JP6240869B2 - 空芯コイルの作製方法、空芯コイル、ロゴスキーコイル、クランプセンサおよびクランプ式電流計 - Google Patents

空芯コイルの作製方法、空芯コイル、ロゴスキーコイル、クランプセンサおよびクランプ式電流計 Download PDF

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Description

本発明は、所望の湾曲形状に変形させた空芯コイルを作製する方法、この方法により作製した空芯コイル、この空芯コイルを用いて構成するロゴスキーコイル、このロゴスキーコイルを用いて構成するクランプセンサ、このクランプセンサを用いて構成するクランプ式電流計に関する。
測定対象である一次導体から発生する磁界を検出するために磁性コアを使用せずに交流電流を検出する方法として、ロゴスキーコイルを用いる方法が知られている。ロゴスキーコイルは、一次導体周辺に空芯のコイルを閉環状に設置したもので、一次電流に対応した電圧がコイルの両端に誘起し、この電圧は一次電流の微分波形になっていることから、積分器を通すことで一次側の電流波形を再現できる。このようなロゴスキーコイルを用いて形成したクランプ式電流計が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1に記載のクランプ式電流計では、塩化ビニール等の可撓性チューブに巻線を施し、巻線した可撓性チューブを可撓コイル体とし、そのまま円弧状に曲げてクランプセンサの一側カバー部と他側カバー部に実装する構造である。また、巻線後の各コイル両端部には熱収縮チューブを装着し、巻線の両端形状を保護するようになっている。
特開平11−295349号公報
しかしながら、特許文献1に記載のクランプ式電流計におけるクランプセンサは、可撓性チューブと巻線が一体である可撓コイル体を用いるため、可撓性チューブの両端一杯まで巻線を施す必要があるために、巻線の両端形状を保持するために熱収縮チューブを被着したり、リード線を位置固定したり、煩雑な処理が必要で、作製時間と材料費が増加する要因になっている。
以上のような問題点に鑑み、本発明は、部品点数の削減と作製時間の短縮が可能な空芯コイルの作製方法の提供を目的とする。併せて、この方法により作製した空芯コイルと、この空芯コイルを用いて構成するロゴスキーコイルと、このロゴスキーコイルを用いて構成するクランプセンサと、このクランプセンサを用いて構成するクランプ式電流計の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、耐熱性・耐薬品性が高く低摩擦係数の素材で形成した円筒状外周面を有する可撓性芯材を直線状に固定し、巻線に用いる線材であるマグネットワイヤの最外層に融着層をコーティングしてなる融着マグネットワイヤを前記可撓性芯材の外周面に巻回してコイル体を形成する第1工程と、前記可撓性芯材を治具の保形溝の形状に湾曲させて保形溝に嵌め入れることでコイル体を治具の保形溝内で湾曲させた状態に保持する第2工程と、前記治具の保形溝内で湾曲させた状態のコイル体に対して、融着層を活性化させて一旦溶融させた後に固化させ、固化した融着層によってマグネットワイヤの形状を拘束する拘束層を形成する第3工程と、前記拘束層が形成されて形体固定された空芯コイルから前記可撓性芯材を抜き取る第4工程と、を行うことで、所望の湾曲形状に変形させた空芯コイルを作製することを特徴とする空芯コイルの作製方法である。
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の空芯コイルの作製方法により作製してなる空芯コイルである。
また、請求項3に係る発明は、前記請求項2に記載の空芯コイルを複数組み合わせて閉環状に配置することにより構成したロゴスキーコイルである。
また、請求項4に係る発明は、前記請求項3に記載のロゴスキーコイルを開閉自在な一対のクランプ腕部に分割配置することにより構成したクランプセンサである。
また、請求項5に係る発明は、前記請求項4に記載のクランプセンサにおいて、双方のクランプ腕部にそれぞれ配置される空芯コイルの開閉側端部および基端側端部にそれぞれ絶縁カバーを装着し、各クランプ腕部の開閉側突き合わせ端面と基端側突き合わせ端面にそれぞれ絶縁カバーの突き合わせ外面を露出させ、クランプ腕部の閉止時には、少なくとも開閉側の一対の絶縁カバーの突き合わせ外面が密着して、各クランプ腕部に配置された各空芯コイルの開閉側端部が相互に近接するようにしたことを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、前記請求項4又は請求項5に記載のクランプセンサを用いて構成したクランプ式電流計である。
本発明に係る空芯コイルの作製方法によれば、部品点数を削減すると共に、作製時間を短縮して、所望の湾曲形状に変形させた空芯コイルを作製できる。
クランプ式電流計の一部欠截正面図である。 空芯コイルの作成方法における第1工程の説明図である。 空芯コイルの作成方法における第2工程の説明図である。 空芯コイルの作成方法における第3工程の前段処理説明図である。 空芯コイルの作成方法における第3工程の後段処理説明図である。 空芯コイルの作成方法における第4工程の説明図である。 一対の空芯コイルを閉環状に配置して構成するロゴスキーコイルの概略説明図である。
以下、本発明の実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る空芯コイルの作製方法(後に詳述)によって作製した第1空芯コイル1−1と第2空芯コイル1−2を、ロゴスキーコイルを構成する閉環状の配置となるように第1クランプ腕部11および第2クランプ腕部12に各々配置したクランプセンサ10を備えるクランプ式電流計100の正面図であり、一部欠截してクランプセンサ10の内部構造を示してある。このクランプセンサ10からの検出情報を演算処理して計測値を可視表示する機能を設けた計器本体20には、液晶表示器21、操作ボタン22、操作ダイヤル23等が設けられている。
クランプセンサ10の第1クランプ腕部11と第2クランプ腕部12は、開閉操作レバー13を操作することで、基端側に設けた回動軸を始点として所定角度の範囲内で回動するもので、第1,第2クランプ腕部11,12の開閉側端部が当着した閉止状態と開閉側端部が離隔した開放状態とに変換可能である。
クランプセンサ10の閉止状態においては、第1,第2クランプ腕部11,12の開閉側突き合わせ端面11a,12aおよび基端側突き合わせ端面11b,12bが互いに当着し、開閉側が若干尖って基端側が滑らかな曲縁となる涙滴形状を呈し、測定導体導入空部14も涙滴形状となる。加えて、クランプセンサ10のクランプ閉止状態では、第1,第2クランプ腕部11,12に収容され得る湾曲状に形状固定した第1空芯コイル1−1および第2空芯コイル1−2の各開閉側端部1a,1aおよび各基端側端部1b,1bが近接状に相対することで、涙滴形状のロゴスキーコイルとなる。なお、第1,第2空芯コイル1−1,1−2は巻線自体が形状固定されているので、開閉側端部1aおよび基端側端部1bに巻き乱れ防止用の結束テープや固定キャップ等の構造は不要である。
また、第1,第2空芯コイル1−1,1−2の各開閉側端部1a.1aには開閉側絶縁キャップ2−1,2−2を被せ、第1,第2空芯コイル1−1,1−2の各基端側端部1b.1bには基端側絶縁キャップ3−1,3−2を被せた状態で、それぞれ第1,第2クランプ腕部11,12に配置し、開閉側絶縁キャップ2−1,2−2の各突き合わせ外面2a,2aが第1,第2クランプ腕部11,12の開閉側突き合わせ端面11a,12aにそれぞれ露出し、基端側絶縁キャップ3−1,3−2の各突き合わせ外面3a,3aが第1,第2クランプ腕部11,12の基端側突き合わせ端面11b,12bにそれぞれ露出するものとした。なお、第1,第2空芯コイル1−1,1−2の解放側端部1aおよび基端側端部1bへそれぞれ開閉側絶縁キャップ2−1,2−2および基端側絶縁キャップ3−1,3−2を固着しておいても構わない。
そして、クランプセンサ10の閉止状態においては、開閉側絶縁キャップ2−1の突き合わせ外面2aと開閉側絶縁キャップ2−2の突き合わせ外面2aとが当着し、基端側絶縁キャップ3−1の突き合わせ外面3aと基端側絶縁キャップ3−2の突き合わせ外面3aとが当着(もしくは近接)した状態となるので、開閉側絶縁キャップ2−1のコイル当着内面2bに開閉側端部1aが当着している第1空芯コイル1−1と開閉側絶縁キャップ2−2のコイル当着内面2bに開閉側端部1aが当着している第2空芯コイル1−2とは、開閉側絶縁キャップ2−1,2−2の厚さ程度の空隙を介して相対することとなり、基端側絶縁キャップ3−1のコイル当着内面3bに基端側端部1bが当着している第1空芯コイル1−1と基端側絶縁キャップ3−2のコイル当着内面3bに基端側端部1bが当着している第2空芯コイル1−2とは、基端側絶縁キャップ3−1,3−2の厚さ程度の空隙を介して相対することとなる。
したがって、クランプセンサ10の閉止状態においては、第1空芯コイル1−1および第2空芯コイル1−2を閉環状に配置したロゴスキーコイルの環内ギャップを極めて小さくすることができ、外乱ノイズの影響を受け難く高精度の計測値を得ることができる。
なお、第1,第2空芯コイル1−1,1−2は、湾曲状に固定され、外力を加えなくても湾曲形状を保持するものであるから、第1,第2クランプ腕部11,12内に第1,第2空芯コイル1−1,1−2を湾曲状に保持する特別な構造を設ける必要はなく、例えば、開閉側絶縁キャップ2−1,2−2および基端側絶縁キャップ3−1,3−2を位置決めする構造を第1,第2クランプ腕部11,12内に設けておくだけで、第1,第2クランプ腕部11,12内の適正位置に第1,第2空芯コイル1−1,1−2を装着することができるので、クランプセンサ10の組み立て作業の簡易化・効率化を図れる。
また、第1,第2クランプ腕部11,12内には、第1,第2空芯コイル1−1,1−2の湾曲状周面の凸側から凹側へ押圧するスポンジ等の弾性押圧手段11c,12cを設けることで、第1,第2空芯コイル1−1,1−2の開閉側端部1a,1aを開閉側絶縁キャップ2−1,2−2のコイル当着内面2b,2bに、基端側端部1b,1bを基端側絶縁キャップ3−1,3−2のコイル当着内面3b,3bにそれぞれガタつきなく当着させることができる。
さらに、弾性押圧手段11c,12cによって、開閉側絶縁キャップ2−1,2−2の各突き合わせ外面2aを第1,第2クランプ腕部11,12の開閉側突き合わせ端面11a,12aから突出させる付勢力、および基端側絶縁キャップ3−1,3−2の各突き合わせ外面3aを第1,第2クランプ腕部11,12の基端側突き合わせ端面11b,12bから突出させる付勢力を与えることができ、開閉側絶縁キャップ2−1,2−2の各突き合わせ外面2a同士の密着状態ならびに基端側絶縁キャップ3−1,3−2の各突き合わせ外面3a同士の密着状態を良好にすることができる。
なお、第1,第2空芯コイル1−1,1−2の開閉側端部1a,1aと基端側端部1b,1bが共に近接した状態となるように、開閉側絶縁キャップ2−1,2−2の突き合わせ外面2a同士および基端側絶縁キャップ3−1,3−2の突き合わせ外面3a同士が密着し、開閉側も基端側も第1,第2空芯コイル1−1,1−2のギャップ間隔を最小に抑制することが好ましいが、開閉側絶縁キャップ2−1,2−2の各突き合わせ外面2a同士を確実に密着させるために、敢えて基端側絶縁キャップ3−1,3−2の各突き合わせ外面3a同士が当接しないように調整しても構わない。
一方、クランプセンサ10の開放状態においては、第1,第2クランプ腕部11,12の開閉側突き合わせ端面11a,12aが大きく離隔し、第1,第2空芯コイル1−1,1−2はロゴスキーコイルとして機能しないが、測定導体導入空部14へ測定導体を招じ入れたり、逆に測定導体を抜き出したりできる。
以上説明したクランプ式電流計100のクランプセンサ10に用いる第1空芯コイル1−1と第2空芯コイル1−2、開閉側絶縁キャップ2−1と開閉側絶縁キャップ2−2、基端側絶縁キャップ3−1と基端側絶縁キャップ3−2は、何れも同一のものを用いており、クランプセンサ10の第1クランプ腕部11に設けるものと第2クランプ腕部12に設けるものとして区別するために呼び分けた。特に区別する必要が無い場合は、それぞれ空芯コイル1、開閉側絶縁キャップ2、基端側絶縁キャップ3と呼ぶ。
次に、上述した空芯コイル1の作製方法を図2〜図6に基づいて説明する。
まず、耐熱性・耐薬品性が高く低摩擦係数の素材(例えば、フッ素樹脂)で形成した円筒状外周面を有する可撓性芯材である可撓性チューブ4を用意する。可撓性チューブ4は、目的とする空芯コイル1の内径にほぼ等しい外周面4aを備えると共に、目的とする空芯コイル1を湾曲させずにまっすぐ伸ばした状態の長さよりも適宜長いものである。また、可撓性チューブ4の中空孔4bに直線状の金属棒5を貫通させることで可撓性チューブ4を直線状に固定する。かくすれば、剛性のある金属棒5を回転軸として軸回転式の巻線機にセットすることができるので、巻線機によって融着マグネットワイヤ6を可撓性チューブ4の外周面4aに単層もしくは複層に効率よく巻回してゆき、コイル体61を形成できる。その後、コイル体61が形成された可撓性チューブ4を巻線機から外して金属棒5を抜き取る(第1工程を示す図2(a)〜(c)を参照)。
上記融着マグナットワイヤ6は、巻線に用いるマグネットワイヤ6a(例えば、導体線6a1の外周に薄いエナメル層6a2を形成したエナメル線)の最外層に融着層6bをコーティングしたものである(図2(b)のIId−IId拡大断面を示す図2(d)を参照)。なお、融着層6bは、活性化条件となっている熱や溶剤により活性化させることで溶融し、活性化条件を解消することで再び固化するものである。よって、活性化条件(本実施形態で用いる融着マグネットワイヤ6の活性化条件は加熱とする)を加えていないコイル体61は形状固定されておらず、可撓性チューブ4から抜くとバラバラになってしまう。また、コイル体61の巻き始めを第1引出線62a、巻き終わりを第2引出線62bとして、コイル体61から適宜長さだけ残しておく。
上記のようにしてコイル体61が形成された可撓性チューブ4を、図3(a)に示すように、治具7の保形溝71に嵌め入れる。保形溝71は、目的とする空芯コイル1の湾曲形状に沿ったものであり、可撓性チューブ4を撓ませながら保形溝71に嵌め入れることで、コイル体61が目的とする空芯コイル1と同じ湾曲形状に撓むこととなる。このとき、コイル体61は保形溝71によって湾曲形状に保持されているだけであり、図3(a)のIIIb−IIIb拡大断面を示す図3(b)のように、融着マグネットワイヤ6の融着層6bは個別のままであるから、形体固定されているわけではない。なお、第1,第2引出線62a,62bが空芯コイル1の基端側となるように、コイル体61が形成された可撓性チューブ4を保形溝71に嵌め込む向きを定める。
次いで、図4に示すように、コイル体61が形成された可撓性チューブ4を保形溝71へ嵌め入れた治具7を恒温槽8に入れ、融着層6bが活性化する温度で必要な時間だけ加熱する。なお、治具7は、恒温槽8での加熱に耐えられるように、金属または耐熱樹脂(例えば、120℃〜180℃程度の耐熱性)を用いて形成しておく。
上記のように恒温槽8内でコイル体61を加熱すると、融着層6bが活性化して溶融し、接触している融着層6b同士が融着して一体となる。その後、常温で自然冷却させると、融着した状態で固まる。すなわち、図5(a)のVb−Vb拡大断面を示す図5(b)のように、接触している融着層6b同士が融着して一体化した拘束層6b′が形成されることで、マグネットワイヤ6aは治具7の保形溝71に入れられた状態に拘束され、湾曲状に形体固定された空芯コイル1ができる。
図3〜図5にて説明したように、融着マグネットワイヤ6の融着層6bを活性化させた後に固化させて拘束層6b′を形成する第3工程を行えば、湾曲状に形体固定された空芯コイル1ができるので、図6(a),(b)に示すように、空芯コイル1から可撓性チューブ4を抜き取る第4工程を行って、湾曲形状の空芯コイル1を得ることができる。
なお、可撓性チューブ4をフッ素樹脂等の低摩擦係数の素材にて形成するか、少なくとも可撓性チューブ4の外周面4aをフッ素樹脂等の低摩擦係数の素材でコーティングすることで、融着層6bが溶融して固化したとき、拘束層6b′が可撓性チューブ4の外周面4aに融着することを防げるので、空芯コイル1から可撓性チューブ4を容易に抜き取ることができる。
上記のように作製した空芯コイル1は、所望の湾曲形状に形体固定されているので、巻線端部(開閉側端部1aおよび基端側端部1b)で線材が解けるのを防止する対策が必要ない。すなわち、巻線端部の解け対策に使用していた熱収縮チューブ等が不要になり、材料費削減の効果が有る。また、融着マグネットワイヤ6の巻き始めである第1引出線62aと巻き終わりである第2引出線62bを共に基端側(基端側端部1b側)に配置することで、空芯コイル1の中空部に線材を通す手間を省くことができ、製造工程を簡略化できる。しかも、上記のように作製した空芯コイル1は、形体固定のために可撓性チューブ7を必要とせず、コイル内は中空になっているので、空芯コイル1を閉環状に配置して構成したロゴスキーコイルとしては、可撓性チューブ7が介在している場合と比較して中空部の透磁率が安定することとなり、測定精度の向上を期せる。
また、上記のように作製した空芯コイル1をクランプセンサ10に用いる場合、巻き始めである第1引出線62aと巻き終わりである第2引出線62bに、それぞれ耐熱ビニール線を半田付けして第1リード線9aと第2リード線9bを形成する(図7(a)参照)。なお、第1,第2リード線9a,9bを形成した空芯コイル1の基端側端部1bには、基端側絶縁キャップ3を被せるので、例えば、結束テープ9cにて第1,第2リード線9a,9bを束ね、基端側絶縁キャップ3の開口側へ導出させると、第1,第2リード線9a,9bの取り回しが容易となる。
そして、開閉側端部1aに開閉側絶縁キャップ2を、基端側端部1bに基端側絶縁キャップ3を取り付けた空芯コイル1を対向状に配置して構成するロゴスキーコイルにおいては、図7(b)に示すように、第1空芯コイル1−1の開閉側端部1aと第2空芯コイル1−2の開閉側端部1aとの離隔距離は、その間に介在する開閉側絶縁キャップ2−1の厚さd(突き合わせ外面2aとコイル当着内面2bの間隔)と開閉側絶縁キャップ2−2の厚さdとの和、すなわち2dであり、極めて薄くすることができる。
なお、第1空芯コイル1−1の基端側端部1bと第2空芯コイル1−2の基端側端部1bとの離隔距離は、その間に介在する基端側絶縁キャップ3−1の厚さd′(突き合わせ外面3aとコイル当着内面3bの間隔)と基端側絶縁キャップ3−2の厚さd′との和、すなわち2d′とすることも可能であるが、開閉側絶縁キャップ2−1と開閉側絶縁キャップ2−2が密着した状態で基端側絶縁キャップ3−1と基端側絶縁キャップ3−2も同時に密着した状態とするように、高精度の位置合わせを行うことは困難であるから、開閉側絶縁キャップ2−1と開閉側絶縁キャップ2−2との密着状態を優先し、基端側絶縁キャップ3−1と基端側絶縁キャップ3−2との間には若干の隙間ができるようにしても構わない。
以上、本発明に係る空芯コイルの作製方法、該方法により作製した空芯コイル、該空芯コイルを用いたロゴスキーコイル、該ロゴスキーコイルを用いたクランプセンサ、該クランプセンサを用いたクランプ式電流計の実施形態を添付図面に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない範囲で、公知既存の等価な技術手段を転用することにより実施しても構わない。
1−1 第1空芯コイル
1−2 第2空芯コイル
1a 開閉側端部
1b 基端側端部
2−1 開閉側絶縁キャップ
2−2 開閉側絶縁キャップ
2a 突き合わせ外面
2b コイル当着内面
3−1 基端側絶縁キャップ
3−2 基端側絶縁キャップ
3a 突き合わせ外面
3b コイル当着内面
4 可撓性チューブ
5 金属棒
6 融着マグネットワイヤ
6a マグネットワイヤ
6b 融着層
6b′ 拘束層
61 コイル体
62a 第1引出線(巻き始め)
62b 第2引出線(巻き終わり)
7 治具
71 保形溝
8 恒温槽
9a 第1リード線(第1引出線側)
9b 第2リード線(第2引出線側)
10 クランプセンサ
11 第1クランプ腕部
11a 開閉側突き合わせ端面
11b 基端側突き合わせ端面
12 第2クランプ腕部
12a 開閉側突き合わせ端面
12b 基端側突き合わせ端面
20 計器本体
100 クランプ式電流計

Claims (6)

  1. 耐熱性・耐薬品性が高く低摩擦係数の素材で形成した円筒状外周面を有する可撓性芯材を直線状に固定し、巻線に用いる線材であるマグネットワイヤの最外層に融着層をコーティングしてなる融着マグネットワイヤを前記可撓性芯材の外周面に巻回してコイル体を形成する第1工程と、
    前記可撓性芯材を治具の保形溝の形状に湾曲させて保形溝に嵌め入れることでコイル体を治具の保形溝内で湾曲させた状態に保持する第2工程と、
    前記治具の保形溝内で湾曲させた状態のコイル体に対して、融着層を活性化させて一旦溶融させた後に固化させ、固化した融着層によってマグネットワイヤの形状を拘束する拘束層を形成する第3工程と、
    前記拘束層が形成されて形体固定された空芯コイルから前記可撓性芯材を抜き取る第4工程と、
    を行うことで、所望の湾曲形状に変形させた空芯コイルを作製することを特徴とする空芯コイルの作製方法。
  2. 請求項1に記載の空芯コイルの作製方法により作製してなる空芯コイル。
  3. 請求項2に記載の空芯コイルを複数組み合わせて閉環状に配置することにより構成したロゴスキーコイル。
  4. 請求項3に記載のロゴスキーコイルを開閉自在な一対のクランプ腕部に分割配置することにより構成したクランプセンサ。
  5. 双方のクランプ腕部にそれぞれ配置される空芯コイルの開閉側端部および基端側端部にそれぞれ絶縁カバーを装着し、各クランプ腕部の開閉側突き合わせ端面と基端側突き合わせ端面にそれぞれ絶縁カバーの突き合わせ外面を露出させ、クランプ腕部の閉止時には、少なくとも開閉側の一対の絶縁カバーの突き合わせ外面が密着して、各クランプ腕部に配置された各空芯コイルの開閉側端部が相互に近接するようにしたことを特徴とする請求項4に記載のクランプセンサ。
  6. 請求項4又は請求項5に記載のクランプセンサを用いて構成したクランプ式電流計。
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