JP6413810B2 - 車両窓開閉装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載されるパワーウインド装置等の車両窓開閉装置に関するものである。
従来、車両窓開閉装置において、車両窓の開閉作動を妨げる異物の検出機能が知られている。例えば、特許文献1に示す車両窓開閉装置(パワーウインド装置)では、駆動源としてのモータの回転速度の変動推移等から車両窓の作動が異物によって妨げられたことを検出し、その異物検出を基にモータの駆動を停止する等して異物に掛かる荷重の軽減を図るものである。これにより、閉作動中の車両窓と窓枠との間での異物の挟み込みを防止することが可能となり、また、開作動中の車両窓によって異物が例えばドア内部に巻き込まれることを防止することが可能となる。
特開2011−122369号公報
しかしながら、上記のような異物検出機能を備えた車両窓開閉装置では、開作動中(パワーウインド装置では下降作動中)の車両窓による異物巻き込みが検出されて車両窓の作動が停止された後、巻き込まれた異物の解放を図るべく車両窓を閉作動(上昇作動)させるとき、巻き込まれた異物による負荷変動で挟み込みの誤検出が生じるおそれがあった。そして、このような挟み込みの誤検出が生じると、車両窓が反転作動(開作動)又は作動停止されてしまい、巻き込まれた異物の解放が困難となるおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、異物の挟み込みを抑えつつ巻き込まれた異物の解放を行うことができる車両窓開閉装置を提供することにある。
上記課題を解決する車両窓開閉装置は、モータの駆動力に基づく車両窓の開閉作動を制御する制御部と、前記車両窓の作動の状態の変化を検出する変化検出部と、前記変化検出部で検出された変化に基づいて前記車両窓の異物の巻き込みを検出する巻き込み検出部と、を備えた車両窓開閉装置であって、前記制御部は、操作スイッチが操作されている間だけ、前記車両窓を開作動させるマニュアル開作動又は前記車両窓を閉作動させるマニュアル閉作動可能に構成され、前記巻き込み検出がなされても前記マニュアル閉作動は許可されるように構成されており、前記制御部は、前記巻き込み検出後において、前記車両窓の開口量が制限閾値以上である場合には前記マニュアル閉作動において一度の閉作動の作動量を所定の作動量に設定するとともに、前記車両窓の開口量が制限閾値未満の場合には前記マニュアル閉作動において一度の閉作動の作動量を前記制限閾値以上の場合の前記所定の作動量よりも小さい作動量に設定する
この構成によれば、巻き込み検出後において開口量が所定の制限閾値以上確保されなければ閉作動における作動量が制限される。これにより、巻き込まれた異物を解放するべく閉作動させた場合でも作動量が制限されるため、異物の挟み込みが抑えられる。また、作動量を制限するものの閉作動自体は行われるため、異物の解放を行うことができる。
上記車両窓開閉装置において、前記変化検出部で検出された変化に基づいて前記車両窓による異物の挟み込みを検出する挟み込み検出部を有し、前記制御部は、前記挟み込み検出による挟み込み検出に基づいて前記車両窓の閉作動を反転又は停止させる挟み込み防止制御を実行し、前記巻き込み検出後において、前記車両窓の閉作動中における前記挟み込み防止制御が実行されないように規制する規制部を有することが好ましい。
この構成によれば、巻き込み検出後において、前記車両窓の閉作動中における前記挟み込み防止制御が実行されないように規制される。これにより、巻き込み検出後において、巻き込まれた異物の解放を図るべく車両窓を閉作動させるとき、挟み込み防止制御(停止や反転作動)が実行されないため、巻き込まれた異物の解放を容易に行うことができる。
上記車両窓開閉装置において、前記制御部は、操作スイッチの所定操作に基づいて前記車両窓を全開位置又は全閉位置までオート作動可能に構成され、前記規制部は、前記挟み込み防止制御が実行されないように規制している場合には、前記車両窓のオート閉作動を禁止する。
この構成によれば、挟み込み防止制御が規制(無効化)されているとき、車両窓のオート閉作動が禁止される。このため、挟み込み防止制御が無効化されているときの車両窓のオート閉作動によって異物を挟み込んでしまうことを防止することができる。
本発明の車両窓開閉装置によれば、異物の挟み込みを抑えつつ巻き込まれた異物の解放を行うことができる。
実施形態のパワーウインド装置の概略構成を示す電気ブロック図である。 同形態のパワーウインド装置における制御態様を説明するためのフローチャートである。 別例のパワーウインド装置における制御態様を説明するためのフローチャートである。
以下、車両窓開閉装置をパワーウインド装置に具体化した一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態のパワーウインド装置10(車両窓開閉装置)は、ウインドガラスWGを開閉させるべく車両ドアDに取り付けられるものであり、モータ11と、該モータ11の回転駆動によりウインドガラスWGを開閉作動させる例えばXアーム式のウインドレギュレータ(図示略)とを備えている。モータ11は、直流モータに減速部が一体に組み付けられたギヤードモータにて構成されている。ウインドレギュレータは、モータ11の回転をウインドガラスWGの開閉作動に変換する。
パワーウインド装置10は、モータ11を制御してウインドガラスWGの作動を制御するウインドECU12と、モータ11の回転を検出する回転検出センサ13とを備えている。回転検出センサ13は、例えばホールICよりなり、モータ11の回転軸に設けられたセンサマグネット(図示略)の回転に伴う磁界変化を検出して、モータ11の回転数や回転位置等の回転情報を検出する。
ウインドECU12は、モータ11と別体若しくはモータ11内に一体に備えられる。ウインドECU12は、制御回路21と駆動回路22とを備え、駆動回路22は制御回路21の制御に基づいて車載のバッテリ23からモータ11に対して電源供給を行う。
制御回路21は、車両ドアDに備えられる操作スイッチ24の操作に基づき駆動回路22を通じてモータ11を回転駆動させ、ウインドガラスWGの開閉制御を行う。制御回路21は、回転検出センサ13から出力される回転検出信号(パルス信号)に基づいてウインドガラスWGの位置情報を算出する。本実施形態では、制御回路21は、ウインドガラスWGの全閉位置を基準(ゼロ)として、ウインドガラスWGの開閉作動(つまり、モータ11の正逆回転)に伴って加減算される回転検出信号のパルスエッジ(立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジ)のカウント数をウインドガラスWGの位置情報として算出する。これによって、制御回路21はウインドガラスWGの全閉位置を基準とした開口量Aが算出される。
また、制御回路21は、前記回転検出信号に基づいてモータ11の回転方向を検出する。また、制御回路21は、回転検出信号のパルスの間隔(周期)からモータ11の回転速度を算出するとともに、モータ11の速度の変動量(速度変動量)を算出する。
制御回路21には、操作スイッチ24からウインドガラスWGを開閉(昇降)作動させるべく各種指令信号が入力される。操作スイッチ24は、ウインドガラスWGを全閉位置から全開位置までの範囲において開閉作動させるべく操作されるものである。操作スイッチ24は、二段階操作可能な揺動型スイッチ等で構成され、開スイッチ、閉スイッチ及びオートスイッチを備えている。
具体的には、操作スイッチ24は、一方側に一段階操作されると開スイッチがオンされ、ウインドガラスWGをマニュアル開作動、即ち操作している間だけ開作動させるためのマニュアル開指令信号を制御回路21に出力する。また、操作スイッチ24は、他方側に一段階操作されると閉スイッチがオンされ、ウインドガラスWGをマニュアル閉作動、即ち操作している間だけ閉作動させるためのマニュアル閉指令信号を制御回路21に出力する。
また、操作スイッチ24は、一方側に二段階操作(オート開操作)されると開スイッチ及びオートスイッチがともにオンされ、ウインドガラスWGをオート開作動、即ち操作を止めても全開位置まで開作動させるためのオート開指令信号を制御回路21に出力する。また、操作スイッチ24は、他方側に二段階操作(オート閉操作)されると閉スイッチ及びオートスイッチがともにオンされ、ウインドガラスWGをオート閉作動、即ち操作を止めても全閉位置まで閉作動させるためのオート閉指令信号を制御回路21に出力する。
制御回路21は、操作スイッチ24からマニュアル開指令信号又はマニュアル閉指令信号が入力されると、該指令信号が入力されている間(操作スイッチ24を操作している間)、ウインドガラスWGをマニュアル開作動又はマニュアル閉作動させるべくモータ11を駆動する。また、操作スイッチ24からオート開指令信号又はオート閉指令信号が入力されると、制御回路21は、ウインドガラスWGを全開位置又は全閉位置までオート作動させるべくモータ11を駆動する。
制御回路21は、ウインドガラスWGと車両ドアDのフレームとの間での挟み込みを防止する機能を有している。詳述すると、制御回路21は、ウインドガラスWGの閉作動中(上昇作動中)において回転検出信号を基に算出したモータ11の速度変動量と挟み込み判定閾値とを比較する。そして、速度変動量が挟み込み判定閾値以上である場合に、ウインドガラスWGによる異物挟み込みが発生したと判定(検出)し、その挟み込み判定に基づいてウインドガラスWGを開方向に所定量だけ反転作動させて挟み込んだ異物を解放可能とする。
また、制御回路21は、開作動中(下降作動中)のウインドガラスWGによって異物が車両ドアD内に巻き込まれる異物巻き込みを検出する機能も有している。詳述すると、制御回路21は、ウインドガラスWGの開作動中において回転検出信号を基に算出したモータ11の速度変動量と巻き込み判定閾値とを比較する。そして、速度変動量が巻き込み判定閾値以上である場合に、ウインドガラスWGによる異物巻き込みが発生したと判定(検出)し、その巻き込み検出に基づきモータ11の駆動を停止してウインドガラスWGの開作動を停止させる。
制御回路21は、上記の巻き込み検出に基づいて、上記の挟み込み防止機能を無効化するとともに、ウインドガラスWGのオート閉作動を禁止する。詳述すると、制御回路21は、巻き込み検出がなされると、その後の閉作動時における挟み込み判定を無効化する。つまり、閉作動中におけるモータ11の速度変動量が挟み込み判定閾値以上となっても、制御回路21は、ウインドガラスWGを開方向に反転作動させない。これにより、巻き込まれた異物による負荷変動によってウインドガラスWGが反転作動しないようになっている。
また、制御回路21は、巻き込み検出がなされると、操作スイッチ24がオート閉操作されてオート閉指令信号が出力されても無効化し、マニュアル閉指令信号と見なす。つまり、このとき、操作スイッチ24がオート閉操作されても、ウインドガラスWGのオート閉作動が実行されない。なお、巻き込み検出がなされても、マニュアル閉作動は許可される。このとき、ウインドガラスWGの開口量Aと制限閾値Nとを比較して開口量Aが制限閾値N未満であると閉作動の作動量R1は制限されてない閉作動の作動量R0よりも小さく、一度の作動量R1では5mmに設定される。ちなみに、制限閾値Nは例えば100〜150mmの範囲で設定されている。また、開口量Aが制限閾値N以上であると一度の閉作動の作動量が作動量R0に設定される。また、制御回路21は、巻き込み検知後であって、開口量Aが制限閾値N以上である場合にマニュアル閉作動を継続する場合には開口量Aが停止閾値Mに達するか操作スイッチ24の操作をやめるとモータ11を停止させてウインドガラスWGの閉作動を停止させる。なお、本実施形態では停止閾値M=制限閾値Nとしている。
また、制御回路21は、巻き込み検出後において、ウインドガラスWGが全閉位置又は全開位置にある場合には、挟み込み防止機能の有効化とオート閉作動の許可を行う。
次に、パワーウインド装置10の一動作例を説明する。
本実施形態のパワーウインド装置10の制御回路21は、使用者によって操作スイッチ24が操作されるとその操作(開操作又は閉操作)に基づいて開作動又は閉作動を行うべく、駆動回路22を介してモータ11に給電を行う。また、制御回路21は、閉作動中にウインドガラスWGによって異物が挟み込まれる異物挟み込みを検出するようになっている。そして、制御回路21は、開作動中にウインドガラスWGによって異物が車両ドアD内に巻き込まれる異物巻き込みを検出するようになっている。
以下に、本実施形態における閉作動時に異物巻き込み検出時の制御について主に図2を用いて説明する。
制御回路21は、開作動(開方向作動)が開始されると位置モニタを開始する(ステップS1)。具体的には、前述したようにウインドガラスWGの全閉状態を基準(ゼロ)とした回転検出信号のパルスエッジのカウントを行う。パルスエッジのカウントを行うことでその時々のウインドガラスWGの開口量(位置)を検出することが可能となる。
次いで、制御回路21は、開作動中のウインドガラスWGによる異物の巻き込み検出を行う(ステップS2)。
このとき、制御回路21は、モータ11の速度変動量と巻き込み判定閾値とを比較し、速度変動量が巻き込み判定閾値未満である場合、ウインドガラスWGによる異物巻き込みが発生していないと判定し(ステップS2:NO)、ステップS2を繰り返す。また、制御回路21は、速度変動量が巻き込み判定閾値以上である場合、ウインドガラスWGによる異物巻き込みが発生したと判定し(ステップS2:YES)、モータ11の駆動を停止してウインドガラスWGの開作動を停止させる(ステップS3)。
次いで、制御回路21は、閉切りモードでモータ11等の駆動を行う(ステップS4)。ここで、閉切りモードは、挟み込み防止機能の無効化とともに、ウインドガラスWGのオート開作動を禁止する。このように巻き込み検出後において、巻き込まれた異物の解放を図るべくウインドガラスWGを閉作動させるときに、その巻き込まれた異物による負荷変動でモータ11の特性値が挟み込み判定閾値以上となっても、ウインドガラスWGが反転作動(開作動)されないため、巻き込まれた異物の解放を容易に行うことが可能となる。また、挟み込み防止機能が無効化されている状態で、ウインドガラスWGがオート閉作動されることが防止されるため、オート閉作動による意図しない挟み込みが抑えられる。
次いで、制御回路21は、閉操作の有無を検出する(ステップS5)。制御回路21は、閉操作が検出されると(ステップS5:YES)、モータ11を駆動してウインドガラスWGを閉作動(閉方向作動)させる(ステップS6)。
その後、制御回路21は、現在のウインドガラスWGの開口量Aと制限閾値Nとを比較する(ステップS7)。このとき、開口量Aの算出方法としては、前述したように全閉状態を基準(ゼロ)とした回転検出信号のパルスエッジのカウント数によって算出することが可能である。
開口量Aが制限閾値N以上である場合(ステップS7:YES)、制御回路21は、閉操作が継続中か否かを検出する(ステップS8)。このとき、閉操作が終了していれば(ステップS8:NO)、制御回路21は、モータ11の駆動を停止してウインドガラスWGの閉作動を停止させる(ステップS10)。また、閉操作が継続していれば(ステップS8:YES)、現在のウインドガラスWGの開口量Aと停止閾値Mとを比較する(ステップS9)。このとき、制御回路21は、開口量Aが停止閾値Mより大きい状態(ステップS9:NO)が継続される間、ウインドガラスWGの閉作動を継続させる。また、制御回路21は、開口量Aが停止閾値M以下となると(ステップS9:YES)、モータ11の駆動を停止してウインドガラスWGの閉作動を停止させる(ステップS10)。
また、開口量Aが制限閾値N未満である場合(ステップS6:NO)、制御回路21は、モータ11を制御してウインドガラスWGを寸動モードで動作させる。なお、このとき前述した閉切りモード(ステップS4)は継続する。
寸動モードは、閉方向にウインドガラスWGが作動するように操作スイッチ24を操作(閉操作)した際における閉作動の作動量を制限するモードである。このとき、制限された閉作動の作動量R1は非寸動モードにおける制限されてない閉作動の作動量R0よりも小さく、作動量R1では5mmに設定される。このとき、制御回路21は、例えば操作スイッチ24の操作がオート閉操作(二段階操作)であっても、マニュアル閉操作が一度の閉操作がされたと見なして作動量を制限して閉作動行う。
次に、本実施形態の効果を記載する。
(1)巻き込み検出後においてウインドガラスWGの開口量Aが所定の制限閾値N以上確保されなければ閉作動における作動量が制限される。これにより、巻き込まれた異物を解放するべく閉作動させた場合でも作動量が制限されるため、異物の挟み込みが抑えられる。また、作動量を制限するものの閉作動自体は行われるため、異物の解放を行うことができる。
(2)巻き込み検出後において、ウインドガラスWGの閉作動中における挟み込み防止制御が実行されないように規制される。これにより、巻き込み検出後において、巻き込まれた異物の解放を図るべく車両窓を閉作動させるとき、挟み込み防止制御(停止や反転作動)が実行されないため、巻き込まれた異物の解放を容易に行うことができる。
(3)挟み込み防止制御が規制(無効化)されているとき、車両窓のオート閉作動が禁止される。このため、挟み込み防止制御が無効化されているときの車両窓のオート閉作動によって異物を挟み込んでしまうことを防止することができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、ウインドガラスWGの開口量Aが制限閾値N以上である場合に、ウインドガラスWGの開口量Aが停止閾値Mに達するまで閉作動を継続する構成としたがこれに限らない。例えば、図3に示すように、ウインドガラスWGの開口量Aが制限閾値N以上である場合(ステップS7:YES)、制御回路21は、その後の閉作動の作動量(作動ストローク)が作動量用閾値Stと比較する(ステップS12)。
そして、制御回路21は、作動量が作動量用閾値St以上となると(ステップS12:YES)、モータ11の駆動を停止してウインドガラスWGの閉作動を停止させる(ステップS10)。ちなみに作動量用閾値StはウインドガラスWGの作動量として例えば50mmとなるように設定されている。
そして、制御回路21は、作動量が作動量用閾値St未満の場合(ステップS12:NO)、現在のウインドガラスWGの開口量Aと停止閾値Mとを比較する(ステップS9)。このとき、制御回路21は、開口量Aが停止閾値Mより大きい状態(ステップS9:NO)であるとステップS12から動作を繰り返す。即ち、作動量が作動量用閾値St未満であって開口量Aが停止閾値Mより大きい間、ウインドガラスWGの閉作動を継続させる。また、制御回路21は、開口量Aが停止閾値M以下となると(ステップS9:YES)、モータ11の駆動を停止してウインドガラスWGの閉作動を停止させる(ステップS10)。
上述したように、寸動モード時における一度の作動量R1よりも一度の作動量の大きい閾値Stを設定することで寸動モード時よりも異物の解放をより素早く行いつつ、異物の挟み込みを抑えることができる。
・上記実施形態では特に言及していないが、例えばウインドガラスWGが全閉位置又は全開位置に達した場合に閉切りモードや寸動モードの解除する構成を採用してもよい。
・上記実施形態では、制御回路21は、モータ11の速度変動量を基に異物検出(挟み込み及び巻き込みの検出)を行うが、これに特に限定されるものではなく、モータ11の速度変動量以外の特性値(ウインドガラスWGに掛かる負荷変動に応じて変動するモータ11の特性値)を基に異物検出を行ってもよい。
・上記実施形態では、制御回路21は、挟み込み判定に基づいてウインドガラスWGを開方向に所定量だけ反転作動させるが、これ以外に例えば、挟み込み判定に基づいてモータ11の作動を停止させてもよい。また、上記実施形態では、制御回路21は、巻き込み検出に基づきモータ11の駆動を停止してウインドガラスWGの開作動を停止させるが、これ以外に例えば、巻き込み検出に基づいてウインドガラスWGを閉方向に所定量だけ反転作動させてもよい。
・上記実施形態では、制御回路21は、閉作動時における挟み込み判定を無効化することで挟み込み防止機能を無効化するが、これ以外に例えば、挟み込み判定自体を行わない(つまり、モータ11の速度変動量と挟み込み判定閾値との比較を行わない)ことで挟み込み防止機能を無効化してもよい。
・上記実施形態では、Xアーム式のウインドレギュレータを用いたパワーウインド装置10に適用したが、ワイヤ式のウインドレギュレータを用いたパワーウインド装置に適用してもよい。
・上記実施形態では、車両ドアDに備えられたウインドガラスWGを開閉させるパワーウインド装置10に適用したが、これ以外に例えば、車両の屋根に備えられたルーフガラスを開閉させるサンルーフ装置に適用してもよい。
・上記実施形態並びに各変形例は適宜組み合わせてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(付記1)請求項2又は3に記載の車両窓開閉装置において、
前記車両窓が全閉位置又は全開位置にある場合には前記規制部による前記挟み込み防止制御の規制を解除する規制解除部を有することを特徴とする車両窓開閉装置。
この構成によれば、全閉位置又は全開位置において挟み込み防止制御の規制が解除される。
10…パワーウインド装置(車両窓開閉装置)、11…モータ、21…制御回路(制御部、変化検出部、巻き込み検出部)、24…操作スイッチ、WG…ウインドガラス(車両窓)、A…開口量、R0,R1…作動量。

Claims (3)

  1. モータの駆動力に基づく車両窓の開閉作動を制御する制御部と、
    前記車両窓の作動の状態の変化を検出する変化検出部と、
    前記変化検出部で検出された変化に基づいて前記車両窓の異物の巻き込みを検出する巻き込み検出部と、
    を備えた車両窓開閉装置であって、
    前記制御部は、操作スイッチが操作されている間だけ、前記車両窓を開作動させるマニュアル開作動又は前記車両窓を閉作動させるマニュアル閉作動可能に構成され、前記巻き込み検出がなされても前記マニュアル閉作動は許可されるように構成されており、
    前記制御部は、前記巻き込み検出後において、前記車両窓の開口量が制限閾値以上である場合には前記マニュアル閉作動において一度の閉作動の作動量を所定の作動量に設定するとともに、前記車両窓の開口量が制限閾値未満の場合には前記マニュアル閉作動において一度の閉作動の作動量を前記制限閾値以上の場合の前記所定の作動量よりも小さい作動量に設定することを特徴とする車両窓開閉装置。
  2. 請求項1に記載の車両窓開閉装置において、
    前記変化検出部で検出された変化に基づいて前記車両窓による異物の挟み込みを検出する挟み込み検出部を有し、
    前記制御部は、前記挟み込み検出による挟み込み判定に基づいて前記車両窓の閉作動を反転又は停止させる挟み込み防止制御を実行し、
    前記巻き込み検出後において、前記車両窓の閉作動中における前記挟み込み防止制御が実行されないように規制する規制部を有することを特徴とする車両窓開閉装置。
  3. 請求項2に記載の車両窓開閉装置において、
    前記制御部は、操作スイッチの所定操作に基づいて前記車両窓を全開位置又は全閉位置までオート作動可能に構成され、
    前記規制部は、前記挟み込み防止制御が実行されないように規制している場合には、前記車両窓のオート閉作動を禁止することを特徴とする車両窓開閉装置。
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