JP2017221098A - 回転電機駆動システム - Google Patents

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Abstract

【課題】電動トルクをより向上し得るようにした回転電機駆動システムを提供する。【解決手段】回転電機駆動システムは、電機子巻線が巻装されたステータ及び界磁巻線が巻装されたロータを有する回転電機と、界磁巻線及び電機子巻線の少なくとも一方に供給する電流を制御する制御装置とを備える。ロータ30は、ボス部321及び爪状磁極部323を有する界磁コア32と、ボス部321に巻装された界磁巻線と、爪状磁極部323間に配置された永久磁石34とを備える。界磁巻線の起磁力により形成されるd軸磁気回路36と、永久磁石34の磁力により形成される第1及び第2磁石磁気回路の少なくとも一部分とが共有されている。ロータ30の負荷時に、d軸磁気回路36のパーミアンスPrtがq軸磁気回路37のパーミアンスPstより小さくなるように設定される。制御装置は、回転電機が位相制御により力行及び回生のどちらかの動作をするように制御する。【選択図】図7

Description

本発明は、例えば自動車やトラック等に搭載されて電動機や発電機として使用される回転電機駆動システムに関する。
従来の回転電機として、界磁巻線と、該界磁巻線により周方向交互に異なる極性の磁極が励磁される複数の爪状磁極部とを有するランデル型ロータを備えた車両用交流発電機が知られている。そして、特許文献1には、爪状磁極部間に永久磁石を介在させて、より大きな出力密度を得られるようにした磁石付きランデル型ロータを備えた発電機が開示されている。このような発電機では、永久磁石の大きさや、ランデル型ロータコアのボス部、ディスク部、爪状磁極部にあたる部分の最適化により設計がなされており、発電能力の向上と逆起電力の低減との両立を図るようにしている。
なお、特許文献1には、発電機出力特性の変曲点を生じる永久磁石磁束と、爪状磁極片の諸定数L,W及びθとの関係を求めることによって導かれた数式により、諸定数L、W及びθを決めれば、永久磁石の残留磁束密度Brを画一的に決定することができることが記載されている。これにより、仕様が異なっても普遍的にバッテリ過充電の回避と高効率高出力化を同時に行うことができる磁極の設定を可能としている。
また、ロータコアの外周部にNS磁極が周方向に交互となるように永久磁石を埋め込んだ磁石埋め込み型ロータ(IPM型ロータ)が知られている。このIPM型ロータは、高トルクを得られることから、車両用の発電機や電動機などに搭載されて急速に普及した。
近年では、車両走行抵抗を減らすためのスラントノーズ化や、エンジンルームの小型化などが図られるが、これに伴い車両用発電機やスタータの搭載スペースも極小化されてきている。この場合、重要視される能力として、スタータ能力や車両を高効率動作でアシストするための高効率な力行、回生動作が加わったため、相対的に純粋な発電能力だけに能力改善を求める割合は少なくなってきており、界磁電流が短期間で大電流となる場合の発電機の発電、トルク、回生能力が注目されている。
特開平4−255451号公報
ところで、上記の磁石付きランデル型ロータを搭載した発電機は、逆起電力が高いという問題がある。そのため、例えば車両用交流発電機などの逆起電力の制約が強い製品には、上記の爪状磁極部を有するランデル型ロータが用いられるが、発電出力が低いという問題がある。特許文献1で提案している数式により規定される範囲に設計すれば、磁石を使って発電機の発電能力を高めることが可能であるが、より発電能力の向上が望まれる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電動トルクをより向上し得るようにした回転電機駆動システムを提供することを解決すべき課題とするものである。
図27は、磁石付きランデル型ロータの等価磁気回路図であり、図28は、IPM型ロータの等価磁気回路図である。ここで、Φmは磁石磁束、Rstはステータの磁気抵抗、AGはエアギャップ、Rrtはロータの磁気抵抗、Raはd軸回路の空隙部の磁気抵抗である。図27に示すように、磁石付きランデル型ロータの場合には、磁石磁束Φmが分流し、ランデル型ロータコアのボス部を通る磁気回路と、ステータコアを通る磁気回路の2つの磁気回路が形成される。
一方、図28に示すように、IPM型ロータの場合には、d軸回路が空隙(破線部分)であることから、磁気抵抗Raが非常に高く、インダクタンスLrtが非常に低い。これが磁石付きランデル型ロータとIPM型ロータとの負荷時におけるトルク差の原因になっている。即ち、負荷時に磁気抵抗Rrtを非常に高くし、インダクタンスLrtが非常に低い状態を作ってやれば、磁石付きランデル型ロータでもIPM型ロータ並のトルクを出せるということになる。
本願発明者は、上記の知見に基づいて鋭意研究を重ねた結果、磁石付きランデル型ロータにおいて、界磁電流Ifを利用してIPM型ロータ並のトルクを出せる状況を作り出せることを見出した。即ち、IPM型ロータでは、界磁コア(ロータコア)にあたる抵抗が高く、ステータコアの抵抗が小さいわけだから、界磁電流Ifの通電時に界磁コア(ランデル型ロータコア)の抵抗値を上げ、ステータコアの抵抗値よりも大きくなれば、IPM型ロータの場合と同じ状況が生まれる。
即ち、ロータのインダクタンスをLrtとし、ステータのインダクタンスをLstとし、ロータを流れる磁束の磁気抵抗をRrtとし、ステータを流れる磁束の磁気抵抗をRstとすると、ロータに負荷を掛けた時に、Lrt<Lst ……(式1)、又は、Rrt>Rst ……(式2)となるようにすれば、上記の状況を作り出せる。なお、磁石の残留磁束密度をBrとし、磁石の各磁極の断面積をAmとし、ステータの磁束密度をBsとし、ロータの断面積をArとすると、ロータに負荷を掛けない時には、Lrt>Lst、Rrt>Rst、2×Br×Am>Bs×Ar(逆起電力が低い条件)となる。
但し、上記(式1)及び(式2)において、製品として、完成されたトラクションモータやジェネレータといった回転電機から磁気抵抗Rは容易に測定することはできない。また、インダクタンスLは、巻数により変化し、且つターン数の2乗で変動するため、上下関係を評価することは相応しくない。そのため、以後の評価には、後述の実験手法で容易に測定、算出することが可能な、磁気抵抗Rの逆数であるパーミアンスPrt,Pst[H]を用いることとした。これらの関係を示すと、L/N[H/N]=1/R[A/wb]=P[H]となる。
よって、本願発明者は、d軸に2軸の合成磁束を有する回転電機が、ロータに負荷を掛けた時にIPM型ロータの如く振る舞うためには、負荷時にPrt<Pstとなるようにすればよいことを見出し、本発明を完成した。
即ち、上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、
電機子巻線(25)が巻装された環状のステータ(20)、及び、界磁巻線(33)が巻装されて前記ステータの内周側に径方向に対向して配置されたロータ(30)を有する回転電機(1)と、前記界磁巻線及び前記電機子巻線の少なくとも一方に供給する電流を制御して前記ロータにトルクを発生させる制御装置(60)と、を備えた回転電機駆動システムにおいて、
前記ロータは、前記界磁巻線が巻装される筒状のボス部(321,321a,321b)、及び、前記ボス部の外周側に配置されて周方向交互に異なる極性の磁極が形成される複数の爪状磁極部(323,323a,323b)を有する界磁コア(32)と、
周方向に隣接する前記爪状磁極部の間に磁化容易軸が周方向に向けられて配置され、前記界磁巻線の起磁力によって前記爪状磁極部に交互に現れる極性と一致するように磁極が形成されている永久磁石(34,34A)と、を備え、
前記ロータに負荷を掛けた時に、d軸磁気回路のパーミアンスPrtと、前記電機子巻線に流れる電流により形成されてd軸から電気角で90°ずれた位置にあるq軸を通るq軸磁気回路(37)のパーミアンスPstとの関係が、Pst>Prtとなるように設定され、
前記制御装置は、前記回転電機が位相制御により力行及び回生のどちらかの動作をするように制御する。
この構成によれば、周方向に隣接する爪状磁極部の間に配置された永久磁石により、ステータに鎖交する磁束が流れる第1磁石磁気回路と、ボス部を通りロータ内で磁束の流れが完結する第2磁石磁気回路の2つの磁石磁気回路が形成されている。そして、ロータに負荷を掛けた時、即ち、制御装置により界磁巻線に界磁電流を通電した時に、界磁巻線の起磁力により形成される磁束が界磁コアのボス部、一対の爪状磁極部及びステータコアを経由して流れるd軸磁気回路が形成される。このとき、2つの磁石磁気回路のうち、ボス部を通りロータ内で完結する第2磁石磁気回路を流れる磁石磁束は、d軸磁気回路の磁束と逆方向に流れているので、抵抗が大きく流れ難い状態となる。本発明では、d軸磁気回路のパーミアンスPrtとq軸磁気回路のパーミアンスPstとの関係が、Pst>Prtとなるように設定されているため、上記の第1及び第2磁石磁気回路のうち、ステータに鎖交する磁束が流れる第1磁石磁気回路の磁石磁束が増大する。これにより、磁石磁束を有効利用して、ロータに発生する電動トルクを大幅に向上させることができる。
また、本発明の制御装置は、回転電機が位相制御により力行及び回生のどちらかの動作をするように制御する。即ち、回転電機が、力行(加速、速度維持)や回生(ブレーキと発電を同時にする)の動作を行う場合、位相制御により最大実行トルクが得られる。この状況は、弱め界磁磁束を多少いれながら、リラクタンストルクを発生させるという状況である。このとき、弱め界磁磁束をd軸に入れるということは、d軸に繋がれた界磁コアに対して弱め界磁磁束を掛けるという意味と同義である。即ち、界磁巻線への通電の際に、界磁コアの飽和を下げ、永久磁石の磁力をステータ側へ案内せず、有効利用することができなくなる。ここで、上記のd軸磁気回路のパーミアンスPrtとq軸磁気回路のパーミアンスPstとの大小関係を満たしていれば、十分に界磁コアが飽和されているので、弱め界磁磁束が界磁コアへ流れず、弱め界磁磁束をほとんど無視したリラクタンストルクを得ることができる。これにより、位相制御による力行、回生の動作能力は、d軸だけを使うダイオード整流や同期整流といった動作での本発明適用時の能力向上に比べ、相乗的な能力向上を達成することができる。
本発明において、ロータに負荷を掛けた時とは、定格電流として界磁巻線の界磁電流Ifが車両用ブラシの能力として一般的なIf=4[A]〜20[A]の間で通電している状態のことをいう。なお、ブラシに進歩があれば、その時の界磁電流If、例えば30A等でよいし、ブラシレスのように、界磁電流Ifに制限のない構成であれば、より大きな界磁電流Ifで第一の発明のPrt<Pstの要件を成立させればよい。なお、現在のブラシでも、Prt<Pstの関係を成立させるという意味では、請求項5に記載の発明の、0.9<As/Ab<1.7の要件を満たした時の効果は絶大である。
また、上記課題を解決するためになされた請求項2に記載の発明は、
電機子巻線(25)が巻装された環状のステータ(20)、前記ステータの内周側に径方向に対向して配置されたロータ(30)、及び、前記ステータ及び前記ロータを内部に収容し、界磁巻線(33)が巻装されたボス部(17)を有するハウジング(10)を備えたブラシレス構造の回転電機(2)と、前記界磁巻線及び前記電機子巻線の少なくとも一方に供給する電流を制御して前記ロータにトルクを発生させる制御装置(60)と、を備えた回転電機駆動システムにおいて、
前記ロータは、前記界磁巻線の外周側に配置されて周方向交互に異なる極性の磁極が形成される複数の磁極部(52n,52s)を有する界磁コア(52)と、周方向に隣接する前記磁極部の間に磁化容易軸が周方向に向けられて配置され、前記界磁巻線の起磁力によって前記磁極部に交互に現れる極性と一致するように磁極が形成されている永久磁石(54)と、を備え、
前記ロータに負荷を掛けた時に、d軸磁気回路のパーミアンスPrtと、前記電機子巻線に流れる電流により形成されてd軸から電気角で90°ずれた位置にあるq軸を通るq軸磁気回路(57)のパーミアンスPstとの関係が、Pst>Prtとなるように設定され、
前記制御装置は、前記回転電機が位相制御により力行及び回生のどちらかの動作をするように制御する。
この構成によれば、周方向に隣接する磁極部の間に配置された永久磁石により、ステータに鎖交する磁束により形成される第1磁石磁気回路と、ボス部を通りロータ内で完結する第2磁石磁気回路の2つの磁石磁気回路が形成されている。そして、ロータに負荷を掛けた時、即ち、制御装置により界磁巻線に界磁電流を通電した時に、界磁巻線の起磁力により形成される磁束が界磁コアのボス部、一対の磁極部及びステータコアを経由して流れるd軸磁気回路が形成される。このとき、2つの磁石磁気回路のうち、ボス部を通りロータ内で完結する第2磁石磁気回路を流れる磁石磁束は、d軸磁気回路の磁束と逆方向に流れているので、抵抗が大きく流れ難い状態となる。本発明では、d軸磁気回路のパーミアンスPrtとq軸磁気回路のパーミアンスPstとの関係が、Pst>Prtとなるように設定されているため、上記の第1及び第2磁石磁気回路のうち、ステータに鎖交する磁束が流れる第1磁石磁気回路の磁石磁束が増大する。これにより、磁石磁束を有効利用して、ロータに発生する電動トルクを大幅に向上させることができる。
特に、ブラシレス構造の回転電機においては、ブラシによる電流制限を受けずに済むため、ブラシにより制約されていた界磁電流Ifの電流値を大きくすることができる。そのため、ブラシレス構造の回転電機においても、界磁回路を飽和させ、磁石磁力を有効利用することができる。また、界磁巻線に界磁電流を通電する電気回路が独立するため、磁石付きランデル型ロータの弱点である遠心強度を、電気回路分の遠心力を磁極部裏に受けずに済むため、遠心力による応力を下げることができる。
また、本発明の制御装置は、回転電機が位相制御により力行及び回生のどちらかの動作をするように制御する。即ち、回転電機が、力行(加速、速度維持)や回生(ブレーキと発電を同時にする)の動作を行う場合、位相制御により最大実行トルクが得られる。この状況は、弱め界磁磁束を多少いれながら、リラクタンストルクを発生させるという状況である。このとき、弱め界磁磁束をd軸に入れるということは、d軸に繋がれた界磁コアに対して弱め界磁磁束を掛けるという意味と同義である。即ち、界磁巻線への通電の際に、界磁コアの飽和を下げ、永久磁石の磁力をステータ側へ案内せず、有効利用することができなくなる。ここで、上記のd軸磁気回路のパーミアンスPrtとq軸磁気回路のパーミアンスPstとの大小関係を満たしていれば、十分に界磁コアが飽和されているので、弱め界磁磁束が界磁コアへ流れず、弱め界磁磁束をほとんど無視したリラクタンストルクを得ることができる。これにより、位相制御による力行、回生の動作能力を、d軸だけを使うダイオード整流や同期整流といった動作での本発明適用時の能力向上に比べ、相乗的に向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記ボス部の一対のNS磁極あたりの軸方向に延びる鉄心断面積をAbとし、前記ボス部の5000[A/m]の界磁を加えた際の磁束密度をB50とし、前記爪状磁極部間及び前記磁極部間に配置された前記永久磁石の残留磁束密度をBrとし、前記永久磁石の磁極となる面の断面積をAmとしたときに、2×Br×Am<B50×Abとなる関係を満たすようにされている。この構成によれば、永久磁石の発生磁力がd軸磁気回路により吸収されることが可能となるので、逆起電力を下げ、無通電時の高速回転状態における発電電力を抑えることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項において、前記d軸磁気回路のパーミアンスPrtと前記q軸磁気回路のパーミアンスPstの関係が、Pst:Prt=2n(nは1以上の実数):1である。この構成によれば、ロータへの負荷時の態様を、ランデル型ロータにおいてもIPM型ロータに近付けることができ、q軸インダクタンスLqとd軸インダクタンスLdの比(Lq/Ld)である突極比ρを2以上にできる。これにより、ランデル型ロータであっても、IPM型ロータ並のリラクタンストルクを出すことが可能となる。
また、上記課題を解決するためになされた請求項5に記載の発明は、
電機子巻線(25)が巻装された環状のステータ(20)、及び、界磁巻線(33)が巻装されて前記ステータの内周側に径方向に対向して配置されたロータ(30)を有する回転電機(1)と、前記界磁巻線及び前記電機子巻線の少なくとも一方に供給する電流を制御して前記ロータにトルクを発生させる制御装置(60)と、を備えた回転電機駆動システムにおいて、
前記ロータは、筒状のボス部(321,321a,321b)、及び、前記ボス部の外周側に配置されて周方向交互に異なる極性の磁極が形成される複数の爪状磁極部(323,323a,323b)を有する界磁コア(32)と、
前記ボス部の外周側に巻装されて通電により起磁力を発生する界磁巻線(33)と、
周方向に隣接する前記爪状磁極部の間に磁化容易軸が周方向に向けられて配置され、前記界磁巻線の起磁力によって前記爪状磁極部に交互に現れる極性と一致するように磁極が形成されている永久磁石(34,34A)と、を備え、
前記爪状磁極部の外周面の表面積をAsとし、前記ボス部の一対のNS磁極あたりの軸方向に延びる鉄心断面積をAbとしたときに、前記表面積Asと前記断面積Abとの関係が、0.9<As/Ab<1.7となる範囲に設定され、
前記制御装置は、前記回転電機が位相制御により力行及び回生のどちらかの動作をするように制御する。
この構成によれば、爪状磁極部の外周面の表面積Asとボス部の一対のNS磁極あたりの軸方向に延びる鉄心断面積Abとの関係が、0.9<As/Ab<1.7となる範囲に設定されている。そのため、周方向に隣接する爪状磁極部の間に配置された永久磁石により形成される磁石磁気回路のうち、ステータに鎖交する磁石磁束が流れる磁石磁気回路の磁石磁束を増大させることができる。これにより、磁石磁束を有効利用して、電動トルクを大幅に向上させることができる。なお、爪状磁極部間に配置される永久磁石は、従来では磁束の整流や漏れ防止を目的に用いられていた。これに対して、本発明では、爪状磁極部間に配置される永久磁石は、IPM型ロータの永久磁石の如く使われ、漏れ防止等ではなく、純粋な磁束アップ、即ち、トルクアップ源や出力アップ源として機能させることができる。
また、本発明の制御装置は、回転電機が位相制御により力行及び回生のどちらかの動作をするように制御する。即ち、回転電機が、力行(加速、速度維持)や回生(ブレーキと発電を同時にする)の動作を行う場合、位相制御により最大実行トルクが得られる。この状況は、弱め界磁磁束を多少いれながら、リラクタンストルクを発生させるという状況である。このとき、弱め界磁磁束をd軸に入れるということは、d軸に繋がれた界磁コアに対して弱め界磁磁束を掛けるという意味と同義である。即ち、界磁巻線への通電の際に、界磁コアの飽和を下げ、永久磁石の磁力をステータ側へ案内せず、有効利用することができなくなる。ここで、上記のように、爪状磁極部の外周面の表面積Asとボス部の一対のNS磁極あたりの軸方向に延びる鉄心断面積Abとの関係が、0.9<As/Ab<1.7となる範囲に設定されていれば、十分に界磁コアが飽和されているので、弱め界磁磁束が界磁コアへ流れず、弱め界磁磁束をほとんど無視したリラクタンストルクを得ることができる。これにより、位相制御による力行、回生の動作能力は、d軸だけを使うダイオード整流や同期整流といった動作での本発明適用時の能力向上に比べ、相乗的な能力向上を達成することができる。
また、上記課題を解決するためになされた請求項6に記載の発明は、
電機子巻線(25)が巻装された環状のステータ(20)、前記ステータの内周側に径方向に対向して配置されたロータ(50)、及び、前記ステータ及び前記ロータを内部に収容し、界磁巻線(53)が巻装されたボス部(17)を有するハウジング(10)を備えたブラシレス構造の回転電機(2)と、前記界磁巻線及び前記電機子巻線の少なくとも一方に供給する電流を制御して前記ロータにトルクを発生させる制御装置(60)と、を備えた回転電機駆動システムにおいて、
前記ロータは、前記界磁巻線の外周側に配置されて周方向交互に異なる極性の磁極が形成される複数の磁極部(523h,523i)を有する界磁コア(52)と、周方向に隣接する前記磁極部の間に磁化容易軸が周方向に向けられて配置され、前記界磁巻線の起磁力によって前記磁極部に交互に現れる極性と一致するように磁極が形成されている永久磁石(54)と、を備え、
前記磁極部の外周面の表面積をAsとし、前記ボス部の一対のNS磁極あたりの軸方向に延びる鉄心断面積をAbとしたときに、前記表面積Asと前記断面積Abとの関係が、0.9<As/Ab<1.7となる範囲に設定され
前記制御装置は、前記回転電機が位相制御により力行及び回生のどちらかの動作をするように制御する。
この構成によれば、磁極部の外周面の表面積Asとボス部の一対のNS磁極あたりの軸方向に延びる鉄心断面積Abとの関係が、0.9<As/Ab<1.7となる範囲に設定されている。そのため、周方向に隣接する磁極部の間に配置された永久磁石により形成される磁石磁気回路のうち、ステータに鎖交する磁石磁束が流れる磁石磁気回路の磁石磁束を増大させることができる。これにより、磁石磁束を有効利用して、発電能力を大幅に向上させることができる。なお、磁極部間に配置される永久磁石は、従来では磁束の整流や漏れ防止を目的に用いられていた。これに対して、本発明では、磁極部間に配置される永久磁石は、IPM型ロータの永久磁石の如く使われ、漏れ防止等ではなく、純粋な磁束アップ、即ち、トルクアップ源や出力アップ源として機能させることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6において、前記ボス部の外径Dbと前記ロータの外径Drとの関係が、0.46<Db/Dr<0.53となる範囲に設定されている。この構成によれば、ボス部の断面積が、磁石磁力のボス部磁力に対する反作用を最大限に考慮して決められた範囲であり、その時の磁石磁力による反作用を弾き返せるだけのボス部の磁力が界磁コアに働いているときに、爪状磁極部の根元断面積は、ボス部の総磁力と永久磁石の総磁力をステータ側に伝えることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項5〜7の何れか一項において、前記永久磁石の残留磁束密度Brが1[T]以上である。この構成によれば、請求項5〜7の何れか一項に記載の発明の作用及び効果をより一層効果的に発揮させることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項において、前記d軸磁気回路(36,56)が形成される部位は、飽和磁束密度Bsの異なる2種類の材料で形成されており、前記爪状磁極部及び前記磁極部が飽和磁束密度Bsの高い材料で形成され、前記爪状磁極部及び前記磁極部以外の部位が飽和磁束密度Bsの低い材料で形成されている。この構成によれば、爪状磁極部や磁極部よりもボス部の方が早く磁束飽和し、IPM型ロータの磁束特性の挙動に変化し易くなるため、電動トルクの向上をより確実に達成することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項9において、前記飽和磁束密度Bsの低い材料は、前記飽和磁束密度Bsの高い材料よりも透磁率が高いものである。この構成によれば、ロータへの無負荷時において、起電力の吸収能力を高めることができる。
請求項11に記載の発明は、請求項5〜8の何れか一項において、前記界磁コアは、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が部分的に小さくなっており、前記ロータの外径Drを直径とする円の面積A1と、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が最小となる部分の断面積A2の関係が、0.2116<A2/A1<0.2809となる範囲に設定されている。この構成によれば、界磁コアは、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が部分的に小さくなっている。そのため、回転電機の特性が変化する。つまり、特性の異なる回転電機を容易に構成することができる。しかも、ロータの外径Drを直径とする円の面積A1と、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が最小となる部分の断面積A2の関係が、0.2116<A2/A1<0.2809となる範囲に設定されている。そのため、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が部分的に小さくなっておらず、ボス部の外径Dbとロータの外径Drとの関係が、0.46<Db/Dr<0.53となる範囲に設定されている場合と、同様の磁気的関係を確保でき、同様の効果を得ることができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載された各部材や部位の後の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的な部材や部位との対応関係を示すものであり、特許請求の範囲に記載された各請求項の構成に何ら影響を及ぼすものではない。
実施形態1に係る回転電機駆動システムの構成を示す模式図である。 実施形態1に係るロータの斜視図である。 実施形態1に係る界磁コアの諸寸法を示す説明図である。 実施形態1に係る界磁コアの諸寸法を示す説明図である。 実施形態1に係る界磁コアの爪状磁極部の諸寸法を示す説明図である。 実施形態1に係る界磁コアの諸寸法を示す説明図である。 実施形態1に係る回転電機において形成されるd軸磁気回路及びq軸磁気回路を示す説明図である。 実施形態1に係る回転電機において形成されるd軸磁気回路の界磁コア側での磁束の流れを示す説明図である。 ランデル型ロータとIPM型ロータの突極比ρを示すグラフ図である。 実施形態1に係る回転電機において永久磁石により形成される2つの磁気回路を示す説明図である。 実施形態1に係るインバータの回路結線図である。 実施形態1でのパーミアンスの測定方法を説明するための説明図である。 実施形態1でのパーミアンスの測定方法を説明するための説明図である。 比較例1に係る回転電機のパーミアンスの測定結果を示す線図である。 実施形態1に係る回転電機のパーミアンスの測定結果を示す線図である。 実施形態1においてロータのパーミアンスの測定方法を説明するための説明図である。 実施形態1においてロータのパーミアンスの測定方法を説明するための説明図である。 実施形態1においてステータのパーミアンスの測定方法を説明するための説明図である。 実施形態1においてステータのパーミアンスの測定方法を説明するための説明図である。 爪状磁極部表面積Asとボス部断面積Abの比(As/Ab)と、ステータ負荷時の鎖交磁束量との関係を示す線図である。 ボス部外径Dbとロータ外径Drの比(Db/Dr)と、ステータ負荷時の鎖交磁束量との関係を示す線図である。 爪状磁極部表面積Asとボス部断面積Abの比(As/Ab)と、ボス部外径Dbとロータ外径Drの比(Db/Dr)との関係を示す線図である。 従来の寸法範囲及びパーミアンスの関係で作製された回転電機の電圧ベクトル図である。 本発明の寸法範囲及びパーミアンスの関係で作製された回転電機の電圧ベクトル図である。 d軸が1軸だけの場合の弱め界磁制御の様子を示す説明図である。 d軸が2軸ある場合の弱め界磁制御の様子を示す説明図である。 磁石付きランデル型ロータの等価磁気回路図である。 IPM型ロータの等価磁気回路図である。 実施形態2に係る回転電機駆動システムの構成を示す模式図であって、図30及び図32のXXIX−XXIX線に沿った切断面に相当する部位の断面模式図である。 実施形態2に係る回転電機の斜視図である。 実施形態2に係るロータ及びカバー部の斜視図である。 実施形態2に係るロータの正面図である。 実施形態2に係るロータの鉄心の正面図である。 実施形態2に係るロータのNポールコア及びSポールコアの正面図である。 実施形態2に係る回転電機において永久磁石により形成される2つの磁気回路を示す説明図である。 実施形態2に係る回転電機において形成されるd軸磁気回路及びq軸磁気回路を示す説明図である。 実施形態3に係るポールコアの軸方向断面図である。 実施形態4に係るポールコアの斜視図である。 実施形態5に係るポールコアの斜視図である。 実施形態6に係るポールコアの斜視図である。 実施形態7に係るポールコアの軸方向断面図である。 実施形態8に係るポールコアの軸方向断面図である。 実施形態9に係るポールコアの斜視図である。 実施形態10に係るポールコアの斜視図である。 実施形態11に係るポールコアの軸方向断面図である。 変形例1の永久磁石の配置を示す説明図である。
以下、本発明に係る回転電機駆動システムの実施形態について図面を参照して具体的に説明する。
〔実施形態1〕
実施形態1に係る回転電機駆動システムについて図1〜図26を参照して説明する。実施形態1に係る回転電機駆動システムは、車両に搭載されて発電機と電動機の機能を選択的に使用し得る車両用電動発電機の駆動システムである。
<回転電機駆動システムの全体構成>
実施形態1の回転電機駆動システムは、図1に示すように、ハウジング10、ステータ20及びロータ30等を有する回転電機1と、励磁回路61、インバータ63及びコントローラ67等を有する制御装置60とを含んで構成されている。
回転電機1のハウジング10は、中空円筒状の筒状部11と、筒状部11の一端側の開口部に嵌合固定された円盤のカバー部12と、を備えている。ステータ20は、周方向に配列された複数のスロット22及びティース23(図7参照)が形成された円環状のステータコア21と、ステータコア21のスロット22に巻装された電機子巻線25とを有する。電機子巻線25は、図11に示すように、3相(U相、V相、W相)の相巻線U,V,Wにより構成されている。各相巻線U,V,Wは、それぞれの一端がスター結線されて中性点を形成し、それぞれの他端がインバータ63の各出力端子U1,V1,W1に接続されている。このステータ20は、ステータコア21の外周面がハウジング10の筒状部11の内周面に固定されている。
ロータ30は、ハウジング10に一対の軸受け14,14を介して回転可能に支持された回転軸31と、回転軸31の外周に嵌合固定された一対のポールコア32a,32bよりなるランデル型の界磁コア32と、界磁コア32のボス部321の外周側に巻装された界磁巻線33と、界磁コア32の周方向に隣接する爪状磁極部323の間に配置された複数の永久磁石34と、を有する。
ロータ30は、界磁コア32がステータ20の内周側に径方向に対向して回転可能に設けられている。このロータ30は、回転軸31の後端部(図1の右端部)に固定される図示しないプーリや駆動力伝達部材を介して、車両に搭載された図示しないエンジンによって回転駆動される。また、回転軸31の前端部(図1の左端部)には、後述の励磁回路61から界磁巻線33に給電するための装置として、一対のスリップリング41及び一対のブラシ42が設けられている。一対のスリップリング41は、回転軸31の外周面に嵌合固定されている。一対のブラシ42は、その径方向内側の先端がスリップリング41の表面に押圧された状態で摺動可能に配置されている。
界磁コア32は、図1及び図2に示すように、回転軸31の前側(図1の左側)に固定された第1ポールコア32aと、回転軸31の後側(図1の右側)に固定された第2ポールコア32bとにより構成されている。第1ポールコア32aは、界磁巻線33の径方向内側にて界磁束を軸方向に流す円筒状の第1ボス部321aと、第1ボス部321aの軸方向前端部から周方向所定ピッチで径方向外側へ延在して界磁束を径方向に流す第1ディスク部322aと、第1ボス部321aの外周側で第1ディスク部322aの先端から界磁巻線33を囲むように軸方向に延在してステータコア21と磁束の授受をする第1爪状磁極部323aとからなる。
そして、第2ポールコア32bも第1ポールコア32aと同一形状を有する。但し、第2ポールコア32bの第2ボス部は321b、第2ディスク部は322b、第2爪状磁極部は323bと付番されている。これら第1及び第2ポールコア32a,32bは、軟磁性体からなる。
実施形態1の界磁コア32は、飽和磁束密度Bsの異なる2種類の材料で形成されている。即ち、各爪状磁極部323は、飽和磁束密度Bsの高い材料で形成され、爪状磁極部323以外のボス部321及びディスク部322は、飽和磁束密度Bsの低い材料で形成されている。飽和磁束密度Bsの高い材料としては、例えばS10C(JIS規定)等の炭素量0.1%程度のものが挙げられる。また、飽和磁束密度Bsの低い材料としては、例えばS45C(JIS規定)等の炭素量が多いものが挙げられる。なお、SUS430(JIS規定)や電磁鋼板等もS10Cと比べれば飽和磁束密度Bsが低めである。
なお、飽和磁束密度Bsの低い材料は、飽和磁束密度Bsの高い材料よりも透磁率が高いものが採用されている。透磁率が高い材料としては、例えばパーマロイが挙げられる。ニッケルコバルトを添加した鉄も挙げられるが、飽和磁束密度Bsが高いため適応不可となる。
第1ポールコア32aと第2ポールコア32bは、第1爪状磁極部323aと第2爪状磁極部323bを互い違いに向かい合わせるようにして、第1ポールコア32aの軸方向後端面と第2ポールコア32bの軸方向前端面とが接面した状態に組み付けられている。これにより、第1ポールコア32aの第1爪状磁極部323aと第2ポールコア32bの第2爪状磁極部323bとが周方向交互に配置されている。第1及び第2ポールコア32a,32bは、それぞれ8個の爪状磁極部323をもち、実施形態1では、16極(N極:8、S極:8)のランデル型ロータコアを形成している。
実施形態1の場合、図3に示すように、界磁コア32のボス部321の外径をDb(以下、「ボス部外径Db」ともいう。)とし、ロータ30(界磁コア32)の外径をDr(以下、「ロータ外径Dr」ともいう。)としたときに、ボス部外径Dbとロータ外径Drとの関係が、0.46<Db/Dr<0.53となる範囲に設定されている。ボス部外径Dbとロータ外径Drの関係については、後で詳述する。
また、爪状磁極部323の外周面の表面積をAs(以下、「爪状磁極部表面積As」ともいう。)とし、ボス部321の一対のNS磁極あたりの軸方向に伸びる鉄心断面積(つまり、軸方向に延びる鉄心の延びる方向に垂直な断面の面積)をAb(以下、「ボス部断面積Ab」という。)としたときに、爪状磁極部表面積Asとボス部断面積Abとの関係が、0.9<As/Ab<1.7となる範囲に設定されている。ここで、ボス部断面積Abは、図3及び図4に示すように、円筒状のボス部321の総断面積をAとし、回転電機の極対数をPとしたときに、A/Pで表される。
次に、爪状磁極部表面積Asについて定義する。図5及び図6に示すように、爪状磁極部323の根元乃至ディスク部322の周方向幅をWrrとし、爪状磁極部323の先端の周方向幅をWteとし、爪状磁極部323の軸方向高さをHtとする。また、径方向に対向するロータ30とステータ20の対向面において、ステータコア21の軸長とディスク部322の軸方向厚みが径方向に重なっている範囲をディスクガイドと呼びHdgとする。なお、ディスク部322や爪状磁極部323、ステータコア21に設けられた磁石挿入用や強度補強用などを目的とした設計上の切り欠き部やR部、面取り部では、大きな差異は生じない。このとき、爪状磁極部表面積Asは、As=(Wte+Wrr)×Ht/2+Hdg×Wrrである。また、周方向幅Wは、本発明では曲率を考慮せず、直線距離で測るものとする。なお、爪状磁極部表面積Asとボス部断面積Abの関係については、後で詳述する。
界磁巻線33は、第1及び第2ポールコア32a,32bの第1及び第2ボス部321a,321bの外周側に界磁コア32と絶縁された状態で巻装されて第1及び第2爪状磁極部323a,323bに囲まれている。この界磁巻線33は、制御装置60の励磁回路61から界磁電流Ifが通電されることによってボス部321に起磁力を発生させる。これにより、第1及び第2ポールコア32a,32bの第1爪状磁極部323aと第2爪状磁極部323bにそれぞれ異なる極性の磁極が形成される。即ち、第1爪状磁極部323aがNS磁極のうちの一方の極性に磁化され、第2爪状磁極部323bがNS磁極のうちの他方の極性に磁化される。
これにより、図7及び図8に示すように、界磁コア32のボス部321及び一対の第1及び第2爪状磁極部323a,323bを通る磁束によりd軸磁気回路36(図7及び図8に破線で示す)が形成される。このd軸磁気回路36は、ステータコア21のd軸のティース23から界磁コア32の第1爪状磁極部323aに入り、第1ディスク部322a、第1ボス部321a、第2ボス部321b、第2ディスク部322b、第2爪状磁極部323bを経由して、ステータコア21の1磁極分ずれた位置にあるティース23からステータコア21に戻った後、バックコア24を通り1磁極分ずれた位置にあるd軸のティース23に至る磁気回路である。このd軸磁気回路36は、ロータ30の逆起電力を生む磁気回路である。
また、d軸磁気回路36及び後述の第1磁石磁気回路38のステータ20に鎖交する磁束により電機子巻線25に電流が流れることによって、q軸磁気回路37(図7に実線で示す)が形成される。このq軸磁気回路37は、ステータコア21のd軸から電気角で90°ずれた位置にあるq軸を通る磁束により形成される磁気回路である。実施形態1では、ロータ30に負荷を掛けた時に、d軸磁気回路36のパーミアンスPrtと、q軸磁気回路37のパーミアンスPstとの関係が、Pst>Prtとなるように設定されている。
ここで、ロータ30に負荷を掛けた時とは、定格電流として界磁巻線33に通電される界磁電流Ifが、車両用ブラシの能力として一般的なIf=4[A]〜20[A]の間で通電している状態のことをいう。なお、ブラシの進歩があれば、その時の界磁電流If(例えば30[A]等)でよいし、ブラシレスのように界磁電流Ifに制限のない構成であれば、これより大きい界磁電流Ifで、Pst>Prtの要件を成立させればよい。現在のブラシでも、Pst>Prtを成立させるという意味では、上記の、ボス部外径Dbとロータ外径Drとの関係が、0.46<Db/Dr<0.53となる範囲に設定されていること、及び、爪状磁極部表面積Asとボス部断面積Abとの関係が、0.9<As/Ab<1.7となる範囲に設定されていることの効果は大変に大きい。
また、d軸磁気回路36のパーミアンスPrtと、q軸磁気回路37のパーミアンスPstとの比が、Pst:Prt=2n(nは1以上の実数):1となるように設定されている。ここで、q軸インダクタンスLqとd軸インダクタンスLdの比(Lq/Ld)を突極比ρとすると、図9に示すように、従来技術のランデル型ロータの突極比ρは、ρ≒1であり、流通する従来技術のIPM型ロータの突極比ρは、ρ≒2〜4である。実施形態1では、d軸磁気回路36とq軸磁気回路37のパーミアンス比が上記のように設定されていることにより、ロータ30への負荷時の態様を、ランデル型ロータにおいてもIPM型ロータに近付けることができ、突極比ρを2以上にできる。なお、d軸磁気回路36のパーミアンスPrt及びq軸磁気回路37のパーミアンスPstの測定方法については、後で詳述する。
そして、図2、図3及び図8に示すように、周方向交互に配置された第1爪状磁極部323aと第2爪状磁極部323bの間には、軸方向斜めに縦長に延在する隙間が形成されており、各隙間には永久磁石34が1個ずつ配置されている。各永久磁石34は、長方体形状の外形を有し、磁化容易軸が周方向に向けられて、周方向両側の磁極部が第1及び第2爪状磁極部323a,323bの周方向側面にそれぞれ当接した状態で第1及び第2爪状磁極部323a,323bに保持されている。即ち、各永久磁石34は、界磁巻線33の起磁力によって第1及び第2爪状磁極部323a,323bに交互に現れる極性と一致するように磁極が形成されている。
このように永久磁石34が配置されていることによって、図10に示すように、各永久磁石34にはそれぞれ2つの第1及び第2磁石磁気回路38,39が形成されている。第1磁石磁気回路(図10に一点鎖線で示す)38は、磁石磁束のうちステータ20に鎖交する磁束が流れる磁気回路である。第2磁石磁気回路(図10に二重線で示す)39は、磁石磁束のうちボス部321aやディスク部322a,322bを通りロータ30内で完結する磁束が流れる磁気回路である。これら磁石磁束から見れば、ボス部321を通る第2磁石磁気回路39は、ステータ20にとって無効となる磁石磁束が流れる磁気回路である。一方、第1磁石磁気回路38は、ステータ20に鎖交し、逆起電力やトルクになる磁石磁束が流れる磁気回路である。
この場合、第1磁石磁気回路38と前述のd軸磁気回路36は、第2爪状磁極部323bからステータ20を経由して第1爪状磁極部323aに戻るまでの磁気回路を共有している。また、第2磁石磁気回路39とd軸磁気回路36は、ロータ30の第1及び第2ボス部321a,321b及び第1及び第2ディスク部322a,322bの部分の磁気回路を共有している。
なお、実施形態1の場合、ボス部321の一対のNS磁極あたりの軸方向に延びる鉄心断面積をAbとし、ボス部321の5000[A/m]の界磁を加えた際の磁束密度をB50とし、爪状磁極部323間に配置された永久磁石34の残留磁束密度をBrとし、永久磁石34の磁極となる面の断面積をAmとしたときに、2×Br[T]×Am[mm]<B50[T]×Ab[mm]となる関係を満たすように設定されている。この関係の設定については後で詳述する。
制御装置60の励磁回路61は、電源B1から一対のブラシ42及び一対のスリップリング41を介して界磁巻線33に界磁電流Ifとして供給するものである。この励磁回路61は、例えば絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)等からなる図示しないスイッチング素子により構成されている。励磁回路61のスイッチング素子のオン・オフ操作は、コントローラ(ECU)67により制御される。
インバータ63は、電機子巻線25に電機子電流Iaを供給するものである。このインバータ63は、図11に示すように、合計3つの上アーム素子64と合計3つの下アーム素子64とを有し、各アーム素子64は、それぞれ絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)64a及び還流ダイオード64bにより構成されている。なお、平滑コンデンサ65は、電源B2側の交流電流を平滑するためのものである。
このインバータ63は、公知のPWM制御インバータと同一の機能を有し、V/F制御やベクトル制御の制御出力信号であるPWM(パルス幅変調)信号により、IGBT64aがオン・オフを繰り返し、三相交流電圧を発生する。このとき、上下アーム素子64のIGBT64aは互いに反転動作をし、同時にオンすることがないように設定されている。なお、インバータ63のIGBT64aのオン・オフ動作は、ロータ30の回転位置を検出する位置センサ66の情報に基づいて、コントローラ(ECU)67により制御される。
上記の構成を有する制御装置60は、界磁巻線33及び電機子巻線25に供給する電流を制御して、必要な大きさの電動トルクをロータ30に発生させる。なお、この制御装置60は、弱め界磁を行うべく位相制御を行って、回転電機1が力行及び回生のどちらかの動作をするように制御する。これにより、実施形態1の場合には、ロータ30諸寸法や磁気回路のパーミアンスの関係が上記のように設定されていることから、極めて良好な発電電力やトルクを発生させることが可能となる。
以上のように構成された実施形態1の回転電機駆動システムでは、駆動力伝達部材等を介してエンジンからの回転力が伝えられると、ロータ30が回転軸31と共に所定方向に回転する。この状態で、スリップリング41及びブラシ42を介して励磁回路61からロータ30の界磁巻線33に励磁電圧を印加することにより、界磁コア32第1及び第2爪状磁極部323a,323bが励磁されて、ロータ30の回転周方向に沿って交互にNS磁極が形成される。
これと同期して、制御装置60のインバータ63から電機子巻線25に供給される駆動電流に基づいてステータ20を励磁させると、その励磁作用によって電動トルク(動力となる場合を含む)が発生してロータ30が回転する。このとき、制御装置60は、弱め界磁制御を行うことにより、より大きな電動トルクを発生させる。発生した電動トルクは、ロータ30及び回転軸31から駆動力伝達部材を介して、例えば車軸などの駆動部に出力される。このとき、ロータ30の回転が加速したり回転速度を維持したりする場合には力行の動作を行うこととなり、回転電機1は電動機として作動する。
また、駆動力伝達部材等を介してエンジンからの回転力が伝えられ、ロータ30が回転軸31と共に所定方向に回転するときに、インバータ63から電機子巻線25に駆動電流を供給せず、かつ、スリップリング41及びブラシ42を介して励磁回路61からロータ30の界磁巻線33に励磁電圧を印加することにより、界磁コア32の第1及び第2爪状磁極部323a,323bが励磁されて、ロータ30の回転周方向に沿って交互にNS磁極が形成される。
これにより、ステータ20の電機子巻線25に回転磁界が付与されることで、電機子巻線25に交流の起電力を発生させる。このとき、制御装置60は、弱め界磁制御を行うことにより、より大きな起電力を発生させる。電機子巻線25で発生した交流起電力(回生電力)は、インバータ63を通って直流電流に整流された後、出力端子から取り出され電源B2に充電される。このとき、ブレーキと発電を同時に行う場合には回生の動作を行うこととなり、回転電機1は発電機として作動する。
以上の構成を有する車両用電動発電機1は、従来に比べ、ポールコア32a,32bのボス部321a,321bが細い、又は、ポールコア32a,32bのディスク部322a,322bが薄いことを特徴としている。そのため、ボス部321a,321bが細くなった分、又は、ディスク部322a,322bが薄くなった分、界磁巻線33をより多く巻くことができる。又は、ボス部321a,321bが細くなった分、又は、ディスク部322a,322bが薄くなった分、界磁巻線33を構成する線材を太くすることができる。その結果、界磁コア32と界磁巻線33からなるロータ30において、界磁巻線33の体積比率が増加することになる。界磁巻線33は、銅等からなる線材によって構成されており、鉄等からなる界磁コア32に比べ、熱伝導性がよい。つまり、界磁コア32と界磁巻線33からなるロータ30において界磁コア32に比べ熱伝導性のよい界磁巻線33の体積比率が増加することになる。そのため、ロータ30の放熱性を向上させることができる。これにより、空冷によってロータ30を冷却することが可能となる。
また、ボス部321a,321bが細くなった分、又は、ディスク部322a,322bが薄くなった分、ポールコア32a,32bを構成する材料の総量が減少する。そのため、鍛造によって成形する場合に必要とされる加圧力が減少する。これにより、本形態では、ボス部を別体としているが、ボス部とディスク部、さらには爪状磁極部までを一体として成形することが容易になる。
<2×Br[T]×Am[mm]<B50[T]×Ab[mm]の関係の設定について>
本発明の回転電機駆動システムは、12V〜48V、公差の範囲を入れても6V以上、60V以下の電源に接続される、オルタネータやスタータ等と置き換え可能な車両用回転電機を対象としている。そのため、逆起電力をIPM型ロータのように大きく出してはならない。通例70〜120mm程度のロータ径、30〜80mm程度のロータ軸長で構成される製品群においては、IPM型ロータで構成した場合に200V〜300Vといった逆起電力を発生させる。これでは、12V〜48Vのバッテリの過充電や、過充電を下げても高電圧による他の電気部品への影響が心配されるため、十分にこの逆起電力を下げることができない。
これを解決するべく、2×Br[T]×Am[mm]<Bs[T]×Ab[mm]となる関係を満たすようにした。こうしなければ磁束を十分に下げることはできない。Bs[T]は、界磁コア32の飽和磁束密度である。ここで、比透磁率が十分に高くなければ十分にBr[T]を吸収することができない。なお、界磁コア32の飽和磁束密度Bs[T]を採用したが、ここでは一般によく使われるB50[T]の値で考えることにする。
一般に、12V〜48V製品で界磁コア32に掛けられる起磁力は2500[AT]程度であるため、永久磁石34の厚み[mm]と保持力Hc[A/m]は、5000A程度以上に安全率をもって設計する。Br値とHc値は、設計者の考える温度によって多少変わるが、使用が想定される−40℃〜160℃のいずれかの温度範囲に5000Aの範囲があることが必要である。ここで、5000AT程度で設計される永久磁石34と5000Aの時の磁束密度であるB50の値で規定された本発明の信憑性は非常に高いし、これ以前の比透磁率は30以上であり十分に高い。また、界磁コア32に空隙が存在しても、挿入のための空隙や、保持のための大きくても空隙距離1mm程度の空隙に接続された残留磁束密度Brをもつ永久磁石34は、十分に高いパーミアンスで磁気回路に設置されているため、実行磁束密度Bd[T]=Br[T]と考えるに十分である。
<パーミアンスの測定方法>
以下、d軸磁気回路36のパーミアンスPrt、及びq軸磁気回路37のパーミアンスPstの測定方法について説明する。図12及び図13は、ロータ30のN極及びS極、界磁巻線33、ステータ20を模式的に示す説明図である。測定の際には、直流電源を界磁巻線33に接続し、LCRメータと電圧プローブを接続したオシロ等をステータ20の任意の導通している端子に接続する。オシロ等は、オシロスコープのように電圧を測れるものであればよいから、電圧プローブとあらゆる電圧計測器の組み合わせでよい。
この際、ステータ20とロータ30の位置関係は、ロータ30のd軸中心に対してステータ20が弱め界磁励磁を行わない、q軸へ向けた励磁であることが好ましい。これは、弱め界磁励磁の際に、ロータ30の界磁回路に対して弱め界磁を掛けるため、正しい測定ができなくなる恐れがあるためである。勿論、弱め界磁効果の低い電気角15°以内程度の範囲であれば、弱め界磁効果は励磁磁束のうちsin15°≒0.25であるから、q軸通電から電気角±15°範囲内で最大のインダクタンスが得られる位置関係でのデータであれば、ある程度信頼ができる。また、磁石磁束を省いて考えるため、永久磁石34は除くか十分に減磁させて測定することが好ましい。
図14は、比較例1に係る回転電機のパーミアンスの測定結果を示す線図であり、図15は、実施形態1に係る回転電機のパーミアンスの測定結果を示す線図である。なお、比較例1は、従来例として前述した特許文献1に記載の数式により規定される回転電機を対象としている。図14に示すように、比較例1の場合には、無負荷状態ではロータ30のパーミアンスの方が高い。しかし、ロータ30の界磁電流を上げるに従いステータ20と同等のパーミアンスになる。無負荷状態でのステータ20は、q軸に在る磁気的バリアや磁石等のため、ロータ30よりパーミアンスが低い。即ち、ステータ20に磁束は流れ難く無負荷の逆起電力による過充電を妨げる。これは、比較例1と実施形態1で同様であるが、負荷時において、ステータ20のパーミアンスがロータ30よりも高くなる。即ち、ステータ20に磁束が流れ易く、負荷時の逆起電力を上げ、高い主磁束トルク(主磁束(磁石磁束+界磁磁束)×電流値)を得ることができる。ここで、マグネットトルクをTmとし、主磁束をΨとし、q軸電流をIqとすると、Tm[Nm]=Ψ×Iqである。
次に、図16及び図17を参照してロータ30のパーミアンス値の算出方法について説明する。界磁巻線33は、直流電源により界磁され、界磁回路(d軸磁気回路36)が励起される。このとき、ロータ30を回転させれば逆起電力が発生する。任意の回転数を決め、定速で運転して逆起電力を測定すると、ロータ30の回転数に応じて逆起電力は増加する。ここで、ロータ30の逆起電力が界磁回路の飽和と合わせて、傾きの変化に飽和傾向があることは自明である。ここで、無負荷時のインダクタンスL_0(エルゼロ)を、0ATと0+XATの間の磁束変化とする。添え字の意味であるが、100AT励磁時のインダクタンスはL_100(エルひゃく)と記載する。また、励磁電流Iは、(直流電源の流入電流値)×(ボス部321に巻装された界磁巻線33の巻数)である。
L_0=(V_x−V_0)/(I_x−I_0)
例えば、100AT時のインダクタンスは以下のようになる。
L_100=(V_200−V_100)/(200−100)
この場合、既にターン数を分母に乗じているため、ロータ30のパーミアンス値[H]は、これらインダクタンス値[H]とイコールである。即ち、P=L/Nである。
次に、図18及び図19を参照してステータ20のパーミアンス値の算出方法について説明する。界磁巻線33は、直流電源により界磁され、界磁回路(d軸磁気回路36)が励起される。このとき、ステータ20とロータ30が前述した位置関係に在る状態でステータ20に通電すれば、磁束変化が起こる。回転電機の回転軸31をロックし、界磁電流Ifを増加させていけば、ステータ20の起磁力が低下していき、インダクタンスが低下していく様子を測定することができる。このインダクタンス値をステータ20の直列導体数の2乗で割ることで、パーミアンス値が求められる。P=L/Nである。
<爪状磁極部表面積Asとボス部断面積Abの関係、及び、ボス部外径Dbとロータ外径Drの関係について>
ここで、磁石磁束を有効に使える範囲について検討する。前記特許文献1に記載の関係式の規定においては、条件が部分的であるため、例えば界磁コアのボス部などの大きさが変化したときに、当該関係式が成り立たなくことが懸念される。そのため、ロータ全体として検討を行うものとする。
ステータとロータの対向面と違う箇所(ボス部)で磁束を生み出し、その磁束を軸方向に通すことによりステータの軸長を使い切ることができるクローポール型の回転電機では、図5に示すように、ボス部断面積Ab、ディスク部322の断面積Ad、爪状磁極部323の断面積Atを概ね一定として、磁束を出力している。
なお、ボス部321からディスク部322にかけて段付き部が形成されて部分的に断面積が小さくなっている場合には、その断面積が小さくなっている部分をボス部断面積Ab又はディスク部断面積Adとして扱う。この段付き部を設けることによって、許容磁束量を変化させることができる。また、各クロー(爪状磁極部)は、ボス部321の外周側に巻装された界磁巻線33(図5には不図示)への通電によりボス部321に発生する界磁磁束を通せるだけ、即ちボス部断面積Abに準じた適量のステータ20との対向面面積を所持している。
図5に示すように、ディスク部322がステータ20に掛かっている場合は、ステータ20の軸長Tstとディスク部322が掛かっている分だけ、ボス部断面積Abよりも爪状磁極部表面積Asを減らすことができる。即ち、Ab≒Ad≒As、又は、As≒Ab−(Tst−Tb)/2×Wが理想値と計算できる。ここで、永久磁石34を搭載したロータにおいては、磁力源が増えているわけだから、別の解が存在するはずである。
永久磁石34と界磁回路を搭載したロータ30においては、磁石磁束は、界磁磁束(d軸磁気回路36)に逆らってロータ30内を通るルート(図11の第2磁石磁気回路39)と、ステータ20側を回るルート(図11の第1磁石磁気回路38)の2方向に分流する。即ち、図5に示すボス部断面積Ab、ディスク部322の断面積Ad、爪状磁極部323の根元断面積Atの3点は、従来技術よりも小さくできるはずである。同時に、起電圧を考慮すれば、Ab×B50≧2×Am×Brの関係を満たしつつ考慮する必要がある。また、この時、ボス部外径Db(図4参照)が小さくなるため、界磁巻線33の配置スペースが大きくなり、発熱量は小さくなるはずである。
ここで、ロータ外径Dr(図4参照)が決まれば、極数が変わっても爪状磁極部323の幅Wとボス部321の1極あたりの幅の比は殆ど変化しないから、ロータ外径Drとボス部外径Dbとの比は一義的に決まってくるはずである。逆流する磁石磁束と界磁磁束から、ボス部外径Dbを計算することができる。この際、発熱を抑えるため、現状の空冷能力を考慮し、モータであれば界磁巻線33の抵抗値を0.1〜1Ohm、発電機であれば1.0〜3.0Ohmであることは言うまでもない。
Ab×B50−2×Am×Bd×(Prt/(Pst+Prt))=Abopt(Abの理想値)
また、現状技術の時点で、爪状磁極部表面積Asは、界磁磁束を十分に流し得る値となっている。ここで、従来技術での永久磁石は、爪状磁極部間の漏洩磁束を防ぐ役割を主に担っていた。そのため、流通しているネオジウム磁石付きランデル型回転電機の爪状磁極部表面積Asは、ボス部断面積Abに準じた値、即ち、As=Ab×0.8〜1.2のAbを基準とした範疇に分布している。本発明においては、Bd×(Pst/(Pst+Prt))を有効に使えるわけだから、ステータ20との磁束受け渡しを司る爪状磁極部表面積Asは、Ab×Bsに2×Am=Ab×B50÷Brだけの磁石を持つので、[As=Bd×Am+Ab×Bs]が最適値となるはずのロータ30の磁束をステータ20に渡すための寸法が必要であり、Ab×1.2よりは大きいはずである。
以下、Ab×B50=2×Am×Brとして検討を進める。これは、界磁回路は、磁石磁束を封じることのできる寸法になっているということになる。この状態で、爪状磁極部表面積Asとボス部断面積Abの比(As/Ab)を横軸にとり、ステータ20の負荷時の鎖交磁束量を縦軸にとると図20に示すようになる。図20から解るように、鎖交磁束量は、As/Abの概ね1.0〜1.5の範囲でピークとなり、As/Abの0.9〜1.7の範囲が好ましい範囲と言える。なお、従来技術(特許文献1)のAs/Abの範囲は、0.4〜0.8程度であり、本発明のAs/Abの好ましい範囲と重複することなく乖離している。
ここで、As/Ab=1.4として検討を進める。また、界磁磁束量と抑えられる磁石磁束の量が適切であり、IPM型ロータ並の磁石利用ができることを前提として検討を進める。この時、如何なるボス部外径Dbが最適であるかを計算する。ボス部外径Dbとロータ外径Drの比(Db/Dr)を横軸にとり、ステータ20の負荷時の鎖交磁束量を縦軸にとると図21に示すようになる。図21から解るように、鎖交磁束量は、Db/Drの0.51付近でピークとなり、Db/Drの0.46〜0.53の範囲が好ましい範囲と言える。なお、従来技術(特許文献1)のDb/Drの範囲は、0.54〜0.595程度であり、本発明のDb/Drの好ましい範囲と重複することなく乖離している。
なお、爪状磁極部表面積Asとボス部断面積Abの比(As/Ab)を縦軸にとり、ボス部外径Dbとロータ外径Drの比(Db/Dr)を横軸にとると、図22に示すようになる。図22から解るように、本発明の範囲と従来技術の範囲は、重複することなく乖離していることが明らかである。
本検討では、Ab×B50=2×Am×Brの値が大きい場合により大きな効果を発揮するため、Br=1.2[T]程度の磁石を想定している。最大の効果を発揮する材料は、Br=0.4[T]程度のFe磁石ではなく、Br=1[T]以上のネオジウム磁石であることが好適である。さらに、ボス部断面積Abが小さくなっているため、小さくなった分のスペースを界磁巻線33の抵抗を下げるために使うことができるので、界磁巻線33の発熱量を従来より低減することができる。
<トルクの向上について>
磁石トルクとリラクタンストルクを併用するモータ(電動機)では、磁石磁束をΨ、q軸の電流をIq、d軸の電流をId、q軸のインダクタンスをLq、d軸のインダクタンスをLdとすれば、磁石トルクは、Ψ×Iqで表され、リラクタンストルクは、(Lq−Ld)×Id×Iqで表される。よって、総トルクTは、T=Ψ×Iq×(Lq−Ld)×Id×Iqで表される。
従来の寸法範囲及びパーミアンスの関係で作製された回転電機は、q軸インダクタンスLqとd軸インダクタンスLdの突極比ρ:Lq/Ldが低く、1.0前後であるから、上記トルク式の(Lq−Ld)が0以下又は低く、トルクを十分に出すことができない。しかし、本発明の寸法範囲及びパーミアンスの関係で作製された回転電機は、前記のPst:Prt=2n:1の関係が狙えるレベルの突極比ρに設定できるため、従来技術より大きいトルクを出すことができる。
上記のように、本発明においては、q軸インダクタンスLqがd軸インダクタンスLdに対して高いと説明した。この特徴として、線間電圧を高くできるという特徴がある。図23及び図24に従来と本発明のベクトル図を示すように、q軸インダクタンスLqとd軸インダクタンスLdのベクトル和が同じインダクタンス値となっても、q軸インダクタンスLqがd軸インダクタンスLdに対して大きい方が電圧Vが長いことが伺える。
即ち、本発明では、低速回転数での電圧が高いため、「発電電圧がバッテリ電圧を超えたときに発電を開始する」という条件を満たし易い。これは、アイドリングストップ等での高速回転をしたくない状況のエンジン動作において、従来技術よりも低速で発電が可能で、高い発電能力を得られるという利点がある。アイドリングストップの回転数を従来通りとした場合でも、電圧Vが上がった分、電機子巻線の巻数を落としても同じ電圧を得られることである。これは、発電開始の低速化又は高速回転時の出力増加を、従来より大きな範囲で行うことができるということである。
<位相制御の能力向上について>
(1)トルク、電圧及び電流の式について
上記のように、磁石トルクとリラクタンストルクを併用するモータ(電動機)では、磁石トルクは、Ψ×Iqで表され、リラクタンストルクは、(Lq−Ld)×Id×Iqで表される。
また、発電については、図24の電圧ベクトル図より各軸の発生電圧Vd、Vqは、Vd=ωLqIq、Vq=ωΨm−ωLdLqで表される。VdとVqの式より、Lqが高いと電圧が高い。これは、発電開始回転数が低くなり、位相制御による発電能力が高いことを示す。
また、発電電流Iは、I=(ωΨ−Vbattery)/Zで表される。但し、Z:インピーダンス、Vbattery:バッテリ電圧である。発電電流Iの式より、インピーダンスが低いと磁石磁束Ψが大きく、発電電流Iが高い。本発明により磁石磁束Ψが高くなり、インピーダンスZ(=√R+2πfL)を低くできる設計が可能となるので、従来技術より発電電流Iを上げることができる。
(2)従来と本発明のd軸の相違について
通例のIPM型ロータのように考えると、d軸のインダクタンスLdは、図25の一点鎖線だけである。IPM型ローラのようにd軸が1軸だけであれば、弱め界磁を行うべく位相制御を行うと、即ち、d軸にステータ側から励磁電流を掛けて弱め界磁をすると、無駄なくIPM型ロータの如く弱め界磁制御が行われる。
しかし、本発明の場合には、界磁磁束によるd軸と、磁石磁束によるd軸の2種のd軸を有する。この場合は、両d軸に対して弱め界磁が行われる。即ち、図25のd軸磁気回路36のd軸と、図26の第1磁石磁気回路38のd軸に対してである。このとき、弱め界磁磁束(図25の点線で示す)が、ボス部321の界磁巻線によるd軸磁気回路の磁束を弱める。この動作は、界磁電流という入力を入れてステータ20に向けて磁束を生み出すが、ステータ20の電機子巻線25にも界磁電流という入力を入れてその磁束を打ち消すという入力エネルギの無駄遣いをしているということになる。
本発明においては、図25のd軸磁気回路36が十分に飽和していて、磁束が通り難い磁気抵抗になると述べた。即ち、図25のd軸磁気回路36にステータ20による弱めd軸磁束がほとんど流れないことになる。この効果により、d軸インダクタンスLdが下がり、前記の式の発電電流Iとリラクタンストルクが上がることが判る。また、d軸に流れなかった分の磁束はq軸に向けて流れることになり、q軸インダクタンスLqが上がり、前記の式の発電電圧Vd,Vqが上昇する。この作用により、本発明の場合には、従来技術よりも能力が向上することとなる。
<作用及び効果>
実施形態1の回転電機駆動システムでは、周方向に隣接する爪状磁極部323の間に配置された永久磁石34により、ステータ20に鎖交する磁束が流れる第1磁石磁気回路38と、ボス部321を通りロータ30内で磁束の流れが完結する第2磁石磁気回路39の2つの磁石磁気回路が形成されている。そして、ロータ30に負荷を掛けた時、即ち、制御装置60により界磁巻線33に界磁電流Ifを通電した時に、界磁巻線33の起磁力により形成される磁束が界磁コア32のボス部321、一対の爪状磁極部323及びステータコア21を経由して流れるd軸磁気回路36が形成される。
このとき、2つの磁石磁気回路のうち、ボス部321を通りロータ30内で完結する第2磁石磁気回路39を流れる磁石磁束は、d軸磁気回路36の磁束と逆方向に流れているので、抵抗が大きく流れ難い状態となる。実施形態1では、d軸磁気回路36のパーミアンスPrtとq軸磁気回路37のパーミアンスPstとの関係が、Pst>Prtとなるように設定されているため、上記の第1及び第2磁石磁気回路38,39のうち、ステータ20に鎖交する磁束が流れる第1磁石磁気回路38の磁石磁束が増大する。これにより、磁石磁束を有効利用して、ロータ30に発生する電動トルクを大幅に向上させることができる。
また、実施形態1の制御装置60は、回転電機1が位相制御により力行及び回生のどちらかの動作をするように制御する。即ち、回転電機1が、力行(加速、速度維持)や回生(ブレーキと発電を同時にする)の動作を行う場合、位相制御により最大実行トルクが得られる。この状況は、弱め界磁磁束を多少いれながら、リラクタンストルクを発生させるという状況である。このとき、弱め界磁磁束をd軸に入れるということは、d軸に繋がれた界磁コアに対して弱め界磁磁束を掛けるという意味と同義である。即ち、界磁巻線33への通電の際に、界磁コア32の飽和を下げ、永久磁石34の磁力をステータ20側へ案内せず、有効利用することができなくなる。
ここで、上記のd軸磁気回路36のパーミアンスPrtとq軸磁気回路37のパーミアンスPstとの大小関係を満たしていれば、十分に界磁コア32が飽和されているので、弱め界磁磁束が界磁コア32へ流れず、弱め界磁磁束をほとんど無視したリラクタンストルクを得ることができる。これにより、位相制御による力行、回生の動作能力は、d軸だけを使うダイオード整流や同期整流といった動作での能力向上に比べ、相乗的な能力向上を達成することができる。
また、実施形態1では、ボス部断面積をAbとし、ボス部321の5000[A/m]の界磁を加えた際の磁束密度をB50とし、永久磁石34の残留磁束密度をBrとし、永久磁石34の磁極となる面の断面積をAmとしたときに、2×Br[T]×Am[mm]<B50[T]×Ab[mm]となる関係を満たすようにされている。これにより、永久磁石34の発生磁力がd軸磁気回路36により吸収されることが可能となる。即ち、逆起電力を下げ、無通電時の高速回転状態における発電電力を抑えることができる。
また、実施形態1では、d軸磁気回路36のパーミアンスPrtと、q軸磁気回路37のパーミアンスPstとの比が、Pst:Prt=2n(nは1以上の実数):1となるように設定されている。そのため、ロータ30への負荷時の態様を、ランデル型ロータにおいてもIPM型ロータに近付けることができ、q軸インダクタンスLqとd軸インダクタンスLdの比(Lq/Ld)である突極比ρを2以上にできる。これにより、IPM型ロータ並のリラクタンストルクを出すことが可能となる。
また、実施形態1では、爪状磁極部表面積Asとボス部断面積Abとの関係が、0.9<As/Ab<1.7となる範囲に設定されている。即ち、ボス部断面積Abよりも爪状磁極部表面積Asの方が大きいことを意味している。これにより、従来では、隣接する爪状磁極部323間の磁束の整流や漏れ防止を目的に使われていた永久磁石34を、実施形態1では、IPM型ロータの如き使用しており、漏れ防止ではなく、純粋な磁束アップ、即ち、トルクアップ源や出力アップ源として扱うことができる。
また、実施形態1では、ボス部外径Dbとロータ外径Drとの関係が、0.46<Db/Dr<0.53となる範囲に設定されている。即ち、ボス部断面積Abが、磁石磁力のボス磁力に対する反作用を最大限に考慮されて決められた範囲であり、その時の磁石磁力による反作用を弾き返せるだけのボス部321の磁力が界磁コア32に働いている時に、爪状磁極部323の根元断面積Atは、ボス部321の総磁力と磁石の総磁力をステータ20側に伝えることができる。
また、実施形態1では、永久磁石34の残留磁束密度Brが1[T]以上とされている。磁石磁力がネオジウム鉄ボロンのボンド磁石、サマリウム鉄窒素の射出成型によるプラスチック成型磁石などの場合には、界磁コア32への反磁界を十分に供給しきれない場合が多い。即ち、磁石の断面積を用意する余りに界磁巻線33のスペースの削減を伴う場合が多い。そのため、上記の作用及び効果は、特に、永久磁石34の残留磁束密度Brが1[T]以上の場合に効果的に発揮される。
また、実施形態1では、界磁コア32のd軸磁気回路36が形成される部位は、飽和磁束密度Bsの異なる2種類の材料で形成されており、爪状磁極部323が飽和磁束密度Bsの高い材料で形成され、爪状磁極部323以外の部位が飽和磁束密度Bsの低い材料で形成されている。そのため、ボス部321がすぐに磁束飽和してIPM型ロータの磁束特性の挙動に変化し易いので、電動トルクの向上をより確実に達成することができる。
また、実施形態1では、爪状磁極部323以外の部位で用いられている飽和磁束密度Bsの低い材料は、飽和磁束密度Bsの高い材料よりも透磁率が高いものであるため、ロータ30への無負荷時において、起電力の吸収効果を高めることができる。
〔実施形態2〕
実施形態2に係る回転電機駆動システムについて図29〜図36を参照して説明する。実施形態2における回転電機2は、実施形態1と同様の車両用電動発電機であるが、ブラシレス構造を有するものである点で、実施形態1のものと異なる。以下、異なる点及び重要な点について説明する。なお、実施形態1と共通する要素については同じ符号を使用し、詳しい説明を省略する。
<回転電機駆動システムの全体構成>
実施形態2の回転電機駆動システムは、図29、図30及び図31に示すように、電機子巻線(25)が巻装された環状のステータ20、ステータ20の内周側に径方向に対向して配置されたロータ30、及び、ステータ20及びロータ30を内部に収容し、界磁巻線33が巻装されたボス部17を有するハウジング10を備えたブラシレス構造の回転電機2と、界磁巻線33及び電機子巻線25に供給する電流を制御して必要な大きさの電動トルクをロータ30に発生させる制御装置60と、を含んで構成されている。
ハウジング10は、中空円筒状の筒状部15と、筒状部15の一端側の開口部に嵌合固定された円板状のカバー部16と、カバー部16の中央部から軸方向に突出して筒状部15の内周側に同軸状に配置されたボス部17と、を備えている。ボス部17の軸方向中央部の外周側には、通電により起磁力を発生する一対の界磁巻線53,53がボス部17と絶縁された状態で巻装されている。一対の界磁巻線53,53は、並列接続されて軸方向に離間して配置されており、界磁電流Ifを供給する励磁回路61と出力線53aを介して接続されている。
ステータ20は、実施形態1と同様に構成されたステータコア21及び電機子巻線25を有する。電機子巻線25は、3相(U相、V相、W相)の相巻線U,V,Wにより構成されている(図11参照)。各相巻線U,V,Wは、それぞれの一端がスター結線されて中性点を形成し、それぞれの他端がインバータ63の各出力端子U1,V1,W1に接続されている。
ロータ50は、図29に示すように、ボス部17の軸方向両端部に設けられた一対の軸受け14,14を介してボス部17に回転可能に支持されている。このロータ50は、一対の界磁巻線53,53の径方向及び軸方向外側に位置して、ステータ20の内周側に径方向に対向して配置されている。このロータ50は、フロント側のNポールコア51bに嵌合固定された連結部材47や図示しない駆動力伝達手段を介して、車両に搭載された図示しないエンジンによって回転駆動される。このロータ50は、図32〜図34に示すように、鉄心52a、一対のNポールコア52b,52b、Sポールコア52c、Nポール(磁極部)52n及びSポール(磁極部)52sを有するタンデム型の界磁コア52と、鉄心52aに埋設された複数の永久磁石54と、を備えている。
界磁コア52の鉄心52aは、図33に示すように、中空円筒状に形成されており、Nポール52nが挿入配置される円形断面の8個のNポール孔52dと、Sポール52sが挿入配置される円形断面の8個のSポール孔52eと、永久磁石54が埋設される矩形断面の16個の磁石収容孔52fと、を有する。8個のNポール孔52dと8個のSポール孔52eは、周方向に所定距離隔てて交互に配置されている。Nポール孔52d及びSポール孔52eは、鉄心52aの中心軸線に対して平行に形成されている。これにより、Nポール孔52dに収容されたNポール52nとSポール孔52eに収容されたSポール52sは、ボス部17の外周側で軸方向に延在して周方向交互に配置されている。また、磁石収容孔52fは、隣接するNポール孔52dとSポール孔52eの間に所定距離を隔てて1個ずつ設けられている。
一対のNポールコア52b,52bは、図34に示すように、リング状に形成されており、鉄心52aの軸方向両端面を挟持した状態で、その内周面がボス部17の外周面に嵌合固定されている(図29参照)。各Nポールコア52bの外周部には、径方向に凹んだ凹部と径方向に突出した凸部とが周方向交互に8個ずつ形成されている。各凸部には、Nポール52nの端部を保持する保持孔52gが形成されている。そして、Nポール52nは、鉄心52aのNポール孔52dに軸方向中間部分が嵌挿された状態で、一対のNポールコア52b,52bの保持孔52gに両端部が保持されている。
Sポールコア52cは、図34に示すように、リング状に形成されており、Nポールコア52bの内径と同じ内径を有する。このSポールコア52cは、一対の界磁巻線53,53の間に位置して、ボス部17の軸方向中央部の外周面に嵌合固定されている(図29参照)。Sポールコア52cの外周部には、径方向に凹んだ凹部と径方向に突出した凸部とが周方向交互に8個ずつ形成されており、Sポールコア52cの凸部の突出先端面(外周面)が、Nポールコア52bの凹部の底面と同じ所に位置している。Sポールコア52cは、その凸部の突出先端面(外周面)が鉄心52aの内周面と接触した状態に配置されている(図29参照)。これにより、Sポールコア52cは、Sポール孔52eに収容されたSポール52sと鉄心52aを介して磁気的に接続されている。
実施形態2の場合、実施形態1と同様に、界磁コア52のボス部の外径をDb(以下、「ボス部外径Db」ともいう。)とし、ロータ50(界磁コア32)の外径をDr(以下、「ロータ外径Dr」ともいう。)としたときに、ボス部外径Dbとロータ外径Drとの関係が、0.46<Db/Dr<0.53となる範囲に設定されている。ボス部外径Dbとロータ外径Drの関係については、後で詳述する。
また、実施形態と同様に、磁極部となるNポール52n及びSポール52sの外周面の表面積をAs(以下、「磁極部表面積As」ともいう。)とし、ボス部の一対のNS磁極あたりの軸方向に伸びる鉄心断面積をAb(以下、「ボス部断面積Ab」という。)としたときに、磁極部表面積Asとボス部断面積Abとの関係が、0.9<As/Ab<1.7となる範囲に設定されている。ここで、ボス部断面積Abは、円筒状のボス部の総断面積をAとし、回転電機の極対数をPとしたときに、A/Pで表される。
永久磁石54は、矩形断面で長方体形状の外形を有し、鉄心52aに設けられた磁石収容孔52fに1個ずつ埋設されている。永久磁石54の残留磁束密度Brが1[T]以上とされている。各永久磁石54は、磁化容易軸が周方向に向けられて配置されており、界磁巻線53の起磁力によって各磁極部(Nポール52n、Sポール52s)に交互に現れる極性と一致するように磁極が形成されている。このように永久磁石54が配置されていることによって、図35に示すように、各永久磁石54にはそれぞれ2つの第1及び第2磁石磁気回路58,59が形成されている。
第1磁石磁気回路(一点鎖線)58は、磁石磁束のうち鉄心52aのSポール52e、永久磁石54及びNポール52nを通り、図示しないステータコア21を経由して鉄心52aのSポール52sに戻るように流れる磁束の磁気回路である。また、第2磁石磁気回路(二重線)59は、磁石磁束のうち鉄心52aのSポール52s、永久磁石54及びNポール52nを通り、Sポールコア52cからボス部17及びNポールコア52bを経由して鉄心52aのSポール52sに戻るように流れてロータ50内で完結する磁気回路である。これら磁石磁束から見れば、ボス部17を通る第2磁石磁気回路59は、ステータ20にとって無効となる磁石磁束が流れる磁気回路である。一方、第1磁石磁気回路58は、ステータ20に鎖交し、逆起電力やトルクになる磁石磁束が流れる磁気回路である。
制御装置60の励磁回路61は、電源B1から界磁巻線53に界磁電流Ifとして供給するものである。この励磁回路61は、実施形態1と同様に構成されたものであり、コントローラ(ECU)67により制御される。インバータ63は、電機子巻線25に電機子電流Iaを供給するものであり、実施形態1と同様に構成されている(図11参照)。このインバータ63も、実施形態1と同様に、ロータ30の回転位置を検出する位置センサ66の情報に基づいて、コントローラ(ECU)67により制御される。
なお、上記の界磁巻線53に、励磁回路61から界磁電流Ifが通電されるとボス部17に起磁力を発生させ、Nポール52nがN極に磁化されるとともに、Sポール52sがS極に磁化される。これにより、図36に示すように、ハウジング10のボス部17から一対のNポールコア52b,52b及びNポール52nを通り、ステータコア21を経由して鉄心52aのSポール52s、Sポールコア52cを通ってボス部17に戻るように流れる磁束によりd軸磁気回路56(図36に破線で示す)が形成される。この場合、図29に示すように、軸方向中央部のSポールコア52cを通った後、軸方向両側でd軸のN極の向きが反転することから、d軸磁気回路56は、d1とd2の2つに分流する。このd軸磁気回路56は、ロータ50の逆起電力を生む磁気回路である。
また、d軸磁気回路56及び第1磁石磁気回路58のステータ20に鎖交する磁束により電機子巻線25に電流が流れることによって、q軸磁気回路57(図36に実線で示す)が形成される。このq軸磁気回路57は、ステータコア21のd軸から電気角で90°ずれた位置にあるq軸を通る磁束により形成される磁気回路である。実施形態2の場合にも、実施形態1と同様に、ロータ50に負荷を掛けた時に、d軸磁気回路56のパーミアンスPrtと、q軸磁気回路57のパーミアンスPstとの関係が、Pst>Prtとなるように設定されている。
また、実施形態2では、実施形態1と同様に、d軸磁気回路56のパーミアンスPrtと、q軸磁気回路57のパーミアンスPstとの比が、Pst:Prt=2n(nは1以上の実数):1となるように設定されている。これにより、ロータ50への負荷時の態様を、IPM型ロータに近付けることができ、突極比ρを2以上にできる。なお、d軸磁気回路56のパーミアンスPrt及びq軸磁気回路57のパーミアンスPstの測定方法は、実施形態1と同様である。
実施形態2の場合には、d軸磁気回路56と第1磁石磁気回路58は、Sポール52sから鉄心52a、ステータ20及び鉄心52aを経由してNポール52nに戻るまでの磁気回路を共有している。また、d軸磁気回路56と第2磁石磁気回路59は、ロータ50のSポール52sから鉄心52a、Sポールコア52c、ボス部17及びNポールコア52bを経由してNポール52nに戻るまでの部分の磁気回路を共有している。よって、d軸磁気回路56と、第1及び第2磁石磁気回路58,59の少なくとも一部分とが共有されている。
なお、実施形態2の場合にも、実施形態1と同様に、ボス部17の一対のNS磁極あたりの軸方向に延びる鉄心断面積をAbとし、ボス部17の5000[A/m]の界磁を加えた際の磁束密度をB50とし、Nポール52nとSポール52sの間に配置された永久磁石54の残留磁束密度をBrとし、永久磁石54の磁極となる面の断面積をAmとしたときに、2×Br[T]×Am[mm]<B50[T]×Ab[mm]となる関係を満たすように設定されている。
また、界磁コア52及びハウジング10のd軸磁気回路56が形成される部位は、飽和磁束密度Bsの異なる2種類の材料で形成されている。実施形態2の場合には、磁極部となるNポール52n及びSポール52sが、飽和磁束密度Bsの高い材料で形成され、界磁コア52のNポール52n及びSポール52s以外の部位及びボス部17が、飽和磁束密度Bsの低い材料で形成されている。飽和磁束密度Bsの高い材料及び飽和磁束密度Bsの低い材料については、実施形態1と同様である。
<作用及び効果>
以上のように構成された実施形態2の車両用電動発電機2によれば、ロータ50に負荷を掛けた時に、d軸磁気回路56のパーミアンスPrtとq軸磁気回路57のパーミアンスPstとの関係が、Pst>Prtとなるように設定されている。そのため、実施形態1と同様に、ステータ20に鎖交しd軸磁気回路56と同じ方向に流れる磁束により形成される第1磁石磁気回路58の磁石磁束を増大させることができる。これにより、磁石磁束を有効利用して、電動トルクを大幅に向上させることができる。
特に、ブラシレス構造の回転電機においては、ブラシによる電流制限を受けずに済むため、界磁電流Ifの電流値を大きくすることができる。そのため、ブラシレス構造の回転電機2においても、界磁回路(d軸磁気回路56)を飽和させ、磁石磁力を有効利用することができる。また、磁石付きランデル型ロータの弱点である遠心強度を、電気回路分の遠心力を磁極部裏に受けずに済むため、遠心力による応力を下げることができる。
また、制御装置60は、回転電機1が位相制御により力行及び回生のどちらかの動作をするように制御する。そのため、実施形態2では、上記のd軸磁気回路36のパーミアンスPrtとq軸磁気回路37のパーミアンスPstとの大小関係を満たしていることにより、位相制御による力行、回生の動作能力を、d軸だけを使うダイオード整流や同期整流といった動作での能力向上に比べ、相乗的に向上させることができる。
また、実施形態2では、ボス部断面積をAbとし、ボス部17の5000[A/m]の界磁を加えた際の磁束密度をB50とし、永久磁石54の残留磁束密度をBrとし、永久磁石54の磁極となる面の断面積をAmとしたときに、2×Br[T]×Am[mm]<B50[T]×Ab[mm]となる関係を満たすようにされている。これにより、実施形態1と同様に、逆起電力を下げ、無通電時の高速回転状態における発電電力を抑えることができる。
また、実施形態2では、d軸磁気回路56のパーミアンスPrtと、q軸磁気回路57のパーミアンスPstとの比が、Pst:Prt=2n(nは1以上の実数):1となるように設定されている。これにより、実施形態1と同様に、突極比ρを2以上にでき、IPM型ロータ並のリラクタンストルクを出すことが可能となる。
また、実施形態2では、磁極部表面積Asとボス部断面積Abとの関係が、0.9<As/Ab<1.7となる範囲に設定されている。即ち、ボス部断面積Abよりも磁極部表面積Asの方が大きいことを意味している。これにより、従来では、隣接する磁極部間の磁束の整流や漏れ防止を目的に使われていた永久磁石54を、実施形態2では、IPM型ロータの如き使用しており、漏れ防止ではなく、純粋な磁束アップ、即ち、トルクアップ源や出力アップ源として扱うことができる。
また、実施形態2では、ボス部外径Dbとロータ外径Drとの関係が、0.46<Db/Dr<0.53となる範囲に設定されている。即ち、ボス部断面積Abが、磁石磁力のボス磁力に対する反作用を最大限に考慮されて決められた範囲であり、その時の磁石磁力による反作用を弾き返せるだけのボス部の磁力が界磁コア52に働いている時に、磁極部となるNポール52n及びSポール52sの根元断面積Atは、ボス部の総磁力と磁石の総磁力をステータ20側に伝えることができる。
また、実施形態2では、永久磁石54の残留磁束密度Brが1[T]以上とされている。磁石磁力がネオジウム鉄ボロンのボンド磁石、サマリウム鉄窒素の射出成型によるプラスチック成型磁石などの場合には、界磁コア52への反磁界を十分に供給しきれない場合が多い。即ち、磁石の断面積を用意する余りに界磁巻線53のスペースの削減を伴う場合が多い。そのため、上記の作用及び効果は、特に、永久磁石54の残留磁束密度Brが1[T]以上の場合に効果的に発揮される。
また、実施形態2では、界磁巻線55の起磁力によりd軸磁気回路56が形成される界磁コア51は、飽和磁束密度Bsの異なる2種類の材料で形成されており、Nポール52n及びSポール52sが飽和磁束密度Bsの高い材料で形成され、Nポール52n及びSポール52s以外の部位が飽和磁束密度Bsの低い材料で形成されている。そのため、ボス部321がすぐに飽和してIPM型ロータの磁束特性の挙動に変化し易いので、電動トルクの向上をより確実に達成することができる。
また、実施形態2では、Nポール52n及びSポール52s以外の部位で用いられている飽和磁束密度Bsの低い材料は、飽和磁束密度Bsの高い材料よりも透磁率が高いものであるため、ロータ30の無負荷時において、起電力の吸収効果を高めることができる。
〔実施形態3〕
実施形態3に係る回転電機システムについて図37を参照して説明する。実施形態3に係る回転電機システムの車両用電動発電機は、実施形態1と同様の車両用電動発電機であるが、界磁コアを構成するポールコアの構造だけが実施形態1のものと異なる。以下、異なる点及び重要な点について説明する。なお、実施形態1と共通する要素については同じ符号を使用し、詳しい説明を省略する。
<界磁コアの構成>
界磁コア32は、第1ポールコア32aと、第2ポールコア32bとにより構成されている。図37に示すように、第1ポールコア32aは、第1ボス部321aと、第1ディスク部322aと、第1爪状磁極部323aとからなる。第1ディスク部322aには、磁束の流れ方向と直交する断面の面積を部分的に小さくするために、溝部322cが形成されている。溝部322cは、第2ディスク部322bと軸方向に対向する第1ディスク部322aの内側の面に形成されている。溝部322cは、第1ディスク部322aの径方向の最も外側の第1爪状磁極部323aと繋がる部分に、周方向に延在するように円弧状に形成されている。
磁束は、第1ディスク部322aを径方向に流れる第1ディスク部322aの径方向の最も外側の第1爪状磁極部323aと繋がる部分であって、第2ディスク部322bと軸方向に対向する内側の面には、周方向に延在するように、円弧状の溝部322cが形成されている。そのため、溝部322cによって、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が部分的に小さくなる。第1爪状磁極部323aと繋がる第1ディスク部322aの最外周部分の断面が小さくなる。
実施形態3の場合、ロータ30の外径となる第1ポールコア32aの外径Drを直径とした円の面積A1と、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が最小となる部分の断面積A2の関係が、0.2116<A2/A1<0.2809となる範囲に設定されている。ここで、断面積A2は、第1爪状磁極部323aと繋がる、溝部322cが形成された部分における第1ディスク部322aの断面積A0を極対数P倍したものである。
第2ポールコア32bも第1ポールコア32aと同一形状であり、磁束の流れ方向と直交する断面の面積を部分的に小さくするため、溝部が形成されている。
<作用及び効果>
実施形態3の車両用電動発電機では、界磁コア32は、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が部分的に小さくなっている。具体的には、ディスク部の断面の面積が部分的に小さくなっている。そのため、車両用電動発電機の特性が変化する。つまり、特性の異なる車両用電動発電機を容易に構成することができる。しかも、ロータの外径Drを直径とする円の面積A1と、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が最小となる部分の断面積A2の関係が、0.2116<A2/A1<0.2809となる範囲に設定されている。そのため、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が部分的に小さくなっておらず、ボス部の外径Dbとロータの外径Drとの関係が、0.46<Db/Dr<0.53となる範囲に設定されている場合と、同様の磁気的関係を確保でき、同様の効果を得ることができる。
また、実施形態3では、第1ディスク部322a及び第2ディスク部322bに円弧状の溝部を形成することで、磁束の流れ方向と直交する断面の面積を部分的に小さくしている。円弧状の溝部は、フライス等によって容易に加工することができる。そのため、磁束の流れ方向と直交する断面の面積を容易に部分的に小さくすることができる。しかも、第1ディスク部322a及び第2ディスク部322bの内側の面に円弧状の溝部が形成されるだけなので、溝部形成前に用いられていた界磁巻線や巻枠等をそのまま用いることができる。そのため、特性の異なる車両用電動発電機を構成する場合において、変更に伴う費用を抑えることができる。
〔実施形態4〕
実施形態4に係る回転電機システムについて図38を参照して説明する。実施形態4に係る回転電機システムの車両用電動発電機は、実施形態1と同様の車両用電動発電機であるが、界磁コアを構成するポールコアの構造だけが実施形態1のものと異なる。実施形態3と同様にディスク部の断面積を部分的に小さくしたものであるが、実施形態3とは異なる構成によって部分的に小さくしたものである。以下、異なる点及び重要な点について説明する。なお、実施形態1と共通する要素については同じ符号を使用し、詳しい説明を省略する。
<界磁コアの構成>
界磁コア32は、第1ポールコア32aと、第2ポールコア32bとにより構成されている。図38に示すように、第1ポールコア32aは、第1ボス部321aと、第1ディスク部322aと、第1爪状磁極部323aとからなる。第1ディスク部322aには、磁束の流れ方向と直交する断面の面積を部分的に小さくするために、幅の異なる溝部322d,322eが形成されている。溝部322d,322eは、第2ディスク部322bと軸方向に対向する第1ディスク部322aの内側の面に形成されている。溝部322d,322eは、第1ディスク部322aの径方向内側の所定位置から、径方向外側に放射状に延在するように形成されている。
磁束は、第1ディスク部322aを径方向に流れる第2ディスク部322bと軸方向に対向する第1ディスク部322aの内側の面には、径方向内側の所定位置から、径方向外側に放射状に延在するように溝部322d,322eが形成されている。そのため、溝部322d,322eによって、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が部分的に小さくなる。第1爪状磁極部323aと繋がる第1ディスク部322aの最外周部分の断面が小さくなる。
実施形態4の場合、実施形態3と同様に、ロータ30の外径となる第1ポールコア32aの外径Drを直径とした円の面積A1と、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が最小となる部分の断面積A2の関係が、0.2116<A2/A1<0.2809となる範囲に設定されている。ここで、断面積A2は、実施形態3と同様に、第1爪状磁極部323aと繋がる第1ディスク部322aの断面積A1を極対数P倍したものである。
第2ポールコア32bも第1ポールコア32aと同一形状であり、磁束の流れ方向と直交する断面の面積を部分的に小さくするため、溝部が形成されている。
<作用及び効果>
実施形態4の車両用電動発電機では、界磁コア32は、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が部分的に小さくなっている。具体的には、ディスク部の断面の面積が部分的に小さくなっている。そのため、車両用電動発電機の特性が変化する。つまり、特性の異なる車両用電動発電機を容易に構成することができる。しかも、ロータの外径Drを直径とする円の面積A1と、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が最小となる部分の断面積A2の関係が、0.2116<A2/A1<0.2809となる範囲に設定されている。そのため、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が部分的に小さくなっておらず、ボス部の外径Dbとロータの外径Drとの関係が、0.46<Db/Dr<0.53となる範囲に設定されている場合と、同様の磁気的関係を確保でき、同様の効果を得ることができる。
また、実施形態4では、第1ディスク部322a及び第2ディスク部322bに、溝部が径方向に放射状に延在するように形成される。その結果、溝部の間に、断面2次モーメントの高いリブが、放射状に形成されることになる。そのため、実施形態3に比べ、遠心力に対する界磁コア32の剛性を向上させることができる。また、溝部が形成されることによって、第1ディスク部322aと界磁巻線33の接触面積、及び、第2ディスク部322bと界磁巻線33の接触面積が減少する。そのため、渦電流によって界磁コア32が発熱しても、界磁コア32から界磁巻線33への熱伝導を抑えることができる。従って、熱による劣化を抑え、界磁巻線33の信頼性を向上させることができる。また、実施形態3と同様に、溝部形成前に用いられていた界磁巻線や巻枠等をそのまま用いることができる。そのため、特性の異なる車両用電動発電機を構成する場合において、変更に伴う費用を抑えることができる。
〔実施形態5〕
実施形態5に係る回転電機システムについて図39を参照して説明する。実施形態5に係る回転電機システムの車両用電動発電機は、実施形態1と同様の車両用電動発電機であるが、界磁コアを構成するポールコアの構造だけが実施形態1のものと異なる。実施形態3、4とは異なり、ボス部の断面積を部分的に小さくしたものである。以下、異なる点及び重要な点について説明する。なお、実施形態1と共通する要素については同じ符号を使用し、詳しい説明を省略する。
<界磁コアの構成>
界磁コア32は、第1ポールコア32aと、第2ポールコア32bとにより構成されている。図39に示すように、第1ポールコア32aは、第1ボス部321aと、第1ディスク部322aと、第1爪状磁極部323aとからなる。第1ボス部321aには、磁束の流れ方向と直交する断面の面積を部分的に小さくするために、溝部321cが形成されている。溝部321cは、第1ボス部321aの軸方向の中間部分の外周面に円形状に形成されている。
磁束は、第1ボス部321aを軸方向に流れる。第1ボス部321aの軸方向の中間部分の外周面には、円形状の溝部321cが形成されている。そのため、溝部321cによって、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が部分的に小さくなる。第1ボス部321aの軸方向の中間部分の断面が、他の部分に比べ部分的に小さくなる。
実施形態5の場合、ロータ30の外径となる第1ポールコア32aの外径Drを直径とした円の面積A1と、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が最小となる部分の断面積A2の関係が、0.2116<A2/A1<0.2809となる範囲に設定されている。ここで、断面積A2は、溝部321cが形成された部分における第1ボス部321aの断面積である。溝部321cの形成された部分における軸方向と直交する断面の面積である。
第2ポールコア32bも第1ポールコア32aと同一形状であり、磁束の流れ方向と直交する断面の面積を部分的に小さくするため、溝部が形成されている。
<作用及び効果>
実施形態5の車両用電動発電機では、界磁コア32は、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が部分的に小さくなっている。具体的には、ボス部の断面積が部分的に小さくなっている。そのため、車両用電動発電機の特性が変化する。つまり、特性の異なる車両用電動発電機を容易に構成することができる。しかも、ロータの外径Drを直径とする円の面積A1と、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が最小となる部分の断面積A2の関係が、0.2116<A2/A1<0.2809となる範囲に設定されている。そのため、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が部分的に小さくなっておらず、ボス部の外径Dbとロータの外径Drとの関係が、0.46<Db/Dr<0.53となる範囲に設定されている場合と、同様の磁気的関係を確保でき、同様の効果を得ることができる。
また、実施形態5では、溝部が、第1ボス部321a及び第2ボス部321bに形成されている。そのため、遠心力に対する剛性を低下させることなく界磁コア32を構成することができる。また、実施形態3と同様に、溝部形成前に用いられていた界磁巻線や巻枠等をそのまま用いることができる。そのため、特性の異なる車両用電動発電機を構成する場合において、変更に伴う費用を抑えることができる。
〔実施形態6〕
実施形態6に係る回転電機システムについて図40を参照して説明する。実施形態6に係る回転電機システムの車両用電動発電機は、実施形態1と同様の車両用電動発電機であるが、界磁コアを構成するポールコアの構造だけが実施形態1のものと異なる。実施形態5と同様に、ボス部の断面積を部分的に小さくしたものであるが、実施形態5とは異なる部分を部分的に小さくしたものである。以下、異なる点及び重要な点について説明する。なお、実施形態1と共通する要素については同じ符号を使用し、詳しい説明を省略する。
<界磁コアの構成>
界磁コア32は、第1ポールコア32aと、第2ポールコア32bとにより構成されている。図40に示すように、第1ポールコア32aは、第1ボス部321aと、第1ディスク部322aと、第1爪状磁極部323aとからなる。第1ボス部321aには、磁束の流れ方向と直交する断面の面積を部分的に小さくするために、小径部321dが形成されている。小径部321dは、他の部分よりも外径が小さい部位であり、第2ボス部321bと軸方向に対向する第1ボス部321aの軸方向端部に形成されている。
磁束は、第1ボス部321aを軸方向に流れる。第1ボス部321aの軸方向端部には、他の部分よりも外径が小さい小径部321dが形成されている。そのため、小径部321dによって、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が部分的に小さくなる。第1ボス部321aの軸方向端部の断面が、他の部分に比べ部分的に小さくなる。
実施形態6の場合、ロータ30の外径となる第1ポールコア32aの外径Drを直径とした円の面積A1と、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が最小となる部分の断面積A2の関係が、0.2116<A2/A1<0.2809となる範囲に設定されている。ここで、断面積A2は、小径部321dが形成された部分における第1ボス部321aの断面積である。小径部321dが形成された部分における軸方向と直交する断面の面積である。
第2ポールコア32bも第1ポールコア32aと同一形状であり、磁束の流れ方向と直交する断面の面積を部分的に小さくするため、溝部が形成されている。
<作用及び効果>
実施形態6の車両用電動発電機では、実施形態5と同様の効果を得ることができる。
〔実施形態7〕
実施形態7に係る回転電機システムについて図41を参照して説明する。実施形態7に係る回転電機システムの車両用電動発電機は、実施形態1と同様の車両用電動発電機であるが、界磁コアを構成するポールコアの構造だけが実施形態1のものと異なる。実施形態5、6と同様にボス部の断面積を部分的に小さくしたものであるが、実施形態5、6とは異なる構成で部分的に小さくしたものである。以下、異なる点及び重要な点について説明する。なお、実施形態1と共通する要素については同じ符号を使用し、詳しい説明を省略する。
<界磁コアの構成>
界磁コア32は、第1ポールコア32aと、第2ポールコア32bとにより構成されている。図41に示すように、第1ポールコア32aは、第1ボス部321aと、第1ディスク部322aと、第1爪状磁極部323aとからなる。第1ボス部321aには、磁束の流れ方向と直交する断面の面積を部分的に小さくするために、面取り部321eが形成されている。第1ボス部321aは、回転軸31と嵌合する貫通孔部321fを有している。面取り部321eは、第1ディスク部322a側の貫通孔部321fの軸方向端部に、全周に渡って形成されている。
磁束は、第1ボス部321aを軸方向に流れる。また、第1ディスク部322aを径方向に流れる。第1ディスク部322aと繋がる第1ボス部321aの第1ディスク部322a側の部分では、磁束の流れが軸方向から径方向、又は、径方向から軸方向に変化することになる。第1ディスク部322a側の貫通孔部321fの軸方向端部には、全周に渡って面取り部321eが形成されている。そのため、溝部321cによって、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が部分的に小さくなる。
実施形態7の場合、ロータ30の外径となる第1ポールコア32aの外径Drを直径とした円の面積A1と、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が最小となる部分の断面積A2の関係が、0.2116<A2/A1<0.2809となる範囲に設定されている。ここで、断面積A2は、第1ボス部321aの外周面が第1ディスク部322aの内側の面と接する点をKとし、点Kと面取り部321eの傾斜面321gとを最短距離で結ぶ線をMとすると、線Mに沿って切断した切り口の面積である。
第2ポールコア32bも第1ポールコア32aと同一形状であり、磁束の流れ方向と直交する断面の面積を部分的に小さくするため、溝部が形成されている。
<作用及び効果>
実施形態7の車両用電動発電機では、界磁コア32は、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が部分的に小さくなっている。具体的には、ボス部の断面積が部分的に小さくなっている。そのため、車両用電動発電機の特性が変化する。つまり、特性の異なる車両用電動発電機を容易に構成することができる。しかも、ロータの外径Drを直径とする円の面積A1と、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が最小となる部分の断面積A2の関係が、0.2116<A2/A1<0.2809となる範囲に設定されている。そのため、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が部分的に小さくなっておらず、ボス部の外径Dbとロータの外径Drとの関係が、0.46<Db/Dr<0.53となる範囲に設定されている場合と、同様の磁気的関係を確保でき、同様の効果を得ることができる。
また、実施形態7では、第1ボス部321a及び第2ボス部321bに面取り部を形成することで、磁束の流れ方向と直交する断面の面積を部分的に小さくしている。面取り部は、ドリル等によって容易に加工することができる。そのため、磁束の流れ方向と直交する断面の面積を容易に部分的に小さくすることができる。しかも、第1ボス部321a及び第2ボス部321bの貫通孔部の軸方向端部に面取り部が形成されるだけなので、面取り部形成前に用いられていた界磁巻線や巻枠等をそのまま用いることができる。そのため、特性の異なる車両用電動発電機を構成する場合において、変更に伴う費用を抑えることができる。
〔実施形態8〕
実施形態8に係る回転電機システムについて図42を参照して説明する。実施形態8に係る回転電機システムの車両用電動発電機は、実施形態1と同様の車両用電動発電機であるが、界磁コアを構成するポールコアの構造だけが実施形態1のものと異なる。実施形態7と同様の構成によってボス部の断面積を小さくしたものであるが、実施形態7とは異なる部分を部分的に小さくしたものである。以下、異なる点及び重要な点について説明する。なお、実施形態1と共通する要素については同じ符号を使用し、詳しい説明を省略する。
<界磁コアの構成>
界磁コア32は、第1ポールコア32aと、第2ポールコア32bとにより構成されている。図42に示すように、第1ポールコア32aは、第1ボス部321aと、第1ディスク部322aと、第1爪状磁極部323aとからなる。第1ボス部321aには、磁束の流れ方向と直交する断面の面積を部分的に小さくするために、面取り部321hが形成されている。面取り部321hは、第2ボス部321b側の貫通孔部321fの軸方向端部に、全周に渡って形成されている。
磁束は、第1ボス部321aを軸方向に流れる。第2ボス部321b側の貫通孔部321fの軸方向端部には、面取り部321hが形成されている。そのため、面取り部321hによって、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が部分的に小さくなる。第1ボス部321aの軸方向端部の断面が、他の部分に比べ部分的に小さくなる。
<作用及び効果>
実施形態8の車両用電動発電機では、実施形態7と同様の効果を得ることができる。
〔実施形態9〕
実施形態9に係る回転電機システムについて図43を参照して説明する。実施形態9に係る回転電機システムの車両用電動発電機は、実施形態1と同様の車両用電動発電機であるが、界磁コアを構成するポールコアの構造だけが実施形態1のものと異なる。実施形態5〜8と同様にボス部の断面積を部分的に小さくしたものであるが、実施形態5〜8とは異なる構成で部分的に小さくしたものである。以下、異なる点及び重要な点について説明する。なお、実施形態1と共通する要素については同じ符号を使用し、詳しい説明を省略する。
<界磁コアの構成>
界磁コア32は、第1ポールコア32aと、第2ポールコア32bとにより構成されている。図43に示すように、第1ポールコア32aは、第1ボス部321aと、第1ディスク部322aと、第1爪状磁極部323aとからなる。第1ボス部321aには、磁束の流れ方向と直交する断面の面積を部分的に小さくするために、溝部321iが形成されている。溝部321iは、第2ボス部321bと軸向に対向する第1ボス部321aの軸方向端面に円形状に形成されている。
磁束は、第1ボス部321aを軸方向に流れる。第1ボス部321aの軸方向端面には、円形状の溝部321iが形成されている。そのため、溝部321iによって、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が部分的に小さくなる。第1ボス部321aの軸方向端部の断面が、他の部分に比べ部分的に小さくなる。
実施形態9の場合、ロータ30の外径となる第1ポールコア32aの外径Drを直径とした円の面積A1と、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が最小となる部分の断面積A2の関係が、0.2116<A2/A1<0.2809となる範囲に設定されている。ここで、断面積A2は、溝部321iが形成された第1ボス部321aの軸方向端部の断面積である。溝部321iを設けることによって形成された円筒部321j,321kの軸方向端面の面積を足し合わせた面積である。
第2ポールコア32bも第1ポールコア32aと同一形状であり、磁束の流れ方向と直交する断面の面積を部分的に小さくするため、溝部が形成されている。
<作用及び効果>
実施形態9の車両用電動発電機では、実施形態5と同様の効果を得ることができる。
〔実施形態10〕
実施形態10に係る回転電機システムについて図44を参照して説明する。実施形態10に係る回転電機システムの車両用電動発電機は、実施形態1と同様の車両用電動発電機であるが、界磁コアを構成するポールコアの構造だけが実施形態1のものと異なる。実施形態9の変形形態に相当するものである。以下、異なる点及び重要な点について説明する。なお、実施形態1と共通する要素については同じ符号を使用し、詳しい説明を省略する。
<界磁コアの構成>
図44に示すように、第1ボス部321aには、磁束の流れ方向と直交する断面の面積を部分的に小さくするために、溝部321l,321mが形成されている。溝部321l,321mは、第2ボス部321bと軸向に対向する第1ボス部321aの軸方向端面に同心円形状に形成されている。そのため、溝部321l,321mによって、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が部分的に小さくなる。第1ボス部321aの軸方向端部の断面が、他の部分に比べ部分的に小さくなる。
実施形態10の場合、ロータ30の外径となる第1ポールコア32aの外径Drを直径とした円の面積A1と、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が最小となる部分の断面積A2の関係が、0.2116<A2/A1<0.2809となる範囲に設定されている。ここで、断面積A2は、溝部321l,321mが形成された第1ボス部321aの軸方向端部の断面積である。溝部321l,321mを設けることによって形成された円筒部321n〜321pの軸方向端面の面積を足し合わせた面積である。
<作用及び効果>
実施形態10の車両用電動発電機では、実施形態5と同様の効果を得ることができる。
〔実施形態11〕
実施形態11に係る回転電機システムについて図45を参照して説明する。実施形態11に係る回転電機システムの車両用電動発電機は、実施形態2と同様の車両用電動発電機であるが、界磁コアを構成するポールコアの構造だけが実施形態2のものと異なる。実施形態3の界磁コアを、ブラシレス構造に対応できるように変更したものである。以下、異なる点及び重要な点について説明する。なお、実施形態2と共通する要素については同じ符号を使用し、詳しい説明を省略する。実施形態3の界磁コアと対応する構成要素については、同じ名称を使用する。
<界磁コアの構成>
図45に示すように、界磁コア52は第1ポールコア52hと、第2ポールコア52iとにより構成されている。
第1ポールコア52hは、第1ディスク部522hと、第1爪状磁極部523hとからなる。実施形態3の第1ポールコア32aから、第1ボス部321aを取り除いた構成である。第1ディスク部522hには、磁束の流れ方向と直交する断面の面積を部分的に小さくするために、溝部522jが形成されている。溝部522jは、第2ディスク部522iと軸方向に対向する第1ディスク部522hの内側の面に形成されている。溝部522jは、第1ディスク部522hの径方向の最も外側の第1爪状磁極部523hと繋がる部分に、周方向に延在するように円弧状に形成されている。
第2ポールコア52iは、第2ボス部521iと、第2ディスク部522iと、第2爪状磁極部523iとからなる。実施形態3の第1ポールコア32aと同一の構成である。第2ディスク部522iには、磁束の流れ方向と直交する断面の面積を部分的に小さくするために、溝部522kが形成されている。溝部522kは、第1ディスク部522hと軸方向に対向する第2ディスク部522iの内側の面に形成されている。溝部522kは、第2ディスク部522iの径方向の最も外側の第2爪状磁極部523iと繋がる部分に、周方向に延在するように円弧状に形成されている。
第1ポールコア52hは、第1ディスク部522hの内周面がボス部17の外周面と間隔をあけて径方向に対向するように配置されている。第2ポールコア52iは、第1爪状磁極部523hと第2爪状磁極部523iが周方向に交互になるように配置されている。第2ポールコア52iは、第2ボス部521iの軸方向端面がボス部17の軸方向端面と間隔をあけて軸方向に対向するように配置されている。第1ポールコア52hと第2ポールコア52iは、第1爪状磁極部523hと第2爪状磁極部523iの内周側が固定部材52lによって固定されている。固定部材52lによって固定された第1ポールコア52hと第2ポールコア52iは、軸受けを介してハウジング10に回転可能に支持されている。第1ポールコア52hと第2ポールコア52iの間の空間には、界磁巻線53が配置されている。界磁巻線53は、ボス部17に固定されている。
磁束は、ディスク部522h,522iを径方向に流れる。ディスク部522h,522iの径方向の最も外側の爪状磁極部523h、523iと繋がる部分には、周方向に延在するように、円弧状の溝部522j,522kが形成されている。そのため、溝部522j,522kによって、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が部分的に小さくなる。爪状磁極部523h,523iと繋がるディスク部522h,522iの最外周部分の断面が小さくなる。
実施形態11の場合、ロータ50の外径となるポールコア52h,52iの外径Drを直径とした円の面積A1と、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が最小となる部分の断面積A2の関係が、0.2116<A2/A1<0.2809となる範囲に設定されている。ここで、断面積A2は、爪状磁極部523h,523iと繋がる、溝部522j,522kが形成された部分におけるディスク部522h,522iの断面積A0を極対数P倍したものである。
<作用及び効果>
実施形態11の車両用電動発電機では、ブラシレス構造であっても、実施形態3と同様の効果を得ることができる。
なお、ブラシレス構造であっても、界磁コアの基本構成は実施形態4〜10と同一であるため、ブラシレス構造の車両用電動発電機において、実施形態4〜10の構成を適用することは可能である。この場合、ブラシレス構造であっても、実施形態4〜10と同様の効果を得ることができる。
〔他の実施形態〕
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能である。
例えば、上記の実施形態では、d軸磁気回路36と第1及び第2磁石磁気回路38,39の一部分、或いはd軸磁気回路56と第1及び第2磁石磁気回路58,59の一部分が共有されていた。しかし、d軸磁気回路36,56上に永久磁石34,54を埋め込んだり設置したりすることによって、d軸磁気回路と第1及び第2磁石磁気回路の全部とが共有されるようにしてもよい。
図46に示す変形例1の場合には、d軸磁気回路36が形成される界磁コア32のボス部321の外周部に、軸方向両端部に磁極を有する円筒状の永久磁石34Aが同軸状に装着されている。このようにすれば、d軸磁気回路36(図10参照)と第1及び第2磁石磁気回路38A,39Aの全部とが共有されるようになる。なお、ボス部321の一対のNS磁極あたりの軸方向に延びる鉄心断面積Abは、ボス部321の永久磁石34Aが装着された部位の径方向総断面積をAとし、回転電機の極対数をPとしたときに、A/Pで表される。
また、この他に、d軸磁気回路36が形成される界磁コア32のディスク部322a,322b(図46参照)に永久磁石を埋め込んだり設置したりすることができる。この場合のディスク部322a,322bの断面積は、ディスク部322a,322bの永久磁石を設けた部位(ディスク部鉄心部分)の断面積とする。
1、2…回転電機、 10…ハウジング、 17…ボス部、 20…ステータ、 21…ステータコア、 25…電機子巻線、 30…ロータ、 32…界磁コア、 321…ボス部、 321a…第1ボス部、 321b…第2ボス部、 323…爪状磁極部、323a…第1爪状磁極部、 323b…第2爪状磁極部、 33…界磁巻線、 34,34A…永久磁石、 36…d軸磁気回路、 37…q軸磁気回路、 38…第1磁石磁気回路、 39…第2磁石磁気回路、 50…ロータ、 52…界磁コア、 52n…Nポール(磁極部)、 52s…Sポール(磁極部)、 53…界磁巻線、 54…永久磁石、 56…d軸磁気回路、 57…q軸磁気回路、 58…第1磁石磁気回路、 59…第2磁石磁気回路、 60…制御装置。

Claims (11)

  1. 電機子巻線(25)が巻装された環状のステータ(20)、及び、界磁巻線(33)が巻装されて前記ステータの内周側に径方向に対向して配置されたロータ(30)を有する回転電機(1)と、前記界磁巻線及び前記電機子巻線の少なくとも一方に供給する電流を制御して前記ロータにトルクを発生させる制御装置(60)と、を備えた回転電機駆動システムにおいて、
    前記ロータは、前記界磁巻線が巻装される筒状のボス部(321,321a,321b)、及び、前記ボス部の外周側に配置されて周方向交互に異なる極性の磁極が形成される複数の爪状磁極部(323,323a,323b)を有する界磁コア(32)と、
    周方向に隣接する前記爪状磁極部の間に磁化容易軸が周方向に向けられて配置され、前記界磁巻線の起磁力によって前記爪状磁極部に交互に現れる極性と一致するように磁極が形成されている永久磁石(34,34A)と、を備え、
    前記ロータに負荷を掛けた時に、d軸磁気回路のパーミアンスPrtと、前記電機子巻線に流れる電流により形成されてd軸から電気角で90°ずれた位置にあるq軸を通るq軸磁気回路(37)のパーミアンスPstとの関係が、Pst>Prtとなるように設定され、
    前記制御装置は、前記回転電機が位相制御により力行及び回生のどちらかの動作をするように制御する回転電機駆動システム。
  2. 電機子巻線(25)が巻装された環状のステータ(20)、前記ステータの内周側に径方向に対向して配置されたロータ(50)、及び、前記ステータ及び前記ロータを内部に収容し、界磁巻線(53)が巻装されたボス部(17)を有するハウジング(10)を備えたブラシレス構造の回転電機(2)と、前記界磁巻線及び前記電機子巻線の少なくとも一方に供給する電流を制御して前記ロータにトルクを発生させる制御装置(60)と、を備えた回転電機駆動システムにおいて、
    前記ロータは、前記界磁巻線の外周側に配置されて周方向交互に異なる極性の磁極が形成される複数の磁極部(52n,52s)を有する界磁コア(52)と、周方向に隣接する前記磁極部の間に磁化容易軸が周方向に向けられて配置され、前記界磁巻線の起磁力によって前記磁極部に交互に現れる極性と一致するように磁極が形成されている永久磁石(54)と、を備え、
    前記ロータに負荷を掛けた時に、d軸磁気回路のパーミアンスPrtと、前記電機子巻線に流れる電流により形成されてd軸から電気角で90°ずれた位置にあるq軸を通るq軸磁気回路(57)のパーミアンスPstとの関係が、Pst>Prtとなるように設定され、
    前記制御装置は、前記回転電機が位相制御により力行及び回生のどちらかの動作をするように制御する回転電機駆動システム。
  3. 請求項1又は2において、
    前記ボス部の一対のNS磁極あたりの軸方向に延びる鉄心断面積をAbとし、前記ボス部の5000[A/m]の界磁を加えた際の磁束密度をB50とし、前記爪状磁極部間及び前記磁極部間に配置された前記永久磁石の残留磁束密度をBrとし、前記永久磁石の磁極となる面の断面積をAmとしたときに、2×Br×Am<B50×Abとなる関係を満たすようにされている回転電機駆動システム。
  4. 請求項1〜3の何れか一項において、
    前記d軸磁気回路のパーミアンスPrtと前記q軸磁気回路のパーミアンスPstの関係が、Pst:Prt=2n(nは1以上の実数):1である回転電機駆動システム。
  5. 電機子巻線(25)が巻装された環状のステータ(20)、及び、界磁巻線(33)が巻装されて前記ステータの内周側に径方向に対向して配置されたロータ(30)を有する回転電機(1)と、前記界磁巻線及び前記電機子巻線の少なくとも一方に供給する電流を制御して前記ロータにトルクを発生させる制御装置(60)と、を備えた回転電機駆動システムにおいて、
    前記ロータは、筒状のボス部(321,321a,321b)、及び、前記ボス部の外周側に配置されて周方向交互に異なる極性の磁極が形成される複数の爪状磁極部(323,323a,323b)を有する界磁コア(32)と、
    前記ボス部の外周側に巻装されて通電により起磁力を発生する界磁巻線(33)と、
    周方向に隣接する前記爪状磁極部の間に磁化容易軸が周方向に向けられて配置され、前記界磁巻線の起磁力によって前記爪状磁極部に交互に現れる極性と一致するように磁極が形成されている永久磁石(34,34A)と、を備え、
    前記爪状磁極部の外周面の表面積をAsとし、前記ボス部の一対のNS磁極あたりの軸方向に延びる鉄心断面積をAbとしたときに、前記表面積Asと前記断面積Abとの関係が、0.9<As/Ab<1.7となる範囲に設定され、
    前記制御装置は、前記回転電機が位相制御により力行及び回生のどちらかの動作をするように制御する回転電機駆動システム。
  6. 電機子巻線(25)が巻装された環状のステータ(20)、前記ステータの内周側に径方向に対向して配置されたロータ(50)、及び、前記ステータ及び前記ロータを内部に収容し、界磁巻線(53)が巻装されたボス部(17)を有するハウジング(10)を備えたブラシレス構造の回転電機(2)と、前記界磁巻線及び前記電機子巻線の少なくとも一方に供給する電流を制御して前記ロータにトルクを発生させる制御装置(60)と、を備えた回転電機駆動システムにおいて、
    前記ロータは、前記界磁巻線の外周側に配置されて周方向交互に異なる極性の磁極が形成される複数の磁極部(523h,523i)を有する界磁コア(52)と、周方向に隣接する前記磁極部の間に磁化容易軸が周方向に向けられて配置され、前記界磁巻線の起磁力によって前記磁極部に交互に現れる極性と一致するように磁極が形成されている永久磁石(54)と、を備え、
    前記磁極部の外周面の表面積をAsとし、前記ボス部の一対のNS磁極あたりの軸方向に延びる鉄心断面積をAbとしたときに、前記表面積Asと前記断面積Abとの関係が、0.9<As/Ab<1.7となる範囲に設定され
    前記制御装置は、前記回転電機が位相制御により力行及び回生のどちらかの動作をするように制御する回転電機駆動システム。
  7. 請求項5又は6において、
    前記ボス部の外径Dbと前記ロータの外径Drとの関係が、0.46<Db/Dr<0.53となる範囲に設定されている回転電機駆動システム。
  8. 請求項5〜7の何れか一項において、
    前記永久磁石の残留磁束密度Brが1[T]以上である回転電機駆動システム。
  9. 請求項1〜4の何れか一項において、
    前記d軸磁気回路(36,56)が形成される部位は、飽和磁束密度Bsの異なる2種類の材料で形成されており、前記爪状磁極部及び前記磁極部が飽和磁束密度Bsの高い材料で形成され、前記爪状磁極部及び前記磁極部以外の部位が飽和磁束密度Bsの低い材料で形成されている回転電機駆動システム。
  10. 請求項9において、
    前記飽和磁束密度Bsの低い材料は、前記飽和磁束密度Bsの高い材料よりも透磁率が高いものである回転電機駆動システム。
  11. 請求項5〜8の何れか一項において、
    前記界磁コアは、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が部分的に小さくなっており、
    前記ロータの外径Drを直径とする円の面積A1と、磁束の流れ方向と直交する断面の面積が最小となる部分の断面積A2の関係が、0.2116<A2/A1<0.2809となる範囲に設定されている回転電機駆動システム。
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