JP2017220634A - 皮膜除去装置 - Google Patents

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【課題】絶縁皮膜層における絶縁被覆物質の厚さがばらついていても、皮膜残りが発生したり、銅線にダメージが入ることなく、電線ごとに皮膜除去完了を判断する。【解決手段】実施形態に係る皮膜除去装置1は、レーザ光線11の照射により電線60の絶縁皮膜層61を除去する皮膜除去装置1であって、電線60からの熱放射光及び反射光を受光する受光部30と、受光した熱放射光及び反射光を基に、値X=(熱放射光の強度の平均値)/(反射光の強度の平均値)を算出し、値Xが所定の閾値以下であるとき除去完了と判断する判断部40と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、皮膜除去装置に関するものであり、例えば、電線の絶縁皮膜層をレーザ光線の照射により除去する皮膜除去装置に関する。
絶縁皮膜層で被覆された平角線に局部的にレーザ光線を照射することにより、絶縁皮膜層における絶縁被覆物質をレーザ光線のエネルギーで昇華させて除去する絶縁皮膜除去装置が、特許文献1に開示されている。
特開2000−023428号公報
絶縁被覆物質の厚さには、ばらつきがあるため、予め設定された一定の加工条件では、皮膜残りが発生したり、銅線にダメージが入ることがある。絶縁被覆物質を除去した部分をこのまま後工程で接合すると、溶接不良や電気抵抗のばらつきが生じることとなる。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、絶縁皮膜層の厚さがばらついていても、皮膜残りが発生したり、銅線にダメージが入ることなく、電線ごとに皮膜除去完了を判断することができる皮膜除去装置を提供する。
本発明の一態様に係る皮膜除去装置は、レーザ光線の照射により電線の絶縁皮膜層を除去する皮膜除去装置であって、前記電線からの熱放射光及び反射光を受光する受光部と、受光した前記熱放射光及び前記反射光を基に、値X=(熱放射光の強度の平均値)/(反射光の強度の平均値)を算出し、前記値Xが所定の閾値以下であるとき除去完了と判断する判断部と、を備える。このような構成とすることにより、絶縁皮膜層の厚さがばらついていても、皮膜残りが発生したり、銅線にダメージが入ることなく、電線ごとに皮膜除去完了を判断することができる。
本発明により、絶縁皮膜層の厚さがばらついていても、皮膜残りが発生したり、銅線にダメージが入ることなく、電線ごとに皮膜除去完了を判断することができる。
実施形態に係る皮膜除去装置を例示した構成図である。 実施形態に係るレーザ光線の照射位置の掃引により絶縁皮膜層を除去する領域を例示した上面図である。 実施形態に係るレーザ光線の強度(a)、熱放射光の強度(b)及び反射光の強度(c)を例示したグラフであり、横軸は時間を示し、縦軸は、各光の強度を示す。 実施形態に係る絶縁皮膜層の除去加工完了の判定方法を例示したフローチャート図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明する。但し、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
(実施形態)
実施形態に係る皮膜除去装置1を説明する。図1は、実施形態に係る皮膜除去装置1を例示した構成図である。図1に示すように、皮膜除去装置1は、レーザ発振機10、ヘッド部20、受光部30、判断部40、レーザ・ヘッド制御部50を備えている。皮膜除去装置1は、レーザ光線11の照射により、電線60の絶縁皮膜層61における所定の部分(除去する領域63という。)を除去し、導線62を露出させる装置である。絶縁皮膜層61は、例えば、エナメルであり、導線62は、例えば、銅線である。
レーザ発振機10は、レーザ光線11を発振する。レーザ光線11は、例えば、1070nmを中心波長とした光を含んでいる。また、レーザ光線11は、例えば、1000kHzの周波数で連続発振されたパルス光を含んでいる。レーザ発振機10は、レーザ・ヘッド制御部50の制御信号により、レーザ光線11の発振、レーザ光線11の停止、レーザ光線11の出力等が制御される。
ファイバー12は、レーザ発振機10とヘッド部20とを接続している。ファイバー12は、レーザ光線11の伝送路となる部材であり、例えば、ケーブル状の透明部材である。レーザ発振機10で発振されたレーザ光線11は、ファイバー12を介してヘッド部20に伝送される。
ヘッド部20は、ハーフミラー21及び22、ガルバノミラー23並びにレンズ24を含んでいる。ヘッド部20は、ファイバー12を介してレーザ発振機10から伝送されたレーザ光線11を電線60に対して照射する。また、ヘッド部20は、レーザ光線11の照射による電線60からの戻り光13を受光する。
戻り光13は、熱放射光及び反射光を含んでいる。熱放射光は、電線60における絶縁皮膜層61がレーザ光線11の照射により高温となり、昇華することにより生成される光である。レーザ光線11の照射部分に絶縁皮膜層61がある場合には、熱放射光の強度は大きくなる。一方、レーザ光線11の照射部分の絶縁皮膜層61が除去されると、レーザ光線11が導線62の表面で反射するため、電線60の温度は減少する。このため、熱放射光の強度は小さくなる。
反射光は、レーザ光線11が電線60により反射された光である。レーザ光線11の照射部分に絶縁皮膜層61がある場合には、レーザ光線11は絶縁皮膜層61で吸収される。このため、反射光の強度は小さい。一方、レーザ光線11の照射部分の絶縁皮膜層61が除去されると、レーザ光線11が導線62の表面で反射する。このため、反射光の強度は大きくなる。
図2は、実施形態にかかるレーザ光線11の照射位置の掃引により絶縁皮膜層61を除去する領域63を例示した上面図である。図1及び図2に示すように、ヘッド部20のガルバノミラー23は、除去する領域63において、レーザ光線11の照射位置を掃引する。照射位置を、例えば、掃引方向14に掃引しながら除去加工を行う。
また、ヘッド部20のガルバノミラー23は、戻り光13を受光する。ガルバノミラー23による照射位置の掃引の開始、停止等は、レーザ・ヘッド制御部50の制御信号により制御される。ヘッド部20は、ガルバノミラー23によりレーザ光線11の照射位置が掃引される場合に、照射位置の情報を判断部40に対して出力する。
受光部30は、ヘッド部20が受光した電線60からの熱放射光及び反射光を含む戻り光13を受光する。そして、受光部30は、受光した熱放射光及び反射光の強度を検出する。受光部30は、例えば、フォトダイオード等の受光部材を含んでいる。受光部30は、熱放射光受光用及び反射光受光用の各受光部材を有していてもよい。受光部30は、受光した熱放射光及び反射光の強度の情報を判断部40に対して出力する。
判断部40は、ヘッド部20から受け取った照射位置の情報と、受光部30から受け取った熱放射光及び反射光の強度の情報とを対応付け、照射位置における熱放射光及び反射光の強度の情報を記録する。また、判断部40は、熱放射光の強度の平均値及び反射光の強度の平均値を算出する。
図2に示すように、平均値を算出する際には、除去する領域63を、レーザ光線11の照射方向から見て複数の所定領域64に分割した時に、各所定領域64における熱放射光の強度の総和及び反射光の強度の総和を算出して平均値を算出する。なお、図2においては、図が煩雑にならないように、いくつかの所定領域64のみ図示して、それ以外は省略している。
また、除去する領域63全体を所定領域として、除去する領域63全体における熱放射光の強度の平均値及び反射光の強度の平均値を算出してもよい。また、除去する領域63を複数の所定領域64に分割する仕方としては、除去する領域63をXY座標に対応させたときに、X軸及びY軸に沿って均等に分割させた領域でもよいし、掃引方向14に延びた複数の領域としてもよい。一定の個数のパルス光により照射される領域でもよいし、一定の時間にパルス光で照射される領域でもよい。
判断部40は、平均値を基に、以下の式が示す値Xを算出する。
値X=(熱放射光の強度の平均値)/(反射光の強度の平均値)
また、判断部40は、値Xと予め定めた閾値とを比較し、値Xが閾値以下かどうか判断する。判断部40は、値Xが所定の閾値以下であるとき除去完了と判断する。判断部40は、除去完了と判断したときには、レーザ・ヘッド制御部50に対して、除去が完了したことを含む信号を送信する。
具体的には、判断部40は、信号記録部及び演算部を含んでいる。信号記録部は、レーザ光線11の照射位置の情報と、熱放射光及び反射光の強度を電気信号に変換して取り込み、記録する。演算部は、各所定領域64における熱放射光の強度の平均値及び反射光の強度の平均値を算出し、各所定領域64における値Xを算出する。そして、演算部は、各所定領域64において、値Xと予め定めた閾値とを比較し、値Xが所定の閾値以下かどうか判断する。値Xが所定の閾値以下であるとき、その所定領域を除去完了と判断する。記録部は、除去完了と判断された所定領域を記録する。
レーザ・ヘッド制御部50は、制御信号をレーザ発振機10に送信することにより、レーザ光線11の発振、レーザ光線11の停止、レーザ光線11の出力等を制御する。また、レーザ・ヘッド制御部50は、制御信号をヘッド部20に送信することにより、ガルバノミラー23による照射位置の掃引の開始、停止等を制御する。さらに、レーザ・ヘッド制御部50は、制御信号を判断部40に対して送信することにより、判断部40に、受光された熱放射光及び反射光の強度を基に、値Xを算出させる。また、レーザ・ヘッド制御部50は、判断部40に、値Xが所定の閾値以下であるかどうか判断させる。
次に、皮膜除去装置1の動作として、絶縁皮膜層61の除去方法を説明する。絶縁皮膜層61の除去方法を説明する中で、絶縁皮膜層61の除去加工完了の判定方法も合わせて説明する。
レーザ発振機10は、レーザ・ヘッド制御部50からの制御信号により、パルス状のレーザ光線11を発振する。発振されたレーザ光線11は、ファイバー12を介して、ヘッド部20のハーフミラー21に入射する。ハーフミラー21に入射したレーザ光線11の一部は、ハーフミラー21により反射し、ガルバノミラー23に入射する。ガルバノミラー23に入射し、ガルバノミラー23で反射されたレーザ光線11は、レンズ24で集光され、電線60を照射する。
図1及び図2に示すように、絶縁皮膜層61の除去加工は、ガルバノミラー23を備えたヘッド部20を用いて行われる。パルス状のレーザ光線11を連続で電線60に照射し、照射位置を、例えば、掃引方向14に掃引しながら除去加工を行う。例えば、ガルバノミラー23は、レーザ光線11の照射位置を、電線60の上面において、Y方向に一定の距離で進めながら、X方向に掃引する。これにより、図2に示すように、除去した領域65が形成される。ヘッド部20は、レーザ光線11の照射位置の情報を、レーザ光線11の照射方向から見て、X方向及びY方向の座標として、判断部40に出力する。
また、レンズ24及びガルバノミラー23は、レーザ光線11の電線60による熱放射光及び反射光を含む戻り光13を受光する。ガルバノミラー23が受光した戻り光13は、ハーフミラー21に入射する。ハーフミラー21に入射した戻り光13の一部は、ハーフミラー21を透過し、ハーフミラー22に入射する。ハーフミラー22に入射した戻り光13の一部は反射して、受光部30に入射する。受光部30は戻り光13を受光し、戻り光13における熱放射光及び反射光の強度を検出する。受光部30は、検出した熱放射光及び反射光の強度の情報を、判断部40に出力する。
図3は、実施形態に係るレーザ光線11の強度(a)、熱放射光の強度(b)及び反射光の強度(c)を例示したグラフであり、横軸は、時間を示し、縦軸は、各光の強度を示す。一周目とは、除去する領域63をレーザ光線11で一回だけ掃引した状態を示し、N周目とは、N回だけ掃引した状態を示す。N+1周目とは、判断部40が、絶縁皮膜層61の除去が完了したと判断した状態を示す。
図3(a)に示すように、絶縁皮膜層61の除去に用いられるレーザ光線11は、一定の周波数で発振され、一定の強度を有するパルス光となっている。よって、一周目、N周目及びN+1周目を通じて、一定のパルス状の出力となっている。
図3(b)に示すように、一周目において、絶縁皮膜層61は、レーザ光線11の照射により高温となり、昇華する。これにより、熱放射光の強度は、一定の出力として検出される。N周目において、絶縁皮膜層61は、レーザ光線11の照射によりさらに高温となって昇華する。このため、熱放射光の強度は大きくなっている。そして、N+1周目において、レーザ光線11の照射により絶縁皮膜層61が除去されると、銅層が露出する。これにより、レーザ光線11は銅表面で反射し、電線60の温度が低下する。よって、熱放射光の強度は小さくなっている。
図3(c)に示すように、一周目及びN周目において、レーザ光線11は絶縁皮膜層61に吸収される。よって、反射光の強度は小さくなっている。一方、N+1周目において、レーザ光線11の照射により絶縁皮膜層61が除去されると、銅表面でレーザ光線11が反射するために、反射光の強度は大きくなっている。このように、レーザ光線11をN+1回照射することにより、熱放射光の強度は小さくなるのに対して、反射光の強度は大きくなる。
ここで、絶縁皮膜層61の除去加工完了かどうかの判定方法を説明する。
図4は、実施形態に係る絶縁皮膜層61の除去加工完了の判定方法を例示したフローチャート図である。図4のステップS1に示すように、判断部40は、受光部30が検出した熱放射光及び反射光の強度を電気信号に変換して取り込む。その際に、判断部40は、レーザ光線11の照射位置の座標を強度に対応させて取り込む。具体的には、判断部40における信号記録部が、熱放射光及び反射光の強度と、その際のレーザ光線11の照射位置に対応する座標を電気信号に変換して取り込む。
次に、ステップS2に示すように、判断部40は、取り込んだ熱放射光及び反射光の強度の平均値を算出する。具体的には、判断部40における演算部が、熱放射光及び反射光の強度の平均値を算出する。平均値を算出する際には、図2に示すように、除去する領域63を、複数の所定領域64に分割した時に、各所定領域64における熱放射光の強度の総和及び反射光の強度の総和を算出し、各所定領域64における平均値を算出する。
次に、ステップS3に示すように、判断部40における演算部は、各所定領域64において検出した熱放射光及び反射光の強度の平均値を基に、以下に示す値Xを算出する。
値X=(熱放射光の強度の平均値)/(反射光の強度の平均値)
そして、ステップS4に示すように、判断部40は、除去する領域63において、値Xが予め定めた閾値Aよりも大きいか比較する。具体的には、判断部40における演算部は、除去する領域63における各所定領域64において、値Xが閾値Aよりも大きいか比較し、値Xが閾値Aよりも大きいか判断する。また、判断部40は、判断結果を各所定領域64に対応させて記録する。閾値Aは、例えば、絶縁皮膜層61を完全に除去したものに対してレーザ光線11を照射したときの値を予め測定したもの等を用いる。
除去する領域63における各所定領域64において、1箇所でも値Xが閾値Aよりも大きい(Yesの)場合には、ステップS5に示すように、判断部40は、絶縁皮膜層61の除去が「除去未完了」と判断する。そして、ステップS6に示すように、N+1周目の加工を行う。その際、判断部40は、記録した各所定領域64の判断結果を基に、フィードバック制御し、値Xが閾値A以下の所定領域64をスキップして加工を行う。すなわち、値Xが閾値A以下の所定領域64においては、レーザ光線11の照射を停止するとともに熱放射光及び反射光の検出も停止する。値Xが閾値Aよりも大きい所定領域64においては、レーザ光線11を照射し、熱放射光及び反射光を検出する。その後、ステップS1に戻り、受光部30が検出した熱放射光及び反射光の強度を電気信号に変換して取り込む。
一方、除去する領域63における各所定領域64において、値Xが閾値A以下の(Noの)場合には、ステップS7に示すように、判断部40は、絶縁皮膜層61の除去が「除去完了」と判断する。そして、ステップS8に示すように、このワークの加工は完了となる。このように、熱放射光と反射光の強度の変化を総合的に判定することにより、加工完了を検知して制御する。このようにして、絶縁皮膜層61の除去加工完了の判定方法は行われる。
判断部40において、絶縁皮膜層61の除去は完了と判断された場合には、判断部40は、レーザ・ヘッド制御部50に対して、絶縁皮膜層61の除去が完了したという信号を送信する。
レーザ・ヘッド制御部50は、判断部40から、絶縁皮膜層61の除去が完了したという信号を受信した場合には、レーザ・ヘッド制御部50は、レーザ発振機10に対してレーザ光線11の発振を停止させ、ヘッド部20に対して、ガルバノミラー23のスキャンを停止させ、受光部30に対して、熱放射光及び反射光の検出を停止させる。これにより、絶縁皮膜層61の除去は完了する。
次に、本実施形態に対する比較例について説明する。その後、比較例と対比させて、本実施形態の効果を説明する。
第1の比較例として、特許文献1には、平角絶縁電線を渦巻状に巻回積層したコイルにおいて、コイル端末に位置する電線の絶縁被覆除去方法が開示されている。特許文献1の方法は、コイルの内周面に位置する電線の巻き始め端、及び、コイルの外周面に位置する電線の巻き終わり端がコイル本体に密着して貼りついている状態のままで、レーザ光線を局所的に照射することにより、当該照射領域の絶縁被覆物質をレーザ光線のエネルギーで昇華させて除去している。
しかしながら、特許文献1の方法では、除去加工の状態を観察せずに、あらかじめ設定された照射条件でレーザ光線11を照射している。このため、絶縁皮膜層における絶縁被覆物質の厚さのバラツキによって、被覆残りが発生する場合がある。照射条件を、絶縁被覆物質の最大の厚さを除去する条件に設定した場合には、銅線にダメージが入る可能性がある。このような場合には、後工程において、電線の巻き始め端及び巻き終わり端を接合した際に、溶接不良や電気抵抗のバラツキを引き起こすこととなる。
これに対して、本実施形態では、除去加工の状態を観察し、除去加工された接合部分の品質をモニタリングしながらフィードバック制御している。よって、絶縁皮膜層61における絶縁被覆物質の厚さにバラツキがあっても、被覆残りが発生したり、銅線にダメージが入ることなく、電線60ごとに被膜除去完了を判断することができる。
第2の比較例として、特開2002−144068号公報には、金属層と樹脂層の積層基板にレーザ光線を照射し、除去加工中のプラズマ強度及び反射光強度を観測しながら、加工エネルギーを制御する方法が開示されている。しかしながら、この方法では、加工中にプラズマを発生させる必要があるとともに、積層基板に対して垂直方向からのみレーザ光線を照射しているので、電線の絶縁皮膜層の除去に適用した場合には、精度よく絶縁皮膜層61のみを除去することはできない。
これに対して、本実施形態は、加工点の温度(熱放射光)と反射光を観測し、銅層の高反射率を利用している。また、熱放射光は加工点から放射される光であるため、レーザ光線11を斜めに照射した場合でも影響を受けにくい。そして、熱放射光と反射光の双方の強度から算出した値Xを、絶縁被覆層の除去の判定に用いている。よって、プラズマ光を発生させる必要もなく、精度よく絶縁被覆層61のみを除去することができる。
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態は、上述した比較例とは異なり、受光した熱放射光及び反射光を基に、(熱放射光の強度の平均値)/(反射光の強度の平均値)の値Xを算出し、値Xが所定の閾値以下であるとき除去完了と判断している。導線62、例えば、銅線の表面が露出すると、レーザ光線11が反射するため、電線60の温度が低下することにより熱放射光の強度は小さくなる。それとともに、反射光の強度は大きくなる。よって、判断部40は、熱放射光及び反射光の強度の両方の変化に基づいて加工状態を観察しているので、精度よく高感度で絶縁被覆層61の除去完了を検知することができる。これにより、絶縁皮膜層61における絶縁被覆物質の厚さがばらついていても、被覆残りが発生したり、銅線にダメージが入ることなく、電線60ごとに被膜除去完了を判断することができる。
また、実施形態の皮膜除去装置1は、熱放射光を除去加工完了の判断に用いており、レーザ光線を斜めに照射した場合でも安定して熱放射光を検出することができる。よって、精度よく高感度で絶縁被覆層61が除去完了されたことを検知することができる。
また、皮膜除去装置1は、所定領域64ごとに除去加工完了を検知しており、その結果をもとにフィードバック制御している。よって、2周目以降は、除去加工が完了した所定領域64をスキップする等の除去加工の効率化を図ることができる。さらに、レーザ光線11を過剰に導線62に対して照射しないため、導線62へのダメージを低減させることができる。
以上、本発明に係る皮膜除去装置の実施の形態を説明したが、上記の構成に限らず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、変更することが可能である。
例えば、レーザ光線11の波長は、絶縁皮膜層61を除去できるものであれば、任意の波長としてもよい。また、絶縁皮膜層61は、電線60における導線62を被覆するものに限らない。例えば、金属層と絶縁皮膜層61との積層基板における絶縁皮膜層61でもよい。
1 皮膜除去装置
10 レーザ発振機
11 レーザ光線
12 ファイバー
13 戻り光
14 掃引方向
20 ヘッド部
21、22 ハーフミラー
23 ガルバノミラー
24 レンズ
30 受光部
40 判断部
50 レーザ・ヘッド制御部
60 電線
61 絶縁皮膜層
62 導線
63 除去する領域
64 所定領域
65 除去した領域

Claims (1)

  1. レーザ光線の照射により電線の絶縁皮膜層を除去する皮膜除去装置であって、
    前記電線からの熱放射光及び反射光を受光する受光部と、
    受光した前記熱放射光及び前記反射光を基に、
    値X=(熱放射光の強度の平均値)/(反射光の強度の平均値)
    を算出し、
    前記値Xが所定の閾値以下であるとき除去完了と判断する判断部と、
    を備える皮膜除去装置。
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