JP2004168870A - 接着剤組成物、これを用いた接着フィルムおよび半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂およびフィラーを含有してなる接着剤組成物であって、フィラーが、平均粒径をR、扁平率をKとして、少なくとも(A)0.5μm≦R≦5μmかつK≦15を満たすフィラーをフィラー総量のX%、(B)5μm≦R≦30μmかつK≦15を満たすフィラーをフィラー総量のY%、および(C)1μm≦R≦10μmかつ20≦K≦60を満たすフィラーをフィラー総量のZ%含み、X、Y、およびZが、0.25≦X/Z≦3.5かつ0.6≦(X+Z)/Y≦5を満たし、(A)、(B)および(C)を満たす各フィラーの総量が、接着剤組成物の総体積に対して30vol%以上60vol%以下である接着剤組成物、これを用いた接着フィルムおよび半導体装置を提供する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着性及び熱伝導性に優れた接着剤組成物及びこれを用いた半導体装置に関し、さらに詳しくは、IC、LSI等の半導体素子をリードフレーム、セラミック配線板、ガラスエポキシ配線板、ポリイミド配線板等の基板に接着するのに好適な接着剤組成物、これを用いた接着フィルムおよび半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置を製造する際、半導体素子とリードフレーム(支持部材)とを接着させる方法としては、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂などの樹脂に銀粉等の充填剤を分散させてペースト状(例えば、銀ペースト)とし、これを接着剤として使用する方法がある。この方法では、ディスペンサーやスタンピングマシン等を用いて、ペースト状接着剤をリードフレームのダイパッドに塗布した後、半導体素子をダイボンディングし、加熱硬化により接着させ半導体装置とする。
【0003】
この半導体装置は、さらにその外部が封止材によって封止され、半導体パッケージとされた後、配線基盤上に半田付けされて実装される。最近の実装は、高密度及び高効率が要求されるので、半田実装は半導体装置のリードフレームを基板に直接半田付けする表面実装が主流である。この表面実装には、基板全体を赤外線などで加熱するリフローソルダリングが用いられ、パッケージは200℃以上の高温に加熱される。この時、パッケージの内部、特に接着剤層中に水分が存在すると、この水分が気化してダイパッドと封止材の間に回り込み、パッケージにクラック(リフロークラック)が発生する。このリフロークラックは半導体装置の信頼性を著しく低下させるため、深刻な問題・技術課題となっており、半導体素子と半導体支持部材との接着に多く用いられている接着剤には、高温時の接着力を始めとする信頼性が求められてきた。
【0004】
さらに、近年の半導体素子の高速化、高集積化が進むに伴い、接着力等の信頼性に加えて、半導体装置の動作安定性を確保する高放熱特性が接着剤に求められている。
【0005】
これまでに開示された接着剤の高熱伝導化の技術としては、接着剤中の金属フィラーの量、粒子径、形状を最適化することで接着剤の熱伝導率を上げる方法が一般的であり、例えば、大型フィラーと微細フィラーの組み合わせにより熱伝導率を高めた導電性ペースト(特許文献1および2参照)や、フィラーの形状あるいは配向を制御することにより熱伝導率を高めた例(特許文献3、4、および5参照)などが挙げられる。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−150135号公報
【特許文献2】
特開2001−2830号公報
【特許文献3】
特開平7−286148号公報
【特許文献4】
特開平11−43587号公報
【特許文献5】
特開2000−191998号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、接着剤中のフィラーの量を増加させ熱伝導率を向上させても、接着性に関与する樹脂の相対的混合量が減少するために、接着性は低下してしまう。また、フィラーとして小粒子径あるいは燐片状のフィラーを用いる場合においても熱伝導率は向上するものの、接着性は低下してしまう。さらに、接着剤の形態をペースト状とした場合、フィラーの量が多いとペーストの粘度が必要以上に上昇し、作業性が低下してしまい、この作業性の低下を補うために溶剤を多量に混合すると、硬化後の接着層中に溶剤が残存することに起因して、ボイドが発生しやすくなり放熱特性の低下につながる。
【0008】
上記を鑑みて、本発明は、従来品より少ないフィラー含有量で、所定の接着強度を維持し、かつ熱伝導率の向上を図ることのできる接着剤組成物、これを用いた接着フィルムおよび半導体装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、第一の態様として、樹脂およびフィラーを含有してなる接着剤組成物であって、フィラーが、平均粒径をR、扁平率をKとして、少なくとも(A)0.5μm≦R≦5μmかつK≦15を満たすフィラーをフィラー総量のX%、(B)5μm≦R≦30μmかつK≦15を満たすフィラーをフィラー総量のY%、および(C)1μm≦R≦10μmかつ20≦K≦60を満たすフィラーをフィラー総量のZ%含み、X、Y、およびZが、0.25≦X/Z≦3.5かつ0.6≦(X+Z)/Y≦5を満たし、(A)、(B)および(C)を満たす各フィラーの総量が、接着剤組成物の総体積に対して30vol%以上60vol%以下である接着剤組成物を提供する。
【0010】
本発明は、第2の態様として、第1の態様の接着剤組成物をフィルム状に形成してなる接着フィルムを提供する。この場合、接着剤組成物をフィルムの形態で予備硬化し、使用する際に前記予備硬化された接着剤組成物を本硬化させることができる。
【0011】
本発明は、第3の態様として、第1の態様の接着剤組成物を用いて半導体素子と半導体支持部材とを接着してなる半導体装置を提供する。
【0012】
本発明は、第4の態様として、第2の態様の接着フィルムの接着剤層を介して半導体素子と半導体支持部材とを接着してなる半導体装置を提供する。
【0013】
これら本発明によれば、接着剤中のフィラーに関してより細かく条件を最適化したため、従来より少ないフィラー含有量で接着強度と熱伝導率の両特性をバランス良く兼ね備えた接着剤組成物、およびこれを用いた半導体装置を提供することが可能となる。
【0014】
以下、本発明を実施の形態により詳細に説明する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の接着剤組成物は、樹脂、ならびに3種類のフィラー(A)、(B)および(C)を必須成分とする。
【0016】
本発明の接着剤組成物に用いる樹脂としては、有機高分子化合物、またはその前駆体を含み、必要に応じて、反応性希釈剤、硬化剤、硬化性を向上させるための硬化促進剤、応力緩和のための可撓剤、作業性向上のための希釈剤、接着力向上剤、濡れ性向上剤、消泡剤及び低粘度化のための反応性希釈剤の一つ以上を含んでもよい。
【0017】
上記有機高分子化合物、またはその前駆体としては、特に制限はないが、好ましくは、熱硬化性樹脂、またはその前駆体である。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂等が挙げられ、これらの樹脂は単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0018】
また、上記熱硬化性樹脂のうち、エポキシ樹脂を用いることが耐熱性、接着性、および作業性の観点からから好ましい。特に、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂がより好ましく、このようなエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるAER−X8501(旭化成工業(株)製、商品名)、R−301(油化シェルエポキシ(株)製、商品名)、YL−980(油化シェルエポキシ(株)製、商品名)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂であるYDF−170(東都化成(株)製、商品名)、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂であるR−1710(三井石油化学工業(株)製、商品名)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(N−730S(大日本インキ化学工業(株製)、商品名)、Quatrex−2010(ダウ・ケミカル社製、商品名)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂であるYDCN−702S(東都化成(株)製、商品名)、EOCN−100(日本化薬(株)製、商品名)、多官能エポキシ樹脂であるEPPN−501(日本化薬(株)製、商品名)、TACTIX−742(ダウ・ケミカル社製、商品名)、VG−3010(三井石油化学工業(株)製、商品名)、1032S(油化シェルエポキシ(株)製、商品名)、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂であるHP−4032(大日本インキ化学工業(株)製、商品名)、脂環式エポキシ樹脂であるEHPE−3150、CELー3000(共にダイセル化学工業(株)製、商品名)、DME−100(新日本理化(株)製、商品名)、EX−216L(ナガセ化成工業(株)製、商品名)、脂肪族エポキシ樹脂であるW−100(新日本理化(株)、商品名)、アミン型エポキシ樹脂であるELM−100(住友化学工業(株)製、商品名)、YH−434L(東都化成(株)製、商品名)、TETRAD−X、TETRAC−C(共に三菱瓦斯化学(株)、商品名)、レゾルシン型エポキシ樹脂であるデナコールEX−201(ナガセ化成工業(株)製、商品名)、ネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂であるデナコールEX−211(ナガセ化成工業(株)製、商品名)、ヘキサンディネルグリコール型エポキシ樹脂であるデナコールEX−212(ナガセ化成工業(株)製、商品名)、エチレン・プロピレングリコール型エポキシ樹脂であるデナコールEXシリーズ(EX−810、811、850、851、821、830、832、841、861(いずれもナガセ化成工業(株)製、商品名))、下記一般式(I)で表されるエポキシ樹脂E−XL−24、E−XL−3L(共に三井東圧化学(株)製、商品名))
【化1】
等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0019】
また、エポキシ樹脂として、1分子中にエポキシ基を1個だけ有するエポキシ樹脂(反応性希釈剤)を含んでもよい。このようなエポキシ樹脂は、本発明の接着剤組成物の特性を阻害しない範囲で使用されるが、エポキシ樹脂全量に対して0〜30重量%の範囲で使用することが好ましい。このようなエポキシ化合物の市販品としては、PGE(日本化薬(株)製、商品名)、PP−101(東都化成(株)製、商品名)、ED−502、ED−509、ED−509S(旭電化工業(株)製、商品名)、YED−122(油化シェルエポキシ(株)製、商品名)、KBM−403(信越化学工業(株)製、商品名)、TSL−8350、TSL−8355、TSL−9905(東芝シリコーン(株)製、商品名)等が挙げられる。
【0020】
また、上記熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合には、硬化剤や硬化促進剤を使用することが好ましい。
【0021】
上記硬化剤としては、特に制限はないが、例えば、フェノールノボラック樹脂であるH−1(明和化成(株)製、商品名)、VR−9300(三井東圧化学(株)製、商品名)、フェノールアラルキル樹脂であるXL−225(三井東圧化学(株)製、商品名)、下記一般式(II)で表されるp−クレゾールノボラック樹脂MTPC(本州化学工業(株)製、商品名)、又はアリル化フェノールノボラック樹脂であるAL−VR−9300(三井東圧化学(株)製、商品名)、下記一般式(III)で表される特殊フェノール樹脂PP−700−300(日本石油化学(株)製、商品名)等が挙げられる。
【0022】
【化2】
(ただし、式中、Rはメチル基、アリル基などの炭化水素基、mは1〜5の整数を示し、R1はメチル基、エチル基等のアルキル基、R2は水素又は炭化水素基、pは2〜4の整数を示す。)
硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1.0当量に対して、硬化剤中の反応活性基の総量が0.3〜1.2当量であることが好ましく、0.4〜1.0当量であることがより好ましく、0.5〜1.0当量であることが特に好ましい。0.2当量未満であると、耐リフロークラック性が低下する傾向があり、1.2当量を超えると組成物の粘度が上昇し、作業性が低下する傾向がある。上記反応活性基は、エポキシ樹脂と反応活性を有する置換基のことであり、例えば、フェノール性水酸基等が挙げられる。
【0023】
上記硬化促進剤としては、特に制限はないが、例えば、ジシアンジアミド、下記一般式(IV)
【化3】
(式中、R3はm−フェニレン基、p−フェニレン基等の2価の芳香族基、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。)
で表される二塩基酸ジヒドラジドであるADH、PDH、SDH(いずれも日本ヒドラジン工業(株)製、商品名)、エポキシ樹脂とアミン化合物の反応物からなるマイクロカプセル型硬化剤であるノバキュア(旭化成工業(株)製、商品名)、有機ボロン塩化合物であるEMZ・K、TPPK(共に北興化学工業(株)製、商品名)、三級アミン類又はその塩であるDBU、U−CAT102、106、830、840、5002(いずれもサンアプロ社製、商品名)、イミダゾール類であるキュアゾール、2P4MHZ、C17Z、2PZ−OK(いずれも四国化成(株)製、商品名)等が挙げられる。
【0024】
硬化促進剤の使用量は、エポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜90重量部が好ましく、0.1〜50重量部がより好ましく、0.1〜20重量部以下が特に好ましい。硬化促進剤の使用量が0.01重量部未満であると硬化性が低下する傾向があり、90重量部を超えると粘度が増大し、接着剤組成物の作業性が低下する傾向がある。
【0025】
上記のような硬化剤及び必要に応じて添加される硬化促進剤は、それぞれ単独で用いてもよく、また、複数種の硬化剤及び硬化促進剤を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0026】
また、上記熱硬化性樹脂のうち、重合可能なエチレン性炭素―炭素二重結合を有する化合物をラジカル開始剤により重合させた樹脂用いることが好ましい。重合可能なエチレン性炭素―炭素二重結合を有する化合物としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレートトリデシルアクリレート、ヘキサデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレンアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、γ−アクリロキシエチルトリメトキシシラン、グリシジルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、アクリロキシエチルホスフェート、アクリロキシエチルフェニルアシッドホスフェート等のアクリレート化合物、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、ヘプチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ヘキサデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレンメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−シアノエチルメタクリレート、γ−メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、メタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロキシエチルフェニルアシッドホスフェート等のメタクリレート化合物、エチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート等のジアクリレート化合物、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート等のジメタクリレート化合物、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールAD1モルとグリシジルアクリレート2モルの反応物、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールAD1モルとグリシジルメタクリレート2モルの反応物、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールADのポリエチレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールADのポリプロピレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールADのポリエチレンオキサイド付加物のジメタクリレート、ビスフェノールF又はビスフェノールADのポリプロピレンオキサイド付加物のジメタクリレート、ビス(アクリロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、ビス(アクリロキシプロピル)メチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、ビス(メタクリロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、ビス(メタクリロキシプロピル)メチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー等が挙げられ、これらは単独、または2種以上組み合わせて使用することができる。
【0027】
また、上記ラジカル開始剤としては、特に制限はないが、ボイド等の点から過酸化物であることが好ましく、例えば、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)3−ヘキシン、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。また、ラジカル開始剤の分解温度としては、接着剤組成物の硬化性、および粘度安定性の点から70〜170℃の範囲であることが好ましい。また、ラジカル開始剤の配合量は、重合可能なエチレン性炭素―炭素二重結合を有する化合物の総量100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲であることが好ましく、0.5〜5重量部の範囲であることがより好ましい。
【0028】
また、本発明の接着剤組成物に用いるフィラーは、少なくとも(A)0.5μm≦R≦5μmかつK≦15を満たすフィラーをフィラー総量のX%、(B)5μm≦R≦30μmかつK≦15を満たすフィラーをフィラー総量のY%、および(C)1μm≦R≦10μmかつ20≦K≦60を満たすフィラーをフィラー総量のZ%含む。
【0029】
ここで、Rはフィラーの平均粒径を表し、Kはフィラーの比表面積をS、比重をρとすると、S・R・ρ/2−2で算出され、フィラーの扁平率を表す。
【0030】
上記(A)を満たすフィラーにおいて、Rが0.5μm未満の場合、接着剤組成物の粘度が上昇し塗布作業性が低下する傾向がある。また、樹脂成分が被着体に対して十分な濡れが確保できず、接着力が低下する傾向がある。さらに作業性確保のために溶剤を過剰に使用した場合、加熱硬化中にボイドが発生しやすくなり、接着力及び熱放散性が低下する傾向がある。Rが5μmを越えると、フィラー同士の接触確率が低下することにより熱伝導率が低下する傾向がある。Kはフィラーの扁平率に相当し、Kが大きいほど扁平率が高くなる。Kが15を越えると粘度が上昇し塗布作業性が低下する傾向がある。また樹脂成分が被着体に対して十分な濡れが確保できず、接着力が低下する傾向がある。
【0031】
上記(B)を満たすフィラーにおいて、Rが5μm未満の場合、接着剤組成物の粘度が上昇し塗布作業性が低下する傾向がある。また樹脂成分が被着体に対して十分な濡れが確保できず、接着力が低下する傾向がある。さらに作業性確保のために溶剤を過剰に使用した場合、加熱硬化中にボイドが発生しやすくなり、接着力及び熱放散性が低下する傾向がある。Rが30μmを越えると、フィラー同士の接触確率が低下することにより熱伝導率が低下するあるいは塗布作業性が低下する傾向がある。Kが15を越えると粘度が上昇し塗布作業性が低下する傾向がある。また樹脂成分が被着体に対して十分な濡れが確保できず、接着力が低下する傾向がある。
【0032】
上記(C)を満たすフィラーにおいて、Rが1μm未満の場合、接着剤組成物の粘度が上昇し作業性の確保が困難になる。また樹脂成分が被着体に対して十分な濡れが確保できず、接着力が低下する傾向がある。さらに作業性確保のために溶剤を過剰に使用した場合、加熱硬化中にボイドが発生しやすくなり、接着力及び熱放散性が低下する傾向がある。Rが10μmを越えると、塗布作業性が低下する傾向がある。Kが20未満の場合、フィラー同士の接触確率が低下することにより熱伝導率が低下するあるいは、チキソ性が低下することにより塗布作業性が低下する傾向がある。Kが60を越えると粘度が上昇し塗布作業性が低下する傾向がある。また樹脂成分が被着体に対して十分な濡れが確保できず、接着力が低下する傾向がある。
【0033】
また、上記(A)、(B)および(C)の各フィラーの含有比X、Y、およびZは、0.25≦X/Z≦3.5かつ0.6≦(X+Z)/Y≦5.0を満たす必要がある。
【0034】
さらに、X/Zについては、0.3≦X/Z≦3.0であることが好ましく、(X+Z)/Yについては、0.65≦(X+Z)/Y≦4.5であることが好ましい。X/Zが0.25未満の場合、フィラー同士の接触確率が低下することにより熱伝導率が低下する傾向があり、X/Zが3.5を越えた場合、粘度が上昇し作業性の確保が困難となり、さらには、樹脂成分が被着体に対して十分な濡れが確保できず、接着力が低下する傾向がある。また、(X+Z)/Yが0.6未満の場合、フィラー同士の接触確率が低下することにより熱伝導率が低下するあるいは塗布作業性が低下する傾向があり、(X+Z)/Yが5.0を越えた場合、粘度が上昇し塗布作業性が低下する傾向があり、さらには、樹脂成分が被着体に対して十分な濡れが確保できず、接着力が低下する傾向がある。
【0035】
また、上記(A)、(B)および(C)を満たす各フィラーの総量は、接着剤組成物の総体積に対して30vol%以上60vol%以下とする。
【0036】
上記各フィラーの総量が30vol%未満の場合、充分な熱伝導率が得られないため半導体素子の高い熱放散性が期待できない傾向があり、60vol%を超えるとペーストの粘度が高くなるため溶剤が過剰に必要となり、そのため加熱硬化中にボイドが発生しやすくなり、接着力及び熱放散性が低下する傾向がある。さらに、作業性確保のために溶剤を過剰に使用した場合、加熱硬化中にボイドが発生しやすくなり、接着力及び熱放散性が低下する傾向がある。
【0037】
また、上記(A)、(B)および(C)を満たす各フィラー単体の熱伝導率は、50〜2500W/mKであることが好ましい。50W/mK未満であると硬化物において十分な熱伝導率が得られない傾向があり、2500W/mKを超えるものは入手が困難で、生産性に劣る傾向がある。
【0038】
また、本発明の接着剤組成物に使用するフィラーとしては、特に制限はなく、各種公知のものを使用することができ、例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、鉄、アルミニウム、ステンレス、グラファイト(黒鉛)等の導電性の粉体、酸化珪素、窒化アルミニウム、窒化硼素、硼酸アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ダイヤモンド等の非導電性の粉体などが挙げられる。中でも、ダイヤモンド、グラファイト、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミナ、金、白金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、パラジウムが高熱伝導性の確保の点で好ましく、さらに、銀が耐酸化性、及び入手が容易である点でより好ましい。これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0039】
本発明の接着剤組成物には、半導体素子とリードフレームとを接着したことによって発生する応力を緩和する目的で、可撓剤を添加しても良く、例えば、液状ポリブタジエン(宇部興産社製「CTBN−1300×31」、「CTBN−1300×9」、日本曹達社製「NISSO−PB−C−2000」)、エポキシ化ポリブタジエン(ダイセル化学工業社製「PB−4700」)などを用いることができるが、とくに制限はない。また、可撓剤は、有機高分子化合物、およびその前駆体の総量を100重量部とするとき、0〜500重量部添加することが好ましい。
【0040】
本発明の接着剤組成物には、接着力向上の目的で、シランカップリング剤(信越化学(株)製「KBM−573」等)や、チタンカップリング剤等を使用することができる。また、濡れ性を向上する目的で、アニオン系界面活性剤やフッ素系界面活性剤等を使用することができる。さらに、消泡剤としてシリコーン油等を使用することができる。上記接着力向上剤、濡れ性向上剤、消泡剤は、それぞれ単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができ、その使用量としては、フィラー総量100重量部に対して0〜10重量部が好ましい。
【0041】
本発明の接着剤組成物には、ペースト組成物作成時の作業性及び使用時の塗布作業性をより良好ならしめるため、必要に応じて希釈剤を添加することができる。これらの希釈剤としては、ブチルセロソルブ、カルビトール、酢酸ブチルセロソルブ、酢酸カルビトール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、αーテルピネオール等の比較的沸点の高い有機溶剤が好ましい。また、その使用量は、接着剤組成物全体に対して0〜30重量部の範囲で使用することが好ましい。
【0042】
本発明の接着剤組成物には、さらに必要に応じてウレタンアクリレート等の靭性改良剤、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の吸湿剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、酸無水物等の接着力向上剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の濡れ向上剤、シリコーン油等の消泡剤、無機イオン交換体等のイオントラップ剤等を適宜添加することができる。
【0043】
本発明の接着剤組成物は、樹脂、フィラー及び必要に応じて添加される上記各種添加剤とともに、一括又は分割して混合、溶解、解粒混練、又は分散する等して、均一なペースト状として得ることができる。このような操作は、撹拌器、らいかい器、3本ロール、プラネタリーミキサー等の分散・溶解装置を適宜組み合わせた装置により、必要に応じて加熱して行われる。
【0044】
なお、本発明の接着剤組成物の形態は、ペースト状に限られず、液状、フィルム状等、必要に応じて適宜形態を選択することができる。液状であれば少量の塗布がしやすい等の効果があり、フィルム状であれば、あらかじめ接着したい部分の大きさに打ち抜く等して、接着剤組成物をはみ出しなく接着することができる。また、半導体ウェハ裏面に貼り付けてからダイシングする等の方法により、生産性良く接着剤付き半導体素子を得ることができる等の利点がある。
【0045】
本発明の接着剤組成物を液状として得る場合には、例えば、溶媒や反応性希釈剤の量を増やす等して粘度を調整することによって得ることができる。
【0046】
また、フィルム状として得る場合には、例えば、樹脂、フィラー及び必要に応じて添加される成分を有機溶媒に溶解し、混練または分散して得られたワニスを、基材フィルム上に塗布、乾燥する等して基材付き接着フィルムを得ることができる。この際、接着剤組成物をBステージ状態とし、自己支持性をもたせること等によって、基材フィルムを剥離し、接着フィルム単体として得ることもできる。
【0047】
上記接着フィルムの製造の際に用いる基材フィルムとしては、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルムなどの従来公知のプラスチックフィルムを使用することができ、これらプラスチックフィルムは表面を離型処理して使用することもできる。基材フィルムは、使用時に剥離して接着剤層のみを使用することもできるし、基材フィルムと共に使用し、使用時に除去することもできる。基材フィルムへのワニスの塗布方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等が挙げられる。
【0048】
上記接着フィルムの製造の際に用いる有機溶媒としては、材料を均一に溶解、混練又は分散できるものであれば特に制限はなく、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ジオキサン等が挙げられる。
【0049】
上記接着フィルムの製造の際における加熱、乾燥条件は、使用した溶媒が充分に揮散する条件であればよく、特に制限はないが、乾燥温度は60℃〜200℃の範囲であることが好ましく、乾燥時間は0.1〜90分間の範囲であることが好ましい。
【0050】
得られた接着剤組成物又は接着フィルムは、IC、LSI等の半導体素子と、42アロイリードフレーム、銅リードフレーム等のリードフレーム、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等のプラスチックフィルム、ガラス不織布等基材にポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等のプラスチックを含浸・硬化させたもの、アルミナ等のセラミックス等の支持部材との接合に用いることができる。
【0051】
本発明の接着剤組成物を用いて半導体素子をリードフレーム等の支持部材に接着させるには、まず支持部材上に接着剤組成物をディスペンス法、スクリーン印刷法、スタンピング法等により塗布した後、半導体素子を圧着し、その後オーブン又はヒートブロック等の加熱装置を用いて加熱硬化することにより行うことができる。加熱温度は100〜300℃が好ましく、加熱時間は0.1〜300秒間が好ましい。さらに、所望する半導体装置の構造に応じて、ワイヤボンド工程、封止行程等を経た後、完成された半導体装置とすることができる。
【0052】
また、本発明の接着フィルムを用いて半導体素子をリードフレーム等の支持部材に接着させる他の方法としては、半導体素子と支持部材との間に本発明の接着フィルムを挾み、加熱圧着して、両者を接着させる。加熱温度は100〜300℃が好ましく、加熱時間は0.1〜300秒間が好ましい。その後、所望する半導体装置の構造に応じて、ワイヤボンド工程、封止行程等を経た後、完成された半導体装置とすることができる。
【0053】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれによって制限されるものではない。
【0054】
【実施例】
(1)重合可能なエチレン性炭素−炭素二重結合を有する化合物としてジアクリレートであるR−551(日本化薬社製、商品名、ビスフェノールAポリエチレングリコールジアクリレート)20重量部、可撓剤としてCTBN−1300×9(宇部興産(株)社製、商品名、カルボキシル基末端アクリロニトリルブタジエン共重合体、数平均分子量:3,600)10重量部、PB−4700(ダイセル化学工業(株)社製、商品名、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ当量=152.4〜177.8、数平均分子量=3,500、GPC法)20重量部、ラジカル開始剤としてジクミルパーオキサイド1重量部を混合し樹脂組成物Aを得た。
【0055】
(2)前記(1)で得た樹脂組成物Aに銀フィラーA、銀フィラーB、および銀フィラーCを表1に示す割合で混合し、実施例1〜5および比較例1〜18の各接着剤組成物を得た。さらに希釈剤として酢酸ブチルセロソルブを接着剤組成物100重量に対し5重量部添加し、3本ロールを用いて混連した後、6.2×102Pa以下で10分間脱泡処理を行ない、ペースト状の接着剤組成物を得た。
【0056】
実施例1〜5および比較例1〜18の各銀フィラーの特性および接着剤組成物の特性を下記の方法で測定した。その結果を表1に示す。
【0057】
(1)平均粒子径R(μm):(A)、(B)、および(C)を満たす各フィラーをそれぞれ少量試験管に取り、水又はイソプロピルアルコールで分散させた後、レーザー回折・散乱法(マスターサイザー2000、マルバーン社製)で粒径を測定し、50vol%時の粒径を平均粒径とした。
【0058】
(2)比表面積S(m2/g):BET法により(A)、(B)、および(C)を満たす各フィラーの比表面積を算出した。
【0059】
(3)熱伝導率(W/mK):上記接着剤組成物を180℃、5時間加熱処理し10×10×0.5mmの試験片を得た。この試験片の熱拡散率をレーザーフラッシュ法(真空理工製TC−7000)で測定し、さらに、この熱拡散率と、示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー製 Pyris1)で得られた比熱容量とアルキメデス法で得られた比重の積より熱伝導率を算出した。
【0060】
(4)接着力(N/chip):上記接着剤組成物をAgめっき付き銅リードフレーム上に約3.2mg塗布し、この上に8×8mmのSiチップ(厚さ約0.4mm)を圧着し、さらに180℃まで30分で昇温し、180℃で2時間加熱して硬化し、接着した。これを図1に示すような自動接着力試験装置(日立化成工業(株)製)を用い、250℃における引き剥がし強さ(Pa)を測定した。
【0061】
(5)粘度(Pa・s):EHD型回転粘度計(東京計器社製)を用いて25℃、0.5rpmにおける粘度を測定した。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】
以上、本発明について説明してきたが、本発明に係る接着剤組成物によれば、従来品より少ないフィラー含有量で、所定の接着強度を維持しつつ、熱伝導率の向上を図ることが可能となる。そのため、接着強度および熱放散性が同時に要求されるような用途、例えば、半導体装置のダイボンディング材として本発明に係る接着剤組成物を使用した場合、良好な接着強度および熱放散性が得られ、製品の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動接着力試験装置とこれを用いた引き剥がし強さ測定方法を示す模式図である。
【符号の説明】
31 自動接着力試験装置
32 接着剤組成物
33 半導体素子
34 半導体支持部材
35 支え
36 熱板
37 支え
Claims (10)
- 樹脂およびフィラーを含有してなる接着剤組成物であって、前記フィラーが、平均粒径をR、扁平率をKとして、少なくとも(A)0.5μm≦R≦5μmかつK≦15を満たすフィラーをフィラー総量のX%、(B)5μm≦R≦30μmかつK≦15を満たすフィラーをフィラー総量のY%、および(C)1μm≦R≦10μmかつ20≦K≦60を満たすフィラーをフィラー総量のZ%含み、
前記X、Y、およびZが、0.25≦X/Z≦3.5かつ0.6≦(X+Z)/Y≦5を満たし、
前記(A)、(B)および(C)を満たす各フィラーの総量が、接着剤組成物の総体積に対して30vol%以上60vol%以下である接着剤組成物。 - 前記フィラーの熱伝導率が、50〜2500W/mK以下である請求項1に記載の接着剤組成物。
- 前記フィラーが、ダイヤモンド、グラファイト、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミナ、金、白金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、パラジウムからなる群より選ばれる一種又は二種類以上の混合物である請求項1または2に記載の接着剤組成物。
- 前記フィラーが、少なくとも銀を含む請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤組成物。
- 前記樹脂が、熱硬化性樹脂を含有してなる請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤組成物。
- 前記熱硬化性樹脂が、重合可能なエチレン性炭素―炭素二重結合を有する化合物をラジカル開始剤により重合させた樹脂を含有してなるである請求項5記載の接着剤組成物。
- 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂を含有してなる請求項5記載の接着剤組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の接着剤組成物をフィルム状に形成してなる接着フィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の接着剤組成物を用いて半導体素子と半導体支持部材とを接着してなる半導体装置。
- 請求項8記載の接着フィルムの接着剤層を介して半導体素子と半導体支持部材とを接着してなる半導体装置。
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