JP2017228363A - 導電性ペースト - Google Patents
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Abstract
【課題】焼結性とともに、密着性および塗布性に優れた導電性ペーストを提供する。
【解決手段】本発明の導電性ペーストは、導電性粒子と、樹脂と、分散媒と、を含むものであって、当該導電性ペーストの硬化体の比抵抗が1μΩ・cm以上、20μΩ・cm以下であり、25℃の温度環境下における、1[1/s]以上、100[1/s]以下のせん断速度領域において、せん断速度の増加に応じて粘度の増加を示す変曲点が存在しないものである。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の導電性ペーストは、導電性粒子と、樹脂と、分散媒と、を含むものであって、当該導電性ペーストの硬化体の比抵抗が1μΩ・cm以上、20μΩ・cm以下であり、25℃の温度環境下における、1[1/s]以上、100[1/s]以下のせん断速度領域において、せん断速度の増加に応じて粘度の増加を示す変曲点が存在しないものである。
【選択図】なし
Description
本発明は、導電性ペーストに関する。
これまで導電性ペーストは様々な用途に利用されてきた。その一つとして、電極や配線が形成された半導体装置等の電子装置への用途が挙げられる。
特許文献1には、導電性ペーストが半導体装置に利用された例が記されている。同文献によれば、半導体チップのパット電極と半田バンプ端子とを接続する配線層が、導電性ペーストである銀ペーストで形成される、と記載されている。また配線層は、パット電極の周囲を埋設する絶縁膜の表面を覆うように形成されている。
同文献に記載の配線層の形成方法としては、銀ペーストと有機溶媒との混合物をスプレーまたはインクジェット印刷する、という噴霧方法が使用されている。また、銀ペーストに使用される銀粒子には、噴霧状態に最適なナノ銀が使用されている。これにより、配線層のカバレッジを向上させることができる、と記載されている。
発明者が検討した結果、上記文献記載の導電性ペーストは、密着性と塗布性との両立という点で改善の余地を有していた。
本発明者はさらに検討したところ、例えば上記文献に記載のように、導電性ペーストが無機材料と有機材料との異種材料に跨って密着する場合には、導電性ペーストの密着性の向上が必要であると考えた。
また、上記文献記載の噴霧方法は膜厚制御しやすい膜形成技術である。これに対して、スピンコート等の塗布方法を用いた場合には、導電性ペーストの粘性特性に応じて塗布膜の厚みにバラツキが生じることがある。このため、塗布方法に用いる導電性ペーストにおいては、膜厚制御性などの塗布性の向上が一層必要であると考えた。
また、上記文献記載の噴霧方法は膜厚制御しやすい膜形成技術である。これに対して、スピンコート等の塗布方法を用いた場合には、導電性ペーストの粘性特性に応じて塗布膜の厚みにバラツキが生じることがある。このため、塗布方法に用いる導電性ペーストにおいては、膜厚制御性などの塗布性の向上が一層必要であると考えた。
上述の発明者が見出した課題に基づいて鋭意研究したところ、次の様な知見が得られた。
(1)導電性粒子のシンタリング(焼結)後においても残存する樹脂を適切に選択することにより、シンタリング後の導電性ペーストの密着性を向上できることが見出された。
(2)また本発明者は、各種の実験から、導電性ペーストの粘性特性と、膜厚制御性の間に関連があることを見出した。この点に着眼し、上記樹脂を有する導電性ペーストの粘性特性について詳細な検討を行った。その結果、所定のせん断速度領域における粘度が過剰に上昇しないように制御することで、導電性ペーストからなる塗布膜の膜厚制御を高度に実現できることが見出された。
(1)導電性粒子のシンタリング(焼結)後においても残存する樹脂を適切に選択することにより、シンタリング後の導電性ペーストの密着性を向上できることが見出された。
(2)また本発明者は、各種の実験から、導電性ペーストの粘性特性と、膜厚制御性の間に関連があることを見出した。この点に着眼し、上記樹脂を有する導電性ペーストの粘性特性について詳細な検討を行った。その結果、所定のせん断速度領域における粘度が過剰に上昇しないように制御することで、導電性ペーストからなる塗布膜の膜厚制御を高度に実現できることが見出された。
このような知見に基づいて、さらに具体的に検討した結果、上記樹脂を有する導電性ペーストにおいて、25℃の温度環境下における、1[1/s]以上、100[1/s]以下である所定のせん断速度領域において、せん断速度の増加に応じて、粘度が過剰に上昇する領域が存在しない場合には、密着性と塗布性とを両立することが可能になり、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、
導電性粒子と、
樹脂と、
分散媒と、を含む、導電性ペーストであって、
当該導電性ペーストの硬化体の比抵抗が1μΩ・cm以上、20μΩ・cm以下であり、
25℃の温度環境下における、1[1/s]以上、100[1/s]以下のせん断速度領域において、せん断速度の増加に応じて粘度の増加を示す変曲点が存在しない、導電性ペーストが提供される。
導電性粒子と、
樹脂と、
分散媒と、を含む、導電性ペーストであって、
当該導電性ペーストの硬化体の比抵抗が1μΩ・cm以上、20μΩ・cm以下であり、
25℃の温度環境下における、1[1/s]以上、100[1/s]以下のせん断速度領域において、せん断速度の増加に応じて粘度の増加を示す変曲点が存在しない、導電性ペーストが提供される。
本発明によれば、焼結性とともに、密着性および塗布性に優れた導電性ペーストが提供される。
<導電性ペースト>
本実施形態に係る導電性ペーストの概要について説明する。
本実施形態に係る導電性ペーストは、導電性粒子、樹脂、および分散媒を含むものである。当該導電性ペーストにおいては、25℃の温度環境下における、1[1/s]以上、100[1/s]以下のせん断速度領域において、せん断速度の増加に応じて、粘度の増加を示す変曲点が存在しないものとすることができる。
本実施形態に係る導電性ペーストの概要について説明する。
本実施形態に係る導電性ペーストは、導電性粒子、樹脂、および分散媒を含むものである。当該導電性ペーストにおいては、25℃の温度環境下における、1[1/s]以上、100[1/s]以下のせん断速度領域において、せん断速度の増加に応じて、粘度の増加を示す変曲点が存在しないものとすることができる。
本発明者は、導電性ペーストを塗布により異種材料に跨って形成する場合には、密着性と塗布性の両立が重要であると考えるに至った。
例えば、上記特許文献1に記載の銀ペーストにおいては、電極である金属材料と絶縁膜である有機材料とからなる異種材料である両者への密着性が求められている。
これに対して、本発明者が検討した所、シンタリング後においても残存する樹脂を適切に選択し、この樹脂を導電性ペーストに含めることで、導電性ペーストの密着性を向上できるという知見が得られた。
これに対して、本発明者が検討した所、シンタリング後においても残存する樹脂を適切に選択し、この樹脂を導電性ペーストに含めることで、導電性ペーストの密着性を向上できるという知見が得られた。
また、発明者が検討した結果、塗布方法により導電性ペーストを薄膜形成する場合には、導電性ペーストの粘性特性に応じて、その厚みや厚み均一性にバラツキが生じることがあるため、膜厚制御性などの塗布性の向上が一層必要になることが判明した。
そこで、本発明者がさらに検討した結果、導電性ペーストの粘性特性と膜厚制御性との間に関連に着眼し、その着眼に基づくことにより、上記樹脂を含めた導電性ペーストのせん断速度および粘度挙動について詳細な検討を行うに至った。その結果、所定のせん断速度領域における粘度の過剰な上昇を抑制することにより、導電性ペーストからなる塗布膜の膜厚制御を高度に実現できることが判明した。
この詳細なメカニズムは定かでないが、次のように考えられる。
まず、塗布工程時における塗布膜のせん断速度に対応する範囲を特定し、所定のせん断速度領域として設定する。所定のせん断速度領域における粘度を指標とすることにより、塗布時の導電性ペーストの塗布膜の状態(例えば、粘性特性)を評価できることになる、と考えられる。
そして、このような新たな評価指標を用いることにより、上記の所定のせん断速度領域において、上記の樹脂を含めた導電性ペーストの粘度挙動と塗膜状態(例えば、膜厚など)の関係を示す知見が得られる、と考えられる。
すなわち、塗布時における導電性ペーストの粘性特性を代替評価できる指標を利用することで、粘度挙動と膜厚状態の関係を示す実験結果から、所定のせん断速度領域において粘度の過剰な上昇を抑制するという粘性特性を調整することにより、塗布膜の膜厚制御を高度に実現できる、と考えられる。
そこで、本発明者がさらに検討した結果、導電性ペーストの粘性特性と膜厚制御性との間に関連に着眼し、その着眼に基づくことにより、上記樹脂を含めた導電性ペーストのせん断速度および粘度挙動について詳細な検討を行うに至った。その結果、所定のせん断速度領域における粘度の過剰な上昇を抑制することにより、導電性ペーストからなる塗布膜の膜厚制御を高度に実現できることが判明した。
この詳細なメカニズムは定かでないが、次のように考えられる。
まず、塗布工程時における塗布膜のせん断速度に対応する範囲を特定し、所定のせん断速度領域として設定する。所定のせん断速度領域における粘度を指標とすることにより、塗布時の導電性ペーストの塗布膜の状態(例えば、粘性特性)を評価できることになる、と考えられる。
そして、このような新たな評価指標を用いることにより、上記の所定のせん断速度領域において、上記の樹脂を含めた導電性ペーストの粘度挙動と塗膜状態(例えば、膜厚など)の関係を示す知見が得られる、と考えられる。
すなわち、塗布時における導電性ペーストの粘性特性を代替評価できる指標を利用することで、粘度挙動と膜厚状態の関係を示す実験結果から、所定のせん断速度領域において粘度の過剰な上昇を抑制するという粘性特性を調整することにより、塗布膜の膜厚制御を高度に実現できる、と考えられる。
以上により、本実施形態の導電性ペーストは、シンタリング後にも残存する樹脂を適切に選択し、かつ、所定のせん断速度領域における粘度の過剰な上昇を抑制することができるので、密着性と塗布性の両立を実現することができる。
また、本実施形態の導電性ペーストにおいて、導電性粒子のシンタリングを補助する特性を有する樹脂を適切に選択しているので、さらに低抵抗を実現することが可能である。
詳細なメカニズムは定かではないが、適切な樹脂を選択することにより、導電性粒子のシンタリングの時に、(I)樹脂の溶融粘度が低い状態が保たれるので、導電性粒子が移動しやすくなること、または(II)収縮している樹脂が金属粒子同士を押しつける状態を生み出すことができるので、シンタリングを促進することが可能になる、と考えられる。
詳細なメカニズムは定かではないが、適切な樹脂を選択することにより、導電性粒子のシンタリングの時に、(I)樹脂の溶融粘度が低い状態が保たれるので、導電性粒子が移動しやすくなること、または(II)収縮している樹脂が金属粒子同士を押しつける状態を生み出すことができるので、シンタリングを促進することが可能になる、と考えられる。
したがって、本実施形態の導電性粒子は、熱処理によりシンタリングを起こして粒子連結構造を形成することになる。すなわち、本実施形態の導電性ペーストの硬化体の比抵抗を低く抑えることが可能になる。言い換えると、本実施形態において、導電性ペーストの硬化体の比抵抗が下記の範囲内であることは、所望の低抵抗が得られる程度に、導電性粒子のシンタリングが十分に進行することを意味する。本実施形態において、上記硬化体の比抵抗の下限値は、例えば、1μΩ・cm以上としてもよく、2μΩ・cm以上としてもよく、4μΩ・cm以上としてもよい。これにより、低抵抗に優れた導電性ペーストが得られる。また、上記硬化体の比抵抗の上限値は、例えば、20μΩ・cm以下が好ましく、10μΩ・cm以下がより好ましく、9μΩ・cm以下がさらに好ましい。これにより、導電性ペーストの歩留まりを高めることができる。
以下、本実施形態に係る導電性ペーストの各成分について説明する。
(導電性粒子)
本実施形態に係る導電性粒子について説明する。
本実施形態の導電性粒子は、熱処理によりシンタリングを起こして粒子連結構造を形成するものである。
本実施形態に係る導電性粒子について説明する。
本実施形態の導電性粒子は、熱処理によりシンタリングを起こして粒子連結構造を形成するものである。
本実施形態において、導電性粒子は、たとえばAg(銀)、Au(金)、およびCu(銅)からなる群から選択される一種または二種以上の金属原子から構成される金属粒子を意味する。この中でも、導電性粒子としては、低抵抗の観点から、銀粒子または銅粒子であることが好ましく、銀粒子であることがさらに好ましい。
上記導電性粒子の金属の純度は、特に限定されないが、純度の高いものが好ましく、例えば、95%以上がより好ましく、98%以上がさらに好ましく、99%以上とくに好ましい。例えば、銀粒子である導電性粒子は、本発明の目的を損なわない限りであれば、(上記の純度を示す)主成分である銀以外の金属を微量に含んでもよい。このような金属としては、銅、鉄、アルミニウム、亜鉛、錫、金、ニッケル等が挙げられる。また、導電性粒子は、シンタリングを促進する、あるいは低コスト化等の目的で、例えば、非金属成分を含むことが可能である。なお、本実施形態の導電性粒子は、その製造工程において不可避に混入する不純物が含有されていることを許容する。
本実施形態の導電性粒子は、非金属成分として、例えば炭素を含有することができる。導電性粒子に含まれる炭素は、導電性粒子にシンタリングが生じる際の焼結助剤として機能する。このため、導電性粒子の焼結性を向上させることが可能となる。ここで、導電性粒子が炭素を含有するとは、導電性粒子の内部に含有される場合や、導電性粒子の表面に物理的または化学的に吸着されている場合を含む。
導電性粒子が炭素を含有する場合の一例として、導電性粒子に炭素を含む滑剤を付着させる態様が挙げられる。このような滑剤としては、たとえば高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸アミド、および高級脂肪酸エステルが挙げられる。滑剤の含有量は、導電性粒子全体に対してたとえば0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。これにより、炭素を焼結助剤として効果的に機能させつつ、熱伝導性の低下を抑制することが可能となる。
導電性粒子が炭素を含有する場合の一例として、導電性粒子に炭素を含む滑剤を付着させる態様が挙げられる。このような滑剤としては、たとえば高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸アミド、および高級脂肪酸エステルが挙げられる。滑剤の含有量は、導電性粒子全体に対してたとえば0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。これにより、炭素を焼結助剤として効果的に機能させつつ、熱伝導性の低下を抑制することが可能となる。
本実施形態の導電性粒子において、熱処理によりシンタリングを起こして形成された粒子連結構造は、例えば、走査電子顕微鏡で得られた断面図から判断してもよいが、X線回折を用いた手法により判断することができる。具体的には、金属粉を有機分散媒(ブチルカルビトール)に濃度90wt%で分散させたペーストを用いて塗膜を作成し、100℃10分で分散媒を乾燥させた後の導電性粒子の結晶子径をd1、この塗膜を250℃60分熱処理した後の結晶子径をd2とする。これらの結晶子径の比(d2/d1)が、1.1以上であり、かつd1が15.0nm以上である場合、導電性粒子が上記粒子連結構造を有していると判断できる。ここで、上記結晶子径は、例えばX線回折装置(XRD)を用いて評価を行うことができ、銀に由来する回折チャートの2Θ=38°±0.2のピークを用いて測定する事ができる。また、塗膜を形成する基材としてはスライドガラスを用いることができる。
本実施形態の導電性粒子の平均粒径(D50)の下限値は、例えば、0.5μm以上が好ましく、0.6μm以上がより好ましく、0.8μm以上がさらに好ましい。これにより、塗布した時の過度なチキソ性を防ぐことができる。導電性粒子の平均粒径(D50)の上限値は、例えば、4μm以下が好ましく、3.5μm以下がより好ましく、3μm以下がさらに好ましい。これにより、導電性粒子間における焼結性を向上させることが可能となる。また、導電性ペーストの粘度を安定的に制御可能になる。
また、導電性ペーストの塗布性を向上させる観点からは、導電性粒子の平均粒径(D50)が0.6μm以上3.0μm以下であることがより好ましく、0.8μm以上2.9μm以下であることがとくに好ましい。
本実施形態において、導電性ペーストは、平均粒径(D50)が異なる導電性粒子を2種以上有していてもよい。
また、導電性ペーストの塗布性を向上させる観点からは、導電性粒子の平均粒径(D50)が0.6μm以上3.0μm以下であることがより好ましく、0.8μm以上2.9μm以下であることがとくに好ましい。
本実施形態において、導電性ペーストは、平均粒径(D50)が異なる導電性粒子を2種以上有していてもよい。
また、上記導電性粒子は、導電性ナノ粒子を含まない態様としてもよい。導電性ナノ粒子としては、例えば、平均粒径D50が100nm以下であってもよく、さらに80nm以下であってもよい。これにより、所定のせん断速度領域において過度な粘度上昇を抑制することができるので、導電性ペーストの塗布性を向上させることができる。
本実施形態において、導電性粒子の平均粒径(D50)は、たとえば市販のレーザー式粒度分布計(たとえば、(株)島津製作所製、SALD−7000等)を用いて測定することができる。
本実施形態において、導電性粒子の体積の下限値は、樹脂の固形分と導電性粒子との合計体積(100体積%)に対して、特に限定されないが、例えば、40体積%以上であることが好ましく、45体積%以上であることがより好ましい。これにより、導電性粒子の焼結性を向上させ、熱伝導性と導電性の向上に寄与することが可能となる。一方で、導電性粒子の体積の上限値は、上記合計体積に対して、例えば、95体積%以下であることが好ましく、90体積%以下であることがとくに好ましい。これにより、導電性ペーストの塗布作業性や、シンタリング後の導電性ペーストの機械強度等の向上に寄与することができる。
本実施形態において、「樹脂の固形分」とは、樹脂中における不揮発分を指し、水や溶媒等の揮発成分を除いた残部を指す。また、本実施形態において、導電性ペースト全体に対する含有量とは、溶媒を含む場合には、樹脂のうちの溶媒を除く成分全体に対する含有量であり、例えば、樹脂中の固形分、樹脂中の溶媒分、導電性粒子、および分散媒の合計値を指す。
本実施形態に係る導電性粒子の形状は、とくに限定されないが、たとえば球状、多角形状(角に丸みがある略球状を含む)、フレーク状、樹枝状、および鱗片状等を挙げることができる。また、導電性粒子が球状粒子、多角形状粒子またはフレーク状粒子を含むことがより好ましい。
これにより、導電性粒子の充填性を適度に調整することができるので、塗布性や焼結性を向上させることができる。また、シンタリングの均一性の向上にも寄与することができる。また、焼結性に優れ、コストを低減させる観点からは、導電性粒子がフレーク状粒子を含む態様を採用することもできる。さらには、コストの低減とシンタリングの均一性とのバランスを向上させる観点から、導電性粒子が球状粒子または多角形状粒子とフレーク状粒子の双方を含んでいてもよい。
これにより、導電性粒子の充填性を適度に調整することができるので、塗布性や焼結性を向上させることができる。また、シンタリングの均一性の向上にも寄与することができる。また、焼結性に優れ、コストを低減させる観点からは、導電性粒子がフレーク状粒子を含む態様を採用することもできる。さらには、コストの低減とシンタリングの均一性とのバランスを向上させる観点から、導電性粒子が球状粒子または多角形状粒子とフレーク状粒子の双方を含んでいてもよい。
本実施形態に係る導電性粒子の充填率は、下記の充填性評価方法に基づいて算出することができる。上記充填率の上限値としては、例えば、60%以下が好ましく、50%以下がより好ましく、40%以下がさらに好ましい。これにより、上記せん断速度領域における粘度を制御しやすくなり、導電性ペーストの塗布性を高めることができる。また、上記充填率の下限値としては、特に限定されないが、例えば、20%以上としてもよく、25%以上としてもよく、30%以上としてもよい。これにより、導電性ペーストの焼結性を高めることができる。
また、好適な本実施形態においては、少なくとも1つ以上の導電性粒子の充填率が、たとえば、20%以上38%以下であり、好ましくは23%以上37%以下であり、より好ましくは25%以上36%以下である。これにより、所定のせん断速度領域における粘度を制御できるとともに、粘度増加を抑制することができる。
なお、本実施形態の導電性ペーストは、異なる充填率を有する導電性粒子を複数含むことができる。
また、好適な本実施形態においては、少なくとも1つ以上の導電性粒子の充填率が、たとえば、20%以上38%以下であり、好ましくは23%以上37%以下であり、より好ましくは25%以上36%以下である。これにより、所定のせん断速度領域における粘度を制御できるとともに、粘度増加を抑制することができる。
なお、本実施形態の導電性ペーストは、異なる充填率を有する導電性粒子を複数含むことができる。
(充填性評価方法)
本実施形態における導電性粒子の充填率の測定方法は、たとえば、次のような手法を用いることができる。すなわち、ナノシーズ社製の粉体層せん断力測定装置NS−S500を用いて評価することができる。具体的には、粉体である導電性粒子が、銀粉である例を用いて説明する。まず、内径4mmの円筒(円筒断面積:12.5mm2)の中に予め秤量された銀粉を投入し100Nの縦荷重をかける。縦荷重を加えた状態で、銀粉が堆積してなる「粉体層高さ」と「銀粉重量(全重量)」を測定する。これらの測定値を用いて、銀粉が荷重により圧縮された時の「銀粉密度(g/cm3)=(銀粉重量)/(粉体層高さ×円筒断面積)」が算出される。算出された「銀粉密度(g/cm3)」を、室温における「銀密度(10.5(g/cm3))」で除し、体積密度(%)に換算したものを「充填率(%)」と定義する。なお、銀粉以外の他の導電性粒子についても、同様にして充填率を測定できる。
充填率(%)=(銀粉重量/銀密度)/(粉体層高さ×円筒断面積)×100
本実施形態における導電性粒子の充填率の測定方法は、たとえば、次のような手法を用いることができる。すなわち、ナノシーズ社製の粉体層せん断力測定装置NS−S500を用いて評価することができる。具体的には、粉体である導電性粒子が、銀粉である例を用いて説明する。まず、内径4mmの円筒(円筒断面積:12.5mm2)の中に予め秤量された銀粉を投入し100Nの縦荷重をかける。縦荷重を加えた状態で、銀粉が堆積してなる「粉体層高さ」と「銀粉重量(全重量)」を測定する。これらの測定値を用いて、銀粉が荷重により圧縮された時の「銀粉密度(g/cm3)=(銀粉重量)/(粉体層高さ×円筒断面積)」が算出される。算出された「銀粉密度(g/cm3)」を、室温における「銀密度(10.5(g/cm3))」で除し、体積密度(%)に換算したものを「充填率(%)」と定義する。なお、銀粉以外の他の導電性粒子についても、同様にして充填率を測定できる。
充填率(%)=(銀粉重量/銀密度)/(粉体層高さ×円筒断面積)×100
本実施形態においては、球状粒子およびフレーク状粒子を合計した導電性粒子の含有量は、導電性粒子全体100質量%に対して、たとえば、90重量%以上であることが好ましく、95重量%以上であることが好ましい。かかる含有量の上限値は、特に限定されないが、例えば、100重量%以下とする。これにより、シンタリングの均一性をより効果的に向上させることができる。また、シンタリングの均一性をさらに向上させる観点からは、フレーク状粒子の導電性粒子の含有量は、導電性粒子全体100質量%に対して、たとえば、15重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることが好ましい。かかる含有量の上限値は、特に限定されないが、例えば、100重量%以下とする。
(樹脂)
本実施形態に係る樹脂について説明する。
本実施形態の導電性ペーストは、下記の樹脂を含むことができる。本実施形態に係る樹脂としては、シンタリング後に残存する樹脂であることが好ましい(ただし、シンタリング工程において不可避に蒸発する成分を許容する)。
本実施形態に係る樹脂について説明する。
本実施形態の導電性ペーストは、下記の樹脂を含むことができる。本実施形態に係る樹脂としては、シンタリング後に残存する樹脂であることが好ましい(ただし、シンタリング工程において不可避に蒸発する成分を許容する)。
本実施形態において、樹脂の固形分の体積の下限値は、樹脂の固形分と導電性粒子との合計体積(100体積%)に対して、例えば、1体積%以上であることが好ましく、3体積%以上であることがより好ましく、5体積%以上であることがさらに好ましい。一方、樹脂の固形分の体積の上限値は、特に限定されないが、上記合計体積に対して、例えば、50体積%以下であることが好ましく、45体積%以下であることがより好ましく、40体積%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態において、樹脂の固形分の体積を上記下限値以上とすることにより、導電性ペーストの密着性を高めることができる。一方、樹脂の固形分の体積を上限値以下とすることにより、導電性粒子のシンタリングの妨げを抑制でき、導電性ペーストの抵抗を低くすることができる。本実施形態において、導電性ペーストが発揮する密着性としては、無機材料に対して密着するだけでなく、有機材料に対しても密着することが好ましい。
本実施形態において、樹脂の体積の測定方法としては、例えば、配合重量と当該樹脂固有の比重から求めることが出来る。一方、導電性粒子の体積の測定方法としては、例えば、導電性粒子の比重から算出できる。
また、本実施形態の樹脂の含有量の下限値は、例えば、導電性ペースト全体(溶剤を除く)に対して、2.0重量%以上が好ましく、3.0重量%以上がより好ましく、4.0重量%以上がさらに好ましい。これにより、導電性ペーストの密着性を向上させることができる。また、上記樹脂の含有量の上限値は、例えば、導電性ペースト全体に対して、12重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましく、8重量%以下がさらに好ましい。これにより、導電性粒子のシンタリングの妨げを抑制でき、導電性ペーストの抵抗を低くすることができる。
本実施形態に係る樹脂は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂の混合物などを用いることができる。本実施形態の樹脂は、これらの樹脂から適宜選択できるが、熱硬化性樹脂を用いるのが好ましく、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を併用することがより好ましい。
本実施形態において、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を併用する場合には、熱可塑性樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との合計値に対して、たとえば、2重量%以上50重量%以下であり、好ましくは4重量%以上40重量%以下であり、より好ましくは6重量%以上30重量%以下である。これにより、導電性粒子のシンタリングを促進する樹脂とともに、導電性粒子の分散性を高める樹脂を併用することができるので、焼結性と塗布性のバランスを向上させることができる。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂としては、加熱により3次元的網目構造を形成する樹脂である。当該熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、マレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、シアネート樹脂、(メタ)アクリル基を有する樹脂等が挙げられる。例えば、熱硬化性樹脂が、室温で液状である液状樹脂であってもよい。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態に係る熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリルポリマー、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態に係る樹脂としては、これらの中でも、極性基を有する樹脂を含むことが好ましい。また、上記極性基としては、例えば、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基からなる群から選択される一種以上を含むことが好ましい。この中でも、少なくともカルボキシル基を含むことが好ましい。これにより、導電性ペーストの分散性を高めることができるので、塗布性を向上させることができる。
まだ、本実施形態に係る樹脂の重量平均分子量(Mw)の下限値としては、例えば、104以上が好ましく、3.0×104以上がより好ましく、5.0×104以上がさらに好ましい。また、上記樹脂の重量平均分子量の上限値としては、特に限定されないが、例えば、106以下が好ましく、7.0×105以下がより好ましく、5.0×105以下がさらに好ましい。これにより、導電性ペーストの分散性を最適とすることができるので、塗布性を向上させることができる。
本実施形態に係る樹脂としては、これらの中でも、極性基を有する観点から、アクリルポリマー、ポリビニルブチラール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、およびベンゾオキサジン環を有する樹脂からなる群から選択される一種以上を含むことが好ましい。また、これらの中でも、極性基を有し、かつ高分子量である観点から、アクリルポリマー、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。
本実施形態に係るアクリルポリマーとしては、例えば、カルボキシル基含有アクリル樹脂が好ましく、例えば、SG−70L、SG708−6、SG−280などが挙げられる。
また、本実施形態に係る(メタ)アクリル基を有する樹脂である(メタ)アクリレートとしては、たとえば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチルプロパン骨格を有するエポキシアクリレート等の3官能のメタクリレートモノマー等が挙げられる。
本実施形態に係るアクリル樹脂としては、たとえば、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、3官能以上の多官能(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、2官能以上のポリエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。
本実施形態に係るアクリル樹脂としては、たとえば、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、3官能以上の多官能(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、2官能以上のポリエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチルヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートのような脂肪族(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレートのような脂環式(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、p−クミルフェニル(メタ)アクリレート、o−ビフェニル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(1−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(2−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレートのような芳香族(メタ)アクリレート、2−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N−カルバゾールのような複素環式(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレートのような脂肪族(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレートのような脂環式(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、フルオレン型ジ(メタ)アクリレートのような芳香族(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレートのような複素環式(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、3官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレートのような脂肪族(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレートのような複素環式(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、本実施形態に係るフェノール樹脂としては、特に限定されないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、およびレゾール型フェノール樹脂等が挙げられる。この中でも、熱硬化収縮が大きく、また密着性が高い観点から、レゾール型フェノール樹脂がより好ましい。レゾール型フェノール樹脂は、例えば、アルカリ触媒下でフェノール類とアルデヒド類を反応させて得られる。
本実施形態に係るノボラック型フェノール樹脂は、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを酸性触媒のもとで反応させることにより得ることができる。
ノボラック型フェノール樹脂を製造する際に用いるフェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、p−フェニルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、レゾルシノールなどが挙げられる。なお、これらフェノール類を単独または2種類以上併用して用いてもよい。
ノボラック型フェノール樹脂を製造する際に用いるフェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、p−フェニルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、レゾルシノールなどが挙げられる。なお、これらフェノール類を単独または2種類以上併用して用いてもよい。
また、ノボラック型フェノール樹脂の製造に用いるアルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド等のアルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等の芳香族アルデヒド等が挙げられる。ホルムアルデヒド源としては、ホルマリン(水溶液)、パラホルムアルデヒド、アルコール類とのヘミホルマール、トリオキサン等が挙げられる。なお、これらアルデヒド類を単独または2種類以上併用して用いてもよい。
ノボラック型フェノール樹脂を合成する際、フェノール類とアルデヒド類との反応モル比率は、通常、フェノール類1モルに対して、アルデヒド類が0.3〜1.0モルであり、特に0.6〜0.9モルとすることが好ましい。
また、ノボラック型フェノール樹脂の製造に用いる酸性触媒としては、例えば、蓚酸、酢酸等の有機カルボン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機スルホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1'−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸等の有機ホスホン酸、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸等が挙げられる。なお、これらの酸性触媒を単独、または2種類以上併用して使用してもよい。
レゾール型フェノール樹脂は、例えば、フェノール類とアルデヒド類をアルカリ金属やアミン類、二価金属塩などの触媒の存在下で反応させることによって得ることができる。
レゾール型フェノール樹脂の製造に用いるフェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール類、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール類、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール類、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のブチルフェノール類、p−tert−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール等のアルキルフェノール類、フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノール等のハロゲン化フェノール類、p−フェニルフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノール等の1価フェノール置換体、及び、1−ナフトール、2−ナフトール等の1価のフェノール類、レゾルシン、アルキルレゾルシン、ピロガロール、カテコール、アルキルカテコール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタリン等の多価フェノール類等が挙げられる。なお、これらフェノール類を単独あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
また、レゾール型フェノール樹脂の製造に用いるアルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられる。これらアルデヒド類を、単独または2種類以上組み合わせて使用してもよい。なお、これらのアルデヒド類の中でも、反応性が優れ、安価であるという観点から、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドを選択して用いることが好ましい。
また、レゾール型フェノール樹脂の製造に用いる触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物、炭酸ナトリウム、アンモニア水、トリエチルアミン、ヘキサメチレンテトラミンなどのアミン類、酢酸マグネシウムや酢酸亜鉛などの二価金属塩などが挙げられる。これら触媒は、単独または2種類以上併用してもよい。
なお、レゾール型フェノール樹脂を製造する際、フェノール類とアルデヒド類との反応モル比としては、好ましくはフェノール類1モルに対して、アルデヒド類0.80〜2.50モルであり、さらに好ましくは、アルデヒド類1.00〜2.30モルである。
アリールアルキレン型フェノール樹脂は、繰り返し単位中に一つ以上のアリールアルキレン基を有するフェノール樹脂を示す。このようなアリールアルキレン型フェノール樹脂としては、例えば、キシリレン型フェノール樹脂、ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂等が挙げられる。
本実施形態に係るベンゾオキサジン系樹脂(ベンゾオキサジン環を有する樹脂)は、オキサジン環がベンゼン環に隣接した構造を有する熱硬化性樹脂である。当該ベンゾオキサジン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、フェノール化合物、アミン化合物、アルデヒド化合物を反応させることにより製造できる。
本実施形態においては、シンタリングの均一性、熱伝導性、導電性等のバランスを向上させる観点から、たとえば、樹脂中に硬化剤を含まない態様を採用することもできる。樹脂中に硬化剤を含まないとは、たとえば熱硬化性樹脂の全体である100重量部に対する硬化剤の含有量が0.01重量部以下である場合を指す。
本実施形態の導電性ペーストは、硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、イミダゾール類、トリフェニルホスフィンまたはテトラフェニルホスフィンの塩類、ジアザビシクロウンデセンなどのアミン系化合物およびその塩類などが挙げられる。
ここで、本実施形態の導電性ペーストは、導電性粒子、樹脂、および分散媒から構成されるものとする。この場合、樹脂とは、上記導電性ペーストから導電性粒子および分散媒を除いた残りの全成分とすることができる。ただし、分散媒を乾燥させて除くとき、完全に分散媒が除かれた状態が好ましいが、作業プロセス上、不可避に残存する分散媒は許容できる。また、上記導電性ペーストが充填材を含む場合、かかる充填材を除いたものを、評価するための上記樹脂とする。
本実施形態に係る分散媒としては、とくに限定されないが、例えば、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アノン、ジアセトンアルコール、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、メチルメトキシブタノール、α−ターピネオール、β−ターピネオール、へキシレングリコール、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、イゾパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールもしくはグリセリン等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール(4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン)、2−オクタノン、イソホロン(3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン)もしくはジイソブチルケトン(2,6−ジメチル−4−ヘプタノン)等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、アセトキシエタン、酪酸メチル、ヘキサン酸メチル、オクタン酸メチル、デカン酸メチル、メチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1,2−ジアセトキシエタン、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジルもしくはリン酸トリペンチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、エトキシエチルエーテル、1,2−ビス(2−ジエトキシ)エタンもしくは1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン等のエーテル類、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エタン等のエステルエーテル類、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール等のエーテルアルコール類、トルエン、キシレン、n−パラフィン、イソパラフィン、ドデシルベンゼン、テレピン油、ケロシンもしくは軽油等の炭化水素類、α−テルピネオール、ジヒドロキシテルピネオール、ジヒドロテルピネオールアセテート等のテルピネオール類、アセトニトリルもしくはプロピオニトリル等のニトリル類、アセトアミドもしくはN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、低分子量の揮発性シリコンオイル、または揮発性有機変成シリコンオイル等が用いられる。この中でも、作業性や揮発性の観点から、例えば、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アノン、ジアセトンアルコール、α−テルピネオール、ジヒドロキシテルピネオール、ジヒドロキシテルピネオールアセテート等が好ましく、分散性の観点から、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、α−テルピネオール、ジヒドロキシテルピネオール、またはジヒドロキシテルピネオールアセテートがより好ましい。
また、これらは、二種以上を組み合わせた混合分散媒として使用することもできる。
また、これらは、二種以上を組み合わせた混合分散媒として使用することもできる。
また、本実施形態に係る分散媒の溶解度パラメータであるSP値の下限値は、例えば、8.5((cal/cm3)1/2)以上が好ましく、9((cal/cm3)1/2)以上がより好ましく、9.5((cal/cm3)1/2)以上がさらに好ましい。高SP値の分散媒を使用することにより、分散性を良好とすることができる。詳細なメカニズムは定かでないが、極性が大きいほうがζ電位による反発により、分散性が良好となると考えられる。また、上記SP値の上限値は、特に限定されないが、例えば、14((cal/cm3)1/2)以下が好ましく、13.5((cal/cm3)1/2)以下がより好ましく、13((cal/cm3)1/2)以下がさらに好ましい。これにより、良好な樹脂の溶解性が得られる。このような高いSP値を有する分散媒を使用することにより、優れた塗布性を得ることができる。
本実施形態における溶解度パラメーター(SP値)は、Hansenの式に従っており、詳細は「SP値 基礎・応用と計算方法」(山本秀樹著、情報機構社刊)に基づいて求められる。
また、本実施形態にける分散媒の含有量は、導電性ペースト全体に対する上記導電性粒子と上記樹脂の含有量の合計値を用いて示すことができる。つまり、導電性粒子と樹脂の合計値が大きいことは、上記分散媒の含有量が低いことを示す。
ここで、上記導電性粒子と上記樹脂の含有量の合計値の上限値は、本実施形態の導電性ペースト全体に対して、例えば、95重量%以下が好ましく、93重量%以下がより好ましく、92重量%以下がさらに好ましい。これにより、分散媒を適量使用することができるので、導電性ペーストの塗布性を向上させることができる。また、上記含有量の合計値の下限値は、特に限定されないが、例えば、30重量%以上が好ましく、40重量%以上がより好ましく、50重量%以上がさらに好ましい。これにより、分散媒の含有量を低減することで、導電性ペーストの低抵抗を安定的に実現することができる。
ここで、上記導電性粒子と上記樹脂の含有量の合計値の上限値は、本実施形態の導電性ペースト全体に対して、例えば、95重量%以下が好ましく、93重量%以下がより好ましく、92重量%以下がさらに好ましい。これにより、分散媒を適量使用することができるので、導電性ペーストの塗布性を向上させることができる。また、上記含有量の合計値の下限値は、特に限定されないが、例えば、30重量%以上が好ましく、40重量%以上がより好ましく、50重量%以上がさらに好ましい。これにより、分散媒の含有量を低減することで、導電性ペーストの低抵抗を安定的に実現することができる。
(その他の成分)
本実施形態に係る導電性ペーストには、必要に応じて酸化防止剤、分散剤、シリカ、アルミナ等の無機充填材、シリコーン樹脂やブタジエンゴム等の他のエラストマー、カップリング剤、消泡剤、レベリング剤、微細シリカ(チキソ調整剤)等の成分を添加することもできる。これらの成分の含有量は、導電性ペーストを適用する用途に合わせて適宜設定することができる。
本実施形態に係る導電性ペーストには、必要に応じて酸化防止剤、分散剤、シリカ、アルミナ等の無機充填材、シリコーン樹脂やブタジエンゴム等の他のエラストマー、カップリング剤、消泡剤、レベリング剤、微細シリカ(チキソ調整剤)等の成分を添加することもできる。これらの成分の含有量は、導電性ペーストを適用する用途に合わせて適宜設定することができる。
また、本実施形態の導電性ペーストには、Na+、NH4 +、K+、Ca2+、Mg2+、F−、Cl−、Br−、NO3 −、PO4 3−、PO3 3−、SO4 2−、およびZn2+からから選択される一種であるイオン(不純物)を含まないことが好ましい。つまり、Na+、NH4 +、K+、Ca2+、Mg2+、F−、Cl−、Br−、NO3 −、PO4 3−、PO3 3−、SO4 2−、およびZn2+からなるイオンの合計量が、導電性ペースト全体に対して、300ppm以下が好ましく、より好ましは250ppm以下であり、さらに好ましくは200ppm以下である。これにより、導電性ペースト中の銀粉の焼結が妨げられることを抑制できる。なお、これらのイオンの合計値の下限値は特に限定されないが、例えば0ppm以上とすることができる。
次に、本実施形態に係る導電性ペーストの製造方法について説明する。
本実施形態の導電性ペーストは、上述した各成分を混練混合することで製造することができる。この混合は、たとえばニーダー、三本ロール、ライカイ機等の混練装置や、各種撹拌装置等を用いて行えばよい。また、得られた混練混合物に対して、二本のロールの間に通して圧縮するロールがけを行ってもよい。
本実施形態の導電性ペーストは、上述した各成分を混練混合することで製造することができる。この混合は、たとえばニーダー、三本ロール、ライカイ機等の混練装置や、各種撹拌装置等を用いて行えばよい。また、得られた混練混合物に対して、二本のロールの間に通して圧縮するロールがけを行ってもよい。
また、本実施形態の導電性ペーストの硬化体の製造方法は、導電性粒子と樹脂とを混合することにより、本実施形態に係る導電性ペーストを準備する工程と、当該導電性ペーストを熱処理することにより、導電性粒子のシンタリングを起こして粒子連結構造を形成する工程と、を有している。
本実施形態において、樹脂としてシンタリングを補助する特性を有するものを選択することにより、硬化工程において、シンタリング温度を低くできたり、シンタリング時間を短くできる等、製造プロセス特性を高めることが可能になる。つまり、硬化工程において、低温または短時間のシンタリング条件を採用したとしても、導電性ペーストに対して低抵抗と密着性の両立を実現することが可能になる。また、本実施形態の導電性ペーストの製造方法においては、硬化工程の前に、乾燥工程を行っても良い。乾燥工程においては、シンタリング温度より低い温度で行われるが、例えば、80℃以上150℃以下でもよく、90℃以上110℃以下でもよく。これにより、導電性ペースト中の分散媒を適度に蒸発させることができるため、導電性ペーストの塗布膜に対する作業性を高めることができる。
本実施形態に係る導電性ペーストは、前述のように樹脂を選択することにより、200度以下、160度以上の低温での熱処理によりシンタリングさせる工程に用いることが可能になる。本実施形態において、シンタリング温度の上限値は、特に限定されないが、例えば、200度以下が好ましく、190度以下がさらに好ましく、180度以下がとくに好ましい。また、当該シンタリング温度の下限値は、特に限定されないが、例えば、160度以上が好ましく、165度以上がさらに好ましく、170度以上がとくに好ましい。
なお、シンタリング温度としては、例えば、250度以下または230度以下などの200度より高い温度を使用してもよい。
なお、シンタリング温度としては、例えば、250度以下または230度以下などの200度より高い温度を使用してもよい。
また、本実施形態において、シンタリングの時間の下限値は、特に限定されないが、例えば、15分以上が好ましく、18分以上がより好ましく、20分以上がさらに好ましい。当該シンタリングの時間の上限値としては、特に限定されないが、例えば、60分以下が好ましく、55分以下がより好ましく、50分以下がとくに好ましい。
[部分シンタリング構造]
本実施形態の導電性ペーストの硬化体は、導電性粒子(例えば、銀粒子)の粒子連結構造が形成された焼結部を有しているが、さらに、導電性粒子の粒子連結構造が形成されていない非焼結部を有していてもよい。言い換えると、本実施形態の硬化体は、シンタリングが全体に形成されている全体シンタリング構造を有してもよいが、シンタリングが部分的にしか形成されていない部分シンタリング構造を有していてもよい。かかる非焼結部には、本実施形態の樹脂が残存している。
本実施形態の導電性ペーストの硬化体は、導電性粒子(例えば、銀粒子)の粒子連結構造が形成された焼結部を有しているが、さらに、導電性粒子の粒子連結構造が形成されていない非焼結部を有していてもよい。言い換えると、本実施形態の硬化体は、シンタリングが全体に形成されている全体シンタリング構造を有してもよいが、シンタリングが部分的にしか形成されていない部分シンタリング構造を有していてもよい。かかる非焼結部には、本実施形態の樹脂が残存している。
本実施形態では、焼結部と非焼結部とを次の手法により確認することができる。例えば、硬化した導電性ペーストの断面を走査電子顕微鏡等の各種顕微鏡で観察し、観察像から導電性粒子(例えば、銀粒子)のシンタリング構造を判定する。
本実施形態の粒子連結構造を形成する工程は、粒子連結構造が形成された焼結部と、粒子連結構造が形成されていない非焼結部と、を形成する工程を有してもよい。本実施形態において、部分シンタリング構造を形成するためには、例えば、樹脂の含有量、シンタリング温度や時間等を適宜選択することが挙げられる。
本実施形態において、部分シンタリングの効果としては、低抵抗導電性と被着体への高い密着力の両立を実現することができる。その他、製造プロセスの短時間化、低温硬化も挙げられる。例えば、完全シンタリングが可能な系に対して所要する温度が低い条件や時間が短い条件の場合でも、完全な全体シンタリングが可能な系に極めて近いときには、部分シンタリングは、実用上問題ないレベルまでシンタリングされていると言える。また、種々適正な樹脂を配合することができるので、用途による適正なペーストとしての粘性特性が調整し易くなる。さらには、樹脂が残存しているので硬化物の脆さが改善される。その結果、構造上の強度を高めることや、接続信頼性を向上させることが可能になる。
以下、本実施形態に係る導電性ペーストの特性について説明する。
本実施形態に係る導電性ペーストにおいては、25℃の温度環境下における、1[1/s]以上、100[1/s]以下のせん断速度領域Iにおいて、せん断速度の増加に応じて粘度の増加を示す変曲点が存在しないことが好ましい。
具体的には、せん断速度領域Iにおける粘度変化を示す粘度関数は、任意の連続減少関数であることが好ましい。そして、本実施形態の粘度関数は、せん断速度領域Iに極大を有しないことが好ましい。ただし、せん断速度領域Iにおける粘度関数は、本発明の効果を損なわない限り、粘度がほぼ一定である領域を一部に有していても良い。
具体的には、せん断速度領域Iにおける粘度変化を示す粘度関数は、任意の連続減少関数であることが好ましい。そして、本実施形態の粘度関数は、せん断速度領域Iに極大を有しないことが好ましい。ただし、せん断速度領域Iにおける粘度関数は、本発明の効果を損なわない限り、粘度がほぼ一定である領域を一部に有していても良い。
本実施形態の導電性ペーストにおいては、25℃の温度環境下における、10[1/s]以上、100[1/s]以下のせん断速度領域IIにおいて、粘度の増加を示す変曲点が存在しないことがとくに好ましい。このような粘度特性を有する導電性ペーストは、塗布方法における塗布性に非常に優れることになる。
本実施形態において、導電性ペースト中に含まれる各成分の種類、導電性粒子の平均粒径、形状および充填率、樹脂の極性基や重量平均分子量、分散媒の溶解度や含有量、導電性ペーストの製造条件等の要素を適切に選択することにより、導電性ペーストの所定のせん断速度領域における粘度を制御することができる。これらの中でも、3つ以上の要素について、前述の好ましい種類や数値範囲内とすることが良い。
ここで、本実施形態においては、次のような(1)(2)が、所定のせん断速度領域における粘度挙動を制御するための要素として挙げられる。
(1)分散性を高める要素としては、導電性ナノ粒子を含まない導電性ペースト、優れた極性基を有しかつ高分子量の第一樹脂(さらに、分散性を高める第一樹脂とは異なる種類の樹脂である、導電性粒子のシンタリングを促進する第二樹脂を併用すること)、高い溶解度を有する分散媒等が挙げられる。
(2)粘度挙動を調整する要素として、充填率が上記上限値(たとえば38%)以下である導電性粒子を使用すること等が挙げられる。
これらの要素を組み合わせて使用することにより、導電性ペーストの粘度挙動を安定的に制御することができる。
ここで、本実施形態においては、次のような(1)(2)が、所定のせん断速度領域における粘度挙動を制御するための要素として挙げられる。
(1)分散性を高める要素としては、導電性ナノ粒子を含まない導電性ペースト、優れた極性基を有しかつ高分子量の第一樹脂(さらに、分散性を高める第一樹脂とは異なる種類の樹脂である、導電性粒子のシンタリングを促進する第二樹脂を併用すること)、高い溶解度を有する分散媒等が挙げられる。
(2)粘度挙動を調整する要素として、充填率が上記上限値(たとえば38%)以下である導電性粒子を使用すること等が挙げられる。
これらの要素を組み合わせて使用することにより、導電性ペーストの粘度挙動を安定的に制御することができる。
また、本実施形態の導電性ペーストにおいては、25℃の温度環境下における、1[1/s]のせん断速度における粘度の上限値は、例えば、300Pa・s以下が好ましく、200Pa・s以下がより好ましく、100Pa・s以下がさらに好ましい。これにより、塗布性に優れた導電性ペーストを得ることができる。1[1/s]のせん断速度における粘度の下限値は、特に限定されないが、例えば、1Pa・s以上が好ましく、2Pa・s以上がより好ましく、3Pa・s以上がさらに好ましい。これにより、導電性ペーストの成膜性を向上させることができる。
また、本実施形態の導電性ペーストにおいては、25℃の温度環境下における、100[1/s]のせん断速度における粘度の上限値は、例えば、20Pa・s以下が好ましく、15Pa・s以下がより好ましく、10Pa・s以下がさらに好ましい。これにより、塗布性に優れた導電性ペーストを得ることができる。100[1/s]のせん断速度における粘度の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.1Pa・s以上が好ましく、0.2Pa・s以上がより好ましく、0.3Pa・s以上がさらに好ましい。これにより、導電性ペーストの成膜性を向上させることができる。
一方、せん断速度領域Iから外れたせん断速度領域IIIにおいて、上記粘度関数は、せん断速度の増加に応じて、粘度の増加を示す変曲点を有していても良い。例えば、本実施形態の導電性ペーストにおいては、25℃の温度環境下における、0.1[1/s]以上、1[1/s]未満のせん断速度領域IIIにおいて、せん断速度の増加に応じて粘度の増加を示す変曲点が存在していてもよい。この場合でも、せん断速度領域Iにおいては、粘度の増加を示す変曲点が存在しないため、塗布性に優れた導電性ペーストを得ることができる。
この場合、本実施形態の粘度関数において、せん断速度の増加方向に見たとき、極小から極大までの上昇する粘度の範囲の上限値は、例えば、20Pa・s以下が好ましく、15Pa・s以下がより好ましく、10Pa・s以下がさらに好ましい。上昇する粘度の範囲の下限値は特に限定されないが、例えば、0Pa・s以上としてもよい。上昇する粘度の範囲を上記上限値以下とすることにより、過度な粘度上昇を抑制できるので、塗布性に優れた導電性ペーストを実現することができる。
また、本実施形態の粘度関数は、減少量が変化する変化点を有していても良い。具体的には、上記粘度関数は、例えば、せん断速度領域IIIや、1[1/s]以上、10[1/s]未満のせん断速度領域IVにおいて、変化点を有していてもよい。
また、本実施形態の導電性ペーストの室温25℃におけるせん断速度[1/s]に応じた粘度[Pa・s]の測定結果から、せん断速度[1/s]−粘度[Pa・s]の両対数プロット曲線が得られる。
上記のせん断速度[1/s]−粘度[Pa・s]の両対数プロット曲線から算出した、1[1/s]以上、100[1/s]以下のせん断速度領域Iにおける、粘度減少を示す傾きA1の平均傾きの下限値は、例えば、−1より大きく、好ましくは−0.9以上であり、より好ましくは−0.8以上である。これにより、急激な粘度変化を抑制でき、塗布性を向上させることができる。一方、上記傾きA1の平均傾きの上限値は、特に限定されないが、例えば、0より小さく、好ましくは−0.05以下であり、より好ましくは−0.1以下である。導電性ペーストの成膜性を向上させることができる。
本実施形態において、傾きBの平均傾きは、上記両対数プロット曲線から算出したものであり、上記せん断速度領域Iにおける、せん断速度1[1/s]の粘度とせん断速度100[1/s]の粘度とを結ぶ平均傾きとすることができる。
本実施形態において、傾きBの平均傾きは、上記両対数プロット曲線から算出したものであり、上記せん断速度領域Iにおける、せん断速度1[1/s]の粘度とせん断速度100[1/s]の粘度とを結ぶ平均傾きとすることができる。
上記のせん断速度[1/s]−粘度[Pa・s]の両対数プロット曲線から算出した、0.1[1/s]以上、1[1/s]未満のせん断速度領域IIIにおける、粘度減少を示す傾きA2の平均傾きの下限値は、例えば、−1より大きく、好ましくは−0.6以上であり、より好ましくは−0.4以上である。これにより、急激な粘度変化を抑制でき、塗布性を向上させることができる。一方、上記傾きA2の平均傾きの上限値は、特に限定されないが、例えば、0より小さく、好ましくは−0.05以下であり、より好ましくは−0.1以下である。導電性ペーストの成膜性を向上させることができる。
本実施形態において、傾きA2の平均傾きは、上記両対数プロット曲線から算出したものであり、上記せん断速度領域IIIにおける、せん断速度0.1[1/s]の粘度とせん断速度1[1/s]の粘度とを結ぶことで平均傾きとすることができる。
本実施形態において、傾きA2の平均傾きは、上記両対数プロット曲線から算出したものであり、上記せん断速度領域IIIにおける、せん断速度0.1[1/s]の粘度とせん断速度1[1/s]の粘度とを結ぶことで平均傾きとすることができる。
上記のせん断速度[1/s]−粘度[Pa・s]の両対数プロット曲線から算出した、0.1[1/s]以上、100[1/s]以下のせん断速度領域I+IIIにおける、粘度減少を示す傾きBの平均傾きの下限値は、例えば、−1より大きく、好ましくは−0.7以上であり、より好ましくは−0.6以上である。これにより、急激な粘度変化を抑制でき、塗布性を向上させることができる。一方、上記傾きBの平均傾きの上限値は、特に限定されないが、例えば、0より小さく、好ましくは−0.05以下であり、より好ましくは−0.1以下である。導電性ペーストの成膜性を向上させることができる。
本実施形態において、傾きBの平均傾きは、上記両対数プロット曲線から算出したものであり、上記せん断速度領域I+IIIにおける、せん断速度0.1[1/s]の粘度とせん断速度100[1/s]の粘度とを結ぶことで平均傾きとすることができる。
本実施形態において、傾きBの平均傾きは、上記両対数プロット曲線から算出したものであり、上記せん断速度領域I+IIIにおける、せん断速度0.1[1/s]の粘度とせん断速度100[1/s]の粘度とを結ぶことで平均傾きとすることができる。
また、本実施形態において、上記傾きA1と上記傾きBとの差、または上記傾きA2と上記傾きBとの差を小さくすることにより、急激な粘度変化を抑制でき、塗布性を向上させることができる。
本実施形態において、せん断速度に応じた粘度(Pa・s)の測定は、以下の条件で行うことができる。例えば、アントンパール社のレオメーターMCR301を用い、測定温度を25℃に設定して測定することができる。そして、せん断速度を0.01(1/S)から1,000(1/S)に上げた後、1,000(1/S)から0.01(1/S)に下げる。このとき、これらのせん断速度領域におけるせん断粘度(Pa・s)を測定する。得られたせん断速度と粘度の測定結果から、せん断速度[1/s]−粘度(せん断粘度)[Pa・s]の両対数プロット曲線を作成することができる。
本実施形態の導電性ペーストにおいて、せん断密着強度を用いて算出される、金属層との密着力に対する、樹脂層との密着力の比(樹脂層との密着力/金属層との密着力)の下限値は、たとえば、0.1以上であり、より好ましくは0.15以上であり、さらに好ましくは0.2以上である。これにより、金属材料に対する密着性とともに有機材料に対する密着性を向上させることができる。また、上述の密着力の比の上限値は、特に限定されないが、例えば、5以下であり、好ましくは4以下であり、さらに好ましくは3以下である。これにより、金属材料に対する密着性と有機材料に対する密着性のバランスを向上させることができる。
本実施形態の導電性ペーストを塗布してなる塗布膜の膜厚は、各種の用途に応じて適当な厚みとすることができる。一例として電子装置に用いる場合には、上記塗布膜の膜厚の下限値は、例えば、5μm以上としてもよく、10μm以上としてもよく、100μm以上としてもよい。また、上記塗布膜の膜厚の上限値としては、特に限定されないが、例えば、5mm以下としてもよく、3mm以下としてもよく、1mm以下としてもよい。
<半導体装置>
以下、本実施形態に係る導電性ペーストを半導体装置100に適用した一例を説明する。
図1は、半導体装置100を示す模式図である。図2は、半導体装置100の製造工程を示す工程断面図である。
以下、本実施形態に係る導電性ペーストを半導体装置100に適用した一例を説明する。
図1は、半導体装置100を示す模式図である。図2は、半導体装置100の製造工程を示す工程断面図である。
本実施形態の半導体装置100は、配線114が半導体チップ10の側面13よりも外側まで延在しているファンアウト構造を有している。半導体チップ10は、その主面11および側面13の全体が封止材層106で覆われている。ただし、主面11が封止材層106に覆われずに露出していてもよい。半導体チップ10の電極20は、ビア112を介して配線114と電気的に接続している。ビア112は絶縁層108を貫通している。配線114は、ビア112の表面113と絶縁層108の表面109に接して形成されている。配線114は、外部接続用の半田バンプ116と接続している。配線114及び半田バンプ116の一部は、ソルダーレジスト層118に覆われている。
本実施形態の導電性ペーストを用いて、配線114が形成されている。これにより、配線114においては、膜厚均一性が優れており、ビア112と絶縁層108との密着性も良好とすることができる。
次に、本実施形態の半導体装置100の製造工程について説明する。
まず、図2(a)に示すように、板状のキャリア基材102上にマウントフィルム104(例えば、熱剥離性粘着層)を貼り付ける。マウントフィルム104は、例えば、加熱により接着力が低下して、被着体から容易に剥がれるものであれば特に限定されない。このマウントフィルム104上に、平面視において、複数の半導体チップ10を配置する。マウントフィルム104の表面105と半導体チップ10の裏面15とが接着した状態となる。それぞれの半導体チップ10は、互いに離間して配置されている。また、半導体チップ10の裏面15側には電極20が形成されている。
まず、図2(a)に示すように、板状のキャリア基材102上にマウントフィルム104(例えば、熱剥離性粘着層)を貼り付ける。マウントフィルム104は、例えば、加熱により接着力が低下して、被着体から容易に剥がれるものであれば特に限定されない。このマウントフィルム104上に、平面視において、複数の半導体チップ10を配置する。マウントフィルム104の表面105と半導体チップ10の裏面15とが接着した状態となる。それぞれの半導体チップ10は、互いに離間して配置されている。また、半導体チップ10の裏面15側には電極20が形成されている。
続いて、図2(b)に示すように、半導体封止用樹脂組成物を硬化することにより、複数の半導体チップ10を一括封止する。半導体封止用樹脂組成物としては、特に限定されないが、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、硬化剤、無機充填材などを含む一般的なものが使用される。封止材層106は、半導体チップ10の主面11および側面13を覆うように封止している。つまり、封止材層106は、隣接する半導体チップ10の側面13の間にも充填されている。
続いて、図2(c)に示すように、加熱処理を行うことにより、マウントフィルム104とともにキャリア基材102を剥離する。これにより、封止材層106の裏面107および半導体チップ10の裏面15を露出させる。引き続き、図2(d)に示すように、これらの露出面(裏面107、裏面15、表面21)に、再配線用の絶縁層108を形成する。そして、絶縁層108に開口部110を形成する。例えば、フォトリソグラフィー法を用いて開口部110を形成できる。開口部110は絶縁層108を貫通しており、その底面において、電極20の表面21を露出している。そして、開口部110に金属層(ビア112)を埋設する。ビア112は電極20と電気的に接続する。例えば、メッキ法を用いてビア112を形成できる。
続いて、図2(e)に示すように、配線パターンの開口が形成されたマスク(不図示)を絶縁層108上に配置する。そして、本実施形態に係る導電性ペーストを、マスク上に塗布し、そのマスクの開口内に埋設する。その後、マスクを剥離して、導電性ペーストを加熱処理(シンタリング)することにより、配線114を形成する。配線114は、半導体チップ10の側面13よりも外側まで延在して形成されている。配線114は、ビア112の表面113と接合するとともに、絶縁層108の表面109に密着して形成することができる。
続いて、図2(f)に示すように、配線114に、例えば加熱溶融することにより、半田バンプ116を取り付ける。そして、配線114及び半田バンプ116の一部を覆うように、ソルダーレジスト層118を形成する。これにより、ウエハレベルパッケージが得られる。その後、ウエハレベルパッケージを、例えば、半導体チップ10毎に個片化する。例えば、ダイシング等の個片化方法が用いられる。これにより、複数の半導体装置100を形成することができる。この半導体装置100は、基板(例えば、インターポーザ)に実装してもよい。
(導電性ペーストの用途)
本実施形態の導電性ペーストは、様々な用途に用いることができる。例えば、ダイアタッチ材や導電性ペースト等が挙げられる。ダイアタッチ材としては、例えば、電子装置に用いられてもよいし、より好ましくは半導体装置に用いられてもよい。導電性ペーストの代表的な用途例としては、プリント回路基板のジャンパー回路やスルーホール導体、アディティブ回路、タッチパネルの導体回路、抵抗端子、太陽電池の電極、タンタルコンデンサの電極、フィルムコンデンサの電極、チップ型セラミック電子部品の外部電極や内部電極等の形成、電磁波シールドとしての使用等が挙げられる。また、はんだの代替として、半導体素子や電子部品を基板に実装するための導電性接着剤としての使用のほか、太陽電池の高温焼成した銀電極の表面をはんだで被覆するタイプのグリッド電極の、はんだ部分の代替として使用することもできる。
本実施形態の導電性ペーストは、様々な用途に用いることができる。例えば、ダイアタッチ材や導電性ペースト等が挙げられる。ダイアタッチ材としては、例えば、電子装置に用いられてもよいし、より好ましくは半導体装置に用いられてもよい。導電性ペーストの代表的な用途例としては、プリント回路基板のジャンパー回路やスルーホール導体、アディティブ回路、タッチパネルの導体回路、抵抗端子、太陽電池の電極、タンタルコンデンサの電極、フィルムコンデンサの電極、チップ型セラミック電子部品の外部電極や内部電極等の形成、電磁波シールドとしての使用等が挙げられる。また、はんだの代替として、半導体素子や電子部品を基板に実装するための導電性接着剤としての使用のほか、太陽電池の高温焼成した銀電極の表面をはんだで被覆するタイプのグリッド電極の、はんだ部分の代替として使用することもできる。
本実施形態の導電性ペーストは、硬化させることで硬化物とすることができる。本実施形態の硬化物は、様々な用途に利用できる。例えば、電子装置に使用される。すなわち、本実施形態に係る電子装置は、本実施形態の導電性ペーストの硬化体と、当該硬化体が接着された電子部品と、を備えている。
本実施形態の硬化物は、硬化物中に導電性粒子が含まれるため、電極や配線が形成されている様々な電子装置の部品に適用することができる。また、プリント配線基板のスルーホールやビアホールに充填する用途としても好ましく用いることができる。
もちろん、ここで挙げた用途は、実施形態の一例であり、これ以外の用途であっても、導電性ペーストの組成を調整しつつ、適用を行うことができるのは言うまでもない。
本実施形態の硬化物は、硬化物中に導電性粒子が含まれるため、電極や配線が形成されている様々な電子装置の部品に適用することができる。また、プリント配線基板のスルーホールやビアホールに充填する用途としても好ましく用いることができる。
もちろん、ここで挙げた用途は、実施形態の一例であり、これ以外の用途であっても、導電性ペーストの組成を調整しつつ、適用を行うことができるのは言うまでもない。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
(導電性ペーストの調製)
各実施例および各比較例について、導電性ペーストを調製した。この調製は、表1に示す配合に従い各成分を均一に混合することにより行った。なお、表1に示す成分の詳細は以下のとおりである。
各実施例および各比較例について、導電性ペーストを調製した。この調製は、表1に示す配合に従い各成分を均一に混合することにより行った。なお、表1に示す成分の詳細は以下のとおりである。
[導電性粒子]
導電性粒子1:フレーク状銀粉(平均粒径D50=2.76μm、充填率36%)
導電性粒子2:球状銀粉(平均粒径D50=0.98μm、充填率59%)
導電性粒子3:フレーク状銀粉(平均粒径D50=4.74μm、充填率44%)
導電性粒子4:不定形状銀粉(平均粒径D50=5.88μm、充填率39%)
導電性粒子の充填率は、ナノシーズ社製の粉体層せん断力測定装置NS−S500を用いて算出した。まず、内径4mmの円筒(円筒断面積:12.5mm2)の中へ、あらかじめ秤量された導電性粒子を投入し100Nの荷重をかけた。その時の粉体層高さと導電性粒子重量から、粉体が荷重により圧縮された時の導電性粒子密度(g/cm3)を求め、導電性粒子の密度(銀粉の場合、室温における銀密度は10.5(g/cm3)である)を用いてこれを体積密度(%)としたものを、充填率(%)として算出した。
充填率(%)=(導電性粒子重量/導電性粒子の密度)/(粉体層高さ×円筒断面積)×100
導電性粒子1:フレーク状銀粉(平均粒径D50=2.76μm、充填率36%)
導電性粒子2:球状銀粉(平均粒径D50=0.98μm、充填率59%)
導電性粒子3:フレーク状銀粉(平均粒径D50=4.74μm、充填率44%)
導電性粒子4:不定形状銀粉(平均粒径D50=5.88μm、充填率39%)
導電性粒子の充填率は、ナノシーズ社製の粉体層せん断力測定装置NS−S500を用いて算出した。まず、内径4mmの円筒(円筒断面積:12.5mm2)の中へ、あらかじめ秤量された導電性粒子を投入し100Nの荷重をかけた。その時の粉体層高さと導電性粒子重量から、粉体が荷重により圧縮された時の導電性粒子密度(g/cm3)を求め、導電性粒子の密度(銀粉の場合、室温における銀密度は10.5(g/cm3)である)を用いてこれを体積密度(%)としたものを、充填率(%)として算出した。
充填率(%)=(導電性粒子重量/導電性粒子の密度)/(粉体層高さ×円筒断面積)×100
[樹脂]
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂1:レゾール型フェノール樹脂(PR−54463、住友ベークライト(株)製、RC(固形分)55wt%のブチルカルビトール溶液)
熱硬化性樹脂2:トリメチロールプロパントリメタクリレート(NKエステル TMPT、新中村化学社製、3官能のメタクリレートモノマー)
熱硬化性樹脂3:トリメチルプロパン骨格を有するエポキシアクリレート(NKオリゴ EA−5321、新中村化学社製、3官能(水酸基を有する))
熱硬化性樹脂4: ジシクロペンタジエン型ジアクリレート(NKエステル A−DCP、新中村化学社製、2官能)
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂1:アクリルポリマー(SG−280 BCA13、ナガセケムテックス社製、RC13wt%のブチルカルビトールアセテート溶液、官能基:カルボキシル基、Mw(重量平均分子量):90×104)
熱可塑性樹脂2:アクリルポリマー(SG−70L ナガセケムテックス社製、RC13wt%のトルエンMEK溶液、官能基:ヒドロキシル基、カルボキシル基、Mw:80×104)
熱可塑性樹脂3:ブチラール樹脂(BH−9ZのRC10wt%ブチルカルビトール溶液、積水化学社製、Mw:20×104)
熱可塑性樹脂4:ブチラール樹脂(BH−3のRC20wt%ブチルカルビトール溶液、積水化学社製、Mw:11×104)
熱可塑性樹脂5:アクリルポリマー(SG80H BCA15、ナガセケムテックス社製、RC15wt%のブチルカルビトールアセテート溶液、官能基:エポキシ基、アミド基、Mw:35×104)
熱可塑性樹脂6:アクリルポリマー(SG−P3、ナガセケムテックス社製、RC15wt%のMEK溶液、官能基:エポキシ基、Mw:85×104)
熱可塑性樹脂7:アクリルポリマー(SG−790、ナガセケムテックス社製、RC23wt%のトルエン・酢酸エチル溶液、官能基:ヒドロキシル基、Mw:52×104)
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂1:レゾール型フェノール樹脂(PR−54463、住友ベークライト(株)製、RC(固形分)55wt%のブチルカルビトール溶液)
熱硬化性樹脂2:トリメチロールプロパントリメタクリレート(NKエステル TMPT、新中村化学社製、3官能のメタクリレートモノマー)
熱硬化性樹脂3:トリメチルプロパン骨格を有するエポキシアクリレート(NKオリゴ EA−5321、新中村化学社製、3官能(水酸基を有する))
熱硬化性樹脂4: ジシクロペンタジエン型ジアクリレート(NKエステル A−DCP、新中村化学社製、2官能)
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂1:アクリルポリマー(SG−280 BCA13、ナガセケムテックス社製、RC13wt%のブチルカルビトールアセテート溶液、官能基:カルボキシル基、Mw(重量平均分子量):90×104)
熱可塑性樹脂2:アクリルポリマー(SG−70L ナガセケムテックス社製、RC13wt%のトルエンMEK溶液、官能基:ヒドロキシル基、カルボキシル基、Mw:80×104)
熱可塑性樹脂3:ブチラール樹脂(BH−9ZのRC10wt%ブチルカルビトール溶液、積水化学社製、Mw:20×104)
熱可塑性樹脂4:ブチラール樹脂(BH−3のRC20wt%ブチルカルビトール溶液、積水化学社製、Mw:11×104)
熱可塑性樹脂5:アクリルポリマー(SG80H BCA15、ナガセケムテックス社製、RC15wt%のブチルカルビトールアセテート溶液、官能基:エポキシ基、アミド基、Mw:35×104)
熱可塑性樹脂6:アクリルポリマー(SG−P3、ナガセケムテックス社製、RC15wt%のMEK溶液、官能基:エポキシ基、Mw:85×104)
熱可塑性樹脂7:アクリルポリマー(SG−790、ナガセケムテックス社製、RC23wt%のトルエン・酢酸エチル溶液、官能基:ヒドロキシル基、Mw:52×104)
[分散媒]
分散媒1:テルピネオール(東京化成社製、SP(溶解度):11.09(cal/cm3)1/2)
分散媒2:ブチルカルビトール(東京化成社製、SP:9.61(cal/cm3)1/2)
分散媒3:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(東京化成社製、SP:8.78(cal/cm3)1/2)
分散媒1:テルピネオール(東京化成社製、SP(溶解度):11.09(cal/cm3)1/2)
分散媒2:ブチルカルビトール(東京化成社製、SP:9.61(cal/cm3)1/2)
分散媒3:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(東京化成社製、SP:8.78(cal/cm3)1/2)
(比抵抗)
各実施例および各比較例について、次のようにして比抵抗を測定した。まず、得られた導電性ペーストを塗布した後、これを大気雰囲気下、100℃で10分の条件で乾燥させた後、引き続き、表1に示す硬化条件で加熱してサンプル(幅4mm、長さ40mm、厚さ40μm)を得た。次いで、上記サンプルの平面方向の抵抗値を4端子法で測定し、塗膜の幅と厚みから比抵抗を算出した。比抵抗また、塗膜を形成する基材としてスライドガラスを用いた。結果を表1に示す。
各実施例および各比較例について、次のようにして比抵抗を測定した。まず、得られた導電性ペーストを塗布した後、これを大気雰囲気下、100℃で10分の条件で乾燥させた後、引き続き、表1に示す硬化条件で加熱してサンプル(幅4mm、長さ40mm、厚さ40μm)を得た。次いで、上記サンプルの平面方向の抵抗値を4端子法で測定し、塗膜の幅と厚みから比抵抗を算出した。比抵抗また、塗膜を形成する基材としてスライドガラスを用いた。結果を表1に示す。
(焼結性)
上述の比抵抗を用いて焼結性を判断した。
○:20μΩ・cm以下
×:20μΩ・cm超え
上述の比抵抗を用いて焼結性を判断した。
○:20μΩ・cm以下
×:20μΩ・cm超え
また、各実施例について、得られた導電性ペーストを塗布して得た塗布膜を、大気雰囲気下、100℃で10分の条件で乾燥させた後、引き続き、表1に示す硬化条件で熱処理をしたところ、塗布膜中の導電性粒子はシンタリングを起こして粒子連結構造を形成した。
また、得られた導電性ペーストの塗布膜(硬化物)の断面を走査電子顕微鏡で観察し、観察像から銀粒子のシンタリング構造を判定した。実施例1〜6においては、焼結部と非焼結部が共存するシンタリング構造(部分シンタリング)が形成されていることが分かった。
また、得られた導電性ペーストの塗布膜(硬化物)の断面を走査電子顕微鏡で観察し、観察像から銀粒子のシンタリング構造を判定した。実施例1〜6においては、焼結部と非焼結部が共存するシンタリング構造(部分シンタリング)が形成されていることが分かった。
(粘度)
アントンパール社のレオメーターMCR301を用い、測定温度を25℃に設定して測定した。具体的には、せん断速度を0.01(1/S)から1,000(1/S)に上げた後、1,000(1/S)から0.01(1/S)に下げる。このとき、1,000[1/s]から0.01[1/s]に下げた際のせん断粘度(Pa・s)を測定した。
また、25℃におけるせん断速度[1/s]に応じた粘度[Pa・s]の測定結果から、せん断速度[1/s]−粘度[Pa・s]の両対数プロット曲線を作成した。
また、上記両対数プロット曲線から算出した傾きA1は、せん断速度1[1/s]の粘度とせん断速度100[1/s]の粘度とを結ぶ平均傾きとした。
また、上記両対数プロット曲線から算出した傾きA2は、せん断速度0.1[1/s]の粘度とせん断速度1[1/s]の粘度とを結ぶ平均傾きとした。
また、上記両対数プロット曲線から算出した傾きBは、せん断速度0.1[1/s]の粘度とせん断速度100[1/s]の粘度とを結ぶ平均傾きとした。
両対数プロット曲線の結果から、上記実施例および比較例における粘度関数は、基本的に減少関数であることが分かった。
アントンパール社のレオメーターMCR301を用い、測定温度を25℃に設定して測定した。具体的には、せん断速度を0.01(1/S)から1,000(1/S)に上げた後、1,000(1/S)から0.01(1/S)に下げる。このとき、1,000[1/s]から0.01[1/s]に下げた際のせん断粘度(Pa・s)を測定した。
また、25℃におけるせん断速度[1/s]に応じた粘度[Pa・s]の測定結果から、せん断速度[1/s]−粘度[Pa・s]の両対数プロット曲線を作成した。
また、上記両対数プロット曲線から算出した傾きA1は、せん断速度1[1/s]の粘度とせん断速度100[1/s]の粘度とを結ぶ平均傾きとした。
また、上記両対数プロット曲線から算出した傾きA2は、せん断速度0.1[1/s]の粘度とせん断速度1[1/s]の粘度とを結ぶ平均傾きとした。
また、上記両対数プロット曲線から算出した傾きBは、せん断速度0.1[1/s]の粘度とせん断速度100[1/s]の粘度とを結ぶ平均傾きとした。
両対数プロット曲線の結果から、上記実施例および比較例における粘度関数は、基本的に減少関数であることが分かった。
(イオンの濃度)
得られた導電性ペーストを150℃10分で乾燥し溶媒を除去した後、200℃45分で処理し、硬化物のサンプルを作成した。サンプルを凍結粉砕させた。凍結粉砕させた導電性ペースト硬化物2gに対して40mLの純水を加え、125℃20時間熱水抽出し、抽出水を得た。
この抽出水について、ダイオネクスICS−3000型、ICS−2000型、DX−320型イオンクロマトグラフ装置を用いてNa+、NH4 +、K+、Ca2+、Mg2+、F−、Cl−、Br−、NO3 −、PO4 3−、PO3 3−、SO4 2−、Zn2+のイオンの合計量を測定した。
ここで、イオンクロマトグラフ装置に検液及び標準溶液を導入し、検量線法により各イオン濃度を求め、試料からの溶出イオン量を算出した。イオン濃度の合計値を結果を表1に示す。
得られた導電性ペーストを150℃10分で乾燥し溶媒を除去した後、200℃45分で処理し、硬化物のサンプルを作成した。サンプルを凍結粉砕させた。凍結粉砕させた導電性ペースト硬化物2gに対して40mLの純水を加え、125℃20時間熱水抽出し、抽出水を得た。
この抽出水について、ダイオネクスICS−3000型、ICS−2000型、DX−320型イオンクロマトグラフ装置を用いてNa+、NH4 +、K+、Ca2+、Mg2+、F−、Cl−、Br−、NO3 −、PO4 3−、PO3 3−、SO4 2−、Zn2+のイオンの合計量を測定した。
ここで、イオンクロマトグラフ装置に検液及び標準溶液を導入し、検量線法により各イオン濃度を求め、試料からの溶出イオン量を算出した。イオン濃度の合計値を結果を表1に示す。
(密着性)
密着力の測定はシェア強度試験にて実施した。つまり、下側の被着体として、電解銀メッキされた銅板を用い、上側の被着体として、下記のシリコンウェハ(A)またはシリコンウェハ(B)を用いた。これらの上下の被着体の間に、得られた導電性ペーストを塗布し、チップ(A)またはチップ(B)を作成する。そして、これらのチップにおける導電ペーストのシェア強度を特定した。
具体的な手順は以下の通りである。
まず、次のようなシリコンウェハ(A)およびシリコンウェハ(B)を準備する。
シリコンウェハ(A):ベアシリコンウェハに銀蒸着したものを2mmに切断して得られた。
シリコンウェハ(B):ベアシリコンウェハにエポキシ樹脂含有ワニスを塗布し硬化させて2mmに切断して得られた。具体的には、8インチの750μmtのベアシリコンウェハ上に、ウェットで100μmtとなるようにアプリケータを用いてエポキシ樹脂含有ワニスを塗布した。箱型オーブンを用い、ワニスを乾燥し、180℃1hで硬化させた。得られたエポキシ樹脂付きのシリコンウェハを、ダイサーを用いてエポキシ樹脂側から2mmに切断した。
続いて、上記チップ(A)およびチップ(B)を作製し、シェア強度を測定する。
まず、電解銀メッキされた銅板(下側の被着体)上に、得られた導電性ペーストを塗布する。そして、導電ペーストの塗布膜の上方から、上側の被着体であるシリコンウェハ(A)またはシリコンウェハ(B)を搭載した(ただし、シリコンウェハ(A)の銀蒸着膜、シリコンウェハ(B)のエポキシ樹脂硬化膜が、それぞれ塗布膜に接触させる)。その後、箱型オーブンを用い、導電性ペーストを200℃1hで硬化させた。このようにして得られたサンプルのシェア強度を、デイジジャパン社製シリーズ4000を用いて測定した。それぞれN8で測定を行い、得られた値の平均値(N)を記録した。
ここで、チップ(A)の値を「金属層との密着力」、チップ(B)の値を「樹脂層との密着力」として、(樹脂層との密着力/金属層との密着力)を記載した。結果を表1に示す。(樹脂層との密着力/金属層との密着力)が0.1未満は△、0.1以上0.2未満は○、0.2以上は◎とした。また、表中の×は、サンプル作製後、測定前までのハンドリングでチップが剥がれてしまったことを示す。すなわち、×は、計測できないほどに密着力が小さいことを示す。
密着力の測定はシェア強度試験にて実施した。つまり、下側の被着体として、電解銀メッキされた銅板を用い、上側の被着体として、下記のシリコンウェハ(A)またはシリコンウェハ(B)を用いた。これらの上下の被着体の間に、得られた導電性ペーストを塗布し、チップ(A)またはチップ(B)を作成する。そして、これらのチップにおける導電ペーストのシェア強度を特定した。
具体的な手順は以下の通りである。
まず、次のようなシリコンウェハ(A)およびシリコンウェハ(B)を準備する。
シリコンウェハ(A):ベアシリコンウェハに銀蒸着したものを2mmに切断して得られた。
シリコンウェハ(B):ベアシリコンウェハにエポキシ樹脂含有ワニスを塗布し硬化させて2mmに切断して得られた。具体的には、8インチの750μmtのベアシリコンウェハ上に、ウェットで100μmtとなるようにアプリケータを用いてエポキシ樹脂含有ワニスを塗布した。箱型オーブンを用い、ワニスを乾燥し、180℃1hで硬化させた。得られたエポキシ樹脂付きのシリコンウェハを、ダイサーを用いてエポキシ樹脂側から2mmに切断した。
続いて、上記チップ(A)およびチップ(B)を作製し、シェア強度を測定する。
まず、電解銀メッキされた銅板(下側の被着体)上に、得られた導電性ペーストを塗布する。そして、導電ペーストの塗布膜の上方から、上側の被着体であるシリコンウェハ(A)またはシリコンウェハ(B)を搭載した(ただし、シリコンウェハ(A)の銀蒸着膜、シリコンウェハ(B)のエポキシ樹脂硬化膜が、それぞれ塗布膜に接触させる)。その後、箱型オーブンを用い、導電性ペーストを200℃1hで硬化させた。このようにして得られたサンプルのシェア強度を、デイジジャパン社製シリーズ4000を用いて測定した。それぞれN8で測定を行い、得られた値の平均値(N)を記録した。
ここで、チップ(A)の値を「金属層との密着力」、チップ(B)の値を「樹脂層との密着力」として、(樹脂層との密着力/金属層との密着力)を記載した。結果を表1に示す。(樹脂層との密着力/金属層との密着力)が0.1未満は△、0.1以上0.2未満は○、0.2以上は◎とした。また、表中の×は、サンプル作製後、測定前までのハンドリングでチップが剥がれてしまったことを示す。すなわち、×は、計測できないほどに密着力が小さいことを示す。
(塗布性)
得られた導電性ペーストを、25℃の温度条件下、6インチウェハー上に滴下し、スピンコーターを用いて、回転条件500rpm/10秒、次いで1000rpm/20秒とし、塗布膜を作成した。次いで、150℃に設定したオーブンに10分入れ、加熱乾燥することで塗布膜をB−ステージ化させた。
上記の方法により得られた導電性ペースト塗布膜付きウェハーを下記方法に従って、塗布膜における膜厚のバラツキを評価した。
接触型膜厚計を用いて、塗布膜表面とウェハー表面との差を読み取り、測定箇所における塗布膜の膜厚とした。上記のウェハー表面の測定は、測定箇所において塗布膜を除去し、ウェハー表面を露出した後に行った。
測定箇所は、ウェハーの中心点を通る直線上の5点(中心点(1点)、エッジ部(2点)、中心点とエッジ部との中央点(2点))とし、5点の測定データから得られる最大値と最小値の差(μm)を求めた。この差の値が、20μm未満の場合◎、20μm以上50μm未満の場合○、50μm以上100μm未満の場合△、100μm以上を×とした。
得られた導電性ペーストを、25℃の温度条件下、6インチウェハー上に滴下し、スピンコーターを用いて、回転条件500rpm/10秒、次いで1000rpm/20秒とし、塗布膜を作成した。次いで、150℃に設定したオーブンに10分入れ、加熱乾燥することで塗布膜をB−ステージ化させた。
上記の方法により得られた導電性ペースト塗布膜付きウェハーを下記方法に従って、塗布膜における膜厚のバラツキを評価した。
接触型膜厚計を用いて、塗布膜表面とウェハー表面との差を読み取り、測定箇所における塗布膜の膜厚とした。上記のウェハー表面の測定は、測定箇所において塗布膜を除去し、ウェハー表面を露出した後に行った。
測定箇所は、ウェハーの中心点を通る直線上の5点(中心点(1点)、エッジ部(2点)、中心点とエッジ部との中央点(2点))とし、5点の測定データから得られる最大値と最小値の差(μm)を求めた。この差の値が、20μm未満の場合◎、20μm以上50μm未満の場合○、50μm以上100μm未満の場合△、100μm以上を×とした。
表1中、樹脂(樹脂溶液中の樹脂含有率(RC)から算出した樹脂の固形分)の含有量は、導電性ペースト全体(樹脂の固形分、樹脂中の溶媒分、導電性粒子および分散媒)に対する含有量を示す。樹脂(樹脂溶液中の樹脂含有率(RC)から算出した樹脂の固形分)のおよび導電性粒子の含有量は、当該導電性ペースト全体に対する含有量を示す。樹脂の固形分の含有量は、樹脂の固形分と導電性粒子との合計体積に対する含有量を示す。
以上、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
10 半導体チップ
11 主面
13 側面
15 裏面
20 電極
21 表面
100 半導体装置
102 キャリア基材
104 マウントフィルム
105 表面
106 封止材層
107 裏面
108 絶縁層
109 表面
110 開口部
112 ビア
113 表面
114 配線
116 半田バンプ
118 ソルダーレジスト層
11 主面
13 側面
15 裏面
20 電極
21 表面
100 半導体装置
102 キャリア基材
104 マウントフィルム
105 表面
106 封止材層
107 裏面
108 絶縁層
109 表面
110 開口部
112 ビア
113 表面
114 配線
116 半田バンプ
118 ソルダーレジスト層
Claims (16)
- 導電性粒子と、
樹脂と、
分散媒と、を含む、導電性ペーストであって、
当該導電性ペーストの硬化体の比抵抗が1μΩ・cm以上、20μΩ・cm以下であり、
25℃の温度環境下における、1[1/s]以上、100[1/s]以下のせん断速度領域において、せん断速度の増加に応じて粘度の増加を示す変曲点が存在しない、導電性ペースト。 - 請求項1に記載の導電性ペーストであって、
25℃の温度環境下における、1[1/s]のせん断速度における粘度が、1Pa・s以上、300Pa・s以下である、導電性ペースト。 - 請求項1または2に記載の導電性ペーストであって、
前記導電性粒子の平均粒径D50が、0.5μm以上、10μm以下である、導電性ペースト。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の導電性ペーストであって、
25℃の温度環境下における、0.1[1/s]以上、1[1/s]未満のせん断速度領域において、せん断速度の増加に応じて粘度の増加を示す変曲点が存在する、導電性ペースト。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の導電性ペーストであって、
当該導電性ペーストにおいて、せん断密着強度を用いて算出される、金属層との密着力に対する、樹脂層の密着力の比が、0.1以上、5以下である、導電性ペースト。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の導電性ペーストであって、
前記樹脂が、極性基を有する化合物を含み、
前記極性基が、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基からなる群から選択される一種以上を含む、導電性ペースト。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の導電性ペーストであって、
前記樹脂の重量平均分子量が、104以上、106以下である、導電性ペースト。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の導電性ペーストであって、
前記樹脂の固形分と前記導電性粒子との合計体積に対して、前記樹脂の固形分の含有量が、1体積%以上、50体積%以下である、導電性ペースト。 - 請求項1から8のいずれか1項に記載の導電性ペーストであって、
前記樹脂の含有量が、当該導電性ペースト全体に対して、2.0重量%以上、12重量%以下である、導電性ペースト。 - 請求項1から9のいずれか1項に記載の導電性ペーストであって、
前記樹脂が、アクリルポリマー、ポリビニルブチラール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、およびベンゾオキサジン環を有する樹脂からなる群から選択される一種以上を含む、導電性ペースト。 - 請求項1から10のいずれか1項に記載の導電性ペーストであって、
粉体層せん断力測定装置を用いて算出される充填率が20%以上38%以下である前記導電性粒子を含む、導電性ペースト。 - 請求項1から11のいずれか1項に記載の導電性ペーストであって、
前記導電性粒子が、フレーク状粒子を含む、導電性ペースト。 - 請求項1から12のいずれか1項に記載の導電性ペーストであって、
前記導電性粒子が、銀粒子または銅粒子を含む、導電性ペースト。 - 請求項1から13のいずれか1項に記載の導電性ペーストであって、
平均粒径D50が100nm以下の導電性ナノ粒子を含まない、導電性ペースト。 - 請求項1から14のいずれか1項に記載の導電性ペーストであって、
前記分散媒の溶解度パラメータ(SP値)が10((cal/cm3)1/2)以上14((cal/cm3)1/2)以下である、導電性ペースト。 - 請求項1から15のいずれか1項に記載の導電性ペーストであって、
Na+、NH4 +、K+、Ca2+、Mg2+、F−、Cl−、Br−、NO3 −、PO4 3−、PO3 3−、SO4 2−、およびZn2+からなるイオンの合計量が、導電性ペースト全体に対して、300ppm以下である、導電性ペースト。
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020003765A1 (ja) * | 2018-06-26 | 2020-01-02 | ナミックス株式会社 | 真空印刷用導電性ペースト |
JP2020113660A (ja) * | 2019-01-11 | 2020-07-27 | Jx金属株式会社 | 導電性塗布材料 |
JP2020113659A (ja) * | 2019-01-11 | 2020-07-27 | Jx金属株式会社 | 導電性塗布材料 |
WO2022163045A1 (ja) * | 2021-01-27 | 2022-08-04 | サカタインクス株式会社 | 導電性樹脂組成物 |
CN117712036A (zh) * | 2024-02-06 | 2024-03-15 | 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 | 一种硅通孔的形成方法 |
-
2016
- 2016-06-20 JP JP2016121849A patent/JP2017228363A/ja active Pending
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CN117712036B (zh) * | 2024-02-06 | 2024-04-16 | 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 | 一种硅通孔的形成方法 |
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