JP2022002984A - 電子レンジ用パウチ - Google Patents
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表面フィルムと、裏面フィルムと、前記表面フィルムと前記裏面フィルムとの間に位置する底面フィルムと、前記表面フィルムと前記裏面フィルムを接合する側部シール部と、を有し、
前記側部シール部は、前記蒸通機構に近い側の第1側部シール部と、前記蒸通機構から遠い側の第2側部シール部と、で構成され、
前記第2側部シール部が第1部分と、前記第1部分の上側に位置する第2部分を含み、前記第2部分のシール幅が前記第1部分のシール幅より大きく、前記第2部分において、前記蒸通機構と対向する位置より下方に切欠き、切り込み、傷痕群のいずれかの開封手段が設けられており、前記第1側部シール部には、切欠き、切り込み、傷痕群のいずれの開封手段も設けられていない、電子レンジ用パウチを提供する。
<実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る電子レンジ用パウチを示す図である。図1(a)は、正面図である。また、図2は、本発明の一実施形態に係る電子レンジ用パウチを構成するフィルムを示す分解図である。図1に示した実施形態の電子レンジ用パウチは、内容物が充填される前の状態(内容物が充填されていない状態)のパウチを示したものである。実施形態のパウチは、正面視において長方形状であり、底部ガセット部9を有している。本実施形態において、長方形とは、四隅が直角の長方形だけでなく、長方形の四隅が面取りされて、外に凸の円弧状となったものも含む概念である。本発明において、電子レンジ用パウチは、内容物が充填されていない状態の電子レンジ用パウチに限らず、内容物が充填されている状態の電子レンジ用パウチも含む概念である。
実施形態の電子レンジ用パウチは、図2に示すように、略長方形状の表面フィルム1と、表面フィルム1と同一形状の裏面フィルム2と、略長方形状の底面フィルム3の3枚のフィルムで構成されている。本実施形態の電子レンジ用パウチは、表面フィルム1、裏面フィルム2、底面フィルム3の3枚のフィルムが所定の箇所においてシール(熱融着)されることにより形成される。
実施形態の電子レンジ用パウチは、図1に示すように、側部シール部5aと、底部シール部と、を備え、上部4に開口部15が形成されている。側部シール部5aは、表面フィルム1と裏面フィルム2がシールされて接合されたものである。蒸通機構10に近い側(図1では蒸通機構10に接している側)の側部シール部5aを第1側部シール部5aaと称し、蒸通機構10から遠い側の側部シール部5aを第2側部シール部5abとも称する。図1に示すように、第1側部シール部5aaは、蒸通機構10の上端より上側のシール幅W2を蒸通機構10の下端より下側のシール幅W1より大きくしてもよい。また、図1に示すように、第2側部シール部5abは、蒸通機構10の下端より上側のシール幅W5を蒸通機構10の下端より下側のシール幅W4より大きくしてもよい。シール幅W1、シール幅W4は、5mm以上8mm以下とすることができ、シール幅W2、シール幅W5は、8mm以上15mm以下とすることができる。なお、シール幅は、シール部が延びる方向と直交する方向における幅である。
底面フィルム3の第1部分3fと、表面フィルム1の底面フィルム3の第1部分3fに対応する部分と、で第1ひだ部が形成され、そして、底面フィルム3の第2部分3gと、裏面フィルム2の底面フィルム3の第2部分3gに対応する部分と、で第2ひだ部が形成されている。そして、第1ひだ部と第2ひだ部とで、底部ガセット部9が形成されている。図1の正面図においては、折込部3aより下方において、第1ひだ部が見える状態となっている。
開口部15を介して内容物が収容された後、図1において4aと示されている上部シール予定部(一点鎖線より上側)に上部シール部が形成され、電子レンジ用パウチが封止される。上部シール部は、第1側部シール部5aaから第2側部シール部5abに亘って形成される。収容部11は、側部シール部5aの内縁と、第1底部シール部6aの内縁と、上部シール部の内縁と、後述する隔離シール部10bの内縁と、で画成されている。
内容物は、水分、油分を含む。内容物としては例えば、レトルト食品、冷凍食品や冷蔵食品などを挙げることができる。また食品としては、カレー、お粥、焼きそば、惣菜、魚などを挙げることができる。これらの内容物においては、加熱に伴って水分が蒸発してパウチの収容部11の圧力が高まるので、収容部11内の蒸気を外部に逃がす蒸気抜き機能が求められる。
図3は、電子レンジ用パウチを構成するフィルムの層構成を示す図である。表面・裏面・底面は、積層フィルム30により構成することができる。積層フィルム30は、少なくとも、外側から、基材層31、シーラント層34を含む積層体である。実施形態において、積層フィルム30は、図3に示すように、外側から順に、基材層31、印刷層32、他の層33、シーラント層34が積層されている。印刷層32、他の層33は必須ではない。シーラント層34は、パウチの最内面を構成する層である。電子レンジ用パウチは、熱に対する耐性を必要とされる。このため、実施形態の基材層31は、耐熱性をもつ材料からなる。例えば、基材層31の材料としては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ナイロンなどのポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルムなどを用いることができる。厚みは、10μm〜50μm程度である。基材層31は、二軸延伸されていることが好ましい。
図1に示すように、電子レンジ用パウチでは、側部5に、蒸気抜き機能を備えた蒸通機構10が設けられている。蒸通機構10は、蒸気抜けさせるための未シール部10aと、未シール部10aと収容部11を隔離するための隔離シール部10bと、を含む。蒸通機構10は、パウチの上縁16と中間点25との間に設けることができる。なお、中間点25は、折込部3aと直交する方向におけるパウチの上縁16とパウチの下縁17との中間点である。
図1に示すように、開封手段18は、蒸通機構10より下方であって、且つ、折込部3aより上方に設けられている。図1では、第1側部シール部5aaおよび第2側部シール部5abに開封手段18を設けた例が示されているが、どちらか一方の側部シール部5aに設けるようにしてもよい。例えば、第2側部シール部5abのみに開封手段18を設けるようにしてもよい。電子レンジで加熱直後において蒸通機構10周辺は熱くなっているため、使用者がより安全に開封することができる。なお、開封手段18は、蒸気抜けした後、内容物の上面よりも上方となるように設けられる。
内容物が収容部11内に充填され、上部シール予定部4aにおいてシールされ密閉された後、電子レンジを用いて加熱する。加熱され蒸気により収容部11が膨らむと圧力により隔離シール部10bが、収容部11の中央に近い図1の左下端側から剥離される。未シール部10aの第1縁部22と第24縁部の接続点まで隔離シール部10bが剥がれると、収容部11が外部と繋がり、蒸気が外へ抜ける。そして、開封手段18を用いて開封し、内容物を食することができる。本実施形態においては、蒸通機構10より下側に開封手段18が設けられているため、蒸通機構10より上側に開封手段が設けられている場合に比べて、開封位置と内容物の上面との距離を近くすることができ、内容物を取り出しやすくすることができる。
(側部シール部)
図5は、電子レンジ用パウチの変形例を示す正面図である。図1と同様の機能を果たす箇所には、同一符号を付して説明を省略する。図5は、蒸通機構10より下側の側部シール部5aが第1部分と第2部分を含み、第2部分のシール幅が第1部分より大きく、第2部分に開封手段が設けられる例を示したものである。
図7は、電子レンジ用パウチの変形例を示す正面図である。図1と同様の機能を果たす箇所には、同一符号を付して説明を省略する。図7は、開封手段18に加えて第2開封手段14が設けられる例を示したものである。第2開封手段14としては、開封手段18と同じものを用いることができる。第2開封手段14は、蒸通機構10より上方に設けられている。図7において、第2開封手段14は、第1側部シール部5aaおよび第2側部シール部5abに設けられているが、どちらか一方の側部シール部5aに設けるようにしてもよい。例えば、第2側部シール部5abのみに第2開封手段14を設けるようにしてもよい。電子レンジで加熱直後において蒸通機構10周辺は熱くなっているため、使用者がより安全に開封することができる。
蒸通機構10としては、未シール部10aの全域が、表面フィルム1、裏面フィルム2に覆われていなくてもよく、未シール部10a内に位置する表面フィルム1、裏面フィルム2の少なくとも一方の一部に切り込みまたは孔を設けてもよい。
蒸通機構10は、基材層31とシーラント層34の間に積層される熱軟化性樹脂であってもよい。図10は、蒸通機構10として熱軟化性樹脂を用いた場合における電子レンジ用パウチを構成するフィルムの層構成を示す図である。図10において、図3、図4と同一の部分については同一符号を付して説明を省略する。変形例においては、積層フィルム30bは、図10に示すように、外側から順に、基材層31、印刷層32、熱軟化性樹脂層35、シーラント層34が積層されている。熱軟化性樹脂層35は、全面に設けられる必要はなく、蒸通機構10として必要な部分に設けられていればよい。
上記実施形態では、表面フィルム1、裏面フィルム2、底面フィルム3の3枚のフィルムで構成するようにしたが、2枚や1枚のフィルムで構成してもよい。例えば、表面フィルムと底面フィルムと裏面フィルムが連設された1枚のフィルムを用いて電子レンジ用パウチを構成してもよいし、表面フィルムと、裏面フィルムと底面フィルムを連設したフィルムからなる計2枚のフィルムを用いて電子レンジ用パウチを形成してもよい。
2・・・裏面フィルム
3・・・底面フィルム
3a・・・折込部
3b〜3e・・・第2切り欠き部
3f・・・底面フィルムの第1部分
3g・・・底面フィルムの第2部分
4・・・上部
4a・・・上部シール予定部
5・・・側部
5a・・・側部シール部
5aa・・・第1側部シール部
5ab・・・第2側部シール部
5aa1・・・第1側部シール部の第1部分
5aa2・・・第1側部シール部の第2部分
5ab1・・・第2側部シール部の第1部分
5ab2・・・第2側部シール部の第2部分
6・・・底部
6a・・・第1底部シール部
6b・・・第2底部シール部
9・・・底部ガセット部
10・・・蒸通機構
10a・・・未シール部
10b・・・隔離シール部
11・・・収容部
14・・・開封手段(第2開封手段)
15・・・開口部
16・・・上縁
17・・・下縁
18・・・開封手段
21・・・開口
22・・・第1縁部
23・・・第2縁部
24・・・第3縁部
25・・・中間点
30、30a、30b・・・積層フィルム
40・・・第2未シール部
L1・・・隔離シール部10bのうち最も第2側部シール部5ab寄りの内縁から蒸通機構10の下端より下側の第1側部シール部5aaの内縁までの距離
L2・・・隔離シール部10bのうち最も第2側部シール部5ab寄りの内縁から蒸通機構10の上端より上側の第1側部シール部5aaの内縁までの距離
L3・・・折込部3aからパウチの下縁17までの距離
W1・・・蒸通機構10の下端より下側の第1側部シール部5aaのシール幅
W2・・・蒸通機構10の上端より上側の第1側部シール部5aaのシール幅
W3・・・隔離シール部10bのシール幅
W4・・・蒸通機構10の下端より下側の第2側部シール部5abのシール幅
W5・・・蒸通機構10の下端より上側の第2側部シール部5abのシール幅
W6・・・第1側部シール部の第2部分5aa2のシール幅
W7・・・第2側部シール部の第2部分5ab2のシール幅
Claims (4)
- 蒸通機構を備え、底部ガセット部を有するパウチであって、
表面フィルムと、裏面フィルムと、前記表面フィルムと前記裏面フィルムとの間に位置する底面フィルムと、前記表面フィルムと前記裏面フィルムを接合する側部シール部と、を有し、
前記側部シール部は、前記蒸通機構に近い側の第1側部シール部と、前記蒸通機構から遠い側の第2側部シール部と、で構成され、
前記第2側部シール部が第1部分と、前記第1部分の上側に位置する第2部分を含み、前記第2部分のシール幅が前記第1部分のシール幅より大きく、前記第2部分において、前記蒸通機構と対向する位置より下方に切欠き、切り込み、傷痕群のいずれかの開封手段が設けられており、前記第1側部シール部には、切欠き、切り込み、傷痕群のいずれの開封手段も設けられていない、電子レンジ用パウチ。 - 前記蒸通機構は、蒸気抜けさせるための未シール部と、当該未シール部と収容部を隔離するための隔離シール部と、を含む、請求項1に記載の電子レンジ用パウチ。
- 前記未シール部は、パウチの側縁に達するように形成されており、パウチの側縁部分において前記表面フィルムと前記裏面フィルムの間で開口が形成されている、請求項2に記載の電子レンジ用パウチ。
- 前記パウチは、少なくとも、第1基材層、第2基材層、シーラント層が順に積層された積層体で構成されており、
前記第1基材層はポリエチレンテレフタレートであり、前記第2基材層はポリアミドまたはポリエステルであって、
前記第2基材層は、一方の側縁から他方の側縁に向かって延伸されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子レンジ用パウチ。
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