JP2010266340A - 電流センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】検出対象体を流れている電流を正確に検出し得る電流センサを提供する。
【解決手段】弾性変形が可能に磁性材料で棒状に形成された巻芯11の周囲に導線13が巻回されてコイル部2が形成されると共に、巻芯11の一端部P1および他端部P2が離間可能に近接させられてコイル部2が環状に変形させられている。また、磁性材料で形成された連結用リング15を備え、コイル部2が環状に変形させられている状態において巻芯11における一端部P1が連結用リング15の一端部側から連結用リング15内に挿入され、かつ、巻芯11における他端部P2が連結用リング15の他端部側から連結用リング15内に挿入されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、弾性変形が可能に形成された巻芯の周囲に導線が巻回されてコイル部が形成されて、検出対象体に対する着脱が可能に構成された電流センサに関するものである。
この種の電流センサとして、可撓性を有する絶縁チューブの外周面に導線(導電線)を巻回して形成したコイル部を有する電流センサ(検出部)が特開2006−329826号公報に開示されている。この電流センサでは、導線を巻回するための巻芯として、絶縁性を有すると共に可撓性を有する材料(例えば、可塑性エラストマーや、シリコーンゴム等の弾性変形が可能な樹脂材料)で形成された絶縁チューブが採用され、コイル部が空芯コイル構造となっている。また、この電流センサでは、コイル部を構成する導線が、上記の絶縁チューブ内を貫通させられると共に絶縁チューブの外周に螺旋状に巻回され、その両端部が絶縁チューブの一端部側からそれぞれ引き出されている。さらに、この電流センサでは、コイル部の両端部を当接させた状態に保持する保持部材を備え、この保持部材によってコイル部を環状に変形させた状態が維持されて、コイル部の内側を挿通させられている検出対象体(被測定電流線)を流れる電流の検出が可能に構成されている。
この電流センサの使用に際しては、まず、電流センサを検出対象体に取り付ける。具体的には、上記の保持部材による保持を解除してコイル部の両端部を離間させた後に、検出対象体の周囲にコイル部を配設し、その状態において、コイル部の両端部を再び当接させて保持部材によって保持させる。次いで、上記の導線に接続されたケーブルを電流検出器に接続する。これにより、検出対象体を流れる電流が電流センサによって検出されると共にその値が電流検出器によって測定される。
特開2006−329826号公報(第2−5頁、第1−7図)
ところが、従来の電流センサには、以下の問題点が存在する。すなわち、従来の電流センサでは、環状のコイル部の内側に検出対象体を挿通させるようにして取り付けた状態において検出対象体を流れる電流を検出する構成が採用されている。この場合、図8に示すように、検出対象体Zに電流が流れている状態においては、同図に一点鎖線Mxで示すように検出対象体Zを中心とする磁束が生じる。したがって、左図に示すように、環状に変形させられたコイル部2xの中心に検出対象体Zが位置している状態においては、コイル部2xの一周に亘ってその磁束密度が均一となるのに対し、右図に示すように、環状に変形させられたコイル部2xの中心から外れた位置に検出対象体Zが位置している状態においては、その磁束密度がコイル部2xの各部において不均一な状態となる。このため、従来の電流センサ1Xでは、コイル部2xに対する検出対象体Zの位置によって、検出される電流の大きさが相違することとなり、検出対象体Zを流れている電流の大きさを正確に測定するのが困難となっているという問題点がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、検出対象体を流れている電流を正確に検出し得る電流センサを提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の電流センサは、弾性変形が可能に磁性材料で棒状に形成された巻芯の周囲に導線が巻回されてコイル部が形成されると共に、前記巻芯の一端部および他端部が離間可能に近接させられて前記コイル部が環状に変形させられている。なお、上記の「磁性材料で棒状に形成された巻芯」には、磁性材料だけで棒状に形成された巻芯だけでなく、磁性材料を含有する各種材料で棒状に形成された巻芯や、非磁性材料で形成されたチューブ内に磁性材料が封入されて全体として棒状に形成された巻芯がこれに含まれる。
また、請求項2記載の電流センサは、請求項1記載の電流センサにおいて、磁性材料で形成された連結用筒状部を備えると共に、前記コイル部が環状に変形させられている状態において前記巻芯における前記一端部を前記連結用筒状部の一端部側から当該連結用筒状部内に挿入し、かつ、当該巻芯における前記他端部を当該連結用筒状部の他端部側から当該連結用筒状部内に挿入可能に構成されている。
また、請求項3記載の電流センサは、請求項1記載の電流センサにおいて、前記巻芯における前記一端部および前記他端部の一方の端面に連結用凹部が形成されると共に、前記一端部および前記他端部の他方の端面に前記連結用凹部に挿入可能な連結用凸部が形成され、前記コイル部が環状に変形させられている状態において前記連結用凹部内に前記連結用凸部を挿入可能に構成されている。
また、請求項4記載の電流センサは、請求項1から3のいずれかに記載の電流センサにおいて、前記巻芯が、磁性粉体を含有する弾性樹脂で形成されている。
また、請求項5記載の電流センサは、請求項1から3のいずれかに記載の電流センサにおいて、前記巻芯が、弾性を有するチューブ内に磁性粉体および磁性流体の少なくとも一方が封入されて形成されている。
請求項1記載の電流センサによれば、弾性変形が可能に磁性材料で棒状に形成された巻芯の周囲に導線を巻回してコイル部を形成すると共に、巻芯の一端部および他端部を離間可能に近接させてコイル部を環状に変形させたことにより、巻芯が弾性変形可能に形成されているため、検出対象体に対する電流センサの着脱に際してコイル部を変形させて容易に着脱することができるだけでなく、取付けが完了して環状に変形させたコイル部の内側を検出対象体が挿通させられている状態において、検出対象体に電流が流れることで生じる磁束が巻芯に引き込まれるようにして巻芯内を通過するため、環状のコイル部の内側におけるいずれの位置に検出対象体が位置している状態においてもコイル部の一周に亘ってその磁束密度がほぼ均一となる結果、検出対象体を流れる電流を正確に検出することができる。また、空芯コイル構造と比較して、コイル部からの出力が十分に大きくなるため、電流センサの周囲に存在する外部磁界(ノイズ)の相対的な影響や、導線の巻きむら(巻き径や、巻回ピッチ等のばらつき)の相対的な影響を十分に小さくすることができる結果、検出対象体を流れる電流を正確に検出することができる。
請求項2記載の電流センサによれば、磁性材料で形成された連結用筒状部を備えると共に、コイル部を環状に変形させた状態において巻芯における一端部を連結用筒状部の一端部側から連結用筒状部内に挿入し、かつ、巻芯における他端部を連結用筒状部の他端部側から連結用筒状部内に挿入可能に構成したことにより、連結用筒状部によって巻芯の一端部および他端部が磁気的に結合されて一端部と他端部との当接部位における磁気抵抗が十分に小さくなるため、一端部と他端部との当接部位に対して検出対象体が離間している状態、および一端部と他端部との当接部位に対して検出対象体が接近している状態のいずれにおいてもコイル部の一周に亘ってその磁束密度がほぼ均一となる結果、検出対象体を流れる電流を一層正確に検出することができる。
請求項3記載の電流センサによれば、巻芯における一端部および他端部の一方の端面に連結用凹部を形成すると共に、一端部および他端部の他方の端面に連結用凹部に挿入可能な連結用凸部を形成し、コイル部を環状に変形させた状態において連結用凹部内に連結用凸部を挿入可能に構成したことにより、連結用凹部および連結用凸部によって巻芯の一端部および他端部が磁気的に結合されて一端部と他端部との当接部位における磁気抵抗が十分に小さくなる。したがって、この電流センサによれば、一端部と他端部との当接部位に対して検出対象体が離間している状態、および一端部と他端部との当接部位に対して検出対象体が接近している状態のいずれにおいてもコイル部の一周に亘ってその磁束密度がほぼ均一となる結果、検出対象体を流れる電流を正確に検出することができる。
請求項4記載の電流センサによれば、磁性粉体を含有する弾性樹脂で巻芯を形成したことにより、巻芯の製造が比較的容易であることから、電流センサの製造コストを十分に低減することができるだけでなく、コイル部を各種形状に容易に変形させることができるため、検出対象体に対する着脱を容易に行うことができる。
請求項5記載の電流センサによれば、弾性を有するチューブ内に磁性粉体および磁性流体の少なくとも一方を封入して巻芯を形成したことにより、巻芯の製造が比較的容易であることから、電流センサの製造コストを十分に低減することができるだけでなく、コイル部を各種形状に容易に変形させることができるため、検出対象体に対する着脱を容易に行うことができる。
電流センサ1の外観斜視図である。 電流センサ1におけるコイル部2の断面図である。 電流センサ1におけるコイル部2の一端部P1および他端部P2が離間している状態の断面図である。 電流センサ1におけるコイル部2の一端部P1および他端部P2を近接させた(当接させた)状態の断面図である。 検出対象体Zに電流が流れている状態において生じる磁束と、コイル部2と、検出対象体Zとの相互の位置関係について説明するための説明図である。 電流センサ1Aにおけるコイル部2aの一端部P1および他端部P2が離間している状態の断面図である。 電流センサ1Bにおけるコイル部2bの断面図である。 検出対象体Zに電流が流れている状態において生じる磁束と、従来の電流センサ1Xにおけるコイル部2xと、検出対象体Zとの相互の位置関係について説明するための説明図であって、左図は、検出対象体Zがコイル部2xの中心に位置している状態の図、右図は、検出対象体Zがコイル部2xの中心から外れた位置に位置している状態の図である。
以下、本発明に係る電流センサの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1に示す電流センサ1は、検出対象体Z(信号ケーブルや電源ケーブル等)に流れている電流を検出するためのセンサの一例であって、コイル部2、および図示しない電流検出器にコイル部2を接続するための信号ケーブル3を備えている。コイル部2は、図2に示すように、その周囲に絶縁被覆12が施された巻芯11の周囲に導線13が巻回され、かつ、巻回された導線13を覆うようにして絶縁被覆14が施されて全体として棒状に形成されると共に、図1に示すように、環状に変形させられている。巻芯11は、磁性粉体を含有するシリコーンゴム(「磁性粉体を含有する弾性樹脂」の一例)で棒状に形成されている(「磁性材料で棒状に形成された巻芯」の一例)。この場合、この電流センサ1では、導線13を巻回するための巻芯11が弾性変形が可能な材料で形成されているため、この巻芯11の周囲に導線13を巻回して形成したコイル部を弾性変形させることが可能となっている。なお、シリコーンゴムに代えて、エラストマおよび塩化ビニルなどの各種弾性樹脂や、ウレタンゴムおよびフッ素ゴムなどのゴムに磁性粉体を含有させて巻芯11を形成することもできる。
また、この電流センサ1では、一例として、絶縁被覆12が施された状態の巻芯11に沿わせて巻芯11の一端部P1から他端部P2(図1,3参照)に向かって導線13を引き延ばし、引き延ばした導線13および巻芯11を括るようにしてその周囲に他端部P2から一端部P1に向かって導線13を巻回することにより、巻芯11の一端部P1において導線13の両端部が引き出されて信号ケーブル3に接続されている。なお、絶縁被覆12が施された状態の巻芯11の周囲に一端部P1から他端部P2に向かって導線13を巻回し、導線13が巻回された状態の巻芯11に沿わせて巻芯11の他端部P2から一端部P1に向かって導線13を引き戻すことにより、巻芯11の一端部P1において導線13の両端部を引き出す構成を採用することもできる。また、巻芯11をチューブ状(中空構造)に形成し、巻芯11の中心部(中空部)に一端部P1から他端部P2に向かって導線13を挿通させると共に他端部P2から一端部P1に向かって巻芯11の周囲に導線13を巻回することにより、巻芯11の一端部P1において導線13の両端部を引き出す構成を採用することもできる。
さらに、この電流センサ1では、巻芯11の一端部P1および他端部P2の端面を当接させるようにして(「巻芯の一端部および他端部を離間可能に近接させ」との状態の一例)コイル部2を環状に変形させた状態を維持しつつ、巻芯11の一端部P1および他端部P2を磁気的に結合するための連結用リング15を備えている。この場合、この電流センサ1では、その内径が巻芯11の外径(直径)と同程度の筒状となるように磁性粉体を焼結して連結用リング15が形成されている(「磁性材料で形成された連結用筒状部」の一例)。また、この電流センサ1では、図3に示すように、一例として、連結用リング15の一端部側(同図における右端部側)から連結用リング15の中程まで巻芯11の一端部P1が挿入された状態で巻芯11の一端部P1に連結用リング15が固定されると共に、コイル部2を環状に変形させた状態において、図4に示すように、連結用リング15の他端部側(同図における左端部側)から連結用リング15の中程まで巻芯11の他端部P2を挿入することで、巻芯11の一端部P1および他端部P2を連結する構成が採用されている。
この電流センサ1の使用に際しては、図1に示すように、まず、検出対象体Zに電流センサ1を取り付ける。具体的には、図4に示す矢印Aの向きで巻芯11の他端部P2を連結用リング15から引き抜いて一端部P1および他端部P2を互いに離間させる。次いで、環状に変形させられているコイル部2の内側を検出対象体Zが挿通するように検出対象体Zの周囲にコイル部2を配設する。続いて、図3に示す矢印Bの向きで巻芯11の他端部P2を連結用リング15内に挿入して一端部P1の端面および他端部P2の端面を連結用リング15内において互いに当接させる(一端部P1および他端部P2を接近させる)。これにより、巻芯11の一端部P1および他端部P2が連結用リング15によって磁気的に結合されると共に、コイル部2が環状に変形させられた状態が維持される。次いで、信号ケーブル3を図示しない電流検出器に接続する。これにより、検出対象体Zを流れる電流が電流センサ1によって検出されると共に電流検出器によってその値が測定される。
この場合、この電流センサ1では、電流検出用の導線13を巻回するための巻芯11を磁性材料(この例では、磁性粉体を含有するシリコーンゴム)で形成している。したがって、検出対象体Zに電流センサ1を取り付けた状態においては、検出対象体Zの極く近傍に環状の磁性体(磁性材料で形成された巻芯11)が存在する状態となる。このため、電流の導通に起因して検出対象体Zの周囲に生じる磁束が巻芯11(検出対象体Zの近傍に存在する磁性体)に引き込まれるようにして巻芯11内を通過する。したがって、図5に示すように、環状に変形させられたコイル部2の中心から外れた位置に検出対象体Zが位置している状態においても、検出対象体Zの周囲に生じる磁束が同図に一点鎖線Mで示すように巻芯11内を通過するため、コイル部2の一周に亘ってその磁束密度がほぼ均一となる。この場合、検出対象体Zとコイル部2との距離が変化したとしても、検出対象体Zに電流が流れることで生じる磁束が巻芯11内を通過するため、環状に変形させられたコイル部2の内側を検出対象体Zが挿通している限り、コイル部2の一周に亘ってその磁束密度がほぼ均一となる。
また、この電流センサ1では、巻芯11の一端部P1および他端部P2を連結用リング15内にそれぞれ挿入することにより、一端部P1および他端部P2が磁気的に結合された状態となっている。このため、この電流センサ1では、巻芯11における一端部P1および他端部P2の当接部位の磁気抵抗が十分に小さくなっている。したがって、一端部P1と他端部P2との突き合わせ部位から検出対象体Zが離れている状態、および一端部P1と他端部P2との突き合わせ部位に検出対象体Zが近接している状態のいずれにおいても、コイル部2の一周に亘ってその磁束密度がほぼ均一となる。これにより、巻芯11の周囲に巻回された導線13の内側(巻芯11内)を通過した磁束に応じて導線13の両端間に電圧が生じ、この出力電圧に基づいて検出対象体Zを流れる電流が電流検出器によって検出(測定)される。この場合、上記したように、この電流センサ1では、巻芯11を磁性体で形成したこと、および磁性体で形成した連結用リング15によって巻芯11の一端部P1と他端部P2とを連結したことで、コイル部2の一周に亘ってその磁束密度が十分に均一となり、この磁束を効率よく検出することができる結果、コイル部2から電流検出器への出力が十分に大きくなっている。
このように、この電流センサ1によれば、弾性変形が可能に磁性材料で棒状に形成された巻芯11の周囲に導線13を巻回してコイル部2を形成すると共に、巻芯11の一端部P1および他端部P2を離間可能に近接させてコイル部2を環状に変形させたことにより、巻芯11が弾性変形可能に形成されているため、検出対象体Zに対する電流センサ1の着脱に際してコイル部2を変形させて容易に着脱することができるだけでなく、取付けが完了して環状に変形させたコイル部2の内側を検出対象体Zが挿通させられている状態において、検出対象体Zに電流が流れることで生じる磁束が巻芯11に引き込まれるようにして巻芯11内を通過するため、環状のコイル部2の内側におけるいずれの位置に検出対象体Zが位置している状態においてもコイル部2の一周に亘ってその磁束密度がほぼ均一となる結果、検出対象体Zを流れる電流を正確に検出することができる。また、空芯コイル構造と比較して、コイル部2からの出力が十分に大きくなるため、電流センサ1の周囲に存在する外部磁界(ノイズ)の相対的な影響や、導線13の巻きむら(巻き径や、巻回ピッチ等のばらつき)の相対的な影響を十分に小さくすることができる結果、検出対象体Zを流れる電流を正確に検出することができる。
また、この電流センサ1によれば、磁性材料で形成された連結用リング15を備えると共に、コイル部2を環状に変形させた状態において巻芯11における一端部P1を連結用リング15の一端部側から連結用リング15内に挿入し、かつ、巻芯11における他端部P2を連結用リング15の他端部側から連結用リング15内に挿入可能に構成したことにより、連結用リング15によって巻芯11の一端部P1および他端部P2が磁気的に結合されて一端部P1と他端部P2との当接部位における磁気抵抗が十分に小さくなるため、一端部P1と他端部P2との当接部位に対して検出対象体Zが離間している状態、および一端部P1と他端部P2との当接部位に対して検出対象体Zが接近している状態のいずれにおいてもコイル部2の一周に亘ってその磁束密度がほぼ均一となる結果、検出対象体Zを流れる電流を一層正確に検出することができる。
さらに、この電流センサ1によれば、磁性粉体を含有する弾性樹脂で巻芯11を形成したことにより、巻芯11の製造が比較的容易であることから、電流センサ1の製造コストを十分に低減することができるだけでなく、コイル部2を各種形状に容易に変形させることができるため、検出対象体Zに対する着脱を容易に行うことができる。
なお、巻芯11の一端部P1および他端部P2を連結用リング15内に挿入することで一端部P1および他端部P2を磁気的に結合させつつ連結する構成を採用した電流センサ1について説明したが、巻芯の両端部を連結するための構成はこれに限定されない。具体的には、図6に示す電流センサ1Aは、電流検出用のセンサの他の一例であって、巻芯11における一端部P1および他端部P2の一方の端面(この例では、一端部P1の端面)に凹部(連結用凹部)11aが形成されると共に、一端部P1および他端部P2の他方の端面(この例では、他端部P2の端面)に凹部11aに挿入可能な凸部(連結用凸部)11bが形成され、コイル部2aを環状に変形させた状態において凹部11a内に凸部11bを挿入することで巻芯11の一端部P1および他端部P2を磁気的に結合しつつ連結可能な構成が採用されている。
なお、この電流センサ1Aにおいて前述した電流センサ1と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、この電流センサ1Aにおけるコイル部2aは、巻芯11の一端部P1に凹部11aが形成されると共に他端部P2に凸部11bが形成されている点と、連結用リング15を備えていない点とを除き、前述した電流センサ1におけるコイル部2と同様に構成されている。この電流センサ1Aの使用に際しては、まず、巻芯11の凹部11aから凸部11bを引き抜いて一端部P1および他端部P2を離間させる。次いで、環状に変形させられているコイル部2aの内側を検出対象体Zが挿通するように検出対象体Zの周囲にコイル部2を配設した後に、同図に示す矢印Cの向きで凹部11a内に凸部11bを挿入する。これにより、巻芯11の一端部P1および他端部P2が磁気的に結合されると共に、コイル部2aが環状に変形させられた状態が維持される。したがって、電流センサ1Aでは、コイル部2aの内側を挿通させられている検出対象体Zに電流が流れることによって生じる磁束が巻芯11に引き込まれるようにして巻芯11内を通過する。このため、前述した電流センサ1と同様にして、コイル部2aの一周に亘ってその磁束密度がほぼ均一となる。
このように、この電流センサ1Aでは、前述した電流センサ1と同様にして、凹部11aおよび凸部11bによって巻芯11の一端部P1および他端部P2が磁気的に結合されて一端部P1と他端部P2との当接部位における磁気抵抗が十分に小さくなる。したがって、この電流センサ1Aによれば、一端部P1と他端部P2との当接部位に対して検出対象体Zが離間している状態、および一端部P1と他端部P2との当接部位に対して検出対象体Zが接近している状態のいずれにおいてもコイル部2aの一周に亘ってその磁束密度がほぼ均一となる結果、検出対象体Zを流れる電流を正確に検出することができる。
また、磁性粉体を含有する弾性樹脂で巻芯11を形成した電流センサ1,1Aについて説明したが、巻芯の構成はこれに限定されない。例えば、図7に示す電流センサ1Bでは、電流センサ1,1Aにおける巻芯11に代えて、巻芯21を備え、この巻芯21の周囲に導線13が巻回されてコイル部2bが構成されている。なお、この電流センサ1Bにおいて前述した電流センサ1と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、この電流センサ1Bにおけるコイル部2bは、巻芯11に代えて巻芯21を備えている点と、巻芯21の周囲に絶縁被覆12が施されていない点とを除き、前述した電流センサ1におけるコイル部2と同様に構成されている。この場合、巻芯21は、一例として、絶縁性を有し、かつ弾性変形が可能な樹脂材料で形成されたチューブ22の中に磁性粉体23が封入されて(充填されて)棒状に形成されている。したがって、この電流センサ1Bにおけるコイル部2bは、巻芯11を有するコイル部2を備えた電流センサ1,1Aと同様に弾性変形させることができると共に、コイル部2bの一周に亘ってその磁束密度をほぼ均一とすることができる。
このように、この電流センサ1Bによれば、弾性を有するチューブ22内に磁性粉体および磁性流体の少なくとも一方(この例では、磁性粉体23)を封入して巻芯21を形成したことにより、巻芯21の製造が比較的容易であることから、電流センサ1Bの製造コストを十分に低減することができるだけでなく、コイル部2bを各種形状に容易に変形させることができるため、検出対象体Zに対する着脱を容易に行うことができる。なお、磁性粉体23に代えて磁性流体(液状の磁性体)をチューブ22内に封入して巻芯を構成することもできる。このような構成においても、上記のコイル部2bを有する電流センサ1Bと同様の効果を奏することができる。
加えて、上記の巻芯11や巻芯21に代えて、ワイヤー状の磁性体(アモルファス等の非結晶磁性材料で形成されたワイヤー:例えばアモルファスワイヤー)で巻芯を構成することもできる。
1,1A,1B 電流センサ
2,2a,2b コイル部
11,21 巻芯
11a 凹部
11b 凸部
12,14 絶縁被覆
13 導線
15 連結用リング
22 チューブ
23 磁性粉体
P1 一端部
P2 他端部
Z 検出対象体

Claims (5)

  1. 弾性変形が可能に磁性材料で棒状に形成された巻芯の周囲に導線が巻回されてコイル部が形成されると共に、前記巻芯の一端部および他端部が離間可能に近接させられて前記コイル部が環状に変形させられている電流センサ。
  2. 磁性材料で形成された連結用筒状部を備えると共に、前記コイル部が環状に変形させられている状態において前記巻芯における前記一端部を前記連結用筒状部の一端部側から当該連結用筒状部内に挿入し、かつ、当該巻芯における前記他端部を当該連結用筒状部の他端部側から当該連結用筒状部内に挿入可能に構成されている請求項1記載の電流センサ。
  3. 前記巻芯における前記一端部および前記他端部の一方の端面に連結用凹部が形成されると共に、前記一端部および前記他端部の他方の端面に前記連結用凹部に挿入可能な連結用凸部が形成され、前記コイル部が環状に変形させられている状態において前記連結用凹部内に前記連結用凸部を挿入可能に構成されている請求項1記載の電流センサ。
  4. 前記巻芯は、磁性粉体を含有する弾性樹脂で形成されている請求項1から3のいずれかに記載の電流センサ。
  5. 前記巻芯は、弾性を有するチューブ内に磁性粉体および磁性流体の少なくとも一方が封入されて形成されている請求項1から3のいずれかに記載の電流センサ。
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