JPH1178220A - 記録体用組成物および記録体 - Google Patents
記録体用組成物および記録体Info
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- JPH1178220A JPH1178220A JP9255917A JP25591797A JPH1178220A JP H1178220 A JPH1178220 A JP H1178220A JP 9255917 A JP9255917 A JP 9255917A JP 25591797 A JP25591797 A JP 25591797A JP H1178220 A JPH1178220 A JP H1178220A
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- Japan
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- weight
- polyvinyl alcohol
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- ink
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 インクの乾燥性、画像性、および耐水性に優
れたインクジェット記録用記録体を得る。 【解決手段】 ケン化度20〜45モル%のポリビニル
アルコールに高分子量のポリビニルピロリドン、カチオ
ン性物質、ジルコニウム化合物を配合した記録体用組成
物を用いて、基材表面にインク受容層を形成したインク
ジェット記録用記録体。
れたインクジェット記録用記録体を得る。 【解決手段】 ケン化度20〜45モル%のポリビニル
アルコールに高分子量のポリビニルピロリドン、カチオ
ン性物質、ジルコニウム化合物を配合した記録体用組成
物を用いて、基材表面にインク受容層を形成したインク
ジェット記録用記録体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水溶性インクを
使用するインクジェット記録用記録体に用いる組成物お
よびこの組成物を用いて基材表面にインク受容層を形成
した記録体に関し、特に透明性を必要とされるオーバー
ヘッドプロジェクター(以下、これをOHPという)用
および製図用記録体、広告用のバックプリント用記録
体、並びに耐水性をも必要とする塩化ビニルや布帛ある
いは金属板や金属箔を基材とする広告板用、ネームプレ
ート用に適した組成物とそれを用いた記録体に関するも
のである。
使用するインクジェット記録用記録体に用いる組成物お
よびこの組成物を用いて基材表面にインク受容層を形成
した記録体に関し、特に透明性を必要とされるオーバー
ヘッドプロジェクター(以下、これをOHPという)用
および製図用記録体、広告用のバックプリント用記録
体、並びに耐水性をも必要とする塩化ビニルや布帛ある
いは金属板や金属箔を基材とする広告板用、ネームプレ
ート用に適した組成物とそれを用いた記録体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、フルカラー
化が容易で画像の大型化が可能であり、記録パターンの
融通性も大きく、しかも印字騒音が低い等種々の特徴を
有していることから、近年各種の図形やカラー画像のハ
ードコピーに広く用いられている。
化が容易で画像の大型化が可能であり、記録パターンの
融通性も大きく、しかも印字騒音が低い等種々の特徴を
有していることから、近年各種の図形やカラー画像のハ
ードコピーに広く用いられている。
【0003】このインクジェット記録方式では、安全
性、記録適性等の観点から染料または顔料を含有する水
性インクが用いられている。インク液滴はノズルから高
速で噴出され、記録シート上で画像を形成するのである
が、この時、インク中の水分は記録シートに吸収された
後に蒸発する。
性、記録適性等の観点から染料または顔料を含有する水
性インクが用いられている。インク液滴はノズルから高
速で噴出され、記録シート上で画像を形成するのである
が、この時、インク中の水分は記録シートに吸収された
後に蒸発する。
【0004】しかしながら、基材として用いられる材料
のうち、プラスチックシートや、金属の板、箔の表面は
水分を吸収する性質を有していないので、そのままイン
クジェット記録用の基材として用いることは不可能であ
る。
のうち、プラスチックシートや、金属の板、箔の表面は
水分を吸収する性質を有していないので、そのままイン
クジェット記録用の基材として用いることは不可能であ
る。
【0005】そこで、これらの材料を基材として用いる
場合には、水分吸収性を有する水溶性樹脂等を基材の表
面にインク受容層として形成させた種々の記録シートが
提案されている。例えば、プラスチック基材上に水溶性
樹脂であるポリビニルピロリドンやポリビニルアルコー
ルからなるインク受容層を形成した記録シート(特開昭
60−132785号公報、特開昭60−145879
公報、特開昭60−220750公報、特開昭63−1
15779公報)、基材上に多孔質擬ベーマイト層を形
成してインクの吸収性を大きくした記録シート(特開平
4−263982号公報、特開平6−270530号公
報)、インクの乾燥性、吸着力を高めるために水溶性高
分子に多孔質充填剤を含有してインク受容層としたもの
(特開平6−239016号公報)などである。
場合には、水分吸収性を有する水溶性樹脂等を基材の表
面にインク受容層として形成させた種々の記録シートが
提案されている。例えば、プラスチック基材上に水溶性
樹脂であるポリビニルピロリドンやポリビニルアルコー
ルからなるインク受容層を形成した記録シート(特開昭
60−132785号公報、特開昭60−145879
公報、特開昭60−220750公報、特開昭63−1
15779公報)、基材上に多孔質擬ベーマイト層を形
成してインクの吸収性を大きくした記録シート(特開平
4−263982号公報、特開平6−270530号公
報)、インクの乾燥性、吸着力を高めるために水溶性高
分子に多孔質充填剤を含有してインク受容層としたもの
(特開平6−239016号公報)などである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記に
提案された記録シートは、何れも未だインクジェット用
記録シートとして満足できるものとはいえない。即ち、
水溶性高分子を用いる場合には、得られるシートの表面
層であるインク受容層の耐水性が不足したり、架橋剤を
用いて耐水性を向上させると、インクの吸収性が低下し
たりして両者のバランスを取ることが難しい。
提案された記録シートは、何れも未だインクジェット用
記録シートとして満足できるものとはいえない。即ち、
水溶性高分子を用いる場合には、得られるシートの表面
層であるインク受容層の耐水性が不足したり、架橋剤を
用いて耐水性を向上させると、インクの吸収性が低下し
たりして両者のバランスを取ることが難しい。
【0007】また、水溶性高分子を用いた場合には、イ
ンク中の水分との親和性が良いために、表面の記録層
(インク受容層)上にインクが噴射された時に、インク
が厚み方向に水分が吸収されるよりも平面方向に早く拡
がりやすく、印字のドット間で互いに混合して画像の滲
みの原因となる。さらに、水分の吸収性をよくするため
に微小な無機充填剤を用いることも行われているが、そ
れのみでは充分な結果が得られない。
ンク中の水分との親和性が良いために、表面の記録層
(インク受容層)上にインクが噴射された時に、インク
が厚み方向に水分が吸収されるよりも平面方向に早く拡
がりやすく、印字のドット間で互いに混合して画像の滲
みの原因となる。さらに、水分の吸収性をよくするため
に微小な無機充填剤を用いることも行われているが、そ
れのみでは充分な結果が得られない。
【0008】この発明は、上記した従来の記録シートに
おける課題を解決すべく検討の結果なされたもので、特
にインクの水分吸収性を保ちながら、耐水性も充分で鮮
明な印字を得ることのできる記録体用組成物と、この組
成物をインク受容層として基材上に形成した記録体を提
供することを目的とするものである。
おける課題を解決すべく検討の結果なされたもので、特
にインクの水分吸収性を保ちながら、耐水性も充分で鮮
明な印字を得ることのできる記録体用組成物と、この組
成物をインク受容層として基材上に形成した記録体を提
供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明のうち請求項1
記載の発明は、ケン化度20〜45モル%のポリビニル
アルコール100重量部に対して分子量10,000〜
400,000のポリビニルピロリドン5〜200重量
部を混合した混合液にカチオン性物質およびジルコニウ
ム化合物を添加した記録体用組成物を特徴とするもので
ある。
記載の発明は、ケン化度20〜45モル%のポリビニル
アルコール100重量部に対して分子量10,000〜
400,000のポリビニルピロリドン5〜200重量
部を混合した混合液にカチオン性物質およびジルコニウ
ム化合物を添加した記録体用組成物を特徴とするもので
ある。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、カチオン性物質がカチオン性界面活性剤またはカチ
オン性高分子物質であり、ポリビニルアルコール100
重量部に対して0.1〜100重量部用いることを特徴
とし、請求項3に記載の発明は、請求項1において、ジ
ルコニウム化合物が塩基性塩化ジルコニウムまたは酢酸
ジルコニウムであり、ポリビニルアルコール100重量
部に対して0.1〜50重量部用いることを特徴とする
ものである。
て、カチオン性物質がカチオン性界面活性剤またはカチ
オン性高分子物質であり、ポリビニルアルコール100
重量部に対して0.1〜100重量部用いることを特徴
とし、請求項3に記載の発明は、請求項1において、ジ
ルコニウム化合物が塩基性塩化ジルコニウムまたは酢酸
ジルコニウムであり、ポリビニルアルコール100重量
部に対して0.1〜50重量部用いることを特徴とする
ものである。
【0011】また、請求項4記載の発明は、ケン化度2
0〜45モル%のポリビニルアルコール100重量部に
対して分子量10,000〜400,000のポリビニ
ルピロリドン5〜200重量部を混合した混合液にカチ
オン性物質およびジルコニウム化合物を添加して得た組
成物からなる皮膜をインク受容層として基材表面に形成
した記録体を特徴とするものである。
0〜45モル%のポリビニルアルコール100重量部に
対して分子量10,000〜400,000のポリビニ
ルピロリドン5〜200重量部を混合した混合液にカチ
オン性物質およびジルコニウム化合物を添加して得た組
成物からなる皮膜をインク受容層として基材表面に形成
した記録体を特徴とするものである。
【0012】さらに、請求項4において、インク受容層
を表面に形成する基材がプラスチックのフィルム状物ま
たは板状物であることを請求項5とし、インク受容層を
表面に形成する基材が金属の板状物または箔であること
を請求項6とし、インク受容層を表面に形成する基材が
布帛であることを請求項7とするものである。
を表面に形成する基材がプラスチックのフィルム状物ま
たは板状物であることを請求項5とし、インク受容層を
表面に形成する基材が金属の板状物または箔であること
を請求項6とし、インク受容層を表面に形成する基材が
布帛であることを請求項7とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明を詳細に説明す
る。この発明において組成物を構成する主材として用い
るケン化度20〜45モル%のポリビニルアルコールと
は、ポリビニルアルコールポリマー中の全酢酸ビニル基
のうち、ケン化された酢酸ビニル基の割合をモル%で示
した時に20〜45%のものである。
る。この発明において組成物を構成する主材として用い
るケン化度20〜45モル%のポリビニルアルコールと
は、ポリビニルアルコールポリマー中の全酢酸ビニル基
のうち、ケン化された酢酸ビニル基の割合をモル%で示
した時に20〜45%のものである。
【0014】この発明で、ケン化度が20〜45モル%
と小さいポリビニルアルコールを用いるのは、次のよう
な理由のためである。即ち、従来はケン化度が70〜9
0モル%と大きいポリビニルアルコールが親水性があ
り、水溶性のインクを吸収するのに優れている、とされ
ている。しかしながら、親水性の大きいポリビニルアル
コールは、それ自体が水に可溶性であるために、耐水性
が十分ではない。耐水性を付与するために、架橋剤を用
いる方法も提案されているが、ケン化度の高いポリビニ
ルアルコールを架橋剤を用いて、しかも加熱乾燥する
と、架橋とともに分子内に結晶化する部分が生じて吸水
性が低下する。
と小さいポリビニルアルコールを用いるのは、次のよう
な理由のためである。即ち、従来はケン化度が70〜9
0モル%と大きいポリビニルアルコールが親水性があ
り、水溶性のインクを吸収するのに優れている、とされ
ている。しかしながら、親水性の大きいポリビニルアル
コールは、それ自体が水に可溶性であるために、耐水性
が十分ではない。耐水性を付与するために、架橋剤を用
いる方法も提案されているが、ケン化度の高いポリビニ
ルアルコールを架橋剤を用いて、しかも加熱乾燥する
と、架橋とともに分子内に結晶化する部分が生じて吸水
性が低下する。
【0015】さらに、架橋により耐水化しても、ポリビ
ニルアルコールの塗膜は水中に浸漬すると、膨潤して寸
法変化が生じる。
ニルアルコールの塗膜は水中に浸漬すると、膨潤して寸
法変化が生じる。
【0016】この発明で用いるケン化度の小さいポリビ
ニルアルコールは、それ自体が水に対して溶解しないた
めに耐水性がよく、さらにケン化度が小さいことから分
子中に多くのカルボニル基を有するために、架橋剤と反
応して架橋結合を作りやすく、一層耐水性がよくなるの
である。また、架橋した塗膜は水中に浸漬しても膨潤し
ない。また、分子中に水酸基をも有しているために親水
性も有しており、インクとのなじみも良好である。この
ようなケン化度の小さいポリビニルアルコールにおい
て、この発明ではその重合度については特に限定するも
のではなく、通常のものを用いればよい。
ニルアルコールは、それ自体が水に対して溶解しないた
めに耐水性がよく、さらにケン化度が小さいことから分
子中に多くのカルボニル基を有するために、架橋剤と反
応して架橋結合を作りやすく、一層耐水性がよくなるの
である。また、架橋した塗膜は水中に浸漬しても膨潤し
ない。また、分子中に水酸基をも有しているために親水
性も有しており、インクとのなじみも良好である。この
ようなケン化度の小さいポリビニルアルコールにおい
て、この発明ではその重合度については特に限定するも
のではなく、通常のものを用いればよい。
【0017】ポリビニルピロリドンは、得られる組成物
をインク受容層とした時に、吸水性を与える目的で用い
るが、その分子量としては10,000〜400,00
0のものが好ましい。特にインク受容層として皮膜の透
明性を要する場合には、主材料であるポリビニルアルコ
ールとの相溶性がよく、且つ吸水性をも保持させるため
に、40,000〜160,000の分子量のものが望
ましい。その場合の両者の使用量としては、ポリビニル
アルコール100重量部に対してポリビニルピロリドン
5〜200重量部が適当である。
をインク受容層とした時に、吸水性を与える目的で用い
るが、その分子量としては10,000〜400,00
0のものが好ましい。特にインク受容層として皮膜の透
明性を要する場合には、主材料であるポリビニルアルコ
ールとの相溶性がよく、且つ吸水性をも保持させるため
に、40,000〜160,000の分子量のものが望
ましい。その場合の両者の使用量としては、ポリビニル
アルコール100重量部に対してポリビニルピロリドン
5〜200重量部が適当である。
【0018】記録体の基材として金属の板状体や箔ある
いは布帛、さらには透明性に乏しいプラスチックシート
を用いることからインク受容層としても透明性に乏しい
皮膜でもよい場合には、上記の範囲内でポリビニルピロ
リドンの比率を大きくすることも可能である。何れにし
ても200重量部以上の使用は耐水性を低下させること
になって好ましくない。また、5重量部以下ではインク
の吸収性が低下する。さらに、分子量が40,000以
下ではインク受容層としての皮膜中のポリビニルピロリ
ドンが溶け出しやすくなって耐水性が不十分となる場合
がある。
いは布帛、さらには透明性に乏しいプラスチックシート
を用いることからインク受容層としても透明性に乏しい
皮膜でもよい場合には、上記の範囲内でポリビニルピロ
リドンの比率を大きくすることも可能である。何れにし
ても200重量部以上の使用は耐水性を低下させること
になって好ましくない。また、5重量部以下ではインク
の吸収性が低下する。さらに、分子量が40,000以
下ではインク受容層としての皮膜中のポリビニルピロリ
ドンが溶け出しやすくなって耐水性が不十分となる場合
がある。
【0019】この発明でカチオン性物質は、インク中の
染料分子のアニオン性基と結合して水に不溶性の塩を作
ることを目的として用いるのである。そのようなカチオ
ン性物質としては、カチオン系界面活性剤や分子内にカ
チオン基を有する水溶性高分子物質があり、これらは単
独で又は併用して用いられる。
染料分子のアニオン性基と結合して水に不溶性の塩を作
ることを目的として用いるのである。そのようなカチオ
ン性物質としては、カチオン系界面活性剤や分子内にカ
チオン基を有する水溶性高分子物質があり、これらは単
独で又は併用して用いられる。
【0020】カチオン系界面活性剤としては、脂肪族ア
ミン塩のほか、第4級アンモニウム塩であるアルキルト
リメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニ
ウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム
塩、イミダゾリニウム塩や、ポリオキシエチレンアルキ
ルアミン塩等が使用できる。
ミン塩のほか、第4級アンモニウム塩であるアルキルト
リメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニ
ウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム
塩、イミダゾリニウム塩や、ポリオキシエチレンアルキ
ルアミン塩等が使用できる。
【0021】分子内にカチオン基を有する水溶性高分子
物質としては、変性して分子内にアミノ基またはアンモ
ニウム塩基を導入したポリビニルアルコール、でんぷ
ん、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポ
リアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどがあり、
これらカチオン性物質はポリビニルアルコール100重
量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは0.4
〜20重量部の使用が適当である。この使用量が0.1
部より少ない場合は、耐水性の効果が少なくて印字した
後に水中に浸漬すると、インクの流出が生じる。また、
100部以上の使用は経済的見地から好ましくない。
物質としては、変性して分子内にアミノ基またはアンモ
ニウム塩基を導入したポリビニルアルコール、でんぷ
ん、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポ
リアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどがあり、
これらカチオン性物質はポリビニルアルコール100重
量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは0.4
〜20重量部の使用が適当である。この使用量が0.1
部より少ない場合は、耐水性の効果が少なくて印字した
後に水中に浸漬すると、インクの流出が生じる。また、
100部以上の使用は経済的見地から好ましくない。
【0022】ジルコニウム化合物は、ケン化度の低いポ
リビニルアルコール分子中に存在するカルボニル基と架
橋結合させてインク受容層として得られる皮膜の耐水性
や強度を向上させる目的で架橋剤として用いるものであ
り、酢酸ジルコニウム、塩基性塩化ジルコニウムなどが
ポリビニルアルコール100重量部に対して0.1〜5
0重量部、好ましくは2〜30重量部用いられる。この
量が0.1部以下では架橋効果が低くて皮膜の耐水性が
十分でなく、水中に浸漬した場合に皮膜が白濁したり、
剥離するおそれがある。また、50部以上の使用は経済
的見地から好ましくない。
リビニルアルコール分子中に存在するカルボニル基と架
橋結合させてインク受容層として得られる皮膜の耐水性
や強度を向上させる目的で架橋剤として用いるものであ
り、酢酸ジルコニウム、塩基性塩化ジルコニウムなどが
ポリビニルアルコール100重量部に対して0.1〜5
0重量部、好ましくは2〜30重量部用いられる。この
量が0.1部以下では架橋効果が低くて皮膜の耐水性が
十分でなく、水中に浸漬した場合に皮膜が白濁したり、
剥離するおそれがある。また、50部以上の使用は経済
的見地から好ましくない。
【0023】この発明において、基材としては、透明も
しくは不透明な熱可塑性樹脂フィルム、セルロース誘導
体フィルムまたはそれらの延伸フィルムや金属板、金属
箔、布帛のほか、上記熱可塑性樹脂の板材を用いること
もできる。
しくは不透明な熱可塑性樹脂フィルム、セルロース誘導
体フィルムまたはそれらの延伸フィルムや金属板、金属
箔、布帛のほか、上記熱可塑性樹脂の板材を用いること
もできる。
【0024】熱可塑性樹脂のフィルムまたは板材として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリカーボネート等の樹脂フィルムまたは板材等が
あり、これらは該表面とインク受容層との接着を改善す
るために、該表面上に下塗り層を施したものであっても
よく、また、該表面にコロナ放電等の前処理を施したフ
ィルムや板材を用いてもよい。
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリカーボネート等の樹脂フィルムまたは板材等が
あり、これらは該表面とインク受容層との接着を改善す
るために、該表面上に下塗り層を施したものであっても
よく、また、該表面にコロナ放電等の前処理を施したフ
ィルムや板材を用いてもよい。
【0025】特に、OHP用のフィルムとしては、透明
性のよいポリエチレンテレフタレートやポリメチルメタ
クリレートフィルムで厚みが20〜200μmのものが
好ましい。また、金属板または金属箔としては、鉄、
銅、アルミニウム、ステンレス製の板状物あるいは箔も
しくはそれらの成形物を用いることができる。
性のよいポリエチレンテレフタレートやポリメチルメタ
クリレートフィルムで厚みが20〜200μmのものが
好ましい。また、金属板または金属箔としては、鉄、
銅、アルミニウム、ステンレス製の板状物あるいは箔も
しくはそれらの成形物を用いることができる。
【0026】特に、この発明で得られる組成物は、金属
表面への密着性がよいので金属板または金属箔そのもの
の表面に塗布して用いることができるが、これらの表面
に下地塗料を施した上に用いてもよい。
表面への密着性がよいので金属板または金属箔そのもの
の表面に塗布して用いることができるが、これらの表面
に下地塗料を施した上に用いてもよい。
【0027】この発明の組成物の調製は以下のようにし
て行う。即ち、ケン化度20〜45モル%のポリビニル
アルコールをメタノール等の有機溶剤に溶解し、さらに
分子量10,000〜400,000のポリビニルピロ
リドンを加えて溶解する。有機溶剤としては、メタノー
ルのほかイソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミ
ドが用いられる。この時、ポリビニルアルコールとポリ
ビニルピロリドンの使用量は、ポリビニルアルコール1
00重量部に対してポリビニルピロリドン5〜200重
量部が適当である。そしてこの両者の混合液の濃度は1
0〜50%、好ましくは20〜40%が適当である。
て行う。即ち、ケン化度20〜45モル%のポリビニル
アルコールをメタノール等の有機溶剤に溶解し、さらに
分子量10,000〜400,000のポリビニルピロ
リドンを加えて溶解する。有機溶剤としては、メタノー
ルのほかイソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミ
ドが用いられる。この時、ポリビニルアルコールとポリ
ビニルピロリドンの使用量は、ポリビニルアルコール1
00重量部に対してポリビニルピロリドン5〜200重
量部が適当である。そしてこの両者の混合液の濃度は1
0〜50%、好ましくは20〜40%が適当である。
【0028】次に、上記混合液にカチオン性物質を溶剤
に溶解して、もしくはそのまま加えて混合する。カチオ
ン性物質の添加量はポリビニルアルコール100重量部
に対して0.1〜100重量部、好ましくは0.4〜2
0重量部である。さらに、カチオン性物質を混合した混
合液にジルコニウム化合物を加えることによって組成物
が得られるが、ジルコニウム化合物は量的に多い場合
は、組成物がゲル化の傾向を示すこともあるので、この
組成物を基材上に塗布する直前に加えることが望まし
い。
に溶解して、もしくはそのまま加えて混合する。カチオ
ン性物質の添加量はポリビニルアルコール100重量部
に対して0.1〜100重量部、好ましくは0.4〜2
0重量部である。さらに、カチオン性物質を混合した混
合液にジルコニウム化合物を加えることによって組成物
が得られるが、ジルコニウム化合物は量的に多い場合
は、組成物がゲル化の傾向を示すこともあるので、この
組成物を基材上に塗布する直前に加えることが望まし
い。
【0029】かくして得られた組成物は減圧脱泡したの
ち基材上に塗布してインク受容層を形成する。塗布方法
としては、グラビアコート、グラビアリバースコート、
ロールコート、マイヤーバーコート、ブレードコート、
ナイフコート、エアナイフコート、コンマコート、スロ
ットダイコート、スライドダイコート、ディップコー
ト、刷毛塗りなどの公知の塗布法によればよい。
ち基材上に塗布してインク受容層を形成する。塗布方法
としては、グラビアコート、グラビアリバースコート、
ロールコート、マイヤーバーコート、ブレードコート、
ナイフコート、エアナイフコート、コンマコート、スロ
ットダイコート、スライドダイコート、ディップコー
ト、刷毛塗りなどの公知の塗布法によればよい。
【0030】上記塗布法で形成される皮膜厚みは、乾燥
時に5〜50μm、好ましくは10〜30μmが適当で
ある。この厚みが5μmより薄いと、インクの吸収量が
不十分となり、50μmより厚くなるとコスト高となっ
て好ましくない。
時に5〜50μm、好ましくは10〜30μmが適当で
ある。この厚みが5μmより薄いと、インクの吸収量が
不十分となり、50μmより厚くなるとコスト高となっ
て好ましくない。
【0031】上記の塗布後の乾燥条件は、基材の種類や
用いる組成物中に含有するジルコニウム化合物の量や溶
媒、あるいは所望する皮膜厚みによって適宜決めればよ
いが、80〜120℃で0.5〜5分が適当である。8
0℃より低温では架橋反応が不十分なために皮膜の耐水
性の向上に寄与せず、また120℃以上では得られたイ
ンク受容層が印字時に小さなひび割れを生じる恐れがあ
るほか、シートがカールするなどの不都合も生じるので
好ましくない。
用いる組成物中に含有するジルコニウム化合物の量や溶
媒、あるいは所望する皮膜厚みによって適宜決めればよ
いが、80〜120℃で0.5〜5分が適当である。8
0℃より低温では架橋反応が不十分なために皮膜の耐水
性の向上に寄与せず、また120℃以上では得られたイ
ンク受容層が印字時に小さなひび割れを生じる恐れがあ
るほか、シートがカールするなどの不都合も生じるので
好ましくない。
【0032】このようにして得られた記録シートは、そ
の主材の如何によっては、これを何枚も積層した場合に
ブロッキングを引き起こすことがある。このような恐れ
のある場合には、ブロッキングを防止するために、ポリ
ビニルアルコール100重量部に対して2〜5重量部程
度の無機または有機微粒子を添加するか、ステアリン酸
亜鉛を少量添加すればよい。
の主材の如何によっては、これを何枚も積層した場合に
ブロッキングを引き起こすことがある。このような恐れ
のある場合には、ブロッキングを防止するために、ポリ
ビニルアルコール100重量部に対して2〜5重量部程
度の無機または有機微粒子を添加するか、ステアリン酸
亜鉛を少量添加すればよい。
【0033】また、インク受容層として不透明な皮膜を
得るには、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリド
ンの重量比を変えるか、分子量の大きいポリビニルピロ
リドンを用いればよく、また炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、マイカ、クレー、タ
ルク、シリカ微粉末、コロイダルシリカ、ケイソウ土な
どの無機粒子やポリエチレン、ポリスチレン、アクリ
ル、ウレタン等の有機微粒子などを充填剤として用いれ
ばよい。さらに、記録体の生産性、記録特性、保存安定
性などを高めるために、必要により消泡剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、防黴剤や着色剤などを適宜加えること
も可能である。また、皮膜を形成した記録体が湿度等の
影響で曲がることを防ぐために、ポリエチレンオキサイ
ドポリマーやグリセリン等を加えてもよい。
得るには、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリド
ンの重量比を変えるか、分子量の大きいポリビニルピロ
リドンを用いればよく、また炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、マイカ、クレー、タ
ルク、シリカ微粉末、コロイダルシリカ、ケイソウ土な
どの無機粒子やポリエチレン、ポリスチレン、アクリ
ル、ウレタン等の有機微粒子などを充填剤として用いれ
ばよい。さらに、記録体の生産性、記録特性、保存安定
性などを高めるために、必要により消泡剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、防黴剤や着色剤などを適宜加えること
も可能である。また、皮膜を形成した記録体が湿度等の
影響で曲がることを防ぐために、ポリエチレンオキサイ
ドポリマーやグリセリン等を加えてもよい。
【0034】
【実施例】以下、実施例によりこの発明を詳細に説明す
る。なお、部数は全て重量部である。 実施例1 ケン化度33〜38モル%のポリビニルアルコール(ク
ラレ社製、LM−15)100部とポリビニルピロリド
ン(ドイツ、BASF社製、ルビスコールK−30、分
子量40,000)100部をメチルアルコール150
部とジメチルホルムアミド150部に溶解し、これにカ
チオン性高分子物質としてポリアクリル酸エステルの第
4級アンモニウム塩(第一工業製薬社製、ハイセットC
A)5部、架橋剤として塩基性塩化ジルコニウム(第一
稀元素化学工業社製、ジルコゾールZC−2)10部を
加えて記録体用組成物を調製した。次いで、この組成物
を80μm厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム
(東レ社製)上にバーコーターにて塗布し、120℃で
3分間乾燥して皮膜厚が25μmのインク受容層を有す
る透明な記録シートを得た。
る。なお、部数は全て重量部である。 実施例1 ケン化度33〜38モル%のポリビニルアルコール(ク
ラレ社製、LM−15)100部とポリビニルピロリド
ン(ドイツ、BASF社製、ルビスコールK−30、分
子量40,000)100部をメチルアルコール150
部とジメチルホルムアミド150部に溶解し、これにカ
チオン性高分子物質としてポリアクリル酸エステルの第
4級アンモニウム塩(第一工業製薬社製、ハイセットC
A)5部、架橋剤として塩基性塩化ジルコニウム(第一
稀元素化学工業社製、ジルコゾールZC−2)10部を
加えて記録体用組成物を調製した。次いで、この組成物
を80μm厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム
(東レ社製)上にバーコーターにて塗布し、120℃で
3分間乾燥して皮膜厚が25μmのインク受容層を有す
る透明な記録シートを得た。
【0035】上記で得た記録シートにインクジェットプ
リンター(キャノン社製、BCJ−420)を用いてパ
ターンをプリントした。次に、得られた記録画像につい
て、インクの乾燥性、画像性、耐水性および透明性の性
能テストを行った。その結果は表1に示した。
リンター(キャノン社製、BCJ−420)を用いてパ
ターンをプリントした。次に、得られた記録画像につい
て、インクの乾燥性、画像性、耐水性および透明性の性
能テストを行った。その結果は表1に示した。
【0036】なお、各テストの評価は以下のようにして
行った。 *インクの乾燥性:印字後十分以内にその表面を指で触
ってみて、完全に乾燥しているものを○、少しでも指に
べとつき感があるものは×として判定した。 *画像性:ドット間の混合やインクの滲みがなく、色濃
度が高く、鮮明な画質が得られたものを○、多少でも滲
みがみられ、画質の鮮明性に欠けるものを×として判定
した。 *耐水性:記録シートを水中に1分間浸漬して皮膜の膨
潤や水中へのインクのしみだしのないものを○、皮膜の
膨潤や水中へのインクのしみだしが少しでも認められる
ものを×として判定した。 *透明性:透明なプラスチックシートを基材に用いたも
のについて、印字後においても透明性に変化のないもの
を○、やや透明性に欠けるものを△として判定した。
行った。 *インクの乾燥性:印字後十分以内にその表面を指で触
ってみて、完全に乾燥しているものを○、少しでも指に
べとつき感があるものは×として判定した。 *画像性:ドット間の混合やインクの滲みがなく、色濃
度が高く、鮮明な画質が得られたものを○、多少でも滲
みがみられ、画質の鮮明性に欠けるものを×として判定
した。 *耐水性:記録シートを水中に1分間浸漬して皮膜の膨
潤や水中へのインクのしみだしのないものを○、皮膜の
膨潤や水中へのインクのしみだしが少しでも認められる
ものを×として判定した。 *透明性:透明なプラスチックシートを基材に用いたも
のについて、印字後においても透明性に変化のないもの
を○、やや透明性に欠けるものを△として判定した。
【0037】実施例2 実施例1におけるポリビニルピロリドンを分子量36
0,000のポリビニルピロリドン(ドイツ、BASF
社製、ルビスコールK−90)に変え、これをポリビニ
ルアルコール100部に対して50部用いたほかは実施
例1と同様にして記録体用組成物を得、同様にして記録
画像を得た。この画像の性能テスト結果は表1に示し
た。
0,000のポリビニルピロリドン(ドイツ、BASF
社製、ルビスコールK−90)に変え、これをポリビニ
ルアルコール100部に対して50部用いたほかは実施
例1と同様にして記録体用組成物を得、同様にして記録
画像を得た。この画像の性能テスト結果は表1に示し
た。
【0038】実施例3 ケン化度33〜38モル%のポリビニルアルコール(ク
ラレ社製、LM−15)100部とポリビニルピロリド
ン(ドイツ、BASF社製、ルビスコールK−30、分
子量40,000)100部をメチルアルコール150
部とジメチルホルムアミド150部に溶解し、これにカ
チオン性物質としてポリアクリル酸エステルの第4級ア
ンモニウム塩(第一工業製薬社製、ハイセットCA)5
部を加えた後、シリカ微粉末(富士シリシア化学社製、
サイリシア350)15部およびタルク(三木産業社
製、LMS200)150部を加え、ディゾルバーにて
30分間撹拌混合した後に、塩基性塩化ジルコニウム
(第一稀元素化学工業社製、ジルコゾールZC−2)1
0部を加えて記録体用組成物を調製した。次いで、この
組成物を予め塩化ビニル−酢酸ビニル系ポリマー溶液を
下塗りしてある1.5mm厚さの不透明な塩化ビニルシ
ート基材上にバーコーターにて塗布し、80℃で5分間
乾燥して皮膜厚が40μmのインク受容層を有する記録
シートを得た。この記録シートについて実施例1と同様
にして記録画像を作成した。そのテスト結果は表1の通
りであった。
ラレ社製、LM−15)100部とポリビニルピロリド
ン(ドイツ、BASF社製、ルビスコールK−30、分
子量40,000)100部をメチルアルコール150
部とジメチルホルムアミド150部に溶解し、これにカ
チオン性物質としてポリアクリル酸エステルの第4級ア
ンモニウム塩(第一工業製薬社製、ハイセットCA)5
部を加えた後、シリカ微粉末(富士シリシア化学社製、
サイリシア350)15部およびタルク(三木産業社
製、LMS200)150部を加え、ディゾルバーにて
30分間撹拌混合した後に、塩基性塩化ジルコニウム
(第一稀元素化学工業社製、ジルコゾールZC−2)1
0部を加えて記録体用組成物を調製した。次いで、この
組成物を予め塩化ビニル−酢酸ビニル系ポリマー溶液を
下塗りしてある1.5mm厚さの不透明な塩化ビニルシ
ート基材上にバーコーターにて塗布し、80℃で5分間
乾燥して皮膜厚が40μmのインク受容層を有する記録
シートを得た。この記録シートについて実施例1と同様
にして記録画像を作成した。そのテスト結果は表1の通
りであった。
【0039】実施例4 上記実施例3にて得た記録体用組成物を厚さ0.5mm
の市販のアルミニウム箔に塗布し、120℃で3分乾燥
して皮膜厚30μmの記録体を得た。この記録体につい
て実施例1と同様にして記録画像を作成し、テストした
ところ、表1の通りであった。
の市販のアルミニウム箔に塗布し、120℃で3分乾燥
して皮膜厚30μmの記録体を得た。この記録体につい
て実施例1と同様にして記録画像を作成し、テストした
ところ、表1の通りであった。
【0040】実施例5 上記実施例3にて得た記録体用組成物を、目付け量10
0g/m2 の市販布帛に塗布し、100℃で3分乾燥し
て表面にインク受容層としての皮膜を有する記録体を作
成した。この記録体について実施例1と同様にして記録
画像を作成し、テストしたところ、表1の結果を得た。
0g/m2 の市販布帛に塗布し、100℃で3分乾燥し
て表面にインク受容層としての皮膜を有する記録体を作
成した。この記録体について実施例1と同様にして記録
画像を作成し、テストしたところ、表1の結果を得た。
【0041】実施例6 実施例1のカチオン性物質を、カチオン界面活性剤であ
るラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(花王社
製、コータミン24P)10部に変えた以外は実施例1
と同様にして組成物を調製し、さらに記録シートを作成
したのち、その上に記録画像を得た。この記録画像のテ
スト結果は表1に示した。
るラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(花王社
製、コータミン24P)10部に変えた以外は実施例1
と同様にして組成物を調製し、さらに記録シートを作成
したのち、その上に記録画像を得た。この記録画像のテ
スト結果は表1に示した。
【0042】実施例7 実施例1のジルコニウム化合物を酢酸ジルコニウム(第
一稀元素化学工業社製、ジルコゾールZA)25部に変
えた以外は実施例1と同様にして組成物を調製し、さら
に記録シートを作成したのち、その上に記録画像を得
た。この記録画像のテスト結果は表1に示した。
一稀元素化学工業社製、ジルコゾールZA)25部に変
えた以外は実施例1と同様にして組成物を調製し、さら
に記録シートを作成したのち、その上に記録画像を得
た。この記録画像のテスト結果は表1に示した。
【0043】比較例1 実施例1におけるポリビニルピロリドン(ルビスコール
K−30)の使用量を3部と減じた以外は、全て実施例
1と同様にして記録体用組成物を得、また記録画像を作
成し、性能テストを行った。テスト結果は表1に示し
た。
K−30)の使用量を3部と減じた以外は、全て実施例
1と同様にして記録体用組成物を得、また記録画像を作
成し、性能テストを行った。テスト結果は表1に示し
た。
【0044】比較例2 実施例1におけるジルコニウム化合物を用いない以外は
全て実施例1と同様にして記録画像を作成し、そのテス
トを行った。その結果は表1に示した。
全て実施例1と同様にして記録画像を作成し、そのテス
トを行った。その結果は表1に示した。
【0045】比較例3 ケン化度98%のポリビニルアルコール(クラレ社製、
PVA117)80部と分子量360,000のポリビ
ニルピロリドン(ドイツ、BASF社製、ルビスコール
K−90)20部を水900部に溶解し、カチオン性物
質(ハイセットCA)を5部加えた後、ジルコニウム化
合物(ジルコゾールZC−2)10部を混合して組成物
を得た。この組成物を厚さ80μmのポリエチレンテレ
フタレートフィルムにバーコーターによって塗布し、8
0℃で3分間乾燥して厚さ20μmのインク受容層を有
する透明な記録シートを得た。この記録シートに実施例
1と同様にして得た記録画像のテストを行ったところ、
表1の結果を得た。
PVA117)80部と分子量360,000のポリビ
ニルピロリドン(ドイツ、BASF社製、ルビスコール
K−90)20部を水900部に溶解し、カチオン性物
質(ハイセットCA)を5部加えた後、ジルコニウム化
合物(ジルコゾールZC−2)10部を混合して組成物
を得た。この組成物を厚さ80μmのポリエチレンテレ
フタレートフィルムにバーコーターによって塗布し、8
0℃で3分間乾燥して厚さ20μmのインク受容層を有
する透明な記録シートを得た。この記録シートに実施例
1と同様にして得た記録画像のテストを行ったところ、
表1の結果を得た。
【0046】
【表1】
【0047】上記の表から、比較例1の記録シートはイ
ンクジェットによるプリント時にインクの吸収性が悪い
ため、インクの乾燥性、画像性が好ましくなく、比較例
2は架橋剤を用いていないことから、インク受容層とし
ての皮膜は耐水試験において、1分間の水中浸漬で白濁
して不透明となり、指で擦ると皮膜の一部剥離が認めら
れた。また、比較例3はケン化度の大きいポリビニルア
ルコールを主成分としたものであるので、インクの乾燥
性、画像性、透明性は良好であったが、1分間の水中浸
漬で皮膜が膨潤して耐水性が不良であった。
ンクジェットによるプリント時にインクの吸収性が悪い
ため、インクの乾燥性、画像性が好ましくなく、比較例
2は架橋剤を用いていないことから、インク受容層とし
ての皮膜は耐水試験において、1分間の水中浸漬で白濁
して不透明となり、指で擦ると皮膜の一部剥離が認めら
れた。また、比較例3はケン化度の大きいポリビニルア
ルコールを主成分としたものであるので、インクの乾燥
性、画像性、透明性は良好であったが、1分間の水中浸
漬で皮膜が膨潤して耐水性が不良であった。
【0048】これに対して、この発明の組成物を用いた
実施例1〜7においては、実施例2の記録シートが透明
性にやや欠ける結果を示した以外は、インクの乾燥性、
画像性、耐水性、透明性全てについて良好であった。な
お、実施例2〜4は使用した基材が不透明であるので、
透明性テストは対象外とした。
実施例1〜7においては、実施例2の記録シートが透明
性にやや欠ける結果を示した以外は、インクの乾燥性、
画像性、耐水性、透明性全てについて良好であった。な
お、実施例2〜4は使用した基材が不透明であるので、
透明性テストは対象外とした。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように、この発明は20〜4
5モル%の低いケン化度のポリビニルアルコールを主材
料とし、これに高分子量のポリビニルピロリドンとカチ
オン性物質、さらに架橋剤としてジルコニウム化合物を
配合した組成物であり、この組成物を用いてインク受容
層を形成したインクジェット記録用記録体は、水性イン
クを使用するインクジェット記録において、インク乾燥
性、画像性にすぐれ、耐水性が良好で、鮮明な画像を得
ることができるのである。
5モル%の低いケン化度のポリビニルアルコールを主材
料とし、これに高分子量のポリビニルピロリドンとカチ
オン性物質、さらに架橋剤としてジルコニウム化合物を
配合した組成物であり、この組成物を用いてインク受容
層を形成したインクジェット記録用記録体は、水性イン
クを使用するインクジェット記録において、インク乾燥
性、画像性にすぐれ、耐水性が良好で、鮮明な画像を得
ることができるのである。
Claims (7)
- 【請求項1】 ケン化度20〜45モル%のポリビニル
アルコール100重量部に対して分子量10,000〜
400,000のポリビニルピロリドン5〜200重量
部を混合した混合液にカチオン性物質およびジルコニウ
ム化合物を添加したことを特徴とする記録体用組成物。 - 【請求項2】 カチオン性物質がカチオン系界面活性剤
またはカチオン性高分子物質であり、ポリビニルアルコ
ール100重量部に対して0.1〜100重量部用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の記録体用組成物。 - 【請求項3】 ジルコニウム化合物が塩基性塩化ジルコ
ニウムまたは酢酸ジルコニウムであり、ポリビニルアル
コール100重量部に対して0.1〜50重量部用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の記録体用組成物。 - 【請求項4】 ケン化度20〜45モル%のポリビニル
アルコール100重量部に対して分子量10,000〜
400,000のポリビニルピロリドン5〜200重量
部を混合した混合液にカチオン性物質およびジルコニウ
ム化合物を添加して得た組成物からなる皮膜をインク受
容層として基材表面に形成したことを特徴とする記録
体。 - 【請求項5】 インク受容層を表面に形成する基材がプ
ラスチックのフィルム状物または板状物であることを特
徴とする請求項4に記載の記録体。 - 【請求項6】 インク受容層を表面に形成する基材が金
属の板状物または箔であることを特徴とする請求項4に
記載の記録体。 - 【請求項7】 インク受容層を表面に形成する基材が布
帛であることを特徴とする請求項4に記載の記録体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25591797A JP3874503B2 (ja) | 1997-09-03 | 1997-09-03 | 記録体用組成物および記録体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25591797A JP3874503B2 (ja) | 1997-09-03 | 1997-09-03 | 記録体用組成物および記録体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1178220A true JPH1178220A (ja) | 1999-03-23 |
JP3874503B2 JP3874503B2 (ja) | 2007-01-31 |
Family
ID=17285370
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25591797A Expired - Fee Related JP3874503B2 (ja) | 1997-09-03 | 1997-09-03 | 記録体用組成物および記録体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3874503B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003011490A (ja) * | 2001-06-28 | 2003-01-15 | Hokuetsu Paper Mills Ltd | インクジェット用記録シート |
JP2004001469A (ja) * | 2002-04-09 | 2004-01-08 | Fuji Photo Film Co Ltd | インクジェット記録方法 |
US6730746B2 (en) | 2001-04-03 | 2004-05-04 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Curable resin composition |
-
1997
- 1997-09-03 JP JP25591797A patent/JP3874503B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6730746B2 (en) | 2001-04-03 | 2004-05-04 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Curable resin composition |
JP2003011490A (ja) * | 2001-06-28 | 2003-01-15 | Hokuetsu Paper Mills Ltd | インクジェット用記録シート |
JP4566467B2 (ja) * | 2001-06-28 | 2010-10-20 | 北越紀州製紙株式会社 | インクジェット用記録シート |
JP2004001469A (ja) * | 2002-04-09 | 2004-01-08 | Fuji Photo Film Co Ltd | インクジェット記録方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3874503B2 (ja) | 2007-01-31 |
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---|---|---|---|
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