JP2017222370A - フィルム製容器 - Google Patents
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Abstract
Description
特に、下側に折り込み部を設けた自立性容器は、自立性も高く、製造し易い上に、内容物を収納前ではコンパクトに畳められることから、ボトル代替用包装体として、積極的に利用されている。
このようなフィルム製容器は、食品が容器内部に収納した状態で加熱され、一定の圧力に上昇した時に、内部から発生する蒸気を逃がすことで、良好な調理をすることができる。このフィルム製容器をレトルトパウチとして使用した場合、加熱されたフィルム製容器は、非常に高温となる。特に蒸気を逃がす蒸気抜き部からは、100℃以上となった水蒸気が噴出するので、蒸気抜き部の周囲は手で取り扱おうとしても、火傷を負いやすい問題があった。
また、加熱調理後、電子レンジ用の包装袋を開封するには、ノッチを胴部シール部の縁に形成して、このノッチを介して引き裂いて開封するとしているが、図で示されたノッチは、コの字状シール部よりも袋の上端側に記載されている。コの字状シール部の上端側ノッチから開封する場合には、このノッチ近傍が高温になっていて、火傷を負う恐れがあった。
調理用のフィルム製容器を得ることが本発明の課題である。
少なくとも前面フィルムと、背面フィルムと、底面に折り込まれる底面フィルムと、からなり、
左側面と右側面と底面との周縁部にシール部を有し、
左右側面の一方に蒸気抜き部を有する袋状のフィルム製容器において、
蒸気抜き部よりも上方で、底面に平行な開封部を有し、
上記開封部の蒸気抜き部反対側側面シール部周縁に開封開始部を有し、
かつ、蒸気抜き部を有する一方の側面の蒸気抜き部下方底面側と、他方の側面の上方側に、幅広のシール部を有することを特徴とするフィルム製容器である。
図1は本発明のフィルム製容器の一例で、内容物を充填する前の形状を示す斜視図である。
フィルム製容器は、前面フィルム1と、その裏面側の背面フィルム2と、底面に折り込まれている底面フィルム3から構成されている。
また、底側には、前面・背面方向に折り畳まれた底面フィルム3があって、前面フィルム1と底面フィルム3が互いに、左側面シール部61と右側面シール部62と前底面シール部31などの周縁部でシールされ、底面形状を形成している。
同じように、背面フィルム2と底面フィルム3が互いに、左側面シール部61と右側面シール部62と背底面シール部32などの周縁部でシールされ、底面形状を形成している。折り畳まれた底面フィルム3の中央を広げると、底面近傍の前面フィルム1と背面フィルム2が離れ、底面30を形成する。
この蒸気抜き部5は、フィルム製容器の内側に飛び出した融着部を形成している。そして、その先端の融着幅を小さくし、融着外縁部51が、他の融着部の内縁位置よりも内側に位置するように設定されている。
この開封開始部7を通って底面に平行な線状に脆弱線が走った開封線71があると、より確実にフィルム製容器を開封しやすい。
この時、内容物は、蒸気抜き部5よりも底面側にだけ充填できる量に抑える必要がある。
また、蒸気抜き部5のない他方の側面シール部の上面側には、上広幅シール部611が形成されている。
そして、下広幅シール部622の下広幅シール部高さ623が、他方上広幅シール部611より下側の上広幅シール部下側高さ613と、同じ高さとしている。このことによって、容器のフィルムを無駄なく使用できる。
電子レンジで加熱すると、内容物の水分が沸騰し、フィルム製容器内部の圧力が上昇する。
フィルム製容器内部の圧力が上昇すると、フィルム製容器は、丸く、球状に近い形状になるように膨らむ。
本発明のフィルム製容器では、特に、蒸気抜き部5の融着外縁部51が、他の融着部の内縁位置よりも内側に位置するように設定されているので、蒸気抜き部5の先端が、容器の中で一番先に容器外側に貫通する。
この時、内容物は、蒸気抜き部5よりも底面側にだけ充填しているので、フィルム容器を自立しておくと、内容物の水蒸気のみ噴出し、液体等の噴出を抑えることができる。
もし、蒸気抜き部5の内側に内容物が来ると、液体内容物自身が噴出し、火傷を負いかねないので、容器が傾かないようにする必要がある。
また、高温の蒸気は上側に向って流れるので、蒸気抜き部5の上側の側面シール部621は熱くなるが、蒸気抜き部側の下広幅シール部622は高温にならない。
その為、電子レンジから加熱したフィルム製容器を取り出す時に、上記上広幅シール部611や下広幅シール部622を持っても、ほとんど高温にならないので、手でつまんで持つことができる。
特に、蒸気抜き部側には下広幅シール部611、蒸気抜き部反対側には上広幅シール部622と、左右に広幅シール部があるので、左右の広幅シール部を同時につかんで持上げれば、容器を傾けないで、底面を水平に持つことが可能である。
もし、加熱して水蒸気が発生している状態では、傾けて蒸気抜き部5が内容物の液面より下がってしまうと、一気に内容物が噴出する恐れがあるが、そのようなことが発生しにくい。
開封部70を引き裂かれた本発明のフィルム製容器は、開封部70の内側に蒸気抜き部5があるが、蒸気抜き部5の内側は剥離しているので、内容物の取り出しには、大きな妨げにならない。
特に、左下融着部610と右下融着部620によって、底面周縁部の腰を強くしているので、安定した自立性を確保しやすくなっている。
さらに、開封後も、上広幅シール部611や下広幅シール部622が残っているので、それらの広幅シール部をつかんでいれば、持つ手も熱くならず、内容物を取り出しやすい。
また、レトルト適性があって、電子レンジ加熱で溶けたりしないで、形状を保つことができる必要がある。特に、電子レンジの中で、高温になっても自立した状態を保つことができる剛性が必要である。
バリアフィルムには、酸化珪素や酸化アルミニウムなどの酸化金属を金属蒸着した延伸ポリアミドフィルムが考えられる。ただ、アルミニウムなどの純金属を蒸着したものや金属箔などは、電子レンジで高温に発熱してしまうので使用しない。
ポリアミドフィルムを使用するのは、破断しにくいと共に、耐衝撃性も高く、かつ、柔軟性を高くすることができるので使用している。
シーラントには、融着強度や耐熱性が高い直鎖状低密度ポリエチレンが良好である。
これらのフィルムは、通常のドライラミネーション機、エクストルーダーラミネート機などで貼り合わせるなどして製造することができる。
また、フィルム製容器の左右方向に基材の延伸をより強くしたフィルムを使用しても良い。
2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、
2軸延伸ポリアミド/ポリエチレン/無機酸化物蒸着ポリエチレンテレフタレート/ポリ
エチレン、
2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン/エチレン酢酸ビニル共重合体鹸化物/ポリエチレン、
2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン/接着樹脂/ポリアミド/接着樹脂/ポリエチレン、
2軸延伸ポリプロピレン/ポリアミド/接着樹脂//ポリエチレン、
などの一般的な構成が考えられる。
これらのフィルムも、通常のドライラミネーション機、エクストルーダーラミネート機などで貼り合わせるなどして製造することができる。
また、底面側に底面とほぼ平行な開封部を有するので、大きく開口でき、わざわざ、他の容器に移すことも無く、そのまま、熱い内に加熱調理した内容物を食べることができ、非常に扱いしやすいフィルム製容器である。
さらに、従来の製造ラインを使用して製造できるので、設備費を特に掛けることなく製造可能であり、本発明のメリットは大きい。
2・・・・・・・・・背面フィルム
3・・・・・・・・・底面フィルム
30・・・・・・・・底面
31・・・・・・・・前底面シール部
32・・・・・・・・背底面シール部
4・・・・・・・・・開口部
5・・・・・・・・・蒸気抜き部
50・・・・・・・・蒸気抜き剥離部
51・・・・・・・・融着外縁部
61・・・・・・・・左側面シール部
610・・・・・・・左下融着部
611・・・・・・・上広幅シール部
613・・・・・・・上広幅シール部下側高さ
62・・・・・・・・右側面シール部
620・・・・・・・右下融着部
621・・・・・・・上シール部
622・・・・・・・下広幅シール部
623・・・・・・・下広幅シール部高さ
63・・・・・・・・上面シール部
7・・・・・・・・・開封開始部
70・・・・・・・・開封部
71・・・・・・・・開封線
8・・・・・・・・・水蒸気
Claims (3)
- 少なくとも前面フィルムと、背面フィルムと、底面に折り込まれる底面フィルムと、からなり、
左側面と右側面と底面との周縁部にシール部を有し、
左右側面の一方に蒸気抜き部を有する袋状のフィルム製容器において、
蒸気抜き部よりも上方で、底面に平行な開封部を有し、
上記開封部の蒸気抜き部反対側側面シール部周縁に開封開始部を有し、
かつ、蒸気抜き部を有する一方の側面の蒸気抜き部下方底面側と、他方の側面の上方側に、幅広のシール部を有することを特徴とするフィルム製容器。 - 蒸気抜き部を有する一方の側面の蒸気抜き部下方底面側の下広幅シール部高さが、他方の側面の上方側の上広幅シール部より下側の高さと、同じ高さとしたことを特徴とする請求項1に記載のフィルム製容器。
- 底面シール部の左右に、底面フィルムが切り欠き部を有し、この底面切り欠き部で、前面フィルムと背面フィルムとが融着してなることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルム製容器。
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