JP2017227508A - 光ファイバセンサヘッド、光ファイバセンサヘッドの製造方法、及び光ファイバセンサ - Google Patents
光ファイバセンサヘッド、光ファイバセンサヘッドの製造方法、及び光ファイバセンサ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】機械的な耐性及び化学的な耐性を高めることのできる光ファイバセンサヘッド、光ファイバセンサヘッドの製造方法、及び光ファイバセンサを提供する。【解決手段】光ファイバセンサヘッド10は、光ファイバ11が巻かれて形成されたファイバコイル12を含むモジュール20と、光ファイバ11のモジュール20から延びる部分P1を覆う樹脂製のチューブ30と、を備える。チューブ30は、不可逆的な収縮性を有する。光ファイバセンサヘッド10では、光ファイバ11がモジュール20から引き出されており、光ファイバ11のモジュール20から延びる部分P1が樹脂製のチューブ30に被覆されている。【選択図】図2
Description
本発明は、光ファイバセンサヘッド、光ファイバセンサヘッドの製造方法、及び光ファイバセンサに関するものである。
特許文献1には、光ファイバ素線が渦巻き状に巻かれると共に光ファイバ素線の両端が引き出され、光ファイバ素線の両端にフェルールが取り付けられた光ファイバコイルが記載されている。この光ファイバ素線は、光ファイバにポリイミド被覆が施されたものである。光ファイバコイルは光ファイバセンサに搭載されている。光ファイバセンサは、光ファイバコイルが載せられるコイル固定板と、コイル固定板の上に配置されるスペーサと、ケース下蓋及びケース上蓋と、を備える。この光ファイバセンサは、スペーサ及びコイル固定板が、ケース下蓋とケース上蓋との間に挟まれることにより、一体化されている。
特許文献1に記載された光ファイバセンサでは、ケース下蓋及びケース上蓋の間に開口が設けられており、この開口から2本の光ファイバが引き出されている。2本の光ファイバは、ケース下蓋及びケース上蓋から露出している。従って、ケース下蓋及びケース上蓋と光ファイバとの境界部分において、光ファイバに応力が集中する懸念がある。このように応力が集中することにより、光ファイバセンサの設置時等に光ファイバが破断する可能性がある。よって、光ファイバの機械的な耐性について改善の余地がある。
また、前述の光ファイバセンサでは、光ファイバにポリイミド被覆が施されている。ポリイミドは加水分解しやすいという特性を有する。このため、前述の光ファイバセンサは、水蒸気中、亜臨界水又は超臨界水中において、使用が困難となる懸念がある。このように、前述の光ファイバセンサでは、化学的な耐性について改善の余地がある。
本発明は、機械的な耐性及び化学的な耐性を高めることができる光ファイバセンサヘッド、光ファイバセンサヘッドの製造方法、及び光ファイバセンサを提供することを目的とする。
前述した課題を解決するために、本発明の一側面に係る光ファイバセンサヘッドは、光ファイバが巻かれて形成されたファイバコイルを含むモジュールと、光ファイバのモジュールから延びる部分を被覆する樹脂製のチューブと、を備え、チューブは、不可逆的な収縮性を有する。
本発明の一側面に係る光ファイバセンサヘッドの製造方法は、光ファイバが巻かれて形成されたファイバコイルを含むモジュールを備えた光ファイバセンサヘッドの製造方法であって、光ファイバのモジュールから延びる部分を樹脂製のチューブで被覆する工程と、チューブに対して加熱、電子線照射、及び化学反応の少なくともいずれかを行うことにより、チューブを不可逆的に収縮させる工程と、を備える。
本発明の一側面に係る光ファイバセンサは、前述の光ファイバセンサヘッドが設けられた光干渉計を備える。
本発明によれば、機械的な耐性及び化学的な耐性を高めることができる。
[本発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。(1)本発明の一側面に係る光ファイバセンサヘッドは、光ファイバが巻かれて形成されたファイバコイルを含むモジュールと、光ファイバのモジュールから延びる部分を被覆する樹脂製のチューブと、を備え、チューブは、不可逆的な収縮性を有する。
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。(1)本発明の一側面に係る光ファイバセンサヘッドは、光ファイバが巻かれて形成されたファイバコイルを含むモジュールと、光ファイバのモジュールから延びる部分を被覆する樹脂製のチューブと、を備え、チューブは、不可逆的な収縮性を有する。
この光ファイバセンサヘッドでは、光ファイバがモジュールから引き出されており、光ファイバのモジュールから延びる部分が樹脂製のチューブに被覆されている。従って、モジュールと光ファイバとの境目部分がチューブに被覆されているので、当該境目部分に応力を集中させにくくすることができる。よって、この光ファイバセンサヘッドでは、機械的な耐性を高めることができる。また、モジュールから延びる光ファイバは、不可逆的な収縮性を有するチューブに被覆されている。よって、このチューブにより光ファイバを化学的に保護することができる。従って、この光ファイバセンサヘッドでは、化学的な耐性を高めることができる。
(2)前述の光ファイバセンサヘッドでは、チューブは、加熱、電子線照射、及び化学反応の少なくともいずれかによって収縮してもよい。この場合、加熱、電子線照射、及び化学反応の少なくともいずれかによってチューブを不可逆的に収縮させることができる。従って、光ファイバを保護する構造を簡便に形成することができる。
(3)前述の光ファイバセンサヘッドでは、チューブは、更にモジュールを被覆していてもよい。この場合、モジュールそのものの機械的耐性及び化学的耐性を高めることができる。
(4)前述の光ファイバセンサヘッドでは、モジュールを被覆する被覆部材を更に備えてもよい。この場合、モジュールが被覆部材に被覆されるので、モジュールの機械的耐性及び化学的耐性を高めることができる。
(5)前述の光ファイバセンサヘッドでは、チューブは、四フッ化エチレン、又は四フッ化エチレンの重合体を含む材料によって構成されていてもよい。四フッ化エチレンは、酸及びアルカリに対して高い耐性を有すると共に、亜臨界水又は超臨界水にも耐えうる性質を有しており、高い化学的安定性を備える。よって、四フッ化エチレンで構成されたチューブで光ファイバを被覆することにより、光ファイバの化学的耐性を一層高めることができる。
(6)本発明の一側面に係る光ファイバセンサヘッドの製造方法は、光ファイバが巻かれて形成されたファイバコイルを含むモジュールを備えた光ファイバセンサヘッドの製造方法であって、光ファイバのモジュールから延びる部分を樹脂製のチューブで被覆する工程と、チューブに対して加熱、電子線照射、及び化学反応の少なくともいずれかを行うことにより、チューブを不可逆的に収縮させる工程と、を備える。
この光ファイバセンサヘッドの製造方法では、光ファイバのモジュールから延びる部分が樹脂製のチューブによって被覆される。従って、モジュールと光ファイバとの境目部分がチューブに被覆されるので、当該境目部分に応力を集中させにくくすることができる。よって、機械的な耐性を高めた光ファイバセンサヘッドを製造することができる。また、光ファイバは不可逆的な収縮性を有するチューブに被覆されるので、このチューブにより光ファイバを化学的に保護することができる。従って、化学的な耐性を高めた光ファイバセンサヘッドを製造することができる。
(7)本発明の一側面に係る光ファイバセンサは、前述の光ファイバセンサヘッドが設けられた光干渉計を備える。この光ファイバセンサは、前述の光ファイバセンサヘッドを備えているので、機械的耐性及び化学的耐性を高めることができる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る光ファイバセンサヘッド、光ファイバセンサヘッドの製造方法、及び光ファイバセンサの具体例を図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、以下の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本発明の実施形態に係る光ファイバセンサヘッド、光ファイバセンサヘッドの製造方法、及び光ファイバセンサの具体例を図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、以下の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る光ファイバセンサヘッド10を有する光干渉計1を備えた光ファイバセンサSの一例を示す図である。光干渉計1及び光ファイバセンサSの構成は、図1に示される例に限られず適宜変更可能である。光干渉計1は、光源2と、第1カプラ3と、第1光経路4と、第2光経路5と、第2カプラ6と、光検出器7と、光ファイバセンサヘッド10とを備えている。
図1は、第1実施形態に係る光ファイバセンサヘッド10を有する光干渉計1を備えた光ファイバセンサSの一例を示す図である。光干渉計1及び光ファイバセンサSの構成は、図1に示される例に限られず適宜変更可能である。光干渉計1は、光源2と、第1カプラ3と、第1光経路4と、第2光経路5と、第2カプラ6と、光検出器7と、光ファイバセンサヘッド10とを備えている。
光源2は、第1カプラ3と光学的に接続されている。光源2はパルス光である測定光L1を出力し、測定光L1は第1カプラ3に入力される。第1カプラ3は、測定光L1を、パルス光である測定光L2とパルス光である参照光L3とに分岐して出力する。第1カプラ3には、第1光経路4の一端が接続されており、第1光経路4の他端には第2カプラ6が接続されている。また、第1カプラ3には、第2光経路5の一端が接続されており、第2光経路5の他端には第2カプラ6が接続されている。
第1光経路4は測定光L2を導波させる。第1光経路4の途中には第1遅延線8及び光ファイバセンサヘッド10が設けられている。第2光経路5は参照光L3を導波させる。第2光経路5の途中には、光ファイバセンサヘッド10及び第2遅延線9が設けられている。例えば、第1光経路4及び第2光経路5は、共に、光ファイバであり、第1光経路4における光学長は第2光経路5における光学長と等しい。また、第1光経路4の材料と第2光経路5の材料とは互いに同一である。
第1遅延線8は、光ファイバセンサヘッド10の入力端側に配置されている。第1遅延線8は、第1光経路4に入力された測定光L2に遅延を付与する。遅延が付与された測定光L2は、光ファイバセンサヘッド10を通って第2カプラ6に出力される。第2遅延線9は、光ファイバセンサヘッド10の出力端側に配置されている。第2遅延線9は、第2光経路5に入力されて光ファイバセンサヘッド10を通った参照光L3に遅延を付与する。遅延が付与された参照光L3は第2カプラ6に出力される。第1遅延線8によって付与される遅延時間と、第2遅延線9によって付与される遅延時間とは互いに等しい。
光ファイバセンサヘッド10において、第1光経路4及び第2光経路5は螺旋状に巻き付けられている。光ファイバセンサヘッド10には、外部から振動等を受けることによって応力が加えられる。この応力は音響波として光ファイバセンサヘッド10上を伝搬する。光ファイバセンサヘッド10の構成は後に詳述する。
第2カプラ6は第1光経路4及び第2光経路5を結合する。第2カプラ6は、第1光経路4を通った測定光L2と第2光経路5を通った参照光L3とを結合させる。第2カプラ6は光検出器7と光学的に接続されており、第2カプラ6によって結合された光は光検出器7に出力される。
光検出器7は、第2カプラ6によって結合された光に基づいて測定光L2及び参照光L3の変調を検出する。光検出器7には測定光L2と参照光L3との干渉光が入力される。光検出器7は、例えば上記の干渉光を検出してホモダイン検波を行う。光ファイバセンサヘッド10に応力が生じていない状態では、第1遅延線8によって遅延が付与された測定光L2と、第2遅延線9によって遅延が付与された参照光L3とが同時に第2カプラ6に入力される。
一方、光ファイバセンサヘッド10に応力が生じると、この応力によって光ファイバセンサヘッド10における測定光L2及び参照光L3に位相変調が生じる。そして、測定光L2及び参照光L3のうち、参照光L3のみが第2遅延線9を通る。従って、第2カプラ6に入力される測定光L2と参照光L3とでは位相差が生じる。この位相差を光検出器7が検出することによって、光ファイバセンサSは、光ファイバセンサヘッド10に応力が加えられたことを検出する。
次に、光ファイバセンサヘッド10の構成について図2及び図3を参照しながら具体的に説明する。図2は後述する第2チューブ32のみを切断した部分断面図であり、図3は光ファイバセンサヘッド10の縦断面図である。光ファイバセンサヘッド10は、前述した第1光経路4又は第2光経路5を構成する光ファイバ11が巻かれて形成されたファイバコイル12を含むモジュール20と、樹脂製のチューブ30とを備えている。ファイバコイル12は、光ファイバ11のうち、螺旋状に巻かれた部分を示している。光ファイバ11は、例えば、ポリイミド被覆ファイバであり、これにより耐熱性を有する光ファイバセンサヘッド10とされている。
モジュール20は、ファイバコイル12と、ファイバコイル12が巻き付けられたコイル芯21とを含んでいる。コイル芯21は、例えば円柱状とされている。コイル芯21は、その軸線方向(図2及び図3の上下方向)の一方側に位置する第1拡径部21aと、当該軸線方向の他方側に位置する第2拡径部21bとを有する。第1拡径部21aと第2拡径部21bの間の部分にファイバコイル12が巻き付けられている。なお、コイル芯21は、その形状及び大きさを適宜変更可能である。また、別の手段でファイバコイル12を保持することができる場合には、コイル芯21を省略することも可能である。
チューブ30は、不可逆的な収縮性を有する樹脂チューブである。チューブ30は、加熱、電子線照射、及び化学反応のいずれかによって不可逆的に収縮する。本実施形態において、チューブ30は、例えば熱収縮チューブである。チューブ30は、四フッ化エチレン樹脂(PTFE:Poly Tetra Fluoro Ethylene)、又は四フッ化エチレン樹脂の重合体、を含む材料によって構成されている。
チューブ30は、少なくとも光ファイバ11のモジュール20から延びる部分P1を被覆する第1チューブ31と、モジュール20を被覆する第2チューブ32とを含んでいる。本実施形態において、光ファイバ11のモジュール20から延びる部分P1とは、ファイバコイル12の軸線方向の端部に位置する光ファイバ11、すなわち、コイル芯21の第1拡径部21aに位置する光ファイバ11、を含んでいる。
本実施形態において、第1チューブ31は、モジュール20の内外に位置する光ファイバ11を被覆している。具体的には、第1チューブ31は、前述した部分P1に位置する光ファイバ11と、ファイバコイル12から延び出すと共にモジュール20の内部に位置する部分P2に位置する光ファイバ11とを被覆している。
第2チューブ32は、第1チューブ31を外側から覆うと共に、モジュール20を被覆する。また、第2チューブ32は、例えば、モジュール20の側面(軸線方向に延在する面)を覆っている。具体的には、第2チューブ32は、コイル芯21に巻き付けられたファイバコイル12と、第1拡径部21aの側面と、第2拡径部21bの側面とを覆っている。
次に、光ファイバセンサヘッド10の製造方法について説明する。まず、光ファイバ11をコイル芯21に巻き付けてファイバコイル12を形成する(ファイバコイルを形成する工程)。このとき、光ファイバ11の一端及び他端をファイバコイル12から引き出しておく。
続いて、ファイバコイル12から引き出された光ファイバ11のうち、モジュール20から延びる部分P1及びモジュール20の内側の部分P2に位置する光ファイバ11を第1チューブ31によって被覆する(光ファイバをチューブによって被覆する工程)。そして、第1チューブ31に熱処理を施して第1チューブ31を不可逆的に収縮させる(チューブを不可逆的に収縮させる工程)。その後、モジュール20の側面を第2チューブ32によって被覆し、第2チューブ32に熱処理を施して第2チューブ32を収縮させることにより光ファイバセンサヘッド10が完成する。
次に、光ファイバセンサヘッド10、光ファイバセンサヘッド10の製造方法、及び光ファイバセンサSから得られる効果について説明する。
光ファイバセンサヘッド10、光ファイバセンサヘッド10の製造方法、及び光ファイバセンサSでは、光ファイバ11がモジュール20から引き出されており、光ファイバ11のモジュール20から延びる部分P1がチューブ30に被覆されている。従って、モジュール20と光ファイバ11との境目部分がチューブ30に被覆されているので、当該境目部分に応力を集中させにくくすることができる。
具体的には、光ファイバ11とチューブ30とが密着する場合であって光ファイバ11の外径が0.16mm、チューブ30の外径が2.00mmであるときには、チューブ30で被覆された光ファイバ11に加わる応力は、被覆されていない光ファイバ11に加わる応力の1/80となる。なお、光ファイバ11とチューブ30とが密着しない場合、光ファイバ11には実質的に応力は加わらない。
よって、光ファイバセンサヘッド10では、機械的な耐性を高めることができる。また、モジュール20から延びる光ファイバ11は不可逆的な収縮性を有するチューブ30に被覆されている。従って、チューブ30により光ファイバ11を化学的に保護することができるので、光ファイバセンサヘッド10では化学的な耐性を高めることができる。
光ファイバセンサヘッド10では、チューブ30は、加熱、電子線照射、及び化学反応の少なくともいずれかによって収縮する。よって、加熱、電子線照射、及び化学反応の少なくともいずれかによってチューブ30を不可逆的に収縮させることができる。従って、光ファイバ11を保護する構造を簡便に形成することができる。
光ファイバセンサヘッド10では、チューブ30(第2チューブ32)は、モジュール20を被覆している。従って、モジュール20そのものの機械的耐性及び化学的耐性を高めることができる。
光ファイバセンサヘッド10では、チューブ30は、四フッ化エチレン、又は四フッ化エチレンの重合体を含む材料によって構成されている。四フッ化エチレンは、酸及びアルカリに対して高い耐性を有すると共に、亜臨界水又は超臨界水にも耐えうる性質を有しており、高い化学的安定性を備える。よって、四フッ化エチレンで構成されたチューブ30で光ファイバ11及びモジュール20を被覆することにより、光ファイバ11及びモジュール20の化学的耐性を一層高めることができる。
また、前述したように、チューブ30がPTFEで構成されている場合、PTFEは260℃以下で高い化学的耐性を有するので、実使用時の高温状態に耐えうる光ファイバセンサヘッド10とすることができる。更に、チューブ30がPTFEで構成されている場合、PTFEは、400℃であって20MPaとされた超臨界水に対しても耐性を発揮するため、光ファイバセンサヘッド10は、発電機及び化学プラントにおいて高圧水蒸気、亜臨界水又は超臨界水が通る配管のモニタリングにも適用することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る光ファイバセンサヘッド40について、図4及び図5を参照しながら説明する。光ファイバセンサヘッド40は、第1実施形態のモジュール20及びチューブ30とは異なる構成のモジュール50及びチューブ60を備えている。更に、光ファイバセンサヘッド40は、モジュール50を被覆する被覆部材70を備えている。以下では、第1実施形態と重複する説明を省略する。
次に、第2実施形態に係る光ファイバセンサヘッド40について、図4及び図5を参照しながら説明する。光ファイバセンサヘッド40は、第1実施形態のモジュール20及びチューブ30とは異なる構成のモジュール50及びチューブ60を備えている。更に、光ファイバセンサヘッド40は、モジュール50を被覆する被覆部材70を備えている。以下では、第1実施形態と重複する説明を省略する。
モジュール50は、ファイバコイル12と、ファイバコイル12が巻き付けられるコイル芯51とを備える。コイル芯51は第1拡径部21a及び第2拡径部21bを有しており、第1拡径部21aには、第1拡径部21aからコイル芯51の軸線方向外側に突出する突出部52が設けられている。突出部52には、当該軸線方向に貫通する貫通孔52aが形成されており、この貫通孔52aには光ファイバ11を被覆した第1チューブ31が挿通されている。
チューブ60は、前述した第1チューブ31と、第1チューブ31及び突出部52を被覆する第3チューブ61とを含んでいる。すなわち、第2実施形態では、光ファイバ11のモジュール50から延びる部分P1を二重のチューブ31,61によって被覆している。第3チューブ61は、第1チューブ31及び第2チューブ32と同様、不可逆的な収縮性を有する樹脂チューブであり、加熱、電子線照射、及び化学反応のいずれかによって収縮する。第3チューブ61は例えば熱収縮チューブである。第3チューブ61は、モジュール50の一部を被覆する。具体的には、第3チューブ61は、第1拡径部21aから突出部52よりも離れた位置にまで延びており、突出部52と、突出部52から更に突出する第1チューブ31と、を被覆している。
被覆部材70は、第1実施形態の第2チューブ32に代えて設けられている。被覆部材70は、例えば、モジュール50を収容するケースである。被覆部材70の材料は、例えば金属又はガラスとすることができる。被覆部材70は、少なくとも、ファイバコイル12と、第1拡径部21aの側面と、第2拡径部21bの側面とを覆っている。被覆部材70は、例えば箱状であるが、被覆部材70の形状、大きさ及び材料は適宜変更可能である。
次に、光ファイバセンサヘッド40の製造方法について説明する。ファイバコイル12を形成する工程、モジュール50から延びる部分P1及びモジュール20の内側の部分P2に位置する光ファイバ11を第1チューブ31によって被覆する工程、及び、第1チューブ31を収縮させる工程は、第1実施形態と同様である。
第1チューブ31を収縮させた後には、被覆部材70にモジュール50を収容してモジュール50の側面を被覆部材70で被覆する(被覆部材で被覆する工程)。また、突出部52、及び突出部52の上方に位置する第1チューブ31を第3チューブ61で被覆し、第3チューブ61に熱処理を施して第3チューブ61を収縮させる。そして、光ファイバセンサヘッド40が完成する。
以上、第2実施形態に係る光ファイバセンサヘッド40、及び光ファイバセンサヘッド40の製造方法では、光ファイバ11がモジュール50から引き出されており、光ファイバ11のモジュール50から延びる部分P1がチューブ60に被覆されている。従って、第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、光ファイバセンサヘッド40では、モジュール50を被覆する被覆部材70を備えている。従って、モジュール50が被覆部材70に被覆されるので、モジュール50の機械的耐性及び化学的耐性を高めることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。例えば、前述の第2実施形態では、第1実施形態の第2チューブ32に代えて被覆部材70が設けられる例について説明した。しかしながら、第2チューブ32と共に被覆部材70が設けられていてもよい。また、第1実施形態の第1拡径部21aに、突出部52及び第3チューブ61が設けられていてもよい。
1…光干渉計、2…光源、3…第1カプラ、4…第1光経路、5…第2光経路、6…第2カプラ、7…光検出器、8…第1遅延線、9…第2遅延線、10,40…光ファイバセンサヘッド、11…光ファイバ、12…ファイバコイル、20,50…モジュール、21,51…コイル芯、21a…第1拡径部、21b…第2拡径部、30,60…チューブ、31…第1チューブ、32…第2チューブ、52…突出部、52a…貫通孔、61…第3チューブ、70…被覆部材、L1…測定光、L2…測定光、L3…参照光、P1,P2…部分、S…光ファイバセンサ。
Claims (7)
- 光ファイバが巻かれて形成されたファイバコイルを含むモジュールと、
前記光ファイバの前記モジュールから延びる部分を被覆する樹脂製のチューブと、
を備え、
前記チューブは、不可逆的な収縮性を有する、
光ファイバセンサヘッド。 - 前記チューブは、加熱、電子線照射、及び化学反応の少なくともいずれかによって収縮する、
請求項1に記載の光ファイバセンサヘッド。 - 前記チューブは、更に前記モジュールを被覆している、
請求項1又は2に記載の光ファイバセンサヘッド。 - 前記モジュールを被覆する被覆部材を更に備える、
請求項1又は2に記載の光ファイバセンサヘッド。 - 前記チューブは、四フッ化エチレン、又は四フッ化エチレンの重合体を含む材料によって構成されている、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の光ファイバセンサヘッド。 - 光ファイバが巻かれて形成されたファイバコイルを含むモジュールを備えた光ファイバセンサヘッドの製造方法であって、
前記光ファイバの前記モジュールから延びる部分を樹脂製のチューブで被覆する工程と、
前記チューブに対して加熱、電子線照射、及び化学反応の少なくともいずれかを行うことにより、前記チューブを不可逆的に収縮させる工程と、
を備える光ファイバセンサヘッドの製造方法。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光ファイバセンサヘッドが設けられた光干渉計を備える光ファイバセンサ。
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