JP2017229171A - 電動機およびその制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転子に回転トルクを発生させるために捲線に流す電流の期間(回転角度)を大きくすることができ、効率を高くして小型化および高出力化を図ること。【解決手段】捲線を備えたN個(Nは2以上の整数)の鉄心31が円周方向に沿って等間隔で配置された固定子12,16と、M個(Mは2以上の整数)の永久磁石体41が円周方向に沿って等間隔で配置された回転子13,17と、を備え、回転子において、永久磁石体41はそれぞれ円周方向に沿ってN極とS極の磁極が形成され、円周方向に隣り合う永久磁石体は対向する磁極面411が互いに同じ極性となるように配置されており、隣り合う永久磁石体の対向する磁極面411の間の空間に形成される磁界と捲線32に流れる電流で生じる磁界との間の吸引力または反発力によって、回転子13,17に回転トルクを発生させるように構成される。【選択図】図4

Description

本発明は、電動機およびその制御装置に関する。
従来より、捲線を備えた複数の鉄心が円周方向に沿って等間隔で配置された固定子と、複数の永久磁石が円周方向に沿って等間隔で配置され前記固定子と対向した状態で回転する回転子とを備えた磁力回転装置などが提案されている(特許文献1〜4)。
例えば特許文献1には、永久磁石と捲線による電磁石との間に反発力が生じるように、回転体が種々の回転位置の領域にあるときに捲線に種々のパルス電流を流すようにした磁力回転装置が開示されている。
また、特許文献2には、複数の永久磁石を周方向に配置した回転子と複数の電磁石を周方向に配置した固定子とを備え、電磁石に間欠的に通電し、永久磁石と電磁石との間の吸引力と反発力によって回転子を回転させる磁力回転装置が開示されている。特許文献2では、永久磁石の数と電磁石の数とを互いに異ならせることによってディテントトルク(コギングトルク)を低減することが開示されている。
また、特許文献3には、回転体を回転させてモータとして機能させつつ、回転体の回転により直接的に発電する交流電圧出力巻線を備えた一方向通電形ブラシレスDCモータが開示されている。
このような磁力回転装置などによって、電動機または発電機を構成することが可能である。例えば、捲線に流れる電流による鉄心の磁界と永久磁石との吸引または反発によって回転トルクを発生させることにより、電動機として動作させることが可能である。また、外部の回転力によって回転子を回転させ、永久磁石の回転により鉄心に磁束の変化を起こして捲線から電流を取り出すことにより、発電機として動作することが可能である。
また、磁力回転装置による電動機と発電機とを同軸上に形成することによって、電動発電機を構成することが可能である。
特開2006−187080号公報 特開2009−118705号公報 WO2009/060544号公報 WO2015/019625号公報
しかし、上に述べた特許文献1、2に開示された電動機では、かなりのディテントトルクが発生するため、これが効率を低下させる1つの要因となっている。
また、特許文献3に開示されたブラシレスDCモータでは、ある程度のディテントトルクの低減が図られるとしても、まだ十分ではなかった。
また、この種の磁力回転装置を電動機として起動する際に、一時的なバックラッシュ(逆回転)を起こして円滑な起動がなされないことがある。
また、従来において、回転子に回転トルクを発生させるために捲線に流す電流の期間(回転角度)を大きくすることができず、効率を上げることに限界があった。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、回転子に回転トルクを発生させるために捲線に流す電流の期間(回転角度)を大きくすることができ、効率を高くして小型化および高出力化を図ることのできる電動機を提供することを目的とする。
本明細書において開示される電動機は、捲線を備えたN個(Nは2以上の整数)の鉄心が円周方向に沿って等間隔で配置された固定子と、M個(Mは2以上の整数)の永久磁石体が円周方向に沿って等間隔で配置された回転子と、を備え、前記回転子において、前記永久磁石体はそれぞれ円周方向に沿ってN極とS極の磁極が形成され、円周方向に隣り合う前記永久磁石体は対向する磁極面が互いに同じ極性となるように配置されており、隣り合う前記永久磁石体の対向する磁極面の間の空間に形成される磁界と前記捲線に流れる電流で生じる磁界との間の吸引力または反発力によって、前記回転子に回転トルクを発生させるように構成される。
好ましくは、隣り合う前記永久磁石体の対向する磁極面の間における円周方向の中央位置を仮想磁極位置として、前記仮想磁極位置にはそれを挟む2つの前記永久磁石体の対向する磁極面と同じ極性の仮想磁極が形成され、M個の前記永久磁石体によるM個の前記仮想磁極が、前記捲線に流れる電流に基づいてN個の前記鉄心により生じる回転磁界に同期して回転する。
好ましくは、前記鉄心の捲線に、それぞれ、前記鉄心の端面を前記回転子の前記仮想磁極が通過してから次の前記仮想磁極が通過するまでの間の所定の回転角度θ2の間において、通過した前記仮想磁極との間で反発力が生じるように電流を供給する。
好ましくは、前記電流の供給を、通過した前記仮想磁極と次に通過する仮想磁極との間の中央位置から開始する。
好ましくは、前記電流の供給を、通過した前記仮想磁極と次に通過する仮想磁極との間にある前記永久磁石体が前記鉄心の端面を通過するときから開始する。
好ましくは、例えばN=Mである。また、例えば2N=3Mである。また、例えばNおよびMはいずれも8である。
好ましくは、前記回転角度θ2は、22度乃至40度である。または、前記回転角度θ2は、33乃至35度である。
好ましくは、第1の電動機と第2の電動機とが互いに連結されて構成され、前記第1の電動機および前記第2の電動機は、それぞれ、前記固定子および前記回転子を備え、前記第1の電動機における前記固定子と前記回転子との位相角と、前記第2の電動機における前記固定子と前記回転子との位相角との差である配置ずれ角が、(180/N)度となるように、前記固定子および前記回転子が配置されている。
好ましくは、NおよびMはいずれも8であり、前記第1の電動機の前記鉄心の8個の前記捲線は、円周方向に沿って交互に4個のA相と4個のB相とに区分され、前記第2の電動機の前記鉄心の8個の前記捲線は、円周方向に沿って交互に4個のC相と4個のD相とに区分され、前記第1の電動機および前記第2の電動機の前記固定子に、A相、C相、B相、D相の順に移動する回転磁界が形成されるよう、前記捲線に電流が供給される。
好ましくは、前記第1の電動機または前記第2の電動機において、前記固定子として、中央部に胴部をその両端に脚部を有し両側の端面が回転の中心方向を向いた形状の鉄心が用いられ、前記回転子として、前記鉄心の一方の端面に対向して回転するA回転子および他方の端面に対向して回転するB回転子の2つの前記回転子を備え、前記A回転子の前記永久磁石体と前記B回転子の前記永久磁石体とは、互いに同じ位相角で配置され、かつ、磁極の極性が互いに逆である。
また、電動機の制御装置であって、前記電動機は、捲線を備えたN個(Nは2以上の整数)の鉄心が円周方向に沿って等間隔で配置された固定子と、M個(Mは2以上の整数)の永久磁石体が円周方向に沿って等間隔で配置された回転子と、を備え、前記回転子において、前記永久磁石体はそれぞれ円周方向に沿ってN極とS極の磁極が形成され、円周方向に隣り合う前記永久磁石体は対向する磁極面が互いに同じ極性となるように配置されており、前記制御装置は、隣り合う前記永久磁石体の対向する磁極面の間の空間に形成される磁界と前記捲線に流れる電流で生じる磁界との間の吸引力または反発力によって、前記回転子に回転トルクを発生させるように、前記捲線に電流を供給する。
好ましくは、前記制御装置は、前記鉄心の捲線に、それぞれ、前記永久磁石体が前記鉄心の端面を通過するときから所定の回転角度θ2の間において、電流を供給する。
好ましくは、NおよびMはいずれも8であり、前記回転角度θ2は、33度乃至35度である。
本発明によると、回転子に回転トルクを発生させるために捲線に流す電流の期間(回転角度)を大きくすることができ、効率を高くして小型化および高出力化を図ることができる。
また、請求項10の発明によると、ディテントトルクをさらに低減させることが可能であり、より高い効率の電動機を提供することができる。
本発明に係る第1の実施形態の電動機の側面断面図である。 図1に示す電動機の正面断面図である。 図1の一部を拡大して示す図である。 図2の一部を拡大して示す図である。 第1の電動機における鉄心と永久磁石体の配置関係を示す図である。 第2の電動機における鉄心と永久磁石体の配置関係を示す図である。 電動機における回転磁界を説明するための図である。 電動機における回転子の仮想磁極を示す図である。 電動機における回転駆動の様子を示す図である。 電動機における回転駆動の様子の他の例を示す図である。 遮蔽円板の例を示す図である。 制御装置の構成の例を示すブロック図である。 制御装置による電動機の制御の様子を示すタイミング図である。
〔第1の実施形態〕
図1および図2には、本発明に係る第1の実施形態の電動機1の側面断面図および正面断面図が示され、図3および図4にはそれらの一部を拡大した図が示されている。なお、図2は、図1におけるAA−AA線断面矢視図に相当する。
なお、これらの図は、固定子、回転子、鉄心、および永久磁石体などの配置関係を示すことを主な目的としており、電動機1における種々の部材の機械的な構造や連結関係を正確に示すものではない。機械的な構造などについては種々の公知の技術を適用することが可能である。
図1〜図4において、電動機1は、第1の電動機1M1および第2の電動機1M2を備え、それらの回転軸11が共通に設けられている。
なお、本実施形態において、2つの電動機が一体回転するように回転軸11が連結されたダブル電動機である。したがって、第1の電動機1M1を「電動機1M1」と、第2の電動機1M2を「電動機1M2」と、それぞれ記載することがある。
また、電動機1M1と電動機1M2とを区別する必要のない場合に、これらのいずれか、またはこれらの両方を指して、「電動機1M」と記載することがある。
フレーム21は、ステンレス鋼のような非磁性材料によって、電動機1Mを機械的に維持するように設けられ、電動機1Mの外形を形成している。
回転軸11は、フレーム21に設けられたベアリングによって、フレーム21に対し回転自在に支持されている。
電動機1M1は、A電動機M1AとB電動機M1Bとの2つの部分によって構成される。電動機1M2は、A電動機M2AとB電動機M2Bとの2つの部分によって構成される。
本実施形態において、電動機1M1と電動機1M2とは、その構成部材の構造は同じである。例えば、鉄心31および捲線32からなる固定子12,16自体の構造、永久磁石体41を備えた回転子13,17の構造などは、電動機1M1と電動機1M2とで同じである。しかし、電動機1M1の固定子12と電動機1M2の固定子16とでは、円周方向(回転方向)における配置角(位相角)が互いに異なる。詳細は以下に述べる。
つまり、電動機1M1および電動機1M2は、それぞれ、捲線32を備えたN個(Nは2以上の整数)の鉄心31が円周方向に沿って等間隔で配置された固定子12、16と、M個(Mは2以上の整数)の永久磁石体41が円周方向に沿って等間隔で配置された回転子13,17と、を備えている。なお、本実施形態において、N=M=8、つまりNおよびMはいずれも8であり、したがって8極の電動機1Mということになる。
電動機1M1における固定子12と回転子13との位相角γ1と、電動機1M2における固定子16と回転子17との位相角γ2との差である配置ずれ角δが、δ=(180/N)度、本実施形態においては22.5度となるように、これら固定子12,16および回転子13,17が配置されている。
また、電動機1M1および電動機1M2において、それぞれの回転子13,17は、軸方向から見た形状が矩形であって回転円周の接線方向(円周方向)に沿ってN極とS極の磁極が形成されたM個、本実施形態においては8個の前記永久磁石体41を有する。
そして、回転子13,17において、8個の永久磁石体41が、円周方向に隣り合う永久磁石体41は対向する磁極面411が互いに同じ極性となるように配置されている。つまり、隣り合う永久磁石体41の対向する磁極面411によって、これらの間の空間に形成される磁界は、その円周方向の中央位置が最も強くなり、中央位置に磁極があるかのようになる。本明細書では、この中央位置において仮想的に形成される磁極を「仮想磁極」といい、その位置つまり中央位置を「仮想磁極位置」という。
1つの仮想磁極は、対向する2つの磁極面411によってそれと同じ極性に形成されるので、それぞれの回転子13,17において、N極およびS極がそれぞれ4個ずつ、合計8個の仮想磁極が形成される。つまり、8個の永久磁石体41によって8個の磁極(仮想磁極)が形成されることとなる。
本実施形態では、N=Mとし、いずれも8としたが、NおよびMはこれ以外の数値であってもよい。例えば、Nを2、3、4、6、10、12、16…などとし、また、Mを2、4、6、10、12、14、16…などとしてもよい。これ以外の数値でもよい。また、NとMが3対2の関係になるよう、つまり2N=3Mとしてもよい。この場合に、例えば、Nを12、Mを8とする。また、Nを8、Mを6とする。なお、永久磁石体41については、隣り合って対向する磁極面411が互いに同じ極性となるように配置するので、Mは偶数となる。
このように、隣り合う永久磁石体41の対向する磁極面の間の空間に形成される磁界と捲線32に流れる電流で生じる磁界との間の吸引力または反発力によって、回転子13,17に回転トルクを発生させるように構成される。
そして、隣り合う永久磁石体41の対向する磁極面の間における円周方向の中央位置を仮想磁極位置として、仮想磁極位置には、それを挟む2つの永久磁石体41の対向する磁極面と同じ極性の仮想磁極が形成され、M個の永久磁石体41によるM個の仮想磁極が、捲線32に流れる電流に基づいてN個の鉄心31により生じる回転磁界との間で作用し、この回転磁界に同期して回転する。
以下においてさらに詳しく説明する。
〔電動機1の構造についての説明〕
〔電動機1M1〕
電動機1M1は、回転軸11、固定子12、回転子13、およびフレーム21などを有する。
〔固定子〕
固定子12は、捲線(コイル)32を備えた複数の鉄心31が円周方向に沿って等間隔で配置されたものである。
各鉄心31は、外形がコ字形またはU字形の珪素鋼板を所定の厚さに積層したものであり、中央部に胴部311が、その両端に脚部312a,bが設けられた形状である。脚部312a,bの先端は、それぞれ長方形状の端面313a,bとなっており、2つの端面313a,bは、同じ平面上にあって回転軸11の中心方向を向いた状態である(図3参照)。
捲線32は、鉄心31の各脚部312a,bにそれぞれ設けれた2つの捲線32a,bを含む。捲線32a,bに電流を流すことにより、鉄心31に磁束および磁界が生じ、電磁石となる。2つの捲線32a,bを例えば並列接続とし、鉄心31内に同じ方向の磁束が生じるように電流を流すことにより、端面313a,bに互いに異なる極性の磁極が形成される。つまり、端面313a,bの一方がN極、他方がS極となる。
本実施形態では、胴部311が軸方向と平行に延びるように、つまり2つの脚部312a,bが軸方向に沿って離れた位置となるような姿勢の8個の鉄心31が、円周上に等間隔で、つまり隣り合う鉄心31同士の中心角が45度(=360度÷8)となるように、配置されている(図2、図4参照)。
つまり、各鉄心31の中心を通りかつ固定子12の中心つまり回転子13の回転中心(回転軸11の軸心)KCを通過する中心線LKが、互いにβ1=45度の中心角をなすようになっている。隣り合う鉄心31の端面と端面との間隔は、端面の幅とほぼ同じか、または若干狭いか、または広くなってもよい。
最上位置にある鉄心31(YA1)の中心線LKは、垂直線であり、この垂直線を固定子12、16および回転子13,17の回転角度位置における基準線(=0度)と考える場合がある。
〔回転子〕
回転子13は、鉄心31の一方の脚部312aに対向するA回転子13aと、鉄心31の他方の脚部312bに対向するB回転子13bとからなる(図1、図3参照)。これらA回転子13aとB回転子13bとは、一体に回転するものであり、基本的な構造は互いに同じであるので、A回転子13aについて詳しく説明する。
なお、固定子12の脚部312aの側とA回転子13aとによって上に述べたA電動機M1Aが構成され、固定子12の脚部312bの側とB回転子13bとによって上に述べたB電動機M1Bが構成される。
〔A回転子〕
まず、A回転子13aは、複数の永久磁石体41が、円周方向に沿って等間隔で配置されたものであり、固定子12と対向して、つまり固定子12の複数の端面313aにより形成される円周面に対向した状態で、回転軸11とともに回転する(図2参照)。
本実施形態では、8個の永久磁石体41が、円周上に等間隔で、つまり隣り合う永久磁石体41同士の中心角β3が45度(=360度÷8)となるように、配置されている。
永久磁石体41は、ネオジム(またはネオジウム)を成分として含んだ複数個の永久磁石(ネオジム磁石)が磁極方向に積み重ねられて構成され、全体として直方体の形状、つまりブロック状に形成されている。各永久磁石は、表面が滑らかとなるようにニッケルメッキが施されている。しかし、永久磁石体41の構成として種々のものが採用可能である。例えば、1個の永久磁石で永久磁石体41を構成してもよく、2個の永久磁石の間に磁性体からなるつなぎ鉄心を挿入して構成してもよい。
図4を参照して、直方体の互いに対向する2つの面が磁極面411であり、磁極面411の一方がN極、他方がS極となっている。そして、隣り合う永久磁石体41の対向する磁極面411が互いに同じ極性である。N極の磁極面411を「磁極面411N」、S極の磁極面411を「磁極面411S」、と記載することがある。
永久磁石体41は、その中央を通過する線(中心線)LTに対して左右対称である。中心線LTは、回転子13の回転中心KCを通過する線である。つまり、永久磁石体41は、2つの磁極面411を結ぶ方向が回転円周の接線方向(円周方向)と一致するように配置される。
なお、永久磁石体41を支持し、かつ回転軸11とともに一体的に回転するよう連結するために、側板部材45などが設けられている。側板部材45は、それぞれの永久磁石体41を軸方向の両側から挟みかつ位置決めするように凹部が設けられた円板状の部材である。側板部材45は非磁性体でありかつ絶縁体である合成樹脂などからなっている。側板部材45は、回転軸11が貫通する円筒状のブシュ47に固定されている。ブシュ47は、キー48によって回転軸11と一体に回転する。
なお、これら側板部材45などの材質および形状などは、上に説明した以外の種々のものとすることが可能である。
〔B回転子〕
次に、B回転子13bについて説明する。
B回転子13bは、上に述べたA回転子13aの構造と基本的に同じであるが、永久磁石体41の極性が互いに異なる。
すなわち、B回転子13b、つまり回転子13における鉄心31の脚部312bに対向する部分は、A回転子13aと同様に、複数の永久磁石体41が円周方向に沿って等間隔で配置されたものであり、固定子12と対向した状態で、つまり固定子12の複数の端面313bにより形成される円周面に対向した状態で、回転軸11とともに回転する。
また、A回転子13aとB回転子13bとは、正面方向、つり回転軸11に沿った方向から見たときに、永久磁石体41の配置が互いに一致して一直線上に重なるように配置されており、したがってそれぞれの中心線LTも互いに一致して重なる。
永久磁石体41の極性について、B回転子13bでは、A回転子13aにおける同じ回転角度位置の永久磁石体41の極性に対して逆となっている。つまり、B回転子13bでは、図2における「N」と「S」とを入れ替えた極性となる。
〔電動機1M2〕
次に、電動機1M2について説明する。
電動機1M2は、上に述べたように、固定子16および回転子17の構成部材の構造は、電動機1M1の場合と同じである。相違点は、電動機1M2の固定子16の配置された位相角が、電動機1M1の固定子12に対して矢印DSの方向に配置位相角β4=22.5度ずれている点である。また、図1に示すように、回転子17はA回転子17aとB回転子17bとからなる。
すなわち、図2および図4において、電動機1M1の固定子12の8個の鉄心31は実線で示され、電動機1M2の固定子16の8個の鉄心31は二点鎖線で示されている。図で分かるように、電動機1M2の固定子16の8個の鉄心31(二点鎖線で示される)の配置角は、電動機1M1の固定子12の8個の鉄心31(実線で示される)の配置角に対して、矢印DSの回転方向に配置位相角β4=22.5度だけずれでいる。
具体的には、図4における電動機1M1の最上位置にある鉄心31(YA1)の中心線LK、つまり垂直線に対して、電動機1M2の最上位置にある鉄心31(YC1)の中心線LKは、矢印DSの回転方向に配置位相角β4=22.5度だけずれでいる。
これに対し、電動機1M1の回転子13と電動機1M2の回転子17とは、永久磁石体41の円周方向に沿った配置が互いに一致している。つまり、永久磁石体41については同じ位相角で配置されており、配置位相角β5は0度である。
すなわち、図2および図4に示す状態において、電動機1M1における固定子12と回転子13との位相角γ1を、最上位置にある鉄心31(YA1)の中心線LKと永久磁石体41の中心線LTとのなす角度を矢印DSの方向に計った角度とすると、位相角γ1は0度である。電動機1M2における固定子16と回転子17との位相角γ2を、最上位置よりも矢印DSの前方側に配置された鉄心31(YC1)の中心線LKと永久磁石体41の中心線LTとのなす角度を矢印DSの方向に計った角度とすると、位相角γ2は22.5度である。したがって、位相角γ1と位相角γ2との差である配置ずれ角δ(=|γ1−γ2|)は、δ=22.5−0=22.5度である。
なお、回転子13,17は一体に回転するので、回転子13,17がどのような角度位置にあっても、位相角γ1と位相角γ2との関係(差の値)は同じであり、配置ずれ角δは常に22.5度で一定である。つまり、永久磁石体41についての配置位相角β5は0度であるので、鉄心31についての配置位相角β4がそのまま配置ずれ角δとなる。
すなわち、配置ずれ角δを(180/N)度、つまり22.5度とするためには、電動機1M1と電動機1M2とにおいて、固定子12、16および回転子13,17が配置される角度位置が所定の関係にあればよい。
例えば、電動機1M1と電動機1M2とにおいて、鉄心31の配置位相角β4つまり固定子12、16の配置位相角β4と、永久磁石体41の配置位相角β5つまり回転子13,17の配置位相角β5との和であるβ4+β5が、22.5度となればよい。
本実施形態の電動機1では、固定子12、16の配置位相角β4を22.5度とし、回転子13,17の配置位相角β5を0度とした。
しかし、例えば、固定子12、16の配置位相角β4を15度とし、回転子13,17の配置位相角β5を7.5度としてもよい。また、固定子12、16の配置位相角β4を0度とし、回転子13,17の配置位相角β5を22.5度としてもよい。
つまり、電動機1M2の永久磁石体41を電動機1M1の永久磁石体41に対して矢印DSと反対方向にずらせ、その配置位相角β5を22.5度とした場合には、電動機1M1の鉄心31と電動機1M2の鉄心31についての配置位相角β4を0度とすることにより、配置ずれ角δは22.5度となる。
〔永久磁石の極性などについての説明〕
図5には、第1の実施形態の電動機1の第1の電動機(電動機1M1)における鉄心13と永久磁石体41の配置関係が、図6には、第2の電動機(電動機1M2)における鉄心16と永久磁石体41の配置関係が、図7には、電動機1における回転磁界を説明するための図が、図8には、電動機1における回転子13,17の仮想磁極Jを示す図が、図9には、電動機1における回転駆動の様子を示す図が、図10には、電動機1における回転駆動の様子の他の例を示す図が、それぞれ示されている。
なお、図5および図6は、図1のAA−AA線、CC−CC線の各位置における断面矢視図に相当し、図7および図8はいずれも、図5および図6を重ね合わせて表示したものである。
また、図2、図4〜図8においては、捲線32に電流を流すことなく、かつ回転軸11に外部からの回転力を与えることのない自由状態において、回転子13,17が取り得る回転角度位置の1つの状態が示されている。
上においても説明したように、図5において、鉄心31の中心線LKは、互いにβ1(=45度)の中心角をなす。永久磁石体41の中心線LTは、互いにβ3(=45度)の中心角をなす。また、図5の状態では、固定子12と回転子13との位相角γ1が0度である。
図6において、鉄心31の中心線LKは、互いにβ1(=45度)の中心角をなす。永久磁石体41の中心線LTは、互いにβ3(=45度)の中心角をなす。また、図6に示す状態では、固定子16と回転子17との位相角γ2は22.5度である。
また、図5において、最上位置にある鉄心31を「YA1」とし、矢印DSの方向に沿って、1つおきに「YA2」「YA3」「YA4」とする。「YA1」の鉄心31の矢印DSの方向に1つ目の鉄心31を「YB1」とし、矢印DSの方向に沿って、1つおきに「YB2」「YB3」「YB4」とする。
図6において、最上位置よりも矢印DSの前方側に配置された鉄心31を「YC1」とし、矢印DSの方向に沿って、1つおきに「YC2」「YC3」「YC4」とする。「YC1」の鉄心31の矢印DSの方向に1つ目の鉄心31を「YD1」とし、矢印DSの方向に沿って、1つおきに「YD2」「YD3」「YD4」とする。
図7において、最上位置にある「YA1」の鉄心31から矢印DSの方向に連続して隣り合う4つの鉄心31を1組の鉄心群とすると、1〜4の4組の鉄心群に区画される。また、各組みの鉄心群について、4つの鉄心31は、矢印DSの方向に、A相、C相、B相、D相ということになる。
すなわち、電動機1M1の鉄心31の8個の捲線32は、矢印DSの円周方向に沿って交互に4個のA相と4個のB相とに区分されている。また、電動機1M2鉄心31の8個の捲線32は、矢印DSの円周方向に沿って交互に4個のC相と4個のD相とに区分されている。これら、A相、C相、B相、D相の鉄心31は、順次、22.5度(=β4)ずつずれている。
4組の鉄心群に対して同時に、A相、C相、B相、D相の順に捲線32に電流を流して励磁することにより、矢印DSの方向の回転磁界が生じる。つまり、A相、C相、B相、D相の順に移動する回転磁界が形成される。A相、C相、B相、D相の1サイクル(電気角で360度)で、磁界が4分の1回転(機械角で90度回転)するので、励磁の4サイクルで磁界(回転磁界)が1回転する。この回転磁界によって、回転子13,17の永久磁石体41またはそれらによる仮想磁極Jが吸引または反発し、回転磁界と同じ方向に同期して回転駆動する。
図8において、仮想磁極Jが黒丸または白丸で示されている。黒丸はN極の仮想磁極J、白丸はS極の仮想磁極Jである。N極の仮想磁極Jを「仮想磁極JN」、S極の仮想磁極Jを「仮想磁極JS」と記載することがある。
図8に示すように、円周方向に沿って、仮想磁極JNと仮想磁極JSとが交互に4個ずつ現れる。回転子13,17の磁極数は8極ということになる。つまり、8個の永久磁石体41によって8個の磁極(仮想磁極J)が形成されている。
本実施形態では、8個の、つまり4個の2倍の永久磁石体41を用いて、同じ8個の磁極(仮想磁極J)を形成したものである。これにより、磁極(仮想磁極J)の強さが増大し、磁界が広い範囲に及ぶ。
これに対して、仮に、例えば、図8に示す8個の永久磁石体41の磁極を、それぞれの磁極の極性が回転方向に対して同じとなるようにした場合には、隣り合う永久磁石体41の対向する磁極面411は互いに異なる極性となり、したがって16個の磁極が形成されることとなる。また、4個の永久磁石体41を用いて同様の構成とした場合には、8個の磁極が形成されることとなる。
つまり、対向する磁極面411が互いに異なる極性となるようにした場合には、4個の永久磁石体41で8個の磁極が形成されることとなるが、本実施形態では、対向する磁極面411が互いに同じ極性となるようにすることによって、8個の永久磁石体41で8個の磁極(仮想磁極J)を形成したものであり、4個の永久磁石体41を用いて8個の磁極を形成する場合と比べて磁極(仮想磁極J)の強さが増大する。
このように、本実施形態では、8個の永久磁石体41を用いて、同じ8個の磁極(仮想磁極J)を形成したので、仮想磁極Jに磁界が集まって磁極の強さが大きくなり、また仮想磁極Jの近辺において強い磁界が広い範囲にわたって形成される。そのため、仮想磁極Jと鉄心31との間の磁気作用がより増大し、回転トルクが増大するのである。
次に、図9および図10を参照して、電動機1における回転トルクの発生原理について説明する。図9は左方向回転の場合、図10は右方向回転の場合を示す。
図9(A)には、1つの永久磁石体41が最上位置にある「YA1」の鉄心31と対向した状態が示されている。つまり、鉄心31の中心線LKと永久磁石体41の中心線LTとが一致した状態である。
最上位置の永久磁石体41は、図の右側がS極、左側がN極である。つまり、「YA1」の鉄心31の右側に仮想磁極JSが、左側に仮想磁極JNが、それぞれ形成されている。この状態で、「YA1」の鉄心31の捲線32に電流を流し、鉄心31の端面がN極となるように励磁する。
そうすると、「YA1」のN極と仮想磁極JNとの間は反発し、仮想磁極JSとの間は吸引するので、回転子13,17は左方向(矢印DSの方向)に回転する。つまり左方向に回転起動する。このときの回転トルクは、仮想磁極Jが強力であること、反発と吸引との両方の作用によることなどから、大きなものとなる。
また、回転子13,17が回転している間において、回転角度が大きくならない範囲で、「YA1」のN極と仮想磁極Jとの反発、吸引による回転トルクが発生する。例えば、吸引作用は、仮想磁極JSが「YA1」の鉄心31の端面に達するまでは確実に発揮され、次の永久磁石体41のS極が鉄心31の端面に達する手前まで発揮される可能性もある。
図9(B)に示す状態は、図9(A)に示す状態から回転子13,17が左方向にオン角度θ2だけ回転した状態である。この状態では、仮想磁極JSは「YA1」の鉄心31の端面を通過しているが、次の永久磁石体41との間ではそのS極との間に吸引力による回転トルクが依然として発生しているといえる。
このように、「YA1」のN極と仮想磁極Jとの磁気作用によって回転トルクが発生する回転角度範囲が広く、効率よく回転トルクを発生させることができる。
したがって、回転子13,17に回転トルクを発生させるために捲線32に流す電流の期間(回転角度)を大きく(広く)することができ、回転トルクが発生する効率が高くなり、電動機1の小型化および高出力化を図ることができる。
図9において、「YA1」の鉄心31の捲線32への電流は、例えば、図9(A)の状態でオンを開始し、オン角度θ2回転した図9(B)の状態でオフにする。オン角度θ2は、22度乃至40度、例えば33度乃至35度、さらに具体的には例えば34度とすることができる。
図9の例では、捲線32への電流のオンを、図9(A)の状態つまり鉄心31の中心線LKと永久磁石体41の中心線LTとが一致したときとしたが、永久磁石体41の中心線LTが鉄心31の中心線LKよりも右側にあるときとしてもよい。
つまり、図9(A)に示す状態よりも、仮想磁極JNが「YA1」の鉄心31にもっと近い位置にあるときに電流をオンしてもよい。例えば、永久磁石体41のN極の角部が鉄心31の中心線LKと一致したとき、または、仮想磁極JNが鉄心31の中心線LKと一致したときに、「YA1」の鉄心31の捲線32への電流をオンすることも可能である。このようにした場合に、オン角度θ2を、45度、またはそれ以上に広くすることが可能である。
図10(A)(B)に示す図は、図9(A)(B)に示す図と大体において左右に線対称となっている。以下、相違点を中心に説明する。
図10(A)において、最上位置の永久磁石体41は、図の右側がN極、左側がS極である。この状態で、「YA1」の鉄心31の捲線32に電流を流し、鉄心31の端面がN極となるように励磁する。そうすると、回転子13,17は右方向(矢印DRの方向)に回転する。つまり右方向に回転起動する。
図10(B)に示す状態は、図10(A)に示す状態から回転子13,17が右方向にオン角度θ2だけ回転した状態である。つまり、「YA1」のN極と仮想磁極Jとの磁気作用によって右方向への回転トルクが発生する。
この場合も、回転子13,17に回転トルクを発生させるために捲線32に流す電流の期間(回転角度)を大きくすることができ、回転トルクが発生する効率が高くなり、電動機1の小型化および高出力化を図ることができる。
図9(A)と図10(A)との相違は、回転子13,17の初期角度位置が45度異なる点であり、この相違によって回転方向が互いに逆になる。つまり、回転子13,17の初期角度位置を制御することにより、捲線32への同じ電流制御によって回転方向を逆にすることができる。
また、回転子13,17の初期角度位置が図10(A)に示す状態であっても、捲線32に流す電流の向きが逆になるように電流制御することによって、図9(A)の場合と同じ矢印DS方向に回転させることができる。つまり、回転子13,17の初期角度位置を何らかの方法で検出すれば、電流制御によって電動機1を起動することができ、したがって起動可能な初期角度位置の範囲が広い。
次に、電動機1におけるディテントトルクについて説明する。
永久磁石体41と鉄心31との間には、永久磁石体41の磁力による吸引力が作用し、これによってディテントトルク(コギングトルク)が発生する。ディテントトルクの大きさと方向を含むパターンは、電動機1M1および電動機1M2のそれぞれにおいて、隣り合う2つの鉄心31の中心角β1(=45度)ごとに繰り返される。しかし、電動機1M1と電動機1M2とでは配置ずれ角δが22.5度であり、これによって電動機1M1に発生するディテントトルクと電動機1M2に発生するディテントトルクとが互いに打ち消し合い、全体のディテントトルクが大幅に低減されることとなる。
つまり、電動機1M1の回転子13と電動機1M1の回転子17とは、永久磁石体41によるディテントトルクの変化について、互いに逆の位相であるということになり、それぞれのディテントトルクが互いに打ち消し合って、合成されたディテントトルクはゼロになるか、または大幅に低減される。
ディテントトルクが低減されることにより、電動機1の効率が向上する。例えば、回転子13,17の直径が100mmの電動機1を用いて試験を行ったところ、電動機1M1または電動機1M2を単独で用いた場合の出力トルクに対し、これらを連結して図に示す電動機1として用いた場合の出力トルクは、2倍ではなく、2.5〜2.6倍程度に増大した。
このように、第1の実施形態の電動機1では、A相、C相、B相、D相の4相による回転磁界を、電動機1M1にはA相とB相を、電動機1M2にはC相とD相を、それぞれ担当させ、一体に連結された回転子13,17を回転駆動するように構成される。そして、電動機1M1における回転子13のディテントトルクと電動機1M2における回転子16のディテントトルクとを相殺することにより、全体のディテントトルクを大幅に低減したのである。
なお、上に述べた実施形態において、電動機1Mを2つの電動機1M1,1M2によって構成した。しかし、いずれか一方を発電機とすることにより電動発電機として構成してもよく、また、両方を発電機としてもよい。いずれの場合も、ディテントトルクが大幅に低減され、効率が向上する。
〔制御などに関して〕
〔電動機における制御〕
次に、電動機1の制御について説明する。
図1および図11において、回転軸11の回転角度位置を検出するために、フォトインタラプタ61a〜dが設けられている。回転軸11には、遮蔽円板62が取り付けられて一体に回転し、遮蔽円板62の回転角度位置によって、フォトインタラプタ61a〜dがオンオフする。
つまり、フレーム21の端面に対して、取付け板63が、取り付け用の長孔63a,63a…を利用してネジなどにより固定されている。取付け板63には、4個のフォトインタラプタ61a〜dがネジによって取り付けられている。図11に示すように、フォトインタラプタ61a〜dは、左回転方向に沿って、フォトインタラプタ61b,61d,61a,61cの順に、互いに22.5度(=β4)の等間隔で取り付けられている。
遮蔽円板62には、4つのスリット62S1〜4が、互いに90度の等間隔で設けられ、スリット62S1〜4がフォトインタラプタ61a〜dの位置にきたときに、それに対応したフォトインタラプタ61a〜dがオンする。フォトインタラプタ61a〜dのオンオフ信号に基づいて、回転軸11の回転角度位置、つまり回転子13,17の回転角度位置が検出される。
図11に示す遮蔽円板62では、各スリット62S1〜4の開口部の中心角θ1が34度であり、したがって、フォトインタラプタ61a〜dは、遮蔽円板62の1回転において、4回にわたって角度θ1(=34度)の範囲においてオンする。角度θ1は、34度以外に種々変更し設定することができる。例えば、33〜35度の範囲、例えば33度、35度、また、22〜40度の範囲、例えば22度、22.5度、25度、30度、36度、40度、その他の角度に設定することができる。
取付け板63を取り付ける回転角度位置を調整することにより、4個のフォトインタラプタ61a〜dの全体の回転角度位置を調整することができ、これにより、フォトインタラプタ61a〜dがオンするタイミングを調整することができる。つまり、回転子13,17に対してフォトインタラプタ61a〜dがオンする回転角度位置を調整することができる。スリット62S1〜4の周縁部には、スリット62S1〜4とフォトインタラプタ61a〜dとの角度位置関係を確認するための目盛り62Mが設けられている。
なお、取付け板63を取り付けるフォトインタラプタ61a〜dのそれぞれの回転角度位置を、個別に調整できるようにしてもよい。
図11に示す遮蔽円板62のスリット62S1〜4の回転角度位置は、上に述べた図4〜図8に示す回転子13,17の回転角度位置に対応しており、この状態で連結されて一体的に回転する。
図11に示す状態では、最上位置のスリット62S1によってフォトインタラプタ61aがオンを開始し、遮蔽円板62が矢印DSの方向へ角度θ1だけ回転する間、オンが維持される。遮蔽円板62が矢印DSの方向へ22.5度回転すると、次にフォトインタラプタ61cがオンを開始し、その位置からさらに角度θ1だけ回転する間、オンが維持される。そして、遮蔽円板62が矢印DSの方向へ22.5度回転すると、今度は次のスリット62S2によってフォトインタラプタ61b、61dが順次オンとなり、それぞれ角度θ1の範囲においてオンが維持される。
このように、遮蔽円板62の矢印DSの方向への回転により、図11の位置から、フォトインタラプタ61a,61c,61b,61dの順に、それぞれ角度θ1の範囲でオンする。
なお、遮蔽円板62を取り付けた回転角度位置を調整することにより、フォトインタラプタ61a〜dがオンするタイミングを調整することができる。例えば、遮蔽円板62を矢印DSの方向に角度θ3だけ回転させてフォトインタラプタ61aがフォトインタラプタ61aTで示される位置となるようにすると、フォトインタラプタ61a〜dのオンするタイミングは、それぞれ角度θ3だけ遅れる。フォトインタラプタ61a〜dのオンするタイミングを遅らせまたは早くすることにより、電動機1Mの出力トルクを調整することができる。本実施形態では、トルク調整可能な角度θ3の範囲は、20度程度である。
また、遮蔽円板62のスリット62S1〜4の回転角度位置を変更することによって、電動機1Mの回転駆動方向を逆にすることができる。例えば、遮蔽円板62を、図11に示す最上位置のスリット62S1の右端がフォトインタラプタ61aの中央に位置するように調整すると、回転子13,17の回転方向は矢印DSとは逆方向になる。
図12には制御装置71の構成の例が示され、図13には制御装置71による電動機1Mの捲線32の電流のオンオフの制御の様子が示されている。
図12において、制御装置71は、ゲート制御部72およびスイッチング部73を備える。スイッチング部73は、A相スイッチング部73A、C相スイッチング部73C、B相スイッチング部73B、およびD相スイッチング部73Dを有する。
ゲート制御部72は、フォトインタラプタ61a〜dの出力する信号S1a〜dに基づいて、電動機1Mの各捲線32に流す電流をオンオフするためのタイミング信号S2A,S2C,S2B,S2Dを作成する。
つまり、図9(A)に示すように、右側がS極である永久磁石体41の中心線LTが、各相に対応する鉄心YA,YC,YB,YDの中心線LKと一致したときに、またはその若干の回転角度を前後したときに、対応するスイッチング部73A,73C,73B,73Dがオンするように制御する。そして、それぞれオンした後、オン角度θ2だけ回転したときに、それぞれ対応するスイッチング部73A,73C,73B,73Dがオフするように制御する。
ここでのオン角度θ2は、永久磁石体41および鉄心31の形状、配置、負荷の大きさなどによって異なり、最適のオン角度θ2となるように調整される。本実施形態では、θ2=34度(機械角)となるように調整されるが、34度以外の適当な角度とすることが可能である。
また、オン角度θ2を、θ2=θ1とし、フォトインタラプタ61a〜dがオンする角度θ1と一致させることができる。つまり、フォトインタラプタ61a〜dがオンする角度θ1とスイッチング部73A,73C,73B,73Dがオンするオン角度θ2とを一致させてもよい。この場合に、ゲート制御部72は、フォトインタラプタ61a〜dの信号S1a〜dのタイミングに合わせて、タイミング信号S2A,S2C,S2B,S2Dを出力すればよい。例えば、フォトインタラプタ61a〜dの信号S1a〜dをそのままタイミング信号S2A,S2C,S2B,S2Dとして出力してもよい。
各相のスイッチング部73A,73C,73B,73Dの出力端子には、それぞれに対応する相の鉄心YA,YC,YB,YDの捲線32が並列に接続されている。各相のスイッチング部73がオンすることにより、捲線32に電流が流れ、対応する鉄心YA〜YDが励磁される。鉄心YA〜YDの端面と仮想磁極Jとの間で反発力または吸引力が生じ、これによって回転トルクが発生し、回転軸11が回転駆動される。
制御装置71には、電源を供給するための端子TB1,2が設けられ、端子TB1,2に直流電源が接続される。直流電源として、例えば、電圧が12ボルト、24ボルト、34ボルト程度、またはそれ以上の電圧の安定化直流電源、またはバッテリーなどを用いることができる。
その他、回転軸11、固定子12,16、回転子13,17、フレーム21、鉄心31、捲線32、永久磁石体41、電動機1M1,1M2、または電動機1の各部または全体の構成、構造、形状、個数、配置、方向、極性などは、本発明の主旨に沿って適宜変更することができる。各実施例の構成、構造、形状、個数などを相互に入れ替えて組み合わせてもよい。
1 電動機
1M1 電動機(第1の電動機)
1M2 電動機(第2の電動機)
11 回転軸
12,16 固定子
13,17 回転子
21 フレーム
31 鉄心
32 捲線
41 永久磁石体
411 磁極面
71 制御装置
J,JN,JS 仮想磁極
LT 中心線
LK 中心線
θ1 スリットの中心角
θ2 オン角度
β1 鉄心の中心角
β4 鉄心についての配置位相角
γ1,γ2 位相角
δ 配置ずれ角

Claims (17)

  1. 捲線を備えたN個(Nは2以上の整数)の鉄心が円周方向に沿って等間隔で配置された固定子と、
    M個(Mは2以上の整数)の永久磁石体が円周方向に沿って等間隔で配置された回転子と、を備え、
    前記回転子において、
    前記永久磁石体はそれぞれ円周方向に沿ってN極とS極の磁極が形成され、
    円周方向に隣り合う前記永久磁石体は対向する磁極面が互いに同じ極性となるように配置されており、
    隣り合う前記永久磁石体の対向する磁極面の間の空間に形成される磁界と前記捲線に流れる電流で生じる磁界との間の吸引力または反発力によって、前記回転子に回転トルクを発生させるように構成された、
    ことを特徴とする電動機。
  2. 隣り合う前記永久磁石体の対向する磁極面の間における円周方向の中央位置を仮想磁極位置として、前記仮想磁極位置にはそれを挟む2つの前記永久磁石体の対向する磁極面と同じ極性の仮想磁極が形成され、
    M個の前記永久磁石体によるM個の前記仮想磁極が、前記捲線に流れる電流に基づいてN個の前記鉄心により生じる回転磁界に同期して回転する、
    請求項1記載の電動機。
  3. 前記鉄心の捲線に、それぞれ、前記鉄心の端面を前記回転子の前記仮想磁極が通過してから次の前記仮想磁極が通過するまでの間の所定の回転角度θ2の間において、通過した前記仮想磁極との間で反発力が生じるように電流を供給する、
    請求項1または2記載の電動機。
  4. 前記電流の供給を、通過した前記仮想磁極と次に通過する仮想磁極との間の中央位置から開始する、
    請求項3記載の電動機。
  5. 前記電流の供給を、通過した前記仮想磁極と次に通過する仮想磁極との間にある前記永久磁石体が前記鉄心の端面を通過するときから開始する、
    請求項3記載の電動機。
  6. N=Mである、
    請求項3ないし5のいずれかに記載の電動機。
  7. 2N=3Mである、
    請求項3ないし5のいずれかに記載の電動機。
  8. NおよびMはいずれも8である、
    請求項3ないし5のいずれかに記載の電動機。
  9. 前記回転角度θ2は、22度乃至40度である、
    請求項8記載の電動機。
  10. 前記回転角度θ2は、33乃至35度である、
    請求項9記載の電動機。
  11. 第1の電動機と第2の電動機とが互いに連結されて構成され、
    前記第1の電動機および前記第2の電動機は、それぞれ、前記固定子および前記回転子を備え、
    前記第1の電動機における前記固定子と前記回転子との位相角と、前記第2の電動機における前記固定子と前記回転子との位相角との差である配置ずれ角が、(180/N)度となるように、前記固定子および前記回転子が配置されている、
    請求項1ないし5のいずれかに記載の電動機。
  12. NおよびMはいずれも8であり、
    前記第1の電動機の前記鉄心の8個の前記捲線は、円周方向に沿って交互に4個のA相と4個のB相とに区分され、
    前記第2の電動機の前記鉄心の8個の前記捲線は、円周方向に沿って交互に4個のC相と4個のD相とに区分され、
    前記第1の電動機および前記第2の電動機の前記固定子に、A相、C相、B相、D相の順に移動する回転磁界が形成されるよう、前記捲線に電流が供給される、
    請求項11記載の電動機。
  13. 前記第1の電動機または前記第2の電動機において、
    前記固定子として、中央部に胴部をその両端に脚部を有し両側の端面が回転の中心方向を向いた形状の鉄心が用いられ、
    前記回転子として、前記鉄心の一方の端面に対向して回転するA回転子および他方の端面に対向して回転するB回転子の2つの前記回転子を備え、
    前記A回転子の前記永久磁石体と前記B回転子の前記永久磁石体とは、互いに同じ位相角で配置され、かつ、磁極の極性が互いに逆である、
    請求項11または12記載の電動機。
  14. 電動機の制御装置であって、
    前記電動機は、
    捲線を備えたN個(Nは2以上の整数)の鉄心が円周方向に沿って等間隔で配置された固定子と、M個(Mは2以上の整数)の永久磁石体が円周方向に沿って等間隔で配置された回転子と、を備え、
    前記回転子において、
    前記永久磁石体はそれぞれ円周方向に沿ってN極とS極の磁極が形成され、円周方向に隣り合う前記永久磁石体は対向する磁極面が互いに同じ極性となるように配置されており、
    前記制御装置は、
    隣り合う前記永久磁石体の対向する磁極面の間の空間に形成される磁界と前記捲線に流れる電流で生じる磁界との間の吸引力または反発力によって、前記回転子に回転トルクを発生させるように、前記捲線に電流を供給する、
    ことを特徴とする電動機の制御装置。
  15. 前記制御装置は、
    前記鉄心の捲線に、それぞれ、前記永久磁石体が前記鉄心の端面を通過するときから所定の回転角度θ2の間において、電流を供給する、
    請求項14記載の電動機の制御装置。
  16. N=Mであるか、または2N=3Mである、
    請求項15記載の電動機の制御装置。
  17. NおよびMはいずれも8であり、
    前記回転角度θ2は、33度乃至35度である、
    請求項15記載の電動機の制御装置。
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