JP6750396B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
[画像形成装置の外観]
図1の(a)は、本発明の実施形態による画像形成装置100の外観を示す斜視図である。この画像形成装置は複合機(multi-function peripheral:MFP)100であり、スキャナー、カラーコピー機、およびカラーレーザープリンターの機能を併せ持つ。MFP100の筐体の上面には自動原稿送り装置(auto document feeder:ADF)110が開閉可能に装着されている。ADF110の直下に位置する筐体の上部にはスキャナー120が内蔵され、この筐体の下部にはプリンター130が内蔵されている。プリンター130の底部には給紙カセット133が引き出し可能に取り付けられている。
図1の(b)は、図1の(a)の示す直線b−bに沿った、MFP100の模式的な断面図である。この図が示すように、MFP100の筐体下部にはプリンター130の機構部が組み込まれている。この機構部は、給送部10、作像部20、定着部30、および排紙部40を含む。
給送部10は給送ローラー群12P、12R、12F、13、14、15を利用して、給紙カセット11a、11b、または手差しトレイ16に収容されたシートの束SHTからシートSH1を1枚ずつ作像部20へ給送する。「シート」とは、紙製もしくは樹脂製の薄膜状もしくは薄板状の材料、物品、または印刷物をいう。給紙カセット11a、11b、および手差しトレイ16に収容可能なシートの種類、すなわち紙種はたとえば、普通紙、上質紙、カラー用紙、または塗工紙であり、サイズはたとえば、A3、A4、A5、B4、またはB5である。さらに、シートの姿勢は縦置きと横置きとのいずれにも設定可能である。
作像部20は、給送部10から送られたシートSH2の上にトナー像を形成する。この形成には印刷エンジンが利用される。印刷エンジンはたとえば、タンデム方式の4つの作像ユニット21Y、21M、21C、21K、中間転写ベルト23、およびレーザー走査方式の露光部26を含む。
定着部30は、作像部20から送出されたシートSH2にトナー像を熱定着させる。具体的には、定着部30は定着ローラー31と加圧ローラー32とを回転させながら両ローラー間のニップにシートSH2を通紙する。このとき、定着ローラー31はそのシートSH2へ内蔵のヒーターの熱を加え、加圧ローラー32はそのシートSH2の加熱部分に対して圧力を加えて定着ローラー31へ押し付ける。定着ローラー31からの熱と加圧ローラー32からの圧力とによりトナーがシートSH2に溶着するので、トナー像がそのシートSH2に定着する。定着部30は更に定着ローラー31と加圧ローラー32との回転により、そのシートSH2を排紙部40へ送り出す。
排紙部40は、定着部30から送出されたシートSH3、SH4を、排紙口42から排紙トレイ46へ排紙し、または反転トレイ47でスイッチバックさせる。具体的には、排紙部40はまず、シートの送り先に応じて切換爪41を上下させる。切換爪41は、その基端が排紙口42と反転口44との間に回転可能に固定された爪状または板状の部材であり、基端のまわりに揺動することによって先端を上下に移動させる。切換爪41に先端を上げさせるとシートは排紙口42へ進み、下げさせると反転口44へ進む。排紙部40は次に排紙ローラー43または反転ローラー45を回転させる。排紙ローラー43は排紙口42の内側に配置され、切換爪41を通過したシートSH3を排紙口42から排紙トレイ46へ送出する。反転ローラー45は反転口44の内側に配置され、正逆両方向に回転可能である。反転ローラー45はまず正転し、切換爪41を越えて移動してきたシートSH4を一旦、反転口44から送出して反転トレイ47に載せる。反転ローラー45は更に、そのシートSH4の後端を通過させる直前に逆転してそのシートSH4を反転トレイ47から反転口44の中へ引き込み、すなわちスイッチバックさせて循環路48へ送る。循環路48では4対の搬送ローラー49A,49B、49C、49Dが、反転ローラー45の送出したシートSH5を裏返して給送部10内の搬送経路へ戻す。その後、給送部10はこのシートSH5を再び作像部20へ送り、作像部20はこのシートSH5の裏面にトナー像を形成する。定着部30はこのシートSH5に再び熱処理を行い、排紙部40はこのシートSH5を今度は排紙トレイ46へ送出する。
MFP100では、給送部10と排紙部40とに加え、中間転写ベルト23の駆動ローラー23R、2次転写ローラー24、定着ローラー31、加圧ローラー32等、作像部20と定着部30との一部がシートの搬送機構としても機能する。
図2は、この搬送機構が構成するシートの搬送経路を示す模式図である。給紙カセットの1段目11aと2段目11b、および手差しトレイ16のそれぞれから伸びる3本の給紙経路が第1合流点MP1で1本の経路にまとまる。この経路は作像部20と定着部30とを貫き、切換爪41に面した分岐点BPで2本に分かれる。1本は排紙口42で排紙トレイ46へ繋がり、もう1本は反転口44で反転トレイ47と循環路48とへ繋がる。循環路48は、第1合流点MP1と作像部20との間に位置する第2合流点MP2で元の経路に繋がる。
図2が示すように、搬送経路上には、搬送ローラー群12P、…に加えて通紙センサー1FS、2FS、CS、TS、ES、1RS、2RSが設置されている。各通紙センサー1FS、…は、その設置場所を通過中のシートを光学的に検出し、それを示す信号を送出する。具体的には、各通紙センサーは発光部と受光部とを含む。発光部は赤外線等、所定波長の光を出射し、受光部はその波長の光を検知してその出力信号を変化させる。各通紙センサーの設置場所を1枚のシートが通過する間、そのシートは発光部の出射光を受光部の手前で遮断し、または受光部へ向けて反射する。この出射光の遮断または反射に応じて受光部の出力信号が変化することから、各通紙センサーの設置場所を通過中のシートが検出される。この出力信号、すなわち通紙センサー1FS、…の検出信号の状態を、給送部10、作像部20、定着部30、および排紙部40は後述の主制御部60(図4参照。)へ通知する。この通知に応じて主制御部60は、以下に示すとおり、搬送ローラーの回転と停止とのタイミングを制御し、ジャム等に起因してシートの搬送タイミングに異常が生じているか否かを判断する。
第2合流点MP2と2次転写ローラー24との間には、タイミングローラー14とタイミングセンサーTSとが設置されている。タイミングローラー14は、シートが給紙カセット11a、11b、手差しトレイ16、および循環路48のいずれから到達する時点でも停止しており、そのシートを一旦停止させる。そのシートの到着がタイミングセンサーTSの出力から検知されると、その到着時点から所定時間が経過した時点でタイミングローラー14は回転を開始する。これにより、停止していたシートが中間転写ベルト23の駆動ローラー23Rと2次転写ローラー24との間のニップへ、中間転写ベルト23上のトナー像と同時に進入する。この進入のタイミングに遅れがないか否かがタイミングセンサーTSの出力から判断される。
循環路48には通紙センサー1RS、2RSが設置されている。これらの出力が示すシートの通過タイミングに遅れがないか否かに応じて、循環路48の搬送ローラー群49A−49Dがそのシートを正常なタイミングで搬送しているか否かが判断される。
搬送経路の周辺と印刷エンジンとには可動部材の駆動用アクチュエーターが設置されている。これらのアクチュエーターには、搬送ローラーの駆動モーターM1−M6、TM、SM、FM、EM、RM、感光体ドラム25Y、…の駆動モーターYM、MM,CM、KM、および切換爪41の駆動ソレノイドSLが含まれる。各駆動モーターM1、…はたとえば直流ブラシレス(BLDC)モーターであり、一般に正逆両方向に回転可能である。各モーターM1、…は、ギア、ベルト等の伝達系統を通して駆動対象のローラーに回転力を与える。ソレノイドSLは、電磁石を利用して可動鉄芯(プランジャー)を軸方向に前後運動させて切換爪41を押し引きすることにより、それを上下に揺動させる。
図3の(a)はMFP100の斜め前方からの斜視図であり、(b)はMFP100のシャーシ101の斜め後方からの斜視図である。いずれの図面にも、MFP100が内蔵する主制御部60と電源部70とが、あたかもMFP100の筐体とシャーシ101とを透かして見えているように描かれている。主制御部60と電源部70とはそれぞれ1枚の印刷回路基板に実装され、それらの基板が、MFP100の筐体の背面とシャーシ101との間に設けられた電装空間ELSの中に、その背面に対して平行に収容されている。図3は示していないが、主制御部60の基板上には外付けの電子機器(オプション)に対する接続部(コネクタ)が設けられている。これらのオプションには、USBメモリー、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)等の可搬性記憶装置PMD、およびネットワーク(LAN)カード、半導体メモリーボード、グラフィックボード等の機能拡張ボードEFBが含まれる。
図4は、MFP100の電子制御系統の構成を示すブロック図である。この制御系統では、機構部10、20、30、40内の駆動部10D、20D、30D、40Dに加えて操作部50と主制御部60とが、バス90を通して互いに通信可能に接続されている。
−駆動部−
図4は示していないが、各機構部10、…、の駆動部10D、20D、30D、40Dは、制御回路、駆動回路、およびレジスターを含む。これらを利用して各駆動部10Dは図2の示す駆動モーター群M1、…、ソレノイドSL等のアクチュエーターに対してフィードバック制御を行う。
レジスターは、制御回路と同じ基板または同じチップに組み込まれたラッチ回路等の記憶素子である。レジスターは制御回路と主制御部60との両方に監視され、両者間で交換されるべき情報の一時的な保存場所として利用される。制御回路は、主制御部60がレジスターに書き込んだ命令に応じてアクチュエーターを起動または停止させ、その命令が示す、プリンター130の動作モード、シートの搬送速度の目標値等の情報に基づき、アクチュエーターの制御量の目標値を決定する。制御回路はまた、アクチュエーターまたはその駆動対象である可動部材の状態に関する情報、または、通紙センサー1FS、…から送出される検出信号の状態に関する情報をレジスターへ書き込むことにより、これらの情報を主制御部60へ通知する。
操作部50は、MFP100の備えたUIの総体であり、操作パネル51、メモリーインターフェース(I/F)52、およびネットワーク(LAN)I/F53を含む。これらを利用して操作部50は、ユーザー操作または外部の電子機器から各種ジョブの処理要求を受け付け、その要求を主制御部60へ伝える。特にジョブが印刷である場合、操作部50は印刷対象の画像データと共に印刷条件を、ジョブ処理の要求元から取得する。すなわち、操作部50は条件取得手段として機能する。印刷条件の設定項目には、たとえば、印刷対象のシートのサイズ、紙種、姿勢(縦置きと横置きとの別)、部数、カラー/モノクロの別、画質が含まれる。これらの条件を規定するパラメーターの値を操作部50は操作情報に組み込み、印刷対象の画像データと共に主制御部60へ提供する。
主制御部60は、図3の示す1枚の印刷回路基板に実装された集積回路であり、CPU61とメインメモリー62とを含む。CPU61は各種プログラムの実行手段である。メインメモリー62は、それらのプログラムの保存領域と共に、CPU61がプログラムを実行する際の作業領域を含む。
CPU61はコア61Cとキャッシュメモリー61Mとを含む。コア61CはたとえばRISC(reduced instruction set computer)プロセッサーであり、特にプログラムの実行にロードストアアーキテクチャを使用する。すなわち、コア61Cは、内部レジスターへ読み込まれたデータに対してのみ、演算等の処理を行う。これにより、コア61Cによるメインメモリー62へのアクセスとI/Oアクセスとには基本的に、アクセス先からのデータの読み出し(ロード)とアクセス先へのデータの書き込み(ストア)との2種類しかない。キャッシュメモリー61Mは、メインメモリー62の含む記憶素子と比べて小容量ではあるが、読み書きの高速な記憶素子、たとえばSRAMを含む。具体的には、RAM621の容量が数GB程度であり、アクセス時間が数百n秒程度であるのに対し、キャッシュメモリー61Mの容量は数十KB程度であり、アクセス時間は数十n秒程度である。キャッシュメモリー61Mはコア61Cとメインメモリー62との間のデータ伝送路の中間に配置され、コア61Cがメインメモリー62に対して読み書きした命令とデータとのうち最新のものを記憶する。キャッシュメモリー61Mは更に、コア61Cがメインメモリー62に対して読み書きしようとする命令またはデータをすでに記憶している場合にはその命令/データを、メインメモリー62に代わってコア61Cに提供し、またはコア61Cに代わってメインメモリー62へ書き込む。キャッシュメモリー61Mはメインメモリー62よりも読み書きが高速であるので、命令/データの読み書きにおけるコア61Cの待ち時間を短縮することができる。
図5の(a)は、キャッシュメモリー61Mの構成を示すブロック図である。キャッシュメモリー61Mはキャッシュコントローラー611とメモリーアレイ612とを含む。キャッシュコントローラー611は、メインメモリー62に対する命令とデータ(以下、「ワード」と総称する。)の読み書きを、コア61Cとは独立して自動的に行う機能を持つハードウェアである。メモリーアレイ612はSRAM素子のマトリクスである。コア61Cからメインメモリー62へ向けてロード/ストア要求が送信されると、キャッシュコントローラー611はまず、その要求がメインメモリー62へ届く前に、その要求を傍受する。キャッシュコントローラー611は次に、その要求の宛先アドレスADRに記憶されたワードがメモリーアレイ612にすでに記憶されているか否かを確認する。そのワードが記憶されている場合、キャッシュコントローラー611はロード/ストア要求をメインメモリー62へ渡すことなく、メモリーアレイ612からそのワードCMD/DATをコア61Cへ送信し、またはメモリーアレイ612内のそのワードを、コア61Cから送出されるワードに書き換える。そのワードが記憶されていない場合、キャッシュコントローラー611はロード/ストア要求をメインメモリー62へ渡す。ロード要求に対してはメインメモリー62からコア61CへワードCMD/DATが転送され、ストア要求に対してはコア61Cからメインメモリー62へワードが転送されるので、キャッシュコントローラー611はそのワードCMD/DATを傍受してメモリーアレイ612にコピーする。
図6の(a)は、通常の状態でキャッシュミスが生じた場合におけるキャッシュメモリー61Mの動作を示す模式図である。キャッシュミスが生じた場合、宛先アドレスADRに基づいてキャッシュコントローラー611が検索したキャッシュラインCLNNには一般に、宛先アドレスADRと下位ビットが一致するものの、上位ビットが異なるアドレスのワードが記憶されている。キャッシュコントローラー611はそのキャッシュラインCLNNの有効ビットvの状態を確認し、キャッシュラインの有効を示す状態、たとえばv=1であれば、無効を示す状態v=0へ遷移させ、すなわち有効ビットvを無効化する。キャッシュコントローラー611は更にそのキャッシュラインCLNNのダーティービットdの状態を確認する。データセクションDTSにコピーされたワードがメインメモリー62内のオリジナルとは異なることをダーティービットdが示す場合、キャッシュコントローラー611はそのデータセクションDTS内のワードCMD/DATでメインメモリー62内のオリジナルを書き換える。こうして、そのキャッシュラインCLNNが、メインメモリー62またはコア61Cから送出される新たなワードをコピーするための領域として確保される。
CPU61は印刷ジョブの処理要求に応じて画像形成プログラムを実行する。この際、CPU61は画像形成プログラムをまず模擬実行し、その模擬実行の完了後に画像形成プログラムを本実行する。「本実行」とは、プリンター130に通常の印刷処理を行わせるための実行モードをいう。「模擬実行」とは、本実行の含む処理のうち、機構部10、…に対するI/Oアクセスを実際には行わない実行モードをいう。模擬実行中、CPU61は入出力模擬手段としても機能する。すなわち、CPU61は、各機構部10、…へ送信すべき制御出力を遮断すると共に、送信先の機構部のセンサーからその制御出力に応じて送出されるはずの検出信号を模擬的に作成する。これにより、模擬実行中、CPU61はいずれの機構部からの応答も実際には待つ必要がないので、模擬実行は本実行よりも、シート1枚あたりの処理時間等の実行周期が短縮される。模擬実行の完了後、本実行に先立ってCPU61はキャッシュメモリー61Mに、模擬実行中に記憶したメカコン62Rのワードをロックダウンさせる。これにより、本実行では、キャッシュメモリー61Mにロックダウンされたワードに従ってメカコンが実行され、他のプログラムが並列に実行されてもそれらのワードが他のワードに上書きされることがない。したがって、機構制御におけるキャッシュヒット率が安定に維持される。
画像形成プログラムの模擬実行中、コア61Cは、プリンター130の駆動部10D、…のレジスターへ書き込むべき命令ACSを遮断し、その命令ACSに対する駆動部10D、…の応答情報RSPを模擬的に作成する。このときに想定されるべきプリンター130の機構部10、…の動作ではタイミング等の詳細が、実際には、印刷条件によって異なる。たとえば、搬送対象のシートの紙種が異なれば、給紙元の給紙カセットの位置、シートの搬送速度の目標値が異なるので、シートの搬送経路と搬送距離、そのシートを検知する通紙センサーの位置、その検知のタイミングが異なる。したがって、模擬実行において印刷条件が標準的なものに一律に設定されると、本実行では、実際の印刷条件と標準的なものとの間の差異に起因するキャッシュミスが実行時間を遅らせ、ヒット率の安定化を阻む危険性がある。この危険性を回避する目的でCPU61は、画像形成プログラムの模擬実行中、模擬的に作成すべき応答情報RSPを印刷条件に合わせて変更する。具体的にはたとえば、印刷条件の次の項目のうち、少なくとも1つに合わせて応答情報RSPが変更される。(1)シートの給紙場所または排紙場所。(2)片面印刷と両面印刷とのいずれを示すか。(3)シートのサイズ、紙種、または姿勢。(4)カラーモードとモノクロモードとのいずれを示すか。
模擬実行中に繰り返されるべき印刷処理の回数は一般に、印刷条件に合わせて異なる値に規定される。たとえば、片面印刷では、シート1枚分の印刷処理に必要なメカコンの全体が一通り含まれるので、規定回数が“1”に設定されればよい。それに対し、両面印刷では、ジョブの規定する印刷対象のシートが複数枚である場合、その枚数と、循環路48を含めた搬送経路全体で搬送ローラー群の制御が周期的になるまでに必要な印刷枚数とのいずれか少ない方に、規定回数が設定される。この規定回数も、図9の示す表と同様に、画像形成プログラムの中に組み込まれている。
図10は、画像形成プログラムの実行処理のフローチャートである。この処理は、CPU61が操作部50から印刷ジョブの処理要求を通知されたことに応じて開始する。
ステップS101では、メモリーアレイ612のフラッシュ命令CFLを、コア61Cがキャッシュコントローラー611へ送信する。この命令CFLに応じてキャッシュコントローラー611はメモリーアレイ612のフラッシュを行う。これにより、すべてのキャッシュラインCLN0、…において有効ビットが無効化される。その後、処理はステップS102へ進む。
ステップS105では、コア61Cが画像形成プログラムを本実行し、印刷ジョブの示す部数のシートを印刷する。本実行では、メカコンの含む、印刷条件に適った実行対象の命令のうち、プリンター130の機構部10、…へのI/Oアクセス命令以外はすでにキャッシュメモリー61Mにコピーされている。これらの命令は、キャッシュミスが生じても他のワードに上書きされることなくメモリーアレイ612にロックダウンされているので、実質上すべてキャッシュヒットする。I/Oアクセス命令だけは、最初の実行時、キャッシュミスに応じてメインメモリー62から読み出され、キャッシュメモリー61Mにキャッシュされる。その後、処理はステップS106へ進む。
図11は、図10の示すステップS105における本実行による機構制御のうち、給送ローラー群12P、12F、12Rの制御のフローチャートである。この制御は、給送ローラー群12P、…を間欠的に回転させて紙間を所定値に維持させる。また、給紙センサー1FS、2FS、縦送センサーCS、タイミングセンサーTSの各出力から、シートの通過タイミングに遅れがないか否か、紙間が正常な値に維持されているか否かが判断される。
図12は、図10の示すステップS103における模擬実行による機構制御のうち、図11の示す給送ローラー群12P、…の制御に相当する部分のフローチャートである。この制御では、給送部10の駆動部10Dに対するI/Oアクセス命令がスキップされ、その命令に対する応答情報が模擬的に作成される。
ステップS212では、コア61Cが、給送部10の駆動部10Dからの応答情報を模擬的に作成する。この模擬的な応答情報は、本実行において、駆動部10Dのレジスターへの回転命令の書き込みに応じてそのレジスターから読み出されるべき情報、具体的には通紙センサー1FS、2FS、CS、TSの各出力結果を模倣する。特に、この出力結果には、たとえば図9の(a)の表が示す各センサー1FS、…による検出時間TF1、…に合わせてコア61Cが計算した、シートが正常にタイミングローラー14まで到達したことを示す値が記載されている。その後、処理はステップS213へ進む。
本発明の実施形態によるMFP100では、上記のとおり、印刷ジョブの処理要求に応じてCPU61が、画像形成プログラムの本実行に先立ち、まずそのプログラムを模擬実行する。模擬実行ではコア61Cが、メカコンの含むワードをメインメモリー62から読み出すので、それらのワードがキャッシュメモリー61Mにキャッシュされる。ただし、プリンター130の機構部10、…へのI/Oアクセス命令はコア61Cによりスキップされるので、本実行であればコア61Cから機構部10、…の駆動部10D、…へ送信されるべき制御出力が遮断される。その代わり、コア61Cは、その制御出力に応じて駆動部10D、…から取得されるはずの応答情報を模擬的に作成し、I/Oアクセス後の処理に利用する。模擬実行の完了後、本実行に先立ってコア61Cはキャッシュメモリー61Mに、模擬実行中に記憶したワードをロックダウンさせる。これらのワードが本実行では機構制御に利用される。これらのワードは、メカコンに他のプログラムが並列に実行されても、他のワードに上書きされることがない。したがって、機構制御におけるキャッシュヒット率が安定に維持される。こうして、コア61Cは機構制御の応答精度を高く維持したまま、リアルタイム型とベストエフォート型との両方のタスク処理に同じキャッシュメモリー61Mを共用することができる。
(A)図1の示す画像形成装置100は電子写真方式のMFPである。本発明の実施形態による画像形成装置はその他にインクジェット方式の複合機であってもよく、レーザープリンター、インクジェットプリンター、ファクシミリ、またはコピー機等、いずれの単機能機であってもよい。
(D)図4の示すCPU61は単一のコア61Cを含む。それとは別に、CPU61はマルチコアであってもよく、AMPにより特定のコアが機構制御専用に割り当てられてもよい。この場合、1次キャッシュはコア別に独立していてもよい。メカコン等のリアルタイム型プログラムと他の(ベストエフォート型)プログラムとの両方のタスク処理における上記のキャッシュメモリー61Mの共用技術は、2次または3次キャッシュ等、複数のコアに共用されるキャッシュメモリーに適用可能である。
模擬実行では、後処理制御プログラムの含むワードのうち、後処理装置150の駆動部に対するI/Oアクセス命令をコア61Cはスキップする。一方、コア61Cは、その命令に応じて後処理装置150の駆動部が自身のレジスターに書き込むはずの応答情報、たとえば通紙センサーの検出信号に関する情報を模擬的に作成し、制御に利用する。この情報は、シートがジャム等の不具合を起こすことなく正常に後処理される場合に、中継ユニット140と後処理装置150との内部の通紙センサーがそのシートを検出すべきタイミング等、後処理の正常な進行に伴う応答情報を模倣する。
130 プリンター
10 給送部
11 給紙カセット
12P、12F、12R 給送ローラー群
13 縦送ローラー
14 タイミングローラー
20 作像部
21Y、21M、21C、21K 感光体ユニット
22Y、22M、22C、22K 1次転写ローラー
23 中間転写ベルト
23R 中間転写ベルトの駆動ローラー
23L 中間転写ベルトの従動ローラー
25Y、25M、25C、25K 感光体ドラム
24 2次転写ローラー
26 露光部
30 定着部
31 定着ローラー
32 加圧ローラー
40 排紙部
41 切換爪
42 排紙口
43 排紙ローラー
44 反転口
45 反転ローラー
46 排紙トレイ
47 反転トレイ
50 操作部
51 操作パネル
60 主制御部
61 CPU
61C コア
61M キャッシュメモリー
611 キャッシュコントローラー
612 メモリーアレイ
62 メインメモリー
1FS、2FS 給紙センサー
CS 縦送センサー
TS タイミングセンサー
ES 排紙センサー
1RS、2RS 通紙センサー
Claims (6)
- リアルタイム性が要求される画像形成プログラムと、必ずしもリアルタイム性が要求されない他のプログラムとの実行に1つのキャッシュメモリーを共用する画像形成装置であって、
前記画像形成プログラムを模擬実行し、当該模擬実行の完了後に前記画像形成プログラムを本実行する実行手段と、
前記画像形成プログラムの模擬実行に先立ち、本実行の際に従うべき印刷条件を取得する条件取得手段と、
前記画像形成プログラムの模擬実行中、前記条件取得手段が取得した印刷条件に合わせて異なる命令とデータとを前記画像形成プログラムから前記実行手段に読み出させ、当該命令に従って前記実行手段から装置各部へ送信されるべき制御出力を遮断し、装置各部に設けられたセンサーから当該制御出力に応じて送出されるはずの検出信号を模擬的に、当該印刷条件に合わせて異なる態様で作成して前記実行手段へ渡す入出力模擬手段と、
前記画像形成プログラムの模擬実行の完了後、本実行に先立って前記キャッシュメモリーに、模擬実行中に記憶した命令とデータとをロックダウンさせるキャッシュロックダウン(CLD)手段と、
前記キャッシュメモリーに加えてメインメモリーとプロセッサーとを含む制御部と、
シートを搬送し、搬送中のシートの上に画像を形成する機構部と、
ユーザーまたは外部の電子機器からデータを受け付ける操作部と、
を備え、
前記メインメモリーは、前記画像形成プログラムと前記他のプログラムとを記憶し、
前記画像形成プログラムは、前記機構部を前記制御部に制御させるプログラムを含み、
前記他のプログラムは、前記操作部が前記条件取得手段として機能するように、前記操作部を前記制御部に制御させるプログラムを含み、
前記プロセッサーは、前記実行手段として機能すると共に、前記画像形成プログラムの模擬実行により前記入出力模擬手段と前記CLD手段としても機能し、
前記入出力模擬手段は、前記画像形成プログラムの含む命令のうち前記機構部へのアクセス命令を前記実行手段にスキップさせることにより、当該アクセス命令に従って前記実行手段から前記機構部へ送信されるべき制御出力を遮断することを特徴とする画像形成装置。 - 前記条件取得手段が取得した印刷条件が示すシートの給紙場所または排紙場所に合わせて、前記入出力模擬手段は、模擬的に作成すべき検出信号の態様を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記条件取得手段が取得した印刷条件が片面印刷と両面印刷とのいずれを示すかに応じて、前記入出力模擬手段は、模擬的に作成すべき検出信号の態様を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- リアルタイム性が要求される画像形成プログラムと、必ずしもリアルタイム性が要求されない他のプログラムとの実行に1つのキャッシュメモリーを共用する画像形成装置であって、
前記画像形成プログラムを模擬実行し、当該模擬実行の完了後に前記画像形成プログラムを本実行する実行手段と、
前記画像形成プログラムの模擬実行に先立ち、本実行の際に従うべき印刷条件を取得する条件取得手段と、
前記画像形成プログラムの模擬実行中、前記条件取得手段が取得した印刷条件に合わせて異なる命令とデータとを前記画像形成プログラムから前記実行手段に読み出させ、当該命令に従って前記実行手段から装置各部へ送信されるべき制御出力を遮断し、装置各部に設けられたセンサーから当該制御出力に応じて送出されるはずの検出信号を模擬的に、当該印刷条件に合わせて異なる態様で作成して前記実行手段へ渡す入出力模擬手段と、
前記画像形成プログラムの模擬実行の完了後、本実行に先立って前記キャッシュメモリーに、模擬実行中に記憶した命令とデータとをロックダウンさせるキャッシュロックダウン(CLD)手段と、を備え、
前記条件取得手段が取得した印刷条件が示すシートのサイズ、紙種、または姿勢に合わせて、前記入出力模擬手段は、模擬的に作成すべき検出信号の態様を変更することを特徴とする画像形成装置。 - 前記条件取得手段が取得した印刷条件がカラーモードとモノクロモードとのいずれを示すかに応じて、前記入出力模擬手段は、模擬的に作成すべき検出信号の態様を変更することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の画像形成装置。
- リアルタイム性が要求される画像形成プログラムと、必ずしもリアルタイム性が要求されない他のプログラムとの実行に1つのキャッシュメモリーを共用する画像形成装置であって、
前記画像形成プログラムを模擬実行し、当該模擬実行の完了後に前記画像形成プログラムを本実行する実行手段と、
前記画像形成プログラムの模擬実行に先立ち、本実行の際に従うべき印刷条件を取得する条件取得手段と、
前記画像形成プログラムの模擬実行中、前記条件取得手段が取得した印刷条件に合わせて異なる命令とデータとを前記画像形成プログラムから前記実行手段に読み出させ、当該命令に従って前記実行手段から装置各部へ送信されるべき制御出力を遮断し、装置各部に設けられたセンサーから当該制御出力に応じて送出されるはずの検出信号を模擬的に、当該印刷条件に合わせて異なる態様で作成して前記実行手段へ渡す入出力模擬手段と、
前記画像形成プログラムの模擬実行の完了後、本実行に先立って前記キャッシュメモリーに、模擬実行中に記憶した命令とデータとをロックダウンさせるキャッシュロックダウン(CLD)手段と、を備え、
後処理装置が外付けされているか否かに応じて、前記入出力模擬手段は、模擬的に作成すべき検出信号の態様を変更することを特徴とする画像形成装置。
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