JP4243936B2 - 感圧接着シート - Google Patents

感圧接着シート Download PDF

Info

Publication number
JP4243936B2
JP4243936B2 JP2002249161A JP2002249161A JP4243936B2 JP 4243936 B2 JP4243936 B2 JP 4243936B2 JP 2002249161 A JP2002249161 A JP 2002249161A JP 2002249161 A JP2002249161 A JP 2002249161A JP 4243936 B2 JP4243936 B2 JP 4243936B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
plasticizer
pressure
adhesion
sensitive adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002249161A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004083803A (ja
Inventor
誠 梅田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Edge Inc
Original Assignee
Toppan Forms Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Forms Co Ltd filed Critical Toppan Forms Co Ltd
Priority to JP2002249161A priority Critical patent/JP4243936B2/ja
Publication of JP2004083803A publication Critical patent/JP2004083803A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4243936B2 publication Critical patent/JP4243936B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Credit Cards Or The Like (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感圧接着性シートに関し、さらに詳しくは、紙、合成紙、ポリエチレンなどの合成フィルムなどを通常状態では接着せず所定の圧力を付与することにより接着できる感圧接着性シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、重ね合わせ面に情報を担持する情報担持用の感圧接着シートにおいては、その重ね合わせ面同士が接着するように、通常、重ね合わせた際に対接するようなパターンで、シート基材の重ね合わせ面の全面や特定部分、あるいは線状に接着剤の接着剤層が設けられており、その接着剤層同士を対接させた状態で強圧をかけることにより、互いの高分子が自己拡散により密着させるものが知られており、接着剤の種類、配合、加圧の程度により、永久接着性あるいは再剥離接着性を具現できる。
粘着剤を用いてシート基材の所定部に粘着剤層を設け、この粘着剤層を同シート基材面と対接させて圧をかけて接着させる方法があるが、この方法は粘着剤層がベト付くので、予め粘着剤を塗布した用紙にプリントを行い封筒加工する際にプリンタなどの搬送時にガイドロールへの粘着剤の付着や、粘着剤層と用紙間のブロッキングの発生などの問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、用紙、帳票などの各種プリント用フォームなどを接着するための接着剤として、天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂などを主成分とするものがあり、目的に応じて種々選択され使用されていた。
しかし、接着剤層とシート基材面と対接させて強圧をかけても接着できず、また、シート基材面にこの接着剤を用いて接着剤層を形成した各種プリント用フォームなどをノンインパクトプリンタなどのプリンタや各種の複写機を用いてプリントしたり、あるいは複写する際に前記接着剤層にシリコンなどが付着すると、その後、所定の圧力を付与しても接着力が発現せず、接着しなかったり、良好な接着が得られず剥離してしまうなどの問題があった。
【0004】
本発明の目的は、従来の問題に鑑み、プリンタなどの搬送時にガイドロールへの接着剤の付着や、粘着剤層とシート基材間のブロッキングの発生などがなく、そしてガラス、金属、木、セラミックスなどの被接着体や、紙、合成紙、ポリエチレンなどの合成フィルムなどのシート基材を含む各種被接着体に、所定の圧力を付与することにより充分な接着力が発現して、良好な接着が得られるような感圧接着シートであり、
また各種プリント用フォームなどの面に形成した接着剤による接着剤層面に、プリントしたり、あるいは複写したりする際に前記接着剤層にシリコンなどが付着しても、所定の圧力を付与することにより充分な接着力が発現して、良好な接着が得られるような感圧接着シートを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、シート基材面に例えば天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂などの接着剤を用いて形成された通常乾燥状態では接着しない接着剤層を設け、この接着剤層の上に可塑剤含有マイクロカプセルを配合したバインダを用いて形成された通常乾燥状態では接着しない接着性付与層を設けることにより、例え接着性付与層にシリコンなどが付着していても、各種被接着体に接着できることを見い出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0006】
前記課題を解決するための本発明の請求項1の感圧接着シートは、シート基材の所定部に乾燥状態では接着性を有さず、可塑剤と接触することにより接着性が発現する接着剤層が形成され、この接着剤層の上に、可塑剤含有マイクロカプセルが配合されたバインダであって前記可塑剤と接触しても接着性が発現しないバインダからなる乾燥状態では接着性を有さない接着性付与層が形成された感圧接着シートであって、被接着体と対接させ所定の圧力を付与することにより接着できることを特徴とする。
【0007】
シート基材の所定部に乾燥状態では接着性を有さず、可塑剤と接触することにより接着性が発現する例えば天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂などの接着剤を用いて接着剤層を形成し、この接着剤層の上に、可塑剤含有マイクロカプセルが配合されたバインダであって前記可塑剤と接触しても接着性が発現しないバインダからなる乾燥状態では接着性を有さない接着性付与層を形成した本発明の接着シートの前記接着性付与層面を、ガラス、金属、木、セラミックスなどの被接着体や、紙、合成紙、ポリエチレンなどの合成フィルムなどのシート基材を含む各種被接着体面と対接させ所定の圧力を付与することにより、接着性付与層中のマイクロカプセルが破壊されて、芯物質の可塑剤が接着剤層に作用して接着力が発現し、接着できる。この接着は、接着剤の種類、微細粒子などの各種成分の配合および配合割合、加圧などの程度により、永久接着性あるいは再剥離接着性を具現できる。
また、プリンタなどの搬送時にガイドロールへの接着剤やバインダの付着や、接着性付与層とシート基材間のブロッキングの発生などの問題がなく、そして各種プリント用フォームなどに形成した接着性付与層面に、プリントしたり、あるいは複写したりする際に例えシリコンなどが付着しても、良好な接着が得られる。
【0008】
本発明の請求項2の感圧接着シートは、請求項1記載の感圧接着シートにおいて、前記接着剤層および/または接着性付与層に微細粒子が配合されていることを特徴とする。
【0009】
接着剤層および/または接着性付与層に微細粒子を適宜配合することにより、耐ブロッキング性をより一層付与するとともに、永久接着性を付与したり、あるいは微細粒子を適宜配合することにより、再剥離接着性を付与したりすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の感圧接着シートの一実施の形態を示す説明図である。
図1に示すように、本発明の感圧接着シート(二つ折り封筒)1は、シート基材2の左側のシート基材面の所定部に例えば天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂などの接着剤を用いて塗布、乾燥するなどして乾燥状態では接着性を有さず、可塑剤と接触することにより接着性が発現する接着剤層3が形成されており、そしてこの接着剤層3の上に、可塑剤含有マイクロカプセル4が配合されたバインダであって前記可塑剤と接触しても接着性が発現しないバインダからなる乾燥状態では接着性を有さない接着性付与層5が形成されている。6は折り目を示す。本発明の感圧接着シート1を折り目6で折り曲げて二つ折りにして重ね合わせても接着しない。本発明の感圧接着シート1を多数積み重ねてもブロッキングすることはない。しかし、本発明の感圧接着シート1を折り目6で折り曲げて二つ折りにして重ね合わせて所定の圧力を付与すると接着性付与層5中のマイクロカプセル4が破壊され、芯物質の可塑剤が接着剤層3に作用して接着力が発現し両者は良好に接着する。この接着は、接着剤の種類、微細粒子などの各種成分の配合および配合割合、加圧などの程度により、永久接着性あるいは再剥離接着性を具現できる。
【0011】
図2は、本発明の感圧接着シートの他の実施の形態を示す説明図である。(イ)はX−X断面の説明図である。
図2に示すように、本発明の感圧接着シート(ラベル)1Aは、シート基材2の上面全体に例えば天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂などの接着剤を用いて塗布、乾燥するなどして乾燥状態では接着性を有さず、可塑剤と接触することにより接着性が発現する接着剤層3が形成されており、そしてこの接着剤層3の上に、可塑剤含有マイクロカプセル4が配合されたバインダであって前記可塑剤と接触しても接着性が発現しないバインダからなる乾燥状態では接着性を有さない接着性付与層5が形成されている。本発明の感圧接着シート1Aを多数積み重ねてもブロッキングすることはない。しかし、本発明の感圧接着シート1Aの接着性付与層5の面をガラス、金属、木、セラミックス、紙、合成紙、ポリエチレンなどの合成フィルムなどの被接着体面と対接させ所定の圧力を付与することにより、接着性付与層5中のマイクロカプセル4が破壊されて、芯物質の可塑剤が接着剤層3に作用して接着力が発現し、接着できる。この接着は、接着剤の種類、微細粒子などの各種成分の配合および配合割合、加圧などの程度により、永久接着性あるいは再剥離接着性を具現できる。
【0012】
本発明で用いる接着剤は乾燥状態では接着性を有さず、可塑剤と接触することにより接着性が発現する接着剤であれば特に限定されるものではなく、例えば、天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂などあるいはこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。
天然ゴム系接着剤としては、例えば、天然ゴム系ラテックスの接着剤として慣用されているメタクリル酸メチルでグラフト共重合した天然ゴム系ラテックスであるメタクリル酸メチルグラフト共重合天然ゴム系ラテックスを挙げることができる。
【0013】
合成ゴム系接着剤や合成樹脂系接着剤としては、接着剤の成分として慣用されている合成ゴムラテックスや合成樹脂ラテックスを挙げることができ、例えば、スチレンリッチSBRを水性溶媒中に分散させたエマルジョンであるスチレンリッチSBRラテックス、含浸、他のラテックスの補強などの成分として慣用されているポリスチレンを水性溶媒中に分散させたエマルジョンであるポリスチレンエマルジョン、含浸、塗料、紙加工などの成分として慣用されているスチレン・アクリル共重合体を水性溶媒中に分散させたエマルジョンであるスチレン・アクリル共重合体エマルジョン、クロロプレンゴムラテックス、NBRラテックスなどを用いることができる。水性溶媒中に分散させたエマルジョン系接着剤は、粒子を分散安定化させるためには乳化剤が必要であるが、この乳化剤としては、一般にロジンセッケン、ナフタレンスルホン酸塩、脂肪酸セッケン、アルキルベンゼンスルホン酸塩などのアニオン系界面活性剤が用いられる。
【0014】
他の樹脂系接着剤としては、天然品でも合成品でもあるいはこれらの2種以上の組み合わせでもよく、例えば、アルブミン、ゼラチン、カゼイン、でんぷん、アラビアゴム、アルギン酸ソーダなどの天然樹脂、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、アクリル系ポリマー接着剤、エチレン−酢酸ビニル系ポリマー接着剤などの他、ポリアミド、ポリフェニルアセトアセタール、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジウムハライド、メラミン樹脂、ポリウレタン、ポリエステルなどの合成樹脂、などを挙げることができる。
【0015】
本発明で用いるバインダは前記接着剤層とはよく接着するが、乾燥状態ではガラス、金属、木、セラミックスなどの被接着体や、紙、合成紙、ポリエチレンなどの合成フィルムなどのシート基材を含む各種被接着体に接着性を有さず、しかも可塑剤と接触しても接着性が発現しないバインダであれば特に限定されるものではなく、例えば、天然品でも合成品でもよくこれらの2種以上の混合物でも差し支えない。バインダの具体例としては、例えば、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、電子線硬化型アクリル樹脂系接着剤や紫外線硬化型樹脂系接着剤、スルホン酸基、カルボキシル基、硫酸エステル基、燐酸エステル基などのアニオン性基を有する例えばロジン変成マレイン酸などのアニオン性樹脂、グリコール系溶剤などを挙げることができる。
【0016】
グリコール系溶剤としては、中沸点および高沸点溶剤(沸点が100℃以上のもの)のものが好ましく、具体的には、例えばグリコール(グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール)やグリコール誘導体(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)など、およびこれらの2つ以上の混合物を挙げることができる。
【0017】
グリコール系溶剤をバインダとして使用した場合のバインダ性能を向上させるために例えば1級〜3級アミンまたは4級アンモニウム塩のオリゴマー、ポリマーである、例えば、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物などあるいはこれらの2種以上の混合物などをグリコール系溶剤に適量配合することができる。
【0018】
本発明において用いる微細粒子はプラスチック微細粒子や発泡プラスチック微細粒子、スターチ微細粒子、絹微細粒子などの有機微細粒子でも無機微細粒子でもあるいはこれらの2種以上の混合物でもよい。なお、シートを搬送するガイドロールなどに付着したシリコンオイルなどを吸着させる機能も付与させるためには、多孔質の微細粒子を利用するのが好ましい。
無機微細粒子の具体例としては、例えば、シリカ微粒子では、(日本シリカ工業社NipsilSS−10F,SS−15,SS−10A,SS−20,SS−30P,SS−30S,SS−40,SS−50,SS−50A,SS−60,SS−70,SS−100,SS−10F,SS−50F,SS−50B,SS−50C,SS−72F,SS−170X,SS−178Bなど)、(トクヤマ社ファインシールA,B,USF,E50,E70,T32,X12,X30,X37,X37B,X40,X45,X60,X70,X80,RX70,K41,F80,F80B,P8,CMFなど)、さらに、二酸化チタン(日本アエロジル社 T805)、アルミナ微粒子、天然ゼオライト、合成ゼオライト、炭酸カルシウム、活性白土、ガラス、シラスバルーンなどの微細粒子が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0019】
微細粒子の配合量は、接着剤あるいはバインダ100質量部に対して、微細粒子を5〜200質量部、好ましくは、10〜150質量部配合することが望ましい。5質量部未満では微細粒子の配合効果がでない恐れがあり、200質量部を超えると接着性や印刷インク適性が低下する恐れがあるので、いずれも好ましくない。
【0020】
本発明で用いるマイクロカプセルの芯物質の可塑剤は、乾燥状態では接着性を有さない接着剤層に作用して、例え接着剤層にシリコンなどが付着しても接着力を発現させるものであればよく、具体的には、例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸アリル、フタル酸n−ブチル、フタル酸ベンジル、フタル酸ベンジルn−ブチル、安息香酸グリコールエステル、フマル酸n−ブチルなどのフタル酸エステル、フマル酸エステル、テレフタル酸エステルなどや、トリメリト酸エステル、炭化水素、石油製品、塩素化パラフィン、ヒマシ油、マレイン酸n−ブチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリス(2−エチルヘキシル)エステルなどのリン酸エステル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸イソプロピル、アゼライン酸エステル、セバチン酸ブチルなどのセバチン酸エステル、サリチル酸メチル、酢酸ベンジル、高分子可塑剤、エポキシ系可塑剤などを挙げることができる。これらの分子量は通常数百から数千のものが用いられるがこれに限定されるものではない。
【0021】
これらの中でも、フマル酸n−ブチル、アジピン酸ジオクチルなどは乾燥状態では接着性を有さない接着剤層に作用して、例え接着剤層にシリコンなどが付着しても優れた接着力を発現させるので特に好ましく使用できる。次いで、フタル酸n−ブチル、サリチル酸メチル、セバチン酸ブチル、アジピン酸イソプロピル、リン酸トリクレジル、酢酸ベンジルなども優れた接着力を発現させるので好ましく使用できる。
【0022】
可塑剤含有マイクロカプセル中の可塑剤に対するバインダの配合量は特に限定されないが、可塑剤含有マイクロカプセル中の可塑剤量100質量部に対して、バインダが5〜100質量部となるように配合することが好ましい。
5質量部未満では、可塑剤含有マイクロカプセルの脱落により可塑剤がプリンタに付着するなどの事故が発生する恐れがあり、また100質量部を超えると、シート基材面に形成した接着性付与層にシリコンなどが付着した場合に良好な接着が得られない恐れがある。
【0023】
本発明で用いる可塑剤含有マイクロカプセルの壁材は、例えば、ゼラチン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ尿素、ポリスルホンアミド、ポリスルホネート、ポリウレアなどである。また、カプセル生成手段においては、従来から慣用されている方法、例えば、インサイチュ法、界面重合法、コアセルベーション法、あるいは、オリフィス法も用いることができる。例えば、可塑剤を芯物質とし、酸触媒および乳化・分散剤的機能を有するスチレン無水マレイン酸共重合体の部分加水分解物と、ポリマーを形成する反応成分としてメラミンまたは尿素とホルマリン、あるいは、これらの初期重縮合物を用い、インサイチュ法によってメラミンまたは尿素−ホルマリン樹脂をカプセル壁材として形成し、マイクロカプセルを水系に分散生成させたマイクロカプセルの水系分散液を用いることができる。
【0024】
本発明で用いる可塑剤含有マイクロカプセルを配合したバインダは、前記バインダに可塑剤含有マイクロカプセルを公知の方法で配合して作成されるが、必要に応じて各種安定剤、分散剤、湿潤剤、消泡剤などを配合することができる。
【0025】
本発明で用いる接着剤や可塑剤含有マイクロカプセルを配合したバインダは、手塗り、ハケ塗り、スプレー法などで塗布することもできるが、グラビアコーター、フレキソ、エアナイフコーター、バーコーターなどの塗工手段により塗工し、必要に応じて乾燥して接着剤層や接着性付与層を形成することができる。またシート基材面への塗工量は、特に限定されないが、例えば0.5〜30g/m2、好ましくは3〜20g/m2 、さらに好ましくは5〜15g/m2 とする。
【0026】
本発明で用いるシート基材の素材としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの無機または有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙(例えば、上質紙、中質紙、合成紙、各種再生紙、アート紙、コート紙、ミラーコート紙、コンデンサー紙、パラフィン紙、その他の紙の他に、それにオーバーコート層(保護層)をもつ用紙など)、シート状物あるいはこれらを組み合わせたもの、あるいはこれらに樹脂ワニスを含浸させて成形した複合物、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂などのプラスチック、あるいはこれらにコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理およびオゾン処理などの表面処理を施したもの、などの公知のものから選択して用いることができる。
【0027】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に詳しく述べるが、この発明の主旨と範囲に反することなしに、広範に異なる実施態様を構成することができることは明白なので、この発明は前記の特許請求の範囲において限定した以外は、これらの特定の実施態様に制約されるものではない。
(実施例1)
<可塑剤含有マイクロカプセル分散液Aの調製>
スチレン無水マレイン酸共重合体(商品名:Scripset−520/モンサント社)を少量の水酸化ナトリウムと共に溶解し、これを5質量%、pH4.6に調製した水溶液200質量部中に、ジ−2−エチルヘキシルアジペート(DOA)200質量部を乳化・分散させて平均粒径4.5μmの乳化物を得た。次に、この乳化物にメラミン−ホルマリン初期重縮合物(商品名:SumirezResin513/住友化学)60質量部を加え、系の温度を75℃にて2時間攪拌し、可塑剤含有マイクロカプセル分散液Aを得た。
【0028】
<可塑剤含有マイクロカプセル分散液Bの調製>
部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA−224/クラレ社)を3質量%濃度に溶解した水溶液210質量部中に、ジブチルフタレート(DBP)96.3質量部中にテレフタル酸クロライド(TPC)10.7質量部溶解を溶解させた可塑剤液を乳化・分散させて平均粒径5.0μmの乳化物を得た。次に、この乳化物に蒸留水32.1質量部にソーダ灰5.1質量部とジエチレントリアミン(DETA)5.2質量部を溶解した液を加え、25℃にて20時間攪拌し、可塑剤含有マイクロカプセル分散液Bを得た。
【0029】
<アクリル変成感圧接着剤の作成>
天然ゴム(NR)エマルジョン100質量部(固形分)にスチレンモノマ10質量部とメタクリル酸メチル(MMA)25重量部とを混合し、公知の方法によりグラフト共重合を行うことにより、スチレン・MMAグラフト共重合天然ゴムエマルジョン型感圧接着剤を得た。
【0030】
(スチレン・MMAグラフト共重合天然ゴムエマルジョン型感圧接着剤塗工紙の調製)
上記スチレン・MMAグラフト共重合天然ゴムエマルジョン型感圧接着剤100質量部(固形分)に対し、シリカ微粒子<商品名:Mizukasil P−526(水澤化学社製)>を予めイオン交換水中に固形分10質量%に分散してある分散液50質量部(シリカ固形分5質量部)を混合した。次に平均粒子径15μmの市販のスターチを予めイオン交換水中に固形分50質量%に分散してある分散液15質量部(スターチ固形分7.5質量部)を混合攪拌した。更に表面調整剤<商品名:ノプコウエット50(サンノプコ社製)1.0質量部を添加し攪拌する。次にこの接着剤液の粘度が500±100mPa・s(20℃)になるように適量の粘度調整剤<商品名:SNシックナー926(サンノプコ社製)>を加え、発泡しないように攪拌を行い、接着剤塗工液を得た。
そしてこの接着剤塗工液を上質紙<商品名:Npi上質紙90kg(日本製紙社製)>上に、ワイヤバーを使用して7g/m2 になるように塗工し、スチレン・MMAグラフト共重合天然ゴムエマルジョン型感圧接着剤塗工紙(テスト用紙)を得た。
【0031】
次いで、上記の可塑剤含有マイクロカプセル分散液A100質量部(固形分)に対し、マイクロカプセル保護剤として平均粒子径15μmの市販のスターチを予めイオン交換水中に固形分50質量%に分散してある分散液15質量部(スターチ固形分7.5質量部)を混合攪拌した。これに完全鹸化ポリビニルアルコール(PVA)<商品名:PVA−117(クラレ社製)>を、予めイオン交換水中に固形分10質量%に分散してある水溶液85質量部(PVA固形分8.5質量部)とレベリング剤<商品名:ノプコ38−C(サンノプコ社製)1.0質量部を添加し攪拌する。次にこの液の粘度が500±100mPa・s(20℃)になるように適量の粘度調整剤<商品名:SNシックナー926(サンノプコ社製)>を加え、発泡しないように攪拌を行い、可塑剤含有マイクロカプセル塗工液を得た。
このマイクロカプセル塗工液を前記スチレン・MMAグラフト共重合天然ゴムエマルジョン型感圧接着剤塗工紙(テスト用紙)の塗工面上に、ワイヤバーを使用して6g/m2 になるように塗工した。
この塗工紙を、コピーマシンを想定して、加熱ローラとシリコンオイルが塗られたフューザーローラーを通し、可塑剤含有マイクロカプセル塗工面にシリコンオイルを付着させた。
得られたテスト用紙を用いて、次に記載する方法で接着力および耐ブロッキング性の評価を行った。
【0032】
(1)接着力:テスト用紙の塗工面と何もコートされていない上質紙面を重ね合わせ、二枚のアルミ板に挟み込んだ状態で、0.8MPaの圧力で1秒間加圧する。加圧後、23℃/50%RHの雰囲気中に2時間放置する。2時間放置後、巾25mmの短冊状カットT型剥離にて接着力(剥離強度)を測定する。なお、紙層間剥離の場合には、紙破れと判断する。剥離強度の測定には、島津製作所社製の引張試験機オートグラフAGS50型(商品名)を使用した。
【0033】
(2)耐ブロッキング性:テスト用紙の塗工面と何もコートされていない上質紙面を重ね合わせ、二枚のアルミ板に挟み込んだ状態で、0.1MPaの圧力で30分間加圧する。加圧後アルミ板に挟まれた状態のまま40℃/の雰囲気中に3時間放置する。3時間放置後、巾25mmの短冊状カットT型剥離にて接着力(剥離強度)を測定する。その剥離強度(N/m)が、1.96以下のものを◎(非常に良好)、1.96〜4.9の範囲のものを○(良好)、4.9〜9.8の範囲のものを△(使用可)、9.8以上のものを×(使用不可)とした。剥離強度の測定には、島津製作所社製の引張試験機オートグラフAGS50型(商品名)を使用した。
評価の結果、接着力は大きく、紙層間で破壊が生じた。耐ブロッキング性は◎であった。
【0034】
(実施例2)
可塑剤含有マイクロカプセル分散液Bを用いた以外は実施例1と同様にして得られた両テスト用紙の接着力および耐ブロッキング性の評価を行った。
評価の結果、接着力は大きく、紙層間で破壊が生じた。耐ブロッキング性は◎であった。
【0035】
【発明の効果】
本発明の請求項1の感圧接着シートは、シート基材の所定部に乾燥状態では接着性を有さず、可塑剤と接触することにより接着性が発現する接着剤層が形成され、この接着剤層の上に、可塑剤含有マイクロカプセルが配合されたバインダであって前記可塑剤と接触しても接着性が発現しないバインダからなる乾燥状態では接着性を有さない接着性付与層が形成された感圧接着シートであって、被接着体と対接させ所定の圧力を付与することにより接着できるので、例えば前記接着性付与層面を、ガラス、金属、木、セラミックスなどの被接着体や、紙、合成紙、ポリエチレンなどの合成フィルムなどのシート基材を含む各種被接着体面と対接させ所定の圧力を付与することにより、接着性付与層中のマイクロカプセルが破壊されて、芯物質の可塑剤が接着剤層に作用して接着力が発現し、接着でき、しかもこの接着は、接着剤の種類、微細粒子などの各種成分の配合および配合割合、加圧などの程度により、永久接着性あるいは再剥離接着性を具現できるという顕著な効果を奏する。
また、プリンタなどの搬送時にガイドロールへの接着剤やバインダの付着や、接着性付与層とシート基材間のブロッキングの発生などの問題がなく、そして各種プリント用フォームなどに形成した接着性付与層面に、プリントしたり、あるいは複写したりする際に例えシリコンなどが付着しても、良好な接着が得られる。
【0036】
本発明の請求項2の感圧接着シートは、請求項1記載の感圧接着シートにおいて、前記接着剤層および/または接着性付与層に微細粒子が配合されているので、微細粒子を適宜配合することにより、耐ブロッキング性をさらに付与するとともに、永久接着性を付与したり、あるいは微細粒子を適宜配合することにより、再剥離接着性を付与したりすることができるというさらなる顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感圧接着シートの一実施の形態を示す説明図である。
【図2】本発明の感圧接着シートの他の実施の形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1、1A 感圧接着シート
2 シート基材
3 接着剤層
4 可塑剤含有マイクロカプセル
5 接着性付与層
6 折り目

Claims (2)

  1. シート基材の所定部に乾燥状態では接着性を有さず、可塑剤と接触することにより接着性が発現する接着剤層が形成され、この接着剤層の上に、可塑剤含有マイクロカプセルが配合されたバインダであって前記可塑剤と接触しても接着性が発現しないバインダからなる乾燥状態では接着性を有さない接着性付与層が形成された感圧接着シートであって、被接着体と対接させ所定の圧力を付与することにより接着できることを特徴とする感圧接着シート。
  2. 前記接着剤層および/または接着性付与層に微細粒子が配合されていることを特徴とする請求項1記載の感圧接着シート。
JP2002249161A 2002-08-28 2002-08-28 感圧接着シート Expired - Fee Related JP4243936B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002249161A JP4243936B2 (ja) 2002-08-28 2002-08-28 感圧接着シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002249161A JP4243936B2 (ja) 2002-08-28 2002-08-28 感圧接着シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004083803A JP2004083803A (ja) 2004-03-18
JP4243936B2 true JP4243936B2 (ja) 2009-03-25

Family

ID=32056356

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002249161A Expired - Fee Related JP4243936B2 (ja) 2002-08-28 2002-08-28 感圧接着シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4243936B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102229122B1 (ko) * 2020-09-10 2021-03-16 배경성 주요 사진 부각 기능을 구비한 기능성 앨범
CN112322253B (zh) * 2020-11-11 2022-09-16 南京清尚新材料科技有限公司 低表面粘性的压敏胶黏剂及其和功能胶带的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004083803A (ja) 2004-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5586797B2 (ja) ライナーなしラベルとともに使用するための流体活性化可能な接着剤および同接着剤を活性化するための流体
CA2321451A1 (en) Coated plastic substrates having wet-scratch resistance
CN111971176B (zh) 无衬层水活化的水基乳液
JP4243935B2 (ja) 接着シート
JP4243936B2 (ja) 感圧接着シート
JP4017532B2 (ja) インクジェット記録用圧着葉書用紙
JPH1159092A (ja) 転写シート及びそれを用いた画像形成方法
JPH10130603A (ja) 感圧接着剤組成物及びそれを用いた情報担持用シート
JP2004059804A (ja) 可塑剤マイクロカプセル含有感圧性接着剤およびこれを用いたシート
JP4142359B2 (ja) 感圧接着剤組成物および情報担持用シート
JPH1148651A (ja) インクジェット記録用情報担持用シート
JP2001335761A (ja) 耐水性に優れた感圧接着剤組成物およびそれを用いた情報担持用シート
JPH1178223A (ja) 印刷用シート
JP2001262097A (ja) インクジェットインクの定着性に優れた感圧接着剤組成物およびそれを用いた情報担持用シート
JPH09109546A (ja) 記録用シート
JP2001240833A (ja) 感圧接着剤組成物およびそれを用いた情報担持用シート
JPH09263743A (ja) 感圧接着剤組成物及びこれを利用した記録用シート
JP2001262105A (ja) インクジェットインクの定着性に優れた感圧接着剤組成物およびそれを用いた情報担持用シート
JPH10187043A (ja) インクジェット用接着シート及びラベル
JP4526232B2 (ja) 液体トナー受容性に優れた感圧接着剤組成物およびそれを用いた情報担持用シート
JP2002264240A (ja) 積層シート
JPH1178220A (ja) 記録体用組成物および記録体
JPH1148650A (ja) インクジェット記録用情報担持用シート
JP2002351335A (ja) グリコール系疎水性物質含有層を有する再剥離性情報担持用シート
JP2000103195A (ja) 転写シ―ト、画像形成転写シ―ト及びそれを用いた転写画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050805

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081216

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081224

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130116

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140116

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees