JP2017130358A - 導電性ペースト、および導電性ペーストの硬化体の製造方法 - Google Patents

導電性ペースト、および導電性ペーストの硬化体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化体の導電性および密着性に優れる導電性ペーストを提供する。
【解決手段】導電性ペーストは、金属粒子と、樹脂とを含む。そして、樹脂は、25℃において、表面が銀からなる基材に対する接触角θが30°以上である。また、導電性ペーストに対し熱処理を行って硬化体を得ることができる。金属粒子は、熱処理によりシンタリングを起こして粒子連結構造を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は導電性ペースト、および導電性ペーストの硬化体の製造方法に関する。
これまでのダイボンド方法においては、基板に半導体素子を接合する接合材として、金属ペーストが用いられてきた。この種の技術としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。同文献には、金属ペーストとして、金属粒子が有機溶剤に分散したものが記載されている。また、接合工程としては、基板と半導体素子との間に金属ペーストを塗布し、加熱させることにより、金属粒子を焼結せしめて、基板と半導体素子とを接合することになる。かかる工程において、有機溶剤は、焼結時に揮発することになり、接合部分には残存していない。有機溶剤が揮発する点は、特許文献2に記載されている。
また、特許文献3の記載の金属ペーストは、有機溶剤への金属粒子の分散性を高めることを目的として、有機溶剤の他に分散材を有している。この分散材は、有機溶剤と同様に、接合部分に残存しないことが要求される、と記載されている。
特開2014−67917号公報 特開2012−9703号公報 特開2010−257880号公報
発明者が検討した結果、上記文献記載の金属ペーストは、高い導電性と密着性との両立という点で改善の余地を有していた。
本発明は、導電性および密着性に優れた導電性ペーストの硬化体を提供する。
本願発明者らはさらに検討したところ、金属ペーストにおいて、低抵抗と密着性とはトレードオフの関係にあることを見出した。すなわち、基材との密着性を高める目的で金属ペーストに樹脂を大量に含有させると、金属粒子同士の焼結(「シンタリング」と呼称してもよい)が起こりにくくなり、低抵抗が得られなくなってしまう。一方、低抵抗とするためには、上記文献に記載の技術と同様に、樹脂を含有させない構成とする必要があった。
このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、金属ペーストの成分を適切に選択することにより、かかるトレードオフが改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
金属粒子と、
樹脂とを含み、
前記樹脂は25℃において、表面が銀からなる基材に対する接触角θが30°以上である
導電性ペースト
が提供される。
本発明によれば、
上記の導電性ペーストに対し熱処理を行って硬化体を得る工程を含む
導電性ペーストの硬化体の製造方法
が提供される。
本発明によれば、導電性および密着性に優れた導電性ペーストの硬化体を提供できる。
均一なシンタリング構造が形成されている硬化体の一例の断面図である。 実施形態に係る導電性ペーストの硬化体を含む電子装置を例示する図である。 焼結部と非焼結部が共存するシンタリング構造が形成されている硬化体の一例の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
なお、「〜」は特に断りがなければ、以上から以下を表す。
なお、本実施形態において、「樹脂の固形分」とは、樹脂中における不揮発分を指し、水や溶媒等の揮発成分を除いた残部を指す。また、本実施形態において、樹脂全体に対する含有量とは、樹脂が溶媒を含む場合には、樹脂のうちの溶媒を除く成分全体に対する含有量を指す。
[導電性ペースト]
本実施形態に係る導電性ペーストは、金属粒子と、樹脂とを含む。そして、樹脂は、25℃において、表面が銀からなる基材に対する接触角θが30°以上である。以下に詳しく説明する。
本実施形態に係る導電性ペーストによれば、樹脂の銀に対する接触角θが30°以上であることにより、導電性に優れる硬化体を得ることができる。
この理由は定かではないが、以下の様に推測できる。焼結の過程において、互いに接触している粉末粒子は熱力学的に非平衡な状態にある。そして、表面の面積を減少する方向に物質の移動が起こり、粉末粒子間に結合が生じて緻密な物体となる。つまり焼結の駆動力は、物質の表面が持つ自由エネルギーを最小にしようとする力、すなわち表面張力であると考えられる。そして、樹脂を含む焼結金属ペースト(導電性ペースト)において、用いるバインダ(樹脂)と金属粒子との界面の濡れ性は非常に重要であるといえる。具体的にはバインダと金属との相互作用が小さく、界面張力が大きいほうが好ましいと考えられる。
いいかえると、樹脂と金属粒子との接触角が小さく濡れ性が良い場合には、その界面は安定であり、維持されやすい。それに対し、樹脂と金属粒子との接触角が大きく濡れ性が悪い場合には、その界面は不安定であり、界面を減らそうとする力がはたらく。したがって、接触角がある程度大きい場合に導電性ペースト中の金属粒子が互いに凝集しやすく、シンタリングが促進され、ひいては、導電性に優れる硬化体を得ることができると考えられる。
25℃における樹脂の、表面が銀からなる基材(以下、「銀基材」と呼ぶ。)に対する接触角θは、たとえば接触角計を用いて測定することができる。具体的には、基材上に樹脂を滴下してから30秒後の接触角を読み取り、7回の測定の平均値を接触角θとして得る。また、銀基材としてはたとえばC1020の銅板に電解Agメッキで2μmの膜厚のめっき膜を形成したものを用いることができる。
接触角θは、30°以上であれば特に限定されないが、40°以上であることが好ましく、55°以上であることがさらに好ましい。接触角θは、たとえば80°以下である。
なお、本実施形態に係る導電性ペーストに含まれる金属粒子は銀粒子に限らない。金属と樹脂との接触角は、金属種が異なっても互いに相関がある。したがって、代表的な金属として銀に対する接触角に着目することで、他の金属の粒子を用いる場合にも導電性に優れる導電性ペーストを得られる。
本実施形態に係る導電性ペーストの硬化体は特に限定されないが、本実施形態に係る導電性ペーストを用いれば、たとえばガラス基材上で体積抵抗率ρが15.0μΩ・cm以下の硬化体を得ることができる。また、体積抵抗率ρはより好ましくは12μΩ・cm以下、さらに好ましくは10.0μΩ・cm以下である。一方、体積抵抗率ρはたとえば4.0μΩ・cm以上である。
体積抵抗率ρは、ガラス基材上で、200℃45分で熱処理して得られる硬化体の体積抵抗率であり、以下の様にして得ることができる。まず、導電性ペーストを基材としてのスライドガラス上におよそ均一に塗布して幅4mm、長さ40mm、厚さ40μmの塗布膜を形成する。スライドガラスはたとえばソーダ石灰ガラスからなり、特に表面コート等がされていないものである。具体的にはたとえば松波硝子工業社製のスライドガラスS1225(76mm×26mm、1.2〜1.5mm厚、水ガラス)を用いることができる。そして、得られた塗布膜を、大気雰囲気下、100℃で10分の条件で乾燥させた後、引き続き、200℃、45分の硬化条件で熱処理をして硬化体を得る。得られた硬化体を4端子法にて測定し、体積抵抗率ρを算出する。
本実施形態に係る導電性ペーストの硬化体は特に限定されないが、本実施形態に係る導電性ペーストを用いれば、たとえばエポキシ樹脂硬化物の基材上で体積抵抗率ρERが15.0μΩ・cm以下の硬化体を得ることができる。また、体積抵抗率ρERはより好ましくは12.0μΩ・cm以下、さらに好ましくは10.0μΩ・cm以下である。一方、体積抵抗率ρERはたとえば4.0μΩ・cm以上である。
体積抵抗率ρERは、エポキシ樹脂硬化体の基材上で、200℃45分で熱処理して得られる硬化体の体積抵抗率であり、以下の様にして得ることができる。まず、導電性ペーストを以下の様に得られるエポキシ樹脂硬化物の基材上におよそ均一に塗布して幅4mm、長さ40mm、厚さ40μmの塗布膜を形成する。そして、得られた塗布膜を、大気雰囲気下、100℃で10分の条件で乾燥させた後、引き続き、200℃、45分の硬化条件で熱処理をして硬化体を得る。得られた硬化体を4端子法にて測定し、体積抵抗率ρERを算出する。
三菱化学社製ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂828 10.0重量部、住友ベークライト社製フェノールノボラック樹脂PR−51470のMEK溶液(RC60wt%)9.1重量部、三菱化学社製ビスフェノールA型フェノキシ樹脂1256B40(RC40wt%のMEK溶解品)26重量部、四国化成社製硬化触媒イミダゾール2PHZ 0.05重量部を混合してエポキシ樹脂ワニスを作成する。得られたエポキシ樹脂ワニスを住友ベークライト社製ガラスエポキシ積層板EL−3762(1.0mm厚)上にアプリケータを用いて、50μm厚み(dry)で塗布する。次いで120℃10分で乾燥した後、180℃1時間で硬化させ、エポキシ樹脂硬化物の基材を得る。
以下、本実施形態に係る導電性ペーストの各成分について説明する。
[金属粒子]
本実施形態に係る金属粒子について説明する。
本実施形態の金属粒子は、熱処理によりシンタリングを起こして粒子連結構造を形成するものである。
本実施形態において、金属粒子の主成分としては、たとえば銀、銅、白金、ニッケル、金、パラジウムが挙げられる。中でも、コストと導電性の観点から金属粒子は銀粒子であることが好ましい。銀粒子とは、Ag原子から構成される金属粒子を意味する。金属粒子の純度は特に限定されないが、純度の高いものが好ましく、例えば、95%以上が好ましく、98%以上がより好ましく、99%以上がさらに好ましい。本実施形態の金属粒子は、本発明の目的を損なわない限りであれば、主成分以外の金属を微量に含んでもよい。たとえば、金属粒子が銀粒子である場合、主成分以外の金属としては、銅、鉄、アルミニウム、亜鉛、錫、金、ニッケル等が挙げられる。また、金属粒子は、シンタリングを促進する、あるいは低コスト化等の目的で、例えば、非金属成分を含むことが可能である。なお、本実施形態の金属粒子は、その製造工程において不可避に混入する不純物が含有されていることを許容する。
導電性ペーストの硬化体には、金属粒子を構成する金属が互いに結合されて含まれることとなる。たとえば導電性ペーストに含まれる金属粒子が銀粒子である場合、その導電性ペーストの硬化体には銀が含まれる。
本実施形態の金属粒子は、非金属成分として、例えば炭素を含有することができる。金属粒子に含まれる炭素は、金属粒子にシンタリングが生じる際の焼結助剤として機能する。このため、金属粒子の焼結性を向上させることが可能となる。ここで、金属粒子が炭素を含有するとは、金属粒子の内部に含有される場合や、金属粒子の表面に物理的または化学的に吸着されている場合を含む。
金属粒子が炭素を含有する場合の一例として、金属粒子に炭素を含む滑剤を付着させる態様が挙げられる。このような滑剤としては、たとえば高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸アミド、および高級脂肪酸エステルが挙げられる。滑剤の含有量は、金属粒子全体に対してたとえば0.01重量%以上5重量%以下であることが好ましい。これにより、炭素を焼結助剤として効果的に機能させつつ、熱伝導性の低下を抑制することが可能となる。
本実施形態の金属粒子は、熱処理によりシンタリングを起こして粒子連結構造を形成する。粒子連結構造は、例えば、走査電子顕微鏡で得られた断面図から判断できる。図1は、均一なシンタリング構造が形成されている硬化体の一例の断面図(7,000倍)である。
本実施形態の金属粒子のメディアン径(D50)は、例えば、0.5μm以上が好ましく、0.6μm以上がより好ましく、0.8μm以上がさらに好ましい。一方、金属粒子のメディアン径(D50)は、例えば、10.0μm以下が好ましく、8.0μm以下がより好ましく、5.0μm以下がさらに好ましい。本実施形態において、金属粒子のメディアン径を上記下限値以上とすることにより、ペーストにした時の過度なチキソ性を防ぐことができる。
また、金属粒子のメディアン径を上記上限値以下とすることにより、金属粒子間における焼結性を向上させることが可能となる。また、導電性ペーストのディスペンス性を向上させる観点からは、金属粒子のメディアン径(D50)が0.6μm以上6.0μm以下であることがより好ましく、0.8μm以上5.0μm以下であることがさらに好ましい。本実施形態において、導電性ペーストは、メディアン径(D50)が異なる金属粒子を2種以上有していてもよい。
本実施形態において、金属粒子のメディアン径(D50)は、たとえば市販のレーザー式粒度分布計(たとえば、(株)島津製作所製、SALD−7000等)を用いて測定することができる。
金属粒子のタップ密度は2.50g/cm以上であることが好ましく、3.50g/cm以上であることがより好ましく、4.50g/cm以上であることがさらに好ましい。一方、当該タップ密度は、7.00g/cm以下であることが好ましく、6.00g/cm以下であることがより好ましく、5.50g/cm以下であることがさらに好ましい。金属粒子のタップ密度が上記上限以下、下限以上であれば、シンタリング性が向上し、導電性をより高めることができる。タップ密度は、JIS Z 2512:2012の方法に準拠して測定することができる。
本実施形態において、金属粒子の体積の下限値は、樹脂の固形分と金属粒子との合計体積(100体積%)に対して、特に限定されないが、例えば、40体積%以上であることが好ましく、45体積%以上であることがより好ましい。これにより、金属粒子の焼結性を向上させ、熱伝導性と導電性の向上に寄与することが可能となる。一方で、金属粒子の体積の上限値は、上記合計体積に対して、例えば、95体積%以下であることが好ましく、90体積%以下であることがとくに好ましい。これにより、導電性ペースト全体の塗布作業性や、接着剤層の機械強度等の向上に寄与することができる。
本実施形態に係る金属粒子の形状は、とくに限定されないが、たとえば球状、多角形状(角に丸みがある略球状を含む)、フレーク状、および樹枝状、および鱗片状等を挙げることができる。
本実施形態において、金属粒子は球状粒子、多角形状粒子またはフレーク状粒子を含むことがより好ましい。
これにより、金属粒子の充填性を高めることができるので、焼結性を向上させることができる。また、シンタリングの均一性の向上にも寄与することができる。また、焼結性に優れ、コストを低減させる観点からは、金属粒子がフレーク状粒子を含むことが好ましい。さらには、コストの低減とシンタリングの均一性とのバランスを向上させる観点から、金属粒子が球状粒子または多角形状粒子とフレーク状粒子の双方を含んでいてもよい。
本実施形態においては、球状粒子およびフレーク状粒子を合計した金属粒子の含有量は、金属粒子全体100重量%に対して、たとえば、90重量%以上であることが好ましく、95重量%以上であることが好ましい。かかる含有量の上限値は、特に限定されないが、例えば、100重量%以下である。これにより、シンタリングの均一性をより効果的に向上させることができる。また、シンタリングの均一性をさらに向上させる観点からは、球状粒子の金属粒子の含有量は、金属粒子全体100重量%に対して、たとえば、50重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがより好ましく、95重量%以上であることがさらに好ましい。かかる含有量の上限値は、特に限定されないが、例えば、100重量%以下である。
[樹脂]
本実施形態に係る樹脂について以下に説明する。本実施形態に係る導電性ペーストに含まれる樹脂は、接触角θが30°以上であれば特に限定されないが、以下はそのような樹脂の一例に関する。
本実施形態の導電性ペーストは、下記の樹脂を含むことができる。ここで樹脂とは、熱で重合し得るモノマー、およびモノマーが重合したポリマーを含む。
本実施形態において、樹脂の固形分の体積は、特に限定されないが、樹脂の固形分と金属粒子との合計体積(100体積%)に対して、例えば、5体積%以上であることが好ましく、7体積%以上であることがより好ましく、10体積%以上であることがさらに好ましい。一方、樹脂の固形分の体積は、特に限定されないが、当該合計体積に対して、例えば、70体積%以下であることが好ましく、55体積%以下であることがより好ましく、50体積%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態において、樹脂の固形分の体積を上記下限値以上とすることにより、導電性ペーストの密着性を高めることができる。一方、樹脂の固形分の体積を上記上限値以下とすることにより、金属粒子のシンタリングの妨げを抑制でき、導電性ペーストの抵抗を低くすることができる。本実施形態において、導電性ペーストが発揮する密着性としては、無機材料に対して密着するだけでなく、有機材料に対しても密着することが好ましい。
本実施形態において、樹脂の固形分の体積の測定方法としては、例えば、配合重量と当該樹脂固有の比重から求めることが出来る。一方、金属粒子の体積の測定方法としては、例えば、金属粒子の比重から算出できる。
本実施形態に係る樹脂は、たとえば熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のうち少なくともいずれかを含む。本実施形態の樹脂は、これらの樹脂から適宜選択できるが、熱硬化性樹脂を含むことが好ましく、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂をいずれも含むことがさらに好ましい。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂としては、加熱により3次元的網目構造を形成する樹脂である。当該熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、マレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、シアネート樹脂、メタクリロイル基を有する樹脂等が挙げられる。例えば、熱硬化性樹脂が、室温で液状である液状樹脂であってもよい。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態に係るフェノール樹脂としては、特に限定されないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、およびレゾール型フェノール樹脂等が挙げられる。この中でも、熱硬化収縮が大きく、また密着性が高い観点から、レゾール型フェノール樹脂がより好ましい。レゾール型フェノール樹脂は、例えば、アルカリ触媒下でフェノール類とアルデヒド類を反応させて得られる。
本実施形態に係るベンゾオキサジン系樹脂(ベンゾオキサジン環を有する樹脂)は、オキサジン環がベンゼン環に隣接した構造を有する熱硬化性樹脂である。当該ベンゾオキサジン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、フェノール化合物、アミン化合物、アルデヒド化合物を反応させることにより製造できる。
本実施形態に係るエポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基が2個以上であるものを使用することができる。たとえば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂、ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、o−アリルビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、3,3',5,5'−テトラメチル−4,4'−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、1,1,2,2−テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタン型エポキシ樹脂、4,4'−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、臭素型クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールDジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、1,6−ナフタレンジオールのグリシジルエーテル、アミノフェノール類のトリグリシジルエーテルなどのエポキシ樹脂が挙げられる。これらは単独で用いても複数組み合わせて用いても良い。
また、エポキシ樹脂は25℃にて固形状のもの、液状のもののどちらも使用することができる。
本実施形態に係るアクリル樹脂としては、たとえば、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、3官能以上の多官能(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、2官能以上のポリエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチルヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートのような脂肪族(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレートのような脂環式(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、p−クミルフェニル(メタ)アクリレート、o−ビフェニル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(1−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(2−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレートのような芳香族(メタ)アクリレート、2−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N−カルバゾールのような複素環式(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレートのような脂肪族(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレートのような脂環式(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、フルオレン型ジ(メタ)アクリレートのような芳香族(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレートのような複素環式(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、3官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレートのような脂肪族(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレートのような複素環式(メタ)アクリレートが挙げられる。
本実施形態に係る樹脂は、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、3官能以上の多官能(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。また、樹脂は、2官能以上の(メタ)アクリレートを含むことが好ましく、3官能以上の(メタ)アクリレートを含むことがより好ましい。また、本実施形態に係る樹脂は、水酸基を含む(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。そうすることにより、たとえば樹脂の分子同士の相互作用を高めることができ、結果として銀基材に対する接触角を大きくすることができる。
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、エポキシ樹脂のエポキシ基と、カルボキシル基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物のカルボキシル基とを反応させてエステル結合を形成させて得られる化合物が挙げられる。エポキシ(メタ)アクリレートとしては、たとえばトリメチルプロパン骨格エポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、たとえば、ポリエステル型またはポリエーテル型等のポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られたものが挙げられる。ここで、多価イソシアナート化合物としては、たとえば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアナートが挙げられる。また、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、たとえば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。
本実施形態において、エポキシ樹脂の含有量の下限値は、特に限定されないが、例えば、樹脂の固形分全量に対してエポキシ樹脂を1質量%以上含ませてもよく、3質量%以上含ませてもよく、5質量%以上含ませてもよい。これにより、硬化物としての適度な機械特性を発揮することができる。
また、エポキシ樹脂の含有量の上限値は、特に限定されないが、例えば、樹脂の固形分全量に対してエポキシ樹脂を20質量%以下含ませてもよく、15質量%以下含ませてもよく、10質量%以下含ませてもよい。
本実施形態にかかる樹脂は、たとえば硬化剤を含むことができる。硬化剤としては、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂)の重合反応を促進させるものであればとくに限定されない。これにより、上記熱硬化性樹脂の重合反応を促進させて、導電性ペーストを用いて得られる機械特性の向上に寄与することができる。
一方で、本実施形態においては、シンタリングの均一性、熱伝導性、導電性等のバランスを向上させる観点から、たとえば、樹脂中に硬化剤を含まない態様を採用することもできる。樹脂中に硬化剤を含まないとは、たとえば熱硬化性樹脂100重量部に対する硬化剤の含有量が0.01重量部以下である場合を指す。
本実施形態の硬化剤は、フェノール性水酸基を有する硬化剤を含むことができる。より具体的には、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂やベンゾオキサジン環を有する樹脂を用いる場合、硬化剤としてフェノール樹脂を用いることができる。上記フェノール樹脂としては、公知のもののなかから適宜選択することができるが、たとえばノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、トリスフェニルメタン型フェノール樹脂、アリールアルキレン型フェノール樹脂を用いることができる。
ノボラック型フェノール樹脂は、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを酸性触媒のもとで反応させることにより得ることができる。
ノボラック型フェノール樹脂を製造する際に用いるフェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、p−フェニルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、レゾルシノールなどが挙げられる。なお、これらフェノール類を単独または2種類以上併用して用いてもよい。
また、ノボラック型フェノール樹脂の製造に用いるアルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド等のアルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等の芳香族アルデヒド等が挙げられる。ホルムアルデヒド源としては、ホルマリン(水溶液)、パラホルムアルデヒド、アルコール類とのヘミホルマール、トリオキサン等が挙げられる。なお、これらアルデヒド類を単独または2種類以上併用して用いてもよい。
ノボラック型フェノール樹脂を合成する際、フェノール類とアルデヒド類との反応モル比率は、通常、フェノール類1モルに対して、アルデヒド類が0.3〜1.0モルであり、特に0.6〜0.9モルとすることが好ましい。
また、ノボラック型フェノール樹脂の製造に用いる酸性触媒としては、例えば、蓚酸、酢酸等の有機カルボン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機スルホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1'−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸等の有機ホスホン酸、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸が挙げられる。なお、これらの酸性触媒を単独、または2種類以上併用して使用してもよい。
レゾール型フェノール樹脂は、例えば、フェノール類とアルデヒド類をアルカリ金属やアミン類、二価金属塩などの触媒の存在下で反応させることによって得ることができる。
レゾール型フェノール樹脂の製造に用いるフェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール類、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール類、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール類、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のブチルフェノール類、p−tert−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール等のアルキルフェノール類、フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノール等のハロゲン化フェノール類、p−フェニルフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノール等の1価フェノール置換体、及び、1−ナフトール、2−ナフトール等の1価のフェノール類、レゾルシン、アルキルレゾルシン、ピロガロール、カテコール、アルキルカテコール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタリン等の多価フェノール類が挙げられる。なお、これらフェノール類を単独あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
また、レゾール型フェノール樹脂の製造に用いるアルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒドが挙げられる。これらアルデヒド類を、単独または2種類以上組み合わせて使用してもよい。なお、これらのアルデヒド類の中でも、反応性が優れ、安価であるという観点から、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドを選択して用いることが好ましい。
また、レゾール型フェノール樹脂の製造に用いる触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物、炭酸ナトリウム、アンモニア水、トリエチルアミン、ヘキサメチレンテトラミンなどのアミン類、酢酸マグネシウムや酢酸亜鉛などの二価金属塩が挙げられる。これら触媒は、単独または2種類以上併用してもよい。
なお、レゾール型フェノール樹脂を製造する際、フェノール類とアルデヒド類との反応モル比としては、好ましくはフェノール類1モルに対して、アルデヒド類0.80〜2.50モルであり、さらに好ましくは、アルデヒド類1.00〜2.30モルである。
アリールアルキレン型フェノール樹脂は、繰り返し単位中に一つ以上のアリールアルキレン基を有するフェノール樹脂を示す。このようなアリールアルキレン型フェノール樹脂としては、例えば、キシリレン型フェノール樹脂、ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂が挙げられる。
また硬化剤は、たとえば3級アミノ基を有する化合物を含むことができる。3級アミノ基を有する化合物は、例えば、ベンジルジメチルアミン(BDMA)等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール(EMI24)等のイミダゾール類、ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、ピラゾリン等のピラゾール類、トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール等のトリアゾール類、イミダゾリン、2−メチル−2−イミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾリン類が挙げられ、これらから選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、シンタリングの均一性、熱伝導性、導電性等のバランスを向上させる観点からは、イミダゾール類を少なくとも含むことが好ましい態様の一例として挙げられる。
本実施形態に係る樹脂中に含まれる硬化剤の含有量の上限値は、特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂100重量部に対して、硬化剤の含有量は25重量部以下が好ましく、5重量部以下がより好ましく、3重量部以下がさらに好ましく、1重量部以下がとくに好ましい。かかる硬化剤の含有量の下限値は、特に限定されないが、例えば、当該含有量は0重量部以上が好ましく、導電性ペーストの機械特性を向上させる観点からは、0.1重量部以上がより好ましい。
本実施形態に係る樹脂はさらに硬化促進剤を含んでも良い。本実施形態の硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、イミダゾール類、トリフェニルホスフィンまたはテトラフェニルホスフィンの塩類、ジアザビシクロウンデセンなどのアミン系化合物およびその塩類が挙げられる。
本実施形態に係る熱可塑性樹脂としては、たとえば(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、非晶性オレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、AS樹脂(アクリロニトリル、スチレン共重合化合物)、ブチラール樹脂が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂が熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂を含む場合、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との総和(固形分)を100重量%とした熱可塑性樹脂の固形分の含有量は、2重量%以上が好ましく、5重量%以上がより好ましい。また、当該含有量は、60重量%以下が好ましく、45重量%以下がより好ましい。
また、樹脂としては、硬化時の収縮がある程度大きいものが好ましい。詳細なメカニズムは定かではないが、本実施形態に係る導電ペーストにおいて、樹脂成分はシンタリングの時に、収縮して金属粒子同士を押しつける状態を生み出すことができるので、シンタリングを促進することが可能になると考えられる。
本実施形態に係る樹脂の硬化後の比重をD1、樹脂の硬化前の比重をD2としたとき、(D1−D2)/D1×100[%]で得られる値は3.0%以上であることが好ましく、4.0%以上であることがより好ましい。(D1−D2)/D1×100が大きいことは、樹脂の反応収縮が大きいことを意味する。すなわち、(D1−D2)/D1×100を上記下限以上とすることで、シンタリングを促進し、導電性をより向上させることができる。また、(D1−D2)/D1×100の値は密着性向上の観点から15.0%以下であることが好ましく、10.0%以下であることがより好ましく、5.0%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態において、樹脂の比重を測定する方法としては、例えばアルキメデス法が挙げられる。測定においては、導電性ペーストに含まれる金属粒子を除いた樹脂を測定試料とする。測定試料の準備方法は特に限定されないが、具体的には例えば以下の様に行える。まず、MEKなどの溶剤を用いて溶解させたそれぞれの樹脂を混合し、自転公転ミキサー等で脱泡し、ワニスを準備する。その後90℃、4時間などの穏やかな条件で、ワニス中から溶剤を乾燥させる。このようにして得られた樹脂板を硬化前の測定試料とし、例えば、アルファミラージュ社製高精度比重計SD−200Lを用いて硬化前の比重D2を測定する。また、測定試料を硬化させた後に硬化後の比重D1を測定する。硬化の条件は、たとえば200℃45分とすることができる。また、測定する樹脂が硬化前において常温で液状の場合には、たとえばマイクロピペットを用いて1mLの樹脂を秤量し、その重量を精密天秤によって量り、硬化前の比重を算出することができる。
この場合、樹脂とは、導電性ペーストから金属粒子および溶剤を除いた残りの全成分とすることができる。ただし、溶剤を乾燥させて除くとき、完全に溶剤が除かれた状態が好ましいが、作業プロセス上、不可避に残存する溶剤は許容できる。また、導電性ペーストが充填材を含む場合、かかる充填材を除いたものを、評価するための上記樹脂とする。後述する樹脂のピーク温度T1、温度T2、溶融粘度、およびガラス転移温度の測定において同様である。
本実施形態に係る樹脂は、DTA(Differential Thermal Analysis)曲線の、最大発熱ピークにおけるピーク温度T1が180℃以上であることが好ましく、195℃以上であることがより好ましく、230℃以上であることがさらに好ましい。ここで、ピーク温度T1は、熱機械分析装置を用いて昇温速度10℃/minの条件下で30℃から400℃まで昇温した際に得られるDTA曲線の、最大発熱ピークにおけるピーク温度である。ピーク温度T1が上記下限以上であることで、金属粒子のシンタリング前に樹脂の硬化が進み、シンタリングを阻害することを回避できる。
DTA曲線はたとえば熱機械分析装置(TGDTA Q600、TAインスツルメント社製)を用いて測定することができる。測定はたとえば、窒素ガスを100mL/分の速度で流しながら行う。
本実施形態においては、樹脂の複素動的粘度が10000Pa・sとなる温度T2が、140℃以上であることが好ましく、168℃以上であることがより好ましい。一方、温度T2は、200℃以下であることが好ましく、180℃以下であることがより好ましい。ここで、温度T2は、測定範囲100〜250℃、昇温速度10℃/min、周波数1Hzでの動的粘弾性試験で得られる樹脂の複素動的粘度が10000Pa・sとなる温度である。温度T2が上記下限以上であることで、金属粒子のシンタリング前に樹脂の硬化が進んでしまいシンタリングを阻害することを回避できる。また、温度T2が上記上限以下であることで、適度な硬化性を有し、シンタリングに必要な熱処理時間を短くできる。
樹脂の複素動的粘度を測定する方法としては、例えば、レオメーターが用いられる。測定は、導電性ペーストに含まれる樹脂を用いて実施する。測定試料の準備方法は特に限定されない。レオメーターでの測定条件は特に限定されないが、例えばひずみ0.2%、ノーマルフォース0Nの条件で測定する。
本実施形態において、120℃における上記樹脂の溶融粘度は、特に限定されないが、例えば、0.1Pa・s以上が好ましく、5Pa・s以上がより好ましく、10Pa・s以上がさらに好ましい。一方、120℃における上記樹脂の溶融粘度の上限値は、特に限定されないが、例えば、1,000,000,000Pa・s以下が好ましく、100,000,000Pa・s以下がより好ましく、10,000,000Pa・s以下がさらに好ましい。これにより、導電性ペースト中の金属粒子同士の焼結がより発生し易い状態とすることができる。
この場合、樹脂とは、上記導電性ペーストから金属粒子および溶剤を除いた残りの全成分とすることができる。ただし、溶剤を乾燥させて除くとき、完全に溶剤が除かれた状態が好ましいが、作業プロセス上、不可避に残存する溶剤は許容できる。また、上記導電性ペーストが充填材を含む場合、かかる充填材を除いたものを、評価するための上記樹脂とする。
本実施形態において、溶融粘度を測定する方法としては、例えば、レオメーターが用いられる。測定サンプルの準備は、導電性ペーストに含まれる金属粒子を除いた樹脂を用いて実施する。サンプル準備方法は特に限定されないが、例えばMEKなどの溶剤を用いて溶解させたそれぞれの樹脂を混合し、自転公転ミキサー等で脱泡し、ワニスを準備する。その後90℃、4時間などの穏やかな条件でワニス中から溶剤を乾燥させる。このようにして得られた樹脂板を用い、レオメーターで溶融粘度を測定する。レオメーターでの測定条件は特に限定されないが、例えばひずみ0.2%、周波数1Hz、ノーマルフォース4Nの条件で、100℃〜250℃を5℃/分の昇温速度で測定する。
また、本実施形態において、樹脂の硬化物のガラス転移温度(Tg)の下限値は、特に限定されないが、例えば、当該ガラス転移温度(Tg)は60℃以上としてもよく、65℃以上としてもよく、70℃以上としてもよい。かかるガラス転移温度(Tg)の上限値は、特に限定されないが、例えば、当該ガラス転移温度(Tg)は300℃以下としてもよく、290℃以下としてもよく、280℃以下としてもよい。これにより、耐熱性が得られる。
本実施形態において、ガラス転移温度を測定する方法としては、例えば、熱機械分析装置(DSC2920 TAインスツルメント社製)等が用いられる。
樹脂の接触角θ(D1−D2)/D1×100の値、ピーク温度T1、温度T2、溶融粘度、およびガラス転移温度は、それぞれ樹脂の成分および配合を選択、調整することで、調整できる。
[溶剤]
本実施形態に係る導電性ペーストは、たとえば溶剤をさらに含むことができる。本実施形態において、溶剤とは、樹脂と反応せず、シンタリング(焼結)の工程後に揮発して残存しないものを意味する(ただし、不可避に残存する微量は許容する)。これにより、導電性ペーストの流動性を向上させ、作業性の向上に寄与することができる。また、導電性ペーストの粘度を制御することができるので、所望の粘度の導電性ペーストを得ることができる。
本実施形態に係る溶剤としては、とくに限定されないが、例えば、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アノン、ジアセトンアルコール、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、メチルメトキシブタノール、α−ターピネオール、β−ターピネオール、γ−ターピネオール、ターピネオール(α、β、γの混合物)、ジヒドロターピネオール、へキシレングリコール、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールもしくはグリセリン等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール(4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン)、2−オクタノン、イソホロン(3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン)もしくはジイソブチルケトン(2,6−ジメチル−4−ヘプタノン)等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、アセトキシエタン、酪酸メチル、ヘキサン酸メチル、オクタン酸メチル、デカン酸メチル、メチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1,2−ジアセトキシエタン、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジルもしくはリン酸トリペンチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、エトキシエチルエーテル、1,2−ビス(2−ジエトキシ)エタンもしくは1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン等のエーテル類、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エタン等のエステルエーテル類、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール等のエーテルアルコール類、トルエン、キシレン、n−パラフィン、イソパラフィン、ドデシルベンゼン、テレピン油、ケロシンもしくは軽油等の炭化水素類、アセトニトリルもしくはプロピオニトリル等のニトリル類、アセトアミドもしくはN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、低分子量の揮発性シリコンオイル、または揮発性有機変成シリコンオイルが用いられる。この中でも、作業性や揮発性の観点から、例えば、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アノン、ジアセトンアルコール、ターピネオール、ジヒドロターピネオール等がより好ましく、ブチルカルビトール、ターピネオール、ジヒドロターピネオールがさらに好ましい。
また、これらは、二種以上を組み合わせた混合溶剤として使用することもできる。
(その他の成分)
本実施形態に係る導電性ペーストには、必要に応じて酸化防止剤、分散剤、シリカ、アルミナ等の無機充填材、シリコーン樹脂やブタジエンゴム等の他のエラストマー、カップリング剤、消泡剤、レベリング剤、微細シリカ(チキソ調整剤)、触媒等の成分を添加することもできる。これらの成分の含有量は、導電性ペーストを適用する用途に合わせて適宜設定することができる。
[導電性ペーストおよび硬化体の用途]
本実施形態の導電性ペーストは、様々な用途に用いることができる。例えば、導電性ペーストはダイアタッチ材として用いることができる。ダイアタッチ材としては、例えば、電子装置に用いられてもよいし、より好ましくは半導体装置に用いられてもよい。その他の用途例としては、プリント回路基板のジャンパー回路やスルーホール導体、アディティブ回路、タッチパネルの導体回路、抵抗端子、太陽電池の電極、タンタルコンデンサの電極、フィルムコンデンサの電極、チップ型セラミック電子部品の外部電極や内部電極等の形成、電磁波シールドとしての使用等が挙げられる。また、はんだの代替として、半導体素子や電子部品を基板に実装するための導電性接着剤としての使用のほか、太陽電池の高温焼成した銀電極の表面をはんだで被覆するタイプのグリッド電極の、はんだ部分の代替として使用することもできる。
本実施形態の導電性ペーストは、硬化させることで硬化体とすることができる。本実施形態の硬化体は、様々な用途に利用できる。例えば、電子装置に使用される。すなわち、本実施形態に係る電子装置は、本実施形態の導電性ペーストの硬化体と、当該硬化体が接着された電子部品と、を備えている。
本実施形態の硬化体は、硬化体中に金属粒子が含まれるため、電極や配線が形成されている様々な電子機器の部品に適用することができる。また、プリント配線基板のスルーホールやビアホールに充填する用途としても好ましく用いることができる。
もちろん、ここで挙げた用途は、実施形態の一例であり、これ以外の用途であっても、導電性ペーストの組成を調整しつつ、適用を行うことができるのは言うまでもない。
図2は、本実施形態に係る導電性ペーストの硬化体30を含む電子装置10を例示する図である。電子装置10は基板40、硬化体30および電子部品20を含む。電子部品20に形成された電極22は、基板40に形成された配線42と、硬化体30により接続されている。また、配線42は、図示しない電源や他の電子装置と電気的に接続されている。
次に、本実施形態に係る導電性ペーストの製造方法について説明する。
本実施形態の導電性ペーストは、上述した各成分を混練混合することで製造することができる。この混合は、たとえばニーダー、三本ロール、ライカイ機等の混練装置や、各種撹拌装置等を用いて行えばよい。
[導電性ペーストの硬化体]
本実施形態に係る導電性ペーストの硬化体の製造方法について以下に説明する。
本実施形態に係る導電性ペーストの硬化体の製造方法は、熱処理を行って硬化体を得る工程を含む。
本実施形態に係る導電性ペーストの硬化体は、たとえば上述した導電性ペーストを用いて得られる。本実施形態では、まず、導電性ペーストを基材上に塗布する。ここで、基材は特に限定されないが、たとえば、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス等のガラス、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂硬化物等の樹脂、金属が挙げられる。中でも、密着性向上の観点から、基材はガラスまたはエポキシ樹脂硬化物からなることが好ましい。
基材の線膨張係数(CTE)[ppm/℃]は特に限定されないが、低抵抗と密着性向上の両立の観点から、200ppm/℃以下であることが好ましく、150ppm/℃以下であることがより好ましく、100ppm/℃以下であることがさらに好ましい。一方、基材の線膨張係数は、同様の観点から、1ppm/℃以上であることが好ましく、5ppm/℃以上であることがより好ましい。基材の線膨張係数が上記上限以下、下限以上であることにより、導電性ペーストの硬化収縮とのバランスを保ち、金属粒子同士の凝集を生じやすくすることができる。基材の線膨張係数は、たとえば以下の様に得られる190〜210℃における平均線膨張係数である。すなわち、TMA(熱機械的分析)装置(TAインスツルメント社製、Q400)を用いて、温度範囲30〜300℃、10℃/分、荷重5gの条件でTMAを測定する。そして、2サイクル目の190〜210℃における平面方向の平均線膨張係数(CTE)を算出する。
次いで、導電性ペーストを熱処理することにより、基材上に接して形成された導電性ペーストの硬化体が得られる。
本実施形態において、樹脂としてシンタリングを補助する特性を有するものが選択されているので、硬化工程において、シンタリング温度を低くできたり、シンタリング時間を短くできる等、製造プロセス特性を高めることが可能になったりする。つまり、硬化工程において、低温または短時間のシンタリング条件を採用したとしても、導電性ペーストに対して低抵抗と密着性の両立を実現することが可能になる。
本実施形態において、シンタリング温度(熱処理の加熱温度)は特に限定されないが、230℃以下が好ましく、200℃以下がより好ましい。また、当該シンタリング温度は、例えば、160℃以上が好ましく、180℃以上がさらに好ましい。
シンタリング温度としては、焼結を完結させる目的として、200℃より高い温度が好ましいと一般的には考えられている。これに対して、本実施形態に係る導電性ペーストは、200℃以下、160℃以上の熱処理でシンタリングさせることが可能である。
また、本実施形態において、シンタリングの時間(熱処理の加熱時間)の下限値は、特に限定されないが、当該時間は例えば、15分以上が好ましく、18分以上がより好ましく、20分以上がさらに好ましい。当該シンタリングの時間の上限値としては、特に限定されないが、当該時間は例えば、60分以下が好ましく、55分以下がより好ましく、50分以下がとくに好ましい。
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。
本実施形態によれば、硬化体と基材の密着性に優れると共に、硬化体の導電性に優れる導電性ペーストを実現することができる。ひいては、それを用いて製造する電子装置等の信頼性を向上させることができる。
[部分シンタリング構造]
本実施形態の導電性ペーストの硬化体は、金属粒子の粒子連結構造が形成された焼結部を有しているが、さらに、金属粒子の粒子連結構造が形成されていない非焼結部を有していてもよい。言い換えると、本実施形態の硬化体は、シンタリングが全体に形成されている全体シンタリング構造を有してもよいが、シンタリングが部分的にしか形成されていない部分シンタリング構造を有していてもよい。かかる非焼結部には、本実施形態の樹脂が残存している。
本実施形態では、焼結部と非焼結部とを次の手法により確認することができる。例えば、硬化した導電性ペーストの断面を走査電子顕微鏡等の各種顕微鏡で観察し、観察像から金属粒子のシンタリング構造を判定する。図3は、焼結部と非焼結部が共存するシンタリング構造が形成されている硬化体の一例の断面図(10,000倍)である。
本実施形態の熱処理を行って硬化体を得る工程は、粒子連結構造が形成された焼結部と、粒子連結構造が形成されていない非焼結部と、を形成する工程を有してもよい。本実施形態において、部分シンタリング構造を形成するためには、例えば、樹脂の含有量、シンタリング温度や時間等を適宜選択することが挙げられる。
本実施形態において、部分シンタリングの効果としては、低抵抗導電性と被着体への高い密着力の両立を実現することができる。その他、製造プロセスの短時間化、低温硬化も挙げられる。例えば、完全シンタリングが可能な系に対して温度が低い条件や時間が短い条件を適用する場合でも、完全な全体シンタリングが可能な系に極めて近いときには、部分シンタリングは、実用上問題ないレベルまでシンタリングされていると言える。また、種々適正な樹脂を配合することができるので、用途による適正なペーストとしての粘弾性特性(粘度、チキソ、ダイラタンシーなど)が調整し易くなる。さらには、樹脂が残存しているので硬化物の脆さが改善される。その結果、構造上の強度を高めることや、接続信頼性を向上させることが可能になる。
以下、本実施形態を、実施例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
(導電性ペーストの調製)
各実施例1から5、および比較例1について、導電性ペーストを調製した。この調製は、表1に示す配合に従い各成分を均一に混合することにより行った。また、表1中における各成分は、配合部数(重量部)で示されている。また、表1には、配合した成分及び配分から導出した金属粒子の含有量[体積%]の値(金属粒子と樹脂の固形分の総和を100体積%とした。)も合わせて示している。なお、表1に示す成分の詳細は以下のとおりである。
[金属粒子]
銀粒子1:フレーク状銀粉(タップ密度5.10g/cm、メディアン径D50=2.76μm)
[樹脂]
熱硬化性樹脂1:トリメチロールプロパントリメタクリレート(NKエステル TMPT(製品名)、新中村化学(株)製、3官能)
熱硬化性樹脂2:ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート(NKエステル D−TMP(製品名)、新中村化学(株)製、4官能)
熱硬化性樹脂3:トリメチルプロパン骨格エポキシアクリレート(NKオリゴ EA−5321(製品名)、新中村化学(株)製、水酸基を有する3官能)
熱硬化性樹脂4:エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(NKエステル ABE−300(製品名)、新中村化学(株)製、2官能)
熱硬化性樹脂5:エトキシ化グリセリントリアクリレート(NKエステル A−GLY−9E(製品名)、新中村化学(株)製、3官能)
熱硬化性樹脂6:ポリエステルアクリレート(アロニックス M−8060(製品名)、東亞合成(株)製、多官能)
熱可塑性樹脂1:アクリルポリマー(SG−280 TP10(製品名)、ナガセケムテックス(株)製、RC10wt%のテルピネオール溶液、MW900,000、カルボキシル基を有する)
[触媒]
熱ラジカル開始剤1:ジクミルペルオキシド(パークミルD(製品名)、日油(株)製)
[溶剤]
溶剤1:ジヒドロキシターピネオール(メンタノール(製品名)、日本香料薬品(株)製)
各実施例および比較例の導電性ペーストを以下の通り評価した。結果を表1にまとめて示す。
(体積抵抗率)
ガラス上の体積抵抗率ρを以下のように測定した。まず、導電性ペーストをガラス基材(松波硝子工業社製,スライドガラスS1225、CTE:8ppm/℃)上におよそ均一に塗布して幅4mm、長さ40mm、厚さ40μmの塗布膜を形成した。そして、得られた塗布膜を、大気雰囲気下、100℃で10分の条件で乾燥させた後、引き続き、200℃、45分の硬化条件で熱処理をして硬化体を得た。得られた硬化体を4端子法にて測定し、体積抵抗率ρを算出した。
また、エポキシ樹脂硬化物上の体積抵抗率ρERを以下の様に測定した。まず、導電性ペーストを以下の様に得られるエポキシ樹脂硬化物の基材(CTE:170ppm/℃)上におよそ均一に塗布して幅4mm、長さ40mm、厚さ40μmの塗布膜を形成した。そして、得られた塗布膜を、大気雰囲気下、100℃で10分の条件で乾燥させた後、引き続き、200℃、45分の硬化条件で熱処理をして硬化体を得た。得られた硬化体を4端子法にて測定し、体積抵抗率ρERを算出した。
三菱化学社製ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂828 10.0重量部、住友ベークライト社製フェノールノボラック樹脂PR−51470のMEK溶液(RC60wt%)9.1重量部、三菱化学社製ビスフェノールA型フェノキシ樹脂1256B40(RC40wt%のMEK溶解品)26重量部、四国化成社製硬化触媒イミダゾール2PHZ 0.05重量部を混合してエポキシ樹脂ワニスを作成した。得られたエポキシ樹脂ワニスを住友ベークライト社製ガラスエポキシ積層板El−3762(1.0mm厚)上にアプリケータを用いて、約50μm厚み(dry)で塗布した。次いで120℃10分で乾燥した後、180℃1時間で硬化させ、エポキシ樹脂硬化物の基材を得た。
(接触角θ
各実施例および比較例について、25℃における樹脂の、銀基材に対する接触角θを測定した。具体的には、まず、C1020の銅板に電解Agメッキで2μmの膜厚のめっき膜を形成し、銀基材を準備した。この銀基材上に導電性ペーストに含まれる金属粒子を除いた樹脂を滴下してから、30秒後の接触角を読み取り、7回の測定の平均値を接触角θとして得た。
(樹脂の収縮性の評価)
各実施例および比較例について、(D1−D2)/D1×100[%]の値を測定した。測定する樹脂が硬化前において常温で固体の場合、樹脂の比重の測定はアルキメデス法を用いて次の手順で行った。すなわち、アルファミラージュ社製高精度比重計SD−200Lを用いて比重を測定した。導電性ペーストに含まれる金属粒子を除いた樹脂を測定サンプルとした。まず、MEK(溶剤)に溶解させた樹脂を混合し、自転公転ミキサー等で脱泡して、ワニスを準備した。その後90℃4時間の穏やかな条件で、ワニス中のMEKを乾燥させた。このようにして得られた樹脂板を用い、上記比重計を用いて、硬化前後の比重を測定した。また、測定する樹脂(溶剤を揮発させたもの)が硬化前において常温で液状の場合、たとえばマイクロピペットを用いて1mLの樹脂を秤量し、その重量を精密天秤によって量り、硬化前の比重を求めた。この場合においても硬化後の樹脂は常温で固体であるため、アルキメデス法を用いて硬化後の比重を測定した。硬化の条件は200℃45分とした。
(DTA曲線)
各実施例および比較例について、樹脂のDTA曲線の、最大発熱ピークにおけるピーク温度T1を測定した。具体的には、導電性ペーストに含まれる金属粒子を除いた樹脂を試料とし、熱機械分析装置(TGDTA Q600、TAインスツルメント社製)を用いてDTA曲線を取得した。DTA曲線を取得においては、昇温速度10℃/minの条件下で30℃から400℃まで昇温した。そして、得られたDTA曲線の最大発熱ピークにおけるピーク温度T1を求めた。また、測定は窒素ガスを100mL/分の速度で流しながら行った。
(複素動的粘度)
各実施例および比較例について、、樹脂の複素動的粘度が10000Pa・sとなる温度T2を測定した。具体的には、導電性ペーストに含まれる金属粒子を除いた樹脂に対し、レオメーターを用いて測定範囲100〜250℃、昇温速度10℃/min、周波数1Hzの条件で動的粘弾性試験を行った。そして、樹脂の複素動的粘度が10000Pa・sとなる温度T2を求めた。測定条件はひずみ0.2%、ノーマルフォース0Nとした。
(密着性評価)
密着性の評価を以下の通り行った。1mmのアルミ板上に、エポキシ樹脂含有ワニスを塗布した。箱型オーブンを用い、ワニスを乾燥し、180℃1時間で硬化させた。得られたアルミ板を20mmに切断した。このアルミ板上に、得られた導電性ペーストを塗布し、上方からシリコンウェハを2mmに切断したチップを搭載した。箱型オーブンを用い、銀ペーストを200℃1時間で硬化させた。このようにして得られたサンプルのシェア強度を、デイジジャパン社製シリーズ4000を用いて測定した。それぞれ8個で測定を行い、得られた値の平均値[N]を求めた。そして、求められた平均値が20N以上である場合を「◎」、20N未満5N以上である場合を「○」、5N未満である場合を「×」として評価した。
表1に示した結果より、樹脂の銀に対する接触角θが30°以上である実施例1〜5の導電性ペーストにおいて、導電性に優れると共に、密着性が高いことが確かめられた。一方、比較例1では導電性に劣っていた。
以上、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
10 電子装置
20 電子部品
22 電極
30 硬化体
40 基板
42 配線

Claims (11)

  1. 金属粒子と、
    樹脂とを含み、
    前記樹脂は25℃において、表面が銀からなる基材に対する接触角θが30°以上である
    導電性ペースト。
  2. 請求項1に記載の導電性ペーストにおいて、
    前記樹脂の硬化後の比重をD1、前記樹脂の硬化前の比重をD2としたとき、(D1−D2)/D1×100[%]で得られる値が3.0%以上10.0%以下である
    導電性ペースト。
  3. 請求項1または2に記載の導電性ペーストにおいて、
    前記樹脂は、熱機械分析装置を用いて昇温速度10℃/minの条件下で30℃から400℃まで昇温した際に得られるDTA曲線の、最大発熱ピークにおけるピーク温度T1が180℃以上である
    導電性ペースト。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の導電性ペーストにおいて、
    測定範囲100℃から250℃、昇温速度10℃/min、周波数1Hzでの動的粘弾性試験で得られる前記樹脂の複素動的粘度が10000Pa・sとなる温度T2が、140℃以上である
    導電性ペースト。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の導電性ペーストにおいて、
    溶剤をさらに含む
    導電性ペースト。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の導電性ペーストにおいて、
    前記樹脂は熱硬化性樹脂を含む
    導電性ペースト。
  7. 請求項6に記載の導電性ペーストにおいて、
    前記樹脂は(メタ)アクリレートを含む
    導電性ペースト。
  8. 請求項6または7に記載の導電性ペーストにおいて、
    前記樹脂は熱可塑性樹脂をさらに含む
    導電性ペースト。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の導電性ペーストにおいて、
    前記金属粒子は銀粒子である
    導電性ペースト。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の導電性ペーストにおいて、
    前記金属粒子はフレーク状粒子を含む
    導電性ペースト。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の導電性ペーストに対し熱処理を行って硬化体を得る工程を含む
    導電性ペーストの硬化体の製造方法。
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