(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。油冷式空気圧縮機1は、油冷式のスクリュー圧縮機である圧縮機本体2、油分離回収器3、油冷却器4、及び油水分離装置5(本実施形態ではコアレッサー式の油水分離装置)を備える。
図27を併せて参照すると、圧縮機本体2は、ロータ室2aに収容された雌雄一対のロータ(スクリューロータ)2b,2b(本実施形態では図示していない駆動装置により回転駆動される)を備える。また、ロータ室2aと連通する吸込口2cと吐出口2dとが設けられている。
圧縮機本体2の吐出口2dは吐出流路6を介して油分離回収器3に接続されている。本実施形態では、吐出流路6に油水分離装置5が設けられている。
油分離回収器3の下部の油溜りは第1の給油流路7を介して圧縮機本体2の吸込口2cに接続されている。図27において符号P1で第1の給油流路7の吸込口2cの接続位置、つまり給油位置を概念的に示す。第1の給油流路7に油冷却器4が設けられている。
圧縮機本体2のロータ室2a内では、ロータ2b,2bの歯溝とロータ室2aの内壁で形成される空間がロータ2b,2bの回転に伴って移動しつつ容積が減少し、それによって吸込口2cから吸引された空気が圧縮されて吐出口2dから吐出される。吐出口2dから吐出された圧縮空気は吐出流路6を通って油分離回収器3に流入する。油分離回収器3では、圧縮空気から潤滑油が分離され下部の油溜りに一時的に溜められる。潤滑油が分離された圧縮空気は油分離回収器3の出口3aから図示しない下流側へ送られる。
油分離回収器3の油溜りに溜められた潤滑油は、油分離回収器3と圧縮機本体2(吸込口2c)との差圧により第1の給油流路7を通って圧縮機本体2(図27の給油位置P1)へ流れる。第1の給油流路7を通って圧縮機本体2へ流れる潤滑油は、油冷却器4を通過する際に冷却される。
油冷却器4は、吸込口2cから吸引された空気が圧縮機本体2内で露点以下となる温度に潤滑油を冷却する。言い換えると、油冷却器4は、圧縮機本体2の吐出口2dから吐出される圧縮空気の温度(吐出温度)が露点(水の凝縮温度)以下となる給油温度となるように、圧縮機本体2へ給油される潤滑油を冷却する。吸込口2cから吸引された空気が圧縮機本体2内で露点以下となり、圧縮機本体2内で圧縮空気内の水分が析出することにより、吐出空気量の増加等による性能向上を図ることができ、省エネルギ性が向上する。また、吐出温度は露点以下であって高温としないので、潤滑油の温度劣化を防止できる。油冷却器4の冷却能力は、圧縮機本体2の諸元等に応じて吐出温度が露点以下となるように設定される。
吐出温度を露点以下としたことで、圧縮機本体2の吐出口2dから吐出される圧縮空気内には析出した水分が含まれる。潤滑油内に混在する水分は潤滑油劣化の原因となる。しかし、吐出流路6に油水分離装置5が設けられているので、圧縮機本体2から油分離回収器3へ流れる圧縮空気に含まれる潤滑油から水分が分離される。つまり、油水分離装置5を設けて潤滑油と水分を分離することで、水分混在に起因する潤滑油劣化を防止できる。また、本実施形態では、吐出流路6に油水分離装置5を設けているので、油分離回収器3内において水分が析出して油溜りにドレン水として溜まるのを防止できる。
以上のように、本実施形態の油冷式空気圧縮機では、圧縮機本体2の吐出温度を露点以下とすることで性能向上と潤滑油の温度劣化防止を実現しつつ、圧縮機本体2の吐出温度を露点以下としたことによる潤滑油中の水分混在とそれに起因する潤滑油劣化とを、油水分離装置5を設けることで防止している。また、圧縮空気は、圧縮機本体2の吐出口2dから吐出された時点ですでに露点以下となっているので、圧縮空気の流れにおいて下流側となる位置に、圧縮空気冷却器ないしは圧縮空気の水分を除去するドライヤを設置する際には、その冷却能力をより小さいものとすることができる。
油水分離装置5において潤滑油から水分をより容易かつ確実に分離するためには、潤滑油は疎水性を有することが好ましい。また、水より低比重の潤滑油、つまり水と比重差のある潤滑油を使用することで、油水分離装置5において潤滑油から水分をより容易かつ確実に分離できる。例えば、潤滑油の比重が0.95以下であることが好ましい。
(第2実施形態)
図2は本発明の第2実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。油冷却器4は、吸込口2cから吸引された空気が圧縮機本体2内で露点以下となる温度に潤滑油を冷却する。言い換えると、油冷却器4は、圧縮機本体2の吐出温度が露点以下となる給油温度となるように、第1の給油流路7により圧縮機本体2へ給油される潤滑油を冷却する。潤滑油から水分を分離するための油水分離装置5(本実施形態ではコアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置)は、油分離回収器3内に設けられている。油分離回収器3内に油水分離装置5を設けることで、油分離回収器3と油水分離装置5とをそれぞれ別個に設ける場合と比較して、油冷式空気圧縮機1の設置投影面積の増加の回避できる。
第2実施形態のその他構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図3は本発明の第3実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。油冷却器4は、吸込口2cから吸引された空気が圧縮機本体2内で露点以下となる温度に潤滑油を冷却する。言い換えると、油冷却器4は、圧縮機本体2の吐出温度が露点以下となる給油温度となるように、第1の給油流路7により圧縮機本体2へ給油される潤滑油を冷却する。潤滑油から水分を分離するための油水分離装置5(本実施形態ではコアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置)は、第1の給油流路7に設けられている。具体的には、油水分離装置5は第1の給油流路7の油冷却器4よりも上流側に設けられている。第1の給油流路7に油水分離装置5を設けることで、ポンプによる圧送を要することなく、油水分離装置5に潤滑油を流入させることができる。なお、第1の給油流路7の油冷却器4よりも下流側に油水分離装置5を設けてもよい。
第3実施形態のその他構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第4実施形態)
図4は本発明の第4実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。油冷却器4は、吸込口2cから吸引された空気が圧縮機本体2内で露点以下となる温度に潤滑油を冷却する。言い換えると、油冷却器4は、圧縮機本体2の吐出温度が露点以下となる給油温度となるように、第1の給油流路7により圧縮機本体2へ給油される潤滑油を冷却する。
本実施形態では、第1の給油流路7とは別に、油分離回収器3の油溜りと圧縮機本体2の吸込み側を接続する第2の給油流路8が設けられている。本実施形態の第2の給油流路8の圧縮機本体2への給油位置は、図27の符号P1に示すように吸込口2cである。第2の給油流路8に油水分離装置5(本実施形態ではコアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置)が設けられている。第2の給油流路8を設けて吸込口2cに給油することで圧縮機本体2への吸込空気を冷却でき、それによって吐出空気量の増加等による性能向上を図ることができる。
第4実施形態のその他構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第5実施形態)
図5は本発明の第5実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。油冷却器4は、吸込口2cから吸引された空気が圧縮機本体2内で露点以下となる温度に潤滑油を冷却する。言い換えると、油冷却器4は、圧縮機本体2の吐出温度が露点以下となる給油温度となるように、第1の給油流路7により圧縮機本体2へ給油される潤滑油を冷却する。
本実施形態では、第1の給油流路7とは別に、油分離回収器3の油溜りと圧縮機本体2の吸込み側を接続する第2の給油流路8が設けられている。本実施形態の第2の給油流路8の圧縮機本体2への給油位置は、図27の符号P3で示すようにロータ室2aの吸込口2cの直後の空間部(閉じ込み直後)に設定されている。第2の給油流路8に油水分離装置5(本実施形態ではコアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置)が設けられている。第2の給油流路8を設けて圧縮機本体2の閉じ込み直後に給油することで、圧縮開始時の空気を冷却でき、それによって吐出空気量の増加等による性能向上を図ることができる。
第5実施形態のその他構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第6実施形態)
図6は本発明の第6実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。油冷却器4は、吸込口2cから吸引された空気が圧縮機本体2内で露点以下となる温度に潤滑油を冷却する。言い換えると、油冷却器4は、圧縮機本体2の吐出温度が露点以下となる給油温度となるように、第1の給油流路7により圧縮機本体2へ給油される潤滑油を冷却する。
本実施形態では、第1の給油流路7とは別に、油分離回収器3の油溜りと圧縮機本体2の吸込み側を接続する第2の給油流路8が設けられている。本実施形態の第2の給油流路8の圧縮機本体2への給油位置は、図27の符号P2で示すように圧縮過程にあるロータ室2aにおけるロータ2b,2bに給油するように設定されている。第2の給油流路8に油水分離装置5(本実施形態ではコアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置)が設けられている。第2の給油流路8を設けてロータ2b,2bに給油することで、圧縮により加熱された空気を冷却でき、それによって吐出空気量の増加等による性能向上を図ることができる。
第6実施形態のその他構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第7実施形態)
図7は本発明の第7実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。油冷却器4は、吸込口2cから吸引された空気が圧縮機本体2内で露点以下となる温度に潤滑油を冷却する。言い換えると、油冷却器4は、圧縮機本体2の吐出温度が露点以下となる給油温度となるように、第1の給油流路7により圧縮機本体2へ給油される潤滑油を冷却する。
本実施形態では、第1の給油流路7とは別に、油分離回収器3の油溜りと圧縮機本体2の吸込み側を接続する第2の給油流路8が設けられている。本実施形態の第2の給油流路8の圧縮機本体2への給油位置は、図27の符号P4で示すようにロータ室2aの吐出口2dの直前の空間部(吐出直前)に設定されている。第2の給油流路8には潤滑油を圧送するためのポンプ10が設けられている。また、第2の給油流路8にはポンプ10より下流側に油水分離装置5(本実施形態ではコアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置)が設けられている。第2の給油流路8を設けて圧縮機本体2の吐出直前に給油することで、圧縮機本体2の吐出口2dからの吐出後の圧縮空気を冷却できる。
第7実施形態のその他構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第8実施形態)
図8は本発明の第8実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。油冷却器4は、吸込口2cから吸引された空気が圧縮機本体2内で露点以下となる温度に潤滑油を冷却する。言い換えると、油冷却器4は、圧縮機本体2の吐出温度が露点以下となる給油温度となるように、第1の給油流路7により圧縮機本体2へ給油される潤滑油を冷却する。
本実施形態では、第1の給油流路7とは別に、油分離回収器3の油溜りと圧縮機本体2の吐出口2dの直後の流路とを接続する戻し流路9が設けられている。戻し流路9の吐出口2dの直後の流路に対する合流位置を、図27において符号P5で概念的に示す。戻し流路9には油分離回収器3から合流位置P5に向けて潤滑油を圧送するポンプ11が設けられている。また、戻し流路9にはポンプ11よりも下流側に油水分離装置5(本実施形態ではコアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置)が設けられている。戻し流路9を設けて吐出口2dの直後の流路に給油することで、圧縮機本体2の吐出口2dからの吐出後の圧縮空気を冷却できる。
第8実施形態のその他構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第9実施形態)
図9は本発明の第9実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。油冷却器4は、吸込口2cから吸引された空気が圧縮機本体2内で露点以下となる温度に潤滑油を冷却する。言い換えると、油冷却器4は、圧縮機本体2の吐出温度が露点以下となる給油温度となるように、第1の給油流路7により圧縮機本体2へ給油される潤滑油を冷却する。
本実施形態では、油分離回収器3の油溜りと油冷却器4の下流側の第1の給油流路7とを油冷却器4を迂回して接続するバイパス流路12が設けられている。バイパス流路12に油水分離装置5(本実施形態ではコアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置)が設けられている。油分離回収器3と圧縮機本体2(吸込口2c)との差圧により、潤滑油がバイパス流路12を通って油分離回収器3から第1の給油流路7との合流点へ流れる。つまり、ポンプを用いることなく、潤滑油を油水分離装置5に流入させることができる。また、いずれも潤滑油の流れに対する圧力損失である油冷却器4と油水分離装置5は異なる流路(前者が第1の給油流路7で後者がバイパス流路12)に設けられて並列的に配置されるので、油分離回収器3から圧縮機本体2までの流路全体として潤滑油の流動抵抗を低減できる。
第9実施形態のその他構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第10実施形態)
図10は本発明の第10実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。油冷却器4は、吸込口2cから吸引された空気が圧縮機本体2内で露点以下となる温度に潤滑油を冷却する。言い換えると、油冷却器4は、圧縮機本体2の吐出温度が露点以下となる給油温度となるように、第1の給油流路7により圧縮機本体2へ給油される潤滑油を冷却する。
本実施形態では、第1の給油流路7の油冷却器4よりも上流側から分岐して油冷却器4よりも下流側で第1の給油流路7に合流するバイパス流路12が設けられている。油分離回収器3と圧縮機本体2との差圧により、潤滑油がバイパス流路12を通って油冷却器4を迂回して流れる。つまり、ポンプを用いることなく、潤滑油を油水分離装置5(本実施形態ではコアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置)に流入させることができる。第9実施形態と同様に、油冷却器4と油水分離装置5を異なる流路に並列的に配置したことで、油分離回収器3から圧縮機本体2までの流路全体として潤滑油の流動抵抗を低減できる。
第10実施形態のその他構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第11実施形態)
図11に示す本発明の第11実施形態に係る油冷式空気圧縮機1は、第10実施形態と同じく、第1の給油流路7の油冷却器4よりも上流側から分岐して油冷却器4よりも下流側で第1の給油流路7に合流するバイパス流路12を備える。バイパス流路12には油水分離装置5(本実施形態ではコアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置)の前後(油水分離装置5の上流側直前と下流側直後)にバイパス流路12を通る潤滑油の流れを遮断できる開閉弁13A,13Bが設けられている。これらの開閉弁13A,13Bは、手動であっても電磁弁であってもよい。開閉弁13A,13Bは、通常時は開弁状態で維持されている。開閉弁13A,13Bを閉弁すると油水分離装置5をバイパス流路12から切り離すことできる。開閉弁13A,13Bを一時的に閉弁することで、油冷式空気圧縮機1の運転中であっても油水分離装置5のメンテナンスが可能である。
第11実施形態のその他構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
図4から図9並びに後に言及する図12から図15において二点鎖線で示すように、第4から第9実施形態並びに第12から第15実施形態についても、油水分離装置5の前後に本実施形態と同様の開閉弁13A,13Bを設けもよい。
(第12実施形態)
図12は本発明の第12実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。油冷却器4は、吸込口2cから吸引された空気が圧縮機本体2内で露点以下となる温度に潤滑油を冷却する。言い換えると、油冷却器4は、圧縮機本体2の吐出温度が露点以下となる給油温度となるように、第1の給油流路7により圧縮機本体2へ給油される潤滑油を冷却する。
本実施形態では、油分離回収器3の油溜りからポンプ14を介して油分離回収器3に戻る循環流路15が設けられている。循環流路15のポンプ14より下流側に油水分離装置5(本実施形態ではコアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置)が設けられている。第1の給油流路7とは別系統の循環流路15に油水分離装置5を設けることで、油水分離装置5を設けることよって第1の給油流路7に圧力損失が生じるのを回避できる。
第12実施形態のその他構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第13実施形態)
図13に本発明の第13実施形態に係る油冷式空気圧縮機1は、圧縮機本体2から吐出される圧縮空気の温度である吐出温度が露点以下となるように圧縮機本体への給油温度を調節する機構(給油温度調節機構)を備えている。この点は後述する第14及び第15実施形態も同様である。
第1の給油流路7とは別に、油分離回収器3の油溜りと圧縮機本体2の吸込み側(例えば、図27の符号P3)を接続する第2の給油流路8が設けられている。この第2の給油流路8に油水分離装置5(本実施形態ではコアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置)が設けられている。
第1の給油流路7には油冷却器4より上流側に温度調節弁として機能する三方弁16が設けられている。この三方弁16でバイパス給油流路17が第1の給油流路7から分岐している。バイパス給油流路17は圧縮機本体2の吸込み側(例えば、図27の符号P3)に接続されている。
三方弁16は、油分離回収器3の油溜りを第1の給油流路7を介し、油冷却器4を通って圧縮機本体2に連通させる状態(第1の状態)と、油分離回収器3の油溜りを油冷却器4を迂回するバイパス給油流路17を介して圧縮機本体2に連通させる状態(第2の状態)とに切り換え可能である。
圧縮機本体2の吐出口2dから吐出される圧縮空気の温度である吐出温度を直接又は間接的に測定する温度センサ18が設けられている。本実施形態では、温度センサ18は油分離回収器3に設けられ、油分離回収器3の温度を測定することで、吐出温度を間接的に測定する。しかし、温度センサ18を吐出口2d又はその近傍に配置し、吐出温度を直接測定してもよい。また、油分離回収器3以外の箇所に温度センサ18を配置することで、吐出温度を間接的に測定してもよい。
コントローラ19は、圧縮機本体2の吐出口2dから吐出される圧縮空気の温度である吐出温度が露点以下なるように、温度センサ18の検出温度に応じて三方弁16を制御する。具体的には、コントローラ19は、温度センサ18により測定された温度に基づいて、吐出温度が露点以上であると判断すれば、三方弁16を第1の状態とする。この第1の状態では、油分離回収器3からの潤滑油(第2の給油流路8を通る流量は除く)は、油冷却器4を通過して第1の給油流路7を通って圧縮機本体2に供給される。一方、コントローラ19は、温度センサ18により測定された温度に基づいて、吐出温度が露点未満であると判断すれば、三方弁16を第2の状態とする。この第2の状態では、油分離回収器3からの潤滑油(第2の給油流路8を通る流量は除く)は、油冷却器4を通過することなくバイパス給油流路17を通って圧縮機本体2に供給される。
三方弁16が第1の状態になるときに圧縮機本体2に供給される潤滑油(油冷却器4で冷却される)は、三方弁16が第2の状態になるときに圧縮機本体2に供給される潤滑油(油冷却器4で冷却されない)よりも低温である。よって、コントローラ19が温度センサ18の検出温度に応じて三方弁16を切り換えることで圧縮機本体2に供給される潤滑油の温度を調整し、それによって吐出温度を露点以下に保つことができる。なお、コントローラ19は、圧縮空気の温度が露点よりもわずかに高い第1の設定温度となったときに三方弁16を第2の状態から第1の状態に切り換え、圧縮空気の温度が露点よりもわずかに低い第2の設定温度となったとき三方弁16を第1の状態から第2の状態に切り換えてもよい。
第13実施形態のその他構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
なお、図1から図12において二点鎖線で示すように、第1から第12実施形態についても本実施形態と同様の三方弁16とバイパス給油流路17を設けてもよい。この場合、圧縮機本体2の吐出口2dから吐出される圧縮空気の温度である吐出温度を直接又は間接的に測定する温度センサに応じてコントローラ(これらの図面には図示せず)が三方弁16を切り換えることで、圧縮機本体2の吐出温度が露点以下となるように圧縮機本体2への給油温度を調節できる。
(第14実施形態)
図14は本発明の第14実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。
第1の給油流路7とは別に、油分離回収器3の油溜りと圧縮機本体2の吸込み側(例えば、図27の符号P3)を接続する第2の給油流路8が設けられている。この第2の給油流路8に油水分離装置5(本実施形態ではコアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置)が設けられている。
第1の給油流路7には、油冷却器4より上流側に開閉を電気的に制御可能な開閉弁としての電磁弁21が設けられている。
圧縮機本体2の吐出口2dから吐出される圧縮空気の温度である吐出温度を直接又は間接的に測定する温度センサ18が油分離回収器3に設けられている。温度センサ18の配置位置と検出する温度が限定されない点は、第13実施形態において説明した通りである。
コントローラ19は、吐出温度が露点以下となるように、温度センサ18の検出温度に応じて電磁弁21を制御する。具体的には、コントローラ19は、温度センサ18により測定された温度に基づいて吐出温度が露点以上であると判断すれば、電磁弁21を開弁状態とする。電磁弁21が開弁状態であると、油分離回収器3からの潤滑油は、すべて油冷却器4を通過して第1の給油流路7を通って圧縮機本体2に供給される。一方、コントローラ19は、温度センサ18により測定された温度に基づいて吐出温度が露点未満であると判断すれば、電磁弁21を閉弁状態とする。電磁弁21が閉弁状態であると、油分離回収器3から潤滑油は、すべて油冷却器4を通過することなく第2の給油流路8を通って圧縮機本体2に供給される。
電磁弁21が開弁状態になるときに圧縮機本体2に供給される潤滑油(油冷却器4で冷却される)は、電磁弁21が閉弁状態になるときに圧縮機本体2に供給される潤滑油(油冷却器4で冷却されない)よりも低温である。よって、コントローラ19が温度センサ18の検出温度に応じて電磁弁21の開閉状態を切り換えることで圧縮機本体2に供給される潤滑油の温度を調整し、それによって吐出温度を露点以下に保つことができる。なお、コントローラ19は、圧縮空気の温度が露点よりもわずかに高い第1の設定温度となったときに電磁弁21を閉弁状態から開弁状態に切り換え、圧縮空気の温度が露点よりもわずかに低い第2の設定温度となったときに電磁弁21を開弁状態から閉弁状態に切り換えてもよい。
なお、図14において破線で示すように、第2の給油流路8に電磁弁21と同様の別の電磁弁121を設けてもよい。この場合、コントローラ19は電磁弁21の開閉状態とは逆に電磁弁121の開閉状態を切り換える。
また、図4から図7、並びに図9から図11に示すように、第4から第7実施形態並びに第9から第11実施形態についても本実施形態と同様の電磁弁21を第1の給油流路7の油冷却器4よりも上流側に設けてもよい。これらの構成のうち、第4から第7実施形態(図4から図7)については、電磁弁21の開閉状態に応じて、油分離回収器3からの潤滑油が第1の給油流路7(油冷却器4を通る)又は第2の給油流路8(油冷却器4を通らない)を通って圧縮機本体2に供給される。また、第9から第11実施形態(図9から図11)については、電磁弁21の開閉状態に応じて、油分離回収器3からの潤滑油が第1の給油流路7(油冷却器4を通る)又はバイパス流路12(油冷却器4を通らない)を通って圧縮機本体2に供給される。
第14実施形態のその他構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第15実施形態)
図15は本発明の第15実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。
本実施形態では、第1の給油流路7の油冷却器4よりも上流側から分岐して油冷却器4よりも下流側で第1の給油流路7に合流するバイパス流路12が設けられている。バイパス流路12に油水分離装置5(本実施形態ではコアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置)が設けられている。
第1の給油流路7には油冷却器4よりも上流側であるバイパス流路12の分岐位置に三方弁22が設けられている。三方弁22は、油分離回収器3の油溜りを油冷却器4を通って圧縮機本体2に連通させる状態(第1の状態)と、油分離回収器3の油溜りを油冷却器4を迂回してバイパス流路12を介して圧縮機本体2に連通させる状態(第2の状態)とに切り換え可能である。
圧縮機本体2の吐出口2dから吐出される圧縮空気の温度である吐出温度を直接又は間接的に測定する温度センサ18が油分離回収器3に設けられている。温度センサ18の配置位置と検出する温度が限定されない点は、第13実施形態において説明した通りである。
コントローラ19は、吐出温度が露点以下なるように、温度センサ18の検出温度に応じて三方弁22を制御する。具体的には、コントローラ19は、温度センサ18により測定された温度に基づいて圧縮空気の温度が露点以上であると判断すれば、三方弁22を第1の状態とする。この第1の状態では、油分離回収器3からの潤滑油は、すべて油冷却器4を通過して第1の給油流路7を通って圧縮機本体2に供給される。一方、コントローラ19は、温度センサ18により測定された温度に基づいて吐出温度が露点未満であると判断すれば、三方弁22を第2の状態とする。この第2の状態では、油分離回収器3からの潤滑油は、すべて油冷却器4を通過することなくバイパス流路12を通って圧縮機本体2に供給される。
三方弁22が第1の状態になるときに圧縮機本体2に供給される潤滑油(油冷却器4で冷却される)は、三方弁22が第1の状態になるときに圧縮機本体2に供給される潤滑油(油冷却器4で冷却されない)よりも低温である。よって、コントローラ19が温度センサ18の検出温度に応じて三方弁22を切り換えることで圧縮機本体2に供給される潤滑油の温度を調整し、それによって吐出温度を露点以下に保つことができる。なお、コントローラ19は、圧縮空気の温度が露点よりもわずかに高い第1の設定温度となったとき三方弁22を第2の状態から第1の状態に切り換え、圧縮空気の温度が露点よりもわずかに低い第2の設定温度となったとき三方弁22を第1の状態から第2の状態に切り換えてもよい。
第15実施形態のその他構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第16実施形態)
図16は本発明の第16実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。油冷却器4は、吸込口2cから吸引された空気が圧縮機本体2内で露点以下となる温度に潤滑油を冷却する。言い換えると、油冷却器4は、圧縮機本体2の吐出温度が露点以下となる給油温度となるように、第1の給油流路7により圧縮機本体2へ給油される潤滑油を冷却する。
第1から第15実施形態の油冷式空気圧縮機1は、コアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置5を備える。これに対し、本実施形態では、減圧式の油水分離装置25を備える。
減圧式の油水分離装置25は、開放流路23と、電磁弁24と、水分液面センサ26と、水分放出制御部27とを備える。本実施形態では、水分放出制御部27は、コントローラ19に設けられている。
開放流路23の一端は、油分離回収器3内の潤滑油の液面の上方に形成される空間に連通している。開放流路23の他端は、油分離回収器3の外部の大気と連通している。開放流路23の他端は、開放流路23の一端と他端との間が連通していない状態(油冷式空気圧縮機1の通常運転時)における油分離回収器3内の液面より上方の空間よりも低圧の空間に連通していればよい。そのため、開放流路23の他端は、大気に限定されず、大気圧以下の空間(例えば内圧が大気圧以下に設定されたタンク)に接続してもよい。
電磁弁24は開放流路23に設けられている。電磁弁24は、閉弁状態と開弁状態とに切り換え可能である。電磁弁24は、常閉型と常開型のいずれでもよい。通常時の電磁弁24は閉弁状態である。電磁弁24が閉弁状態であると、開放流路23を介した油分離回収器3内の空間と大気との連通は遮断される。電磁弁24が開状態であると、油分離回収器3内の空間と大気は開放流路23を介して互い連通する。
水分液面センサ26は、油分離回収器3内の水(凝縮水)と潤滑油の境界面、つまり水分の液面高さ(水分液面高さ)を検出し、検出した水分液面高さを水分放出制御部27に出力する。水分液面センサ26は、フロート式のような接触式であってもよく、静電容量式のような非接触式であってもよい。
水分液面センサ26は油冷式空気圧縮機1内(例えば、油分離回収器3内)の水分量を検出するために設けられている。油冷式空気圧縮機1内の水分量を検出は、水分液面センサ26に代えて、油分離回収器3内の潤滑油に含まれる水分量(相対水分量)を測定するように設けられた水分量センサにより行ってもよい。水分量センサとしては、公知の静電容量式のものを採用できる。水分量センサで測定された水分量は水分放出制御部27に出力される。なお、水分液面センサ26を水分量センサに置き換え可能であることは、他の実施形態においても同様である。そのため、以降の実施形態でのこの点についての説明は、特に必要な場合を除いて省略する。
水分放出制御部27は、水分液面センサ26から入力される水分液面高さに応じて電磁弁24の開閉状態を制御する。
具体的には、水分放出制御部27は、水分液面センサ26から入力される水分液面高さの測定値が、予め定められた設定値(第1の設定値)に達すると電磁弁24を一時的に閉弁状態から開弁状態に切り換える。この設定値は、油冷式空気圧縮機1内(本実施形態では油分離回収器3内)の水分量が多いと判断できる値に設定されている。
電磁弁24が閉弁状態から開弁状態に切り換えられると、開放流路23を介して油分離回収器3内の空間と大気が連通する。つまり、油分離回収器3内の空間が大気開放される。この大気開放により油分離回収器3内の空間が減圧される。その結果、油分回収器3内において水分が膨張し、圧縮空気と共に大気に放出される。圧縮空気と共に大気に放出されることで、油分離回収器3内の潤滑油から水分が分離される。
電磁弁24の開弁状態は、効果的に水分を排出できる程度に継続される。例えば、水分放出制御部27は、予め定められた一定時間だけ電磁弁24の開弁状態を継続させてもよい。また、水分放出制御部27は、水分液面センサ26から入力される水分液面高さの測定値が予め設定された設定値(第1の設定値より低水位である第2の設定値)に達するまで、電磁弁24の開弁状態を継続させてもよい。
前述のように水分液面センサ26に代えて水分量センサを採用する場合、水分放出制御部27は、水分量センサにより測定される水分量(相対水分量)が予め定めた設定値(例えば10%)に達すると、電磁弁24を一時的に閉弁状態から開弁状態に切り換える。水分放出制御部27は、予め定められた一定時間だけ電磁弁24の開弁状態を継続させてもよい。また、水分量センサにより測定される水分量が予め設定された別の設定値(例えば10%より低い特定の値)に低下するまで、電磁弁24の開弁状態を継続させてもよい。
第16実施形態のその他の構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第17実施形態)
図17は本発明の第17実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。本実施形態では、第16実施形態の水分液面センサ26(図16参照)に代えて、2つの温度センサ28,29を備える。言い換えれば、本実施形態における水分放出制御部27は、第16実施形態と異なる手段で、油冷式空気圧縮機1内(例えば、油分離回収器3内)の潤滑油に含まれる水分量(相対水分量)が多いか否かを判断する。
一方の温度センサ28は、圧縮機本体2の吐出口2dから吐出される圧縮空気の温度である吐出温度を直接又は間接的に測定し、測定した吐出温度を水分放出制御部27に出力する。他方の温度センサ29と、圧縮機本体2の吸込口2cから吸入される空気の温度である吸込温度を直接又は間接的に測定し、測定した吸込温度を水分放出制御部27に出力する。
水分放出制御部27は、温度センサ28により測定された吐出温度と温度センサ29により測定された吸込温度との温度差、圧縮機本体2の吐出量、及び圧縮機本体2の運転時間(コントローラ19が備えるタイマ31により計時される)とに基づいて、油分離回収器3内の水分量(凝縮水量)を推定ないし計算する。また、水分放出制御部27は、計算された水分量が予め定めた設定値を超えると、電磁弁24を一時的に閉弁状態から開弁状態に切り換える。水分放出制御部27は、予め定められた一定時間だけ電磁弁24の開弁状態を継続させてもよい。また、水分放出制御部27は、計算される水分量が予め設定された別の設定値(例えば開弁の設定値よりも低い特定の値)に低下するまで、電磁弁24の開弁状態を継続させてもよい。
第17実施形態のその他の構成及び作用は、第16実施形態と同様である。
(第18実施形態)
図18は本発明の第18実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。本実施形態では、第16実施形態の水分液面センサ26(図16参照)に代えて、電磁弁24が閉状態で維持されている時間を計時するタイマ32を備える。言い換えれば、本実施形態における水分放出制御部27は、第16実施形態と異なる手段で、油冷式空気圧縮機1内(例えば、油分離回収器3内)の油に含まれる水分量(相対水分量)が多いか否かを判断する。
水分放出制御部27は、タイマ32により計時された電磁弁24が閉状態で維持されている時間が予め定められた設定時間(例えば10時間)に達すると、電磁弁24を一時的に閉弁状態から開弁状態に切り換える。水分放出制御部27は、例えば、予め定められた一定時間だけ電磁弁24の開弁状態を継続させる。
第18実施形態のその他の構成及び作用は、第16実施形態と同様である。
(第19実施形態)
図19は本発明の第19実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。油冷却器4は、吸込口2cから吸引された空気が圧縮機本体2内で露点以下となる温度に潤滑油を冷却する。言い換えると、油冷却器4は、圧縮機本体2の吐出温度が露点以下となる給油温度となるように、第1の給油流路7により圧縮機本体2へ給油される潤滑油を冷却する。
第16から第18実施形態(図16から図18)では、水分放出制御部27は、油冷式空気圧縮機1内(例えば、油分離回収器3内)の水分量に応じて、電磁弁24の開閉状態を制御している。これに対して、本実施形態における水分放出制御部27は、油冷式空気圧縮機1内の水分量に代えて、圧縮機本体2の吐出圧力に応じて電磁弁24の開閉状態を制御する。
本実施形態では、圧縮機本体2の吐出口2dから吐出される圧縮空気の圧力を検出する圧力センサ33が設けられている。圧力センサ33は、検出した圧縮空気の圧力(吐出圧力)を水分放出制御部27に出力する。
水分放出制御部27は、圧力センサ33が検出した吐出圧力が予め定められた設定値(第1の設定値)に達すると、電磁弁24を一時的に閉弁状態から開弁状態に切り換える。この設定値は、例えば、アンロード圧力や運転停止圧力に達したことを示す吐出圧力に設定される。
電磁弁24が閉弁状態から開弁状態に切り換えられると、開放流路23を介して油分離回収器3内の空間と大気が連通。その結果、減圧された油分回収器3内において水分が膨張し、圧縮空気と共に大気に放出される。圧縮空気と共に大気に放出されることで、油分離回収器3内の水分が潤滑油から分離される。
電磁弁24の開弁状態は、効果的に水分を排出できる程度に継続される。例えば、水分放出制御部27は、予め定められた一定時間だけ電磁弁24の開弁状態を継続させてもよい。また、水分放出制御部27は、圧力センサ33から入力される吐出圧力の測定値が予め設定された設定値(第1の設定値より低圧である第2の設定値)に達するまで、電磁弁24の開弁状態を継続させてもよい。吐出圧力が増大したときに電磁弁24の開弁状態とすることで、減圧式の油水分離装置25での水分放出による外部負荷への影響を低減できる。
第19実施形態のその他の構成及び作用は、第16実施形態と同様である。
(第20実施形態)
図20は本発明の第20実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。本実施形態における水分放出制御部27は、油冷式空気圧縮機1内(例えば、油分離回収器3内)の水分量と、圧縮機本体2の吐出圧力とに応じて電磁弁24の開閉状態を制御する。具体的には、本実施形態では、第16実施形態と同様の水分液面高さを検出する水分液面センサ26と、第19実施形態と同様の圧縮機本体2の吐出口2dから吐出される圧縮空気の圧力を検出する圧力センサ33とが設けられている。水分液面センサ26と圧力センサ33の検出値は、水分放出制御部27に出力される。
水分放出制御部27は、水分液面センサ26の検出値から水分量が多いと判断され、かつ圧力センサ33の検出値から圧縮機本体2の吐出圧力が増大していると判断される場合に、電磁弁24を一時的に閉弁状態から開弁状態に切り換える。電磁弁24の開弁状態は、例えば予め定められた一定時間継続される。また、水分液面センサ26と圧力センサ33の少なくとも一方の検出値に基づいて、電磁弁24の開弁状態から閉弁状態に切り換えてもよい。
第17実施形態及び第18実施形態(図17,図18)も第19実施形態(図19)と組みあわせることができる。
第20実施形態のその他の構成及び作用は、第16実施形態と同様である。
(第21実施形態)
図21は本発明の第21実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。本実施形態は、第16実施形態の油冷式空気圧縮機1で、第1の給油流路7にコアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置5をさらに設けた構成である。言い換えれば、本実施形態では、コアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置5と減圧式の油水分離装置25が併用されている。第16実施形態と同様に、減圧式の油水分離装置25の電磁弁24の開閉状態は、水分液面センサ26からの入力等に応じて水分放出制御部27により制御される。
コアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置5と減圧式の油水分離装置25を併用することで、コアレッサー式や重力水槽式の油水分離装置5の容量を小さくすること、あるいはその容量は変えずに油冷式空気圧縮機1の油水分離性能を高めることができる。
第17から第20実施形態の油冷式空気圧縮機1についても、減圧式の油水分離装置25に加え、コアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置5をさらに設けてもよい。減圧式の油水分離装置25とコアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置5を併用する場合、油水分離装置5の配置箇所とそれに関連する潤滑油の経路の構成は、特に限定されない。つまり、第16実施形態から第20実施形態(減圧式の油水分離装置25を備える構成)のうちのいずれかと、第1から第15実施形態(コアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置5)のうちのいずれかを組み合わせてもよい。
第21実施形態のその他の構成及び作用は、第16実施形態と同様である。
(第22実施形態)
図22は本発明の第22実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。本実施形態における油冷却器4は、圧縮機本体2への潤滑油の給油温度を調整可能である。具体的には、油冷却器4は、通常運転モードと昇温運転モードで運転可能である。
通常運転モード時の油冷却器4は、吸込口2cから吸引された空気が圧縮機本体2内で露点以下となる温度に潤滑油を冷却する。言い換えると、通常運転モード時の油冷却器4は、圧縮機本体2の吐出温度が露点以下となる給油温度となるように、第1の給油流路7により圧縮機本体2へ給油される潤滑油を冷却する。
昇温運転モード時の油冷却器4は、油分離回収器3内の潤滑油の温度が露点以上の温度(例えば80℃)となる給油温度となるように、第1の給油流路7により圧縮機本体2へ給油される潤滑油を冷却する。
通常運転モードから昇温運転モードへの切り換えは、油冷却器4の冷却能力を一時的に低下させることで実現できる。つまり、水冷式の油冷却器4であれば、冷却水の流路に設けた弁の開度を通常運転時よりも小さくするように制御することにより、油冷却器4の冷却能力を一時的に低下させて潤滑油の温度を一時的に高めることができる。また、ファン冷却式の油冷却器4であれば、ファンの回転数を通常運転時よりも低くするように制御することにより、油冷却器4の冷却能力を一時的に低下させて潤滑油の温度を一時的に高めることができる。
第1から第15実施形態の油冷式空気圧縮機1は、コアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置5を備える。これに対し、本実施形態では、昇温式の油水分離装置35を備える。
昇温式の油水分離装置35は、前述のように通常運転モードと昇温運転モードで運転可能な油冷却器4と、第16実施形態(図16)と同様の水分液面センサ26と、第17実施形態(図17)と同様の温度センサ28と、昇温制御部34とを備える。温度センサ28は圧縮機本体2の吐出口2dから吐出される圧縮空気の温度(吐出温度)に基づいて油分離回収器3内の潤滑油の温度を間接的に測定し、昇温制御部34に出力する。水分液面センサ26は、水分量として油分離回収器3内の水分液面高さを検出し、昇温制御部34に出力する。本実施形態では、昇温制御部34は、コントローラ19に設けられている。
昇温制御部34は、水分液面センサ26から入力される水分液面高さと、温度センサ28から入力される吐出温度とを用いて、油冷却器4を制御する。
具体的には、昇温制御部34は水分液面センサ26から入力される水分液面高さの測定値が、予め定められた設定値(第1の設定値)に達した場合、つまり油冷式圧縮機1内の水分量が多いと判断される場合、油冷却器4を一時的に通常モードから昇温運転モードに切り換える。油冷却器4が昇温運転モードとなると、圧縮機本体2への給油温度が上昇し、油分離回収器3内の潤滑油の温度が露点以上の温度(例えば80℃)となる。その結果、油分離回収器3内の水分が蒸発し、油分離回収器3内で油から分離された圧縮空気と共に出口3aから下流側へ送られる。下流側には、図示しないドライヤが設けられており、このドライヤで圧縮空気から水分が除去される。
昇温制御部34は、水分量が多いと判断した際に圧縮機本体2内に供給される油の温度を一時的に高め、油冷却器4を昇温運転モードとし、油分離回収器3内の潤滑油の温度を一時的に露点以上の温度(例えば80℃)にする。しかし、昇温制御部34は、油冷式空気圧縮機1の通常運転の大部分で、油冷却器4を通常運転モードとし、圧縮機本体2の吐出温度を露点以下とする。その結果、吐出空気量の増加等による性能向上を図ることができ、省エネルギ性が向上する。
昇温制御部34は、昇温運転モード中、温度センサ28から入力された吐出温度の測定値に基づいて油冷却器4の冷却力を調整する。具体的には、昇温制御部34は、吐出温度の測定値が上昇する程、油冷却器4の冷却力を高くする。例えば、水冷式の油冷却器4の場合、吐出温度の測定値が上昇する程、冷却水の流路に設けた弁の開度を大きく設定される。また、ファン冷却式の油冷却器4であれば、吐出温度の測定値が上昇する程、ファンの回転数を高く設定される。このようなフィードバック制御を行うことで、油分離回収器3内の潤滑油の温度が過度に上昇するのを防止できる。
本実施形態のように昇温式の油水分離装置35を単独で使用する場合、圧縮空気の水分を除去するドライヤを設置した際に、その冷却能力をより小さいものとすることはできない。しかし、昇温式の油水分離装置35には、通常の油冷式空気圧縮機が備える既存構成を多く利用して構成できるので、簡単な構成で油水分離を実現できるという利点がある。
水分液面センサ26に代えて、油冷式空気圧縮機1内(例えば、油分離回収器3内)の潤滑油に含まれる水分量(相対水分量)を測定するように設けられた水分量センサを採用できる。この場合、水分量センサにより測定される水分量が予め定めた設定値(例えば10%)に達すると、油冷却器4が一時的に通常運転モードから昇温運転モードに切り換えられる。
また、水分液面センサ26に代えて、第17実施形態(図17)のように、測定された吐出温度と測定された吸込温度との温度差、圧縮機本体2の吐出量、及び圧縮機本体2の運転時間とに基づいて、油分離回収器3内の水分量を計算してもよい。この場合、計算された水分量が予め定めた設定値(例えば10%)に達すると、油冷却器4が一時的に通常運転モードから昇温運転モードに切り換えられる。
さらに、タイマのカウントが昇温運転モードでの制御を脱した際のカウントクリア時点から予め設定された設定時間(例えば10時間)を経過したときに、水分量が多いと判断して一時的に通常運転モードから昇温運転モードに切り換えてもよい。
昇温制御部34は、圧縮機本体2の吐出圧力が増大した際に、油水分離装置35を一時的に通常運転モードから昇温運転モードに切り換えてもよい。また、昇温制御部34は、油冷式空気圧縮機1内(例えば、油分離回収器3内)の水分量が多いと判断され、かつ圧縮機本体2の吐出圧力が増大していると判断される際に、油水分離装置4を一時的に通常運転モードから昇温運転モードに切り換えてもよい。
第22実施形態のその他の構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第23実施形態)
図23は本発明の第23実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。本実施形態では、第22実施形態の温度センサ28(吐出温度を検出)に代えて、油分離回収器3内の潤滑油の温度(油温)を測定する油温度センサ36を備える。
昇温制御部34は、昇温運転モード中、油温度センサ36から入力された油分離回収器3内の油温の測定値に基づいて油冷却器4の冷却力を調整する。具体的には、昇温制御部34は、油温の測定値が上昇する程、油冷却器4の冷却力を高くする。例えば、水冷式の油冷却器4の場合、油温の測定値が上昇する程、冷却水の流路に設けた弁の開度を大きく設定される。また、ファン冷却式の油冷却器4であれば、油温の測定値が上昇する程、ファンの回転数が高く設定される。このようなフィードバック制御を行うことで、油分離回収器3内の潤滑油の温度が過度に上昇するのを防止できる。
第23実施形態のその他の構成及び作用は、第22実施形態と同様である。
(第24実施形態)
図24は本発明の第24実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。本実施形態は、第22実施形態の油冷式空気圧縮機1で、第1の給油流路7にコアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置5をさらに設けた構成である。言い換えれば、本実施形態では、コアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置5と昇温式の油水分離装置35が併用されている。第22実施形態と同様に、減圧式の油水分離装置35における油冷却器4の通常運転モードと昇温運転モードの切り換えは、水分液面センサ26からの入力に応じて昇温制御装置34により制御される。
コアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置5と昇温式の油水分離装置35を併用することで、コアレッサー式や重力水槽式の油水分離装置5の容量を小さくすること、あるいはその容量は変えずに油冷式空気圧縮機1の油水分離性能を高めることができる。
昇温式の油水分離装置35とコアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置5を併用する場合、油水分離装置5の配置箇所とそれに関連する潤滑油の経路の構成は、特に限定されない。つまり、第22及び第23実施形態(昇温式の油水分離装置35を備える構成)のうちのいずれかと、第1から第15実施形態(コアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置5)のうちのいずれかを組み合わせてもよい。
第24実施形態のその他の構成及び作用は、第22実施形態と同様である。
(第25実施形態)
図25は本発明の第25実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。本実施形態は、第22実施形態の油冷機空気圧縮機1に、さらに減圧式の油水分離装置25(例えば図16参照)をさらに設けた構成である。言い換えれば、減圧式の油水分離装置25と昇温式の油水分離装置35が併用されている。第19実施形態と同様に、水分放出制御部27は圧力センサ33(圧縮機本体2の吐出圧力を検出)からの入力に応じて減圧式の油水分離装置25の電磁弁24の開閉状態を制御する。また、昇温式の油水分離装置35における油冷却器4の通常運転モードと昇温運転モードの切り換えは、圧力センサ28からの入力に応じて昇温制御部34により制御される。
減圧式の油水分離装置25を昇温式の油水分離装置35と併用することで、ドライヤの冷却能力をより小さいものとしながら、あるいはドライヤを不要としつつ、比較的に簡単な構成で油水分離性能を高めることができる。具体的には、減圧式の油水分離装置25と併用する際、外部負荷が低下して圧縮機本体2の吐出圧力(油分離回収器3内の圧力)が増大し、圧力センサ33が検出した圧力が予め定めた設定値に達した際(例えば、圧力センサでアンロード圧力や運転停止圧力に達したことを検出した際)に、昇温制御部34が、油冷却器4を一時的に高める昇温運転モードとして水分の蒸発を促進すると共に、水分放出制御部27が、電磁弁24を一時的に開弁することで水分の蒸発を促進することにより、油水分離性能を高めることができる。また、そのようにして蒸発した水分を、ドライヤの有無に関係なく油分離回収器3内から開放流路23を介して大気圧以下の空間へ開放(外部へ放出)することができる。
コントローラ19に、水分放出制御部27と昇温制御部34を設けると共に、電磁弁24を設けた開放流路23を備えることで、既存の油冷式空気圧縮機から本実施形態の油冷式空気圧縮機1を構成できる。この点で、油冷式空気圧縮機1は構成が比較的に簡単である。
第25実施形態は、圧力センサ33からの入力に応じて電磁弁24の開閉状態を制御するように構成している。しかし、第16、第17、第18、及び第20実施形態と同様の態様で減圧式の油水分離装置25の電磁弁24の開閉状態を制御してもよい。
本実施形態において、コアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置5(例えば図1参照)をさらに設けてもよい。つまり、昇温式と減圧式の油水分離装置に、さらにコアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置を併用してもよい。例えば、図25において二点鎖線で、第1の給油経路7に油水分離装置5を設けた場合を示す。言い換えれば、図25において二点鎖線で示す油水分離装置5は、本実施形態と第3実施形態(図3)を組み合わせた場合を示す。本実施形態においてコアレッサー式又は重力水槽式の油水分離装置5をさらに設ける場合、油水分離装置5の配置箇所とそれに関連する潤滑油の経路に関する構成は、特に限定されない。つまり、本実施形態と第1実施形態(図1)、第2実施形態(図2)、及び第4から第15実施形態(図4から図15)のうちのいずれかを組み合わせてもよい。
第25実施形態のその他の構成及び作用は、第22実施形態と同様である。
(第26実施形態)
図26は本発明の第26実施形態に係る油冷式空気圧縮機1を示す。上述の第22から第25実施形態では、昇温式の油水分離装置35は、通常運転モードと昇温運転モードで運転可能な油冷却器4と、水分液面センサ26と、温度センサ28又は36と、昇温制御部34とを備える。これに対して本実施形態では、圧縮機本体2のロータ(図27の符号2b参照)の駆動装置37の回転数をコントローラ19の昇温制御部34が制御することで、昇温式の油水分離装置35を構成している。本実施形態は、駆動装置37を制御対象とした点以外の構成及び作用については、第22から第25実施形態の何れかと同様とすることができる。そこで、本実施形態では、第22実施形態の制御対象を駆動装置37に置き換えたものを一例として説明する。
駆動装置37(例えば電動モータ)は、通常運転モードと昇温運転モードとに運転状態を切り換え可能である。通常運転モードと昇温運転モードとの切り換えは、昇温制御部34によってインバータを介して駆動装置37の回転数を一時的に増加させることで実現できる。具体的には、つまり、駆動装置37は、圧縮機本体2のロータを回転駆動可能であり、昇温運転モードでは通常運転モードよりロータの回転数が高くなるよう制御される。
通常運転モードでは、駆動装置37の回転数は、油冷却器4で冷却された潤滑油によって、吸込口2cから吸引された空気が圧縮機本体2内で露点以下となるように設定される。
運転状態が昇温運転モードであると、ロータの回転数を上昇することで圧縮機本体2の圧縮仕事量が増加し、圧縮機本体2の吐出温度が上昇する。この吐出温度の上昇により、油分離回収器3内の潤滑油の温度を一時的に露点以上の温度(例えば80℃)に高めることができる。その結果、油分離回収器3内の水分が蒸発し、油分離回収器3内で油から分離された圧縮空気と共に出口3aから下流側へ送られる。下流側には、図示しないドライヤが設けられており、このドライヤで圧縮空気から水分が除去される。言い換えれば、昇温モードでは、昇温制御部34は油分離回収器3内の潤滑油の温度が一時的に露点を上回る前記駆動装置の回転数となるように駆動装置37を制御する。
本実施形態では、コントローラ19の昇温制御部34は、第22実施形態と同様に、水分液面センサ26からの入力に応じて駆動装置37の通常運転モードと昇温運転モードの切り換えを制御している。具体的には、昇温制御部34は、水分液面センサ26から入力される水分液面高さの測定値が、予め定められた設定値(第1の設定値)に達した場合、つまり油冷式圧縮機1内の水分量が多いと判断される場合、駆動装置37を一時的に通常モードから昇温運転モードに切り換える。本実施形態においても、水分液面センサ26を水分量センサに置き換え可能である。
水分液面センサ26に代えて、第17実施形態(図17)のように、測定された吐出温度と測定された吸込温度との温度差、圧縮機本体2の吐出量、及び圧縮機本体2の運転時間とに基づいて、油分離回収器3内の水分量を計算してもよい。この場合、計算された水分量が予め定めた設定値(例えば10%)に達すると、駆動装置37が一時的に通常運転モードから昇温運転モードに切り換えられる。
タイマのカウントが昇温運転モードでの制御を脱した際のカウントクリア時点から予め設定された設定時間(例えば10時間)を経過したときに、水分量が多いと判断して駆動装置37を一時的に通常運転モードから昇温運転モードに切り換えてもよい。
昇温制御部34は、圧縮機本体2の吐出口2dから吐出される圧縮空気の圧力を検出する圧力センサ(例えば図19の符号33参照)からの入力に応じて駆動装置37の通常運転モードと昇温運転モードの切り換えを制御してもよい。この場合、昇温数制御部34は、圧力センサ33が検出した吐出圧力が予め定められた設定値に達すると、駆動装置37を一時的に通常モードから昇温運転モードに切り換える。回転制御部38は、水分液面センサ26等の手段で検出した水分量と、圧力センサと両方からの入力に基づいて駆動装置37の通常運転モードと昇温運転モードの切り換えを制御してもよい。
なお、上述の実施形態の説明では説明を省略しているが、圧縮機本体2から吐出される圧縮空気の温度が露点以上であるか否かの判断に必要な露点の求め方については、特に限定されない。例えば、吐出直前あるいは直後における圧縮空気の圧力測定値及び温度測定値から求めても良く、油分離回収器内の圧縮空気の圧力測定値及び油分離回収器内の圧縮空気あるいは油の温度測定値から求めても良い。後者の場合、吐出口2dから油分離回収器までの圧損が実質的に無視できないときは、露点の算出に必要な圧力の値は油分離回収器内の圧力測定値に上記圧損を考慮して求めることができる。また、後者の場合、吐出口2dから油分離回収器までに生じる温度降下を踏まえ、露点の算出に必要な温度は、油分離回収器内の圧縮空気あるいは油の温度測定値に吐出後の放熱量(吐出流路を構成する配管類と油分離回収器からの放熱量)を考慮して求めることができる。
また、上述の実施形態の説明では説明を省略しているが、油分離回収器の底面に配管を接続する場合、油分離回収器の底部を球面状に形成して最下部に配管を接続することが望ましい。こうすることで水の混入の多い油を抜き出すことができる。
また、上述の実施形態を説明する模式図においては、ロータ2b,2bを支持する軸受や、その軸受に対して油を供給する軸受給油ラインのような周知の構造は図示を省略されている。
また、開放流路は、大気圧以下の空間に連通することができるものが好ましい。開放通路を大気開放するものは、装置構成を複雑化しない点で特に好ましい。
また、水分放出制御部と昇温制御部は、油冷式空気圧縮機1内の水分量が多いと判断した際に、電磁弁24を自動的に開放する乃至は自動的に昇温運転モードで油冷式空気圧縮機1の制御を開始するものに限定されない。例えば、油冷式空気圧縮機1内の水分量が多いと判断した際に、表示等でアラームを出すとともに、人の操作に基く電気信号を受けて、電磁弁24を開放させ乃至は昇温運転モードに切り換えて制御を開始するようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、昇温式の油水分離装置35(昇温制御部)として、油分離回収器3内の潤滑油の温度を一時的に露点以上に制御するために、油冷却器4の冷却能力を一時的に低下させるものと、圧縮機本体2の圧縮仕事量を一時的に増加させるものとを例示した。しかし、昇温式の油水分離装置35(昇温制御部)はこれらに限定されない。例えば、油水分離装置は、油冷却器4の冷却能力及び圧縮機本体2の圧縮仕事量を適宜組み合わせて制御することで、油分離回収器3内の潤滑油の温度を一時的に露点以上に制御するよう構成されていてもよい。