JP2017222114A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
これに対して、近年、組み込みシステム向けの汎用CPUの高性能化が著しく、コスト低減の要請とも相俟って、単一のCPUでベストエフォート処理とリアルタイム処理との両方を実行する画像形成装置が提案され始めている。
しかしながら、リアルタイム処理とベストエフォート処理とでキャッシュメモリを共用すると、リアルタイム処理のキャッシュデータがベストエフォート処理によってキャッシュアウトしてしまい、メカニカル制御のリアルタイム性が破たんする恐れがある。例えば、用紙の搬送方向下流の搬送ローラーの駆動開始が遅れると、停止している搬送ローラーに用紙が押し付けられて紙詰まりが発生する可能性がある。
キャッシュメモリを専用領域に区分けすることなく、リアルタイム処理の破たんを防止するためには、リアルタイム処理プログラムをキャッシュロックダウンする方法が有効である。リアルタイム処理の完了後にキャッシュロックダウンを解除すれば、ベストエフォート処理についてもキャッシュメモリを利用することができるので高速化が可能になる。
この場合において、画像形成時に搬送される用紙の先端及び後端を検出する搬送センサーを備え、前記入出力模擬手段は、前記搬送センサーによる用紙の先端及び後端の検出信号を模擬することによって、前記画像形成プログラムに用紙搬送量を算出させてもよい。
また、画像形成ジョブにおいて指定されたモード情報を特定するモード情報特定手段を備え、前記模擬実行手段は、前記モード情報に応じて前記画像形成プログラムを模擬実行してもよい。
また、前記画像形成プログラムの本実行後、引き続いて画像形成プログラムを本実行する場合には、先行する本実行後で後続の本実行前における前記模擬実行と、当該引き続く本実行が完了するまで前記キャッシュロックダウンの解除とを禁止する禁止手段を備えてもよい。
また、前記リアルタイム性が要求されない他のプログラムは、メカコン制御を行わない画像処理プログラム及びユーザーインターフェイス処理プログラムを含む。
[1]画像形成装置の構成
まず、本実施の形態に係る画像形成装置の構成について説明する。
図1に示されるように、本実施の形態に係る画像形成装置1は所謂タンデム型のカラープリンターである。画像形成装置1は、画像形成部110と給紙部120とを備えており、画像形成部110はイメージングユニット111を有している。イメージングユニット111は、トナーボトル112からイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色のトナーの補給を受けてトナー像を形成し、各色のトナー像が互いに重なり合うように中間転写ベルト113上に一次転写してカラートナー像を形成する。
[2]制御部100の構成
次に、制御部100の構成について説明する。
図2に示されるように、制御部100はCPU200、HDD(Hard Disk Drive)210等を備えている。CPU200は、所謂マルチコアプロセッサであって、2つのコア201、202とキャッシュメモリ203とを内蔵している。本実施の形態においては、コア201はコントローラー制御を行い、コア202はメカコン制御を行う。
コア201、202はキャッシュメモリ203、ROM(Read Only Memory)220、RAM(Random Access Memory)221及びHDD210を共有する。ROM220には画像形成装置1の電源投入時にCPU200を起動するためのブートプログラムが記憶されている。RAM221はCPU200の作業用記憶領域として使用される。HDD210はコントローラー制御用プログラム211とメカコン制御用プログラム212とを記憶している。
メカコン制御用コア202からメカコン制御対処部232へのI/Oアクセスは所謂メモリマップドI/Oになっている。従って、レジスターがマッピングされた各アドレスにデータを書き込むことによって制御出力がなされ、また、当該アドレスからデータを読み出すことによってセンサー入力を取得することができる。
このため、画像形成処理を模擬的に実行する際に、画像形成処理のためにメカコン制御用コア202が制御出力を行うと、I/O制御部233の内部メモリに制御内容が書き込まれる。また、メカコン制御用コア202が画像形成処理のためにセンサー入力を取得する場合には、I/O制御部233の内部メモリの記憶内容が読み出される。これによって、画像形成処理に必要な入出力が模擬される。
CPU200は、キャッシュロックダウン機能を有している。キャッシュロックダウン機能とは、キャッシュメモリ203に登録されているアドレスの更新を禁止して、既に登録しているアドレスに対するアクセスをキャッシングし続ける機能である。またCPU200、HDD210、ROM220、RAM221、コントローラー制御対象部231及びメカコン制御対象部232は相互に通信できるように内部バス222に接続されている。CPU200は内部バス222へのアクセスの調停も行う。
[3]キャッシュロックダウン処理
次に、本実施の形態に係るキャッシュロックダウン処理について説明する。
このため、画像形成時のセンサー入力を模擬するキャッシュロックダウン用のプログラムを用いる。キャッシュロックダウン用プログラムは、メカコン制御用コア202に画像形成プログラムを通常通り実行させる一方、モーターやセンサー制御、作像プロセス(帯電、露光、現像、転写)に関する制御出力は行わず、また、センサー入力を模擬する。
(3−1)キャッシュメモリ203に関する基本動作
まず、キャッシュメモリ203を利用する際の基本動作について説明する。
従って、メカコン制御用プログラム212をキャッシュメモリ203に記憶した状態でキャッシュロックダウンすれば、メカコン制御用プログラム212は常にキャッシュヒットするので、メカコン制御のリアルタイム性を保証することができる。
(3−2)コントローラー制御用コア201の動作
次に、コントローラー制御用コア201の動作について、特に画像形成処理とメカコン制御用コア割り込み処理について説明する。
(3−2−1)画像形成処理
まず、画像形成処理について説明する。
画像形成ジョブにおいてはモード情報が指定されている。モード情報は、例えば、用紙の給紙口や用紙サイズ、カラーモード、印字面などである。次に、画像形成するページ番号を表す作業用変数nの値を1にして(S303)、次のようなループ処理を実行する。
(3−2−2)メカコン制御用コア割り込み処理
次に、メカコン制御用コア割り込み処理について説明する。
図4に示されるように、メカコン制御用コア割り込み処理において、コントローラー制御用コア201はRAM221の所定アドレスを参照して、キャッシュロックダウン完了フラグがセットされているか否かを確認する(S401)。キャッシュロックダウン完了フラグがセットされていなければ(S402:NO)、メカコン制御用コア202によるキャッシュロックダウン処理が未だ完了していないと判断されるので、ステップS401に進んで更にキャッシュロックダウン完了フラグを監視する。
このようにすれば、メカコン制御用コア202がキャッシュロックダウン処理を行っている間、コントローラー制御用コア202はキャッシュロックダウン完了フラグを参照する処理を繰り返すだけなので、キャッシュメモリ203からメカコン制御用プログラムがキャッシュアウトされなくなる。
(3−3)メカコン制御用コア202による画像形成処理
次に、メカコン制御用コア202による画像形成処理について説明する。
次に、メカコン制御用コア202は画像形成処理を実行し(S507)、画像形成処理が完了したら、コントローラー制御用コア201から次のページの画像形成指示を受け付けたか確認する。次のページの画像形成指示を受け付けている場合には(S508:YES)、今のページと次のページとで画像形成指示に係るモード情報が一致しているか否かを確認する。
モード情報が変更されない場合には(S509:NO)、ステップS507に進んで、次のページの画像形成処理を実行する。この場合には、キャッシュメモリ203に記憶されている画像形成プログラムを用いれば、次のページの画像形成処理についてリアルタイム性を保証することができる。
(3−4)キャッシュロックダウン用プログラム
次に、キャッシュロックダウン用プログラムについて説明する。
すなわち、図6に示されるように、まず、コントローラー制御用コア201からの画像形成指示に含まれるモード情報に基づいて、画像形成プログラムの模擬実行に用いる模擬データを生成する(S601)。図7は、モード情報と模擬データとの対応を例示する表である。図7に示されるように、モード情報における給紙口の指定からは給紙口の模擬データが生成される。
更に、カラーモードによって、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)シアン(C)及び黒色(K)の4色のトナー像を形成するイメージングユニット111のうち、K色のイメージングユニット111のみを動作させるのか、YMCK全色のイメージングユニット111のみを動作させるのかが決定される。プリント速度からは制御周期あたりの用紙搬送量が決定される。印字面からは、片面通紙するか両面通紙するかが決まる。
キャッシュロックダウン用プログラムは、更に、I/O制御部233を模擬モードに設定する(S603)。この場合において、キャッシュロックダウン用プログラムは、I/O制御部233の内部メモリにセンサー入力の初期値を書き込んでおく。例えば、画像形成処理の開始前にオフしているセンサー入力については対応するアドレスにその旨のデータを書き込んでおく。
ここで、本実施の形態において、画像形成装置1の搬送系は図8に示されるような構成を備えている。すなわち、給紙部120は1段目と2段目の2つの給紙トレイを有しており、1段目の給紙トレイに収容されている用紙は1段給紙ローラー801によって搬出されたことが1段給紙センサー802によって検出される。
次に、上と同様にして、タイミングセンサー808のオンタイミングになったら(S607:YES)、キャッシュロックダウン用プログラムは、タイミングセンサー808のレジスターに対応するアドレスの当該ビットをセットして、タイミングセンサー808のオンを模擬する(S608)。
画像形成プログラムは、更に、タイミングセンサー808のオンタイミングから用紙後端位置を推定して、用紙後端が1段給紙ローラー801の停止位置を通過したと判断すると、1段給紙ローラー801を停止させる制御出力を行う。キャッシュロックダウン用プログラムは、給紙センサー802のオフタイミングになったら(S609:YES)、1段給紙センサー802を模擬的にオフする(S610)。これによって、画像形成プログラムは、用紙後端が1段給紙センサー802の検出位置を通過したと判断する。
画像形成プログラムは、更に、タイミングセンサー808のオフタイミングから用紙後端位置を推定して、用紙後端がタイミングローラー809の停止位置を通過したと判断すると、タイミングローラー809を停止させる制御出力を行う。
画像形成プログラムは、排紙センサー813のオンタイミングから用紙先端位置を推定して、用紙先端が排紙ローラー814の停止位置を通過したと判断すると、タイミングローラー809を停止させる制御出力を行う。キャッシュロックダウン用プログラムは、排紙センサー813のオフタイミングになったら(S615:YES)、排紙センサー813を模擬的にオフする(S616)。これによって、画像形成プログラムは、用紙後端が排紙センサー813の検出位置を通過したと判断する。
その後、キャッシュロックダウン用プログラムは、I/O制御部233を通常モードにして(S617)、処理を終了する。
[4]変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(4−1)上記実施の形態においては、I/O制御部233を用いて模擬実行時の制御出力をすべて遮断すると共にセンサー入力を模擬する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしてもよい。
図10は、模擬実行時のタイミングチャート例である。模擬実行時にキャッシュロックダウン用プログラムが予め各クラッチを切断している場合、図10に示されるように、画像処理プログラムが1段給紙クラッチ901を接続するために制御出力をオンしても、I/O制御部233に切断されているので、駆動モーター900の駆動力は1段給紙ローラー801には伝達されない。
更に所定時間経過後、キャッシュロックダウン用プログラムは、排紙センサー813の検出位置を用紙後端が通過したことを模擬するためにセンサー入力をオフする。これを契機として、画像形成プログラムは排紙ローラー814を停止させるために、排紙クラッチ903を切断する制御出力を行う。
(4−2)上記実施の形態においては、主に搬送系について画像形成処理を模擬するための動作を説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、メカ制御対象部232の搬送系以外の箇所についても模擬を行う必要がある。
画像形成プログラムは、実際の画像形成時には、感光体ドラムを回転駆動しながら、帯電装置で感光体ドラムの外周面を一様に帯電させ、露光装置で静電潜像を形成し、現像装置で静電潜像をトナー像にして、一次転写ローラーで中間転写ベルトに静電転写する。一次転写後に感光体ドラムの外周面上に残留するトナーはクリーナーによって除去される。クリーナーは、除電露光によって残留電荷も除去する。
このようにすれば、イメージングユニット111についても画像形成処理を模擬実行することができる。
(4−3)上記実施の形態においては、I/O制御部233を用いて制御出力を遮断し、センサー入力を模擬する場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えてソフトウェア処理のみで模擬実行を行ってもよい。例えば、模擬実行時には、本実行時に実行される画像形成プログラムのコードをすべて実行するのに加えて、制御出力を遮断し、センサー入力を模擬するためのコードを実行してもよい。このようにすれば、本実行時のコードがすべてキャッシュメモリ203に記憶されるので、本実行時のリアルタイム性を保証することができる。
(4−4)上記実施の形態においては、CPU200が2つのコア201、202を備える場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、CPU200は所謂シングルコアであってもよいし、3つ以上のコアを備えていてもよい。また、3つ以上のコアを備えている場合、どのコアにどの処理を割り振るかに関わらず本発明の効果は同じである。
(4−5)上記実施の形態においては、画像形成装置がタンデム型のカラープリンターである場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、タンデム型以外のカラープリンターやモノクロプリンターであってもよい。また、スキャナーを備えた複写装置や、更に通信機能を備えたファクシミリ装置といった単機能機やこれらの機能を兼ね備えた複合機(MFP: Multi- Function Peripheral)に本発明を適用しても同様の効果を得ることができる。
110…画像形成部
100…制御部
200…CPU
201…コントローラー制御用コア
202…メカコン制御用コア
203…キャッシュメモリ
231…コントローラー制御対象部
232…メカコン制御対象部
233…I/O制御部
Claims (9)
- リアルタイム性が要求される画像形成プログラムと、必ずしもリアルタイム性が要求されない他のプログラムとを1のキャッシュメモリを共有して実行する画像形成装置であって、
前記他のプログラムの実行動作を停止する停止手段と、
前記画像形成プログラムの実行中、装置各部へ送信する制御出力を遮断し、装置各部に設けられたセンサーの検出信号を模擬的に作成する入出力模擬手段と、
前記画像形成プログラムの用紙搬送に係る制御周期を変更する制御周期変更手段と、
前記停止手段によって前記他のプログラムの動作が停止され、前記入出力模擬手段によって前記制御出力が遮断され、前記センサーの検出信号が模擬され、かつ、前記制御周期変更手段によって前記制御周期が画像形成時よりも短くされている状態で、前記画像形成プログラムを模擬実行する模擬実行手段と、
前記画像形成プログラムの本実行に先立って、前記キャッシュメモリの記憶領域のうち、少なくとも前記画像形成プログラムの模擬実行箇所を記憶した領域のキャッシュロックダウンを実行するキャッシュロックダウン手段と、
前記キャッシュロックダウンの実行後、前記他のプログラムの動作停止を解除する停止解除手段と、
前記画像形成プログラムの本実行後、前記キャッシュロックダウンを解除するキャッシュロックダウン解除手段と、を備える
ことを特徴とする画像形成装置。 - 画像形成時に搬送される用紙の先端及び後端を検出する搬送センサーを備え、
前記入出力模擬手段は、前記搬送センサーによる用紙の先端及び後端の検出信号を模擬することによって、前記画像形成プログラムに用紙搬送量を算出させる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - トナー像を形成するための作像手段と、
前記作像手段による作像状態を検出する作像センサーと、を備え、
前記入出力模擬手段は、前記作像センサーの検出信号を模擬して作成することによって、前記画像形成プログラムに画像形成位置を算出させる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 画像形成ジョブにおいて指定されたモード情報を特定するモード情報特定手段を備え、
前記模擬実行手段は、前記モード情報に応じて前記画像形成プログラムを模擬実行する
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の画像形成装置。 - 前記モード情報は、用紙の給紙口、用紙サイズ、カラーモード、プリント速度及び印字面の少なくとも1を指定する情報である
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記模擬実行手段は、前記モード情報特定付手段が前記モード情報を特定した後、前記画像形成プログラムを模擬実行する
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成装置。 - 前記画像形成プログラムの本実行後、引き続いて画像形成プログラムを本実行する場合には、先行する本実行後で後続の本実行前における前記模擬実行と、当該引き続く本実行が完了するまで前記キャッシュロックダウンの解除とを禁止する禁止手段を備える
ことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の画像形成装置。 - 前記禁止手段は、前記画像形成プログラムの先行する本実行と後続の本実行とでモード情報が異なる場合には、前記模擬実行と前記キャッシュロックダウンの解除との何れも禁止しない
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。 - 前記リアルタイム性が要求されない他のプログラムは、メカコン制御を行わない画像処理プログラム及びユーザーインターフェイス処理プログラムを含む
ことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の画像形成装置。
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