JP3012245B2 - 交流回転機 - Google Patents

交流回転機

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JP3012245B2
JP3012245B2 JP1009498A JP949889A JP3012245B2 JP 3012245 B2 JP3012245 B2 JP 3012245B2 JP 1009498 A JP1009498 A JP 1009498A JP 949889 A JP949889 A JP 949889A JP 3012245 B2 JP3012245 B2 JP 3012245B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、円形状に配置された電機子巻線に交流電流
を通じることで回転力を得る交流回転機に関する。
[従来の技術] 従来より、安定した回転力の得られる交流回転機器と
しては同期機が公知である。一般的な同期機の構成は、
次のようである。
第5図は、回転界磁形の三相同期機100の構成を簡略
的に示す原理説明図である。図示するように、固定子側
の電機子102は、透磁率の高い円環状鉄心104の周方向に
連続形成されたスロット106に電機子コイル108を埋め込
み構成される。スロット106に埋め込まれる電機子コイ
ル108は、三相の場合には3つのスロットにわたって1
つの電機子コイル108を巻装し、その電機子コイル108の
鎖交する両端のスロット106には他の2つの電機子コイ
ル108が埋め込まれている。
このように互いに鎖交し合う各電機子コイル108に対
して、その配列順序に従って周期的(第5図中、U,V,W
相として記載している規則性)に三相交流電流の所定の
相の電流を通じるならば、空間的に略正弦波状に変化す
る磁界が発生する。また、公知のようにこの略正弦波状
の磁極は、電機子コイル108に供給する三相交流電流の
1サイクルの変化に伴って電気角2πだけ移動する、い
わゆる回転磁界となる。
従って、上記電機子102に所定間隙110を有して設けら
れる回転子112は、磁性体からなる円筒体114の周面に、
電機子102の作る回転磁界に対応して永久磁石116を取り
付けて構成される。すなわち、第5図に示すように、三
相の交流電流が供給される1組(3つ)の電機子コイル
108が巻装される空間角内に、N極及びS極を間隙110に
配するように2つの永久磁石116が取り付けられる。
このため公知の同期機は、界磁の極数をp、電機子に
供給する交流電源の周波数をfとするならば、回転数n
は(1)式で表される同期速度に一致するようになる。
従って、上記構成の同期機は、特に回転速度の安定が
望まれる用途に対して広く利用されている。
[発明が解決しようとする課題] 上記のごとく同期機は、安定した回転を得るために開
発されたものではあるが、以下の理由により回転トルク
に微細なむらが存在し、いわゆるコギングが発生すると
いう課題が残されている。
第6図は、上記第5図に示した三相同期機の電機子コ
イル108に上述した規則性に則って三相交流電流を通じ
るとき、その間隙110に発生する回転磁界の原理説明図
である。この図は、ある瞬間における各相の電機子コイ
ル108により発生する磁界をそれぞれ独立に示し、これ
らの合成磁界が略正弦波になる様子を概略的に表してい
る。
図示する瞬間は、U相の交流電流が通じられる電機子
コイル108により最大のN極の磁界が発生し、V相及び
W相の交流電流が通じられる電機子コイル108によりそ
の大きさは半分であるS極の磁界が発生している。ま
た、その発生する磁界の空間的位置は、その磁界を発生
する各電機子コイル108直下の空間部分である。前述の
ごとく、異なる相の交流電流が通じられる各電機子コイ
ル108は、互いに空間的に一部を鎖交して配置されてい
る。従って、各電機子コイル108の発生している磁界
は、その鎖交する部分において同極の磁束は加え合わさ
れ、異極の磁束は相殺される。このため、第6図に示す
ように、その合成磁界は略正弦波の磁界となるのであ
る。
そして、上記略正弦波の磁界が、電機子コイル108に
通じられる三相交流の位相の変化にともなって徐々に回
転する回転磁界となるため、その磁界と吸引し合ってい
る回転子112が回転することになる。すなわち、第6図
に示す略正弦波の回転磁界と永久磁石116との磁気作用
により駆動力が得られるのである。
しかし、第6図より明らかなように、電機子コイル11
8により作り出される回転磁界は、実際には正弦波から
歪を生じている。すなわち、その回転磁界は、時間の経
過と共に円滑に回転するのではなく、その歪に起因した
変則的な回転速度で回転しているにすぎない。
従って、従来の同期機の回転子の回転を詳細に調べる
ならば、巨視的には回転速度は同期速度に一致するもの
の、微視的には小さなトルク変動に基づく回転むらが発
生しており、完全に円滑な回転力が得られていなかっ
た。
本願に係る発明は、回転トルクの変動が少なく、構成
が簡単でかつ高効率である、優れた交流回転機を提案す
ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するためになされた本発明の交流回転
機の構成は、 界磁鉄心に円形状に配列された多数の永久磁石により
作られる界磁と円形状に連続して形成される電機子歯間
に電磁子コイルを嵌入してなる電機子とを相互に回転自
在となるように所定間隙を有して対向させて保持し、 前記電機子コイルに多相交流を通じたときに電機子を
作り出す磁界と前記永久磁石の作り出す磁界との磁気作
用により、前記界磁と前記電機子との相対位置を連続的
に変化させる交流回転機において、 前記電機子が、1の電機子歯を巻装するように1の電
機子コイルを嵌入して構成され、 前記界磁が、前記多相交流電流の相数に等しい数の前
記電機子歯が配置される空間内に前記相数より1つ多い
数の永久磁石を極性が交互になるように配置した多数の
永久磁石により構成され、 前記電機子歯と界磁鉄心との間の磁気抵抗を、隣合う
電機子歯間の磁気抵抗と比較すると、前者が後者より小
さい磁気抵抗となるように、隣合う前記電機子歯、およ
び前記界磁鉄心が構成された ことを特徴とする。
[作用] 本発明の交流回転機の電機子は、各電機子歯に電機子
コイルが相互に独立して配置される。そして、その界磁
は、電機子コイルに通じられる多相交流電流の相数に等
しい数の電機子歯が配置される空間内に、相数より1つ
多い数の永久磁石を極性が交互になるように配置して構
成される。
従って1組の電機子コイル及び電機子歯が単独に1つ
の磁界を作り出し、その磁界は他の電機子コイル及び電
機子歯の作る磁界から影響を受けない。そしてその磁界
は、電機子コイルに供給される多相交流電流にしたが
い、円滑な正弦波状の変化によりN極、S極へと連続的
に変化する。
また、界磁の永久磁石は、上記のごとく連続的に変化
する磁界中に置かれ、電機子コイルにより作り出された
任意の1つの磁界は、必ず2以上の複数の永久磁石と磁
気作用を及ぼし合う関係が成立する。
故に、電機子と界磁との位相関係により、回転トルク
に極大あるいは極小の変動が現れることなく、電機子と
界磁との相対位置はスムースに変化することになる。
更に、隣合う電機子と界磁との相対位置関係は、電機
子歯と界磁鉄心との間の磁気抵抗が、隣合う電機子歯間
の磁気抵抗よりも小さな値になるようにされている。
従って、電機子コイルにより電機子歯を発端とする磁
力線の大部分は界磁と直接作用しあい、隣合う電機子歯
との漏れ磁束は極力抑えられ、電気エネルギーの機械エ
ネルギーへの変換が高効率に達成される。
以下、本発明をより具体的に説明するため実施例を挙
げて詳述する。
[実施例] 第1図は、実施例の交流回転機10をその回転軸に直角
な断面により表した概略端面図である。なお、実施例の
交流回転機10は、電力源として三相交流を用いる構成の
ものを例示している。
図示するごとく交流回転機10の機械的構成は、従来の
回転界磁形同期機の構成に類似している。
すなわち、固定子である電機子20は、電機子鉄心22と
その電機子鉄心22に装着される電機子コイル24とから構
成される。電機子鉄心22は、うず電流損失が少なくな
り、また予め所定形状に巻形成された電機子コイル24が
簡便に埋め込み一体化されるように、次のように構成さ
れる。多数の厚さ0.数[mm]のけい素鋼板を、電機子コ
イル24を嵌着するスロット22aが円形状に連続形成さ
れ、そのスロット22aに挟まれた位置に電機子コイル24
の作る磁束の通路となる電機子歯22bが形成されるよう
打ち抜き成形し、これらのけい素鋼板を互いに絶縁積層
して製造される。また、電機子コイル24は、電機子鉄心
22に形成されたスロット22aに嵌着するのに適した形状
に導線を所定回数だけ巻形成し、これを絶縁被覆して構
成される。
しかし、上記巻形成される電機子コイル24の形状が従
来の回転界磁形同期機と異なる。図に示すように各電機
子コイル24の形状は、電機子鉄心22に形成された互いに
隣接し合うスロット22aに埋め込まれに適した形状であ
り、従来に比較して細長い形状をしている。そして、各
電機子コイル24は、互いに重複することなく、完全に独
立して電機子鉄心22のスロット22aに嵌着され、一体化
される。このため、1の電機子コイル24の作る磁束は、
その電機子コイル24のコイル磁心となる1の電機子歯22
bを磁路とした1つの磁気回路を構成する。すなわち、
1の電機子歯22bは独立した磁気回路を構成し、他の電
機子歯22bの磁気的状態に影響を与えることはない。
なお、本実施例では、電機子鉄心22にスロット22aを
「24」形成している。従って、電機子鉄心22に嵌着され
る電機子コイル24の総数も「24」である。
回転子である界磁30は、上記電機子コイル24と同様
に、通常の同期機とその構成を異にしている。すなわ
ち、上記のごとく電機子20が構成されるため、この電機
子20の作る磁界はU相,V相,W相の1組の電機子コイル24
により電気角2πの正弦波状磁界が発生するのではな
く、各相の電機子コイル24により独自の磁界が作り出さ
れる。そこで界磁30は、界磁鉄心32の周面に沿って、U
相,V相,W相の1組の電機子コイル24に対向する空間に
「相数+1」、すなわち4個(=3+1)の永久磁石34
を磁極が交互となるように接着して構成される。従っ
て、第1図に示すように本実施例では、U相,V相,W相か
らなる8つの組のそれぞれに4個の永久磁石を接着し、
合計「32個」の永久磁石34を使用している。
なお、上記のごとく構成された電機子20の電機子コイ
ル24に所定の磁界を形成させるため、各電機子コイル24
は接続線40a、40bあるいは40cにより接続され、その配
列順序にしたがって順次位相の異なる三相交流電流が通
じられる。
次に、上記のごとく構成される電機子20と界磁30との
相対的な位置関係につき、第2図を用いて説明する。第
2図は、電機子20と界磁30との相対的な位置関係が明確
となるよう、その対向している部分を一部拡大した拡大
斜視図であり、スロット22aに嵌入される電機子コイル2
4は省略している。また、図中には電機子20及び界磁30
により構成される磁気回路を点線により記載している。
第2図に示すように、電機子20と界磁30との間に磁束
の通路が形成されることで両部材間に磁気的力が作用
し、界磁30が回転力を得ることができる。従って、電機
子20と界磁30との間の磁束密度を上げることが、交流回
転機10の出力トルクの向上につながる。そのため本実施
例では、電機子20と界磁30との位置関係を次のような規
則性の下に決定している。
電機子コイル24の作る磁束の通路となる電機子歯22b
の界磁30と対向する面(図中のa)は、スロット22aに
嵌入した電機子コイル24を保持するため、かつ界磁30と
の対向面積を大きくするために肥大させて形成されてお
り、対向面積Aaを有する。また、隣合う電機子歯22bと
の離隔距離が最も小さな値「1」となる電機子歯22b
先端部の円周方向面(図中のb)は、その電機子歯22b
の先端部の機械的強度がスロット22aに嵌入された電機
子コイル24を保持し、かつ界磁30との間に作用する磁力
に対抗し得るだけの厚みに抑えられ、小さな面積Abを有
している。そして、電機子歯22bの先端部と界磁30の界
磁鉄心32との離隔距離(すなわち、永久磁石34の厚みtp
と電機子20と界磁30との間の間隙tqとを合計した距離)
を値「2」としたとき、これらは次の式を満足するよ
うに構成されるのである。
上記(2)式の意味するところは、前述したように電
機子20と界磁30との間の磁束密度を高めるための磁気回
路の形成である。すなわち、第2図中に点線で示してい
る磁束を作る起磁力は、電機子コイル24と永久磁石34で
ある。また、その磁気回路の磁気抵抗を決定する大きな
要因は、電機子歯22bと永久磁石34との間隙tq及び永久
磁石34の厚みtpの和である離隔距離2である。間隙tq
の間には小さな透磁率μ0の空気が存在し、また永久磁
石34の透磁率μpも次の理由により小さいからである。
磁石材料として使用される磁性体は、第3図に示すよ
うに大きな残留磁束Brと大きな保持力Hcのヒステリシス
特性を有することが必須の条件である。すなわち、極め
て四角形に近い特性を示す。この磁性体を大きな電流に
より磁化して永久磁石34を製造するのであり、永久磁石
34は第3図中のa点またはb点にしめす残留磁束±Brを
保った状態にある。従って、この状態にある永久磁石34
に外部より磁界Hgを加えようとも、磁石内部の磁束密度
Bには△Bの小さな変化しか示さないのであり、永久磁
石34の磁気抵抗は極めて大きく、その透磁率μpは空気
の透磁率μ0と略同一の小さな値となる。故に、第2図
に点線で示す磁気回路の磁気抵抗を小さくし、磁束密度
を高めるためには、(2)式の右辺すなわち、(2×
2/Aa)が小さいことが必要となる。
一方、第2図より視覚的に明らかなように、電機子歯
22bの先端部は、隣合う電機子歯22bとの離隔距離1が
小さくなっている。従って、隣合う電機子歯22b間で、
磁束の漏れが発生する。この漏れ磁束は、電機子20内に
閉回路を構成するのみであり、そのエネルギーは熱とし
て消費されてしまう。すなわち、この漏れ磁束の磁気回
路は、可能な限り大きい磁気抵抗を有するよう構成され
ることが要求され、そのためには(1/Ab)が大きな値
であることが必要となる。
すなわち、上記(2)式を満足するように電機子20と
界磁30との相対的位置関係を決定するとき、交流回転機
10は高い効率で電機エネルギーを機械エネルギーへ変換
する優れた機器となるのである。
以上のように構成される実施例の交流回転機10に三相
交流電流を通じるとき、回転子である界磁30は極めて安
定した回転トルクを発生して回転する。次に、この回転
トルクの発生状況を第4図のタイミングチャートを用い
て詳細に説明する。
第4図(A)は、第1図の電機子コイル24に通じる三
相交流電流、すなわち励磁電流を示している。公知のよ
うに、U相の電流を基準にすれば、V相の電流は電気角
120゜だけ遅れ、W相の電流は更に電気角120゜遅れてい
る。また、図に示す数字「1」ないし「9」は、第4図
(B)に示すタイミングチャートの時刻を示している。
電機子20と界磁30は、第4図(A)に示す公知の三相
電流を電機子コイル24に通じるとき、その電機子コイル
24の作り出す磁界及び界磁30の永久磁石34の磁界との磁
気作用により回転するが、この様子が第4図(B)に詳
細に示されている。
まず、時刻「1」のときについて説明する。このと
き、U相の電機子コイル24には電流が流れておらず磁界
は「0」である。一方、V相及びW相の電機子コイル24
には同じ大きさで方向が逆の励磁電流が流れ、共に同じ
大きさで極性が逆の磁界を発生している。従って、界磁
30の永久磁石34はV相とW相の作る磁界と作用しあい、
V相の直下にS極、W相の直下にN極が共に引き寄せら
れて安定する。
上記第4図(B)の「1」の状態から時間が経過する
につれて、U相の電流が流れはじめてその直下にS極の
磁界が発生する。一方、V相の発生していたN極の磁界
は更に強まり、W相の発生していたS極は弱まり、つい
には「2」に示す状態となる。このとき、界磁30の永久
磁石34は、V相の磁界により強い吸引力を受け、その直
下にS極の永久磁石34が来る位置で安定する。すなわ
ち、上記「1」の安定した状態から僅かに図面左方に変
位した位置で安定し、第1図に示した界磁30は反時計方
向に回転することになる。
更に時間が経過して第4図(A)に示す時刻「3」と
なったときには、上記時刻「1」で示したと極めて近似
した磁界の状態となり、W相の磁界が無くなり、U相及
びV相が同じ大きさで逆極性の磁界を発生する。従っ
て、このときそれぞれの電機子コイル24の直下に異なる
極の永久磁石34が引き寄せられ、前回V相の直下に位置
したS極の永久磁石34は更に図面左方に移動しU相との
境界にまで移動する。すなわち、第1図において、界磁
30は更に反時計方向に移動するのである。
第4図(A)の時刻「4」にまで時間が経過すると、
U相の励磁電流が最大となり、その他の相の励磁電流は
小さくなる。すなわち、上記時刻「2」に近似した磁束
分布となり、U相の直下にN極の永久磁石34が引き寄せ
られる。すなわち、更に界磁30は反時計方向に回転する
のである。
上記の関係は、第4図(B)に示すごとく規則的かつ
連続的に成立し続けるもので、第4図(A)に示す時刻
「9」まで時間が経過したとき、界磁30に接着されてい
る永久磁石34の1個分の角度の回転が完了する。すなわ
ち22.5゜(=360/16)回転する。
以上のように構成される本実施例の交流回転機10によ
れば、次のような効果が明らかである。
電機子20と界磁30との間に作用する電磁力、すなわち
回転トルクは、第4図(B)に示すごとく連続的かつ規
則的な磁気作用により発生するものである。しかも、各
電機子コイル24の発生する磁界は、他の電機子コイル24
からの影響を受けず電源より供給される正弦波の励磁電
流(第4図(A)参照)に基づきスムースな正弦波形状
をして変化する。また、その電機子コイル24の発生する
磁界は、常に2以上の永久磁石34と作用しあう。このた
め、界磁30の回転は極めて安定したものとなり、コギン
グの発生が無く、円滑な回転特性を示す。
また、第1図に示すごとく、電機子コイル24をスロッ
ト22aに嵌着する際には、個々の電機子コイル24を隣合
うスロット22aに挿入するだけでよい。このため回転機
の構成が簡略化され、製造及び保守が簡単となる。例え
ば、使用中に1の電機子コイル24に異常が発生した場
合、その電機子コイル24をスロット22aから取り外す際
に他の電機子コイル24に何等影響を与えることなく簡単
に交換ができる。
更に、各電機子コイル24の作り出す磁界は、他の電機
子コイル24の作り出す磁界により相殺されることなく、
電機子20と界磁30との相対的位置関係は前記(2)式を
満足する。従って、電機子コイル24の発生する磁界のほ
ぼ総てが永久磁石34と作用する。このため、電気−機械
変換効率が上昇し、出力トルクに比較して装置全体が小
型、軽量に構成することができる。
なお、上記実施例は回転界磁形の回転機構成を例示し
ているが、何等この様な構成に限定されるものではな
く、回転電機子形の回転機構成としたり、4相あるいは
それ以上の多相の交流電源により駆動される構成とする
など、本発明の要旨を逸脱しない各種の態様により具現
化してもよい。
[発明の効果] 以上詳述したごとく本発明の交流回転機は、回転手段
の各巻線が空間的に独立して配置され、磁束が鎖交しな
いようにされている。従って、1の巻線により作り出さ
れる磁界は他の巻線により作り出される磁界より相殺さ
れることはない。しかも、電機子と界磁との間の磁気抵
抗が、隣合う電機子歯間の磁気抵抗よりも小さく構成さ
れるため、漏れ磁束が小さく、磁気エネルギーを有効利
用し、高効率の電動機となる。すなわち、同一出力の回
転機をより小型、軽量に製造することができる。
また、回転手段の界磁が、多相交流電流の相数に等し
い数の巻線が配置される空間内にその相数より1つ多い
数の永久磁石を極性が交互になるように配置した多数の
永久磁石により構成されている。このため、各巻線の作
り出す磁界は、必ず2以上の複数の永久磁石と磁気作用
を及ぼし合うことになる。しかも、その巻線の作り出す
磁界は他の磁界からの影響を受けず、電源である多相交
流の正弦波状励磁電流にしたがい正弦波状にスムースに
変化する。従って、界磁と電機子と相対的な位置関係に
対して、界磁と電機子間に作用する磁気的力は極めて安
定し、回転トルクが極めて安定する。
更に、回転手段の巻線を空間的に独立して配置する簡
単な構成であるため設計、使用、保守が容易となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例である交流回転機の断面図、第
2図はその電機子と界磁との相対的位置関係を説明する
ための拡大斜視図、第3図はその界磁に使用される磁石
材料である磁性体のヒステリシス特性、第4図(A)は
その実施例の交流回転機に供給される三相交流電流の位
置関係の説明図、第4図(B)はその三相交流電流によ
り回転する界磁の動作説明図、第5図は従来の同期機の
断面図、第6図は従来の同期機の回転動作の説明図、を
示している。 10……交流回転機、20……電機子 30……界磁、22……電機子鉄心 22a……スロット、22b……電機子歯 24……電機子コイル、32……界磁鉄心 34……永久磁石 40a、40b、40c……接続線

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】界磁鉄心に円形状に配列された多数の永久
    磁石により作られる界磁と円形状に連続して形成される
    電機子歯間に電磁子コイルを嵌入してなる電機子とを相
    互に回転自在となるように所定間隙を有して対向させて
    保持し、 前記電機子コイルに多相交流を通じたときに電機子の作
    り出す磁界と前記永久磁石の作り出す磁界との磁気作用
    により、前記界磁と前記電機子との相対位置を連続的に
    変化させる交流回転機において、 前記電機子が、1の電機子歯を巻装するように1の電機
    子コイルを嵌入して構成され、 前記界磁が、前記多相交流電流の相数に等しい数の前記
    電機子歯が配置される空間内に前記相数より1つ多い数
    の永久磁石を極性が交互になるように配置した多数の永
    久磁石により構成され、 前記電機子歯と界磁鉄心との間の磁気抵抗を、隣合う電
    機子歯間の磁気抵抗と比較すると、前者が後者より小さ
    い磁気抵抗となるように、隣合う前記電機子歯、および
    前記界磁鉄心が構成された ことを特徴とする交流回転機。
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