JP2017226971A - 車両用開閉部材駆動装置 - Google Patents

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【課題】巻き込み防止機能による誤停止を防ぐことができる車両用開閉部材駆動装置を提供すること。【解決手段】パワーウィンドウ装置1は、ウィンドウガラスWGの開動作時に、該ウィンドウガラスWGの位置毎の速度を学習して開時しきい値を設定する開時学習制御と行うとともに、それ以前に設定された前記開時しきい値に基づいて巻き込みが発生したか否かの巻き込み判定制御を行い、巻き込みが発生したと判定すると開動作を停止する巻き込み防止制御を行う制御部5を備える。制御部5は、全閉位置から全開位置までの範囲の開動作時の速度を未取得の状態では巻き込み防止制御を無効化する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用開閉部材駆動装置に関するものである。
従来、車両用開閉部材駆動装置としては、閉動作時のウィンドウガラスによる異物の挟み込みを防止する挟み込み防止機能を有したものがある。また、近年では、開動作時のウィンドウガラスによる異物の巻き込みを防止する巻き込み防止機能を有したものがある(例えば、特許文献1参照)。また、ウィンドウガラスの位置毎の負荷情報(速度等)を学習してしきい値に設定するとともに、それ以前に設定されたしきい値に基づいて挟み込みや巻き込みの発生を判定するものがある。
特開2011−122369号公報
ところで、ウィンドウガラスは、例えば、組み立て工場等では、開閉範囲における中間位置に組み付けられ、その中間位置から全開位置まで駆動され、更に全開位置から全閉位置まで駆動されることで、制御部に閉動作時の負荷情報(速度等)と全開位置と全閉位置とを記憶させることが行われている。また、挟み込み防止機能や巻き込み防止機能は、全開位置と全閉位置が記憶されるまでは機能しないようになっているため、上記した手順の途中でウィンドウガラスの駆動が(挟み込み防止機能により)途中で停止してしまうことはなかった。しかし、その後、ウィンドウガラスを開動作させるときには、全開位置と全閉位置が記憶されていることから、巻き込み防止機能が働き、プログラム上のデフォルトのしきい値によって巻き込みが発生したと誤判定されることがあり、ウィンドウガラスの開駆動が途中で停止してしまうことがあった。
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、巻き込み防止機能による誤停止を防ぐことができる車両用開閉部材駆動装置を提供することにある。
上記課題を解決する車両用開閉部材駆動装置は、開閉部材の開動作時に、該開閉部材の位置毎の開時負荷情報を学習して開時しきい値を設定する開時学習制御と行うとともに、それ以前に設定された前記開時しきい値に基づいて巻き込みが発生したか否かの巻き込み判定制御を行い、巻き込みが発生したと判定すると開動作を停止する巻き込み防止制御を行う制御部を備えた車両用開閉部材駆動装置であって、前記制御部は、全閉位置から全開位置までの範囲の前記開時負荷情報を未取得の状態では前記巻き込み防止制御を無効化する。
同構成によれば、制御部は、全閉位置から全開位置までの範囲の開時負荷情報を未取得の状態では巻き込み防止制御を無効化するため、巻き込み防止機能による誤停止を防ぐことができる。
上記車両用開閉部材駆動装置であって、前記制御部は、前記巻き込み判定制御を行わないことで前記巻き込み防止制御を無効化することが好ましい。
同構成によれば、制御部は、巻き込み判定制御を行わないことで巻き込み防止制御を無効化するため、不必要な巻き込み判定制御が行われることなく、巻き込み防止機能による誤停止を防ぐことができる。
上記車両用開閉部材駆動装置であって、前記制御部は、前記開時しきい値を変更することで前記巻き込み防止制御を無効化することが好ましい。
同構成によれば、制御部は、前記開時しきい値を変更することで前記巻き込み防止制御を無効化するため、巻き込み判定制御で巻き込みが発生したと判定されることを回避することができ、巻き込み防止機能による誤停止を防ぐことができる。
本発明の車両用開閉部材駆動装置では、巻き込み防止機能による誤停止を防ぐことができる。
一実施形態におけるパワーウィンドウ装置の概略構成図。 一実施形態における制御部の処理を説明するためのフロー図。 (a)〜(c)は、ウィンドウガラス及びパワーウィンドウ装置の組み付け手順を説明するための模式図。 別例における制御部の処理を説明するためのフロー図。
以下、パワーウィンドウ装置の一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
図1に示すように、車両ドアDには、開閉部材としてのウィンドウガラスWGが上下動可能に設けられ、該ウィンドウガラスWGには図示しないレギュレータ等を介して車両用開閉部材駆動装置としてのパワーウィンドウ装置1におけるモータMが駆動連結されている。
パワーウィンドウ装置1は、モータMの回転を検出するホールIC等の回転検出センサ2と、該回転検出センサ2からの信号及び操作スイッチ3からの信号に基づいてバッテリ4の電源をモータMに供給する制御部5とを備える。即ち、回転検出センサ2は、モータMの回転に応じたパルス信号を制御部5に出力する。そして、制御部5は、入力されるパルス信号によりウィンドウガラスWGの位置や速度を把握しながら種々の制御を行い、モータMを駆動制御する。
詳述すると、制御部5は、車両ドアDに設けられた操作スイッチ3が操作されると、その操作に応じてウィンドウガラスWGを開閉駆動(上下動)させるべくモータMを駆動制御する。
また、制御部5は、ウィンドウガラスWGの閉動作(上動)時に、該ウィンドウガラスWGの位置毎の閉時負荷情報としての速度を学習して閉時しきい値を設定する閉時学習制御を行うとともに、それ以前に設定されたウィンドウガラスWGの位置毎に対する速度に応じた閉時しきい値に基づいて挟み込みが発生したか否かの挟み込み判定制御を行う。詳しくは、閉時学習制御では、制御部5は、ウィンドウガラスWGの位置毎の閉時負荷情報としての速度を学習するとともに、学習した速度よりも遅い速度であって挟み込みが発生した可能性が高い速度をウィンドウガラスWGの位置毎に閉時しきい値として設定する。そして、挟み込み判定制御では、制御部5は、それ以前に設定されたウィンドウガラスWGの位置毎の閉時しきい値よりも、そのときの速度が遅い場合に挟み込みが発生したと判定する。
そして、制御部5は、挟み込みが発生したと判定するとウィンドウガラスWGの閉動作を停止させる(または、停止させた後に反転駆動させる)挟み込み防止制御を行う。このように、本実施形態のパワーウィンドウ装置1は、挟み込み防止機能を有している。
また、制御部5は、ウィンドウガラスWGの開動作(下動)時に、該ウィンドウガラスWGの位置毎の開時負荷情報としての速度を学習して開時しきい値を設定する開時学習制御を行うとともに、それ以前に設定されたウィンドウガラスWGの位置毎に対する速度に応じた開時しきい値に基づいて巻き込みが発生したか否かの巻き込み判定制御を行う。詳しくは、開時学習制御では、制御部5は、ウィンドウガラスWGの位置毎の開時負荷情報としての速度を学習するとともに、学習した速度よりも遅い速度であって巻き込みが発生した可能性が高い速度をウィンドウガラスWGの位置毎に開時しきい値として設定する。そして、巻き込み判定制御では、制御部5は、それ以前に設定されたウィンドウガラスWGの位置毎の開時しきい値よりも、そのときの速度が遅い場合に巻き込みが発生したと判定する。
そして、制御部5は、巻き込みが発生したと判定するとウィンドウガラスWGの開動作を停止させる(または、停止させた後に反転駆動させる)巻き込み防止制御を行う。このように、本実施形態のパワーウィンドウ装置1は、巻き込み防止機能を有している。
そして、本実施形態の制御部5は、全閉位置から全開位置までの全開閉範囲の前記開時負荷情報(開動作時の速度)を未取得の状態では前記巻き込み防止制御を無効化する制御を行う。
このときの具体的な制御部5による動作及び作用について以下に説明する。
図2に示すように、制御部5は、ウィンドウガラスWGを開動作させるための操作スイッチ3の操作が行われると、ステップS1以下の処理を行って、ウィンドウガラスWGを開動作させるべくモータMへの電源の供給を開始する。
即ち、ステップS1において、制御部5は、ウィンドウガラスWGの開動作時にウィンドウガラスWGの位置毎の速度を全閉位置から全開位置までの全開閉範囲に亘って学習したか否かを判定(開時学習完了?)し、完了していないと判定すると、ステップS2に移行して、前記巻き込み判定制御を行わないようにする(巻き込み判定禁止)。よって、開動作時に巻き込み防止制御が行われることがなく、誤停止が防止される。
また、ステップS1において、制御部5は、前記学習が完了していると判定すると、ステップS3に移行して、前記巻き込み判定制御を許可する(巻き込み判定許可)。よって、以後、開動作時に巻き込みが発生したと判定されると、ウィンドウガラスWGの開動作が停止される(または、停止された後に反転駆動される)。
次に、上記したウィンドウガラスWG及びパワーウィンドウ装置1を車両(車両ドアD)に組み付ける手順の例について説明する。
図3(a)に示すように、まずウィンドウガラスWGを開閉範囲における中間位置に組み付けるとともに、パワーウィンドウ装置1を車両ドアDに固定する。
その後、図3(b)に示すように、パワーウィンドウ装置1にて前記中間位置にあるウィンドウガラスWGを全開位置まで駆動する。
そして、図3(c)に示すように、更にパワーウィンドウ装置1にてウィンドウガラスWGを全開位置から全閉位置まで駆動して、その組み付けを終了する。この際、前記制御部5は、閉動作時の閉時負荷情報としての速度の学習を完了するとともに、全開位置と全閉位置の情報を記憶し、以後、前記挟み込み判定制御及び挟み込み防止制御を正常に行うことが可能となる。また、制御部5は、開動作時のウィンドウガラスWGの位置毎の速度を全閉位置から全開位置までの全開閉範囲に亘って学習していないため、巻き込み防止制御は無効化される。
次に、上記実施形態の特徴的な効果を以下に記載する。
(1)制御部5は、全閉位置から全開位置までの範囲の開時負荷情報である速度を未取得の状態では巻き込み防止制御を無効化するため、巻き込み防止機能による誤停止を防ぐことができる。例えば、組み立て工場等で、ウィンドウガラスWGを開閉範囲における中間位置に組み付け、該中間位置にあるウィンドウガラスWGを全開位置まで駆動し、更に全開位置から全閉位置まで駆動して製造を終了しても、後の開動作時にプログラム上のデフォルトのしきい値によって巻き込みが発生したと誤判定されて誤停止してしまうことが防がれる。
(2)制御部5は、巻き込み判定制御を行わないことで巻き込み防止制御を無効化するため、不必要な巻き込み判定制御(演算)が行われることなく、巻き込み防止機能による誤停止を防ぐことができる。
上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、制御部5は、巻き込み判定制御を行わないことで巻き込み防止制御を無効化するとしたが、これに限定されず、他の制御によって無効化してもよい。
例えば、図4に示すように、制御部5は、ウィンドウガラスWGを開動作させるための操作スイッチ3の操作が行われると、ステップS11以下の処理を行って、ウィンドウガラスWGを開動作させるべくモータMへの電源の供給を開始する。
即ち、ステップS11において、制御部5は、ウィンドウガラスWGの開動作時にウィンドウガラスWGの位置毎の速度を全閉位置から全開位置までの全開閉範囲に亘って学習したか否かを判定(開時学習完了?)し、完了していないと判定すると、ステップS12に移行して、前記開時しきい値を(巻き込みが発生したと判定されない値に)変更する。具体的には、プログラム上のデフォルトのしきい値を巻き込みが発生したと判定されない値であって、例えば極小さな速度に変更する。よって、開動作時に巻き込み防止制御が行われることがなく、誤停止が防止される。
また、ステップS11において、制御部5は、前記学習が完了していると判定すると、ステップS13に移行して、それ以前に設定されたウィンドウガラスWGの位置毎に対する速度に応じた開時しきい値をそのままにし、以後、該開時しきい値に基づいて巻き込みが発生したか否かの巻き込み判定制御を行う。よって、以後、開動作時に巻き込みが発生したと判定されると、ウィンドウガラスWGの開動作が停止される(または、停止された後に反転駆動される)。
・上記実施形態では、開時負荷情報及び閉時負荷情報を速度としたが、開動作時や閉動作時の位置毎の負荷に対応した情報であれば、他の情報に変更してもよく、例えば、速度変動量や駆動電流値等として学習し、その値に応じて開時しきい値や閉時しきい値を設定するようにしてもよい。
・上記実施形態では、工場等でウィンドウガラスWG及びパワーウィンドウ装置1を車両(車両ドアD)に組み付ける手順の例について説明したが、その手順(製造方法)は変更してもよい。
・上記実施形態では、制御部5はモータMと一体的に設けられて車両ドアDに固定されるものとしたが、これに限定されず、例えば、モータMとは別体で離間した位置に設けられてモータMを駆動制御するものとしてもよい。
・上記実施形態では、車両用開閉部材駆動装置としてのパワーウィンドウ装置1に具体化したが、これに限定されず、ウィンドウガラスWG以外の開閉部材を駆動制御する車両用開閉部材駆動装置としてもよい。
上記実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ)請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用開閉部材駆動装置であって、前記制御部は、前記開閉部材の閉動作時に、該開閉部材の位置毎の閉時負荷情報を学習して閉時しきい値を設定する閉時学習制御を行うとともに、それ以前に設定された前記閉時しきい値に基づいて挟み込みが発生したか否かの挟み込み判定制御を行い、挟み込みが発生したと判定すると閉動作を停止する挟み込み防止制御を行うことを特徴とする車両用開閉部材駆動装置。
同構成によれば、挟み込み防止機能をも有する。そして、例えば、組み立て工場等で、開閉部材を開閉範囲における中間位置に組み付け、該中間位置にある開閉部材を全開位置まで駆動し、更に全開位置から全閉位置まで駆動すると、閉時負荷情報が学習されて閉時しきい値が設定され、その後、挟み込み防止機能が正常に機能する。
(ロ)請求項1乃至3及び上記(イ)のいずれか1つに記載の車両用開閉部材駆動装置を備えた車両の製造方法であって、前記開閉部材を開閉範囲における中間位置に組み付ける工程と、その後、前記中間位置にある前記開閉部材を全開位置まで駆動し、更に全開位置から全閉位置まで駆動する工程とを備えたことを特徴とする車両の製造方法。
同方法によれば、例えば、組み立て工場等で、開閉部材を開閉範囲における中間位置に組み付け、前記中間位置にある開閉部材を全開位置まで駆動し、更に全開位置から全閉位置まで駆動して製造を終了しても、後の開動作時に巻き込み防止機能によって誤停止してしまうことが防がれる。
1…パワーウィンドウ装置(車両用開閉部材駆動装置)、5…制御部、WG…ウィンドウガラス(開閉部材)。

Claims (3)

  1. 開閉部材の開動作時に、該開閉部材の位置毎の開時負荷情報を学習して開時しきい値を設定する開時学習制御と行うとともに、それ以前に設定された前記開時しきい値に基づいて巻き込みが発生したか否かの巻き込み判定制御を行い、巻き込みが発生したと判定すると開動作を停止する巻き込み防止制御を行う制御部を備えた車両用開閉部材駆動装置であって、
    前記制御部は、全閉位置から全開位置までの範囲の前記開時負荷情報を未取得の状態では前記巻き込み防止制御を無効化することを特徴とする車両用開閉部材駆動装置。
  2. 請求項1に記載の車両用開閉部材駆動装置であって、
    前記制御部は、前記巻き込み判定制御を行わないことで前記巻き込み防止制御を無効化することを特徴とする車両用開閉部材駆動装置。
  3. 請求項1に記載の車両用開閉部材駆動装置であって、
    前記制御部は、前記開時しきい値を変更することで前記巻き込み防止制御を無効化することを特徴とする車両用開閉部材駆動装置。
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