JP2017500853A - 生地の改良 - Google Patents

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Abstract

冷凍生地を改良するための組成物であって、前記組成物の重量を基準にして、(a)1種以上のヒドロキシプロピルメチルセルロース、1種以上のメチルセルロース、及びそれらの混合物からなる群から選択される5重量%〜20重量%の1種以上のセルロース化合物と、(b)0.01重量%〜1重量%のセルラーゼと、(c)5重量%〜30重量%の1種以上のグリセリド乳化剤と、(d)グルコアミラーゼ、α‐アミラーゼ、及びそれらの混合物からなる群から選択される0.1重量%〜2重量%の1種以上の補酵素と、(e)0.1重量%〜0.5重量%の1種以上の抗酸化剤と、(f)5重量%〜20重量%の1種以上の親水コロイド材料と、(g)26.5重量%〜80重量%のグルテンとを含む組成物が提供される。また、生地を改良する方法及び改良された生地組成物も提供される。【選択図】なし

Description

パン等の調理済み穀物製品の調製は、例えば、成分を合わせること、成分を混合して生地を形成すること、生地を混練すること、及び1回以上の発酵段階を経過させること、その後の調理(例えば、焼成または揚げること)を含む多くのステップを必要とする。複雑な処理ステップによってパンの高生産が制限され、手動操作の変動が大きいため、品質を管理することが困難である。冷凍状態の生地を提供することが望ましい。冷凍生地を使用しない場合、新たに調製した調理済みの製品を販売することを望むパン屋は、調理済みの製品を販売する直前に全ての調製ステップを行う必要があり、それには多くの時間と労力が必要であり、その多くは、所望の販売日の前夜のうちに行われなければならない。冷凍生地を使用した場合、パン屋は、新たに調製した調理済みの製品を販売する直前に、生地を解凍し、最後の数個の調製ステップ(最終ホイロ、及び調理等)を行うだけでよい。冷凍生地の使用は、専門の生地担当者を必要とせず、1日のうちいつでも「新鮮かつ標準的な」パンが入手可能となる可能性を高める。場合によっては、工場で冷凍生地を調製し、次いで、1ヶ所以上のパン屋に冷凍状態で配達することができる。
しかしながら、冷凍生地の使用は、以下の問題のうちの1つ以上を引き起こす可能性がある:冷凍時間の経過に伴う生地強度の段階的喪失;解凍後、生地は、より長期の発酵時間を必要とする;生地がCOを保持する能力の低下;最終的な調理済み製品の体積が小さい;または最終的な調理済み製品の食感が悪い場合がある。
国際公開第2001/078514号は、層状の生地及び交互のショートニング層を含む、冷凍のホイロなし積層生地について記載しており、層状の生地は、粉、水結合剤、膨脹剤、脂肪源、及び水を含む。
上述の問題のうちの1つまたは全てを軽減する生地を作製するために、粉及び任意選択的な他の成分に加えることができる組成物を提供することが望ましい。また、そのような改良された生地を提供することも望ましい。
以下は、本発明の記述である。
本発明の第1の態様は、冷凍生地を改良するための組成物であって、前記組成物の重量を基準にして、
(a)1種以上のヒドロキシプロピルメチルセルロース、1種以上のメチルセルロース、及びそれらの混合物からなる群から選択される5重量%〜20重量%の1種以上のセルロース化合物と、
(b)0.01重量%〜1重量%のセルラーゼと、
(c)5重量%〜30重量%の1種以上のグリセリド乳化剤と、
(d)グルコアミラーゼ、α‐アミラーゼ、及びそれらの混合物からなる群から選択される0.1重量%〜2重量%の1種以上の補酵素と、
(e)0.1重量%〜0.5重量%の1種以上の抗酸化剤と、
(f)5重量%〜20重量%の1種以上の親水コロイド材料と、
(g)26.5重量%〜80重量%のグルテンと、を含む組成物である。
本発明の第2の態様は、第1の態様の組成物を粉及び任意選択的な他の成分と混合することによって生地混合物を形成することを含む、改良された生地を作製する方法である。
本発明の第3の態様は、生地組成物であって、
(a)成分(a)〜(g)の総重量を基準にして、1種以上のヒドロキシプロピルメチルセルロース、1種以上のメチルセルロース、及びそれらの混合物からなる群から選択される5重量%〜20重量%の1種以上のセルロース化合物と、
(b)成分(a)〜(g)の総重量を基準にして、0.01重量%〜1重量%のセルラーゼと、
(c)成分(a)〜(g)の総重量を基準にして、5重量%〜30重量%の1種以上のグリセリド乳化剤と、
(d)成分(a)〜(g)の総重量を基準にして、グルコアミラーゼ、α‐アミラーゼ、及びそれらの混合物からなる群から選択される0.1重量%〜2重量%の1種以上の補酵素と、
(e)成分(a)〜(g)の総重量を基準にして、0.1重量%〜0.5重量%の1種以上の抗酸化剤と、
(f)成分(a)〜(g)の総重量を基準にして、5重量%〜20重量%の1種以上の親水コロイド材料と、
(g)成分(a)〜(g)の総重量を基準にして、26.5重量%〜80重量%のグルテンと、
(h)粉と、
(i)酵母と、
(j)糖と、
(k)水と、を含み、
100重量部の前記粉(h)を基準にして重量部で示した成分(a)〜(g)の重量の和は、0.1重量部〜3重量部であり、100重量部の前記生地組成物を基準にして重量部で示した成分(a)及び(f)の重量の和は、0.05重量部〜0.2重量部である、生地組成物である。
以下は、本発明の詳細な説明である。
本明細書で使用される場合、文脈上、明らかに別の指示のない限り、以下の用語は、次の定義を有するものとする。
生地は、比較的少ない量の水と混合された粉から作られる、厚みのある可鍛性のペーストである。粉の重量を基準にした水の量は、100重量%以下である。粉は、1種以上の穀物をひくことによって作製される。
セルロース化合物は、セルロース、及びセルロース主鎖に1つ以上の置換基を加えたセルロースの誘導体である。
セルラーゼは、細菌または他の生物によって生成される酵素の混合物として存在し得る酵素である。「セルラーゼ」という用語は、セルロースの加水分解を触媒することができる酵素と、ヘミセルロースの加水分解を触媒することができる酵素の両方を意味する。
本明細書で使用される場合、グリセリドは、グリセロールのモノエステル、ジエステル、またはトリエステルである。グリセリドは、構造Iを有する。
Figure 2017500853
、R、及びRの各々は、独立して、水素または有機基のいずれかである。R、R、及びRのうちの1つ以上は、カルボン酸の残基である。カルボン酸の残基は、構造−C(O)−Rを有し、式中、−Rは有機基であり、カルボニル炭素が−Rの炭素原子に付着している。脂肪酸は、構造HOC(O)−Rを有し、式中、−Rは、6個以上の炭素原子を含有する脂肪族基であり、カルボニル炭素は、−Rの炭素原子に付着している。脂肪酸の残基は、構造−C(O)−Rを有する。グリセリド乳化剤は、R、R、及びRのうちの1つが脂肪酸の残基であるグリセリドである。R、R、及びRのうちの1つ、2つ、または3つが、それぞれ脂肪酸の残基である場合、グリセリド乳化剤は、本明細書においてモノグリセリド、ジグリセリド、またはトリグリセリドと称される。
グルコアミラーゼ(glycoamylase)は、酵素調製物である。これは、多糖鎖の非還元末端からの末端グルコース単位の加水分解によって、デンプンをグルコースに分解することができるタンパク質である。別の酵素はα‐アミラーゼであり、これは、α結合を加水分解することによってデンプン等の多糖類を分解することができるタンパク質である。
抗酸化剤は、他の分子の酸化を阻害する分子である。
親水コロイド材料は、水分散性または水膨潤性の親水性ポリマーである。
グルテンは、小麦及び関連する穀物、例えば、大麦及びライ麦等に見出されるタンパク質の混合物である。グルテンは、グリアジン及びグルテニンを含有する。
本発明の組成物は、本明細書において上記に定義される成分(a)〜(g)を含有する。「成分(a)〜(g)の総重量」に言及する場合、それが意味するところは、成分(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、及び(g)の重量の和である。この和は、本明細書において「WAG」と省略される。
本発明の組成物は、1種以上のヒドロキシプロピルメチルセルロース、1種以上のメチルセルロース、及びそれらの混合物からなる群から選択される1種以上のセルロース化合物である、成分(a)(本明細書において「(HP)MC」と称される)を含有する。好ましいのは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。(HP)MC化合物は、ASTM D 445−03に従って、ASTM D 446−07に規定されるウベローデ毛細管粘度計を使用して、20℃の2重量%(HP)MC化合物水溶液の粘度によって特徴付けることができる。好ましくは、その粘度は、20,000mPa・s以下、より好ましくは10,000mPa・s以下、より好ましくは5,000mPa・s以下である。好ましくは、その粘度は、10mPa・s以上、より好ましくは30mPa・s以上、より好ましくは70mPa・s以上である。メチルセルロースは、好ましくは1.2〜2.2、より好ましくは1.5〜2.0のメトキシル置換度(DSmethoxyl)を有する。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、好ましくは0.9〜2.2、より好ましくは1.1〜2.0、及び最も好ましくは1.1〜1.6のDSmethoxylを有する。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、好ましくは0.02〜2.0、より好ましくは0.05〜1.2、及び最も好ましくは0.1〜0.4のMShydroxypropoxylを有する。いずれかの側基、すなわち、DSmethoxyl及びMShydroxypropoxylの決定は、K.L.Ketterer,W.E.Kester,D.L.Wiederrich,and J.A.Grover,Determination of Alkoxyl Substitution in Cellulose Ethers by Zeisel−Gas Chromatographie,Analytical Chemistry,Vol.51,No.13,Nov1979,2172−76によって記載されるように達成され得る。
好ましくは、(HP)MC化合物の量は、WAGを基準にして、5重量%以上、7.5重量%以上、より好ましくは10重量%以上である。好ましくは、(HP)MC化合物の量は、WAGを基準にして、20重量%以下、より好ましくは17重量%以下、より好ましくは14重量%以下である。
本発明の組成物は、セルラーゼである成分(b)を含有する。好ましいのは、ヘミセルラーゼである。好ましくは、セルラーゼの量は、WAGを基準にして、0.01重量%以上、より好ましくは0.03重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.25重量%以上である。好ましくは、セルラーゼの量は、WAGを基準にして、1重量%以下、より好ましくは0.85重量%以下、より好ましくは0.7重量%以下である。
本発明の組成物は、1種以上のグリセリド乳化剤である成分(c)を含有する。グリセリド乳化剤は、本明細書において上記に定義される構造を有し、R、R、及びRのうちの1つ以上は、脂肪酸の残基である。本明細書において後に定義されるように、好ましい成分(c)は、I型、II型、III型のグリセリド乳化剤から選択される。より好ましいのは、I型グリセリド乳化剤である。
I型グリセリド乳化剤において、R、R、またはRのうちの1つは、1つ以上のペンダントアセチル基を有する基(本明細書において「R」と称される)である。好ましくは、Rは、1つ以上のペンダントオキシアセチル基を有する。オキシアセチル基は、構造−OC(O)CHを有する。より好ましくは、Rは、2つのペンダントオキシアセチル基を有する。好ましくは、Rは、1つ以上のペンダントカルボキシル基を有する。より好ましくは、Rは、ジアセチル酒石酸の残基である。I型グリセリド乳化剤の好ましいセットは、モノ及びジグリセリドのジアセチル酒石酸エステルである。
I型グリセリド乳化剤において、R、R、またはR基のうちの1つ以上は、ペンダントアセチル基を含有しない。好ましくは、アセチル基を含有しないR、R、またはR基のうちの1つ以上は、構造−C(O)−Rを有する脂肪酸の残基である。好ましくは、Rは、15個以上の炭素原子、より好ましくは17個以上の炭素原子を有する。好ましくは、Rは、19個以下の炭素原子、より好ましくは17個以下の炭素原子を有する。
II型グリセリド乳化剤において、R、R、及びRの各1つは、脂肪酸−C(O)−Rの残基である。すなわち、R、R、及びRの各1つは、脂肪族であり、6個以上の炭素原子を含有する−R基を含有する。好ましくは、II型グリセリド乳化剤の中で、−R基のうちの1つ以上は、7個以上の炭素原子を含有する。好ましくは、II型グリセリド乳化剤の中で、−R基のうちの1つ以上は、9個以下の炭素原子を含有する。より好ましくは、II型グリセリド乳化剤の中で、−R基のうちの1つ以上は、正確に7個の炭素原子を有し、−R基のうちの1つ以上は、正確に9個の炭素原子を有する。II型グリセリド乳化剤の好ましいセットは、R、R、及びRの各々が−C(O)−(CH−CHまたは−C(O)−(CH−CHのいずれかであるトリグリセリドである、オクチル/デシルトリグリセリドである。
III型グリセリド乳化剤において、R、R、またはRのうちの1つは、1つ以上のペンダントヒドロキシル基を有する基(本明細書において「R」と称される)である。好ましくは、Rは、付加的に1つ以上のペンダントカルボキシル基を有し、より好ましくは、Rは、付加的に2つ以上のペンダントカルボキシル基を有し、より好ましくは、Rは、付加的に正確に2つのペンダントカルボキシル基を有する。より好ましくは、Rは、クエン酸の残基である。
III型グリセリド乳化剤において、好ましくは、R、R、またはRのうちの1つは水素である。III型乳化剤の好ましいセットは、モノグリセリドのクエン酸エステルであるクエン酸モノグリセリドである。
グリセリド乳化剤の量は、WAGを基準にして、5重量%以上、好ましくは7重量%以上、より好ましくは9重量%以上、より好ましくは11重量%以上である。グリセリド乳化剤の量は、WAGを基準にして、30重量%以下、好ましくは25重量%以下、より好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下である。
本発明の組成物は、グルコアミラーゼ、α‐アミラーゼ、及びそれらの混合物からなる群から選択される1種以上の補酵素である成分(d)を含有する。好ましいのは、グルコアミラーゼである。成分(d)の量は、WAGを基準にして、0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上である。成分(d)の量は、WAGを基準にして、2重量%以下、より好ましくは1.5重量%以下、より好ましくは1.2重量%以下である。
本発明の組成物は、1種以上の抗酸化剤である成分(e)を含有する。好ましい抗酸化剤は、βカロチン、ビタミンE、及びビタミンCである。好ましいのは、ビタミンCである。抗酸化剤の量は、WAGを基準にして、0.1重量%以上、好ましくは0.15重量%以上、より好ましくは0.2重量%以上である。抗酸化剤の量は、WAGを基準にして、0.5重量%以下、より好ましくは0.4重量%以下である。
本発明の組成物は、1種以上の親水コロイド材料である成分(f)を含有する。好ましい親水コロイド材料は、キサンタンガム、アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、及びデンプンであり、より好ましいのはキサンタンガム、グアーガム、及びそれらの混合物であり、より好ましいのはキサンタンガムである。親水コロイド材料の量は、WAGを基準にして、5重量%以上、より好ましいのは7.5重量%以上、より好ましいのは10重量%以上である。親水コロイド材料の量は、WAGを基準にして、20重量%以下であり、好ましいのは18重量%以下、より好ましいのは16重量%以下、より好ましいのは14重量%以下である。
本発明の組成物は、グルテンである成分(g)を含有する。グルテンの量は、WAGを基準にして、26.5重量%以上、より好ましくは35重量%以上、より好ましくは45重量%以上である。グルテンの量は、WAGを基準にして、80重量%以下、より好ましくは75重量%以下、より好ましくは70重量%である。
成分(a)〜(g)の好ましい使用は、生地の品質を改良することである。好ましくは、成分(a)〜(g)は、生地を作製するための他の成分と混合される。好ましい他の成分は、粉、酵母 水、糖、任意選択的に塩、及び任意選択的にさらなる成分である。
本発明の好ましい実施形態において、成分(a)〜(g)を含む一群の成分を合わせて混合し、他の成分の導入前に「生地改良剤」組成物を形成する。また、そのような生地改良剤組成物が比較的少量(WAGを基準にして最大50重量%)のさらなる成分を含有する実施形態も企図される。好ましくは、生地改良剤組成物を作製し、後に、粉、酵母、水、糖、任意選択的に塩、及び任意選択的にさらなる成分と接触させ、これらの成分を全て一緒に混合して生地組成物を形成する。
生地改良剤の使用を含む実施形態の中で、好ましくは、生地改良剤中の水の量は、WAGを基準にして、10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。生地改良剤の使用を含む実施形態の中で、好ましくは、生地改良剤中の粉の量は、WAGを基準にして、10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。また、別個の生地改良剤組成物の作製を含まないプロセスにおいて成分(a)〜(g)が生地組成物に加えられる実施形態も企図される。例えば、成分(a)〜(g)の各々は、水、糖、及び酵母のうちの1つ以上の添加の前、後、またはそれと同時に、直接粉に加えることができる。
粉は、例えば、小麦、ソバ、ライ麦、米、ジャガイモ、他の植物、及びそれらの混合物を含む多様な穀物または他の植物のうちのいずれから作製されてもよい。好ましいのは、小麦粉の含有量が、粉の重量を基準にして、50重量%以上、より好ましくは75重量%以上、より好ましくは85重量%以上、より好ましくは95重量%以上の粉である。小麦粉は、精製されていてもよいか、または全粒であってもよいが、好ましくは精製されている。
粉は、例えば、1種以上の漂白剤、1種以上の保存剤、及びそれらの混合物を含む、1種以上の添加剤を含有してもよい。
本発明において使用される酵母は、パン酵母またはサワードウ酵母である。パン酵母は、サッカロマイセス・セレビシエ種の酵母である。サワードウ酵母サッカロマイセス・エクシグースである。好ましいのは、パン酵母である。好ましくは、酵母の量は、100重量部の粉を基準にして、0.5重量部以上、より好ましくは1重量部以上、より好ましくは2重量部以上である。好ましくは、酵母の量は、100重量部の粉を基準にして、8重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。
生地組成物中に使用される糖は、酵母によって代謝され得るいずれの種類の糖であってもよい。糖は、例えば、スクロース、グルコース、他の糖、またはそれらの混合物であってもよい。糖は、精糖、ハチミツ、他の糖の源、またはそれらの混合物として加えられ得る。好ましくは、糖の量は、100重量部の粉を基準にして、0.5重量部以上、より好ましくは1重量部以上、より好ましくは2重量部以上である。好ましくは、糖の量は、100重量部の粉を基準にして、8重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。
好ましくは、塩が生地組成物中に使用される。塩は、塩化ナトリウムである。好ましくは、塩の量は、100重量部の粉を基準にして、0.5重量部以上、より好ましくは1重量部以上、より好ましくは2重量部以上である。好ましくは、塩の量は、100重量部の粉を基準にして、8重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。
水もまた、生地組成物中に存在する。好ましくは、水の量は、100重量部の粉を基準にして、5重量部以上、より好ましくは10重量部以上、より好ましくは25重量部以上、より好ましくは40重量部以上である。好ましくは、水の量は、100重量部の粉を基準にして、100重量部以下、より好ましくは80重量部以下、より好ましくは60重量部以下である。
好ましくは、生地組成物中の全ての成分(a)〜(g)の総量は、100重量部の粉を基準にして、0.1重量%以上、より好ましくは0.2重量%以上、より好ましくは0.4重量%以上である。好ましくは、生地組成物中の全ての成分(a)〜(g)の総量は、100重量部の粉を基準にして、10重量%以下、より好ましくは6重量%以下、より好ましくは4重量%以下である。
生地組成物において、100重量部の生地組成物を基準にして重量部で示した成分(a)及び(f)の和を特徴付けることが有用である。その和は、0.05重量部以上、好ましくは0.08重量部以上、より好ましくは0.12重量部以上である。その和は、0.2重量部以下である。
好ましくは、生地組成物中の全ての成分を一緒に合わせて混合した後、任意の明らかな発酵前に、生地組成物は均質である。酵母による発酵によって引き起こされる気泡は、本明細書において均質性を欠く原因であるとは見なされない。生地組成物は、粉が欠乏した5mm以上の任意の寸法を有する生地内の領域(発酵からの気泡以外)が存在しない場合、本明細書において均質であると見なされる。「粉が欠乏」しているとは、生地組成物全体における粉の重量濃度と比較して10重量%以下のレベルの粉の濃度を有することを意味する。
非均質な生地組成物の一例は、積層生地である。いくつかの積層生地において、バターの層が典型的な生地組成物の層で交互に挟まれる。生地層の厚さは、例えば、約0.01〜0.02mmの厚さであってもよく、層は、他の二次元に10mm以上の広がりを有してもよい。積層生地は、本明細書において均質であるとは見なされない。
好ましくは、本発明の生地組成物は、食物性脂肪を全く含有しないか、または少量の食物性脂肪を含有するかのいずれかである。食物性脂肪は、構造Iの食用化合物であり、R、R、及びRの各々が脂肪酸の残基である。好ましくは、生地組成物中の食物性脂肪の量は、100重量部の粉を基準にして、3重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。
生地組成物は、任意の種類の調理済みの穀物製品を作製するのに適切であり得る。好ましくは、生地組成物は、調理前に酵母による発酵のために体積が膨張する製品を作製するのに適切である。好ましくは、生地組成物は、揚げたまたは焼成したパンを作製するのに適切であり、より好ましくは焼成したパンを作製するのに適切である。
好ましくは、従来のパンの作製方法を用いて、生地組成物を混練し、分割し、ホイロし、焼成する。好ましくは、生地は噴霧されない。
以下は、本発明の実施例である。
これらの実施例に使用される原材料及びそれらの供給者を表1に示す。
Figure 2017500853
冷凍生地改良剤の配合物を表2に示す。
Figure 2017500853
実施例1及び2は、本発明を代表するものである。実施例3C〜8Cは、以下のような比較例である:
実施例3C、4C、及び5Cは、各々、セルラーゼ酵素を欠く。
実施例6Cは、グリセリド乳化剤を有しない。
実施例7Cは、(HP)MC及びセルラーゼ酵素を有しない。
実施例8Cは、セルラーゼ酵素を有しない。
さらに、2つの市販品S500(Puratos Co.)及びBaker Dream(Angel yeast Co.)を、比較例9C及び10Cとして選択した(結果を表5及び6に示す)。
S500は、従来の生地改良剤であり、Baker Dreamは、市販の冷凍生地改良剤である。良好な不凍及び焼成性能のために、これらは広く使用されているが、これらの性能は本発明のものほど良好ではない。S500もBaker Dreamも、本発明の組成物を有しない。
生地の調製は以下の通りである。基本のパンのための生地配合は、粉、塩、インスタント乾燥酵母、糖、水、及び改良剤を含有していた。生地の調製は、以下のステップを含んでいた。
(a)塩(NaCl)、糖、及び酵母等の成分を室温の水に溶解した。成分を含有するこの水は、次のステップで使用され、本明細書において水と称される。
(b)改良剤を粉と予め混合した。
(c)次いで、粉を混練機(Kenwood Company)内に注ぎ、ステップ(i)からの水を連続的に加えた。
(d)70〜120rpmの撹拌速度(スピード1)で生地を混練機内で10分間自動的に混合した後、2分間手で混練した。
(e)次いで、混練した生地を10分間放置し、次いで、320gの重さの小片に分割する。これらの小片を発酵レオロジー試験に使用した。
(f)製パン試験では、ステップ(iv)から調製した生地を25gの丸みを帯びた小片に分割した。
(g)凍結融解試験のための生地を−18℃の温度で2日間冷凍庫内に保管した後、25℃で2時間解凍した。
試験方法は以下の通りであった。
引張試験
(a)生地の引張試験は、「SMS/Kieffer Dough and Gluten Extensibility Rig(生地及びグルテン伸展性装置)」という名称の標準的な方法によりTA分析器(Texture Plus、TA Company)を用いて実行した。この装置は、Brabender社製エキステンソグラフによって提供される伸展性測定値の改善として、ミュンヘンのKurt Hess InstituteにおいてDr.Kiefferによって開発された。この装置は、生地サンプル調製プレス及びモールド、ばね荷重式試験装置、及び試験フックを備える。調製プレスから調製されたサンプルは、下に位置するフックがそこを通って垂直に動くことができるように、治具内に確実に位置付けられる。破砕までの伸長時間(伸展)を測定した。
(b)5cm×1cm×0.3cmの生地シートサンプルを生地シート押出機によって処理した。
(c)各実施例につき、12個の平行な生地シートを調製し、測定誤差を避けるように調製した。
(d)生地の引張力を実証するために平均伸長時間を記録した。
発酵レオロジー試験を以下の通りに行った。
(a)レオファーメントメーター(Rheofermentometer)F3(The Chopin company)を利用して上記実施例における生地サンプルの発酵性能を示した。
(b)パラメーターインデックスは、Hm’(発酵後の生地の高さ)及びCO保持体積であった。
(c)Hm’及びCO保持体積のより高い性能は、生地改良剤のより高い品質を示し、それは、凍結融解及び発酵プロセスの間のパン性能に有益である。
(d)試験工程を以下に列挙する:
・320gの生地を試験用バスケットの底に配置した。
・生地の上にピストンを配置した。
・プロトコルに従って2kgの重りを使用した。
・アセンブリを反応タンク内に配置した。
・ピストン先端部に配置したセンサにより生地の高さを記録した。
(e)Chopin Companyの標準プロトコルを用いた:関連するパラメータは以下の通りである:
温度:28.5°C
標準プランジャー
負荷重量:2kg
試験時間:3時間
焼成試験を以下の通り行った:
(a)焼成試験は、基本の丸型パンの構成に基づいている。
(b)配合に従って生地を調製し、次いで、25gの小片に分割して丸めた。
(c)オーブン(Self−cooking Center、Rational Company)内でホイロを行った。
(d)全ての生地片を32℃の温度及び80%の相対湿度で30分ホイロし、次いで、生地片を手で丸め、次いで、同じ条件のオーブン内で生地をさらに30分ホイロした。
(e)ホイロした生地を、3クラスの気流で、205℃で10分焼成した。
(f)冷却後、パンの体積及び破損数を記録した。
(g)各実施例につき、平均体積データは12を超えるパンの反復物に基づいており、それをパンのCO生成及び保持能力を実証するために用いた。
生地の引張特性は、グルテンネットワークの伸展力を一部実証する。より大きな引張結果は、生地がCOを保持する能力がより高いことを示し、ひいてはより大きなパンの体積をもたらす。ここでは、引張性能の一部を表す生地シートの伸長時間をTA分析器によって測定した。
Figure 2017500853
引張試験の結果は以下の通りであった。
Figure 2017500853
作りたての生地及び冷凍生地の両方において、実施例1の伸長時間が実施例10Cのものよりもはるかに長いことが観察された。時間差は、凍結融解処理後より有意になる。
この結果は、本発明の改良剤組成物の添加が、特に凍結融解プロセスの間に、グルテンネットワークの引張力を向上させたことを示した。これは、発酵及び焼成プロセスにおける体積膨脹に非常に有益である。
発酵レオロジー試験
保管及び解凍中の温度変動のために氷晶が成長及び溶解し、冷凍生地のグルテンマトリクスを破壊する。その結果として、レオファーメント(rheoferment)特性が有意な影響を及ぼす。これらのレオファーメント特性は、最大高さ、安定性、耐性に対する生地の発酵、形成速度、全ガス生成量、ガス滞留、多孔性、多孔性になるまでの時間等を含む。これらの特性は、焼成性能の重要な指標である。発酵レオロジーデータが良好であるほど、パン性能が良好になる。ここでは、最終的なパン性能と直接関連しているCO保持体積及びHm’を用いて冷凍生地の品質を示した。発酵試験のための生地配合は、表3と同じである。
異なる組成物(表3)の発酵レオロジー試験の結果を表5に要約する。これらの試験は、提案される組成物における相乗効果を示している。
Figure 2017500853
本発明の実施例1及び2は、HPMCベースの系に基づいている。Hm’値は、凍結融解処理の前及び後のどちらも80cm超であり、全ての比較例のものよりもはるかに高い。
本発明の実施例1及び2のCO保持値は、それぞれ1811及び1920であり、これは、実施例3C〜9Cよりもはるかに高く、実施例10C(1845ml)と同程度である。凍結融解処理後、本発明の実施例のCO保持値は減少しなかった(若干増加さえしていた)。しかしながら、実施例10のCO保持体積は、凍結融解後に約7%減少した(1845から1716ml)。この結果は、本発明の改良剤の組成物への添加が、作りたての生地系及び冷凍生地系の両方でCOの生成及び保護を向上させたことを示す。
提案される成分を変更した場合(実施例3Cに示されるように)、相乗効果は破壊される。実施例3Cの組成物は、セルロース酵素を含有していなかったため、HPMCとセルラーゼとの間の設計された反応は不可能であり、したがって、実施例3CのCO保持値は、実施例1及び2と比較してわずか60%である。これは、組成物中のセルラーゼの必要性を実証するものである。
セルラーゼを使用しない場合、酵素及び乳化剤等の他の成分を変更することによって発酵レオロジー性能を容易に改善することはできない。実施例4C及び5Cに示されるように、乳化剤及び酵素は、それぞれGMS及び細菌アミラーゼに変更される。それらのHm’及びCO保持値は、実施例1及び2の値よりもはるかに低い。
また、実施例6に示すように、乳化剤の種類も重要である。実施例6Cにおいて、使用された乳化剤は、DATEMではなくSSLであった。本発明の実施例(1及び2)と比較して、発酵特性における有意な低下が観察された。DATEMの非存在が生地性能に著しい悪影響を与えたことから、提案されるHPMC、セルラーゼ、補酵素、及びDATEM系の間に相乗効果が存在したことが示唆される。
そのような相乗効果は、比較例7C及び8Cに示すような単純な成分の組み合わせよりも優れている。比較例7C及び8Cにおいて種々の組み合わせが作製されたが、発酵性能は、本発明の組成物のものよりも低かった。
製パン試験
最も高い発酵性能を有していた実施例1、2、及び10について製パン試験を行った。製パン試験のための生地配合を表6に列挙する。
Figure 2017500853
上述の方法に従ってパンを調製し、パンの体積及び破損数を記録した。製パン試験の成績を表7に示す。
Figure 2017500853
この結果は、提案される改良剤を含有するパン(実施例1、2)が、市販品(実施例10C)よりも良好な性能を達成したことを実証した。
凍結融解処理を行わない生地の場合、全ての実施例1、2、及び10Cのパンの体積は同程度であった(それぞれ、124.7、127.7、及び124.4)。
実施例10Cのパン破損%(8%)は、本発明の実施例のもの(両方とも0%)よりも有意に高い。
凍結融解処理後の生地の場合、本発明の実施例と比較例との間の差は、より有意である。
実施例1及び2のパンの体積は、比較例10Cのものよりはるかに大きい(それぞれ、114.1、122.4、及び110.8)。
実施例1及び2のパンは破損しなかったが、焼成プロセスの間に、実施例10Cの約30%のパンに亀裂が生じた。
この結果は、本発明が、特に凍結融解プロセスの間のCOの生成力及び保護を増加させることによって、生地の品質を向上させることができることを示している。
パネル試験
実施例をさらに比較するためにパネル試験を行った。このパネル試験も、表7の製パン試験と同じ結論を示した。異なる実施例(凍結融解後)から調製されたパンの体積、外観、及び咀嚼食感を評価するために、5人がパネルに招待された。表8に示すように、評価に基づいて、各パネル委員が各実施例の性能をランク付けした。
Figure 2017500853
本発明の実施例No.2及びNo.1の総合性能が比較例10Cのものよりも高くランク付けされたことが観察された。パネルの結果は、表7の性能結果と一致する。
また我々は、複数回の解凍が、後に生地を焼成する実現可能性を著しく向上させ、それがパン屋にとって有益であるため、本明細書において複数回の生地の凍結融解プロセスを提唱する(解凍後に生地を使用しない場合、それは次回の焼成プロセスのために再冷凍することができる)。
複数回の凍結融解プロセスを行った後、再び実施例1及び10Cを用いた。複数回の凍結融解プロセスを3回行った。条件を表9に示す。
Figure 2017500853
複数回の凍結融解後、生地を25gの小片に分割して丸めた後、パン生地を2回ホイロし、上述の方法に従って焼成した。1回の凍結融解プロセスと複数回(3回)の凍結融解プロセス後のパンの体積の比較を表10に示す。
Figure 2017500853
実施例1の平均体積は114.0±5.7mm(平均±標準偏差)であり、比較例10C(平均体積は89.6±4.1mmである)よりも有意に高かった。実施例1において、たとえ3回の凍結融解処理後であっても、パンの体積は同じであった。上記の結果は、本発明の組成物の高い凍結融解耐性を実証した。
表11に示すように、複数の凍結融解例をさらに比較するために、サンプルのパネル試験を行った。このパネル試験も、実施例1が実施例10Cよりもはるかに高いパネル性能を達成したことを実証した。
Figure 2017500853
本発明の実施例No.1の総合性能が比較例10Cのものよりも高くランク付けされたことが観察された。パネルの結果は、表10の性能結果と一致する。

Claims (9)

  1. 冷凍生地を改良するための組成物であって、前記組成物の重量を基準にして、
    (a)1種以上のヒドロキシプロピルメチルセルロース、1種以上のメチルセルロース、及びそれらの混合物からなる群から選択される5重量%〜20重量%の1種以上のセルロース化合物と、
    (b)0.01重量%〜1重量%のセルラーゼと、
    (c)5重量%〜30重量%の1種以上のグリセリド乳化剤と、
    (d)グルコアミラーゼ、α‐アミラーゼ、及びそれらの混合物からなる群から選択される0.1重量%〜2重量%の1種以上の補酵素と、
    (e)0.1重量%〜0.5重量%の1種以上の抗酸化剤と、
    (f)5重量%〜20重量%の1種以上の親水コロイド材料と、
    (g)26.5重量%〜80重量%のグルテンと、を含む、組成物。
  2. 前記グリセリド乳化剤(c)は、モノまたはジグリセリドの1種以上のジアセチル酒石酸エステル、1種以上のオクチル/デシルトリグリセリド、1種以上のクエン酸モノグリセリド、及びそれらの混合物からなる群から選択される1種以上の乳化剤を含む、請求項1に記載の前記組成物。
  3. 前記抗酸化剤(e)は、ビタミンCを含む、請求項1に記載の前記組成物。
  4. 前記親水コロイド材料(f)は、キサンタンガム、グアーガム、及びそれらの混合物からなる群から選択される1種以上の化合物を含む、請求項1に記載の前記組成物。
  5. 請求項1に記載の前記組成物を粉及び任意選択的な他の成分と混合することによって生地混合物を形成することを含む、改良された生地を作製する方法。
  6. 前記任意選択的な他の成分は、酵母及び水を含む、請求項5に記載の前記方法。
  7. 前記生地混合物を冷凍し、次いで、前記生地混合物を解凍することをさらに含む、請求項5に記載の前記方法。
  8. 生地組成物であって、
    (a)成分(a)〜(g)の総重量を基準にして、1種以上のヒドロキシプロピルメチルセルロース、1種以上のメチルセルロース、及びそれらの混合物からなる群から選択される5重量%〜20重量%の1種以上のセルロース化合物と、
    (b)成分(a)〜(g)の前記総重量を基準にして、0.01重量%〜1重量%のセルラーゼと、
    (c)成分(a)〜(g)の前記総重量を基準にして、5重量%〜30重量%の1種以上のグリセリド乳化剤と、
    (d)成分(a)〜(g)の前記総重量を基準にして、成分(a)〜(g)の前記総重量を基準にして、グルコアミラーゼ、α‐アミラーゼ、及びそれらの混合物からなる群から選択される0.1重量%〜2重量%の1種以上の補酵素と、
    (e)成分(a)〜(g)の前記総重量を基準にして、0.1重量%〜0.5重量%の1種以上の抗酸化剤と、
    (f)成分(a)〜(g)の前記総重量を基準にして、5重量%〜20重量%の1種以上の親水コロイド材料と、
    (g)成分(a)〜(g)の前記総重量を基準にして、26.5重量%〜80重量%のグルテンと、
    (h)粉と、
    (i)酵母と、
    (j)糖と、
    (k)水と、を含み、
    100重量部の前記粉(h)を基準にして重量部で示した成分(a)〜(g)の重量の和は、0.1重量部〜3重量部であり、
    100重量部の前記生地組成物を基準にして重量部で示した成分(a)及び(f)の重量の和は、0.05重量部〜0.2重量部である、前記生地組成物。
  9. 前記組成物は、均質である、請求項8に記載の前記生地組成物。
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