JP2004059804A - 可塑剤マイクロカプセル含有感圧性接着剤およびこれを用いたシート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被接着体の面に塗布され、乾燥状態では接着性を有さず、所定の圧力を付与することにより接着力が発現する感圧接着剤であって、接着剤基剤に対して、可塑剤マイクロカプセルを配合した可塑剤マイクロカプセル含有感圧性接着剤および、シート面の所定部に、この感圧性接着剤を用いた接着層を形成したシートにより課題を解決できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可塑剤マイクロカプセル含有感圧性接着剤およびこれを用いたシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、情報がプリントされる用紙、帳票などのプリント用フォームなどの被接着体面の所定部分にあらかじめ塗布しておき、プリント後接着剤の接着条件である圧を付与してプリント用フォームなどを綴じ合わせるための感圧性接着剤であって、乾燥状態では接着性を有さず、所定の圧力を付与することにより接着力が発現する感圧性接着剤が用いられており、封筒作成時における封緘用の接着剤、はがき、カードなどの作成時における貼り合わせ用の接着剤、あるいは冊子などの綴じ合わせ用の接着剤として使用されている。
このような用紙、帳票などの各種プリント用フォームなどを接着するための感圧性接着剤として、天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂などを主成分とするものがあり、目的に応じて種々選択され使用されていた。
しかし、シート面にこの感圧性接着剤を用いて接着層を形成した各種プリント用フォームなどをノンインパクトプリンタなどのプリンタや各種の複写機を用いてプリントしたり、あるいは複写する際に前記接着層にシリコンなどが付着すると、その後、所定の圧力を付与しても接着力が発現せず、接着しなかったり、良好な接着が得られず剥離してしまうなどの問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、従来の問題に鑑み、各種プリント用フォームなどの被接着体の面に形成した感圧性接着剤による接着層面に、プリントしたり、あるいは複写したりする際に前記接着層にシリコンなどが付着しても、所定の圧力を付与することにより充分な接着力が発現して、良好な接着が得られるような感圧性接着剤を提供することであり、
本発明の第2の目的は、この感圧性接着剤を用いてシート面の所定部に接着層を形成したシートを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂などの接着剤基剤に対して、可塑剤マイクロカプセルを配合すれば、乾燥状態では接着性を有さず、所定の圧力を付与することにより充分な接着力が発現して、良好な接着が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0005】
前記課題を解決するための本発明の請求項1は、被接着体の面に塗布され、乾燥状態では接着性を有さず、所定の圧力を付与することにより接着力が発現する感圧接着剤であって、
接着剤基剤に対して、可塑剤マイクロカプセルを配合してなることを特徴とする可塑剤マイクロカプセル含有感圧性接着剤である。
【0006】
本発明の感圧性接着剤は、天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂などの接着剤基剤に対して、可塑剤マイクロカプセルが配合されてなる感圧性接着剤であり、乾燥状態では接着性を有さず、所定の圧力を付与することにより、マイクロカプセルが破壊されて、芯物質の可塑剤が接着剤基剤に作用して強力な接着力が発現するので、各種プリント用フォームなどの被接着体の面に形成した感圧性接着剤による接着層面に、プリントしたり、あるいは複写したりする際に例え接着層にシリコンなどが付着しても、良好な接着が得られる。
【0007】
本発明の請求項2は、請求項1記載の感圧性接着剤において、前記接着剤基剤固形分100質量部に対して、前記可塑剤マイクロカプセル中の可塑剤が10〜30質量部となるように配合してなることを特徴とする。
【0008】
前記接着剤基剤固形分100質量部に対して、前記可塑剤マイクロカプセル中の可塑剤が10〜30質量部となるように配合すれば、被接着体面に形成した感圧性接着剤による接着層面にシリコンなどが付着しても、より良好な接着が確実に得られる。
【0009】
本発明の請求項3は、請求項1あるいは請求項2記載の感圧性接着剤において、前記接着剤基剤および可塑剤マイクロカプセルがいずれも水系分散物からなることを特徴とする。
【0010】
前記接着剤基剤および可塑剤マイクロカプセルがいずれも水系分散物のものを使用すれば、塗布工程における被接着体面への塗布適性に優れると共に、揮発した有機溶剤により人体が悪影響を受けたり、あるいは引火を防ぐための吸引設備や防曝設備などを必要としない。
【0011】
本発明の請求項4は、シート面の所定部に、請求項1から請求項3のいずれかに記載の感圧性接着剤による接着層が形成されてなることを特徴とするシートに関するものである。
【0012】
本発明のシートは、各種プリント用フォームなどのシート面の所定部に、天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂などの接着剤基剤に対して、可塑剤マイクロカプセルが配合されてなる感圧性接着剤による接着層が形成されてなるので、乾燥状態では接着性を有さず、所定の圧力を付与することにより、マイクロカプセルが破壊されて芯物質の可塑剤が接着剤基剤に作用して強力な接着力が発現するので、接着層面に、プリントしたり、あるいは複写したりする際に例え接着層にシリコンなどが付着しても、接着層同士あるいは接着層と他の被接着体との間で良好な接着が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明のシートの一実施例を示す説明図である。
図1に示すように、本発明のシート(三つ折り封筒)1は、シート1Aの左端のシート面の所定部に本発明の可塑剤マイクロカプセル含有感圧性接着剤を用いて塗布、乾燥するなどして接着層2が形成されており、接着層2中には可塑剤マイクロカプセル3が含有されている。4は折り目を示す。シート1を折り目4で折り曲げて三つ折りにして乾燥状態にある接着層2を介して接着面同士を重ね合わせても接着面同士は接着しない。接着層2に所定の圧力を付与すると接着層2中のマイクロカプセル3が破壊され、芯物質の可塑剤が接着剤基剤に作用して強力な接着力が発現し接着面同士あるいは接着層と他の被接着体との間で良好に接着する。
【0014】
本発明で用いる接着剤基剤は特に限定されるものではなく、天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂などあるいはこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。
天然ゴム系接着剤基剤としては、例えば、天然ゴム系ラテックスの接着剤基剤として慣用されているメタクリル酸メチルでグラフト共重合した天然ゴム系ラテックスであるメタクリル酸メチルグラフト共重合天然ゴム系ラテックスを挙げることができる。
【0015】
合成ゴム系接着剤基剤や合成樹脂系接着剤基剤としては、接着剤の成分として慣用されている合成ゴムラテックスや合成樹脂ラテックスを挙げることができ、例えば、スチレンリッチSBRを水性溶媒中に分散させたエマルジョンであるスチレンリッチSBRラテックス、含浸、他のラテックスの補強などの成分として慣用されているポリスチレンを水性溶媒中に分散させたエマルジョンであるポリスチレンエマルジョン、含浸、塗料、紙加工などの成分として慣用されているスチレン・アクリル共重合体を水性溶媒中に分散させたエマルジョンであるスチレン・アクリル共重合体エマルジョン、クロロプレンゴムラテックス、NBRラテックスなどを用いることができる。水性溶媒中に分散させたエマルジョン系接着剤基剤は、粒子を分散安定化させるためには乳化剤が必要であるが、この乳化剤としては、一般にロジンセッケン、ナフタレンスルホン酸塩、脂肪酸セッケン、アルキルベンゼンスルホン酸塩などのアニオン系界面活性剤が用いられる。
【0016】
他の樹脂系接着剤基剤としては、天然品でも合成品でもあるいはこれらの2種以上の組み合わせでもよく、例えば、アルブミン、ゼラチン、カゼイン、でんぷん、アラビアゴム、アルギン酸ソーダなどの天然樹脂、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、アクリル系ポリマー接着剤基剤、エチレン−酢酸ビニル系ポリマー接着剤基剤などの他、ポリアミド、ポリフェニルアセトアセタール、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジウムハライド、メラミン樹脂、ポリウレタン、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリエステルなどの合成樹脂、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物、ジシアンジアミド、ジメチル・ジアリル・アンモニウムクロライドを主成分とする化合物あるいはこれらの2種以上の混合物などのカチオン性樹脂、その他電子線硬化型や紫外線硬化型樹脂系接着剤基剤、スルホン酸基、カルボキシル基、硫酸エステル基、燐酸エステル基などのアニオン性基を有する例えばロジン変成マレイン酸などのアニオン性樹脂などを挙げることができる。
【0017】
本発明で用いるマイクロカプセルの芯物質の可塑剤は、乾燥状態では接着性を有さない接着剤基剤に作用して、例え接着層にシリコンなどが付着しても強力な接着力を発現させるものであればよく、具体的には、例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸アリル、フタル酸n−ブチル、フタル酸ベンジル、フタル酸ベンジルn−ブチル、安息香酸グリコールエステル、フマル酸n−ブチルなどのフタル酸エステル、フマル酸エステル、テレフタル酸エステルなどや、トリメリト酸エステル、炭化水素、石油製品、塩素化パラフィン、ヒマシ油、マレイン酸n−ブチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリス(2−エチルヘキシル)エステルなどのリン酸エステル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸イソプロピル、アゼライン酸エステル、セバチン酸ブチルなどのセバチン酸エステル、サリチル酸メチル、酢酸ベンジル、高分子可塑剤、エポキシ系可塑剤などを挙げることができる。これらの分子量は通常数百から数千のものが用いられるがこれに限定されるものではない。
【0018】
これらの中でも、フマル酸n−ブチル、アジピン酸ジオクチルなどは乾燥状態では接着性を有さない接着剤基剤に作用して、例え接着層にシリコンなどが付着しても優れた接着力を発現させるので特に好ましく使用できる。次いで、フタル酸n−ブチル、サリチル酸メチル、セバチン酸ブチル、アジピン酸イソプロピル、リン酸トリクレジル、酢酸ベンジルなども優れた接着力を発現させるので好ましく使用できる。
【0019】
可塑剤の配合量は特に限定されないが、接着剤基剤固形分100質量部に対して、可塑剤マイクロカプセル中の可塑剤が10〜30質量部となるように配合することが好ましい。10質量部未満では、シート面に形成した感圧性接着剤による接着層面にシリコンなどが付着した場合に良好な接着が得られない恐れがあり、30質量部を超えるとノンインパクトプリンタの一種で電子写真記録方式を採用しているプリンタではトナーの定着を加熱圧着によって行なっているため、プリンタ内で接着剤が軟化してしまい軟化した接着剤がプリンタに付着するなどの事故が発生する恐れがあり、また耐ブロッキング性が低下する恐れがある。
【0020】
本発明で用いる可塑剤マイクロカプセルの壁材は、例えば、ゼラチン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ尿素、ポリスルホンアミド、ポリスルホネート、ポリウレアなどである。また、カプセル生成手段においては、従来から慣用されている方法、例えば、インサイチュ法、界面重合法、コアセルベーション法、あるいは、オリフィス法も用いることができる。例えば、可塑剤を芯物質とし、酸触媒および乳化・分散剤的機能を有するスチレン無水マレイン酸共重合体の部分加水分解物と、ポリマーを形成する反応成分としてメラミンまたは尿素とホルマリン、あるいは、これらの初期重縮合物を用い、インサイチュ法によってメラミンまたは尿素−ホルマリン樹脂をカプセル壁材として形成し、マイクロカプセルを水系に分散生成させたマイクロカプセルの水系分散液を用いることができる。
【0021】
本発明の可塑剤マイクロカプセル含有感圧性接着剤は、前記接着剤基剤に可塑剤マイクロカプセルを公知の方法で配合して作成されるが、必要に応じて、ロジン、変性ロジン、ポリテルペン系樹脂、テルペン変性体、脂肪族炭化水素、シクロペンタジエン樹脂、芳香族系石油樹脂、フェノール系樹脂、アルキルフェノール・アセチレン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン樹脂、クマロンインデン樹脂などの粘着付与剤、各種安定剤、分散剤、湿潤剤、消泡剤などを配合することもできる。
【0022】
本発明の可塑剤マイクロカプセル含有感圧性接着剤は、シートなどの被接着体の面の所定部に手塗り、ハケ塗り、スプレー法などで塗布することもできるが、グラビアコーター、フレキソ、エアナイフコーター、バーコーターなどの塗工手段により塗工し、必要に応じて乾燥して接着層を形成することができる。また、シート面への可塑剤マイクロカプセル含有感圧性接着剤の塗工量は、特に限定されないが、例えば0.5〜30g/m2 、好ましくは3〜20g/m2 、さらに好ましくは5〜15g/m2 とする。
【0023】
前記接着剤基剤および可塑剤マイクロカプセルとしていずれも水系分散物のものを使用すれば、塗布工程におけるシートなどの被接着体の面への塗布適性に優れると共に、揮発した有機溶剤により人体が悪影響を受けたり、あるいは引火を防ぐための吸引設備や防曝設備などを必要としない。
【0024】
本発明で用いるシートおよび被着体の素材としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの無機または有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙(例えば、上質紙、中質紙、合成紙、各種再生紙、アート紙、コート紙、ミラーコート紙、コンデンサー紙、パラフィン紙、その他の紙の他に、それにオーバーコート層(保護層)をもつ用紙など)、シート状物あるいはこれらを組み合わせたもの、あるいはこれらに樹脂ワニスを含浸させて成形した複合物、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂などのプラスチック、あるいはこれらにコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理およびオゾン処理などの表面処理を施したもの、などの公知のものから選択して用いることができる。
【0025】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に詳しく述べるが、この発明の主旨と範囲に反することなしに、広範に異なる実施態様を構成することができることは明白なので、この発明は前記の特許請求の範囲において限定した以外は、これらの特定の実施態様に制約されるものではない。
(実施例1)
(可塑剤マイクロカプセルの作成)
1.ポリビニルアルコール(PVA224、重合度2400、部分ケン化、クレハ化学社製)352gをイオン交換水17248gに60℃で溶解し、室温まで冷却したものをA液とする。
2.テレフタル酸クロライド(TPC)890gをアジピン酸ジオクチル(DOA、可塑剤)8100gに60〜80℃で溶解し、室温まで冷却したものをB液とする。
3.イオン交換水2700gに水酸化ナトリウム26g、炭酸水素ナトリウム31gを溶解し、ジエチレントリアミン(DETA)430gを加えたものをC液とする。
4.TKホモミキサO型(特殊機化工業製、180V、6A設定/200V)を用いA液にB液を加えて室温にて30分間乳化する。
5.上記乳化物にC液を加えて20時間攪拌し、平均粒子径6μm、pH6.5、粘度25.3cps(B型粘度計、20℃、No.3ロータ、30rpm)、固形分33.1質量%の可塑剤マイクロカプセルスラリーを作成した。
【0026】
(本発明の可塑剤マイクロカプセル含有感圧性接着剤およびこれを用いた本発明のシートの作成および本発明のシートの接着性の試験)
このようにして作成した可塑剤マイクロカプセルスラリー1000gを接着剤基剤(SBRラテックス、HBフラーHLo 、三井フラー社製)2000gに配合して混合して本発明の可塑剤マイクロカプセル含有感圧性接着剤を作成した。70Kgの上質紙の所定部にフレキソコーターで塗工後、熱風乾燥し7〜8μm厚の接着剤層を形成し本発明のシートを作成した。
次いで、この本発明のシートを、コピーマシンを想定して、加熱ローラとシリコンオイルが塗られたフューザーローラーを通し、接着剤層にシリコンオイルを付着させた。そして、本発明のシートの接着剤層同士を合わせて加圧ローラーを通した。本発明のシートの接着剤層同士はシリコンオイルの存在に係わらず良好に接着した。
【0027】
(比較例1)
可塑剤マイクロカプセルスラリーを配合しなかった以外は実施例1と同様にして比較のための感圧性接着剤を作成し、そしてそれを用いて実施例1と同様にして作成した比較のシートの接着性の試験を同様にして行った結果、比較のシートの接着剤層同士はシリコンオイルの存在のため接着しなかった。
【0028】
【発明の効果】
本発明の請求項1の可塑剤マイクロカプセル含有感圧性接着剤は、被接着体の面に塗布され、乾燥状態では接着性を有さず、所定の圧力を付与することにより接着力が発現する感圧接着剤であって、天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂などの接着剤基剤に対して、可塑剤マイクロカプセルを配合してなる感圧性接着剤であり、所定の圧力を付与することにより、マイクロカプセルが破壊されて芯物質の可塑剤が接着剤基剤に作用して強力な接着力が発現するので、各種プリント用フォームなどの被接着体の面に形成した感圧性接着剤による接着層面に、プリントしたり、あるいは複写したりする際に例え接着層にシリコンなどが付着しても、接着層同士あるいは接着層と他の被接着体との間で良好な接着が得られるという顕著な効果を奏する。
【0029】
本発明の請求項2は、請求項1記載の感圧性接着剤において、前記接着剤基剤固形分100質量部に対して、前記可塑剤マイクロカプセル中の可塑剤が10〜30質量部となるように配合してなるので、被接着体の面に形成した感圧性接着剤による接着層面にシリコンなどが付着しても、より良好な接着が確実に得られるというさらなる顕著な効果を奏する。
【0030】
本発明の請求項3は、請求項1あるいは請求項2記載の感圧性接着剤において、前記接着剤基剤および可塑剤マイクロカプセルがいずれも水系分散物からなるので、塗布工程における被接着体の面への塗布適性に優れると共に、揮発した有機溶剤により人体が悪影響を受けたり、あるいは引火を防ぐための吸引設備や防曝設備などを必要としないというさらなる顕著な効果を奏する。
【0031】
本発明の請求項4のシートは、情報がプリントされる用紙、帳票などのプリント用フォームなどのシート面の所定部に、請求項1から請求項3のいずれかに記載の感圧性接着剤による接着層が形成されてなるので、乾燥状態では接着性を有さず、所定の圧力を付与することにより、マイクロカプセルが破壊されて芯物質の可塑剤が接着剤基剤に作用して強力な接着力が発現するので、接着層面に、プリントしたり、あるいは複写したりする際に例え接着層にシリコンなどが付着しても、接着層同士あるいは接着層と他の被接着体との間で良好な接着が得られるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシートの一実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 本発明のシート
1A シート
2 接着層
3 可塑剤マイクロカプセル
4 折り目
Claims (4)
- 被接着体の面に塗布され、乾燥状態では接着性を有さず、所定の圧力を付与することにより接着力が発現する感圧接着剤であって、
接着剤基剤に対して、可塑剤マイクロカプセルを配合してなることを特徴とする可塑剤マイクロカプセル含有感圧性接着剤。 - 前記接着剤基剤固形分100質量部に対して、前記可塑剤マイクロカプセル中の可塑剤が10〜30質量部となるように配合してなることを特徴とする請求項1記載の感圧性接着剤。
- 前記接着剤基剤および可塑剤マイクロカプセルがいずれも水系分散物からなることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の感圧性接着剤。
- シート面の所定部に、請求項1から請求項3のいずれかに記載の感圧性接着剤による接着層が形成されてなることを特徴とするシート。
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WO2015088753A1 (en) * | 2013-12-13 | 2015-06-18 | 3M Innovative Properties Company | Articles including microcapsules for on-demand adhesion and methods of making same |
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