JP6000108B2 - 返油回路及びそれを備えた空気圧縮装置 - Google Patents
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特許文献1に記載の技術は、オイルクーラで冷却した潤滑油が、オイルクーラの下流側で分岐している配管を介して、各空気圧縮部に供給されるようになっている。
たとえば、第1の空気圧縮部及び第2の空気圧縮部と、第1のオイルクーラ及び第2のオイルクーラとを有する空気圧縮装置の場合においては、第1のオイルクーラで冷却された潤滑油は第1のオイルクーラにのみ供給され、第2のオイルクーラで冷却された潤滑油は第2のオイルクーラにのみ供給されるように配管構成されるようになっているということである。
以下、本発明に係る返油回路及びそれを備えた空気圧縮装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
本実施の形態に係る空気圧縮装置1は、利便性を損ねてしまうことを抑制すること、及び、空気圧縮部3A、3Bが故障してしまうことを抑制する改良が加えられているものである。
図1は、実施の形態1に係る空気圧縮装置1の空気系統及び潤滑油系統の説明図である。空気圧縮装置1は、吸入した空気を圧縮した後に吐出するものである。空気圧縮装置1は、空気を圧縮する機構を有する空気圧縮部3A、3B及び空気圧縮部3A、3Bの圧縮機構の摺動部分などを潤滑する潤滑油を冷却するオイルクーラ10A、10Bなどが搭載され、空気が循環する空気系統と、潤滑油系統とを有している。
空気系統は、空気圧縮装置1の空気の取り込み口に設けられるエアフィルタ2と、2台の空気圧縮部3A、3Bと、空気と潤滑油とを分離するオイルセパレータ4と、空気圧縮部3A、3Bで圧縮した空気を冷却するアフタークーラ6と、圧縮空気に含まれる湿気(水蒸気)を除去する除湿器8とを有している。なお、空気系統は、図1の実線矢印に対応している。
潤滑油系統は、空気圧縮部3A、3Bと、オイルセパレータ4と、潤滑油をろ過するオイルフィルタ9と、オイルクーラ10A、10Bと、オイルクーラ10Aの下流側に接続される電磁弁13A及びオイルクーラ10Bの下流側に接続される電磁弁13Bと、オイルクーラ10A、10B及び電磁弁13A、13Bをバイパスするように接続されるバイパス回路11と、潤滑油を分岐させる分岐部21A、21B及び分岐した潤滑油を合流させる合流部22とを有している。この潤滑油系統によって潤滑油が循環する返油回路が構成される。なお、潤滑油系統は、図1の破線矢印に対応している。
また、空気圧縮部3A、3Bと、オイルセパレータ4と、空気圧縮部3A、3Bとオイルセパレータ4との間の流路とは、空気系統の流路及び潤滑油系統の流路の共通部分となっている。
エアフィルタ2は、空気圧縮装置1に取り込む空気中の塵、埃などを集塵するものである。エアフィルタ2の空気の流れ方向下流側には、空気圧縮部3A、3Bが接続されている。
空気圧縮部3A、3Bは、空気を吸入し、この吸入した空気を圧縮するものである。
空気圧縮部3A、3Bは、空気の吸入側(空気の流れ方向上流側)がエアフィルタ2に接続され、空気の吐出側(空気の流れ方向下流側)がオイルセパレータ4に接続されている。
なお、空気圧縮部3Aと空気圧縮部3Bとは、空気系統において、並列に接続されている。すなわち、エアフィルタ2を通過した空気は、空気圧縮部3A、3Bに流入する前に分岐してから空気圧縮部3A、3Bに流入する。
オイルセパレータ4は、空気圧縮部3A、3B側から供給される圧縮空気と、潤滑油とを分離するものである。
オイルセパレータ4は、空気系統において、空気の流れ方向上流側が空気圧縮部3A、3Bに接続され、空気の流れ方向下流側がアフタークーラ6に接続されている。
オイルセパレータ4は、潤滑油系統において、潤滑油の流れ方向上流側が空気圧縮部3A、3Bに接続され、潤滑油系統において、潤滑油の流れ方向下流側がオイルフィルタ9に接続されている。なお、オイルセパレータ4には、オイルセパレータ4で分離された潤滑油を貯留する油だめ5が設けられている。
アフタークーラ6は、オイルセパレータ4で潤滑油から分離された圧縮空気を冷却するものである。アフタークーラ6は、空気の流れ方向上流側がオイルセパレータ4に接続され、空気の流れ方向下流側が除湿器8に接続されている。
なお、アフタークーラ6には、アフタークーラ6に送風し、当該送風した空気とアフタークーラ6を流れる空気との熱交換を補助するアフタークーラファン7が付設されている。
除湿器8は、圧縮空気に含まれる湿気を除去するものである。除湿器8の空気流れ方向上流側には、アフタークーラ6が接続されている。
オイルフィルタ9は、潤滑油に含まれる異物を除去するためにろ過する機構を有するものである。オイルフィルタ9は、潤滑油の流れ方向上流側が、オイルセパレータ4の油だめ5に接続され、潤滑油の流れ方向下流側が分岐部21Aを介してオイルクーラ10A、10B及びバイパス回路11に接続されている。
オイルクーラ10A、10Bは、潤滑油を冷却するものである。オイルクーラ10Aは、潤滑油の流れ方向上流側がオイルフィルタ9に接続され、潤滑油の流れ方向下流側が電磁弁13Aに接続されている。オイルクーラ10Bは、潤滑油の流れ方向上流側がオイルフィルタ9に接続され、潤滑油の流れ方向下流側が電磁弁13Bに接続されている。オイルクーラ10Aと、オイルクーラ10Bとは並列に接続されている。
なお、オイルクーラ10A、10Bには、オイルクーラ10A、10Bに送風し、当該送風した空気とオイルクーラ10A、10Bを通る潤滑油との熱交換を補助するオイルクーラファン12が付設されている。
電磁弁13A、13Bは、潤滑油流路の開閉を行うものである。電磁弁13Aは、潤滑油の流れ方向上流側がオイルクーラ10Aに接続され、潤滑油の流れ方向下流側が合流部22に接続されている。電磁弁13Bは、潤滑油の流れ方向上流側がオイルクーラ10Bに接続され、潤滑油の流れ方向下流側が合流部22に接続されている。
バイパス回路11は、オイルフィルタ9側から分岐部21Aに流れてきた潤滑油を、オイルクーラ10A、10B及び電磁弁13A、13Bを通過させずに合流部22に供給するものである。すなわち、バイパス回路11は、潤滑油の流れ方向上流側が分岐部21Aに接続され、潤滑油の流れ方向下流側が合流部22に接続されている。
分岐部21Aは、オイルフィルタ9から供給される潤滑油を、オイルクーラ10Aとオイルクーラ10Bとバイパス回路11とに分岐する部分である。分岐部21Aは、潤滑油の流れ方向上流側がオイルフィルタ9に接続され、潤滑油の流れ方向下流側がオイルクーラ10A、オイルクーラ10B及びバイパス回路11に接続されている。
分岐部21Bは、少なくともバイパス回路11側から供給される潤滑油を、空気圧縮部3Aと空気圧縮部3Bとに分岐する部分である。分岐部21Bは、潤滑油の流れ方向上流側が電磁弁13A、電磁弁13B及びバイパス回路11に接続され、潤滑油の流れ方向下流側が空気圧縮部3A、3Bに接続されている。
合流部22は、電磁弁13A、13Bを介してオイルクーラ10A、10B側から流れる冷却された潤滑油と、バイパス回路11から流出する潤滑油とが合流する部分である。合流部22は、潤滑油の流れ方向上流側がオイルクーラ10A、オイルクーラ10B及びバイパス回路11に接続され、潤滑油の流れ方向下流側が分岐部21Bに接続されている。なお、電磁弁13A、13Bの少なくとも一方が閉じている場合には、閉じている方の電磁弁13A、13B側からは、潤滑油が合流部22に流れ込まない。
油温度センサ14は、合流部22を通過した潤滑油の温度を検出するものである。油温度センサ14は、制御装置20に有線或いは無線で接続されており、検出情報が制御装置20に出力されるようになっている。油温度センサ14は、たとえば、合流部22と分岐部21Bとの間の流路に設けられている。
制御装置20は、油温度センサ14の検出結果に基づいて、電磁弁13A、13Bを開閉させるものである。また、制御装置20は、空気圧縮部3A、3Bの駆動制御、アフタークーラファン7及びオイルクーラファン12の回転数の制御などを実施する。制御装置20の設置位置は特に限定されるものではないが、図1に示すように、たとえば空気圧縮装置1内に取り付けられる。なお、この制御装置20は、たとえばマイコンなどで構成される。
制御装置20は、潤滑油の油温が第1の温度閾値よりも低下すると、オイルクーラ10A、10Bのうちの少なくとも一方側から、冷却した潤滑油がオイルクーラ10A、10B側に供給されないように電磁弁13A、13Bのいずれか一方を閉じる。このように、潤滑油が通過するオイルクーラ10A、10Bの台数を1台減らす分、合流部22で合流した後の潤滑油の温度低下が抑制される。
すなわち、オイルクーラ10A、10Bは、オイルクーラ10A、10B一台分の冷却容量が、空気圧縮部3A、3B一台分に対応するように構成されているとよい。本実施の形態1では、オイルクーラ10A、10Bの台数を空気圧縮部3A、3Bと同じ台数としているため、オイルクーラ10A、10Bの共通化を図ることができるようになる。
共通化について説明すると、電磁弁13A、13Bの両方を開くことで、オイルクーラ10A、10Bの2台分の潤滑油を冷却することができ、そして空気圧縮機3A、3Bのいずれか一方が停止した際には、電磁弁13A、13Bのどちらを閉めても対応することができるということである。
図1を参照しながら、本実施の形態1に係る空気圧縮装置1の動作について説明する。まず、空気系統における空気の流れについて説明する。
空気圧縮装置1のエアフィルタ2から大気中の空気を吸い込み、粉塵などを除去した後に、空気圧縮部3A、3Bで空気を圧縮する。次に、空気圧縮部3A、3Bから吐出された圧縮空気に含まれる油分をオイルセパレータ4で分離する。そして、高温の圧縮空気をアフタークーラ6で冷却(アフタークーラファン7でアフタークーラ6の熱交換を補助)した後に、除湿器8で圧縮空気中の湿気を除去し、圧縮空気吐出口から吐き出される。
オイルセパレータ4で分離された油分は油だめ5に溜まり、溜まった潤滑油はオイルフィルタ9でろ過され、その後、オイルクーラ10A、10Bとバイパス回路11へ分岐し、オイルクーラ10A、10Bを通る潤滑油は冷却される。
オイルクーラ10A、10B出口に取り付けている油温度センサ14で、潤滑油の温度を検出し、潤滑油の温度がある温度以下の場合は、オイルクーラ10A、10B出口に取り付けている潤滑油の冷却容量制御用の電磁弁13A、13Bを閉じ、オイルクーラ10A、10Bを通過しないようにしている。これにより、オイルクーラ10A、10Bにおける潤滑油の冷却容量を制御している。
本実施の形態に係る空気圧縮装置1は、複数台のオイルクーラ10A、10Bと、オイルクーラ10A、10Bに対応する電磁弁13A、13Bと、バイパス回路11を通過して冷却されない潤滑油とオイルクーラ10A、10Bを通過して冷却される潤滑油とが合流する合流部22とを有し、油温が予め設定される値より低くなると、潤滑油が通過するオイルクーラ10A、10Bの台数を減らすことができるものである。
これにより、空気圧縮部3A、3Bに供給される「潤滑油の冷却量の制御」を可能としている。すなわち、空気圧縮部の搭載台数に応じてオイルクーラの容量を変更するような改良が必要なく、利便性を損ねてしまうことを抑制することができる。
実施の形態2では、実施の形態1とは異なる部分を中心に説明するものとし、同様の構成については説明を省略する。本実施の形態2では、油温の代わりに油圧を利用して電磁弁13A、13Bの開度制御を実施する点で、実施の形態1とは異なっている。図2は、実施の形態2に係る空気圧縮装置1の空気系統及び潤滑油系統の説明図である。図2を参照して、実施の形態2に係る空気圧縮装置1について説明する。
油圧センサ15は、合流部22を通過した潤滑油の圧力を検出するものである。油圧センサ15は、制御装置20に有線或いは無線で接続されており、検出情報が制御装置20に出力されるようになっている。油圧センサ15は、たとえば、合流部22と分岐部21Bとの間の流路に設けられる。
そこで、制御装置20は、潤滑油の圧力が、予め設定される第1の圧力閾値よりも上昇すると、オイルクーラ10A、10Bのうちの少なくとも一方側から、冷却した潤滑油がオイルクーラ10A、10B側に供給されないように電磁弁13A、13Bのいずれか一方を閉じる。
また、制御装置20は、潤滑油の圧力が、第2の圧力閾値よりも上昇すると、オイルクーラ10A、10Bの両方から、冷却した潤滑油がオイルクーラ10A、10B側に供給されないように電磁弁13A、13Bの両方を閉じる。
本実施の形態2に係る空気圧縮装置1は、実施の形態1に係る空気圧縮装置1と同様の効果を奏する。
実施の形態3では、実施の形態1とは異なる部分を中心に説明するものとし、同様の構成については説明を省略する。本実施の形態3では、油温及び油圧のうちの少なくとも一方を利用して電磁弁13A、13Bの開度制御を実施するようにしている点で、実施の形態1、2と異なる。図3は、実施の形態3に係る空気圧縮装置1の空気系統及び潤滑油系統の説明図である。図3を参照して、実施の形態3に係る空気圧縮装置1について説明する。
本実施の形態3に係る空気圧縮装置1は、実施の形態1、2に係る空気圧縮装置1の奏する効果に加えて、一方のセンサが故障した場合であっても、もう一方のセンサで電磁弁13A、13Bの制御を継続することができる。
Claims (7)
- 複数台の空気圧縮部によって圧縮された空気に含まれる潤滑油を分離するオイルセパレータと、
前記オイルセパレータによって分離された前記潤滑油を貯留する油だめと、
前記油だめ側から供給される前記潤滑油を冷却し、複数台が並列に接続されたオイルクーラと、
対応する前記オイルクーラに接続され、潤滑油流路の開閉を行う複数の容量制御用開閉弁と、
前記オイルクーラ及び前記容量制御用開閉弁をバイパスするように前記オイルクーラの上流側で分岐し、前記油だめ側から前記空気圧縮部側に前記潤滑油を流すバイパス回路と、
を有し、
前記バイパス回路を通過する前記潤滑油及び前記オイルクーラを通過する前記潤滑油が合流するように、前記バイパス回路及び前記オイルクーラの下流側が接続され、
前記潤滑油の油温及び油圧のうちの少なくとも一方に基づいて前記容量制御用開閉弁の開閉を制御し、前記バイパス回路を通過させる前記潤滑油及び前記オイルクーラを通過させる前記潤滑油によって前記潤滑油の温度を調整してから、この潤滑油を前記複数台の空気圧縮部に戻す
ことを特徴とする返油回路。 - 前記潤滑油の油温及び油圧のうちの少なくとも一方に基づいて前記容量制御用開閉弁の開閉を制御し、前記潤滑油を通過させる前記オイルクーラの台数を決定している
ことを特徴とする請求項1に記載の返油回路。 - 前記バイパス回路及び前記オイルクーラを通過して合流した後の前記潤滑油の温度を検出する油温度センサと、
前記油温度センサの検出結果に基づいて前記容量制御用開閉弁の開閉を制御する制御装置と、
を有し、
前記制御装置は、
前記油温度センサの検出結果が予め設定された値より低下すると、前記容量制御用開閉弁の開閉を制御して、前記潤滑油を通過させる前記オイルクーラの台数を減らす
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の返油回路。 - 前記バイパス回路及び前記オイルクーラを通過して合流した後の前記潤滑油の圧力を検出する油圧センサと、
前記油圧センサの検出結果に基づいて前記容量制御用開閉弁の開閉を制御する制御装置と、
を有し、
前記制御装置は、
前記油圧センサの検出結果が前記予め設定された値より上昇すると、前記容量制御用開閉弁の開閉を制御して、前記潤滑油を通過させる前記オイルクーラの台数を減らす
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の返油回路。 - 前記オイルクーラのそれぞれは、
前記空気圧縮部一台に必要な潤滑油を冷却可能な容量とし、
前記空気圧縮部と同じ台数設けられている
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の返油回路。 - 前記油だめから流出した前記潤滑油をろ過するオイルフィルタを有する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の返油回路。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の返油回路と、
大気から粉塵を除去するエアフィルタと、
前記エアフィルタによって粉塵が除去された大気を圧縮する複数の空気圧縮部と、
前記オイルセパレータによって前記潤滑油が分離された吐出空気を冷却するアフタークーラと、
前記アフタークーラによって冷却された圧縮空気を除湿する除湿器と、
を有する
ことを特徴とする空気圧縮装置。
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