わせを含む、項目46〜56又は63〜64のいずれか一項に記載の方法である。
項目66は、基材がレーヨンを含む、項目46〜56又は63〜65のいずれか一項に記載の方法である。
項目67は、基材が発泡体を含む、項目46〜56のいずれか一項に記載の方法である。
項目68は、基材が、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート、又はネオプレンを含むポリマー発泡体を含む、項目46〜56又は67のいずれか一項に記載の方法である。
項目69は、基材がスポンジ、クッション、又は断熱材を含む、項目46〜56又は67のいずれか一項に記載の方法である。
項目70は、複数のマイクロカプセルが、25〜1000マイクロメートルの平均マイクロカプセル直径を有する、項目46〜69のいずれか一項に記載の方法である。
項目71は、複数のマイクロカプセルが、50〜500の平均マイクロカプセル直径を有する、項目46〜70のいずれか一項に記載の方法である。
項目72は、複数のマイクロカプセルが、100〜300の平均マイクロカプセル直径を有する、項目46〜71のいずれか一項に記載の方法である。
項目73は、複数のマイクロカプセルが、ポリ尿素ホルムアルデヒド、セルロース系材料、イソボルニルメタクリレートと(メタ)アクリル酸とのコポリマー、ナイロン、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリカーボネート、並びに尿素、ホルムアルデヒド及びメラミンモノマーから得られたポリマーを含むシェルを有する、項目46〜72のいずれか一項に記載の方法である。
項目74は、可塑剤が、リン酸エステル、ベンゾイル官能化ポリエーテル、ポリアルキレンオキシド、アルキル若しくはアリール官能化ポリアルキレンオキシド、ポリエチレンオキシドのモノメチルエーテル、モノマー性アジペート、ポリマー性アジペート、シトレート、グルタレート、トリメリテート、セバケート、ポリエステル、又はこれらの組み合わせを含む、項目46〜73のいずれか一項に記載の方法である。
項目75は、複数のマイクロカプセルが、マイクロカプセルに封入された溶媒を更に含む、項目46〜74のいずれか一項に記載の方法である。
項目76は、溶媒が非プロトン性溶媒を含む、項目75に記載の方法である。
項目77は、溶媒が、炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、置換された芳香族溶媒、ケトン、エステル、アミド、ニトリル、スルホキシド、又はこれらの組み合わせを含む、項目75又は項目76に記載の方法である。
項目78は、溶媒が、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、メシチレン、ジクロロメタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、フェニルアセテート、エチルフェニルアセテート、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、又はこれらの組み合わせを含む、項目75〜77のいずれか一項に記載の方法である。
項目79は、溶媒が、キシレン、トルエン、メシチレン、酢酸ブチル、ヘプタン、ヘキサン、クロロベンゼン、又はこれらの組み合わせを含む、項目75〜78のいずれか一項に記載の方法である。
項目80は、基材上のポリマー材料の平均コーティング厚さに対する複数のマイクロカプセルの平均直径の比が、1.1〜100を有する、項目46〜79のいずれか一項に記載の方法である。
項目81は、基材上のポリマー材料の平均コーティング厚さに対する複数のマイクロカプセルの平均直径の比が、1.3〜10を有する、項目46〜80のいずれか一項に記載の方法である。
項目82は、基材上のポリマー材料の平均コーティング厚に対する複数のマイクロカプセルの平均直径さの比が、2〜6を有する、項目46〜81のいずれか一項に記載の方法である。
項目83は、基材が、平均1%〜50%の複数のマイクロカプセルによる第1の主表面上の面積被覆率を有する、項目46〜82のいずれか一項に記載の方法である。
項目84は、基材が、平均4%〜25%の複数のマイクロカプセルによる第1の主表面上の面積被覆率を有する、項目46〜83のいずれか一項に記載の方法である。
項目85は、基材が、平均30%〜50%の複数のマイクロカプセルによる第1の主表面上の面積被覆率を有する、項目46〜83のいずれか一項に記載の方法である。
項目86は、基材が、基材の被覆面積の1平方メートル当たり5〜200グラムの乾燥ポリマー材料の平均コーティング重量を有する、項目46〜85のいずれか一項に記載の方法である。
項目87は、基材が、基材の被覆面積の1平方メートル当たり10〜100グラムの乾燥ポリマー材料の平均コーティング重量を有する、項目46〜86のいずれか一項に記載の方法である。
項目88は、基材が、基材の被覆面積の1平方メートル当たり15〜50グラムの乾燥ポリマー材料の平均コーティング重量を有する、項目46〜87のいずれか一項に記載の方法である。
項目89は、基材が、平均4%〜25%の複数のマイクロカプセルによる第1の主表面上の面積被覆率、及び基材の被覆面積の1平方センチメートル当たり15〜50グラムの乾燥ポリマー材料の平均コーティング重量を有する、項目46〜84のいずれか一項に記載の方法である。
項目90は、基材が、平均30%〜50%の複数のマイクロカプセルによる第1の主表面上の面積被覆率、及び基材の被覆面積の1平方センチメートル当たり30〜200グラムの乾燥ポリマー材料の平均コーティング重量を有する、項目46〜83のいずれか一項に記載の方法である。
項目91は、基材が、10Pa〜100,000Paの圧縮強度を有する、項目46〜90のいずれか一項に記載の方法である。
項目92は、基材が、50Pa〜20,000Paの圧縮強度を有する、項目46〜91のいずれか一項に記載の方法である。
項目93は、基材が、0.01g/mL〜0.75g/mLの密度を含む、項目46〜92のいずれか一項に記載の方法である。
項目94は、基材が、0.02g/mL〜0.60g/mLの密度を含む、項目46〜93のいずれか一項に記載の方法である。
項目95は、ポリマー材料と基材との間に配設された感圧性接着剤を更に含む、項目46〜94のいずれか一項に記載の方法である。
項目96は、感圧性接着剤が、(メタ)アクリレート接着剤を含む、項目95に記載の方法である。
本発明の目的及び利点が以下の実施例によって更に例示されるが、これらの実施例において記載される特定の材料及びその量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を不当に限定するものと解釈されるべきではない。これらの実施例は、例示の目的のためだけのものであり、添付の特許請求の範囲を限定することを意味するものではない。
材料
特に記載のない限り、実施例及び本明細書の残りの部分における全ての部、百分率、及び比率などは、重量による。特に記載のない限り、全ての化学物質は、Sigma−Aldrich Chemical Company,St.Louis,MOなどの化学物質供給業者から入手したか、又は入手可能である。
Figure 2017502177
試験方法
圧縮試験方法
圧縮試験用の材料を、4インチ×4インチ(10センチメートル(cm)×10cm)の試験片に切断した。その後、シートを、Sintech負荷枠(load frame)(MTS Systems Corporation,Eden Prairie,MNより)内のスチールプラテンの間に、200重量ポンド(pound・force)(lbf)(890ニュートン(N))の最大容量(capacity)ロードセルと共に置いた。サンプルを、毎分10%圧縮の速度で、15%より大きい圧縮に達するまで圧縮した。その後、10%圧縮時の負荷を使用して、材料の圧縮強度を計算した。それぞれの材料について3回反復試験を行い、平均値を下記の表2に報告する。
Figure 2017502177
密度試験方法
試験片を4インチ×4インチ(10cm×10cm)のサイズに切断し、試験片を圧縮しないように注意しながら、厚さをデジタルキャリパーで測定した。例外はニットガラス繊維サンプルであり、これは3.08インチ×4.0インチ(7.8cm×10cm)のサイズに切断した。試験片の重量を計算した体積で割り、密度を得た。3つのサンプルを秤量し、平均の結果を下記の表3に報告する。
Figure 2017502177
180°剥離試験方法
試験材料を基材から角度180度で剥離するために必要とされる力を、剥離力試験機、モデル3M90(Instrumentors,Inc.,Strongsville,OHより入手)を使用して測定した。サンプルの自由端を、それ自体ほぼ接触するよう折り返して、除去角度が180°となるようにした。この自由端を接着試験機のスケールに取り付けた。その後、プラテンをスケールから速度12インチ/分(0.305m/分)で動かして、接着剥離力を5秒間で平均化した。少なくとも3回の5秒間の平均を測定した後、それらの結果を平均化して、報告値を得た。
動的機械分析試験方法
ポリマー材料のガラス転移温度を、Q800動的機械分析器(TA Instruments,New Castle,DE)に剪断サンドイッチクランプ(shear sandwich clamp)を取り付けたものを使用して測定した。表面温度80℃のホットプレート上で、高分子フィルムをそれ自体の上で、フィルム積層体の厚さが0.5mm〜1.0mmの間になるまで折り畳んだ。その後、1.0cm×1.0cmの2枚の正方形ピースを積層体から切断し、厚さを測定し、剪断サンドイッチクランプに取り付けた。その後、動的機械分析特性決定を、振幅15マイクロメートルにて、温度0℃から100℃まで、昇温速度(ramp rate)2.0℃/分で行った。タンデルタのトレースが最大値に達した温度を、ガラス転移温度として報告した。
調製例1−溶媒及び可塑剤を含むマイクロカプセル
600ミリリットル(mL)のガラスビーカーに、200グラム(g)の脱イオン水及び50gの2.5重量%エチレン無水マレイン酸コポリマー水溶液を入れた。ビーカーをオーバーヘッドミキサー付きの水浴中に置き、撹拌速度を1200〜1500回転/分(RPM:rotation per minute)の間に設定した。尿素(5g)、塩化アンモニウム(0.5g)、及びレゾルシノール(0.5g)を、水混合物に加えた。pHを水酸化ナトリウムで3.5に調節した後、60gの9:1のキシレン:SANTICIZER 261A混合物を、全て一度に撹拌混合物に加えた。10分間待った後、ホルマリン溶液(12.6g)をビーカーに加えた。ビーカーをアルミホイルで覆った。反応を55℃で4時間行った。冷却後、カプセルを水で洗浄し、真空濾過で濾過した。その後、マイクロカプセルを一連のふるいに掛けて、425マイクロメートルの開口のふるいと106マイクロメートルの開口のふるいとの間で単離されたサイズ分画を回収した。マイクロカプセルの平均直径は138マイクロメートルであり、標準偏差は53マイクロメートルであった。
調製例2−SANTICIZER 261Aを含むマイクロカプセル
600mLのガラスビーカーに、200gの脱イオン水及び50gの2.5重量%エチレン無水マレイン酸コポリマー水溶液を入れた。ビーカーをオーバーヘッドミキサー付きの水浴中に置き、撹拌速度を1200〜1500RPMの間に設定した。尿素(5g)、塩化アンモニウム(0.5g)、及びレゾルシノール(0.5g)を、水混合物に加えた。pHを水酸化ナトリウムで3.5に調節した後、60gのSANTICIZER 261Aを、全て一度に撹拌混合物に加えた。10分間待った後、ホルマリン溶液(12.6g)をビーカーに加えた。ビーカーをアルミホイルで覆った。反応を55℃で4時間行った。冷却後、カプセルを水で洗浄し、真空濾過で濾過した。その後、マイクロカプセルを一連のふるいに掛けて、425マイクロメートルの開口のふるいと106マイクロメートルの開口のふるいとの間で単離されたサイズ分画を回収した。マイクロカプセルの平均直径は193マイクロメートルであり、標準偏差は41マイクロメートルであった。
調製例3−SANTICIZER 261Aを含むマイクロカプセル
1Lのガラスビーカーに、250mLの0.5%エチレン無水マレイン酸コポリマー水溶液を入れた。ビーカーをオーバーヘッドミキサー付きの水浴中に置き、撹拌速度を300RPMに設定した。尿素(5g)、塩化アンモニウム(0.5g)、及びレゾルシノール(0.5g)を、水混合物に加えた。0.1規定(N)の水酸化ナトリウムでpHを3.5に調節した。1滴の1−オクタノールを加えた後、60gのSANTICIZER 261Aを加えた。10分間待った後、ホルムアルデヒド溶液(12.6g)をビーカーに加えた。ビーカーをアルミホイルで覆った。浴温を55℃まで30分間にわたって昇温した。撹拌しながら反応を55℃で更に3.5時間続けた。冷却後、カプセルを水で洗浄した。その後、マイクロカプセルを一連のふるいに掛けて、425マイクロメートルの開口のふるいと106マイクロメートルの開口のふるいとの間で単離されたサイズ分画を回収した。マイクロカプセルの平均直径は349マイクロメートルであり、標準偏差は79マイクロメートルであった。
調製例4−アクリルラテックス
23.1gのHitenol BC1025、2.2gのりん酸ナトリウム二塩基性、及び363.2gの脱イオン水を、1Lのガラスビーカーに加え、撹拌して水溶液を形成した。187gのイソオクチルアクリレート、4.8gのアクリル酸、4.8gのメタクリル酸、264.3gのイソボルニルアクリレート、10.4gの2−カルボキシルエチルアクリレート、及び9.6gのアクリレートポリマーを、別の1Lのガラスビーカーに加え、撹拌してモノマー溶液を形成した。モノマー溶液をビーカー内の水性相に注ぎ、よく混合した。内容物を2つの等しい部分に分けて、1Lのステンレス鋼Waringブレンダー容器に注いだ。内容物をブレンダーにより高速度設定で2分間均質化し、その後温度計、ガラスリトリートブレードインペラ(glass retreat blade impeller)を備える機械的撹拌器、凝縮器及び窒素入口管を備えた2L樹脂フラスコに注いだ。その後、過硫酸カリウム(0.44g)を加えた。反応混合物を窒素ブランケット下で300RPMで撹拌し、60℃に加熱し、この温度で4時間維持した後、80℃に加熱し、この温度で1時間反応させた。その後、ラテックスを冷却し、チーズクロスを通して濾過して、54.0%固体、pH4.3、及び粘度160センチポアズ(cP)(30RPMにて)のラテックス接着剤を得た。
調製例5−アクリル溶液
イソオクチルアクリレート(24.8g)、イソボルニルアクリレート(70g)、アクリル酸(5g)及びトルエン(150g)を、1Lの琥珀色の瓶に加えた。Vazo 67開始剤(0.2g)を加え、溶液に溶解させた。サンプルを窒素で約3分間パージした後、キャップを取り付け、Teflon(「Teflon」は登録商標。)テープで封止した。瓶をラウンドロメータ(laundrometer)に70℃で24時間セットした。その後、トルエンを溶液に加え、固体含有量を37%に調節した。
調製例6−転写(Transfer)接着剤前駆体
0.008インチ(0.20mm)のギャップを有するナイフコータを使用して、調製例4をポリエチレンテレフタレート(PET)ライナー上にコーティングした。フィルムを70℃のオーブンで45秒間乾燥させた後、剥離ライナーに積層させた。PETライナーを、多少の接着剤残留物と共に剥離した。その後、剥離ライナー上のラテックスフィルムを70℃のオーブンで更に10分間乾燥させた。結果は、0.003インチ(0.08mm)厚さでコーティング重量72グラム/平方メートルの非粘着性フィルムであった。このフィルムの一部についての動的機械分析は、ガラス転移温度50℃を示した。
実施例1−レーヨン上の可塑剤カプセル
レーヨン不織布のシートを20インチ×14インチ(51cm×36cm)に切断した。このシートの一部に、シートの表面の画像の分析によって決定される面積被覆率が平均6%になるように、調製例2のカプセルを振りかけた。その後、シートに調製例4のラテックスを噴霧し、160°F(71℃)のオーブンで10分間乾燥させた。乾燥接着剤の平均コーティング重量は42グラム/平方メートルであった。このサンプルのストリップを寸法1インチ×6インチ(2.5cm×15.2cm)のストリップに切断し、ヘプタンで洗浄したステンレス鋼クーポン(coupon)に対して圧力を加えずに置いた。1分間ステンレス鋼と接触させた後、サンプルを優しく表面上で剥ぎ取る(shear)と、基材への顕著な接着が発揮されなかったことが見出だされた。その後、2.4キログラム(kg)ローラをサンプルの上に通し、更に1分間静止させた。その後、サンプルを180°剥離モードで引き剥がし、サンプルを剥がすための平均の力を測定すると、0.52重量オンス(ounce of force)(0.14N)であった。サンプルは主に接着破壊により破壊された。
実施例2−レーヨン上の溶媒及び可塑剤カプセル
レーヨン不織布のシートを20インチ×14インチ(51cm×36cm)に切断した。このシートの一部に、面積被覆率が平均25%になるように、調製例1のカプセルを振りかけた。その後、シートに調製例4のラテックスを噴霧し、160°F(71℃)のオーブンで10分間乾燥させた。乾燥接着剤の平均コーティング重量は42グラム/平方メートルであった。このサンプルのストリップを寸法1インチ×6インチ(2.5cm×15.2cm)のストリップに切断し、ヘプタンで洗浄したステンレス鋼クーポンに対して圧力を加えずに置いた。1分間ステンレス鋼と接触させた後、サンプルを優しく表面上で剥ぎ取ると、基材への顕著な接着が発揮されなかったことが見出だされた。その後、2.4kgローラをサンプルの上に通し、更に1分間静止させた。その後、サンプルを180°剥離モードで引き剥がし、サンプルを剥がすための平均の力を測定すると、3.9重量オンス(1.1N)であった。サンプルは主に接着破壊により破壊された。
実施例3−1250NC上の可塑剤カプセル
1250 NC不織布のシートを20インチ×14インチ(51cm×36cm)に切断した。このシートの一部に、面積被覆率が平均12%になるように、調製例2のカプセルを振りかけた。その後、シートに調製例4のラテックスを噴霧し、160°F(71℃)のオーブンで10分間乾燥させた。乾燥接着剤の平均コーティング重量は35グラム/平方メートルであった。このサンプルのストリップを寸法1インチ×6インチ(2.5cm×15.2cm)のストリップに切断し、ヘプタンで洗浄したステンレス鋼クーポンに対して圧力を加えずに置いた。1分間ステンレス鋼と接触させた後、サンプルを優しく表面上で剥ぎ取ると、基材への顕著な接着が発揮されなかったことが見出だされた。その後、7.3kgローラをサンプルの上に通し、更に1分間静止させた。その後、サンプルを180°剥離モードで引き剥がし、サンプルを剥がすための平均の力を測定すると、2.6重量オンス(0.72N)であった。サンプルは主に接着破壊により破壊された。
実施例4−1525HT上の溶媒及び可塑剤カプセル
1535HT不織布のシートを20インチ×14インチ(51cm×36cm)に切断した。このシートの一部に、面積被覆率が平均11%になるように、調製例1のカプセルを振りかけた。その後、シートに調製例4のラテックスを噴霧し、160°F(71℃)のオーブンで10分間乾燥させた。乾燥接着剤の平均コーティング重量は33グラム/平方メートルであった。このサンプルのストリップを寸法1インチ×6インチ(2.5cm×15.2cm)のストリップに切断し、ヘプタンで洗浄したステンレス鋼クーポンに対して圧力を加えずに置いた。1分間ステンレス鋼と接触させた後、サンプルを優しく表面上で剥ぎ取ると、基材への顕著な接着が発揮されなかったことが見出だされた。その後、7.3kgローラをサンプルの上に通し、更に1分間静止させた。その後、サンプルを180°剥離モードで引き剥がし、サンプルを剥がすための平均の力を測定すると、2.9重量オンス(0.81N)であった。サンプルは、不織布シートの部分的な凝集分裂(cohesive splitting)及び部分的な接着破壊により破壊された。1インチ×1インチ(2.5cm×2.5cm)サンプルを垂直ピースステンレス鋼に接着させ、250グラムのおもりをサンプルから吊るした。10,000分後、静的剪断負荷にもかかわらず、サンプルは吊るされたままであった。
実施例5−不織マット上の溶媒及び可塑剤カプセル
不織布1250 NCのピースを、12インチ×18インチ(30.5cm×45.7cm)に切断した。その後、合計3.8gの調製例1のカプセルを、マットの表面上に分散させた。加圧スプレーガンを使用して、調製例4のラテックスのコーティングを適用し、マットを10分間160°F(71℃)のオーブンで乾燥させた。乾燥接着剤の平均コーティング重量は37グラム/平方メートルであった。このフィルムのサンプルを6インチ×6インチ(15.2cm×15.2cm)のサイズに切断し、ASTM D4169による模擬輸送試験を行った。模擬輸送条件下で、サンプルは隣接するサンプルに接着しなかった。輸送模擬実験後、サンプルを鋼に対して手の圧力で押すと、サンプルは基材に接着することが見出だされた。
実施例6−不織マット上の可塑剤カプセル
不織布1250 NCのピースを、12インチ×18インチ(30.5cm×45.7cm)に切断した。その後、合計1.1gの調製例2のカプセルを、マットの表面上に分散させた。加圧スプレーガンを使用して、調製例4のラテックスのコーティングを適用し、マットを10分間160°F(71℃)のオーブンで乾燥させた。乾燥接着剤の平均コーティング重量は29グラム/平方メートルであった。このフィルムのサンプルを6インチ×6インチ(15.2cm×15.2cm)のサイズに切断し、模擬輸送試験を行った。模擬輸送条件下で、サンプルは隣接するサンプルに接着しなかった。輸送模擬実験後、サンプルを鋼に対して手の圧力で押すと、サンプルは基材に接着することが見出だされた。
比較例1−カプセルなしのレーヨン
レーヨン不織布のシートを20インチ×14インチ(51cm×36cm)に切断した。その後、シートに調製例4のラテックスを噴霧し、160°F(71℃)のオーブンで10分間乾燥させた。乾燥接着剤の平均コーティング重量は42グラム/平方メートルであった。このサンプルのストリップを寸法1インチ×6インチ(2.5cm×15.2cm)のストリップに切断し、ヘプタンで洗浄したステンレス鋼クーポンに対して圧力を加えずに置いた。1分間ステンレス鋼と接触させた後、サンプルを優しく表面上で剥ぎ取ると、基材への顕著な接着が発揮されなかったことが見出だされた。その後、2.4kgローラをサンプルの上に通し、更に1分間静止させた。その後、サンプルを180°剥離モードで引き剥がすと、サンプルを剥がすための平均の力は検出限界未満であった。
比較例2−カプセルなしの不織布1250 NC
不織布1250 NCのシートを20インチ×14インチ(51cm×36cm)に切断した。その後、シートに調製例4のラテックスを噴霧し、160°F(71℃)のオーブンで10分間乾燥させた。乾燥接着剤の平均コーティング重量は35グラム/平方メートルであった。このサンプルのストリップを寸法1インチ×6インチ(2.5cm×15.2cm)のストリップに切断し、ヘプタンで洗浄したステンレス鋼クーポンに対して圧力を加えずに置いた。1分間ステンレス鋼と接触させた後、サンプルを優しく表面上で剥ぎ取ると、基材への顕著な接着が発揮されなかったことが見出だされた。その後、7.3kgローラをサンプルの上に通し、更に1分間静止させた。その後、サンプルを180°剥離モードで引き剥がし、サンプルを剥がすための平均の力を測定すると、0.8重量オンス(0.22N)であった。サンプルは主に接着破壊により破壊された。
比較例3−カプセルなしの不織布1535HT
不織布1535HTのシートを20インチ×14インチ(51cm×36cm)に切断した。その後、シートに調製例4のラテックスを噴霧し、160°F(71℃)のオーブンで10分間乾燥させた。乾燥接着剤の平均コーティング重量は33グラム/平方メートルであった。このサンプルのストリップを寸法1インチ×6インチ(2.5cm×15.2cm)のストリップに切断し、ヘプタンで洗浄したステンレス鋼クーポンに対して圧力を加えずに置いた。1分間ステンレス鋼と接触させた後、サンプルを優しく表面上で剥ぎ取ると、基材への顕著な接着が発揮されなかったことが見出だされた。その後、7.3kgローラをサンプルの上に通し、更に1分間静止させた。その後、サンプルを180°剥離モードで引き剥がし、サンプルを剥がすための平均の力を測定すると、1.8重量オンス(0.50N)であった。サンプルは主に接着破壊により破壊された。
実施例7−ニットガラス繊維
ニットガラス繊維のシートを2インチ×2.5インチ(5cm×6cm)に切断し、面積被覆率が平均10%になるように、調製例3のカプセルを振りかけた。剥離ライナーを、2.5インチ×3インチ(6cm×8cm)とした調製例6のフィルムのピースから除去し、フィルムをガラス表面上に置いて、フィルムが軟化してガラスに部分的に接着するまでヒートガンで加熱した。冷却後、接着フィルムの露出面を剥離ライナーのシート上に置いた。100℃のオーブン内で、500グラムのおもりをガラス上に5分間置き、積層を完了させた。1インチ×0.5インチ(2.5cm×1.2cm)のピースを切り抜いた。サンプルをスライドガラス上に置くと、最初は再配置性(repositionability)を示した。その後、ニットシートの背部に7.3kgローラを5回通すと、サンプルはガラスへの顕著な接着を示した。ガラスを垂直に設置すると、接着剤はニットシートをガラスに10,000分間を超えてうまく保持した。
実施例8−発泡体
連続気泡ポリウレタン発泡体のシートを2インチ×2.5インチ(5cm×6cm)に切断し、面積被覆率が平均10%になるように、調製例3のカプセルを振りかけた。剥離ライナーを、2.5インチ×3インチ(6cm×8cm)とした調製例6のフィルムのピースから除去し、フィルムを発泡体表面上に置いて、フィルムが軟化して発泡体に部分的に接着するまでヒートガンで加熱した。冷却後、接着フィルムの露出面を剥離ライナーのシート上に置いた。100℃のオーブン内で、500グラムのおもりを発泡体上に10分間置き、積層を完了させた。1インチ×0.5インチ(2.5cm×1.2cm)のピースを切り抜いた。サンプルをスライドガラス上に置くと、最初は再配置性を示した。その後、発泡体の背部に7.3kgローラを5回通すと、サンプルはガラスへの顕著な接着を示した。ガラスを垂直に設置すると、接着剤は発泡体をガラスに10,000分間を超えてうまく保持した。
実施例9−PSA積層体付き発泡体
連続気泡ポリウレタン発泡体のシートを2インチ×2.5インチ(5cm×6cm)に切断した。Super 77接着剤を発泡体表面上に噴霧した。また、Super 77接着剤を、調製例6のシートの表面上にも噴霧した。調製例3のマイクロカプセルを、接着剤でコーティングされた転写接着剤上に、平均40%の面積被覆率で振りかけた。表面への噴霧の1分後、これらを一緒に結合させた。剥離ライナーを、表を下にして(face down)、連続気泡発泡体のピース上に置き、300グラムのおもりを積層物の上部に24時間室温で置き、積層を完了させた。1インチ×0.5インチ(2.5cm×1.2cm)のピースを切り抜いた。サンプルをスライドガラス上に置くと、再配置性を示した。その後、サンプルに7.3kgローラを5回通すと、サンプルはガラスへの顕著な接着を示した。ガラスを垂直に設置すると、接着剤は発泡体をガラスに10,000分間を超えてうまく保持した。
実施例10−溶媒系PSA付き不織布
調製例3のマイクロカプセルを、寸法が2インチ×2.5インチ(5cm×6cm)の不織布1250NCのピース上に、面積被覆率14%で置いた。調製例5の溶液の一部を剥離ライナーのシート上に置き、ギャップ0.008インチ(0.20mm)のナイフコータの下で引いた。その後、フィルムを70℃のオーブンで10分間乾燥させて、厚さ0.002インチ(0.05mm)及びコーティング重量39グラム/平方メートルのアクリルシートを作製した。このフィルムの一部についての動的機械分析は、ガラス転移温度84℃を示した。
その後、このフィルムのピースを不織布の表面上のマイクロカプセルの上に置いた。フィルムが軟化するまでフィルムをヒートガンで加熱した後、剥離ライナーを除去した。フィルムが不織布及びマイクロカプセルに結合するまで、フィルムを更に加熱した。1インチ×0.5インチ(2.5cm×1.2cm)のピースを切り抜いた。サンプルをスライドガラス上に置くと、再配置性を示した。その後、サンプルに2.4kgローラを5回通すと、サンプルはガラスへの顕著な接着を示した。ガラスを垂直に設置すると、接着剤は不織布をガラスに10,000分間を超えてうまく保持した。
実施例11−突出カプセル
調製例3のマイクロカプセルを、PETライナー上に置いた。調製例4のラテックス(3mL)を、ピペットを使用して、カプセル上に置いた。その後、公称0.006インチ(0.15mm)に設定したギャップのナイフコータの下で、ライナーを引いた。生じたフィルムを90℃のオーブン内で20分間乾燥させた。生じたフィルムは、0.004インチ〜0.005インチ(0.010mm〜0.013mm)の厚さを有し、顕著な突出マイクロカプセルがあった。この材料の1インチ(2.5cm)のストリップを、表を下にしてガラスのピース上に置き、2.4kgローラを1回通した。ローラがサンプルの上を通った際に、マイクロカプセルは目に見えて破断し、液体を放出した。ストリップをガラスから剥離すると、軟らかい油性の残留物が、マイクロカプセルが破断した場所に存在していた。
比較例4−突出しないカプセル
実施例11と同様のサンプルを調製した。調製は、調製例3のマイクロカプセルを、PETライナー上に、3mLの調製例4のラテックスと共に置き、公称0.006インチ(0.15mm)としたギャップのナイフコータを通してこれを引くことにより行った。90℃のオーブンで20分間乾燥させた後、追加のラテックスをサンプルに加え、これを再度、同じギャップのナイフコータの下で引き、10分間90℃のオーブンで乾燥させた。ナイフコータのギャップを増加させ、サンプルを更に3回コーティングして乾燥させた。その後、ギャップを更に増加させ、サンプルをもう1度コーティングして乾燥させた。生じたフィルムは0.019インチ〜0.022インチ(0.48mm〜0.56mm)の厚さであり、マイクロカプセルは完全にフィルムの厚み内に埋め込まれた。この材料の1インチ(2.5cm)のストリップを、表を下にしてガラスのピース上に置き、2.4kgローラを1回通した。マイクロカプセルは破断するように見えず、ストリップは、ほとんど接着せずに、簡単にガラスから剥離した。その後、同じサンプルに7.3kgローラを通したが、結果は同じであった。その後、0.05インチ(0.13mm)厚さのステンレス鋼の長方形プレートの角を使用して、マイクロカプセルを視認できる場所をこすった。ステンレス鋼のプレートの角は、著しくフィルムに圧入(press into)し、マイクロカプセルは目に見えて破断して、液体を放出した。ストリップをガラスから剥離すると、接着の著しい増加及びフィルムの軟化が観測された。したがって、フィルムの表面から突出するマイクロカプセルは、フィルム内に完全に埋め込まれたマイクロカプセルを有する同等のシステムよりも、少ない力で破断できる。
本明細書で特定の例となる実施形態を詳細に説明したが、当然のことながら、当業者は上述の説明を理解した上で、これらの実施形態の代替物、変更物、及び均等物を容易に想起することができるであろう。更に、本明細書において参照される全ての出版物及び特許は、それぞれの個々の出版物又は特許が参照により援用されることを明確にかつ個別に指示されるかのごとく、同じ範囲でそれらの全体が参照により本明細書に援用される。様々な例示的な実施形態が説明されてきた。これら及び他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。

Claims (20)

  1. 第1の主表面を有し、不織材、織材、又は発泡体を含む基材と、
    外表面を有する複数のマイクロカプセルであって、前記マイクロカプセルに封入された可塑剤を含み、前記基材の前記第1の主表面にポリマー材料で付着された複数のマイクロカプセルと、
    を含む物品。
  2. 前記ポリマー材料が、0℃よりも高いガラス転移温度(T)を有する、請求項1に記載の物品。
  3. 前記基材が、ガラス繊維、シリカ繊維、バサルト繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、セルロース繊維、ウール繊維、レーヨン繊維、炭素繊維、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1又は2に記載の物品。
  4. 前記基材が、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート、又はネオプレンを含むポリマー発泡体を含む、請求項1又は2に記載の物品。
  5. 前記基材が、スポンジ、クッション、又は断熱材を含む、請求項1又は2に記載の物品。
  6. 前記複数のマイクロカプセルが、50〜500の平均マイクロカプセル直径を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の物品。
  7. 前記複数のマイクロカプセルが、ポリ尿素ホルムアルデヒド、セルロース系材料、イソボルニルメタクリレートと(メタ)アクリル酸とのコポリマー、ナイロン、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリカーボネート、並びに尿素、ホルムアルデヒド及びメラミンモノマーから得られたポリマーを含むシェルを有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の物品。
  8. 前記可塑剤が、リン酸エステル、ベンゾイル官能化ポリエーテル、ポリアルキレンオキシド、アルキル若しくはアリール官能化ポリアルキレンオキシド、ポリエチレンオキシドのモノメチルエーテル、モノマー性アジペート、ポリマー性アジペート、シトレート、グルタレート、トリメリテート、セバケート、ポリエステル、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の物品。
  9. 前記複数のマイクロカプセルが、前記マイクロカプセルに封入された、炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、置換された芳香族溶媒、ケトン、エステル、アミド、ニトリル、スルホキシド、又はこれらの組み合わせを含む溶媒を更に含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の物品。
  10. 前記基材上の前記ポリマー材料の平均コーティング厚さに対する前記複数のマイクロカプセルの平均直径の比が、1.3〜10を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の物品。
  11. 前記基材が、平均4%〜25%の前記複数のマイクロカプセルによる前記第1の主表面上の面積被覆率を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の物品。
  12. 前記基材が、前記基材の被覆面積の1平方メートル当たり10〜100グラムの乾燥ポリマー材料の平均コーティング重量を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の物品。
  13. 前記基材が、50Pa〜20,000Paの圧縮強度を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の物品。
  14. 前記基材が、0.01グラム/ミリリットル(g/mL)〜0.75g/mLの密度を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の物品。
  15. 第1の主表面を有し、不織材、織材又は発泡体を含む基材を準備する工程と、
    外表面を有する複数のマイクロカプセルと、前記マイクロカプセルに封入された可塑剤とを準備する工程と、
    前記複数のマイクロカプセルを前記基材の前記第1の主表面にポリマー材料で付着させ、これにより、前記基材の前記第1の主表面に付着された高分子マトリックスを形成する工程と、
    を含む、物品を製造する方法。
  16. 前記ポリマー材料が、0℃よりも高いガラス転移温度(T)を有する、請求項15に記載の方法。
  17. 前記付着させる工程が、前記複数のマイクロカプセルを前記基材の前記第1の主表面上に配置することと、前記ポリマー材料を、前記複数のマイクロカプセルの大部分及び前記基材の前記第1の主表面の少なくとも一部の上にコーティングすることと、を含む、請求項15又は16に記載の方法。
  18. 前記ポリマー材料を硬化させる工程を更に含む、請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記基材が、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、セルロース繊維、ウール繊維、レーヨン繊維、炭素繊維、又はこれらの組み合わせを含む、請求項15〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記複数のマイクロカプセルが、前記マイクロカプセルに封入された溶媒を更に含む、請求項15〜19のいずれか一項に記載の方法。
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