JP2017226140A - 3次元造形用ポリ乳酸組成物および3次元造形物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速造形時でも高い造形精度を有し、3次元造形物の造形安定性にも優れる3次元造形用ポリ乳酸組成物を提供する。【解決手段】L体の光学純度が96.0%以上のポリ乳酸を含み、200℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が37.0g/10分以下である3次元造形用ポリ乳酸組成物によって上記課題を解決した。【選択図】なし
Description
本発明は、3次元造形用ポリ乳酸組成物および3次元造形物の製造方法に関する。
従来、医療、建築、或いは製造等の分野では、所望の形状の製品や部品を得る目的で、3次元造形技術が用いられている。この技術として、CAD(computer aided design)データに基づいて、造形用素材を3次元に配置して造形する3Dプリント技術が知られている。この方法の1例である熱溶融積層法(Fused deposition modeling, FDM)の3次元造形技術では、モデル材と呼ばれるフィラメント状の樹脂組成物を、搬送ギアにより搬送チューブ内を経由して加熱ヘッドまで搬送し、溶融し吐出させ所定の形状の層を形成させる。更にこの操作を繰り返してモデル材を積層させることで、目的とする立体形状の造形物を得る。
FDM法のモデル材には、現在主にポリ乳酸(PLA)樹脂やアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)樹脂等が用いられている。
ポリ乳酸樹脂を延伸させることにより配向性と結晶性を高め、3次元造形時の造形精度を高める技術が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。また、表面研磨しやすい3次元造形用素材として、ポリ乳酸樹脂に対し、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体とを共重合して得られるスチレン系樹脂と、ガラス転移温度が20℃以下の熱可塑性樹脂と、可塑剤とを配合した樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、ポリ乳酸樹脂を延伸させて結晶性を高めても糸引き等の造形外観性は改善するが、造形精度はほとんど改善しない。また、延伸により巻き癖が強化され、造形時にフィラメントの絡まりが発生して造形失敗を発生する、という課題がある。
さらに、ポリ乳酸樹脂にスチレン系樹脂とガラス転移温度が20℃以下の熱可塑性樹脂と可塑剤とを配合した樹脂組成物では、後工程として研磨処理が必要となり、造形時間が長くなる、コストが高くなる、という課題がある。
したがって本発明の目的は、高速造形時でも高い造形精度を有し、3次元造形物の造形安定性にも優れる3次元造形用ポリ乳酸組成物を提供することにある。
上記課題は、下記構成1)により解決される。
1)L体の光学純度が96.0%以上のポリ乳酸を含み、200℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が37.0g/10分以下であることを特徴とする3次元造形用ポリ乳酸組成物。
1)L体の光学純度が96.0%以上のポリ乳酸を含み、200℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が37.0g/10分以下であることを特徴とする3次元造形用ポリ乳酸組成物。
本発明によれば、高速造形時でも高い造形精度を有し、3次元造形物の造形安定性にも優れる3次元造形用ポリ乳酸組成物を提供できる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
本発明者らは鋭意検討した結果、光学純度範囲が規定されたポリ乳酸を含み、かつ粘性を特定の範囲に制御したポリ乳酸組成物が、上記課題を解決できることを見出した。すなわち本発明の3次元造形用ポリ乳酸組成物は、マトリックス樹脂としてL体の光学純度が96.0%以上のポリ乳酸を含み、200℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が37.0g/10分以下であることを特徴とする。
ポリ乳酸は、L−乳酸(L体)および/またはD−乳酸(D体)を主たる構成成分とする重合体である。ここで、主たる構成成分とは、全構成成分のうち50モル%以上を占める成分を指す。
本発明におけるポリ乳酸は、L体の光学純度が96.0%以上であることが必要である。L体の光学純度が96.0%未満では、造形精度および造形安定性が悪化する。L体の光学純度は、98.0%以上であることがさらに好ましい。
なお、ポリ乳酸のL体の光学純度を上げると結晶性が高くなって機械特性が向上する。
本発明におけるポリ乳酸は、L体の光学純度が96.0%以上であることが必要である。L体の光学純度が96.0%未満では、造形精度および造形安定性が悪化する。L体の光学純度は、98.0%以上であることがさらに好ましい。
なお、ポリ乳酸のL体の光学純度を上げると結晶性が高くなって機械特性が向上する。
また、3次元造形において造形精度と造形安定性を両立させるためには、シャープメルト性が重要であり、高い結晶性が必要となる。特に、高速造形時にはシャープメルト性の効果が大きくなる。この観点からも、本発明におけるポリ乳酸は、L体の光学純度が96.0%以上であることが必要である。
なお、ポリ乳酸のL体の光学純度は、ポリ乳酸を構成するL体の乳酸とD体の乳酸の構成比率から求めることができる。該構成比率は、液体クロマトグラフ(LC)、核磁気共鳴分光計(NMR)等により測定することができる。
なお、L体の光学純度が96.0%以上であるポリ乳酸は合成しても良いが、市販されているものを利用できる。
本発明で使用されるポリ乳酸は、本発明の目的を損なわない範囲で、乳酸以外の他の共重合成分を共重合したものであってもよい。かかる他の共重合成分としては、例えば、多価カルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトンなどが挙げられる。
具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、フマル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸などの多価カルボン酸類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA、ビスフェノールAにエチレンオキシドを付加反応させた芳香族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの多価アルコール類、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸類、グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトンなどのラクトン類などを挙げることができる。これらの共重合成分を、1種または2種以上用いることができる。
具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、フマル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸などの多価カルボン酸類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA、ビスフェノールAにエチレンオキシドを付加反応させた芳香族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの多価アルコール類、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸類、グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトンなどのラクトン類などを挙げることができる。これらの共重合成分を、1種または2種以上用いることができる。
また本発明の3次元造形用ポリ乳酸組成物は、200℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が37.0g/10分以下であることが必要である。MFRが37.0g/10分を超えると、造形精度および造形安定性が悪化する。なお、MFRの下限値は特に限定されないが、造形効率の観点からは10.0g/10分以上であることが好ましい。
MFRは、37.0g/10分以下であることが好ましく、30.0g以下/10分であることがさらに好ましい。
MFRは、ISO 1133に基づき、メルトフローレーターで測定することができる。
本発明の3次元造形用ポリ乳酸組成物は、造形精度および造形安定性に加え、糸引き防止および液だれ防止の観点からも、上記のMFRを有することが好ましい。また、造形精度の向上には、造形時の高分子鎖配向も重要となり、分子鎖が互いに絡まること無く並行に配位していることが必要となる。さらに、造形安定性には造形時のファーストレイヤの密着性が重要であり、MFRを下げることによりファーストレイヤの接着面積は向上して密着性は高くなる。さらにまた、ファーストレイヤの密着性が高くなると反りの発生を防止できる。
本発明の3次元造形用ポリ乳酸組成物のMFRは、例えばポリ乳酸の重量平均分子量を調整することにより達成可能である。造形物の機械特性との兼ね合いを考慮すると、ポリ乳酸の重量平均分子量は、10.0万〜25.0万であることが好ましい。
ここで、重量平均分子量とは、GPCで測定したポリメチルメタクリレート(PMMA)換算の重量平均分子量をいう。
ここで、重量平均分子量とは、GPCで測定したポリメチルメタクリレート(PMMA)換算の重量平均分子量をいう。
本発明の3次元造形用ポリ乳酸組成物は、上記のようにポリ乳酸のL体の光学純度と、MFRを適切に設定しているため、該組成物の結晶性、粘性および分子配向も好適な範囲となり、3次元造形物の造形精度、造形安定性を両立させることができる。
本発明の3次元造形用ポリ乳酸組成物において、ポリ乳酸の含有量は、例えば85質量%以上であり、90質量%以上がさらに好ましい。
本発明の3次元造形用ポリ乳酸組成物は、熱可塑性エラストマーを含有することが好ましい。熱可塑性エラストマーは、溶融時に弾性体として作用することによりファーストレイヤの密着力を向上し、反りの発生を防止する。
熱可塑性エラストマーの含有量は、3次元造形用ポリ乳酸組成物全体に対し、5.0〜10.0質量%であることが好ましい。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリスチレン系、スチレン共重合体系、ポリオレフィン系、塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系などを挙げることができる。
本発明の3次元造形用ポリ乳酸組成物としては、ポリ乳酸以外にも必要に応じてその他の添加剤を配合することができる。添加剤としては、着色剤、可塑剤、核剤、改質剤、酸化防止剤、加水分解防止剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の3次元造形用ポリ乳酸組成物の形状はとくに制限されないが、例えばフィラメント形状、ペレット形状または粒子形状のいずれかであることができる。例えば、フィラメント形状とする場合には、公知の方法が使用可能である。
例示すると、単軸押出機にて組成物を溶融しながらフィラメント形状に押し出し、冷却しながら巻き取り機でボビン等に巻き取ることで作成可能である。フィラメントの直径は押出機の押出穴のサイズ、温度条件、巻き取り時の張力等で制御可能である。また冷却後、さらに加熱しながら、巻き取り時の張力を調整しフィラメントの延伸加工をすることも可能である。フィラメントの直径は、使用される3Dプリント機器に適するよう自由に調整すればよく、一般的には直径1.7〜3.0mmのフィラメントが使用される。
例示すると、単軸押出機にて組成物を溶融しながらフィラメント形状に押し出し、冷却しながら巻き取り機でボビン等に巻き取ることで作成可能である。フィラメントの直径は押出機の押出穴のサイズ、温度条件、巻き取り時の張力等で制御可能である。また冷却後、さらに加熱しながら、巻き取り時の張力を調整しフィラメントの延伸加工をすることも可能である。フィラメントの直径は、使用される3Dプリント機器に適するよう自由に調整すればよく、一般的には直径1.7〜3.0mmのフィラメントが使用される。
本発明の3次元造形用ポリ乳酸組成物を用いて3次元造形物を形成する方法としては、特に限定されないが、FDM法に基づく造形法が好ましい。この場合、公知の3次元造形機を用いることができ、例えば、上記のフィラメントを溶融して走査しながら吐出することで所定の形状の組成物の層を形成し、この操作を繰り返し行うことで積層する方法が挙げられる。
以下、本発明を実施例および比較例についてさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
実施例1
L体の光学純度が99.6%である、米国ネイチャーワークス社製のポリ乳酸を使用した。
該ポリ乳酸、酸化防止剤(アデカスタブ HP−10、アデカ製)、滑剤としてステアリン酸マグネシウム(SM−P、堺化学工業製)を用い、表1に記載した配合比率(質量%)で、二軸押出機(Xplore Instruments社製 MC15)にて溶融混練し、ポリ乳酸組成物を作製した。
L体の光学純度が99.6%である、米国ネイチャーワークス社製のポリ乳酸を使用した。
該ポリ乳酸、酸化防止剤(アデカスタブ HP−10、アデカ製)、滑剤としてステアリン酸マグネシウム(SM−P、堺化学工業製)を用い、表1に記載した配合比率(質量%)で、二軸押出機(Xplore Instruments社製 MC15)にて溶融混練し、ポリ乳酸組成物を作製した。
続いて、得られたポリ乳酸組成物を用い、日本バイナリー社製 3Dフィラメント材料製作エクスルーダーノズルプロを使用して、溶融温度200℃、吐出速度0.5m/分、延伸倍率1倍にて、直径約1.75mmのモノフィラメントを作製した。
次に、作製されたモノフィラメントをFDM方式3Dプリント機器(XYZプリンティング社製 ダヴィンチ 1.0Pro)を用いて、ノズル温度200℃、ベッド温度45℃、レイヤ高さ0.20mmの条件で3次元造形物を造形した。
3次元造形物について、以下の評価を行った。
(1)造形速度対応性
造形物を造形速度60mm/s、100mm/sで造形し、造形可否を評価した。
○:造形速度60mm/s、100mm/s共に造形成功。
△:造形速度60mm/sは造形成功、100mm/sは造形失敗。
×:造形速度60mm/s、100mm/s共に造形失敗。
(1)造形速度対応性
造形物を造形速度60mm/s、100mm/sで造形し、造形可否を評価した。
○:造形速度60mm/s、100mm/s共に造形成功。
△:造形速度60mm/sは造形成功、100mm/sは造形失敗。
×:造形速度60mm/s、100mm/s共に造形失敗。
(2)寸法精度
造形物の詳細寸法をノギスで計測し、造形物の3Dデータとの差異を評価した。
なお、造形物の寸法計測は、穴径、造形間距離、大きさ、造形傾き、反り量について実施した。
◎:計測した寸法と3Dデータとの差異は、±0.5%以内。
○:計測した寸法と3Dデータとの差異は、±0.5%より大きく±1.0%以内。
△:計測した寸法と3Dデータとの差異は、±1.0%より大きく±2.0%以内。
×:計測した寸法と3Dデータとの差異は、±2.0%より大きい。
造形物の詳細寸法をノギスで計測し、造形物の3Dデータとの差異を評価した。
なお、造形物の寸法計測は、穴径、造形間距離、大きさ、造形傾き、反り量について実施した。
◎:計測した寸法と3Dデータとの差異は、±0.5%以内。
○:計測した寸法と3Dデータとの差異は、±0.5%より大きく±1.0%以内。
△:計測した寸法と3Dデータとの差異は、±1.0%より大きく±2.0%以内。
×:計測した寸法と3Dデータとの差異は、±2.0%より大きい。
反り量の評価基準は、下記の通りである。
◎:造形物の左側を押さえ、平面と造形物右側の剥離が0.1mm以内。
○:造形物の左側を押さえ、平面と造形物右側の剥離が0.1mmより大きく、0.5mm以内。
△:造形物の左側を押さえ、平面と造形物右側の剥離が0.5mmより大きく、1.0mm以内。
×:造形物の左側を押さえ、平面と造形物右側の剥離が1.0mmより大きい。
◎:造形物の左側を押さえ、平面と造形物右側の剥離が0.1mm以内。
○:造形物の左側を押さえ、平面と造形物右側の剥離が0.1mmより大きく、0.5mm以内。
△:造形物の左側を押さえ、平面と造形物右側の剥離が0.5mmより大きく、1.0mm以内。
×:造形物の左側を押さえ、平面と造形物右側の剥離が1.0mmより大きい。
(3)造形安定性
造形物を一度の造形において20個(5×4配列)一括で造形し、造形成功率から造形安定性を評価した。
◎:造形成功率100%。
○:造形成功率90〜95%。
△:造形成功率80〜85%。
×:造形成功率80%より低い。
造形物を一度の造形において20個(5×4配列)一括で造形し、造形成功率から造形安定性を評価した。
◎:造形成功率100%。
○:造形成功率90〜95%。
△:造形成功率80〜85%。
×:造形成功率80%より低い。
結果を表2に示す。なお、上記で作製したモノフィラメントのMFRを、ISO 1133に基づき測定した。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1で用いたポリ乳酸より低い重量平均分子量のポリ乳酸を使用し、モノフィラメントのMFRを30.4g/10分に調整したこと以外は実施例1を繰り返した。結果を表2に示す。
実施例1で用いたポリ乳酸より低い重量平均分子量のポリ乳酸を使用し、モノフィラメントのMFRを30.4g/10分に調整したこと以外は実施例1を繰り返した。結果を表2に示す。
実施例3
L体の光学純度が98.6%である、米国ネイチャーワークス社製のポリ乳酸を使用したこと以外は実施例1を繰り返した。結果を表2に示す。
L体の光学純度が98.6%である、米国ネイチャーワークス社製のポリ乳酸を使用したこと以外は実施例1を繰り返した。結果を表2に示す。
実施例4
L体の光学純度が96.0%である、米国ネイチャーワークス社製のポリ乳酸を使用したこと以外は実施例1を繰り返した。結果を表2に示す。
L体の光学純度が96.0%である、米国ネイチャーワークス社製のポリ乳酸を使用したこと以外は実施例1を繰り返した。結果を表2に示す。
実施例5〜8
L体の光学純度が98.6%である、米国ネイチャーワークス社製のポリ乳酸と、イソブチレン−スチレン系熱可塑性エラストマー(シブスター 062T、カネカ製)とを表1に示す量で使用したこと以外は実施例1を繰り返した。結果を表2に示す。
L体の光学純度が98.6%である、米国ネイチャーワークス社製のポリ乳酸と、イソブチレン−スチレン系熱可塑性エラストマー(シブスター 062T、カネカ製)とを表1に示す量で使用したこと以外は実施例1を繰り返した。結果を表2に示す。
比較例1
実施例3で用いたポリ乳酸より低い重量平均分子量のポリ乳酸を使用し、モノフィラメントのMFRを37.8g/10分に調整したこと以外は実施例3を繰り返した。結果を表2に示す。
実施例3で用いたポリ乳酸より低い重量平均分子量のポリ乳酸を使用し、モノフィラメントのMFRを37.8g/10分に調整したこと以外は実施例3を繰り返した。結果を表2に示す。
比較例2〜3
L体の光学純度が95.6%である、米国ネイチャーワークス社製のポリ乳酸を表1に示す量で使用し、またイソブチレン−スチレン系熱可塑性エラストマー(シブスター 062T、カネカ製)を表1に示す量で使用しまたは使用しなかったこと以外は実施例1を繰り返した。結果を表2に示す。
L体の光学純度が95.6%である、米国ネイチャーワークス社製のポリ乳酸を表1に示す量で使用し、またイソブチレン−スチレン系熱可塑性エラストマー(シブスター 062T、カネカ製)を表1に示す量で使用しまたは使用しなかったこと以外は実施例1を繰り返した。結果を表2に示す。
表1および2の結果から、L体の光学純度が96.0%以上のポリ乳酸を含み、MFRが37.0g/10分以下である実施例の3次元造形用ポリ乳酸組成物を用いた3次元造形物は、高速造形時でも高い造形精度を有し、3次元造形物の造形安定性にも優れることが分かった。これに対し、比較例1ではMFRが本発明で規定する範囲外であり、比較例2および3ではポリ乳酸のL体の光学純度が本発明で規定する範囲外であるため、造形精度および造形安定性を同時に満たすことができなかった。
本発明の3次元造形用ポリ乳酸組成物は、高速造形時でも高い造形精度を有し、3次元造形物の造形安定性にも優れることから、とくに、熱溶融積層法(Fused deposition modeling, FDM)の3次元造形技術に有用である。
産業用3Dプリンターの最新技術・材料・応用事例、シーエムシー出版(2015)
Claims (7)
- L体の光学純度が96.0%以上のポリ乳酸を含み、200℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が37.0g/10分以下であることを特徴とする3次元造形用ポリ乳酸組成物。
- 熱可塑性エラストマーを含有することを特徴とする請求項1に記載の3次元造形用ポリ乳酸組成物。
- 前記3次元造形用ポリ乳酸組成物全体に対し、前記熱可塑性エラストマーを5.0〜10.0質量%含有することを特徴とする請求項2に記載の3次元造形用ポリ乳酸組成物。
- 前記ポリ乳酸のL体の光学純度が98.0%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の3次元造形用ポリ乳酸組成物。
- 前記200℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が30.0g/10分以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の3次元造形用ポリ乳酸組成物。
- フィラメント形状、ペレット形状または粒子形状のいずれかである請求項1〜5のいずれかに記載の3次元造形用ポリ乳酸組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の3次元造形用ポリ乳酸組成物を、熱溶融積層法によって造形する工程を有する3次元造形物の製造方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2018012539A1 (ja) * | 2016-07-15 | 2019-06-13 | ユニチカ株式会社 | 三次元造型法及びそれに用いる造型材料 |
WO2019146474A1 (ja) * | 2018-01-29 | 2019-08-01 | コニカミノルタ株式会社 | 立体造形用樹脂組成物、立体造形物、および立体造形物の製造方法 |
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2016
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WO2019146474A1 (ja) * | 2018-01-29 | 2019-08-01 | コニカミノルタ株式会社 | 立体造形用樹脂組成物、立体造形物、および立体造形物の製造方法 |
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