JP2017229139A - 電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ニッケル水素電池を含むバッテリのメモリ量を高精度に推定するとともに、バッテリを適切に保護しつつバッテリを十分に活用するための技術を提供する。
【解決手段】ECU300は、ニッケル水素電池を含むバッテリ100のメモリ量とバッテリ100の使用開始時からの経過時間との対応関係を示すマップMP1を記憶する。マップMP1は、バッテリ100のOCVと温度Tbとを含んで定義された使用条件毎に区分して定められる。ECU300は、マップMP1を参照して使用条件の区分が変化しない時間内でのメモリ量Mを逐次算出するとともに、算出されたメモリ量Mを使用開始時から積算することによってバッテリ100の積算メモリ量ΣMを推定し、積算メモリ量ΣMを用いて充電電力上限値Winおよび放電電力上限値Woutを設定する。
【選択図】図9

Description

本発明は電池システムに関し、より特定的にはニッケル水素電池を含む電池システムに関する。
ニッケル水素電池においてメモリ効果が生じることが知られている。メモリ効果とは、ニッケル水素電池に蓄えられた電力が完全に消費されていない状態での充電(いわゆる継ぎ足し充電)が繰り返された場合に、ニッケル水素電池の放電電圧が正常時(メモリ効果が生じていないとき)と比べて低くなる現象である。メモリ効果はニッケル水素電池の充電側においても生じる可能性があり、充電側においては充電電圧が正常時と比べて高くなる。
ニッケル水素電池のメモリ効果による電圧変化量(以下「メモリ量」とも称する)を推定するための技術が提案されている。メモリ量を推定することによって、たとえばニッケル水素電池の充電状態(SOC:State Of Charge)の推定精度を向上させることが可能になるためである。たとえば特開2007−333447号公報(特許文献1)は、ニッケル水素電池の開放電圧に基づいてニッケル水素電池の起電力を算出し、算出された起電力とSOCとの関係を用いて起電力からSOCを推定する充電状態推定装置を開示する。特許文献1に開示された充電状態推定装置では、SOCの推定に先立ちメモリ量に応じて開放電圧を補正することによってSOCの推定精度を向上させる。
特開2007−333447号公報
バッテリの充放電を適切に制御するためには、メモリ量を高精度に推定することが求められる。特許文献1に開示の技術ではメモリ量の推定精度に改善の余地が存在する。
また、一般に電池システムでは、バッテリの保護を目的として、バッテリの充放電に制限が設けられる。より詳細には、バッテリへの充電電力がその制御上限値を示す充電電力上限値Winを上回らず、かつ、バッテリからの放電電力がその制御上限値を示す放電電力上限値Woutを上回らないようにバッテリの充放電が制御される。また、バッテリの電圧には、その使用範囲の上限値ULと下限値LLとが定められており、電圧が上限値ULを上回らず、かつ、電圧が下限値LLを下回らないようにバッテリの充放電が制御される。
バッテリからの放電時の電圧は、放電が行われていないときの電圧(OCV:Open Circuit Voltage)よりも放電による電圧降下量だけ低下するので、放電電力が大きいほど電圧が低くなる。バッテリに放電側のメモリ効果が生じた場合には、メモリ効果が生じていない正常時と比べて電圧が低くなり、バッテリの放電に伴い電圧が下限値LLに達しやすくなる。したがって、電圧が下限値LLを下回らないようにするためには、放電電力上限値Wout(絶対値)を正常時と比べて低く設定することが望ましい。しかしながら、放電電力上限値Woutを低く設定し過ぎると、バッテリを保護することはできるものの、バッテリの放電が過度に制限されてバッテリを十分に活用することができない可能性がある。
逆に、バッテリへの充電時の電圧は、充電が行われていないときの電圧(OCV)よりも上昇し、充電電力が大きいほど電圧が高くなる。バッテリに充電側のメモリ効果が生じた場合には、電圧が正常時と比べて高くなるので、バッテリの充電に伴い電圧が上限値ULに達しやすくなる。したがって、電圧が上限値ULを上回らないようにするためには、充電電力上限値Win(絶対値)を正常時と比べて低く設定することが望ましい。しかしながら、充電電力上限値Winを低く設定し過ぎると、バッテリを保護することはできるものの、バッテリの充電が過度に制限されてバッテリを十分に活用することができない可能性がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ニッケル水素電池を含むバッテリのメモリ量を高精度に推定するとともに、バッテリを適切に保護しつつバッテリを十分に活用するための技術を提供することである。
本発明のある局面に従う電池システムは、外部機器に電力を供給する。電池システムは、ニッケル水素電池を含むバッテリと、バッテリと外部機器との間で電力を変換可能に構成された電力変換装置と、制御装置とを備える。制御装置は、バッテリへの充電電力が充電電力の制御上限値を上回らず、かつ、バッテリからの放電電力が放電電力の制御上限値を上回らないように電力変換装置を制御する。制御装置は、バッテリのメモリ効果による電圧変化量を示すメモリ量とバッテリの使用開始時からの経過時間との対応関係を示すデータを記憶する。データは、バッテリの開放電圧と温度とを含んで定義された使用条件毎に区分して定められる。制御装置は、記憶されたデータを参照して使用条件の区分が変化しない時間内でのメモリ量を逐次算出するとともに、算出されたメモリ量を使用開始時から積算することによってバッテリの現在のメモリ量を推定し、推定されたメモリ量を用いて充電電力の制御上限値および放電電力の制御上限値を設定する。
本発明者らの実験結果(後述)によれば所定期間中に生じたメモリ量を設定する主要因がニッケル水素電池の開放電圧と温度とであるところ、上記構成によれば、推定装置には、ニッケル水素電池の使用開始時からの経過時間とメモリ量との対応関係を示すデータが、ニッケル水素電池の開放電圧と温度とを含んで定義された使用条件毎に記憶されている。したがって、推定装置は、ニッケル水素電池の使用条件に対応するデータを参照することにより、使用条件の区分が変化しない時間内でのメモリ量を高精度に算出することができる。そして、高精度に算出されたメモリ量を積算することによって、ニッケル水素電池の現在のメモリ量についても高精度に推定することができる。
さらに、上記構成によれば、上述のようにして推定されたメモリ量を用いて充電電力上限値および放電電力上限値が設定される。このメモリ量は高精度に推定されたものであるため、充電電力上限値を小さく設定し過ぎてバッテリを十分に活用することができなかったり、あるいは充電電力上限値を大きく設定し過ぎてバッテリを適切に保護することができなかったりすることが防止される。放電電力上限値についても同様である。すなわち、バッテリを適切に保護しつつバッテリを十分に活用することが可能になる。
本発明によれば、ニッケル水素電池を含むバッテリのメモリ量を高精度に推定するとともに、バッテリを適切に保護しつつバッテリを十分に活用することができる。
本実施の形態に係る電池システムが搭載された車両の全体構成を概略的に示すブロック図である。 バッテリに含まれるセルの構成を示す図である。 発明者らが実施した3種類の試験結果を説明するための図である。 各使用条件下での経過時間とメモリ量との対応関係を示すタイムチャートである。 メモリ量推定処理を説明するためのタイムチャートである。 積算メモリ量推定処理を示すフローチャートである。 充電電力上限値Winおよび放電電力上限値Woutを設定するためのマップの一例を示す図である。 実施の形態におけるバッテリの放電電力上限値制御を示すタイムチャートである。 本実施の形態におけるバッテリの放電電力上限値制御および充電電力上限値制御を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
以下では、本発明の本実施の形態に係る電池システムがハイブリッド車に搭載される構成を例に説明する。しかし、本実施の形態に係る電池システムが搭載可能な車両はハイブリッド車に限定されず、電気自動車であってもよいし、燃料自動車であってもよい。また、電池システムの用途は車両用に限定されるものではなく、定置用であってもよい。
[実施の形態]
<車両構成>
図1は、本実施の形態に係る電池システムが搭載されたハイブリッド車の全体構成を概略的に示すブロック図である。車両1は、ハイブリッド自動車、電気自動車または燃料自動車であって、モータジェネレータ(MG:Motor Generator)10と、動力伝達ギア20と、駆動輪30と、電力制御ユニット(PCU:Power Control Unit)40と、システムメインリレー(SMR:System Main Relay)50と、電池システム2とを備える。電池システム2は、バッテリ100と、電圧センサ210と、電流センサ220と、温度センサ230と、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)300とを備える。
モータジェネレータ10は、たとえば三相交流回転電機である。モータジェネレータ10の出力トルクは、減速機および動力分割機構を含んで構成された動力伝達ギア20を介して駆動輪30に伝達される。モータジェネレータ10は、車両1の回生制動動作時には、駆動輪30の回転力によって発電することも可能である。モータジェネレータ10に加えてエンジン(図示せず)が搭載されたハイブリッド自動車では、エンジンおよびモータジェネレータ10を協調的に動作させることによって必要な車両駆動力を発生させる。なお、図1ではモータジェネレータが1つだけ設けられる構成が示されるが、モータジェネレータの数はこれに限定されず、モータジェネレータを複数(たとえば2つ)設ける構成としてもよい。
PCU40は、いずれも図示しないが、インバータとコンバータとを含む。バッテリ100の放電時には、コンバータは、バッテリ100から供給された電圧を昇圧してインバータに供給する。インバータは、コンバータから供給された直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータ10を駆動する。一方、バッテリ100の充電時には、インバータは、モータジェネレータ10によって発電された交流電力を直流電力に変換してコンバータに供給する。コンバータは、インバータから供給された電圧を降圧してバッテリ100に供給する。
SMR50は、バッテリ100とPCU40とを結ぶ電流経路に電気的に接続されている。SMR50がECU300からの制御信号に応じて閉成されている場合、バッテリ100とPCU40との間で電力の授受が行なわれ得る。
バッテリ100は、再充電が可能に構成された直流電源であり、本実施の形態ではニッケル水素電池を含んで構成される。バッテリ100に含まれる各セル101の詳細な構成については図2にて説明する。
電圧センサ210は、バッテリ100の電圧Vbを検出する。電流センサ220は、バッテリ100に入出力される電流Ibを検出する。温度センサ230は、バッテリ100の温度Tbを検出する。各センサは、その検出結果をECU300に出力する。なお、電圧センサは、セル毎に1つずつ設けられていてもよいし、複数個のセル(たとえば数個)毎に1つずつ設けられていてもよい。この場合は、各セルまたは複数個のセル毎にメモリ量(後述)を推定してもよい。同様に、温度センサもセル毎に1つずつ設けられていてもよいし、複数個のセル毎に1つずつ設けられていてもよい。
ECU300は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ(ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory))302と、タイマ303と、入出力バッファ(図示せず)と等を含んで構成される。ECU300は、各センサから受ける信号、ならびにメモリ302に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両1および電池システム2が所望の状態となるように各機器を制御する。ECU300により実行される主要な処理として、バッテリ100に生じたメモリ効果による電圧変化量の推定処理と、推定された電圧変化量に基づく充電電力上限値Winおよび放電電力上限値Woutの設定処理とが挙げられるが、これらの処理については後述する。
図2は、バッテリ100に含まれるセル101の構成を示す図である。各セル101の構成は共通であるため、図2では1つのセル101のみを代表的に示す。セル101は、たとえば角形密閉式のセルであり、ケース102と、ケース102に設けられた安全弁103と、ケース102内に収容された電極体104および電解液(図示せず)とを含む。なお、図2ではケース102の一部を透視して電極体104を示す。
ケース102は、いずれも金属からなるケース本体および蓋体を含み、蓋体がケース本の開口部上で全周溶接されることにより密閉される。安全弁103は、ケース102内部の圧力が所定値を超えると、ケース102内部のガス(水素ガス等)の一部を外部に排出する。電極体104は、正極板と、負極板と、セパレータとを含む。正極板は袋状のセパレータ内に挿入されており、セパレータ内に挿入された正極板と、負極板とが交互に積層されている。正極板および負極板は、図示しない正極端子および負極端子にそれぞれ電気的に接続される。
電極体104および電解液の材料としては従来公知の各種材料を用いることができる。本実施の形態においては、一例として、正極板には、水酸化ニッケル(Ni(OH)またはNiOOH)を含む正極活物質層と、発泡ニッケルなどの活物質支持体とを含む電極板が用いられる。負極板には、水素吸蔵合金を含む電極板が用いられる。セパレータには、親水化処理された合成繊維からなる不織布が用いられる。電解液には、水酸化カリウム(KOH)または水酸化ナトリウム(NaOH)などを含むアルカリ水溶液が用いられる。
<バッテリのメモリ効果>
以上のように構成された電池システム2において、バッテリ100のメモリ効果による電圧変化量(電圧降下量または電圧上昇量)を示す「メモリ量」を高精度に推定することが求められる。
本発明者は、後述する3種類の実験結果から、メモリ量の大きさを定める主要因として、バッテリ100の電圧Vb(より詳細には開放電圧)および温度Tbに関する条件に着目した。以下では、バッテリ100の開放電圧(OCV:Open Circuit Voltage)と温度Tbとの組合せを含んで定義される条件をバッテリ100の「使用条件」とも称する。さらに、本発明者は、ある期間中に生じたメモリ量を推定する際には、その期間以前のバッテリ100の「使用条件」については考慮しなくてよいことに着目した(後述)。
これらの知見に基づいて、本実施の形態においては、所定期間中に生じたメモリ量を逐次積算することによって、その積算値である総量としてのメモリ量(以下「積算メモリ量」とも称する)を推定する。このような手法を採用することにより、実験結果またはシミュレーション結果を用いて所定期間中のメモリ量を高精度に推定することができれば、その積算メモリ量についても高精度に推定することが可能になるためである。以下、この手法について詳細に説明する。
図3は、本発明者が実施した3種類の実験結果を説明するための図である。図3(A)に示すように、3種類の実験とは、バッテリ100の定電圧試験、放置試験およびサイクル試験である。
定電圧試験とは、所定期間(図3に示す例では数日間)、図示しない外部電源を用いてバッテリ100外部からバッテリ100に電圧を印加することによってバッテリ100の電圧Vbを一定に保持する試験である。放置試験とは、外部電源による電圧印加を行なうことなく所定期間、バッテリ100を放置する試験である。放置試験ではバッテリ100の自己放電によるSOC低下の影響が現れるのに対し、定電圧試験では自己放電によるSOC低下の影響が現れない。したがって、これらの試験結果を比較することによって、バッテリ100の自己放電がメモリ量に与える影響の大きさを求めることができる。
サイクル試験とは、所定期間、所定のSOC幅でバッテリ100の充放電を繰り返し行なう試験である。充放電電流の大きさが互いに異なる複数のサイクル試験の結果を比較することによって、充放電電流がメモリ量に与える影響の大きさを求めることができる。
バッテリ100の温度TbがT1(室温)の場合と、温度TbがT1よりも高いT2(高温)の場合とで、いずれも等しい期間(上記所定期間)に亘って3種類の試験を実施した結果を図3(B)に示す。白い正方形のマーカは温度T1における定電圧試験結果を示し、白い円形のマーカは温度T1における放置試験結果を示し、白い菱形のマーカは温度T1におけるサイクル試験結果を示す。黒い正方形のマーカは温度T2における定電圧試験結果を示し、黒い円形のマーカは温度T2における放置試験結果を示し、黒い菱形のマーカは温度T2におけるサイクル試験結果を示す。
図3(B)において、横軸はバッテリ100(あるいは各セル101)のOCVを表し、縦軸はメモリ量(ここでは放電時の電圧低下量)Mを表す。図4(B)に示すように、OCVが所定範囲内の場合にメモリ量Mが特に大きい。また、バッテリ100の温度Tbが高いほどメモリ量Mが大きくなる。これらの結果から、バッテリ100のOCVと温度Tbとの組合せにより定義される使用条件(OCV,Tb)に応じて、所定期間中に生じたメモリ量が定まることが分かる。
その一方で、各温度T1,T2において、定電圧試験結果(正方形のマーカ参照)と放置試験結果(円形のマーカ参照)とは互いに近い箇所にプロットされる。このことから、バッテリ100の自己放電がメモリ量に与える影響が相対的に小さいことが分かる。さらに、サイクル試験結果(菱形マーカ参照)も他の2つの試験結果(正方形および円形のマーカ参照)に近い箇所にプロットされる。このことから、バッテリ100の充放電電流についてもメモリ量に与える影響が比較的小さいことが分かる。
なお、OCVとSOCとの間には相関関係が存在するので、OCVに代えてSOCを横軸に用いた場合でも図3(B)と同様の結果が得られる。また、図3では放電側のメモリ効果について代表的に説明したが、電圧変化量の符号が異なるものの、充電側のメモリ効果についても使用条件(OCV,Tb)によってメモリ量を定義することができる。
図3に一例を示した実験を様々な使用条件(OCV,Tb)下で行なうことによって、バッテリ100の使用開始時からの時間の経過とともに生じるメモリ量を使用条件(OCV,Tb)に応じて推定することが可能になる。
図4は、各使用条件下での経過時間とメモリ量との対応関係を示すタイムチャートである。図4において、横軸はバッテリ100の使用開始時からの経過時間を表し、縦軸はメモリ量を表す。なお、バッテリ100の使用開始時(経過時間の初期値)は、バッテリ100の製造時であってもよいし、バッテリ100の完全リフレッシュ充放電時(バッテリ100に生じたメモリ効果を完全に解消するための充放電時)であってもよい。
上述の実験を使用条件毎に実施することにより、図4に示すように、時間経過に伴うメモリ量の増加を示す曲線を使用条件毎に取得することができる。なお、図4および後述する図5では、理解を容易にするため、3種類の使用条件P〜Rにそれぞれ対応する曲線C〜Cが取得される例について説明するが、実際にはより多くの使用条件について同様の曲線が取得される。
<積算メモリ量推定処理>
使用条件P〜R下で生じたメモリ量を曲線C〜Cを参照することでそれぞれ算出し、算出されたメモリ量を積算する処理を繰り返し実行することによって「積算メモリ量」を推定することができる。この処理を「積算メモリ量推定処理」とも称し、以下に詳細に説明する。
図5は、本実施の形態における積算メモリ量推定処理を説明するためのタイムチャートである。図5(A)において、横軸はバッテリ100の使用開始時からの経過時間を表し、縦軸は使用条件を表す。図5(A)では、所定期間Δt毎に使用条件が判定され、使用条件がP,Q,Rの順に変化する場合について説明する。使用条件P,Q,R下での期間をL,L,Lでそれぞれ示す。
図5(B)において、横軸はバッテリ100の使用開始時からの経過時間を表し、縦軸はメモリ量を表す。まず、使用条件P下では、曲線Cを参照して所定期間Δt毎にメモリ量Mを逐次積算する。その結果、使用条件P下で期間Lが経過する間に生じたメモリ量はMになる。メモリ量Mの積算結果を「積算メモリ量ΣM」と記載すると、期間Lが経過したときの積算メモリ量ΣMはMである。
次に、使用条件がPからQへと変化すると、積算メモリ量ΣM=Mに対応する曲線C(図5に示した曲線Cを時間軸方向にLだけ平行移動した曲線)上の点から曲線Cを参照して、所定期間Δt毎にメモリ量Mを逐次積算する。使用条件Q下で期間Lが経過する間に生じたメモリ量がMである場合、期間Lが経過したときの積算メモリ量ΣMは、MとMとの和(M+M)である。
さらに、使用条件がQからRへと変化すると、積算メモリ量ΣM=(M+M)に対応する曲線C(図4に示した曲線Cを時間軸方向に(L+L)だけ平行移動した曲線)上の点から曲線Cを参照して、所定期間Δt毎にメモリ量Mを逐次積算する。使用条件R下で期間Lが経過する間に生じたメモリ量がMである場合、全期間(L+L+Lの期間)に生じた積算メモリ量ΣMは、MとMとMとの和(M+M+M)である。
このように、本実施の形態では、使用条件の変化に伴い異なる曲線へと移行して積算メモリ量ΣMを算出する際に、移行前の曲線に従って算出された積算メモリ量ΣMの引き継が可能であることを前提としている。すなわち、ある曲線に従って積算メモリ量ΣMが所定値に達した場合と、他の曲線に従って積算メモリ量ΣMと上記所定値に達した場合とでは、メモリ効果に影響を与えるバッテリ100の状態(主に正極活物質層の状態)が互いに等しいとの電気化学的知見を前提としている。
以上のように、本実施の形態では、所定期間Δt毎に使用条件P〜Rに応じたメモリ量Mを算出し、算出されたメモリ量Mを遂次積算する処理を繰り返し実行することによって、全期間にわたって生じた積算メモリ量ΣMを算出することができる。
上記の内容は漸化式を用いて説明することができる。すなわち、下記式(1)に示すように、N回目の積算処理での積算メモリ量ΣM(N)は、(N−1)回目の積算処理までの積算メモリ量ΣM(N−1)に、(N−1)回目の積算処理時からN回目の積算処理時までの間(所定期間Δtの間)の使用条件に応じたメモリ量M(N)を加算することによって算出することができる。なお、Nは自然数である。
ΣM(N)=ΣM(N−1)+M(N) ・・・(1)
<積算メモリ量推定処理フロー>
図6は、本実施の形態における積算メモリ量推定処理を示すフローチャートである。図6および後述する図9に示すフローチャートは、所定周期毎または所定条件が成立する度にメインルーチン(図示せず)から呼び出されて実行される。これらのフローチャートに含まれる各ステップ(以下「S」と略す)は、基本的にはECU300によるソフトウェア処理によって実現されるが、その一部または全部がECU300内に作製されたハードウェア(電気回路)によって実現されてもよい。
図6に示すフローチャートの処理が繰り返し実行されることにより、積算メモリ量ΣMが順次更新される。このフローチャートはN回目の積算処理を示し、(N−1)回目(前回)の積算処理時までの積算メモリ量ΣM(N−1)がメモリに記憶されている。
S110において、ECU300は、(N−1)回目の積算処理時までの積算メモリ量ΣM(N−1)をメモリから読み出す。
S120において、ECU300は、電圧センサ210および電流センサ220をそれぞれ用いてバッテリ100の電圧Vb(N)および電流Ib(N)を取得する。そして、ECU300は、電圧Vb(N)から充放電電流による電圧降下量(=Ib(N)×R)を減算してOCV(N)を算出する。なお、バッテリ100の内部抵抗をRで示す。
S130において、ECU300は、温度センサ230を用いてバッテリ100の温度Tb(N)を取得する。これにより、マップMP1において参照すべき使用条件(OCV(N)と温度Tb(N)との組合せ)が設定される。
S140において、ECU300は、所定期間Δtが経過するまで待機する。メモリ量Mを適切に算出するためには、所定期間Δtだけ待機している間に使用条件の区分が変化しないことが求められる。よって、所定期間Δtは、待機中に使用条件の区分が変化しない時間に定めることが好ましい。
S150において、ECU300は、メモリに記憶されたマップMP1から使用条件(OCV(N),Tb(N))に対応する曲線を参照して、所定期間Δtに生じたメモリ量M(N)を算出する。この処理については図6(B)にて詳細に説明したため、説明は繰り返さない。
S160において、ECU300は、S110にて読み出した(N−1)回目の積算処理までの積算メモリ量ΣM(N−1)にS150にて算出されたメモリ量M(N)を加算することによって、N回目の積算処理までの積算メモリ量ΣM(N)を算出する(上記式(1)参照)。なお、車両1の出荷時には積算メモリ量の初期値ΣM(0)が、たとえば0に設定される。また、バッテリ100のリフレッシュ充放電の実行後にも積算メモリ量の初期値ΣM(0)を0に設定してもよい。
S170において、ECU300は、図6に示すフローチャートが次回呼び出された場合に備えて、S160にて算出された積算メモリ量ΣM(N)をメモリに記憶する。
以上のように、本発明者らの実験結果に基づいて予め準備されたマップMP1内の曲線(C〜C等)を用いて、所定期間Δt毎に生じたメモリ量Mがバッテリ100の使用条件(OCVおよび温度Tb)に応じて算出される。使用条件に上記パラメータを採用することにより、所定期間Δt毎のメモリ量Mを高精度に推定することができる。さらに、上記曲線間で積算メモリ量ΣMを引き継ぐことが可能であるとの電気化学的知見に基づく前提の下、高精度に算出されたメモリ量Mを逐次積算することによって積算メモリ量ΣMが算出される。これにより、積算メモリ量ΣMについても高精度に推定することができる。
なお、図6では「所定期間」Δt毎にメモリ量Mを推定する処理を例に説明したが、一定周期でメモリ量Mを推定することは必須ではない。所定期間Δtの長さは、たとえばバッテリ100の使用条件またはECU300の演算負荷の状況等に応じた可変値としてもよい。あるいは、バッテリ100の使用条件を監視し、使用条件が変化したことをトリガとして(言い換えれば曲線C〜C間を移行すべきことをトリガとして)メモリ量Mを推定するようにしてもよい。この場合には、使用条件がある条件から他の条件へと変化するまでの期間(図5(B)における期間L,L,L)が「所定期間」に相当する。これにより、メモリ量Mの推定回数を低減してECU300の演算負荷を低減することができる。
<充放電電力の制限>
以上のように構成された車両1においては、バッテリ100の保護を目的として、バッテリ100の充放電に制限が設けられる。より詳細には、バッテリ100への充電電力が充電電力上限値Winを上回らず、かつ、バッテリ100からの放電電力が放電電力上限値Woutを上回らないようにバッテリ100の充放電が制御される。さらに、バッテリ100の電圧Vbには、その使用範囲の上限値ULと下限値LLとが定められており、電圧Vbが上限値ULを上回らず、かつ、電圧Vbが下限値LLを下回らないようにバッテリ100の充放電が制御される。
ここで、バッテリ100からの放電時の電圧Vbは、放電が行われていないときの電圧Vb(OCV)よりも放電による電圧降下量だけ低下するので、放電電力が大きいほど電圧Vbが低くなる。バッテリ100に放電側のメモリ効果が生じた場合には、メモリ効果が生じていない正常時と比べて電圧Vbが低くなり、バッテリ100の放電に伴い電圧Vbが下限値LLに達しやすくなる。したがって、電圧Vbが下限値LLを下回らないようにするためには、放電電力上限値Wout(絶対値)を正常時と比べて低く設定することが望ましい(言い換えると放電電力上限値Woutを絞ることが望ましい)。しかしながら、放電電力上限値Woutを低く設定し過ぎると、バッテリ100を保護することはできるものの、バッテリ100の放電が過度に制限されてバッテリ100を十分に活用することができない可能性がある。
逆に、バッテリ100への充電時の電圧Vbは、充電が行われていないときの電圧Vb(OCV)よりも上昇し、充電電力が大きいほど電圧Vbが高くなる。バッテリ100に充電側のメモリ効果が生じた場合には、電圧Vbが正常時と比べて高くなるので、バッテリ100の充電に伴い電圧Vbが上限値ULに達しやすくなる。したがって、電圧Vbが上限値ULを上回らないようにするためには、充電電力上限値Win(絶対値)を正常時と比べて小さく設定することが望ましい(言い換えると充電電力上限値Winを絞ることが望ましい)。しかしながら、充電電力上限値Winを小さく設定し過ぎると、バッテリ100を保護することはできるものの、バッテリ100の充電が過度に制限されてバッテリ100を十分に活用することができない可能性がある。
そこで、本実施の形態においては、バッテリ100の放電側の積算メモリ量を示す「放電メモリ量」ΣMdchと、バッテリ100の充電側の積算メモリ量を示す「充電メモリ量」ΣMchgとを算出し、放電メモリ量ΣMdchに応じて放電電力上限値Woutを設定するとともに、充電メモリ量ΣMchgに応じて充電電力上限値Winを設定する制御を実行する。放電メモリ量ΣMdchと充電メモリ量ΣMchgとは、図6に示した積算メモリ量推定処理により別々に(互いに独立に)算出される。そして、充電電力上限値Winおよび放電電力上限値Woutは、以下に示すようなマップMP2を用いて充電メモリ量ΣMchgおよび放電メモリ量ΣMdchからそれぞれ設定することができる。
図7は、充電電力上限値Winおよび放電電力上限値Woutを設定するためのマップMP2の一例を示す図である。図7には、マップMP2を概念的に示すグラフが示されている。横軸は、バッテリ100の温度Tbを示す。縦軸上方にはバッテリ100の放電電力上限値Woutを示し、縦軸下方にはバッテリ100の充電電力上限値Winを示す。なお、マップMP2は、バッテリ100(あるいはセル101)の内圧Pinに応じて定めることが好ましい(後述)。図7では、内圧PinがP0の場合のマップMP2を示す。
温度Tbが所定値未満の場合には、バッテリ100の電解液が凍結している可能性があるためバッテリ100の充放電が禁止される。よって、放電電力上限値Woutおよび充電電力上限値Winは、いずれも0に設定される。
温度Tbが所定値以上になると、バッテリ100の充放電が許容される。放電電力上限値Wout(絶対値)は、温度Tbが高くなるに従って高く設定される。なお、図示しないが、バッテリ100保護の観点から所定温度以上では充電電力上限値Winおよび放電電力上限値Woutを0に設定してもよい。一方、図7では放電メモリ量ΣMdchがD0〜D3(D0<D1<D2<D3)の場合を示すところ、放電メモリ量ΣMdchが大きいほど、同じ温度Tbにおける放電電力上限値Woutは低く設定される。
充電電力上限値Win(絶対値)についても同様に、温度Tbが高くなるに従って高く設定される。一方、充電メモリ量ΣMchgが大きいほど、同じ温度Tbにおける充電電力上限値Winは低く設定される。図7に示すような関係がマップMP2としてECU300のメモリ302に記憶される。
ここでは、バッテリ100の放電メモリ量ΣMdchを算出し、その算出結果に応じてバッテリ100の放電電力上限値Woutを設定する制御を例に説明する。以下、この制御をバッテリ100の放電電力上限値制御とも称する。
図8は、本実施の形態におけるバッテリ100の放電電力上限値制御を示すタイムチャートである。図8において、縦軸は、上から順にバッテリ100のSOC、バッテリ100の放電メモリ量ΣMdch、およびバッテリ100の放電電力上限値Woutを示す。横軸は経過時間を示す。図8に示される経過時間の長さは、放電メモリ量ΣMdch(中段に示す)および放電電力上限値Wout(下段に示す)については、たとえば数週間〜数カ月のオーダーである。そのため、明確さのため図示しないが、その間には、車両1のイグニッションオフ(IG−OFF)とイグニッションオフ(IG−ON)とが繰り返されることになる。一方、図8の上段には、中段および下段に示す経過時間の一部分を拡大して示す。すなわち、バッテリ100のSOC(上段に示す)についての経過時間の長さは、たとえばIG−OFFからIG−ONまでの期間であり、具体的にはたとえば数十分間〜数時間のオーダーである。
図8に示すように、バッテリ100の使用開始時(たとえばバッテリ100の新品時)(0)においては放電メモリ量ΣMdchは略0である。バッテリ100の放電電力上限値Woutは、バッテリ100の使用開始時の初期値であるWout0である。
車両1の走行に伴い、放電メモリ量ΣMdchは徐々に増加する。そして、放電メモリ量ΣMdchが増加するに従って、放電電力上限値Woutは減少する。放電電力上限値Woutの減少態様は、図7に示したマップMP2を用いて放電メモリ量ΣMdchから設定される。
時刻t1において放電メモリ量ΣMdchがしきい値THに達すると、バッテリ100のリフレッシュ放電が開始される。リフレッシュ放電は、時刻t1から時刻t2までの期間実行される。リフレッシュ放電により放電メモリ量ΣMdchは減少する。すなわち、バッテリ100のメモリ効果が(少なくとも部分的に)解消される。放電メモリ量ΣMdchが減少するに従って、放電電力上限値Woutは増加する。
なお、メモリ量推定処理を実行する場合には、リフレッシュ放電(またはリフレッシュ充電)によるメモリ効果の解消度合い(解消量)を予め求めておくことが望ましい。たとえば、リフレッシュ放電時の温度Tbと、リフレッシュ放電時のSOCの変化幅と、リフレッシュ放電によるメモリ効果の解消度合いとの相関関係を実験により予め求めておき、マップ(図示せず)としてメモリ302に記憶させておく。このようなマップを参照することでリフレッシュ放電(またはリフレッシュ充電)を行なう毎の放電メモリ量ΣMdch(または充電メモリ量ΣMchg)の減少量を算出することができる。リフレッシュ放電後(リフレッシュ充電後)には、減少後の放電メモリ量ΣMdch(または充電メモリ量ΣMchg)にメモリ量を再度積算していけばよい。
また、バッテリ100のSOCは、それまでSOC中心C(たとえばSOC=50%)付近であったところ、リフレッシュ放電に伴い一時的に低下する。なお、上記しきい値THは、放電メモリ量ΣMdchの許容最大値MAXよりも小さな値に予め定められる。
時刻t2においてリフレッシュ放電が停止されると、上述のように放電メモリ量ΣMdchは再び増加に転じ、それにより放電電力上限値Woutは減少に転じる。また、バッテリ100のSOCはSOC中心Cへと戻る。その後、時刻t3において、放電メモリ量ΣMdchが再びしきい値THに達すると、バッテリ100のリフレッシュ放電が実行される。時刻t3以降の放電メモリ量ΣMdchの減少態様および放電電力上限値Woutの増加態様は、時刻t1から時刻t2までの期間の態様と同等であるため、説明は繰り返さない。
図9は、本実施の形態におけるバッテリ100の放電電力上限値制御および充電電力上限値制御を示すフローチャートである。図9(A)はバッテリ100の放電電力上限値制御を示し、図9(B)はバッテリ100の充電電力上限値制御を示す。
まず、図9(A)を参照して、S100において、EU300は、上述の積算メモリ量推定処理を実行することによってバッテリ100の放電メモリ量ΣMdchを算出する。
S11において、ECU300は、マップMP2を参照することによって、S100にて算出した放電メモリ量ΣMdchに対応する放電電力上限値Woutを設定する。その後、図9(A)に示す処理が所定周期毎または所定条件が成立する度に繰り返し実行されることにより、放電電力上限値Woutが車両1の状況に応じた適切な値に維持される。
次に、図9(B)を参照して、S100において、EU300は、積算メモリ量推定処理を実行することによってバッテリ100の充電メモリ量ΣMchgを算出する。
S21において、ECU300は、バッテリ100の内圧Pinを算出する。この算出手法は公知であるため、詳細な説明は繰り返さない(たとえば特開2007−53058号公報参照)。
S31において、ECU300は、マップMP2を参照することによって、バッテリ100の内圧Pinおよび充電メモリ量ΣMchgに対応する充電電力上限値Winを設定する。なお、充電電力上限値Winを高く設定する際には、内圧Pinがその限界しきい値を下回るように電圧Vbを設定することが望ましい。その後、図9(B)に示す一連の処理が繰り返し実行される。
以上のように、本実施の形態によれば、充電メモリ量ΣMchgを用いて充電電力上限値Winが設定されるとともに、放電メモリ量ΣMdchを用いて放電電力上限値Woutが設定される。充電メモリ量ΣMchgは高精度に推定されたものであるため、充電電力上限値Winを低く設定し過ぎてバッテリ100を十分に活用することができなかったり、あるいは充電電力上限値Winを高く設定し過ぎてバッテリ100を適切に保護することができなかったりすることが防止される。バッテリ100の放電側(すなわち放電電力上限値Wout)についても同様である。したがって、バッテリ100を適切に保護しつつバッテリ100を十分に活用することが可能になる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、2 電池システム、10 モータジェネレータ、20 動力伝達ギア、30 駆動輪、40 PCU、50 SMR、100 バッテリ、101 セル、102 ケース、103 安全弁、104 電極体、210 電圧センサ、220 電流センサ、230 温度センサ、300 ECU、301 CPU、302 メモリ、303 タイマ。

Claims (1)

  1. 外部機器に電力を供給する電池システムであって、
    ニッケル水素電池を含むバッテリと、
    前記バッテリと前記外部機器との間で電力を変換可能に構成された電力変換装置と、
    前記バッテリへの充電電力が前記充電電力の制御上限値を上回らず、かつ、前記バッテリからの放電電力が前記放電電力の制御上限値を上回らないように前記電力変換装置を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記バッテリのメモリ効果による電圧変化量を示すメモリ量と前記バッテリの使用開始時からの経過時間との対応関係を示すデータを記憶し、
    前記データは、前記バッテリの開放電圧と温度とを含んで定義された使用条件毎に区分して定められ、
    前記制御装置は、記憶されたデータを参照して前記使用条件の区分が変化しない時間内でのメモリ量を逐次算出するとともに、算出されたメモリ量を前記使用開始時から積算することによって前記バッテリの現在のメモリ量を推定し、推定されたメモリ量を用いて前記充電電力の制御上限値および前記放電電力の制御上限値を設定する、電池システム。
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