JP2009287844A - 冷凍装置 - Google Patents

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純一 廣橋
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Abstract

【課題】高圧側が低下した際にも給油量を確保できる冷却装置を提供する。
【解決手段】給油系統15には給油圧力を読み取る圧力センサ9を取付け、運転中の給油圧力が低下するとそれに応じて給油量調整弁8の開度を上げてゆき、給油量の低下を防ぎ、高圧が極端に低下した場合でも、圧縮機1に必要な給油量を確保する。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍装置に関し、特に圧縮機への給油を安定化した冷凍装置に関する。
一般的な冷凍冷却装置の冷媒回路は、冷媒ガスが圧縮機において圧縮され、高圧ガスとされ、凝縮器に送られる。そして、凝縮器において、冷媒高圧ガスは冷やされ、液体化された冷媒にされる。液体化された冷媒は圧力が高いため、減圧装置である膨脹弁にて圧力を低下させて、蒸発器に送ることにより、低温度で蒸発し、冷却または冷凍作用を行うことができる。このように冷媒を冷媒回路内に循環させることによって、冷却・冷凍作用を行っている。
上記冷凍冷却装置の一例として冷房機能を有する空調機が挙げられる。この空調機は、単数または複数の送風機を有する空冷式凝縮器および高圧と吸入圧力の圧力差を利用して給油を行う方式の圧縮機を搭載する空気調和機において、前記圧縮機の吐出部と吸入部にそれぞれ圧力検知ポートを配設し、前記圧縮機の運転時吐出部より検知した圧力及び吸入部より検知した圧力の差が給油可能圧力差の下限値に近くなるか、または、以下となる場合、凝縮器用送風機の回転を止める機能を有することを特徴とする空気調和機の制御方法で示される。
従来の装置は、冬場等の外気温度が低い条件においても高圧が下がり過ぎ圧縮機への給油量不足が起きないように、高圧の下がりすぎを防止する制御が行われていた。そのため外気温度が低い冬場等においても、圧縮機に油を供給するための必要な給油差圧が確保するために、ある一定値以上の高圧での運転が行われることになり、運転効率の面から考えると改善の余地はあった。
また、給油圧力と吸入圧力または中間圧力との差圧で軸受け部への油の供給を行う給油差圧方式を採用した冷凍サイクルにおいて、高圧が下がりすぎると給油圧力も低下(給油圧力は高圧よりもおよそ0.05MPa程度低い圧力である)するため、給油圧力と吸入圧力または中間圧力との差圧が減少してしまい、圧縮機の給油に必要な給油量を満足しないことがある。これにより圧縮機のロータ面及び軸受け摺動部、軸受け等の損傷あるいは寿命低下を招く恐れがあるため、冷凍装置の制御として、高圧が下がり過ぎないように空冷凝縮器のファン回転数を減少させる、またはファンの運転を停止させる制御を行っていた。
圧縮機への給油量は給油圧力と吸入圧力または中間圧力との差圧によって決まるのだが、高圧を下がり過ぎないようにしているため運転条件によってはこの最低限必要な給油量を確保するための給油差圧よりも大きい差圧の状態で運転することになり、これにより十分な給油量が確保できていることになる。しかしながらこの状態では、高圧を高くしておけば必要差圧は確保できるという考えのもと、必要以上に高い高圧で運転がなされている。
これを改善するものとして特許文献1に示すように、圧縮機の吐出側の圧力を圧力検出器で検出して、この圧力に基いて圧縮機への給油の流量制御を行って、圧縮機の吐出側の圧力が下がった場合、給油を増加させて安定して供給できるように構成したものがある。
特開2007−139276号公報
しかしながら、特許文献1に示されるものは、圧縮機の吐出側で冷媒と油の混合物の圧力検出を行うため、大まかな油圧は測定できるが、圧縮機へ戻す油の正確な油圧を測定することが出来ない。即ち、圧縮機の吐出側から油分離器までの経路や油分離器に詰まり等により圧損が生じている場合、圧縮機の吐出側で圧力が十分高くても油分離器の出口圧力が低下しており、給油が十分になされない場合がある。
本発明の目的は、冬場等の外気温度が低い条件において圧縮機の吐出圧力が低下しても、必要給油量は安定に確保して圧縮機の動作信頼性を損ねることがない、冷凍装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機から吐出される冷媒ガスと油の混合物から油を分離する油分離器と、油分離器から前記圧縮機の給油口へ油を戻す給油回路を備え、前記油分離器の給油圧力と前記圧縮機の給油口の吸入圧力との差圧で前記圧縮機の軸受け部等への油の供給を行う給油差圧方式の圧縮機を搭載した冷凍装置において、前記給油回路に前記油分離器から給油圧力を検知する圧力センサを設け、この圧力センサの出力に基いて給油圧力が低下するに従い、前記給油回路の開度を広げる流量調整手段を設けたことを特徴とする。
また、前記流量調整手段は給油回路に設けられた給油量調整弁からなり、前記圧力センサの出力に基いて給油圧力が低下するに従い、給油量調整弁の開度を広げることを特徴とする。前記流量調整手段は給油回路に並列に設けられた副給油回路で構成され、前記圧力センサの出力に基いて給油圧力が所定値以下のとき、前記副給油回路を介して給油することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために本発明は、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機から吐出される冷媒ガスと油の混合物から油を分離する油分離器と、油分離器から前記圧縮機の給油口へ油を戻す給油回路を備え、前記油分離器の給油圧力と前記圧縮機の給油口の吸入圧力との差圧で前記圧縮機の軸受け部等への油の供給を行う給油差圧方式の圧縮機を搭載した冷凍装置において、前記給油回路に固有の流路抵抗と、この流路抵抗の前後の圧力差を検知する圧力センサと、給油量調整弁を設け、前記圧力センサの出力に基いて差圧が一定に保たれるように給油量調整弁の開度を調整することを特徴とする。
本発明によれば、冷凍サイクルの吐出側(高圧)を低圧、または中間圧力を下回らない範囲まで低下させ運転させることができ、冷凍能力を維持して消費電力の減少を可能とし、より高いCOP運転を実現することができる。なお、冬場の外気温度が低くなる寒冷地において特に有効である。外気温度が低ければ低いほど高圧を下限値で運転できる時間が長くなり長時間にわたり高効率運転が可能になる。また高圧を下限値で運転できるので冷凍能力も大幅に増加するため、使用条件によっては機器の容量ダウンも可能になる。
また寒冷地でなくとも中間期や夜間等昼間よりも外気温度が下がる条件では高圧を従来の方式よりも下げて運転することができるため、この場合でも大幅な効果が得られる。従来よりも低い高圧で運転できることによって圧縮機の動力負荷が減少するため、軸受けの小型化及び長寿命化、オーバーホール期間の延長が図れ省メンテナンス化が可能になる。
以下、本発明実施例について詳細に説明する。
本発明の実施例1として、一般的な外部給油圧縮機の場合を図1により説明する。図中の実線矢印は冷媒の流れ方向を示し、破線は冷凍機油の流れ方向を示す。圧縮機1にて冷媒は圧縮され、高温高圧のガスとなり油とともに吐出され、油分離器2内にて冷媒ガスと油に分離される。冷媒ガスは凝縮器3にて冷却され液冷媒となり、主液膨張弁4の作用により低圧の湿りガスとなり、蒸発器5内で蒸発して被冷却物の冷却を行ったのち圧縮機1へ吸入される。
一方、油分離器2にて分離された冷凍機油は、一旦油分離器2の底部に溜まり、油分離器2から破線で示す給油回路15を経由して圧縮機1の給油口7へ戻される。給油回路15の油分離器2の吐出側には給油圧力を検知する圧力センサ9を設け、その下流の給油回路15に給油量調整手段としての給油量調整弁8(電磁弁)を設けている。17は前記圧力センサ9で検出された給油圧力の出力に基いて前記給油量調整弁8を制御する制御部で、具体的には給油圧力が低下するとそれに応じて、前記給油量調整弁8の開度を広げていき、給油量の低下を防ぐように制御する。この構成により、圧縮機の吐出圧の低下、その他に基いて給油圧が低下した場合でも、圧縮機1に必要な給油量を確保することができるものである。前記給油量調整弁8、圧力センサ9、制御部17で流量調整手段を構成する。
なお、給油回路17の油は、図示しない油ストレーナにて油中の異物を除去された後、油分離器2の吐出側の給油圧力と圧縮機1の吸入圧力部位である各軸受けの圧力との差圧により圧縮機給油口7へ給油される。油分離器2〜圧縮機1軸受け部(図示せず)までの給油回路における圧力の関係は、
油分離器2>圧縮機1軸受け部(圧縮機給油口7)
となっており、圧縮機1にて吐出され油分離器2にて分離された油(冷凍機油)は、この差圧によって圧縮機1の軸受け部に給油されることになる。
図2に本発明の実施例2を示す。本実施例では15を主給油回路とし、これに並列に副給油回路16を設け、さらに主給油回路15に流路抵抗10を設け、副給油回路16に流路抵抗11と給油量調整弁12を設けている。実施例1と同様に、前記圧力センサ9で検出された給油圧力の出力に基いて、前記給油量調整弁12を制御部17で制御し、給油圧力が低下するとそれに応じて、前記給油量調整弁12の開度を広げていき、給油量の低下を防ぐように制御する。なお、前記給油量調整弁12、圧力センサ9、給油回路16、制御部17で流量調整手段を構成する。
図4の給油圧力と給油量を表す概念図に矢印で示すように、給油圧力が次第に下がって給油量満足エリアと給油量不足エリアの境目の最低必要差圧に以下になると、電磁弁12が開いて副給油回路16へも油が流れて、給油が確保される。従って、給油圧力が低下した場合でも、圧縮機に必要な給油量を確保するができる。
図3に本発明の実施例3を示す。破線で示した給油回路15中に給油量調整弁8を設け、その下流に流路抵抗13を設け、流路抵抗13前後の差圧を圧力センサ14で読み取るように構成されている。そして、差圧を制御部17に取込み、差圧を一定に保つように給油量調整弁8の開度を調整制御することにより、油圧が低下した場合でも、圧縮機1に必要な給油量を確保するようにしたものである。ここで、流路抵抗13前後の差圧が一定になるという事は、流路抵抗13を通過する給油量がほぼ同じである事を意味する。なお、前記給油量調整弁8、圧力センサ14、制御部17で流量調整手段を構成する。
前記実施例は、圧縮機1、油分離器2、給油回路15、16が独立している外部給油方式で説明を行ったが、本発明は圧縮機1、油分離器2、給油回路15、16が一体で構成される、内部給油方式にも適用できる。
本発明と従来技術によるモリエル線図により比較説明する。図5のモリエル線図に実線で本発明実施例のサイクルを、破線で従来技術のサイクルを示す。図示のように圧縮機入力が従来のW1からW2に変化し、その差分だけ入力が減少することが分かる。また、給油差圧も実線では減少した状態で給油が可能なことが分かる。そして給油差圧が減少した状態で給油が可能なことから、冷凍能力もi2からi1に広がり、その差分だけ冷凍能力が増加する。なお、Pd1、Pd2は圧縮機の吐出圧力(分離器の吐出側)で、Psは圧縮機の給油入口の圧力を表す。
以上本発明により冷凍サイクルの高圧側を低下させる事が可能となり、凝縮器3出口の液温度が低下し、エンタルピ効果が増加し冷凍能力が向上する。また高圧側が低下することにより圧縮機1の消費電力も減少するため、従来より効率の高い運転が可能になる。また高圧側が低下することにより圧縮機1の軸受け負荷が減少するため軸受けの長寿命化や小型化が図られ、更にはオーバーホール時間の延長、メンテナンスコストの削減が可能となる。
本発明の実施例1の冷凍サイクル系統図である。 本発明の実施例2の冷凍サイクル系統図である。 本発明の実施例3の冷凍サイクル系統図である。 実施例2に関する給油圧力と給油量を表す概念図である。 従来技術と本発明によるモリエル線図である。
符号の説明
1…圧縮機、2…油分離器、3…凝縮器、4…主液膨張弁、5…蒸発器、6…主液電磁弁、7…圧縮機給油口、8…給油量調整弁(電磁弁)、9…圧力センサ、10…流路抵抗(主給油回路)、11…流路抵抗(副給油回路)、12…給油量調整弁(電磁弁)(副給油回路)、14…圧力センサ、15…主給油回路、16…副給油回路、17…制御部。

Claims (4)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機から吐出される冷媒ガスと油の混合物から油を分離する油分離器と、油分離器から前記圧縮機の給油口へ油を戻す給油回路を備え、前記油分離器の給油圧力と前記圧縮機の給油口の吸入圧力との差圧で前記圧縮機の軸受け部等への油の供給を行う給油差圧方式の圧縮機を搭載した冷凍装置において、
    前記給油回路に前記油分離器から給油圧力を検知する圧力センサを設け、この圧力センサの出力に基いて給油圧力が低下するに従い、前記給油回路の開度を広げる流量調整手段を設けたことを特徴とする冷凍装置。
  2. 前記流量調整手段は給油回路に設けられた給油量調整弁からなり、前記圧力センサの出力に基いて給油圧力が低下するに従い、給油量調整弁の開度を広げることを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
  3. 前記流量調整手段は給油回路に並列に設けられた副給油回路で構成され、前記圧力センサの出力に基いて給油圧力が所定値以下のとき、前記副給油回路を介して給油することを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
  4. 冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機から吐出される冷媒ガスと油の混合物から油を分離する油分離器と、油分離器から前記圧縮機の給油口へ油を戻す給油回路を備え、前記油分離器の給油圧力と前記圧縮機の給油口の吸入圧力との差圧で前記圧縮機の軸受け部等への油の供給を行う給油差圧方式の圧縮機を搭載した冷凍装置において、
    前記給油回路に固有の流路抵抗と、この流路抵抗の前後の圧力差を検知する圧力センサと、給油量調整弁を設け、前記圧力センサの出力に基いて差圧が一定に保たれるように給油量調整弁の開度を調整することを特徴とする冷凍装置。
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