JP2021141656A - 電池システム - Google Patents

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潤一 松本
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陽嗣 田上
瞭 佐々木
Ryo Sasaki
瞭 佐々木
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Abstract

【課題】ニッケル水素電池を備える電池システムにおいて、演算量を抑えつつ負極の充電リザーブ量を精度良く算出する。【解決手段】ECU100は、放電リザーブ量を算出する処理と、負極容量から正極容量及び放電リザーブ量を減算することによって充電リザーブ量を算出する処理とを実行する。放電リザーブ量を算出する処理は、モデルを用いて放電リザーブ増加量を算出する処理を含む。上記モデルは、経過時間の平方根に電池温度毎の係数を乗算することによって、電池温度毎の増加量を示すモデルを含む。そして、放電リザーブ増加量を算出する処理は、電池温度に応じた上記係数の二乗値を、前回演算値を2倍した値で除算することで得られる値に、前回演算値を加算することによって、今回演算値を算出する処理を含む。【選択図】図10

Description

本開示は、電池システムに関し、特に、ニッケル水素電池を備える電池システムに関する。
特開2014−87218号公報(特許文献1)は、ニッケル水素電池における負極リザーブ量の推定精度を向上可能な電池システムを開示する。この電池システムでは、ニッケル水素電池の温度と負極リザーブ量との対応関係を用いて、温度センサにより取得した温度に対応した負極リザーブ量が算出される。そして、負極リザーブ量が減少すると、ニッケル水素電池の充放電電力が制限される。これにより、ニッケル水素電池の劣化が進行することを抑制できるとされる(特許文献1参照)。
特開2014−87218号公報
ニッケル水素電池(以下、単に「電池」と称する場合がある。)においては、負極の劣化(酸化)により負極の充電リザーブ量が減少すると、負極から水素ガスが発生し、電池の内圧が上昇する。ニッケル水素電池には、内圧が上昇すると開く安全弁が一般的に設けられており、これにより内圧の異常上昇が防止される。しかしながら、安全弁が開くと、ガスとともに電解液も外部へ放出されるため、電解液が減少し、電池の性能が劣化する。すなわち、充電リザーブ量の減少は、電池の性能劣化を招く。
そこで、充電リザーブ量を精度良く算出することで、その算出結果に基づいて適切な制御を実行することにより電池の性能劣化を適切に抑制することができる。特許文献1に記載の電池システムは、電池の温度に基づいて負極リザーブ量を算出しているが、特に充電リザーブ量の算出について精度改善の余地がある。
充電リザーブ量は、電池の負極容量から正極容量及び放電リザーブ量を減算することによって算出することができる。すなわち、電池の負極容量、正極容量、及び放電リザーブ量の各々を精度良く算出することによって、充電リザーブ量を精度良く算出することができる。しかしながら、たとえば、放電リザーブ量の増加量は、電池の初期状態からの経過時間や温度等に依存し、かつ、その関係性は非線形であり、さらに、時間の経過や温度変化に応じて繰り返し実行する必要があるため、演算ロジックを制御装置に実装する場合に演算量が多くなる。その結果、高性能の制御装置の採用によるコスト増や、限られたリソースで演算可能とするための精度抑制等の問題が生じる可能性がある。
本開示は、上記の問題を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、ニッケル水素電池を備える電池システムにおいて、演算量を抑えつつ負極の充電リザーブ量を精度良く算出することである。
本開示の電池システムは、ニッケル水素電池と、ニッケル水素電池の充放電を制御する制御装置とを備える。制御装置は、ニッケル水素電池の放電リザーブ量を算出する処理と、ニッケル水素電池の負極容量からニッケル水素電池の正極容量及び放電リザーブ量を減算することによって、ニッケル水素電池の充電リザーブ量を算出する処理とを実行する。放電リザーブ量を算出する処理は、放電リザーブ量の増加量を示すモデルを用いて放電リザーブ量の増加量を繰り返し算出する処理を含む。上記モデルは、ニッケル水素電池の初期状態からの経過時間の平方根にニッケル水素電池の温度(以下「電池温度」と称する。)毎に予め求められた係数を乗算することによって、電池温度毎の放電リザーブ増加量を示すモデルを含む。そして、放電リザーブ増加量を算出する処理は、電池温度に応じた係数の二乗値を、放電リザーブ増加量の前回演算時に算出された増加量を示す前回値を2倍した値で除算することで得られる値に、上記前回値を加算することによって、放電リザーブ増加量の今回値を算出する処理を含む。
上記の電池システムにおいては、負極容量から正極容量及び放電リザーブ量を減算することによって、充電リザーブ量を精度良く算出することができる。しかしながら、放電リザーブ量を算出する際に用いられる、放電リザーブ量の増加量を示すモデルは、経過時間の平方根の項を含むため、そのまま演算を行なうと演算負荷が高くなる。そこで、この電池システムでは、放電リザーブ増加量を算出するに際し、電池温度に応じた係数の二乗値を、放電リザーブ増加量の前回演算値を2倍した値で除算することで得られる値に、上記前回演算値を加算することによって、放電リザーブ増加量の今回演算値が算出される。このような演算によって、演算負荷の高い平方根演算を行なうことなく、放電リザーブ量の増加量を算出することができる。したがって、充電リザーブ量の算出に要する演算量を抑えることができる。
本開示の電池システムによれば、演算量を抑えつつ充電リザーブ量を精度良く算出することができる。その結果、その算出結果を用いて、充電リザーブ量の減少を抑制する制御を実行することにより、電池の性能劣化を抑制することができる。
本開示の実施の形態に従う電池システムが搭載される車両の構成を概略的に示す図である。 組電池に含まれる電池の構成例を示す図である。 ニッケル水素電池の正極及び負極の容量のイメージ図である。 ΔSOCと充電リザーブ量の減少速度との関係を示す図である。 電池の放電電気量と充電リザーブ量の減少量との関係を示す図である。 放電リザーブ量の推移の一例を示す図である。 正極及び負極並びに電池内部の状態を示すイメージ図である。 放電リザーブ量が増加するメカニズムを説明する図である。 放置による放電リザーブ増加量と電池温度との関係の一例を示す図である。 放置による放電リザーブ増加量の算出方法を説明する図である。 放電リザーブ増加量と電池の放電電気量との関係の一例を示す図である。 充放電による放電リザーブ増加量と電池温度との関係の一例を示す図である。 充放電による放電リザーブ増加量とΔSOCとの関係の一例を示す図である。 放電リザーブ減少量と電池温度との関係の一例を示す図である。 負極SOCによる補正係数を示す図である。 放電リザーブ増加量(a項)と負極容量減少量との関係の一例を示す図である。 放電電気量と正極容量との関係の一例を示す図である。 負極容量の推移の一例を示す図である。 正極容量の推移の一例を示す図である。 放電リザーブ量の推移の一例を示す図である。 充電リザーブ量の推移の一例を示す図である。 ECUにより実行される処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図22のステップS140において実行される充電リザーブ量算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<電池システムの構成>
図1は、本開示に従う電池システムが搭載される車両1の構成を概略的に示す図である。なお、以下では、車両1が電気自動車(EV(Electric Vehicle))である場合について代表的に説明するが、本開示の電池システムは、EVに搭載されるものに限定されず、ハイブリッド車両(HV(Hybrid Vehicle))や燃料電池車両(FCV(Fuel Cell Vehicle))等に搭載されてもよく、さらには車両以外の用途にも適用可能である。
図1を参照して、車両1は、電池システム2と、電力制御ユニット(以下「PCU(Power Control Unit)」と称する。)30と、モータジェネレータ(以下「MG(Motor Generator)」と称する。)40と、伝達ギヤ50と、駆動輪60とを備える。電池システム2は、組電池10と、監視ユニット20と、電子制御装置(以下「ECU(Electronic Control Unit)」と称する。)100とを含む。
組電池10は、多数のニッケル水素単電池(以下、単に「電池」又は「セル」と称する。)を含んで構成される。詳しくは、複数のセルを纏めてモジュールが構成され、複数のモジュールが電気的に接続されて組電池10が構成される。組電池10は、MG40を駆動するための電力を蓄えており、PCU30を通じてMG40へ電力を供給することができる。また、組電池10は、MG40の発電時にPCU30を通じて発電電力を受けて充電される。
監視ユニット20は、電圧センサ21と、電流センサ22と、温度センサ23とを含む。電圧センサ21は、組電池10のセル毎の電圧(以下「電池電圧」と称する場合がある。)VBiを検出する。電流センサ22は、組電池10の充放電電流(以下「電池電流」と称する場合がある。)IBを検出する。なお、本実施の形態では、電流センサ22は、放電電流を正値として検出し、充電電流を負値として検出する。温度センサ23は、セル毎の温度(以下「電池温度」とも称される。)TBiを検出する。そして、各センサは、検出結果を示す信号をECU100へ出力する。
なお、電圧センサ21及び温度センサ23は、複数(たとえば数個)のセルを監視単位として電圧及び温度を検出してもよい。この場合、電圧については、複数のセルに対する検出値をそのセル数で割ることによって、セル毎の電圧(平均値)を算出することができる。
PCU30は、ECU100からの制御信号に従って、組電池10とMG40との間で双方向の電力変換を実行する。PCU30は、たとえば、MG40を駆動するインバータと、インバータに供給される直流電圧を組電池10の出力電圧以上に昇圧するコンバータとを含んで構成される。
MG40は、代表的には交流回転電機であり、たとえば、ロータに永久磁石が埋設された三相交流同期電動機である。MG40は、PCU30により駆動されて回転駆動力を発生し、MG40が発生した駆動力は、伝達ギヤ50を通じて駆動輪60に伝達される。一方、車両1の制動時には、MG40は、発電機として作動し、回生発電を行なう。MG40が発電した電力は、PCU30を通じて組電池10に供給される。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)102と、メモリ(ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory))104と、各種信号を入出力するための入出力ポート(図示せず)とを含んで構成される。ECU100は、監視ユニット20から受ける各センサ信号、並びにメモリ104に記憶されたプログラム及びマップに基づいてPCU30を制御することにより、MG40の駆動や組電池10の充放電を制御する。
ECU100は、監視ユニット20からの各センサ信号に基づいて電池(セル)のSOC(以下「電池SOC」と称する場合がある。)を算出する。SOCの算出方法については、OCV(Open Circuit Voltage)とSOCとの関係を示すOCV−SOCカーブ(マップ等)を用いた手法や、充放電電流の積算値を用いた手法等、公知の各種手法を用いることができる。
また、ECU100は、電池の充電リザーブ量を算出し、充電リザーブ量がしきい値を下回った場合に、充電リザーブ量の減少を抑制するための制御を実行する。充電リザーブ量及びその算出方法、並びに充電リザーブ量の減少を抑制するための制御については、後ほど詳しく説明する。
図2は、組電池10に含まれる電池の構成例を示す図である。図2を参照して、電池110のケース111の上面は、蓋体112によって封止される。ケース111及び蓋体112は、たとえば樹脂で形成される。
蓋体112には、正極端子113及び負極端子114が設けられている。正極端子113及び負極端子114の各々の一方端は、蓋体112から外部に突出している。正極端子113及び負極端子114の他方端は、ケース111内部において、内部正極端子及び内部負極端子(いずれも図示せず)にそれぞれ電気的に接続されている。
蓋体112には、安全弁120がさらに設けられている。安全弁120は、電池110内の圧力が上昇すると開くように構成されており、電池の内圧が上昇して安全弁120が開くと、電池内部のガスや電解液の一部が外部へ放出される。
ケース111内部には、電極体(図示せず)が収容されている。電極体は、たとえば、正極シートと負極シートとがセパレータを介して積層されることにより形成される。正極シートは、集電板と、集電板の表面に形成された正極活物質層とを有し、負極シートは、集電板と、集電板の表面に形成された負極活物質層とを有する。正極活物質層は、水酸化ニッケル等の正極活物質を含む。負極活物質層は、負極活物質としての水素吸蔵合金を含む。正極活物質層、負極活物質層及びセパレータには、高アルカリ性溶液である電解液が含まれている。
次に、電池の充電リザーブ量及びその算出方法、並びに充電リザーブ量の減少を抑制するための制御について説明する。
<充電リザーブ量の説明>
ニッケル水素電池では、一般的に、正極の容量よりも負極の容量を大きく設計し、負極容量の中に、電池の満充電後でも充電可能な未充電部である充電リザーブと、電池の完全放電後でも放電可能な充電部である放電リザーブとが設けられる。
図3は、ニッケル水素電池の正極及び負極の容量のイメージ図である。図3を参照して、左の縦枠200の長さは、正極の容量を示し、右の縦枠210の長さは、負極の容量を示す。上述のように、ニッケル水素電池では、負極容量が正極容量よりも大きくなるように設計される。縦枠200内のハッチングは、正極容量に対する正極の充電部の割合である正極SOCを示し、縦枠210内のハッチングは、負極容量に対する負極の充電部の割合である負極SOCを示す。
負極容量が正極容量よりも大きいことから、電池の容量は正極容量によって決まり、したがって、正極SOCは、電池の充電状態を示す電池SOCを示す。そして、電池SOCが0であるときの負極の残存容量が放電リザーブ量であり、電池SOCが100%(満充電)であるときの負極の未充電部の容量が充電リザーブ量である。
充電リザーブ量及び放電リザーブ量は、負極の劣化状態によって決まる。電池の充放電に伴ない負極の水素吸蔵合金が劣化(酸化)すると、負極容量の低下等により充電リザーブ量が減少する。充電リザーブ量が減少すると、過充電時等に負極から水素ガスが発生し、電池の内圧が上昇する。そして、電池内圧が所定レベルまで上昇すると、安全弁120(図2)が開き、ガスが電池外部へ放出される。その際、電池内部の電解液もガスとともに外部へ放出され、その結果、電解液が減少することにより電池の性能が低下(劣化)する。
そこで、本実施の形態に従う電池システム2では、充電リザーブ量を精度良く算出し、算出された充電リザーブ量がしきい値まで低下した場合に、充電リザーブ量の減少を抑制するための制御が実行される。充電リザーブ量のしきい値は、上記の制御が過剰に実行されないようにある程度小さい値を狙いつつ、充電リザーブ量の減少による電池内圧の上昇により安全弁120が開かないレベルに適宜設定される。充電リザーブ量の減少を抑制する制御については、後ほど説明する。
負極リザーブ量が電池温度に依存することが知られており(たとえば、上記の特許文献1参照)、充電リザーブ量も電池温度に依存するものであるところ、本実施の形態では、さらに、充電リザーブ量が電池の放電電気量及びSOC変動幅(以下「ΔSOC」と称する。)にも依存することに着目する。なお、放電電気量は、電池の放電電流の積算値であり、初期状態からの放電電流の累積値である。ΔSOCは、ある一定時間(たとえば数十分)における電池SOCの変動幅である。
図4は、ΔSOCと充電リザーブ量の減少速度との関係を示す図である。図4を参照して、ΔSOCが大きいほど、充電リザーブ量の減少速度が大きくなる。したがって、充電リザーブ量がΔSOCに依存するものであることが理解できる。
図5は、電池の放電電気量と充電リザーブ量の減少量との関係を示す図である。図5を参照して、放電電気量が増加するほど、充電リザーブ量の減少量が大きくなる(充電リザーブ量が減少する)。したがって、充電リザーブ量が放電電気量に依存するものであることが理解できる。
そこで、本実施の形態に従う電池システム2では、電池温度、放電電気量及びΔSOCを考慮して、電池の充電リザーブ量を算出する。以下、充電リザーブ量の算出方法について説明する。
再び図3を参照して、充電リザーブ量は、次式によって算出することができる。
充電リザーブ量=負極容量−正極容量−放電リザーブ量 …(1)
本実施の形態では、電池の負極容量、正極容量、及び放電リザーブ量の各々をモデル化して算出し、式(1)から充電リザーブ量を算出する。以下、負極容量、正極容量、及び放電リザーブ量の各々の算出方法について説明する。なお、負極容量の算出に放電リザーブ量を用いるため、まず、放電リザーブ量の算出について説明する。
<放電リザーブ量の算出>
放電リザーブ量は、負極の水素吸蔵合金の腐食(水素の自己充電)による増加分(以下「a項」と称する。)と、電池の電槽(ケース111)からの水素の透過(水素分子が小さいために電槽を透過)による減少分(以下「b項」と称する。)とから算出することができる。
放電リザーブ量=a項−b項 …(2)
a項:負極の合金腐食(水素の自己充電)による増加分
b項:電槽からの水素透過による減少分
図6は、放電リザーブ量の推移の一例を示した図である。この図6では、a項(増加量)及びb項(減少量)の各々についても示されている。以下、a項(増加量)及びb項(減少量)の各々の算出について詳しく説明する。
図7は、正極及び負極並びに電池内部の状態を示すイメージ図である。図7を参照して、図3でも説明したように、左の縦枠200の長さは、正極の容量を示し、右の縦枠210の長さは、負極の容量を示す。縦枠200,210内のハッチングは、それぞれ正極SOC及び負極SOCを示し、互いに上端が一致するように描かれる。ケース111内には、電極(電極体)の他、電解液220と、水素ガス230とが存在する。
放電リザーブ量は、電池SOC(正極SOC)が0であるときの負極の残存容量であり、正極容量を示す縦枠200の下端と、負極容量を示す縦枠210の下端との差によって示される。
<放電リザーブ量の増加>
水素吸蔵合金からなる負極は、電解液中の水成分(H2O)の酸素と結合することで酸化し、ダメージを受けて容量が減少する。なお、負極容量の減少は、図7において、負極容量を示す縦枠210の長さが短くなることで示される。一方、残った水素は、負極に吸収され、その結果、以下に説明するように放電リザーブ量が増加する。
図8は、放電リザーブ量が増加するメカニズムを説明する図である。図8の左図を参照して、負極の酸化に伴ない残った水素が負極に吸収されることにより、負極に充填されている水素量が増加し、負極SOCが上昇する。負極SOCの上端と、電池SOCを示す正極SOCの上端とは一致するため、図8の右図に示されるように、負極SOCが上昇した分、負極容量を示す縦枠210は下方に移動する。その結果、縦枠210の下端と、正極容量を示す縦枠200の下端との差によって示される放電リザーブ量が増加する。
このように、放電リザーブ量は、負極の合金腐食(酸化)により増加するところ、本実施の形態では、放電リザーブ量の増加量(a項)は、以下の2つの要素を合算することによって算出される。
(i)電池の充放電に拘わらず増加する分
電池の充放電に拘わらず、負極と電解液との反応は進行し、それにより放電リザーブ量は増加する。すなわち、放電リザーブ量は、電池を放置しておいても、時間の経過とともに増加する。以下、この充放電に拘わらず時間の経過とともに増加する放電リザーブ量の増加分を「放置による放電リザーブ増加量」と称する。
図9は、放置による放電リザーブ増加量と電池温度との関係の一例を示す図である。図9を参照して、電池の温度TBiが高いほど、放置による放電リザーブ増加量は大きくなる。また、時間の経過と放置による放電リザーブ増加量との関係は、平方根関数で近似できる。そこで、本実施の形態では、放置による放電リザーブ増加量を、たとえば次式によって算出する。
放置による放電リザーブ増加量=a1×exp(a2×TBi)×√(t)
=k×√(t) …(3)
tは、電池の初期状態からの経過時間である。係数kは、温度TBiに依存した係数であり、事前の試験により予め求められ、メモリ104に記憶されている。
この放電リザーブ増加量は、電池の温度変化を考慮して、時間の経過に従って繰り返し実行する必要があるところ、式(3)により示されるモデルは、ルート(平方根)演算を含んでおり、演算ロジックをECU100に実装する場合に演算量が多くなる。その結果、高性能のECUの採用によるコスト増や、限られたリソースで演算可能とするための精度抑制等の問題が生じる可能性がある。以下、放置による放電リザーブ増加量の算出処理をECUに実装する場合の演算量について検討する。
図10は、放置による放電リザーブ増加量の算出方法を説明する図である。図10を参照して、横軸は、電池の初期状態からの経過時間tを示し、縦軸は、放置による放電リザーブ増加量を示す。
例示されている線L1は、電池の温度TBiがT1であるときの放電リザーブ増加量を示す。また、線L2は、温度TBiがT2(T2<T1)であるときの放電リザーブ増加量を示し、線L3は、温度TBiがT3(T3<T2)であるときの放電リザーブ増加量を示す。
算出方法について理解を容易にするために、以下では、仮に1年単位で演算を行なうものとして説明する。放置による放電リザーブ増加量をY(以下、「増加量Y」と称する。)とすると、電池の初期状態(t=0)では、増加量Yは0である。1年後の増加量Y(1)は、電池の温度TBiがT2であったとして、式(3)から次式で求められる。
増加量Y(1)=k2√(1) …(4)
係数k2は、温度TBiがT2であるときの、式(3)における係数kの値である。すなわち、t=0〜1年は、増加量Yは、線L4に沿って点P(1)へ推移する。
次いで、2年後の増加量Y(2)は、電池の温度TBiがT1であったとして、次のように求めることができる。すなわち、増加量Y(2)は、温度TBiがT1であるときの増加量を示す線L1において、増加量Y(1)に対応する時間Xからの1年後の増加量となる。
線L1において、増加量がY(1)であるときの経過時間tをXとすると、Xは次式で求められる。
X=(Y(1)/k1)2 …(5)
係数k1は、温度TBiがT1であるときの、式(3)における係数kの値である。
したがって、増加量Y(2)は、式(5)を用いて次式にて求めることができる。
増加量Y(2)=k1√(X+1)
=k1√((Y(1)/k1)2+1) …(6)
すなわち、t=1〜2年は、増加量Yは、線L5に沿って点P(1)から点P(2)へ推移する。ここで、上記の演算処理をECU100に実装する場合、上記の式(6)はルート(平方根)演算を含むため、演算の処理負荷が大きくなる。そこで、本実施の形態では、放置による放電リザーブ増加量を以下のようにして算出する。
放置による放電リザーブ量の増加量Yを示す上記の式(3)を時間tで微分すると、次式が得られる。
dY/dt=k/(2×√(t)) …(7)
式(7)に式(3)を代入すると、次式が得られる。
dY/dt=k2/(2×Y) …(8)
本実施の形態では、上記の式(8)を用いて、2年後の増加量Y(2)を算出する。
増加量Y(2)=Y(1)+k12/(2×Y(1)) …(9)
この式(9)は、ルート(平方根)演算を含んでおらず、乗除演算の回数も式(6)と同じであるため、式(6)に比べて演算の処理負荷が小さい。以上により、本実施の形態では、式(9)を一般化して、放置による放電リザーブ増加量Yは、次式によって算出される。
増加量Y(n)=Y(n−1)+k2/(2×Y(n−1)) …(10)
Y(n−1)は、前回演算時に算出された増加量Yである。係数kは、式(3)における、温度TBiに依存した係数であり、事前の試験により予め求められてメモリ104に記憶されている。
(ii)電池の充放電により増加する分
図11は、放電リザーブ増加量と電池の放電電気量との関係の一例を示す図である。図11を参照して、放電電気量が多くなるほど、放電リザーブ増加量は大きくなる。
図12は、充放電による放電リザーブ増加量と電池温度との関係の一例を示す図である。図12において、放電電気量の影響を排除するため、縦軸は、放電リザーブ量を放電電気量の平方根で除算した値を示す。なお、放電電気量の平方根としているのは、後述のように、放電リザーブ増加量と放電電気量との関係が、放電電気量の平方根でモデル化できるからである。図12を参照して、電池の温度が高いほど、放電リザーブ増加量は大きくなる。
図13は、充放電による放電リザーブ増加量とΔSOCとの関係の一例を示す図である。この図13でも、縦軸は、放電リザーブ量を放電電気量の平方根で除算した値を示す。図13を参照して、ΔSOCが大きいほど、放電リザーブ増加量は大きくなる。
このように、電池温度が高く、放電電気量が多いほど、さらにはΔSOCが大きいほど、放電リザーブ増加量は大きくなる。そこで、本実施の形態では、充放電による放電リザーブ増加量を、たとえば次式によって算出する。
充放電による放電リザーブ増加量
=a3×exp(a4×TBi)×√(放電電気量)×ΔSOC
=s×√(放電電気量)×ΔSOC …(11)
係数sは、温度TBiに依存した係数であり、事前の試験により予め求められ、メモリ104に記憶されている。
この式(11)により示されるモデルも、ルート(平方根)演算を含んでおり、演算ロジックをECU100に実装する場合に演算量が多くなる。そこで、放置による放電リザーブ増加量の算出について式(3)に代えて式(10)を用いるように、充放電による放電リザーブ増加量(以下、「増加量Yc」と称する。)の算出についても、同様の考え方で、式(11)に代えて次式によって算出される。
増加量Yc(n)=Yc(n−1)+s2/(2×Yc(n−1))×ΔSOC …(12)
Yc(n−1)は、前回演算時に算出された増加量Ycである。係数sは、式(11)における、温度TBiに依存した係数であり、事前の試験により予め求められてメモリ104に記憶されている。
<放電リザーブ量の減少>
水素が電槽(ケース111)を透過して抜けていくことにより、負極の水素が減少し、負極SOCが低下する。図7のモデルにおいて、負極SOCの上端と、電池SOCを示す正極SOCの上端とは一致するため、負極SOCが低下すると、その分、負極容量を示す縦枠210は上方に移動する。その結果、縦枠210の下端と、正極容量を示す縦枠200の下端との差によって示される放電リザーブ量は減少する。電槽からの水素透過は、電池の充放電に拘わらず生じ、その透過量は、電池の温度が高いほど多い。
図14は、放電リザーブ減少量と電池温度との関係の一例を示す図である。図14において、時間の影響を排除するため、縦軸は、放電リザーブ減少量を時間で除算した値を示す。図14を参照して、電池の温度が高いほど、放電リザーブ減少量は大きくなる。
なお、負極SOCが高いほど、電池内部の水素ガス量が増加(水素平衡圧が上昇)し、電槽を透過する水素量は増加するため、本実施の形態では、負極SOCが高いほど放電リザーブ減少量が多くなるように補正を施した以下の式を用いて放電リザーブ減少量(b項)を算出する。
放電リザーブ減少量=b1×exp(b2×TBi)×時間×補正係数 …(13)
ここで、補正係数は、図15に例示されるように、負極SOCが高いほど大きくなる係数である。
なお、負極SOCの算出方法については、たとえば、正極容量に電池SOC(%)を乗算し、その演算結果に放電リザーブ量を加えた値を、負極容量で除算することによって算出することができる(図3参照)。なお、ここで用いる正極容量、電池SOC、放電リザーブ量、負極容量の各値は、前回の演算周期における演算結果を用いることができる。
<負極容量の算出>
上述のように、負極は、酸化することでダメージを受け、容量が減少する。放電リザーブ量を算出する過程で算出される上記a項は、負極の合金腐食(酸化)による増加分であることから、このa項と負極容量の減少量とは相関がある。
図16は、放電リザーブ増加量(a項)と負極容量減少量との関係の一例を示す図である。図16を参照して、放電リザーブ増加量(a項)が増加するほど、負極容量の減少量も大きくなることが分かる。そこで、本実施の形態では、次式によって負極容量を算出する。
負極容量=負極容量初期値−c1×放電リザーブ増加量(a項) …(14)
ここで、負極容量初期値は、電池の初期状態の負極容量であり、事前に測定又は算出されてメモリ104に記憶されている。また、係数c1も、事前の試験により予め求められ、メモリ104に記憶されている。
<正極容量の算出>
正極容量は、放電電気量に応じて減少する。図17は、放電電気量と正極容量との関係の一例を示す図である。図17を参照して、放電電気量が増加するほど、正極容量が減少することが分かる。そこで、本実施の形態では、次式によって正極容量を算出する。
正極容量=正極容量初期値−c2×√(放電電気量) …(15)
ここで、正極容量初期値は、電池の初期状態の正極容量であり、事前に測定又は算出されてメモリ104に記憶されている。また、係数c2も、事前の試験により予め求められ、メモリ104に記憶されている。
この式(15)により示されるモデルも、ルート(平方根)演算を含んでおり、演算ロジックをECU100に実装する場合に演算量が多くなる。そこで、放置による放電リザーブ増加量の算出について式(3)に代えて式(10)を用いるように、正極容量Cpの算出についても、同様の考え方で、式(15)に代えて次式によって算出される。
Cp(0)=正極容量初期値
Cp(n)=Cp(n−1)−c22/(2×Cp(n−1)) …(16)
Cp(n−1)は、前回演算時に算出された正極容量である。
以上のようにして、上記の式(2)により放電リザーブ量が算出され、上記の式(14),(16)によりそれぞれ負極容量及び正極容量が算出される。そして、上記の式(1)を用いて、負極容量から正極容量及び放電リザーブ量を減算することにより、充電リザーブ量が算出される。
図18は、負極容量の推移の一例を示す図であり、図19は、正極容量の推移の一例を示す図である。また、図20は、放電リザーブ量の推移の一例を示す図であり、図21は、充電リザーブ量の推移の一例を示す図である。
以上のようにして、負極容量、正極容量、及び放電リザーブ量から充電リザーブ量が算出される。
さらに、本実施の形態では、上述のように、充電リザーブ量がしきい値を下回ると、充電リザーブ量の減少を抑制する制御が実行される。本実施の形態に従う電池システム2では、ΔSOCと充電リザーブ量との関係に基づいて、充電リザーブ量がしきい値を下回った場合に、充電リザーブ量がしきい値を下回っていない場合に比べて電池SOCの制御下限を引き上げることでΔSOCを小さくすることによって、充電リザーブ量の減少を抑制する。
なお、電池SOCの制御下限を引き上げることに代えて、又は電池SOCの制御下限を引き上げることとともに、電池SOCの制御上限を引き下げることによって、ΔSOCを小さくしてもよい。
なお、充電リザーブ量の減少を抑制するには、組電池10への充放電電力を抑制することで電池温度を抑制してもよい。或いは、放電電気量と充電リザーブ量との関係に基づいて、組電池10からの放電電流を抑制することにより充電リザーブ量の減少を抑制することも可能である。なお、これらの手法は、組電池10の充放電電力を抑制するので、MG40による車両1の駆動性能が低下する。一方、本実施の形態によれば、組電池10の充放電電力を直接制限することはしないので、車両1の駆動性能が低下するのを抑制することができる。
図22は、ECU100により実行される処理の手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートでは、ECU100により実行される各種処理のうち、充電リザーブ量の算出及び減少抑制に関する処理が示される。このフローチャートに示される処理は、車両1のシステム作動中に繰り返し実行される。
図22を参照して、ECU100は、監視ユニット20の温度センサ23、電流センサ22及び電圧センサ21から、各電池の温度TBi、電流IB及び電圧VBiの検出値をそれぞれ取得する(ステップS110)。
次いで、ECU100は、各電池について、電流IBを用いて放電電気量を算出する(ステップS120)。具体的には、ECU100は、電流IBが正値(放電)であるときに、電流IB(放電電流)を積算し、電流IBが負値(充電)であるときには、電流の積算を行なわないことによって、放電電気量を算出する。
また、ECU100は、各電池について、ΔSOCを算出する(ステップS130)。具体的には、ECU100は、ある一定時間(たとえば数十分)における電池SOCの最大値から最小値を減算することによってΔSOCを算出する。なお、上記では、ある一定時間におけるΔSOCが演算周期毎に算出されるものとしているが、上記の一定時間毎にΔSOCを算出するようにしてもよい。なお、放電電気量とΔSOCとの算出順序は、反対であってもよい。
次いで、ECU100は、各電池について、ステップS110で取得された電池の温度TBi、並びにステップS120,S130でそれぞれ算出された放電電気量及びΔSOCを用いて、モデルを用いた充電リザーブ量の算出処理を実行する(ステップS140)。この充電リザーブ量の算出処理については後述する。
次いで、ECU100は、算出された充電リザーブ量がしきい値よりも低いか否かを判定する(ステップS150)。しきい値は、上述のように、ステップS160のΔSOC抑制制御(後述)が過剰に実行されないようにある程度小さい値を狙いつつ、充電リザーブ量の減少による電池内圧の上昇により安全弁120(図2)が開かないレベルに適宜設定される。
ステップS150において、充電リザーブ量がしきい値よりも低いと判定されると(ステップS150においてYES)、ECU100は、ΔSOC抑制制御を実行する(ステップS160)。ΔSOC抑制制御は、ΔSOCを小さくすることによって充電リザーブ量の減少を抑制する制御であり、本実施の形態では、充電リザーブ量がしきい値を下回っていない場合に比べて電池SOCの制御下限を引き上げることでΔSOCを小さくする。
一方、ステップS150において、充電リザーブ量がしきい値以上であると判定されると(ステップS150においてNO)、ECU100は、ΔSOC抑制制御を実行することなくリターンへ処理を移行する。すなわち、充電リザーブ量がしきい値を下回るまで減少していなければ、電池SOCの制御下限の引き上げは行なわれない。
なお、上記において、しきい値を段階的に複数設け、しきい値を下回る毎に段階的にSOCの制御下限の引き上げを行なうようにしてもよい。
図23は、図22のステップS140において実行される充電リザーブ量算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。図23を参照して、ECU100は、まず、上記の式(10)を用いて、放置による放電リザーブ増加量を算出する(ステップS210)。次いで、ECU100は、上記の式(12)を用いて、充放電による放電リザーブ増加量を算出する(ステップS220)。
ステップS210,S220において各放電リザーブ増加量が算出されると、ECU100は、これらを加算することによって、トータルの放電リザーブ増加量(a項)を算出する(ステップS230)。
次いで、ECU100は、上記の式(13)を用いて、放電リザーブ減少量(b項)を算出する(ステップS240)。そして、ECU100は、上記の式(2)に従って、放電リザーブ増加量(a項)から放電リザーブ減少量(b項)を減算することにより、放電リザーブ量を算出する(ステップS250)。
続いて、ECU100は、上記の式(14)を用いて負極容量を算出する(ステップS260)。さらに、ECU100は、上記の式(16)を用いて正極容量を算出する(ステップS270)。そして、ECU100は、上記の式(1)に従って、ステップS260において算出された負極容量から、ステップS270において算出された正極容量、及びステップS250において算出された放電リザーブ量を減算することによって、充電リザーブ量を算出する(ステップS280)。
以上のように、本実施の形態においては、負極の充電リザーブ量が、電池温度だけでなく、放電電気量及びΔSOCにも依存することに着目して、電池温度、放電電気量及びΔSOCから充電リザーブ量が算出される。したがって、本実施の形態によれば、充電リザーブ量を精度良く算出することができる。
また、本実施の形態においては、式(1),(2),(10),(12)〜(14),(16)を用いて、負極容量、正極容量及び放電リザーブ量が算出され、それらの算出結果を用いて充電リザーブ量が算出されるので、演算量を抑えつつ充電リザーブ量を精度良く算出することができる。
また、本実施の形態では、充電リザーブ量がしきい値を下回った場合に、充電リザーブ量の減少を抑制する制御が実行される。これにより、充電リザーブ量が減少した場合に、その減少が抑制されるので、電池の性能劣化を抑制することができる。
また、本実施の形態では、充電リザーブ量の減少を抑制する制御として、充電リザーブ量がしきい値を下回っていない場合に比べてΔSOCを小さくするように電池の充放電が制御される。具体的には、SOCの制御下限を引き上げることにより、ΔSOCを小さくする。これにより、電池の充放電電力が直接制限されることがないので、PCU30及びMG40による走行性能が低下するのを抑制することができる。
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 車両、2 電池システム、10 組電池、20 監視ユニット、21 電圧センサ、22 電流センサ、23 温度センサ、30 PCU、40 MG、50 伝達ギヤ、60 駆動輪、100 ECU、102 CPU、104 メモリ、110 電池、111 ケース、112 蓋体、113 正極端子、114 負極端子、120 安全弁、200,210 縦枠、220 電解液、230 水素ガス。

Claims (1)

  1. ニッケル水素電池と、
    前記ニッケル水素電池の充放電を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記ニッケル水素電池の放電リザーブ量を算出する処理と、
    前記ニッケル水素電池の負極容量から前記ニッケル水素電池の正極容量及び前記放電リザーブ量を減算することによって、前記ニッケル水素電池の充電リザーブ量を算出する処理とを実行し、
    前記放電リザーブ量を算出する処理は、前記放電リザーブ量の増加量を示すモデルを用いて前記増加量を繰り返し算出する処理を含み、
    前記モデルは、前記ニッケル水素電池の初期状態からの経過時間の平方根に前記ニッケル水素電池の温度毎に予め求められた係数を乗算することによって、前記温度毎の前記増加量を示すモデルを含み、
    前記増加量を算出する処理は、前記温度に応じた前記係数の二乗値を、前記増加量の前回演算時に算出された前記増加量を示す前回値を2倍した値で除算することで得られる値に、前記前回値を加算することによって、前記増加量の今回値を算出する処理を含む、電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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